(朝日 2008年03月09日)
京都大学大学院医学研究科の中畑龍俊教授を中心とした研究チームは、
日本人患者の皮膚などから、万能細胞(iPS細胞)をつくり、
病気の原因究明や治療法の開発に取り組む計画を進めている。
iPS細胞は、京大の山中伸弥教授が作製に成功したが、
これまでは、海外から買った皮膚細胞でヒトiPS細胞をつくっていた。
患者の皮膚などの細胞を初期化したiPS細胞は、
病気を起こす潜在的な要因をもつと考えられる。
分化する様子をみることで、病気を起こすメカニズムがわかる可能性。
子どもに多い1型糖尿病や筋ジストロフィー、先天性の貧血などに悩む
京大病院の患者を対象。
血糖を下げるインスリンの分泌がされない1型糖尿病であれば、
iPS細胞を膵臓細胞に分化させ、1型糖尿病の起こる仕組みや
治療薬、治療法を探る。
再生医療として、iPS細胞からインスリンを分泌する細胞をつくる試み。
病気をもたない日本人からボランティアをつのり、
皮膚や臍帯血からヒトiPS細胞をつくり、病気の人と比較。
iPS細胞バンクづくりもめざす。
中畑教授をはじめ、京大の小児科、内科などの医師と山中教授が協力。
山中教授は、「外国でも同様の研究の取り組みは始まっており、
倫理委員会に申請したという話は複数聞いている。
われわれが患者さんの細胞からiPS細胞をつくり、京大だけでなく、
多くの医師らと協力して研究したい」。
http://www.asahi.com/science/update/0309/OSK200803090039.html
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