(サイエンスポータル 2010年10月15日)
医師不足が最も深刻な地域で、携帯電話を利用した診療支援を
可能にする遠隔医療システムの実証実験を、
東北大学が沖縄県宮古島で始める。
このモバイル医療情報通信システムは、「電子診療鞄」と名付けられ、
医師の代わりに看護師が患者宅に持参し、
病院や診療所の医師に、患者の高画質映像や生体情報を
オンラインで送ることができる。
へき地や離島のほか、救急車、災害現場などでの活用が期待。
東北大学の山家智之・加齢医学研究所教授、
吉澤誠・サイバーサイエンスセンター教授らが、
ソニー、フクダ電子、オムロンヘルスケア、本多電子、
ウィルコム,ネットワンシステムズ、スリーリンクスなどと共同で開発。
既に、第1号試作器を用いた模擬実験を、仙台市の在宅医療現場で
実施済みで、このほど改良型第2号試作器の完成を機に、
沖縄の離島、宮古島のうむやすみゃあす・ん診療所で、
実証実験に取りかかる。
在宅療養者を訪問した看護師から、携帯電話で送られてくる
動画像データと生体情報を基に、診療所にいる医師が
在宅療養者を診察、必要に応じて看護師に適切な指示をする。
電子鞄の中身は、送信パソコン、モバイルカード、12誘導心電計、
血圧計、超音波診断装置、ビデオキャプチャボックス、
ウェブカメラなどから成る。
厚生労働省が発表した「病院等における必要医師数実態調査の概況」
によると、全国の医療機関が必要とする医師の数に対し、
現在の医師数は約9割しかいない。
地域による医師不足の程度も、大きな差があることが明らか。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1010/1010151.html
0 件のコメント:
コメントを投稿