2010年2月11日木曜日

骨から脂肪へ路線変更 細胞作製に新手法 再生医療で利用も、京都大

(2010年2月1日 共同通信社)

幹細胞が、骨の細胞へ成長している途中で、
成長を妨げる遺伝子を導入し、
骨ではなく脂肪の細胞にする実験に成功したと、
田畑泰彦・京都大教授(生体組織工学)らが明らかに。

再生医療には、新型万能細胞「iPS細胞」などの利用が期待、
田畑教授らの方法は、治療に使うなど目的の細胞を作る
新たな方法となる可能性がある。

遺伝子の"運び屋"には、効率は良いが、毒性や免疫反応が
懸念されるウイルスではなく、細胞が普段栄養として取り込む
糖を利用し、比較的安全性が高い方法。

田畑教授らは、ラット骨髄から「間葉系幹細胞」を採取して実験。
幹細胞は、「TAZ」というタンパク質の影響を受け、
脂肪になるのが抑制され、骨になるよう促されやすい。

TAZを作る遺伝子の働きを妨げるため、
「RNA干渉」という方法を利用。

幹細胞に、「siRNA」遺伝子を導入すると、
細胞内でTAZの合成が約1週間、阻害。
約2週間後、脂肪細胞に特有の酵素が検出され、
細胞の中に脂肪の塊ができているのを確認。
siRNAは、細胞に取り込まれやすいよう改良した
糖類に載せて導入。

田畑教授によると、人間の体内の間葉系幹細胞は、
骨や脂肪のほか、筋肉、軟骨などになる能力があるが、
骨髄から取った幹細胞は骨になりやすいといった傾向。

田畑教授は、「路線変更をさせる方法を応用すると、
取りやすい場所にある幹細胞から、目的の細胞を効率よく
作ることができる可能性がある

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/1/115285/

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