(2010年10月14日 共同通信社)
くちびるの周りに、赤い水ぶくれができる口唇ヘルペスなどの
原因となる単純ヘルペスウイルス(HSV)が、
人に感染する仕組みを解明したと、東京大医科学研究所の
川口寧准教授(ウイルス学)らが14日付英科学誌ネイチャーに発表。
ウイルスの表面にある糖タンパク質の結合する相手が、
人間の細胞側の特定のタンパク質であることを突き止めた。
川口さんは、「このウイルスは、いったん感染すると潜伏感染し、
頻繁に再活性化する。
従来の抗ウイルス薬は、感染を防ぐことはできなかったが、
今回分かったメカニズムは、感染を防ぐ薬の開発につながる」
HSV粒子の表面にある「糖タンパク質B」が、
人の細胞側のどこと結合するかが謎だったが、
川口さんらは、その相手が「非筋肉ミオシンIIA」という
タンパク質だと解明。
このタンパク質は、通常は細胞表面にはなく、
HSVが侵入しようとすると表面に出てくる。
表面に現れるのは、特定の酵素が働くためと分かり、
マウスの実験で、この酵素の働きを薬で抑えると、
HSVの感染を防ぐことができた。
HSVは、唾液などを介して粘膜で感染、さまざまな病気を引き起こす。
日本人の10人に1人は、口唇ヘルペスにかかったことがある。
脳炎は、特に病状が重く、後遺症がある場合や死に至ることも。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/14/126875/
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