2010年12月12日日曜日

破壊抑え骨粗しょう症治療 阪大、原因細胞遠ざける

(2010年12月7日 共同通信社)

骨を壊す破骨細胞を、骨に近づけないようにして骨の破壊を抑え、
骨粗しょう症を治療することに、大阪大と米国立衛生研究所(NIH)
チームがマウスで成功。
6日付の米医学誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン
(電子版)に掲載。

国内患者が推計1千万人以上とされる骨粗しょう症のほか、
関節リウマチやがんの骨転移など、骨が壊れていく病気の
治療法開発に役立つとして、ヒトへの臨床応用の準備を進めている。

チームは、破骨細胞のもとになる前駆細胞が、
血管から骨へ移動する過程に着目。
「スフィンゴシン1リン酸(S1P)」という脂質が、
この移動を制御することを発見。

S1Pを感知する前駆細胞表面のタンパク質「S1PR2」の働きを抑える
阻害剤をマウスに投与すると、前駆細胞が骨へ移動しないことを、
生きたまま骨の中を観察できる顕微鏡で確かめた。
阻害剤を投与した骨粗しょう症マウスは、
骨の密度が約1・5倍に改善。

現在の主な治療法では、破骨細胞を殺す薬を投与するが、
正常な骨で繰り返されている、古い骨を壊し新しい骨を作る
サイクルのバランスが崩れ、壊死するなどの副作用が問題。

大阪大の石井優准教授は、
「今回の治療法は、無理やり細胞を殺さないので安全で、効果も大きい」

※骨粗しょう症

骨がもろく、折れやすくなる病気。
背中が曲がる原因となり、寝たきりにもつながる。
更年期に、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が急激に減少するのが一因、
高齢女性に多い。
65歳以上の約3割、75歳以上では約半数が患っている。
2050年、高齢化がさらに進んで、患者が5千万人を超える可能性、
対策が求められている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/7/129404/

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