2010年10月14日木曜日

脊髄損傷マウスの治療に成功した奈良先端科学技術大学院大教授の中島欽一さん

(2010年10月6日 共同通信社)

神経幹細胞と、てんかん薬を使って神経を再生させ、
脊髄を損傷したマウスを歩けるまでに回復させることに成功。
米医学誌に発表。

研究成果が報道されると、脊髄損傷患者やその家族から、
いつ実用化されるのかと問い合わせが相次いだ。
中には、「私を実験台にして、治療を試してほしい」との悲痛な訴えも。

マウスでは成功したものの、人間で応用するには、課題が山積み。
「患者さんのつらい気持ちは分かるが、私にできるのは基礎研究まで。
臨床応用は、医師らにお願いするしかない」と、歯がゆい心境を明かす。

下半身がまひしたマウスが歩いた、と報告を受けたとき、
「しっかり証明しなければ」と思った。
欧米の一流科学誌には、「データがきれいすぎる」と信じてもらえず、
突き返されたことも。
論文が掲載されたのは、実験成功から約4年後。

九州大入学時の専攻は、化学。
身近に感じた生物学に興味を抱き、ハブ毒の研究で博士号を取った。
大阪大や熊本大で、免疫学や神経発生学を研究し、
米国留学から帰国した2004年、36歳で奈良先端大の教授に。

「やりたいことをやっていたら、結果が出た」と謙遜するが、
努力はしてきた、との自負がある。
研究員時代、早朝から深夜まで実験に没頭。

研究テーマは、脊髄損傷にとどまらない。
生物は、分からないことがいっぱいあるから、おもしろい」。
学生のころから続けるサーフィンが趣味の43歳。
熊本市出身。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/6/126554/

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