(読売 4月21日)
インドの首都ニューデリーにある高級商店街カーン・マーケット。
周辺の裕福な家庭で、住み込みの家政婦や運転手などとして
働く労働者は貧しい。
この労働者の子どもたちを対象に、無料で勉強を教える塾が注目。
「面接に臨んでいるつもりで、自分の職歴を英語で説明してみて」と、
米ニュージャージー州から来たボランティア講師の
サマンサ・フセインさん(21)が、本場の英語で指示を出す。
12人の生徒が、「レストランでウエートレスをしました」、
「軍で勤務しました」などと快活に答える。
生徒のビマル・クマルさん(18)は、
「英語がうまくなって、将来は良い仕事につきたい」
裕福な家庭に育ったラビ・グラティさん(42)が、
商店街2階にある自宅の居間や寝室を開放し、塾を始めたのは1998年。
貧しい少年に数学を教えたところ、飛躍的に力が伸びたのを
実感したのがきっかけ。
「学校教育は、一人一人の生徒に十分な注意を払っていない。
少しの機会を与えるだけで、子どもの力は大きく伸びる」
こう確信したグラティさんは、本格的に塾の運営に取り組む。
今では生徒は120人。
弁護士や公務員ら有志が、ボランティアで講師を務める。
運営は寄付金頼りだが、最近はフセインさんのように、
アメリカなど海外からボランティアで訪れる若者も増えてきた。
英語、数学、コンピューターなどのほか、劇や映画制作など、
日本の総合学習で取り組むような科目も多い。
グラティさんは、「補習や就職に役立つ科目だけでなく、
全人的な教育に取り組みたい」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110421-OYT8T00285.htm
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