(2011年7月11日 読売新聞)
外からのストレスで遺伝子の働きが変化する仕組みを、
理化学研究所の石井俊輔主任研究員らのグループが明らかに。
遺伝子の「働き」の変化は、子に遺伝することもわかった。
米科学論文誌「セル」に発表。
遺伝情報は、「塩基」とよばれる物質の並びとして、DNAに刻まれている。
トウモロコシの実の色は、基本的にはこの塩基の並び方で決まる。
気温や日照時間の異常といったストレスが加わると、
遺伝子の働きが変化し、ストレスが取り去られても、
その影響が子に伝わることが知られている。
だが、その変化の仕組みがわかっていなかった。
DNAは、ヒストンというたんぱく質の塊に巻き付いている。
石井さんらは、塩基の並びに変化がなくても、その巻き付き方の違いで、
遺伝子が働いたり働かなかったりする仕組みに着目。
白い目のショウジョウバエの卵を、お湯につけてストレスを与えると、
「ATF2」というたんぱく質が活性化し、DNAの巻き付きが緩むことを発見。
緩んだ結果、赤い色素を作る遺伝子が働くようになり、
生まれてくるハエは目が赤くなった。
巻き付きの緩さは、子に遺伝した。
目が赤くなったショウジョウバエの子も、目が少し赤くなったが、
孫の世代では白い目に戻った。
親と子に続けてストレスを与えると、
目の赤さは孫、ひ孫、やしゃごまで残った。
石井さんは、「ストレスが、生活習慣病や精神疾患を引き起こす
メカニズムをあきらかにして、病気の予防などにつなげたい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/7/11/139181/
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