2010年10月17日日曜日

野菜、運動、勉強で予防を もの忘れと認知症/5止

(2010年10月8日 毎日新聞社)

脳に病変が生じてから認知症を発症するまで、
20年以上かかるといわれる。
病変により、神経細胞が減り始めても、残った神経細胞を使って、
脳の「余力」を引き出せば、発症を遅らせることができる。
最近は、「認知症の予防は、生活習慣病とほとんど変わらない」
というのが定説。

埼玉医大総合医療センターの大貫学医師は、
認知症になりたくない高齢者約1200人を、約20年間追跡調査、
その結果から予防法を5項目まとめた。

食事は、総合的にビタミンをとるため、毎日サラダボウル1皿分の
生野菜を食べる。
「時間がなければ、ジュースやサプリメントでもいいが、
美しく盛りつけて食べることが脳への刺激になる」

水分は、1日1・5L以上。
夜間のトイレが気になる人は、午後4時までに約1・2L飲むといい。

運動量の目安は、「1日おきに60分以上汗をかく」。
どんな運動でも構わないが、ひざや腰にあまり負荷をかけずに
筋力がつく水中ウオーキングがおすすめ。

生活習慣病予防と違うのは、「勉強」の大切さ。
脳には、一度も使われないまま機能が落ちていく神経細胞が多い。
そこに働きかけ、認知機能を鍛える。

大貫医師が勧めるのは、新聞を使ったトレーニング。
毎朝10項目のニュースの見出しを選び、夕食後、
新聞を開かず思い出す。
初めは半分ぐらい忘れてしまっても、1カ月続けると
全部思い出せるようになることが多い。

最後は、「完全禁煙」。
たばこは、血中の酸素濃度を下げ、認知機能を低下させる。
本人も家族も、吸わない環境が望ましい。

「やればできると気づくことが大切。
『年のせい』を、努力しない言い訳にしてませんか?」と大貫医師。
耳に痛いが、予防への本気度が、
脳の健康を左右することは確かなようだ。
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◆認知症予防5カ条
<1>十分な野菜をとる
<2>水は毎日1.5L以上飲む
<3>1日おきに60分以上の運動を
<4>毎日、新聞の見出しを10個覚える
<5>たばこを吸わない。周囲も禁煙
<番外>週3回、家族以外とのコミュニケーションを
(大貫医師の話より作成)

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/8/126673/

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