(毎日 4月5日)
今年2月、低迷が続く日本男子テニス界に、明るいニュース。
デルレービーチ国際選手権(米国)で、
18歳の錦織圭(ΙMG)がツアー初優勝。
日本人男子選手として16年ぶりの快挙の背後に、これまでにない支援が。
小学生時代に才能を見いだされた錦織は、
13歳で「盛田正明テニス・ファンド」の支援で米国に留学。
海外でも物おじしない態度や、高い技術はここで培われた。
この基金は、日本テニス協会の盛田正明会長(80)が
私財を投じて設立、ジュニア選手の海外留学制度を支える。
協会の会長職とは切り離した個人の活動。
盛田会長は、ソニー創業者の盛田昭夫氏の弟で、
アメリカ・ソニー会長などを歴任。
退職後、趣味だったテニスへの貢献を思い立ち、99年にファンドを設立。
使途について日本のトップ指導者に意見を求めた時、
勧められたのが海外留学制度。
日本人選手が国際舞台で活躍するため、技術の向上のみならず、
外国の生活に慣れることや、語学力などが必要。
盛田会長の人脈を生かし、有力選手を育てることで有名な
米フロリダ州のΙMGアカデミーと連携。日本人選手を送り込むことに。
ファンドの予算規模は年間1億円弱で、00年9月の1期生派遣以来、
これまで計13人を支援。
渡航費や、アカデミーでの授業料、遠征費など、1人に年間数百万円が支給。
錦織のように専任コーチを付ける場合、1000万円を超える。
不慣れな土地での「テニス漬け」の厳しい生活に疲弊し、帰国する選手も。
そんな中で、ようやく育った一人が錦織。
「あしながおじさん」の力で、低迷脱出の糸口をつかんだ日本のテニス界。
錦織の台頭を、今後の選手育成につなげていく努力も求められる。
「海外で選手を育てるだけではなく、いずれは日本で選手を強化したい」
との思いは、盛田会長自身が強く感じている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
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