(共同通信社 2008年3月4日)
人やマウスの遺伝情報に含まれ、役に立たない「ごみ」のように
考えられていた短いDNA配列が、脳の正常な発達に重要な役割を
担っていることを、岡田典弘・東京工業大教授らのチームが発表。
同様の配列は爬虫類や鳥類にもあるが、働いているのは哺乳類だけ。
チームは、進化の過程で哺乳類が高度な脳を獲得したのは、
このDNA配列の作用ではないかと。
進化の過程で、生物の遺伝情報に入り込む「SINE」と呼ばれる
短いDNA配列に着目。魚類や両生類にはない特定のSINEを、
爬虫類より高度な生物が持っていることを見つけた。
SINEの配列は、爬虫類や鳥類では進化に伴って変化したのに、
哺乳類ではもとの配列がよく保存されていた。
SINEが、哺乳類にとって重要な機能を持つのではないかと仮説を立て、
SINEが働くと細胞が発色するように遺伝子操作したマウスを作製。
その結果、SINEが胎児の脳の神経回路を正しく配置する遺伝子や、
大脳皮質を形作る遺伝子を働かせていることを突き止めた。
同様の機能は、鳥類のSINEにはなかった。
「SINEがこうした機能を獲得したことが、
哺乳類特有の高度な脳の形成につながった」と推測。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68810
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