(読売 11月12日)
「電子黒板を使った授業は、決して難しくありません」
つくば市にある独立行政法人「教員研修センター」で実施された
情報通信技術(ICT)の指導者養成研修。
都道府県から派遣された76人の指導者候補生に、
講師役の男性が強調。
研修は、電子黒板やデジタルカメラなどの情報機器を使った
効果的な授業や、情報モラルの指導法などを習得するのが狙い。
文部科学省所管の同センターが今年度から実施。
受講者たちは、それぞれの地域に戻った後、
ICT活用の講師として活躍することが期待。
今回の日程は4日間。
初日となるこの日は、七つのグループ別にICTを使ってどんな授業が
できるかなどについて話し合い、電子黒板で発表。
修学旅行で子どもたちが撮った写真を、電子黒板で地域の人たちに
公開する授業を提案した和歌山県教育センター学びの丘の
浜上修・指導主事(43)は、「各地域での取り組みもわかる。
研修はありがたい」
教員のICT活用指導力の向上は、喫緊の課題。
文科省は2007年、「授業でICTを使える」など五つの項目について、
10年度までに全教員が「(やや)できる」と、
自己評価するようになることを目標。
しかし、その実現は遠い。
09年度、ICT指導力について何らかの研修を受けた教員は、
全国の教員の2割。
この結果、上昇傾向にはあるものの、教材研究でICTを使える教員は、
09年度末現在で全体の74%、
授業で使えると答えたのは6割に満たない。
「授業でICTを使える」など、五つの項目すべてで全国トップの三重県では、
初任者研修などに情報教育研修を義務づけたり、
全教員がネット上でいつでも受けられる「eラーニング」を導入。
こうした手厚い研修を実施している自治体は少数派。
文科省は昨年、関東など全国を六つのブロックに分けた研修などを含む
ICT関連予算(7億円)を要求、その後の政府の事業仕分けで、
全額カットされている。
今回の研修は、国で実施できなくなった研修を、
急きょ規模を縮小し、同センターで実施することになった経緯。
子どもたちが、効果的な授業の恩恵にあずかれるために、
国や自治体がやるべきことは少なくない。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101112-OYT8T00176.htm
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