(WebMD 3月26日)
赤ワインに含まれる抗酸化物質が癌細胞を内側から破壊し、
放射線療法と化学療法による癌治療の有効性を増強することが、
新規研究で明らかに。
ブドウの皮に含まれるレスベラトロールという抗酸化物質が、
癌細胞のエネルギー源を標的にし、
それを活動不能にすることによって効果を示す。
放射線療法と組み合わせた場合、放射線療法の前に
レスベラトロール治療を行うことによって、
癌治療の重要な目標である細胞死も誘導。
レスベラトロールは、膵癌の化学療法に対する抵抗性を下げる
可能性があるが、「赤ワインの摂取が、化学療法にどのような
影響を及ぼすかは依然として不明」。
ロチェスター大学メディカルセンターの放射線腫瘍学Paul Okunieffは、
化学療法または放射線療法の期間中の赤ワインの摂取については
十分な研究が行われていないが、禁じられているわけではない。
癌患者がすでに赤ワインを適度に飲んでいる場合、
ほとんどの医師は患者にそれを止めよとは言わないだろう。
もっとよい方法は、同じくレスベラトロールを含んでいる
赤または紫色のブドウジュースを望むだけ飲むこと。
「抗酸化物質の研究は現在、非常に活発であり非常に魅力的である。
課題は、適切な濃度を明らかにすることと、
細胞内でどのように作用するのかを解明すること。
我々は、この問題の重要部分をすでに発見した。
レスベラトロールは、腫瘍細胞の放射線療法に対する感受性を高め、
正常な組織の放射線療法に対する感受性を下げることによって、
治療効果を示すように思われる」。
発表された研究では、50μg/ml用量のレスベラトロールの単独および
放射線療法との併用での膵癌細胞に対する作用を検討。
赤ワイン中のレスベラトロールの濃度は、高くても30μg/ml。
結果は、レスベラトロールが次のような有用と考えられる
種々の抗癌作用を有したことを示した。
1)治療に抵抗する蛋白質を阻害することによって、
化学療法に対する癌細胞の感受性を高める
2)癌細胞の死(アポトーシス)を引き起こす
3)癌細胞のエネルギー源に害を及ぼし、機能する可能性を低下
「更なる研究が必要であるとはいえ、本研究はレスベラトロールが
癌治療の一部として将来有望であることを示している」
Sun, W. Advances in Experimental Medicine and Biology, March 2008.
News release, University of Rochester Medical Center.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=70184
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