2011年5月19日木曜日

携帯が不通になったのはなぜ?想定外の広域・長期停電が拍車

(産経新聞 5月14日)

「震災後、多くの携帯電話が一時、不通に。
テレビでは、『携帯がつながらず家族と連絡できない』との
悲痛な声の一方、携帯で話す被災者の映像も。
携帯がつながったり、つながらなくなったりしたのはなぜ?」

◆途切れた通話

3月11日、大きな揺れの後、石巻市の伊藤芳栄さん(56)は、
自宅にいて津波で行方不明になった娘の英理奈さん(24)の
携帯電話にかけ続けた。
何度目かにつながり、「逃げて!」と叫んだ。
その直後、ぷつりと通話が途切れた。

「窓を閉めていて、津波に気づかなかったんでしょうか。
もっとちゃんと話せていたら」と悔やむ。

震災後、東北に限らず、多くの地域で携帯電話がつながりにくい状態に。
安否確認などで電話する人が殺到したため、
携帯電話各社が発信規制をしたため。

最大で、NTTドコモは90%、KDDI(au)は95%、
ソフトバンクは70%の発信を規制。
90%なら、同じエリアにいる10人のうち1人しかつながらない状態。

ドコモの担当者は、「回線がパンクすると、消防や警察などへの
優先回線も使えなくなる恐れがあった」と、規制の必要性。

一夜明け、被災地の事態はより深刻化する。
携帯の電波を中継する各社の基地局は、数時間から十数時間もつ
バッテリーを備えているが、長引く停電で軒並みダウン。
「ここまで長い時間停電することはいままでなかった」(ソフトバンク)

震災翌日の3月12日現在で使えなくなった基地局は、
ドコモが6720カ所、KDDIが3680カ所、ソフトバンクが3786カ所。
東北ではドコモが半数、KDDIは3分の2の基地局が機能を停止。

ドコモでは、津波の直撃を受けた基地局は約100カ所、
機能停止の大半が停電による影響。
基地局がダメになっても通常、周辺基地局が電波をカバーするが、
地域一帯の基地局が機能しなくなるという、
想定を超えた広範囲の被害となった。

各社は、非常時に基地局の代わりとなる移動基地局車を
全国各地から東北に向かわせたが、道路の寸断や渋滞に阻まれた。

被災地に着いても、自治体から被害情報が得られず、
待機する状態が続いた。
『何ですぐ配備できないんだ』と歯がゆい思いだった」とKDDI担当者。

◆余震が冷や水

携帯各社は、基地局車に加え、衛星回線でつなぐ装置を投入する
応急措置を進める一方、基地局の復旧に努めた。

大半が復旧しだした4月7日、最大震度6強の余震が襲う。
ドコモで約1200カ所、KDDIで約500カ所の基地局が再びダウン。
余震が続くごとに安否を確認する人で電話が集中、発信規制が再開。
その都度、つながりにくい状況が再現した。

通話がつながりにくかったのに対し、通信状況が比較的
安定していたのがメール。

ドコモが震災直後に、一部で発信規制をした以外は、ほぼ規制はなかった。
音声に比べ、情報量が少なくて済むからだ。
それでも震災直後は、受信が大幅に遅れる現象も出た。

ソフトバンクの担当者は、「道路は正常だが、発信が多く、
車が渋滞しているような状況だった」

福島第1原発周辺や一部の山間部を除いて、
4月末までに各社の基地局はほぼ復旧。

今回の震災を受け、携帯各社では、基地局車や移動電源車、
自家発電機などを増やす方針を打ち出した。

ドコモでは、人口密集地など重要基地局については、
バッテリーを24時間使えるように拡充させる。
ソフトバンクも、バッテリー容量を増やす方針だ。
KDDIでは、東北以北と全国各地域を結ぶ基幹通信網3ルートのうち、
2ルートが使えなくなり、安否を伝える災害用伝言板を含めて
障害が出たため、日本海側にも新たにルートを整備する。

通話に比べ、メール通信が安定していたことから、
ドコモは、声をメールに載せて送るシステムの導入も検討。
ソフトバンクの担当者は、「バッテリーを拡充させても、
電気が復旧しなければ限界がある。
われわれだけの対策ではムリだ」

KDDIでも、「基地局車を何台投入したところで、被災地で迅速に
活動できなければ意味がない。
自治体との連携も含め、災害時の想定を見直す必要がある」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110514-00000573-san-bus_all

***
携帯電話は、震災の時には全く繋がりませんでした。
メールも、ネットもできない状態でした。
スカイプやツィッターが有効だったという報道もありましたが、
それはネットが使える環境の場合。
ネットが使えない以上、これらは機能しませんでした。

規制はある程度は仕方ないとして、
例えば、家族や友達との無料通話設定をしているところだけはOKにするとか、
番号によって使える時間をずらすとか、何か工夫をしてほしい。

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