2009年10月24日土曜日

小学生と外国語(2)授業の技 研修で磨く

(読売 10月15日)

英語が得意な教師も得意でない教師も、
指導技術を身に着けようと奮闘。

外国人講師が1枚ずつ絵をめくりながら、
英語で童話「桃太郎」を読む。
この日は、生徒となった先生たちが、同じ言葉を繰り返す。
埼玉県上尾市の聖学院大学で、小学校英語の講習会が開かれた。

講習会は、2001年、総合学習の時間を念頭にスタート。
9回目の今年は、小学校の外国語活動の必修化に向けて開催、
過去最高の264人が参加。
午前と午後で、計4講座を選んで受講。
実践技術への要望が強いのか、模擬授業のある講座が人気。

参加者の中に、各小学校を代表して英語活動の推進にあたる
「中核教員」の姿があった。
都道府県教委などが実施する研修を受講して、
校内研修に生かす役割を担う。
校内研修は、研究授業も含め、2年間で30時間程度。

都内の公立小の中核教員、森本康仁さん(28)は、
「我が校では、英語に自信のある教員は皆無。
自分も、海外旅行で話した経験がある程度」
少しでも知識、技能を高められればと、この日の講習会に参加。
中核教員ですら、誰もが英語が得意なわけではない。

英語の使い手でも、授業となると事情は違う。
米コロンビア大学ティーチャーズカレッジ日本校は、
8月初めの3日間、児童英語の講習会を開いた。
受講者は3、4人のチームに分かれ、それぞれ歌や自作の
小道具などを使った授業プランを考え、最終日に発表。

講義は、すべて英語。
21人の参加者も全員、英語を使いこなしていたが、
「会話ができるのと、児童に教えるのは別の話」と
都内の公立小教員の秦さやかさん(34)。
英語活動では、ゲームや歌が主体となり、これまでの授業とは違う
方法論が必要になる。

愛知県教委は今年9月、通常の研修に加え、
独自の中核教員育成プログラムを県内40地域で始めた。
模擬授業を行ったり、実際の授業を見て助言したりする
大学教授などの英語教育のプロを、各地の学校に派遣。

小学校全7校で、英語活動を導入している知多郡東浦町で、
研修には、中核教員のほか、町内の中学校長なども参加。
教員養成大学の教授が5年生を相手に模擬授業を行い、
質疑応答などで授業の技を磨いた。

同町では、これまで大きな混乱はないが、中核教員の
松山幸代さん(34)は、「人前で自分を表現するのが苦手な児童も。
英語嫌いにならないように気を配るのが担任の務め」

小学校の授業として定着するまで、道は遠い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091015-OYT8T00232.htm

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