2009年8月20日木曜日

支える:バンクーバー冬季五輪、あと半年/2 空気抵抗少ないウエア

(毎日 8月19日)

バンクーバー五輪で、新たに正式種目となったスキークロス(SX)。
日本の第一人者、滝沢宏臣(トーヨータイヤ)が、
「フランスチームが、とんでもないウエアを着ている」
耳にしたのは、昨年末。

SXは、フリースタイルスキー競技の一種目。
トリノ五輪で新種目となったスノーボードクロス同様、
「見せるスポーツ」の側面も強く、ゆったりした形のウエアが
主流を占めてきた。
フランスなどが採用したのは、空気抵抗が格段に少ない、
アルペン競技のウエアに酷似したタイプ。
「上腕と太ももの周りに、6センチ以上のゆとりがあること」
などとする国際スキー連盟の規定を、ぎりぎりクリア、
「やられた、という感じ。
『フリースタイルのレースを自分たちで作り上げよう』という
紳士協定が、崩れた瞬間だった」と滝沢は振り返る。

プレ五輪シーズンは、3月の世界選手権猪苗代大会に合わせて、
急きょ新型ウエアを用意、後手に回る形に。
その経験を踏まえ、滝沢はバンクーバーに向けて動き出した。

09~10年シーズンの規定が明らかになった直後の7月末、
ウエアの供給を受けるゴールドウインと綿密な打ち合わせ。
ゴールドウインは、「新規定で、ダウンヒル用素材の使用が禁止。
素材が変われば、デザインも変わる。ゼロからのスタート」
12月のW杯で、新型ウエアを披露できる見通し。

冬の競技は、道具を有効活用できるかにかかっている。
自分の体ができていればいい、というものではない」と滝沢。
アルペンからの選手流入が顕著な状況と合わせ、
SXは急速に競技性を強めている。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/08/19/20090819ddm035050035000c.html

0 件のコメント:

コメントを投稿