(毎日 9月28日)
受動喫煙が原因で、肺がんや心臓病で死亡する成人は、
国内で毎年約6800人に上るとの推計値を、
厚生労働省研究班が発表。
女性が約4600人と被害が大きく、半数以上の約3600人は
職場での受動喫煙とみられる。
望月友美子・国立がん研究センタープロジェクトリーダーは、
「年間の労災認定死が約1000例であることを考えると、
甚大な被害だ。
行政と事業者は、労働者の健康を守る責任を認識すべき」
◇「半数は職場で」
研究班は、05年実施された受動喫煙状況に関する調査を基に、
たばこを吸わない成人約7600万人のうち、
女性(約4800万人)の約30%と男性(約2800万人)の約6%は家庭で、
女性の約20%と男性の約30%は職場で、
それぞれ受動喫煙にさらされていると推定(重複あり)。
受動喫煙により、肺がんや虚血性心疾患などの病気になる
危険性が1.2~1.3倍になることが、
国際機関や同センターの疫学調査により明らかで、
受動喫煙によって増えるリスクから、死者数を推計。
その結果、肺がんで死亡した女性(年間約1万8000人)の約8%と
男性(同約4万9000人)の約1%、虚血性心疾患の女性
(同約3万4000人)の約9%と男性(同約4万2000人)の約4%の、
計約6800人は、受動喫煙が原因と判断。
◇受動喫煙◇
健康増進法は、「室内かそれに準ずる環境で、
他人のたばこの煙を吸わされること」と定義。
喫煙者がフィルターを通して吸った「主流煙」よりも、
たばこの先端から立ち上る「副流煙」に、
より多くの有害物質が含まれる。
健康被害を防ぐため、厚生労働省は、飲食店やホテル、百貨店など
多くの人が利用する公共的な施設に対し、
建物内での全面禁煙実施を求める通知。
神奈川県は4月、全国初となる受動喫煙防止条例を施行。
http://mainichi.jp/select/science/news/20100928k0000e040046000c.html
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