2008年12月24日水曜日

乗客の「頭の中」を調べテロ防止 空港警備の最前線

(CNN 12月7日)

空港の金属探知機ゲートの前に順番待ちの長い列が続く光景は、
やがて過去のものとなるかもしれない。
乗客が機内に持ち込む手荷物などをチェックする代わりに、
最新技術で心理状態を把握し、テロを防止しようとする技術の開発が進んでいる。

金属探知を重視する現行のシステムには限界があり、
非金属の武器や化学薬品を使ったテロ、力づくのハイジャックなどを
防止することはできない。
こうした認識に基づく保安検査の技術開発で、最先端を行っているのは、
テロなどの脅威を常に感じてきた中東の小国、イスラエル。

「金属探知機より速くて効率が良く、乗客の負担も小さい」とされる新技術を、
数社の企業が提案している。

WeCUテクノロジーが取り組んでいるのは、潜在意識に働き掛ける
サブリミナル画像と、生体センサーの技術を組み合わせた手法。

たとえば、空港で乗客が目にする自動発券機の画面や出発便の電光掲示板に、
国際テロ組織アルカイダの最高指導者オサマ・ビンラディン容疑者の姿や、
「イスラム聖戦」を意味するアラブ語などの画像を瞬間的に表示させ、
サブリミナル効果によって起きる反応をセンサーでチェックする、といった仕組み。

テロなどをたくらむ人物は、画像の刺激で体温や脈拍、呼吸などに
無意識の変化を示すと考えられる。
さらに、上を歩くだけで生体測定ができる「スマートカーペット」、
椅子に座った人の詳細なデータを採取する「スマートシート」などの開発も。
米国土安全保障省からの助成金も受け、2010年の実用化を目指している。

同国のもうひとつのハイテク企業ネメシスコが注目しているのは、音声の分析。
ストレスがあると、声の周波数に変化が起きるとの説に基づき、
「正常な声」と「危険な声」を識別するシステムを開発。
すでに、モスクワのドモデドボ国際空港などでの試験運用に成功。

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200812070016.html

地域が支える学校(14)読者の声…かかわる大人も成長

(読売 12月19日)

地域が学校にかかわる制度に、読者も期待を寄せる。

「地域にしろ、家族にしろ、人とのつながりが薄くなったという点で、深刻な状況。
学校を核にして、人とのつながりが、少しでも広がればいい

地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクールに、
こんな期待をするのは、東京都内に住む佐々木菜穂子さん(46)。
中野区立沼袋小学校で、春から産休代替教員を務めている。
「地域がとてもアットホーム」という、学校の学芸会の様子をメールで詳しく紹介。

公立学校の教師には異動がある。
地域との関係を築いても、異動になれば一からのスタート。
沼袋小の地域では、「メンバー交代も、新しい風として受け止め、活動が継続」。
秋の学芸会も、担任の半数が初めての経験だったが、
事前の衣装あわせに、多数の保護者が来校するなど、
学校を支える地域の力で120%の力が出せた。

10年以上、都内で教員を務めた後、歌を歌いながら体を動かす
プログラムの普及活動を続けてきた。
幼稚園児からお年寄りまで、世代を超えて交流することが多いだけに、
学校と地域の関係が客観的に見える。

「学校にかかわる活動は、かかわった大人にも成長のチャンスを与える。
学校は子供だけでなく、地域の学びの場となる」、
「学校を支える活動を、子育て中の元気な30代の人たちにがんばってほしい」
佐々木さんは、そんなメッセージも寄せた。

東京都日野市立東光寺小学校の地域関係者からは、
「来年、コミュニティスクールに名乗りをあげます」と連絡。
この秋、校庭の芝生化が完成し、その管理も地域がかかわっている。
校長も、地域の支える制度への大きな期待を口にした。

学校を支える組織である「地域支援本部」ができたという、
大阪府内の学校のPTA会長からは、「地域をつなげることが難しい。
そんな地域でも、学校と手を結ぶことができた例を知りたい」という声。

近隣の小中学校の「ミニ集会」に毎年参加しているという千葉県の男性から、
「地域との連携をテーマに掲げる学校が多いが、
学校が地域に何を求めているのかわからない」と苦言。
「学校側から、どんな困ったことがあるのか、具体的な説明や協力要請がない。
教育関係の仕事の経験はないが、案件次第では意見が出せるのに」

学校の情報発信の重要性がわかるファクス。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081219-OYT8T00250.htm

肥満関連遺伝子変異が食物選択に影響を与える可能性

(Medscape 12月10日)

肥満関連(fat mass and obesity-associated)遺伝子FTOの変異は、
エネルギー消費量ではなく、エネルギー摂取量および高エネルギー食嗜好に
関連しているという、スコットランドの小児を対象とした研究が発表。

FTOの変異体rs9939609のA対立遺伝子を有する小児は、
有しない小児と比較して、体重に関係なく、試験食時のカロリー摂取量が多かった。
『New England Journal of Medicine』12月11日号に掲載。

摂食量は、このA対立遺伝子を有する小児と有しない小児でほぼ同等。
ダンディー大学(スコットランド)Ninewells病院・医学部
(Ninewells Hospital and Medical School)生物医学研究所薬理ゲノミクス教授の
Colin Palmerは、2型糖尿病リスク関連遺伝子のゲノムレベル解析に貢献。

体格指数(BMI)に影響を及ぼすことで、糖尿病のリスクを増加させる
共通のFTO変異体を同定。
今回、rs9939609のA対立遺伝子がエネルギー収支に
どのように影響を及ぼすかを検討。

4-10歳のスコットランドの小児(2726例)を対象、
rs9939609の遺伝子型を特定した:A対立遺伝子がホモ接合体(AA)14%、
ヘテロ接合体(AT)49%、T対立遺伝子がホモ接合体(TT)37% 。
平均体重は、TT群26.99kg、AT群27.16kg、AA群28.07kgと、
遺伝子型群間で有意差。
BMIも、TT群17.09、AT群17.17、AA群17.58と、群間で有意差。

A対立遺伝子を有する小児は、この対立遺伝子を有しない小児と比較し、
安静時エネルギー消費量、総エネルギー消費量が多い。
「肥満者のほうが、安静時代謝が高いというのは道理に合わない。
一般に、肥満者の継続的な高カロリー摂取が原因である」

肥満者はあまり活動的ではなく、新陳代謝が遅いという固定観念について、
Palmer博士は、「「新陳代謝の遅い人」という表現型を見出すため、
体重と比較してエネルギー消費量が少ない人を探した。

これまでに見つけた遺伝子は、「新陳代謝の遅い人」という表現型に関連しない」
A対立遺伝子とカロリー摂取量の関連が判明。
試験食の約1.5時間前に、小児は、水250mL(対照群、0kJ)、
オレンジドリンク+マフィン(低エネルギー群、783kJ)、
オレンジドリンク+マフィン(高エネルギー群、1628kJ)を摂取。
その後の試験食時、各小児が摂取した食事の量および内容を評価。
小児76例が、このプロトコル×3回を終了。

解析の結果、rs9939609のA対立遺伝子は、
試験食時のエネルギー摂取量高値に関連。
データを年齢で補正し、0kJおよび783kJ摂取後の試験食時に、
A対立遺伝子(AAまたはAT)を有する小児は、T対立遺伝子が
ホモ接合体(TT)である小児よりも、カロリー摂取量が多かった。

1628kJ摂取後にも同じ傾向が認められたが、有意差は認められなかった。
3つの食前条件すべてについて、A対立遺伝子の有無にかかわらず、
小児が摂取した試験食の総重量に有意差は認められなかった。

「FTO遺伝子は、摂食行動を改善することで肥満を調節し、
カロリー制限の重要性を強調し、一部の人が、他の人と比較して、
高エネルギー食を好む理由を説明している。
これは、栄養バランスのとれた正しい食事を選択するための指針を
与えうる、特にリスクの高い集団を定義している」。

コロンビア大学小児科・内科教授、Naomi Berrie 糖尿病センター
(Naomi Berrie Diabetes Center)共同ディレクターであるRudolph Leibelは、
「体重調節の分子生理学に関する研究の結果を考えると、
(基礎エネルギー消費量の減少ではなく)過剰摂取が肥満の主なメカニズムである」

「肥満成人のエネルギー消費量は、非肥満者のエネルギー消費量から
予測される値と同等である。
肥満者は、痩せた人と比較し、代謝体重が多く、絶対エネルギー消費量が多い。
遺伝学を理解していれば、肥満のリスクをかなり正確に予測できる
(親に助言を与える以外に、解決手段があるわけではない)。
これらの遺伝子および他の遺伝子が、体重に影響を及ぼすメカニズムが
分かっていれば、分子が薬剤や他の方法による介入の標的となる」

Palmer博士は、「FTO遺伝子の蛋白産物が酵素であるという事実は、
その活性を増強または阻害する薬剤を開発することができる。
減量を助けるための新規治療法となる可能性がある」

出典 N Engl J Med. 2008;359(24):2558–2566, 2603–2604.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=85180

2008年12月23日火曜日

がん:発がん抑制分子「有効」 予防新薬に道 筑波大、マウスで実証

(毎日 12月18日)

がんが発症するのを未然に防ぐ仕組みを、
渋谷彰筑波大教授らの研究チームが解明。
がんにかかりにくい体質にする薬の開発につながる。
22日付の米科学誌に掲載。

健康な人でも、毎日約3000個のがん細胞が発生しているが、
がんにならないのは免疫の効果との学説がある。

研究チームは、「キラーT細胞」などの免疫細胞の表面にできる分子
「DNAM1」が、がん細胞上の別の分子と結合する性質に注目。

DNAM1のないマウスを作り、線維肉腫などを起こす発がん物質を接種した。
DNAM1なしのマウス十数匹は、約5カ月後にすべて線維肉腫を発症したが、
同じように発がん物質を接種した通常マウスで、
約5カ月後に発症していたのは、ほぼ半分。

DNAM1が、がん細胞を殺す上で重要な役割を担うことは
実験で推測されていたが、生物でその作用があるのかは不明。
渋谷教授は、「DNAM1の働きを高めることで、
がん治療だけでなく予防にもつながるのでは」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/12/18/20081218ddm002040133000c.html

第4期介護保険計画策定へ 予想上回る高齢化率

(東海新報 12月21日)

大船渡市は、来年度から3カ年を期間とする第四期介護保険事業計画、
高齢者福祉計画の策定を進めている。
これまでの予想を上回るぺースで高齢化が進行し、
26年度の同市高齢化率は33・7%と推計、保険料負担の増加も予想。
住民説明会で、介護全般に関する不安や悩みが寄せられた。

両計画は、明るく活力のある高齢社会の実現に向け、
高齢者福祉と介護を一体化させた形での策定を目指す。
介護保険計画は3年ごとに策定、21~23年度までは第四期となる。

26年度までの総人口、高齢者人口、介護保険認定率、被保険者数などを推計。
21~23年度までの介護サービス利用者や給付費などの推計、
保険料割合を検討。

全国的にも全人口における高齢者の割合や、介護される高齢者が急増。
60歳以上の家族が介護する割合も50%超、「老老介護」が進んでいる。

大船渡市の65歳以上高齢者は、1万242人、
全人口に占める高齢化率は29・8%(今年9月)。
第三期の計画値よりも上回り、急速な高齢化進行を裏付け。

26年度における市内高齢者は約1万1100人、高齢化率33・7%と推計。
65歳以上の介護保険「一号被保険者」と、40~64歳「二号被保険者」が、
同年ごろにはほぼ同じ割合になることも予想。

介護保険認定者数は、19年度1838人、認定率15・1%。
26年度には2280人、全高齢者のうち約17%が認定。

来年度以降の介護保険料は現在積算中だが、
第一号保険料、介護給付費の総額ともに3年間で10%超の伸びが予想。
第三期計画での大船渡市の一号保険料は、月額3570円が基準、
市民税の課税状況などで六段階に区分。
県平均では、3686円。

大船渡地区公民館では、「高齢者が高齢者の面倒をみている状態。
すぐにサービスを利用したいが、書類記入が多くて大変」、
「地域住民や民生委員であっても、介護認定を受けるよう勧めるのは難しい」など、
介護に関する幅広い悩みが話題。

市では、今後の策定に向け、市議会議員らから意見、要望を聞いたあと、
「ささえあい長寿推進協議会」を開催。
今後3年間で整備する施設や保険料などを総合的に協議。

http://www.tohkaishimpo.com/

IOC:東京招致の熱意なし?HPへの投書、日本は1件

(毎日 12月11日)

五輪の将来像を討議する来年10月の五輪コングレス(コペンハーゲン)
へ向けて、国際オリンピック委員会(IOC)がネット上で
一般から意見を募ったホームページ(HP)に、
日本からの投書が1件しかないことが分かった。

猪谷千春IOC副会長は、「16年夏季五輪の東京への招致を目指す国として、
あまりにも寂しい数字」と危機感を募らせている。

このHPには、これまでに世界中から約700件の意見が寄せられている。
16年五輪で東京と招致を争うシカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの
各都市を抱える国別では、米国が119件、ブラジルが18件、
スペインが14件を投書。

使用言語が、英語とフランス語という壁はあるが、
猪谷副会長は「日本人の五輪への熱意が足りない表れとも受け取られかねない。
日本からも積極的に参加してほしい」と訴えた。

HPは、最初に簡単な登録をすれば、
来年2月末まで誰でも意見を書き込める。
http://www.2009congress.olympic.org

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081211k0000e050009000c.html

2008年12月22日月曜日

みんなのニュース:ユニクロのネット戦略 広がるブログパーツ「UNIQLOCK」

(毎日 12月16日)

衣料品販売のユニクロが、ネットで展開しているブログパーツ広告
「UNIQLOCK」が、今年のカンヌ国際広告祭グランプリなど
世界三大広告賞をすべて受賞するなど話題。

ユニクロの服を着た女性が、軽快な音楽に合わせて踊る動画とデジタル時計が
5秒ごとに交互に表示されるもので、ユニクロの社名はどこにもない。
一般ユーザーが、自由にダウンロードして自分のブログに張れるため、
世界89カ国で約5万7000のブログが利用し、
ユニクロの情報を無償で発信する新しいスタイルの広告。

プロジェクトリーダーの勝部健太郎さんによると、
人気の秘密は「機能性」、「コンテンツ化」にある。

ブログパーツは、ブログやSNSのページ内に埋め込む部品で、
カレンダーや時計、企業広告などがある。
ブログの機能や見た目を向上させるため、開設者自身が設置し、
通常は企業と契約したり、設置を依頼されることはない。

ユニクロは、フェイスブック、マイスペースなど、世界の主なSNS4つと、
グーグルの検索画面を自分用に編集する「iGoogle」に対応。

「UNIQLOCK」は、07年6月から配信を始め、現在4種類ある。
動画は、4人の女性が「あやとり」や手を使った「影絵遊び」のような
動きを使った風変わりなダンスを踊っているもの。

世界各国で使ってもらうため、音楽とダンスと時計という
言葉を使わないコミュニケーションをコンセプトに。
動画200カットと10種類以上の音楽がランダムに組み合わされ、
いつも違う映像が流れていると感じるように演出。

狙い通り、「次は何か気になって、1時間も見続けてしまった」との声が
利用者から寄せられている。
勝部さんは、「ブログパーツは、コンテンツとしてのおもしろさと機能性がないと
利用者は飽きる。年末に企業が配るカレンダーをほしいと思うように、
ユーティリティー(機能、操作性を向上させるソフト)として
張り付けたくなるものを考えて時計にした」。

目標は、海外での認知度を高めること。
同社は、世界6カ国に店舗があり、09年には仏・パリに旗艦店を
開店する予定だが、ブランド名の浸透は「まだまだ」(勝部さん)。
「UNIQLOCK」を使うブロガーが増えれば、
ユニクロが自社のPRに使えるサイトがその分だけ増える。

出演者のオーディション風景を、動画共有サイト「YouTube」で
公開するなど、話題作りもした。
「ブロガーが使いたくなるようなアクセサリーを開発して、
世界中のブログサイトを、ユニクロの情報発信メディアにしたい」。

しかし、「UNIQLOCK」には社名の記載はない。
勝部さんは「映像をみた人が、『そういえば、Tシャツが欲しかったんだっけ』と
思い出すような、生活の中で自然に目に入ってくるような情報提供をしたい」

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081216mog00m040031000c.html

末崎町麟祥寺「おかげさま献金」 ズッシリ、善意の重み

(東海新報 12月21日)

大船渡市の麟祥寺(金哲道住職)花園会(佐々木聖勇会長)は、
檀家の家々が一年間貯めた「おかげさま献金」を一堂に集め、
硬貨や寄贈されたタオルを仕分ける作業を行った。

おかげさま献金は、三十年近く続いている檀家の募金活動。
瓶などに貯められた硬貨を金種ごとに選別する作業が行われ、
十人ほどが集まった。作業を終えるまでに、三時間ほどを要する。

花園会の佐々木会長は、たくさんの寄付金を前にし、
「不況のさなかですが、今年は例年より千円札が多く入っているようです」と
善男善女への感謝を示した。

集まった献金は、例年通り日本赤十字社、市社会福祉協議会に寄付する。
花園会は今年の九月、赤十字社から長年の功績をたたえられ、
感謝状である金色有功賞が贈られている。

http://www.tohkaishimpo.com/

東京五輪招致:国民世論の盛り上げが必要…招致委など説明

(毎日 12月16日)

2016年五輪開催地に立候補している東京都の招致委員会と
契約している外国人コンサルタントが、
招致を成功させるためのポイントなどを説明。

アドバイザーとして契約しているのは、14年ソチ冬季五輪の招致を
成功させたジョン・ティブス氏(英国)とザルツブルグで招致活動に携わった
ゲノルト・ライトナー氏(オーストリア)。

ティブス氏は、「北京五輪の日本での視聴率は40%を超え、
五輪に対する情熱がある」と、国民世論の盛り上げが必要との認識を強調。
金融危機による世界同時不況について、ライトナー氏は
「東京の計画はコンパクトであり、経済不況の中で財政的な強みを
見せていかなければならない」

開催地を決める来年10月の国際オリンピック委員会総会で、
招致演説に立つ候補として、ティブス氏は個人的な見解とことわったうえで
「石原(慎太郎)都知事にはカリスマ性があり、英語もフランス語も話せるので、
ステージに上がって頂ければ」

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20081217k0000m050052000c.html

2008年12月21日日曜日

世界遺産暫定リスト決定 御所野含む縄文遺跡群

(岩手日報 12月16日)

政府は、本県の御所野遺跡(一戸町)を含む縄文遺跡群を
「北海道・北東北の縄文遺跡群」から、
「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」に名称変更し、
国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する世界遺産の
登録候補一覧表「暫定リスト」に追加登載することを正式に決めた。

今後、文化庁と関係自治体は、構成資産の範囲拡大に向けた検討に入る。
外務省で開かれた世界遺産条約関係省庁連絡会議で決まった。

文化審議会世界文化遺産特別委員会は9月、
「縄文遺跡群」について「暫定リスト登載が適当」と判断した際、
主題を北海道・北東北に絞らず、
「落葉広葉樹林帯が広く展開する地域・年代に拡大」するよう注文。
名称も、それにふさわしく改めるよう求めていた。

今後は、推薦書作成に向けて
▽北海道・北東北以外への対象拡大
▽代表的な遺跡の厳選
▽復元的整備手法の国際的合意形成
▽保存管理計画策定―などが課題。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081216_2

玄沢生誕250年、功績永遠に 式典などの記録集発刊

(岩手日報 12月17日)

大槻玄沢生誕250周年没後180周年記念事業実行委(遠藤輝夫会長)は、
9月24日に実施した記念式典の内容や関係者の寄稿文などを掲載した
記録集「学問の花ひらく-大槻玄沢と門人たち」を発刊。
A4判、44ページ。

一関市大手町の一関文化センターを会場に、市民や研究者ら約150人が
出席して開催された式典や行事の写真、国立豊田高専の幸田正孝元教授の
「作州津山・宇田川家からみた大槻玄沢」と題した記念講演要旨などを載せた。

大会では、玄沢の門人の子孫らがそれぞれの思いをステージで発表。
記録集では、7人が「わが祖先を語る」というテーマで寄稿。

玄沢は1757(宝暦7)年、一関生まれ。
一関藩医建部家で医学を学び、江戸に出て杉田玄白、前野良沢に師事。
蘭学の入門書や西洋医学の本を翻訳するなどした。

50部ほど残部があり、1冊500円(送料200円)で配布。
問い合わせは、鈴木幸彦事務局長(019・647・0606)、
事務局の小野寺仁さん(0191・21・3631)。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081217_7

16年五輪招致:東京が全体計画…マラソンに周回コース

(毎日 12月18日)

2016年五輪開催地に立候補している東京の招致委員会は、
来年2月に国際オリンピック委員会に提出する
競技会場などの全体計画を決めた。

男女マラソンのコースで、途中に10キロの周回コースを3周するなど、
新たな計画が盛り込まれた。

マラソンは国立競技場をスタートし、晴海に新設の五輪スタジアムを
ゴールとする42.195キロのコースで実施し、
どの地区に周回コースを設けるか検討中。

国際陸連の提案に沿うもので、係員の配置などで運営が効率化され、
沿道の観客が選手を何度も見られる利点。
来年の世界選手権(ベルリン)でも、周回コースが採用。

自転車競技のトラックレースを東京ドームで開催する予定にしていたが、
民間商業施設と五輪スポンサーとの関係が懸念され、
大井ふ頭中央海浜公園に仮設の競技場を建設。
辰巳の森海浜公園に仮設予定だった水泳場は、一部が常設。

当初予定での施設整備費は3249億円だったが、
招致委では計画変更後も同程度にとどめたいとしている。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20081219k0000m050081000c.html

2008年12月20日土曜日

肺炎 国内の死因第4位で9割は高齢者。予防法は?

(毎日新聞社 2008年12月16日)

インフルエンザが流行する季節は、肺炎も多発。
肺炎が原因で亡くなる人はがん、心疾患、脳血管疾患に次ぎ、4番目に多い。
肺炎で死亡する人の9割以上は65歳以上。
高齢者をかかえる家族は、肺炎にならない予防策を取ることが大切。

◎耐性菌出現で注目

肺炎を起こしている主な原因菌は、緑膿菌や肺炎球菌など。
緑膿菌は、院内感染も起こす。
肺炎球菌は、鼻の奥にすむ「常在菌」で、体の免疫力が低下すると
発熱やせき、たんなどを伴う肺炎になり、死亡する場合も。

インフルエンザに感染していると、
肺炎球菌が気管支などに侵入しやすくなり、症状はより重くなる。
肺炎球菌による肺炎の治療では、ペニシリン系の抗生物質を使うが、
最近は薬が効きにくい耐性菌が現れてきた。

注目されているのが、ワクチン接種。
毒性をなくした肺炎球菌の一部を注射し、体に抗体をつくらせて重症化を防ぐ。
日本では、88年に承認。
米国では65歳以上の約6割が接種しているが、日本では5%程度と低い。
ワクチン接種した人はしない人に比べ、死亡率は約7割も下がる。
複十字病院の工藤翔二院長は、
「65歳以上の高齢者は、ワクチン接種をした方がよい」。
インフルエンザや肺炎治療に詳しい松本慶蔵・長崎大名誉教授は、
「ワクチン接種は、インフルエンザになったときの重症化を抑える効果もある」

肺炎球菌ワクチンの効果は、1回の接種で5年程度持続。
米国では2回の接種が認められているが、
日本では安全性や有効性を裏付けるデータが少ないとして、
厚生労働省は1回しか認めていない。
工藤さんは、「接種して5年以上たったら、2回目の接種をした方がより効果的」
国に2回目の接種の必要性を訴えている。

◎欧米では小児用も

肺炎球菌は、肺炎だけでなく、中耳炎や髄膜炎などの原因に。
免疫力の弱い4~5歳以下では、血液に入った肺炎球菌が脳や脊髄を
覆う髄膜に侵入して炎症を起こす髄膜炎の原因にも。
日本神経感染症学会によると、日本では年間約1000人の子どもが
髄膜炎にかかっていると推定。

欧米では、子ども専用ワクチンが認められている。
2歳未満の専用ワクチンを開発した米製薬企業「ワイス」は昨年9月、
厚労省に使用申請したが、まだ承認されていない。
普段から、うがいや運動、日光浴などで体の免疫を強くしておくことが必要。

◎自治体が助成の動き

ここ数年、全国の自治体が住民に接種を促す動き。
スイカの産地で知られる長野県波田町(人口約1万5000人)は、
04年から05年の冬、インフルエンザと肺炎を併発した高齢者が急増し、
町の病院に収容できないほどの事態に。

06年6月から、75歳以上を対象にワクチン接種への助成を始めた。
通常の接種料金は6000円だが、2000円を補助し、自己負担は4000円。
半分近い高齢者が接種を受けた。
その結果、06年6月以前は、全死亡者のうち肺炎死亡が11-17%、
助成後の07年は約6%、今年は約4%と、肺炎死亡率は大幅に減った。

清水幹夫・波田総合病院救急総合診療科長は、
「肺炎で入院すると、1カ月間の入院費用は1人あたり約86万円もかかる。
ワクチン接種で高齢者の入院患者は大きく減った」と経済的効果。

全国のワクチン接種の平均的な費用は、8000円前後。
東京都渋谷区のように、75歳以上は全額補助の例も。

万有製薬は、治療法やワクチン接種の病院紹介などを解説する
「肺炎球菌感染症コールセンター」(月~金曜9-17時、0120・66・8910)
を来年3月末まで開設。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=85024

延命遺伝子特定 老化疾患など応用にも期待 京大大学院グループ

(毎日新聞社 2008年12月15日)

断食の繰り返しなど、断続的な飢餓状態がもたらす動物の老化抑制や
延命作用について、京都大大学院の研究グループが
線虫を使った実験で原因となる遺伝子を見つけた。

この遺伝子は人間にもあり、延命のほか老化に伴う疾患の抑制へ
応用が期待。
英科学誌「ネイチャー」電子版に発表。

断食を繰り返すと寿命が延びることは、マウスでの実験で知られている。
生命科学研究科の西田栄介教授(細胞生物学)らは
研究に適した線虫を使い、どの遺伝子が作用しているか実験。

餌となる大腸菌を2日おきにしか与えない場合、
平均寿命(約25日)が1・5倍に延び、量を減らしただけでも
約1・15倍になることを確認。
エネルギーや栄養の状況を感知して細胞に伝える役割を持つ
遺伝子7、8個を調べ、「Rheb」(レブ)と呼ばれる遺伝子の働きを止めると、
断続的な飢餓による寿命延長が起こらないことを突き止めた。

長寿に関連する遺伝子としては、既に「DAF-16」の存在が知られている。
RhebはDAF-16を活性化する、寿命延長の鍵を握る遺伝子。
西田教授は、「飢餓を感知するメカニズムを解明できれば、
飢餓状態を引き起こさなくても、寿命を延ばすことができるのではないか」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=85010

2008年12月19日金曜日

麻痺した筋の皮質ニューロンによる直接制御

(nature 2008年12月4日号Vol.456 No7222 / P.639-642)

麻痺した筋の皮質ニューロンによる直接制御
脊髄損傷による麻痺の治療法として、
脳からの制御信号を人工的な接続によって、
損傷部周辺へ伝送する方法が考えられる。

こうした信号が、筋の電気的刺激の制御に使われれば、
麻痺した四肢の随意運動を復活させられる可能性がある。

従来の実験では、実際の運動または仮想的な運動に関連する
運動皮質の活動を用いて、コンピューター画面のカーソルや
ロボット腕を動かすことや、麻痺した筋を機能的な電気刺激で
動かすことに、それぞれ別個に成功。

本論文では、サル(ブタオザル;Macaca nemestrina)が、
運動皮質中のニューロンの活動を使って筋を直接刺激することができ、
一時的に麻痺させた腕に目標到達運動を復活させたことを報告。

重要なのは、ニューロンがどのような運動と関連していたのかには関係なく、
この機能的刺激の制御が可能だったことで、
この知見によって、脳-機械インターフェースの制御信号源の選択肢は
大きく広がることになる。

サルは、この皮質細胞から筋への人工的接続を使って
手首を両方向に回転させることを覚え、
ニューロン-筋の複数対を同時に制御できるようになった。
皮質活動から筋刺激へのこのような直接的変換は、
自律的な電子回路で行うことも可能であり、
かなり自然に近い神経プロテーゼができそうである。

今回の結果は、皮質細胞と筋との人工的な直接接続によって、
分断された生理的経路を補償し、麻痺した四肢の運動の随意制御に
成功した最初の実例となる。

[原文]Direct control of paralysed muscles by cortical neurons

Chet T. Moritz1, Steve I. Perlmutter1 & Eberhard E. Fetz11.Department of Physiology & Biophysics and Washington National Primate Research Center, University of Washington, Seattle, Washington 98195, USA

A potential treatment for paralysis resulting from spinal cord injury is to route control signals from the brain around the injury by artificial connections. Such signals could then control electrical stimulation of muscles, thereby restoring volitional movement to paralysed limbs1, 2, 3. In previously separate experiments, activity of motor cortex neurons related to actual or imagined movements has been used to control computer cursors and robotic arms4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, and paralysed muscles have been activated by functional electrical stimulation11, 12, 13. Here we show that Macaca nemestrina monkeys can directly control stimulation of muscles using the activity of neurons in the motor cortex, thereby restoring goal-directed movements to a transiently paralysed arm. Moreover, neurons could control functional stimulation equally well regardless of any previous association to movement, a finding that considerably expands the source of control signals for brain-machine interfaces. Monkeys learned to use these artificial connections from cortical cells to muscles to generate bidirectional wrist torques, and controlled multiple neuron-muscle pairs simultaneously. Such direct transforms from cortical activity to muscle stimulation could be implemented by autonomous electronic circuitry, creating a relatively natural neuroprosthesis. These results are the first demonstration that direct artificial connections between cortical cells and muscles can compensate for interrupted physiological pathways and restore volitional control of movement to paralysed limbs.

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200812/nature/7222/01.html

新たな研究が夜勤に光を当てる

(WebMD 12月5日)

夜勤時の集中力を高め、さらに勤務時間外によりよく眠るための
一つの方策を、ある新しい研究が発表。

ラッシュ大学医療センターの研究者らが、夜間勤務に関する実験において、
被験者を真夜中に5回、15分間ずつ明るい光にさらさせたところ、
即座にではないものの、しばらく後の集中力が高まった。

研究者の1人Charmane Eastmanは、役立ったのは光だけではない。
光に暴露した人は、帰宅時に色調の暗いサングラスをかけ、
午前8時半に就寝した。
被験者群は1回目と2回目の夜勤後、
暗い寝室で午前8時半から午後3時半まで睡眠をとった。
3回目以降の夜勤後は、午前8時半から午後1時半まで睡眠をとり、
2日間の週末休暇には午前3時から正午まで睡眠をとった。

一方、同じ実験の対照群は光に当たらなかった。
サングラスは与えられたが、薄暗い程度で暗いサングラスではなかった。
睡眠は無制限とし、好きなだけ外光に当たった。
合計24名の実験参加者は、週休2日で午後11時から午前7時まで勤務に。

Eastman博士とMark Smith研究員は、
実験参加者の体内時計を正常に近づけるためこの研究を実施。
その結果、明るい光、暗いサングラス、強制的な睡眠時間が
夜勤者の集中力を高め、不調感を和らげるのに効果的であることを見出した。

Eastman博士は、「仕事場や休憩室に明るい場所を設置する」ことによって、
実際の夜勤者の気分が良くなり、意識も明晰になる可能性がある。
サングラスも重要で、サングラスは青色光の大半を遮る。
朝の青色光が、体内時計を実際の時刻に合わせて調節する働き。
屋外で青色光をあびると、体は朝であると認識する。
夜勤者は、勤務時間帯へ体内時計を適応させることができない。
我々は体内時計に夜を昼間、昼間を夜だと思わせている」。

被験者は、休日には午前3時に寝るよう指示。
これは、体内時計を段階的にリセットし、
夜に睡眠をとる正常な感覚を取り戻すため。
夜勤者は、窓越しに光が入る中でも目を瞑ることができると考えていても、
「真っ暗な」部屋で眠るべき。

この実験中、被験者群の部屋の窓は黒いプラスチック板で覆われた。
これらの措置により、「体内時計のリセット」に成功したかを確認するため、
被験者の唾液中の化学物質を測定した。

「夜勤者は、電話の線を抜き、家のベルを鳴らさないよう張り紙をし、
仕事の終りにあまり多くのコーヒーを飲まないこと。
アルコールは、寝付きを良くするが、効果は徐々に薄れ、やがて目が覚める。
早過ぎる目覚めは、最大の問題」。

夜勤者は、休日には遅い時間に起床し、正午前に起きない方がよい。
実験群の夜勤者は、長時間のコンピュータ課題で成績を上げることができたが、
対照群はできなかった。

『Sleep』に発表された同研究は、
夜勤者に効果的であった光療法、サングラス、厳密な睡眠スケジュールが
「概日周期の緩衝帯(compromise circadian phase position)」を作り、
休日に十分な夜間睡眠をとり、夜勤の効率と集中力を向上させる。

「この研究成果は、夜勤時の集中力を高め、昼間の睡眠を長くし、
夜働いて昼間に寝る、というスケジュールに体の生理反応を適応させなくてもよい」
「定期的に光と闇に暴露することで、生理的適応を図れば、
夜勤の効率を昼間のレベルに十分戻せる」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=84909

地域が支える学校(13)住民の授業診断 定着

(読売 12月18日)

コミュニティスクール指定第1号の小学校はどうなったか。

体育館の後ろ半分が大人で埋め尽くされた。
東京都足立区立五反野小学校の土曜参観には、
保護者や地域住民ら約590人が、子供たちの学習の様子を見ようと
学校を訪れた。在籍児童数を上回る数。

同小では2002年から、朝の15分間、音読や漢字ドリルなどで
基礎学力の向上を図る「パワーアップタイム」を設けている。
その成果を見せる論語や詩の音読、全校児童による合唱など、
元気いっぱいの発表が続いた。
この日の参観は、保護者や地域住民が、授業診断をする場にも。

04年11月、全国で最初にコミュニティスクールに指定された同小は、
その2年前から文部科学省の研究校として、
新しい学校運営のあり方を考えてきた。
その一環で、地域住民らが参画して学校運営の方針を決める
学校運営協議会を、私立学校のように最も権限の強い印象がある
学校理事会と呼んできた。

「学校で何をやっているかを広く見てもらう。
学校を理解してもらってこそ、地域住民は学校運営に力を貸してくれる」と
2代目理事長の鴨下甚治さん(69)。

研究校になった02年から続く「パワーアップタイム」は、
五反野小の象徴とも言える。
理事会が目指す学校像として、基礎学力の向上を望んだ結果、始まった。
03年には、理事会の意向も聞いた上で就任した校長が1年で交代。

後任の三原徹さん(60)は、通信教育大手のベネッセコーポレーション出身。
三原さんは4年間校長を務め、地域や保護者による授業診断を
定着させた上で、副校長として支えた土肥和久さん(49)に後を託した。

1年での校長交代は当時、東京の学校関係者に、
「五反野ショック」という言葉で語られた。
新しくできるコミュニティスクールは、校長を交代させることもできると解釈。

当時の校長と理事会には、基礎学力向上を優先するか、
総合的な学力の向上か、といった学力観の違いが見られたのは確か。
理事会は、02年の時点で民間出身校長を望んでいた。
人事権を持つ都教委が一時、小学校への民間出身校長起用を渋ったことが、
1年で校長が代わる遠因に。

現校長の土肥さんと理事会とは、三原さん同様、良好な関係が続いている。
学校理事会長名で4月に出した「保護者の方へのお願い」は、その真骨頂。

「教育は、学校のみで完結するものではない」として、
「礼儀やあいさつは、親が指導するのが基本」など家庭が守るべき
マナー、モラル、ルール6項目を示した。
この「お願い」に対して、9割の保護者から「確認書」を提出。
地域が学校を支える形が整いつつある。

◆五反野小の「マ(マナー)モ(モラル)ル(ルール)」を守る
〈1〉登校時間を守る
〈2〉忘れ物がないよう親がチェック
〈3〉礼儀やあいさつは親の指導が基本
〈4〉基礎学習定着の宿題は家庭でやる
〈5〉子どもの話だけを信じて学校に文句を言う前に状況判断をする
〈6〉PTA活動などに積極的に参加し、保護者としての責任を果たす
※表現は一部省略、変更。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081218-OYT8T00251.htm

環境配慮の都市づくりへ協力を…日本がスウェーデンに提案へ

(読売 12月12日)

ポーランド・ポズナニで開催中の気候変動枠組み条約第14回締約国会議
(COP14)に参加している斉藤環境相は、
温暖化対策の先進国・スウェーデンのカールグレン環境相と会談し、
環境に優しい都市づくりで協力関係を築くことを提案。

来年には、日本で両国の先進自治体の担当者や専門家を集めた
会議を開き、都市間交流を促して環境配慮型の都市づくりを進めたい考え。
事務レベルの折衝では、スウェーデン側も前向きな姿勢を見せている。

スウェーデンでは、首都ストックホルムが、電気自動車などの低公害車以外に
「渋滞税」をかける制度を導入。

太陽光や風力発電による地域冷暖房システムを整備し、
廃棄物焼却場の熱エネルギーも利用している
南部のマルメ市のような先進都市もある。

http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20081212-OYT1T00441.htm

2008年12月18日木曜日

学校保健統計調査:児童・生徒、肥満減る

(毎日新聞社 2008年12月12日)

肥満の児童・生徒の割合が減少に転じたことが、
文部科学省の08年度学校保健統計調査で分かった。

小学校高学年から高校の各学年で、肥満と判定された割合は
10%前後だったが、多くの学年で2年前の調査より1ポイント前後減。
文科省は、「規則正しい食生活が家庭に浸透したため」とみているが、
栄養状態の悪化などが背景にある可能性も「否定できない」としており、
より詳しい分析を進める。

調査は4~6月、幼稚園と小中高校の計7755校を抽出し、
約70万人の発育状態と約332万人の健康状態を調べた。

標準体重より2割以上重い肥満の生徒は、中3男子が10・0%で、
現在の方法で集計を始めた06年度より1・2ポイント減った。

▽高3女子8・6%(06年度比1・1ポイント減)
▽中3女子8・5%(0・7ポイント減)
▽小6男子11・2%(0・6ポイント減)--など各学年で減少。

05年度までは、医学的に算出した標準体重ではなく、
平均体重より2割以上重い場合を肥満と定義していたが、
肥満の割合は増加傾向が続いていた。

一方、視力1・0未満と0・3未満の幼稚園児と小中学生の割合が
いずれも、視力を調査対象に加えた79年度以降で最高となった。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84873

革新創薬加速へバイオ戦略 遺伝子組み換え研究も推進

(共同通信社 2008年12月12日)

生命科学分野関連の閣僚や有識者でつくる
「BT(バイオテクノロジー)戦略推進官民会議」は、
新型万能細胞「iPS細胞」などを活用した革新的医薬品の速やかな開発など、
日本の今後5年程度のバイオテクノロジー強化策を掲げた指針
「ドリームBTジャパン」をまとめた。
2002年に策定された「BT戦略大綱」の更新版。

深刻化した食料、エネルギー問題などの解決策として
遺伝子組み換え作物研究の推進も盛り込んだ。
ただ「社会的受容が不可欠」として、そのための行動計画を今後、
作業部会で策定することになった。

官民会議座長の本庶佑・総合科学技術会議議員は、
「遺伝子組み換え技術への国民の理解を深めないと、
日本の科学技術や社会生活に悪影響が出かねない」

強化策は11項目。
研究基盤強化のための関連予算の拡充や、知的財産の専門家育成、
国民の健康志向の高まりに応える「高付加価値食品」の開発も挙げた。
食料と競合せず、効率的に生産できるバイオ燃料の技術開発なども進める。

官民会議は科学技術担当、文部科学、厚生労働、農林水産、経済産業、
環境の各相と18人の有識者で構成する。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84883

地域が支える学校(12)遊びも学びも人材提供

(読売 12月17日)

多様な遊びや学びを、地域が用意する学校がある。

カーペット敷きの多目的室「にじいろひろば」で、
何人かの男児がベーゴマに夢中だった。
その1人に、「あの子は去年、コマのひもがなかなか巻けず、
泣きながらがんばって、できるようになった。今の子も、やる時はやるね」と
講師の鈴木光太郎さん(79)が感心。

東京都小平市立第四小学校で、地域住民らが、放課後や週末に
様々な遊びや学びの場を用意する「放課後子ども教室」の一つ。
インターネットや卓球教室、焼き芋づくりなども行われた。
「にじいろ」のメニューは月替わりで、紙飛行機、折り紙、百人一首など、
昔ながらの遊びが楽しめる。

こういった場が年間200日近く開講し、
予定は、学校のホームページで逐次、紹介。
ウェブでの情報発信も、ネット教室の講師がかかわっており、充実。

四小は、今年度からは、学校運営に地域住民らが参画する
コミュニティスクールに正式に指定。昨年度から研究校だった。
運営方針を話し合う学校経営協議会(法律では学校運営協議会)の会長は、
「子ども教室」の実行委員長でもある民生児童委員の下村咲子さん(60)。
「子ども教室」がすでに5年目を迎えるなど、以前から、
地域が学校に積極的にかかわってきた伝統がある。

同小では、地域の人材を学校とつなぐ、協議会とは別組織の
「コーディネート部会」が、学習面でも大きな役割を果たすようになってきた。
教員の代表3人、各クラスの保護者と、地域代表が2人。
その1人が下村さん。

例えば、総合的学習の時間で取り組む、学校近くの玉川上水の学習には、
企画段階から地域住民らがかかわるようになっている。
「どんな学校にしたいという地域の願いを、はっきりと伝えられるのが、
コミュニティスクールの利点です」

6年生が、約1週間後の地元のまつりに出店するバザーの準備をしていた。
提供してもらう商品を受け取るために、
地元の店などを回り、商品の値付けもした。
このバザーも、地域の学習としてコーディネーターが間に入っている。
「地域全体で大事にしてもらっていることがよくわかる」と
6年の学年主任、山崎一樹教諭(29)。

放課後の子供たちが過ごす場となる「放課後子ども教室」は、
文部科学省が推進。
学校運営協議会を支える組織となりそうな学校支援地域本部事業も、
同省の事業として今年度から始まっている。

「地域が教育を支える点では、バラバラに取り組むのではなく、
全部ひっくるめて考える必要がある」と
小平市で四小のような仕組みの整備をしてきた前教育長の坂井康宣さん。
従来の学校教育と社会教育の枠を超えた地域教育という
考え方が広まろうとしている。
地域教育を広げるには、それを支える人材の発掘と、
学校との橋渡し役の育成が欠かせない。

◆地域教育

東京都では、学校教育と社会教育の枠を超えて、
両者をつなげる新しい教育活動ととらえ、その推進のため、
都教育委員会に今年度から地域教育支援部も作っている。
都生涯学習審議会は今月、地域教育の担い手育成のための方策や
行政の役割について答申をまとめた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081217-OYT8T00224.htm

スポーツ21世紀:新しい波/286 武道の必修化/4

(毎日 12月13日)

千葉大教育学部付属中学では、以前から2年生全員が
男女とも柔道を履修。
2012年からは全国の中学(1、2年生)で武道が必修化。
その動きを先取りした取り組み。

柔道の授業は、年間13時間程度。
その1時間目の講義で、柔道の本質とは何かを教える。

テーマは、「嘉納治五郎の生涯」、「カラー柔道着導入の経緯」、
「一本を目指す精神」など。
指導する保健体育科の渡辺冬花教諭(40)は、
女子柔道の強豪・埼玉大の出身で、教員になってからも
ずっと柔道の魅力を伝えたいと思い続けてきた。

嘉納治五郎の生涯では、「精力善用」、「自他共栄」という
柔道の創始者が残した言葉を紹介。
精神と力を正しく用いれば、体が小さくても相手の力を利用して技を掛けられる。
力の強い者が偉いのではなく、弱い者も共に栄えるという思想。
カラー柔道着の導入では、テレビ映りを意識した国際柔道界のビジネス改革と、
抵抗した日本柔道界との考えの違いを説く。
一本を目指す精神では、自分が体得した最高の技を出し切る大切さを教える。

「柔道は、この100年で世界に急速に広まった。
でも、日本が大切にしてきた精神が失われた側面も。そんな話をします」

実技では、まず受け身を体験させ、投げた側にも「相手がけがをしないよう、
投げ終わっても引き手を離してはだめ」と指導。
渡辺教諭は大学時代、大事な大会を控えた練習中に左鎖骨を骨折。
つらい経験だったが、投げた相手も泣いていた。
その顔が今も忘れられない。

「受け身は、負け方の練習です。
そんなことを最初にする競技は他にない。
負けた側は自分を守り、勝った側は相手を思いやる。
ともに相手がいなくては、柔道はできない。それは社会そのものです

勝負を競う面白さだけでなく、武道に宿る精神性も教える。
競技化した世界の柔道と、人間教育も重視する日本の柔道。
渡辺教諭は「どうバランスを取るか、どの先生も悩むのでは」

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

2008年12月17日水曜日

地域が支える学校(11)校長が先頭に立とう

(読売 12月16日)

早大ラグビー部監督 中竹竜二さんに聞く

校長の力量が問われる時代だ」と、中竹竜二さんは見る。
「学校を支える地域の支援体制が整ってきた。
校長がリーダーシップを発揮しないと、支援する人は動かず、文句も出る。
校長のリーダーシップの有無が、はっきり見えてしまう

早稲田大学ラグビー部監督の中竹さんは、地域住民らが学校運営に
参画するコミュニティスクールの一つ、東京都杉並区立三谷小学校で、
学校の運営方針を話し合う学校運営協議会の会長。

「校長は、どんな学校にしていくかを明確に語れる必要がある。
自分とはどういう校長かを、一言できっぱりと表現できるくらいであってほしい」
「今の学校が抱える様々な課題を、1人では解決できない。
これからの学校経営には、先生たちに、リーダーを支える
フォロワーシップも必要です

ラグビー部の寮は、三谷小と目と鼻の先。
前校長が、清宮克幸前監督に「学校評議員」就任を要請したことが、
中竹さんと小学校をつなぐきっかけになった。
「お前、教育に興味があるだろう」と、清宮さんから
後輩の中竹さんにお鉢が回った。

当時は、大手政策研究機関の三菱総合研究所で、
文部科学省や教育委員会の依頼を受けた調査の仕事をしていたほか、
杉並区の新しいカリキュラム作りの支援にも携わっていた。

「学校評議員」は、個人的に学校長に意見を述べる立場。
学校評価にかかわる場合も多い。
しかし、評議員として自己紹介をする場で、「制度が意味をなしていない。
現場を知らない人が評価などできるわけがないし、
知らない人の意見を聞いてはダメだ」と20分以上もしゃべった。
研究所での企業の評価は、大がかりなものだ。
学校評価の軽さとの落差を痛感していた。
その直言ぶりが逆に、前校長の心をとらえた。

コミュニティスクール指定から4年目。
「地域が学校を支えることが、三谷小に限らず、当たり前になってきた。
だからこそ、学校運営協議会制度をしっかり押さえることが重要」

授業支援などの活動をするのが、協議会委員の役割ではない。
学校運営の基本方針や人事など重要事項に、意見を述べるのが本来の仕事。
「我々は実動部隊ではない。諮問機関だと思っている」

それを意識しながら、1年目は自ら汗を流した。
子供たちの挨拶プロジェクト、学校の図書の充実、ホームページ作りなどの
情報発信に、他の委員にも動いてもらった。

教員も巻き込んで一緒に活動をしてこそ、コミュニケーションも強まり、
互いの信頼も得られる。
最初から、教員の人事や評価に口出しをしようとしても無理」。
3年目に考え出したのは、ほめたたえる評価。
教員も、地域の人も、子供たちも、協議会として表彰する場を作ること。

しかし、「制度がなくても、地域の人が学校を支え、校長がリーダーシップを
発揮するようにならないとおかしい。
最終的には、学校運営協議会の積極的な解散が目標です」。

それは、現状の学校教育への危機感の裏返しの言葉に聞こえた。

◆なかたけ・りゅうじ
福岡県出身。2006年、三菱総合研究所を退職して、
早大ラグビー部監督に就任。2年目の昨シーズン、大学選手権を制した。35歳。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081216-OYT8T00217.htm

「男の生きがい」ストレスに勝つ?脳卒中の死亡率減

(朝日 2008年12月11日)

生きがいを感じて暮らしている男性は、精神的ストレスがあっても、
脳卒中で亡くなるリスクが大幅に低い。

秋田大が、県民を対象にした調査でこんな傾向が出た。
ストレスは、脳卒中などで亡くなるリスクを高めるといわれるが、
「生きがい効果」はそのリスクを上回るのかも知れない。
文部科学省がかかわる研究班調査の一環。

88年、秋田県大森町(現横手市)の40~74歳の住民を対象に、
健康状態をチェック。
同時に、「生きがいをもって生活しているか」、
「ストレスが多いと思うか」などと質問し、約1600人を03年まで追跡。
男女249人が亡くなった。

生きがいが「非常にある」、「ある」と答えた男性355人では、58人が死亡。
うち4人が脳卒中。
これに対し、「普通」、「はっきり言えない」と答えた男性477人、114人が死亡。
19人が脳卒中。

小泉恵医師(循環器内科)らが、年齢や血圧、喫煙歴などの影響を除いて
解析したところ、生きがいがある男性の死亡リスクは、
それ以外の男性より38%低かった。
脳卒中で亡くなるリスクは、72%も低い。
心臓病やがんによる死亡では差がなかった。

生きがいの有無とは別に、ストレスが多いと答えた人が2割ほどいたが、
ストレスの影響を考慮しても、死亡リスクを減らす効果があった。

生きがいの有無が、なぜ死亡率の差に影響するのか、
理由はわかっていない。
女性では、差がはっきりしなかった。

研究の中心だった本橋豊教授(公衆衛生学)は、
自殺率が全国でも高い秋田県で予防事業に携わっている。
「『生きがい』を通して、自殺を防ごうという取り組みは、
結果的に住民の健康水準全体を高めることにつながるかも知れない。
都市部でも、同じような傾向が出るか確かめたい」

http://www.asahi.com/science/update/1211/TKY200812110132.html

麺の材料に適したコメの新品種誕生

(サイエンスポータル 2008年12月11日)

国産のコメより、粘りが少ない新品種を育成することに、
農業・食品産業技術総合研究機構の中央農業総合研究センター
北陸研究センターが成功。

カロリーベースで40%と先進国中、著しく低い食料自給率を上げる一手段として、
米粉利用の拡大に期待が高まっている。
大きな問題点として、コシヒカリなど味のよい国産米は
麺にすると表面の粘りが強く麺離れが悪いという欠点。

粘りを強くしている原因は、国産米にアミロースがあまり含まれていない。
北陸研究センターは、国産品種の「キヌヒカリ」に
インド原産の在来種「Surjamukhi」の持つ高アミロース性を導入することで、
新品種「越のかおり」を育成

「越のかおり」は、タンパク含有率は約6%と「コシヒカリ」と
ほとんど変わらないが、アミロースをコシヒカリに比べ
ほぼ倍に近い33.1%含み、粘り気はぐっと落ちる。
2004年から06年にかけての栽培で、収量性は、
標準的な標肥区では「コシヒカリ」よりやや落ちるが、
施肥が多い場合では「コシヒカリ」並であることが確かめられた。

北陸研究センターと、株式会社自然芋そば、上越市、
えちご上越農業協同組合は、共同で「越のかおり」の製麺適性を検討し、
自然芋そば社から「越のかおり」を原料とする米麺の販売を開始。
「麺はコシが強く、切れにくく、コメ本来の味が活かされている」と
北陸研究センターは言っている。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0812/0812111.html

モノかめば脳の働き活発に

(サイエンスポータル 2008年12月12日)

ものをかむと脳の働きが活発になることを、
自然科学研究機構・生理学研究所の研究チームが
脳波を使った実験で確認。

外国人スポーツ選手たちがプレー中、ガムをかむ行為に
合理的な理由があること裏付けた研究結果。

生理学研究所の柿木隆介教授、坂本貴和子研究員は、
P300という脳波反応を利用して、ものをかむことの効果を調べた。

P300は、何らかの刺激が与えられてから300ミリ秒(0.3秒)後に
脳波に出現する反応。
脳が活性化すると反応時間が短くなることが知られ、
臨床医学では認知症など病気の早期診断にも使われている。

健康な人に5分間、無味・無臭のチューインガムをかんでもらい、
直後に音刺激を用いてP300を測定、同時にボタン押しによる反応時間も測定。
この結果、反応時間とP300反応が出現するまでの時間が短くなり、
この運動を繰り返せば繰り返すほど、その効果は顕著。

一方、ものをかむ行為と比較するため、顎の運動はするが
実際にはものをかまない行為と顎とは関係ない指の運動(タッピング)を
したときにも同様な測定をしたが、いずれも反応はむしろ遅くなり、
P300反応出現の時間も遅くなった。
繰り返せば繰り返すほど、遅くなる傾向がはっきりした。

「メジャーリーガーが試合中にガムをかむことや、
車の運転中にガムかみを行うことによる、脳の覚醒効果の根拠が、
生理学的に証明された。
ただし、かむことで“頭が良くなる”という説の裏付けではない」

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0812/0812121.html

2008年12月16日火曜日

奮闘する葛巻 地域医療の危機 揺れる県立病院再編案/5止

(毎日新聞社 2008年12月8日)

「これまで通り、医師を派遣していただける」
葛巻町立国保葛巻病院の鳩岡修事務局長は、
出張先の盛岡市からホッとした表情で帰ってきた。

同病院は、常勤医2人と医師3人の診療応援を得て、78病床を切り盛り。
岩手医大から派遣されている医師が定年を迎え、引き続き診療応援を要請。

同病院は、県立病院のある自治体とは異なり、町自身が経営し、
医師確保にも汗を流さなくてはならない。
医師の診療応援を担当する県立中央病院地域医療支援部長の
望月泉副院長は、「葛巻町長からは幾度も依頼を受けたが、
(紫波地域診療センターのある)紫波町長は顔を見たこともない。
県にお任せだったのでは」と温度差。

葛巻病院は、01年度に不良債権額が約2億2700万円まで膨れ上がり、
5年間の病院事業経営健全化計画を策定。
▽母子センター休止
▽給食、ボイラーなどの外部委託
▽薬の院外処方
▽退職後の不補充による職員削減--などを実行し、
06年度までに不良債権を解消。
鳩岡事務局長は、「可能な限りコストは下げた。ほとんど策は残っていない」

事務の電子化を進め、複数の診療科を利用する患者のカルテを一本化。
延べ患者数を抑えることで、1日の平均患者数を基準より引き下げ、
交付税算定上の「不採算地区」に。
年間5000万円程度の地方交付税を積み増した。

このような努力もあり、収支は改善。
医業収益に対する人件費の割合は07年度70%に抑え、
自治体病院の目安6割に近づけた。
町の一般会計から繰り入れた後の純損益も、05年度からの3年間は
年638万-3720万円とわずかだが、黒字を計上。

しかし、病床稼働率は同じ3年間で77・5%から59・5%に減少。
一般病床の1人あたり平均在院日数も25・9日(06年)と、
県医療局の平均16・6日(同、療養病床含む)に比べ回転率が悪く、
経営上好ましい数字ではない。
「高度専門医療の病院から患者を紹介されることはあっても、
ここから紹介できるところはない」(鳩岡事務局長)。

効率が良くなくても、長期療養をする町内の老人にも
ベッドを用意しなくてはならない、という考え。
薬は、長期の投与分を処方。
処方するだけの患者や1人あたりの通院回数を増やした方が収入は伸びるが、
それでは医師の事務量が増え、医師確保につながらない。

一方、県医療局の新経営計画案。
07年度98・8%だった経常収支比率は、13年度に101・6%に、
病床稼働率は79・1%から84・1%に伸ばすなど、
経営改善に向けた数値目標が躍る。

無床化後の施設活用について、岩渕良昭・保健福祉部長は、
県議会の一般質問に「民間移管は可能だ」と答弁するなど、
早くも計画策定後の運営形態に注目が集まる。

鳩岡事務局長は、民間移管やサービスカットの前に公立でもできることはある。
町が他の事業と医療、どちらを優先するのか。
病院も町づくりの一つ。
町が行うことで自由度はあるし、町民の誇りにもなったんじゃないかな」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84580

犬も「公平」重んじる ただしご褒美もらえればOK

(CNN 12月13日)

犬も人間と同じように、公平を重んじるらしいという研究結果を、
ウィーン大学の研究チームが米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表。
研究チームは、「犬のストレスを避けるためには、
平等な扱いを心がけた方がいい」とアドバイス。

実験は、同大の研究所で飼育している犬のうち29頭を使い、
2頭を1組にして並ばせて「お手」をさせた。
1頭だけにご褒美の餌を与え、もう1頭には何も与えなかった場合、
餌をもらえなかった方は以後お手をしなくなり、
そっぽを向いてしまうことも。

2頭とも餌を与えた場合や、1頭のみで実験して餌を与えなかった場合は、
反応に変化はなかった。

同じような反応は霊長類でも報告されているが、
犬は霊長類と違ってご褒美の内容にはこだわらないらしいことも分かった。
もらえる餌がソーセージでもパンでも、犬の反応は変わらなかった。

霊長類の場合、ご褒美の内容が不公平だと判断すると、
餌を拒絶することもあるが、犬は拒否はしなかった。

犬にとって大切なのは、ご褒美をもらえるかどうかであって、
好みは二の次になるのだろうと推測。
不公平なご褒美は拒否するという代償は好まないようだと解説。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200812130001.html

乳酸菌研究発表会 免疫力アップなど高まる期待

(毎日新聞社 2008年12月11日)

人の腸内には、約500種に及ぶ細菌類がいる。
その中で「善玉菌」の代表格とされ、注目度の高い「乳酸菌」の
最新の研究成果などを報告する「乳酸菌研究発表会」(信和薬品・主催)。
乳酸菌は腸内での「働き」で脚光を集め、広く健康飲料などで使われているが、
発表会では「人が摂取する乳酸菌は生菌である必要はあるのか」など、
最先端の研究成果が披露。

◆特別講演「バイオジェニックスの時代へ」--東京大学名誉教授・光岡知足さん

私は、1997年に「バイオジェニックス」を提唱。
それまでは、腸内の細菌叢(フローラ=群生)によって
体に良い効果をもたらす「プロバイオティックス」と、
腸内の有用菌の増殖や活性化を促す「プレバイオティックス」という
考え方が一般的。
この二つが、細菌・微生物や食品関係の研究者に広く受け入れられていた。

バイオジェニックスは、「腸内細菌叢の助けを借りる」、「細菌叢を介して」
という発想は取らない。
整腸作用やコレステロール低下作用などの生体調節・防御、疾病予防・回復などに
「ダイレクトに働く」という着眼に立つもの。

1908年、免疫の先駆的な研究でノーベル生理学医学賞を受賞したのが
ロシア生まれのメチニコフ博士
彼は、ブルガリアに長寿者が多いという事実に着目、
乳酸菌をたっぷり含むヨーグルトの「長命効果」を示唆したことは有名。
乳酸菌・飲料の研究では、「生きた菌」こそが有用という考え方が根強く、
プロバイオティックスは「生きた細菌・微生物」に限定した方向で
研究・開発が進められている。

私はそうは考えなかった。
菌が生きているか死んでいるかは関係なく、さまざまな働きは
菌体成分そのものに由来する。
この点、実はメチニコフも「死んだ菌でもいい(働きがある)」と書き残している。

生後すぐの乳児の腸は無菌状態だが、1日過ぎると大腸菌や「善玉菌」の
代表・ビフィズス菌が出現し、ビフィズス菌が優勢になって腸内を安定。
ビフィズス菌には腐敗菌などを抑え、腸の活動を活発化させる働きがあり、
同時に、乳酸を作る力もあるので関心が集まった。

例えば、生きた乳酸菌を含む飲料と変わらない人気を持つ殺菌乳製品では、
乳酸菌は生きていない。
乳製品は必ずしも、乳酸菌の生死に制約されていないのが実情。
死んだ菌の方が、腸内の免疫機能を高める力が強いという見解も。

食品の機能には、生存のため栄養を補給すること、味覚を楽しむことなど。
しかし、90年代に入って、栄養や味覚以外の目的を掲げた
「機能性食品」が登場し、脚光を浴びることに。
この流れの中から、腸内のバランス改善を図るプロバイオティックスや、
腸内細菌叢の調節や強化を狙うプレバイオティックスに注目。

私たちのバイオジェニックスには、前二者にはない機能、働きが期待。
いま多くの研究が進められているが、目標になっているのは例えば、
腸内の免疫機能の強化、発がん性物質の吸着、生活習慣病の予防など。
現代生活はストレスが多く、ストレスはアドレナリンを多く出して、
交感神経を刺激する。
その結果、免疫力が弱まる。
バイオジェニックスは、こうした分野でも力を発揮するだろう。

機能がプラスに働くのに必要な菌の量はどれほどか、
安全性の問題はクリアできているか、なども大きな課題。

◆ナノ型ラブレ菌の可能性--
NPO法人日本サプリメント臨床研究会代表理事・長谷川秀夫さん

私たちは、植物性乳酸菌の一種、ラブレ菌の「ナノ化」(極小化)に成功。
その概要を報告し、併せてその意義について説明したい。

ラブレ菌は、財団法人・京都パストゥール研究所
(現ルイ・パストゥール医学研究センター)の故岸田綱太郎博士が、
京都の酸茎漬から分離・発見した乳酸菌。

体に侵入したウイルスが細胞を刺激すると「産生」され、
ウイルスの増殖を抑えるのが体内の「インターフェロン」で、
ラブレ菌には、インターフェロンαの「産生能」を高める働きがある。
リンパ球の免疫に携わる細胞の活動を活性化する働きがある。

ラブレ菌の粒子の大きさが8-10ミクロンを超えると、免疫力が弱まる。
体内のインターフェロンαも、このラブレ菌が小さいほど、
その産生能が高まっていくことが判明。

私たちは、ラブレ菌の表面がプラスに荷電していることに着目、
菌体を1ミクロン以下に小さくすることに成功。
ラブレ菌には、凝集する傾向があるので
「ナノ化」のための技術は容易ではなかったが、
培養・加工工程をある特定の条件に調整することで実現。

この結果、新型のラブレ菌は数ミクロンの従来菌に比べ、
インターフェロンαの産生能を5・6倍に高めることができた。

光岡、菅両博士が指摘されたように、このナノ型ラブレ菌の働きは、
生きていても死んでいても同程度であることも分かってきた。

私たちのラブレ菌を巡る研究は、乳酸菌加工品として結実してきたが、
今後は、より高機能のナノ型ラブレ菌を用いた機能性食品の追求の一方、
医学・薬学の世界も視野に入れた活動を心掛けていきたい。

◆複雑な腸内作用を追って--NPO法人日本サプリメント臨床研究会理事・菅辰彦さん

ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌は、消化器内で出る胃酸や胆汁で死ぬ。
私が研究を続けてきた乳酸菌飲料は、特殊な、胃酸や胆汁では死なない
乳酸菌が基になっている。

乳酸菌は、食物を「腐敗」から「発酵」へと移行させる働きを持ち、
整腸効果もそこに由来。
腸内で増殖し、多くの量の有機酸を出すことで有害菌の増殖を抑え、
腸内を正常化して、腸管の動きを活発化させる、と言われてきた。

乳酸菌が腸内で生き続け、増殖するという証拠はいまだに報告されていない。
乳酸菌飲料を飲むことで、乳酸菌が増殖するのなら、
ある日1本を飲めば、後は自然に乳酸菌が増えるのを待てばいいことに。
実際、2-6歳の幼児に乳酸菌飲料を飲ませて便を調べると、
乳酸菌の70%は生きていなかった。

小腸を食物が通過するのは3時間ほどなので、
乳酸菌が増える時間的な余裕はない。
大腸内では、1000倍にも及ぶビフィズス菌などとの栄養の取り合いに
乳酸菌が勝てる余地はない。

(1)生きた乳酸菌を腸内に入れても増殖しない
(2)生菌にも死菌にも整腸効果がある
(3)生菌の中に混ざっている死菌が整腸効果に寄与している可能性が高い、
ことなどが推測。
……………………………………………………………………………
◇光岡知足さん(みつおか・ともたり)
1958年東大大学院修了。同農学部教授を経て名誉教授。
フラクトオリゴ糖の腸内フローラ改善効果を発表。
バイオジェニックス連絡協議会特別顧問。農学博士。
専攻は細菌分類学、微生物生態学。
2003年安藤百福賞大賞、07年メチニコフ賞。
78年刊行の「腸内細菌の話」(岩波新書)はロングセラー。
……………………………………………………………………………
◇長谷川秀夫さん(はせがわ・ひでお)
1988年京大大学院修了。バイオジェニックス連絡協議会議長、
明海大歯学部客員准教授、理化学研究所客員研究員などを兼務。薬学博士。
2001年和漢医薬学会奨励賞、03年韓国薬学大賞。
……………………………………………………………………………
◇菅辰彦さん(かん・たつひこ)
バイオジェニックス連絡協議会議員を兼務。農学博士。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84805

地域が支える学校(10)祖父母の力授業に深み

(読売 12月13日)

祖父母の団体が授業を支援する学校がある。

京都府京丹波町の町立丹波ひかり小学校で、2年生の生活科の授業には、
保護者とともにかっぽう着やエプロン姿の年配女性3人が加わった。
同小に通う孫がいる祖父母らで作るGTAのメンバー

子供たちが畑で自ら育てた大豆を石臼ですりつぶし、きな粉にする。
「ゆっくり回しや」、「指挟まれないようにな」。
3人が子供たちにやさしく声をかけて一緒に石臼を回すと、
「きな粉のにおいがする」と子供たちから歓声が上がった。
2人の孫を通わせる田端康江さん(65)は、
「何十年も前に少しやったことがある程度だったが、交流が楽しい」と笑顔。
大豆を使ったみそ造りでも、GTAの力を借りることに。

GTAの誕生は、同小が2006年、地域住民らが学校運営に参画する
コミュニティスクールに指定されたのがきっかけ。
以前から年1回の祖父母参観はあったが、
祖父母の持つ知恵や技能を授業に生かせないかと考えた。

全児童を通じて手紙で協力を呼びかけると、
「紙細工ができる」、「昔のおもちゃなら作れる」と応じる人が出てきた。
祖父母参観では、百人一首やわらび餅作りなど6分野で先生役に。
「元気をもらえたし、先生の苦労も分かった。できる範囲で協力していきたい」。
参観後に出た意見が、同年10月のGTA発足につながった。

メンバーは現在23人。
裁縫や農作業などで教員の支援をしたり、戦争体験を話したり。
学校が呼びかけると、メンバー同士や得意な知り合いに声をかけて仲間を集める。
「教員も知らない、幅広い知識や技を持っている。体
験者から学ぶことで深みが出る」と担当の堀下みゆき教諭(47)。

2000年に2校の統合でできた同小は、敷地内に地域住民が利用できる
「地域交流センター」を設けるなど、地域への開放を意識して作られた。
住宅地とは離れた高台の上にある上、不審者対策もあって、
開放が思うように進んでいなかった。

指定をきっかけに、子供や孫がいない地域住民の団体約30人による
「みのり会」も誕生。
組織を作ることで、活動が単発ではなく、継続的になっている。
朝の本の読み聞かせ活動などもあり、校内には
祖父母や地域住民の姿が毎日見られる。
授業で知り合った子供たちから「今度はいつ来る?」と、
町の中で声をかけられる場面も。

「活動を通じて、『学校のために何かやってやろう』という気持ちが
住民の中に出てきたと感じる。
前と比べて、地域と学校のつながりは深まっている」。
学校運営の方針を話し合う学校運営協議会の山崎博会長(75)は
目を細める。
法貴雅男校長(55)も、「より学校を理解してもらえる。
地域に見られることで、学校側も緊張感が生まれる」。
開かれた学校作りが着実に歩みを進めている。

◆GTA

「G」はグランドファザー・グランドマザーを意味し、PTAにならって名付けた。
孫が通っていれば、誰でも自由に参加できる。
鳥取県南部町立会見小でも、同様の名称で、
祖父母の団体が児童の学習を支援。
同小では、入学時に希望を聞いて入会してもらう。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081213-OYT8T00213.htm

夢や空想まで映像化?脳血流パターンから画像再現に成功

(読売 12月11日)

人が見た文字や図形を脳から読み取り、画像化する技術を、
国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)などが開発。
11日付の米科学誌ニューロンに発表。

将来、睡眠中の夢や、頭の中で空想した内容などを、
映像にできる可能性がある。
人が目で見たものは、網膜で電気信号に変換され、
大脳の視覚野で映像化される。

同研究所の神谷之康・神経情報学研究室長らは、
100個のマス目に白と黒のモザイク模様が並ぶ画像400枚を被験者に見せ、
脳の活動(血流の変化)を、機能的磁気共鳴画像(fMRI)という装置で計測。

そのデータをコンピューターで分析し、脳の血流変化のパターンから、
見たマス目が白だったか黒だったかを類推する技術を編み出した。

この方法を用いて、アルファベットや図形を見せた人の脳から読み取った
情報を基に、元の文字や図形を再現することに成功。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081211-OYT1T00018.htm

2008年12月15日月曜日

母親の愛に応える免疫系

(Science 12月5日)

母親の愛に応える免疫系
Immunity: Learning to Love Your Mother

妊娠している女性では、母体の細胞が胎児の体内に入るが、
胎児の免疫系は、後年獲得される体外からの異物を攻撃する
免疫系とは異なり、母体由来の細胞に対して攻撃せずに
免疫寛容を獲得することを学習していることが報告。

この免疫寛容は、少なくとも成人期初期まで持続することから、
臓器移植を必要とする患者が、母親に由来する組織に類似した
組織に対して免疫寛容を示す理由が説明できるかもしれない。

これまで、発達中の胎児の免疫系が異物に対して、
非常に高い免疫寛容を持っていることに気づいていた。
しかし、ヒト胎児の免疫系にそれ以上のことはほとんどわかっていない。
マウスを使った研究は、これまでいくつか行われてきたが、
マウスとヒトの免疫系の発達速度は異なるため、
両者の子宮内での異物に対する反応にはかなりの違いがある。

Jeff Moldらは、ヒトの組織を研究して、驚くほど多量の母体由来の細胞が
胎児のリンパ節内に侵入していることを報告。
そこでは、侵入した細胞が一群の制御性T細胞を誘導して
母体由来細胞に対する胎児の免疫反応を抑制。
マウスの免疫系とは対照的に、ヒト胎児のT細胞は、
母体由来抗原の刺激に反応してみごとに制御性T細胞になる傾向。

誕生後、これらの制御性T細胞は母体由来細胞に対する免疫反応を
抑制し続けることができると報告。

"Maternal Alloantigens Promote the Development of Tolerogenic Fetal Regulatory T Cells In Utero,"

by J.E. Mold; T.D Burt; M.O. Muench; K.P. Beckerman; M.P. Busch; T.H. Lee; D.F. Nixon; J.M. McCune

at University of California, San Fransico in San Francisco, CA; J. Michaelsson at Karolinska Institutet in Stockholm, Sweeden; K.P. Beckerman at Albert Einstein College of Medicine in Bronx, NY.

http://www.sciencemag.jp/highlights.cgi#574

30年使用可能な人工関節開発へ ナカシマメディカルと阪大など16機関

(じほう 2008年12月8日)

現在の人工関節よりも耐用年数が長く、生体融合性に優れ、
患者1人1人の関節にフィットした「パーソナライズド人工関節」の
提供に向けて、産学連携の研究が動き出した。

革新的技術の開発を目指し、政府が今年度創設した
「先端医療開発特区」(スーパー特区)の1つに先月、
ナカシマメディカルと大阪大、岡山大、京都大、名古屋大、
産業技術総合研究所(産総研)など16機関42人で取り組む
人工関節のテーマが採択。

2012年度までに、基盤技術の開発、生産技術、臨床研究などを行い、
30年以上の使用に耐え得る人工関節を世に送り出したい考え。

65歳以上高齢者の約5人に1人が、運動器障害を持つといわれる中で、
人工関節の市場は増大傾向に。
関節の悪い部分を削って取り換える治療法で用いられる
人工関節の一般的な耐用年数は約15年。

患者の多くは60歳前後で導入するため、平均寿命が延びた昨今、
より長期にわたって人工関節を使用するとすれば、
導入時期を遅らせるか、入れ替え手術を実施しなければならなくなる。
国内整形外科インプラント市場の約9割は、海外メーカー製品が独占。
シェアは10年前から大きく変わらず、輸入に頼っている。

こうした状況を、日本発の技術で解決しようという取り組みが加速。
ナカシマメディカル(ナカシマプロペラから11月に分社化)と
阪大・岡大・京大・名大・産総研など16機関のチームは共同で、
13年前から「人工関節の機能高度化研究会」を結成。
個々の患者に融合する人工関節を作成し、
耐用年数を現在の15年から30年以上に延ばす研究に取り組んできた。

しかし、研究成果の実用化をめぐり制度面の障害が存在。
基盤技術の治験や承認申請に、多くの時間がかかってしまう点。
実際、重点テーマの1つである人工関節の摩耗を防ぐ技術は、
申請から10年がたつが製造承認待ちの状態で、
昨年、一足先に欧米企業が米国市場で製品化。

政府が、再生医療医薬品・医療機器の研究開発を促進するため、
今年度創設したスーパー特区の公募がスタート。
スーパー特区は、硬直的な研究資金の弾力的な運用を認め、
厚生労働省など規制当局と開発段階から意見交換や相談を行うことで、
革新的技術の開発に弾みをつけることを目指す。
研究期間は、12年度までの5年間。

同研究会の代表者であるナカシマメディカル常務取締役の藏本孝一氏は、
スーパー特区に応募した動機について、
「優先審査といい、治験段階からの相談制度といい、
われわれの研究会が求めているものにぴったりと思った」
同研究会が中心となり9月に応募し、11月18日に採択されたことが発表。

◆5つの基盤技術で耐用年数30年以上に

人工関節には、3つの問題点が存在していると藏本氏は指摘。
<1>人工関節製品の形状の中から、患者の関節形状により近いものを
選んで使用するため、人工関節がフィットしない患者が存在
<2>骨と人工関節がなじまない
<3>人工関節の軟骨部分であるポリエチレンが徐々にすり減る-の3つ。

問題を解決するため、同チームは5つの基盤技術をもとに、
生体融合性に優れた人工関節の開発を行っている。

その1つである「ビタミンE添加UHMWPE」は、
人工関節で避けることのできなかったポリエチレンの摩耗を、
ビタミンEの抗酸化作用を利用して防ぐ技術。
京都大の富田直秀氏とナカシマメディカルで開発。

チタン合金「Ti-15Zr-4Nb-4Ta」(チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル)は、
産総研の岡崎義光氏らを中心に開発している新技術。
従来の人工関節のチタン合金中には、生体への悪影響が懸念される
アルミニウムやバナジウムが含まれていたが、これを取り除こうとしている。

力学的な知見から、強力な骨が形成されるように人工関節表面の
穴の方向を制御する「異方性孔構造」技術(大阪大・中野貴由氏ら)
骨の形成速度を速めるための人工関節表面構造の処理技術
「GRAPE Technology」(岡山大・尾坂明義氏ら)も。

「Bioactive Bone Cement」と呼ばれる特殊なセメント(名古屋大・大槻主税氏ら)
の開発も行っている。
従来のセメントでは、骨と人工関節部分が5-10年でゆるんでしまっていたが、
これを強力に接着させる新技術。

◆患者にフィットした人工関節の作成技術も開発

プロジェクトは、厚生労働省などと開発段階で相談し、
優先審査制度も利用することによって、5つの基盤技術の確認申請から治験、
製造承認を早期に取得したい考え。

次の段階として、基盤技術をもとに人工関節の生産ラインの開発、
生物学的安全性の評価、機械的特性評価、臨床評価を行って、
生産システムの運用の承認をとるまで5年間のロードマップを作成。

大阪大の村瀬剛らのグループは、患者の関節形状や動きなども加味し、
患者にフィットする人工関節の作成技術を開発。
09年度中をめどに、CTなど医用画像を利用した
「パーソナライズド人工関節」作成技術の開発を目指す。

10年度以降は、開発された人工関節を効率よく製造し、
販売する体制づくりをナカシマメディカルが検討。
人工関節は、千葉大・岡山大・大阪大などの施設で臨床評価される予定。

取締役の土居憲司氏は、「時間もコストもかかるが、
患者さんのことを考えた場合、パーソナライズド人工関節の開発に
取り組むメリットは大きい」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84534

医師配置に格差 地域医療の危機 揺れる県立病院再編案/4

(毎日新聞社 2008年12月7日)

県立久慈病院に勤める看護師、小野寺るり子さんは今秋、
腹痛で運ばれてきた20歳代の女性患者を思い出すと、今でも肝を冷やす。
「女性が助かったのは、たまたまだったんです」

小野寺さんが当直の夜、腹痛を訴える女性が運ばれてきた。
子宮外妊娠が判明。
産科医を呼び出し、手術が始まった。麻酔をするのは、当直の外科医。

久慈病院は06年、1人しかいない常勤の麻酔科医が異動して不在に。
県医療局労働組合久慈支部によると、
外科医ら麻酔を行うことができる医師が代役を務め、
全身麻酔を要する手術は行わないようにしている。

子宮外妊娠の女性が手術した夜、もし麻酔のできる医師がいなければ、
救命救急センターがある別の基幹病院に搬送しなければならない可能性も。
最寄りの県立二戸病院に行くにしても、
救急車の手配や手術の準備などで2時間近く必要。
「搬送したら、間に合わなかったかもしれない」。

同支部長で、主任看護師の韮山弘子さんは、
「たった1人の常勤医を、年中無休でこき使っていたようなもの」
当時30歳代だった麻酔科医は、通常の手術に加え、
救急患者が搬送されれば呼び出される。

県立釜石病院にも、定期的に診療応援。
週1回、岩手医大に麻酔科医を派遣してもらったが、
抜本的な解決につながらなかった。

県防災消防年報や久慈病院の調査によると、
久慈地方(久慈市、洋野町、野田村、普代村)の救急出動は、
05年1457件から07年1594件と増える傾向だが、
久慈病院の1日平均救急取り扱い件数は、
05年度37・5件から07年度35・6件に減少。

同支部は、「麻酔科医不在の久慈病院を敬遠し、
重症者は盛岡市や青森県八戸市の病院に搬送しているのかもしれない」

麻酔科医などの専門医の不足は、久慈病院に限った問題ではない。
国は83年以降、「将来の医師過剰」を理由に医学部の定員を削減。
04年現在、人口10万人あたりの医師数は200人で、
経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均310人を大きく下回る。
医療が高度になり、診療科が細分化したことも拍車をかけた。

医療法で定められている必要医師数の充足率(08年)で見ると、
県医療局全体の平均は134・0%。
県央・県南部の基幹病院は205・8-141・0%と上回っているのに対し、
県北・沿岸部は98・4~126・9%と下回り、内陸部との格差が際立つ。

こうした現状に県医療局は、新経営計画で、
「各病院の役割・機能を踏まえ、医師の配置を設定する」とうたうが、
県立中央病院の望月泉副院長は、
「計画通り無床化しても、医師は勤務が厳しい基幹病院に戻らず、
(個人)開業するのでは」と首をかしげる。

県医療局の根子忠美・経営改革監は、
「来年度の人員配置は未定。
新経営計画の策定後、来年4月に向けて詰めていく」
新経営計画を進めると、地域の救急、専門医療を担うとされる
基幹病院の役割は果たせるのか、肝心の医師の配置は不透明なまま。
……………………………………………………………………………
◇医療法による医師充足率(研修医除く 県医療局まとめ)
病院名   充足率(%)
中央     205.8
花巻厚生  147.1
北上     163.0
胆沢     141.0
磐井     188.0
大船渡    119.5
釜石      98.4
宮古     126.9
久慈     124.6
二戸     111.6
医療局平均 134.0

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84515

地域が支える学校(9)班で助け合い 協同学習

(読売 12月12日)

学校再生につながる授業がある。

岡山市立岡輝中学校の理科室で、2年生が男女4人のグループごとに、
水を電気分解する実験。
ある班が、水素に火を近づけた時、水かさが増したことに気づくと、
吉岡真二郎教諭(42)が全員に話しかけた。

「水が増えたと言う班があるけど、みんな見てた?」。
別の班から「確かに増えた」と声が上がる。
「どうしてだろう。みんな考えてみて」。
その言葉を合図に、生徒たちがグループで意見交換する。

1人の女子生徒が発表のために立ち上がると、
教諭は生徒と生徒の間にかがんで姿を隠す。
意見は、教室の全員に伝えてほしいからだ。
吉岡教諭は、「先生は、生徒の意見を別の生徒に橋渡しする役。
生徒が人とのつながりを感じる授業が理想

岡輝中が昨年度から始めた協同学習の授業。
グループ単位で助け合いながら課題をこなす。
生徒も発言しやすいし、友人に教えることで教える本人の理解が深まる。
森谷正孝校長(59)は、生徒が自然に「教えて」と口にできる
「やわらかい人間関係」を、作ることが大切だと考えている。

岡山市には、複数の学校による地域協働学校という独自の制度がある。
地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクールは通常、
個々に指定するが、岡輝中では、小学校2校と幼稚園・保育園3園も
加わった協議会で、学校運営の方針を話し合う。

協同学習の実施は、その協議会の場で森谷校長が提案。
委員からは、「学習面で学校を変えようという話は今までなかった。
地域も応援するので、ぜひ成功させてほしい」と賛同を得た。

地域全体での活動にこだわる背景には、「荒れた学校」の再生がある。
かつて、同中では授業について行けない生徒が机に伏せたり、
教室を出て行ったりする姿があった。
不登校の生徒は、1割を超えていた。
一人親家庭の割合が高いなど、生活環境が厳しい生徒も少なくない。
子供たちの学力保証には、幼少期から、学校、家庭、地域が
連携を密にする体制が不可欠。

導入から1年半。
同中で、授業中に教室を出て行く生徒はいなくなった。
「生徒の居場所が教室の中に出来てきた」と森谷校長は手応えを感じている。
今年度からは、小学校でも協同学習が始まった。

教員の多くが、「生徒の表情が変わった」と口をそろえる。
「友達の考え方は参考になるし、伝えるために一生懸命理解しようとする」と
2年生の女子生徒(13)が協同学習を評価。

同中では地域の人に学校を見てもらうため、
1人の教員が年2回は公開授業を実施。
保護者には、「入試に対応できるのか」という声もあるが、
今後は、保護者が参加する協同学習も企画、学習成果をまとめ、
保護者に説明することも始める。

地域が関心を持ち、地域と共に歩む学校の姿が形になってきた。

◆地域協働学校

中学校区単位で、学校の運営方針を話し合う学校運営協議会を作る
岡山市独自の組織。
協議会の委員には、町内会の役員や民生委員、学校園長らが入る。
岡輝中学校区をモデルに2005年度から始め、
現在は市内37中学校のうち、10中学校で実施。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081212-OYT8T00195.htm

日本は世界を向いているか

(サイエンスポータル 2008年12月9日)

米科学誌「サイエンス」11月21号の論説欄に、
「世界に向けた日本へ」という黒川清・政策研究大学院大学教授の
記事が載っている。

黒川氏は、「今日のグローバル競争においては、型破りな才能を持つ、
進取の気性に富んだ人材が求められ」、
さらに「いずれの国にとっても、科学、技術、イノベーションへの投資は、
国の経済成長にとって極めて重要」であることを強調。

人材、リーダーの育成に、大学が重要な役割を担うことを指摘し、
政府が科学教育・研究に対する支援を行っても、
「将来を担うべき学生の可能性を十分に伸ばしきれていない」

日本の大学の現状に厳しい目を向けている。
「世界の最も有望な学生を引き寄せるばかりでなく、
トップレベルの人材を教授に、さらには学部長、学長、総長などの
ポストに招聘している」海外の主要大学の動きを挙げて、
大学が世界に門戸を開くことの重要性に言及、
トップに外部から人を招くことが依然として例外的でしかない
日本の大学に警鐘を鳴らした。

「日本とアフリカの大学・研究機関の教員、学生が参加する
二国間共同研究プロジェクト」と、
「主要大学30校を対象に、全学生の少なくとも1割を今後5年以内に
海外へ交換留学させることを目標とする交流プログラム」が
2009年度予算案に盛り込まれていることに期待を表明し、
これらが承認されないと日本が
「150年前、ペリー提督が日本の扉を世界に開いた以前の時代に
戻るのではないかと心配だ」と結んでいる。

黒川氏は、日本学術会議会長、内閣特別顧問を歴任し、
この間、日本が国際化を急ぐ必要性を一貫して主張。

今回の論説の中でも、日本の国立大学約80校中、
女性の学長がお茶の水女子大学だけにしかいないことや、
海外へ留学する学生の数が米国だけを見ても、
ここ数年で46,000人から35,000人に急減しているといったデータを示し、
日本社会にはびこる「島国精神に満ちた、階層的タテ構造の
男性優位な社会システム」を批判。

http://www.scienceportal.jp/news/review/0812/0812091.html

2008年12月14日日曜日

新型インフル瞬時に検出 診断3-5分、重症度も 空港検疫に威力発揮 滋賀の大学とメーカー

(共同通信社 2008年12月9日)

猛毒の新型インフルエンザウイルスなどを瞬時に検出し、
診断時間を従来の20分から3-5分へと大幅に短縮できる検査法を、
長浜バイオ大などの共同研究チームが研究開発し、
バイオ機器メーカーと実用化に乗り出した。

ウイルス表面の抗体に結合し、光を発する特殊なタンパク質を
「標識」として利用。
判定時間が短く、重症度も分かるため、
海外からの旅行客が多数入国する成田空港など
国際空港の検疫チェックでは特に威力を発揮できる。
1年後の実用化を目指す。

厚生労働省結核感染症課は、
「素早くできる高感度の検査法の開発は歓迎だ。
専門的な検証は必要だが、新しい手法で注目できる」

現在の検査法は、試薬を塗った棒にのどの粘液を付け、
試薬が反応して変色、ウイルスの有無を確認できるまで20分ほどかかる。

研究チームによると、新開発の検査法では、レーザー光線を当てると
瞬時に蛍光を発するタンパク質を、ウイルス表面の抗体に結合する形に。
これを入れた溶液に、のどの粘液を混ぜてレーザーを照射すると、
感染していればウイルスに付着したタンパク質が発光し、
3-5分以内にウイルスの有無を診断できる。
ウイルスの数も測定できるため、重症度も分かる。
既に従来型のインフルエンザで臨床試験を実施、効果を確認。

同大の長谷川慎講師は、「ウイルスの抗体があれば、
『標識』は容易に作ることができるし、従来の検査法より感度は100倍。
病原体の種類ごとに『標識』を作り出せば、
はしかや食中毒、ピロリ菌でも応用できる」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84626

朝バナナ・ダイエット 過剰な健康志向、市場振り回す 追跡2008

(毎日新聞社 2008年12月7日)

この秋、バナナが全国の店頭から消えた。
スーパーの開店と同時に買い占める客が殺到、
昼前には売り切れる店が相次いだ。
騒ぎは1カ月で収束したが、
納豆やココア、寒天などに減量効果があるとして品薄になったのも最近のこと。
「日本人は、ダイエットに固執して食べ物をえり好みする傾向が強い」。

◇メディアがブーム加速

今回のバナナ騒ぎを振り返ってみよう。
10月初旬、名古屋市「松坂屋ストア」。
開店と同時に、10人以上の女性客がバナナ売り場へと走り出した。
普段は1房しか買わない女性も、3-4房を買い物カゴへと放り込む。
昼までには、売り場からすべてのバナナが消え去り、
果物売り場にぽっかりと穴が開いた。
こんな光景が、1カ月以上も続いた。

同店の林雅道店長は、「毎日食べていたというお客様から、
『買いたいのに買えない。迷惑だ』という苦情も。
納豆ダイエットの時よりすごかった」

ブームの下地は、インターネットにあった。
国内最大級のソーシャルネットワーキングサービス「mixi」に、
朝食を水とバナナだけにする朝バナナダイエットを語り合う
コミュニティが登場したのは、06年7月のこと。

この方法でのダイエット本が出版され、ミクシィでの参加者も増加。
派生したコミュニティは、今でも2万5000人が登録、
朝バナナの実践と、ダイエットの進行を報告し合っている。
朝バナナの関連本4冊は、11月上旬までに計90万部を売り上げる
ベストセラーにもなっている。

9月、テレビが店頭からバナナが消えるほどのブームに押し上げた。
日本テレビの人気情報番組で6-8月に3回、取り上げられたのを機に、
ネット外でも認知度がアップ。

9月中旬には、TBS系情報番組でタレントの体験談として、
「約1カ月半の朝バナナダイエットで、7キロの減量に成功した」と紹介。
スーパーに客が殺到、1、2日でたちまちバナナ不足に。

バナナ輸入量で国内首位のドールは、
テレビで朝バナナダイエットが紹介された6月以降、ブームを予想して、
輸入量を前年比約3割増やして対応。
バナナなど農産物は、年間生産量が限られているため、
日本の輸入量を増やすため、アジア各国から少しずつ融通してもらう必要。
それでも、各小売店で売り切れが続出、市場価格も押し上げた。

愛知県知多市のスーパー「タツミ」では、通常380円で売られていた
約15本のバナナが付いた房が、一時は700円近くまで上がった。
それでも飛ぶように売れ、1週間前から予約を取って対応。
1房に4-5本のバナナが付いた商品は、仕入れることもできなくなった。
同店で働く女性は、「あれほどあったバナナが、こんなに売れるなんてねえ」。

バナナがいつも通りに買えるようになったのは、10月下旬。
ブームは収束したが、値段は一部で高止まりしたまま。
名古屋市消費流通課によると、同市中央卸売市場における11月下旬の
バナナ1キロ当たりの卸売価格は、昨年同期より35円高い174円。
9月のテレビ放送後、一時は200円近くにまで急上昇。
平年なら120-130円台に値が落ちる夏場も、
今年はブームのハシリで150円台後半-160円台を推移。

★さまざまな食品登場

日本では毎年、ダイエット食品ブームが起きていると言っても過言ではない。
その歴史は、30年以上前にさかのぼる。

1975年前後に流行した紅茶キノコ
旧ソ連の家庭で伝統的に飲まれていた飲料、
簡単に台所で栽培できることから大ブレーク。
効能として、▽血庄が下がった、▽胃腸が丈夫になった、
▽肝機能が元に戻った、▽自然にやせた--などがあるともてはやされたが、
医学的には根拠がない。

フィリピンのトロピカルフルーツだった「ナタデココ」が、
ダイエット食品としてもてはやされたのは93年。
翌94年には岐阜県を震源とする「野菜スープ健康法」がブレーク。

バナナダイエットは、85年にもブームになり、今年で2回目。
同様にココア(96年、07年)も2回のブーム。
インターネットでは、過去に流行した粉ミルク(84年)、ゆで卵(88年)、
黒酢(00年)などが依然としてダイエット食品として紹介、
テレビ番組などをきっかけにブームが再燃する可能性がある。

★日本の特殊性指摘

ブームによって、消費者が一斉に特定食品を買い集める構造をどう見るか?
群馬大の高橋久仁子教授(栄養学)は、
「特に最近のブームは、過剰な食料供給と健康志向を背景に、
消費者がテレビの情報に飛びついている」

07年に流行した納豆ダイエットでは、メタボリック症候群への関心が
高まったことで、中年男性までもがスーパーに走った。
情報番組で、バナナを3回も取り上げた日本テレビ総合広報部は、
毎日新聞の取材に書面で、「健康情報については、視聴者の関心も高く、
健康維持と予防を目的として、テーマを選び制作。
『バナナダイエット』に関しても、その観点から選んだテーマ」などと回答。

◆自信のなさ?

高橋教授は、「欧米では、総合的に体にいい健康食品がブームになるのに対し、
日本ではダイエット一辺倒なブームが発生しやすい」と特殊性を指摘。
日本人は、欧米人ほど肥満は少ないことは、統計的に裏付け。

世界保健機構の05年の統計では、
日本で肥満とされるBMIが25以上の女性の割合が、
アメリカ(72・6%)やイギリス(61・9%)では6割を超え、
日本(18・1%)は極端に少ない。
それでも、ダイエットに対し、特に女性が強いこだわりをみせている。

宮城大の樋口貞三教授(食品産業政策)は、
「美の追究というより、日本女性の自信のなさがブームにつながっているのでは」

◆都合よく解釈

キャベツダイエットを提唱したことがある
吉田俊秀・京都市立病院糖尿病代謝内科部長は、
「情報が独り歩きして、キャベツだけ食べればやせる、と誤解されるのは迷惑」

吉田部長が提唱した正しいキャベツダイエットは、
食前にキャベツを6分の1玉食べることで、胃に満腹感を与え、
全体の食事量を減らす。
キャベツに飽きたら、キュウリやトマトを加える。
繊維質で、ビタミンCが体によく、満腹感も得られるものをとり、
食べ過ぎを防ぐ手法で、そもそもは肥満の人のために考えられた。

吉田部長は、「ダイエットの方法は、太った原因や、減らす必要がある
体重によっても違い、百人百様だ。
特定の食品を食べ続けるだけで、やせるはずがない」

大事なのは、「正しい生活と、バランスの取れた食事や適度な運動」
取材を通じて実感したのは、こんな当たり前のことこそ、
健康的なダイエットにつながるということ。

◇効果不明だが規則正しい生活で体調改善

効果があるのかどうかを実際に試してみよう、ということで、
健康診断で、メタボリックシンドローム
(内臓脂肪症候群、腹囲男性85センチ、女性90センチ以上)に迫る勢いの
木村文彦記者(37)が、脱メタボに向けて、朝バナナダイエットに取り組んだ。

初日のウエストは82センチ、体重70キロ、体脂肪率は25・1%。
起床し、コップに常温の水とバナナ1本を用意。
一口ぐらいのバナナを、よくかんでから飲み込み、水を飲んだ。
食後は、意外と満腹感があり、「これならいけるかも」と思ったが、
空腹感が襲ってきて、ヨーグルトを食べて耐えた。約1時間運動もした。
夕食は、午後8時までに済まそうと心掛けたが難しく、10時までに済ませた。

3、4日経過し、朝1本のバナナとコップ1杯の水も慣れた。
お通じがよくなった気がしてきた。
2週間後、ウエストは83センチ、体重は68・4キロ、体脂肪率は23・8%。
ダイエット効果は不明だが、朝食を取ることで昼、夕食の量が減った気がする。
規則正しい生活をすれば、体調もよくなるということを実感。

◆バナナと日本人

日本に紹介されたのは16世紀、ポルトガルの宣教師が織田信長に
献上したのが最初と言われる。
1903年、台湾から正式に輸入が始まった。
「風邪を引いた時だけ食べられる」と言われる高級滋養食品だったが、
1963年に輸入が自由化され、エクアドル産やフィリピン産の流入が急増。
総務省の家計調査では、04年に1世帯当たりの果物の年間購入数量が
初めてミカンを抜いて1位になった。
今では「日本人が一番口にする果物」に。
……………………………………………………………………………
◇ダイエット効果がある、として流行した主な食品
   (年代はブームのピーク時)
1975年 紅茶キノコ
  85年 バナナ
  88年 ゆで卵
  92年 リンゴ
  99年 唐辛子
  00年 キノコ、おから、黒酢
  02年 低インシュリン食品、ビール酵母
  03年 アミノ酸
  04年 にがり
  05年 寒天
  06年 キャベツ、杜仲茶
  07年 納豆、ココア
  08年 朝バナナ
 (03年以降、コンニャク、豆腐、豆乳、バナナ酢などがはやった)

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84518

偏る業務量 地域医療の危機 揺れる県立病院再編案/3

(毎日新聞社 2008年12月6日)

県立中央病院のレジデント(後期研修医)の桜庭伸悟さん(30)は、
タクシーに乗り込むなり、眠りに落ちた。
医師が不足している国保葛巻病院(葛巻町)で、
当直を務める診療応援に向かう途中。
中央病院で、診療応援の割り振りを担当する地域医療支援部長の
望月泉副院長は、「居酒屋タクシーならぬ、『毛布』タクシーです」

桜庭さんは、研修医になって5年目。
医師5人のチームで、20-25人程度の入院患者に対応。
平日は、毎朝7時に出勤。
午前8-9時は回診し、看護師らに指示。
同9時半には手術が始まり、終わるのは午後2時ごろ。

2件目の手術があれば、病床が消灯する午後9時を過ぎることも。
カルテ作成や標本整理などを済ませると、帰宅は翌日午前0時近い。

週1回は、中央病院で当直。
月1、2回の診療応援にも行く。
1回あたり、当直と翌日午前の外来診察をこなすのが一般的。
「基幹病院ではないので、救急患者も軽症がほとんど。
中央病院の当直に比べれば楽ですよ」と語るが、
午後中央病院に戻れば、手術が待っている。

診療応援があっても、受け持つ入院患者のカルテ作成など
日常の業務量は変わらない。

達増拓也知事は、県立病院などの無床化を柱にした新経営計画案について、
「医師が辞め、その分残る医師の負担が増している。
病院を集約して、勤務医の負担を減らすのが目的」

しかし、実際は全国平均を下回るとは言え、
人口10万人あたりの医師数は増えている。
県全体では、86年の144・0人(全国157・3人)から
06年の186・8人(同217・5人)に増加。
県立病院も、常勤医は減っているが、97年545人から07年613人増。
研修医の確保に努めた結果だ。

全国自治体病院協議会県支部長の菅野千治・県立宮古病院長は、
「内陸と沿岸部の病院間で、医師の負担が偏っている」と問題点を指摘。

県立の中核・基幹病院に運ばれた救急患者は、07年度延べ13万3047人。
医師1人あたり、県全体の318・3人に対し、
最多の大船渡病院は562・8人。
在籍医師や重症患者が多い中央病院の185・9人は別にしても、
2番目の花巻厚生病院230・7人の約2・4倍。

他の県立病院や市町村立の医療機関に派遣される診療応援も負担に。
沿岸部など常勤医が不足する病院・地域診療センターへの派遣で、
県立病院全体では、06年度5108件から07年度5729件増。

1人しかいない九戸地域診療センターの常勤医は昨年度以降、
体調不良のため入院患者の診療に専念。
外来や夜間・休日の当直は、基幹病院や岩手医大から派遣を求めた。
07年度の二戸病院の診療応援は、前年度比35・1%増の831件増。

中央病院の望月副院長は、県の言う無床診療所化による
中核・基幹病院の医師負担軽減について、
「次々に来る診療応援の依頼を断り続けているのが現状。
仮に無床化しても、業務量は変わらないでしょう」と否定的。
……………………………………………………………………………
◇中核・基幹病院の診療応援回数
     06年度 07年度
中央   2233 2238
大船渡   265  413
釜石    152  301
花巻
厚生    116  131
宮古    365  256
胆沢    326  577
磐井    682  681
久慈     84  102
北上    103   79
二戸    615  831
計    4941 5609

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84493

16年五輪 東京不利に?

(朝日 2008年12月13日)

五輪招致はテレビマネー次第なのか。
ローザンヌで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、
そんな議論が持ちあがった。
16年夏季五輪に名乗りを上げている東京に、不利に働く恐れがあるだけに、
日本にとっても、気になる話。

きっかけは、キャリオン財務委員長の発言。
14年冬季、16年夏季五輪の米国向け放送権の契約が、
金融恐慌の余波で難航し、16年大会の開催都市をきめる
来年10月以降になりそうだと明かした。

「経済情勢は厳しく、テレビ局側から交渉を遅らせてほしいと要望がある」
ロゲ会長も呼応する。「景気回復を待てばいい。交渉する時間はたっぷりある」
これが、東京など4都市が争う招致に影をおとしかねない。

カギを握るのが、シカゴ(米)の当落。
米国開催になれば、夜のゴールデンタイムに生中継できる米国のテレビ局は、
CM料アップを見こんで巨額の投資をする価値がある。
リオデジャネイロ(ブラジル)なら時差は少ないが、
東京、マドリード(スペイン)だと条件は悪くなる。

本来、開催都市の選定と放送権交渉は何の関係もないが、
IOCの財源を潤してくれる米国のテレビ局の「威光」が、
シカゴの得票を後押ししないとは言い切れない。

10年バンクーバー(カナダ)冬季、12年ロンドン夏季の2大会の放送権料は、
総額38億ドル(約3534億円)。
米NBCは、約58%に上る22億100万ドル(約2055億円)を負担。
この2大会は、開催都市がきまる前に契約が成立していたが、
今回はその慣例が崩れそう。

14年冬季はソチ(ロシア)に決まり、うまみの少ない米国テレビ局にとって、
16年夏季は、時差の少ない開催都市にこしたことはない。

ロゲ会長は、「IOC委員の仲間は、財政的な理由ではなく、
スポーツの側面で開催都市を選ぶ」と正論を唱えたが、
05~08年期のIOCの最高位のスポンサー12社のうち、
4社が契約更新を見送るなど、五輪ブランドにも陰りが見える。

頼みの綱は、テレビマネー。
それは、開催都市を決める投票権を持つIOC委員の常識。

http://www.asahi.com/sports/spo/TKY200812130099.html

地域が支える学校(8)小中一貫 垣根なく協力

(読売 12月11日)

地域と協力する小中一貫教育が広がる。

児童生徒数約1780人、学級数53、教職員は嘱託を含めて約150人。
東京都三鷹市立にしみたか学園は、いまどき珍しい<大規模校>。
第二中学校、第二小学校、井口小学校で小中一貫教育を行うため、
2006年度からこの名前を名乗っている。

「これだけの規模で、3校が交流を図るとなると、
時間割調整が容易ではありません」と、
学園長でもある二中の大嶺せい子校長(59)。

3校による研究会は04年度から始まっていたが、
当初は互いの職員室に戻ると、「小学校は見た目を追い過ぎる」、
「中学校は相変わらずの詰め込みだ」と言い合っていた。
05年度に赴任した大嶺さんは、
「小学校と中学校の文化は違って当然。しかし……」と説得に努めた。

小中一貫教育の構想が浮上した際、地域からも反対の声が上がった。
「学校が統廃合されてしまう」という誤解も。
学園ができた翌年度、3校は地域住民らが学校運営に参画する
コミュニティスクールの指定を受けた。

学園では、学級担任制から教科担任制に変わるという
環境変化に対応するとともに、特に苦手意識が出やすい数学で
習熟度別授業に力を注ぐ。
中学校の基礎クラスの教室には、小学校の元担任らも入る。

小中のギャップを小さくするため、小学校2校の6年生は、
長野県の自然教室で、2校の児童混合の班を作り、3泊4日を過ごす。
事前に話し合いの場を持ち、イベントも開いている。

6年の2学期には、小中の教員が協力して、
選択制学習と呼ばれる時間を7時間設ける。
発展的な内容を中心に、15コースほどのメニューを用意。
11月に行われた公開授業でも、「世界の気候と日本の気候」、
「科学の世界を広げよう」といったタイトルで、5教科が披露。

小中学校の児童会と生徒会が、夏休みのボランティア活動や
地域での清掃活動について一緒に話し合う。

中学生は、小学校の夏休みのプールでのボランティアや、運動会での受付も。
「中学生になったらお兄さん、お姉さんとしての役割を果たすんだ」と
小学生に自覚させる効果も大きい。

地域も一貫教育を支える。
3校が一つの学園を名乗ることで、学校が小中の別なく、
保護者の協力を得やすくなった。
「中学校で、小学校の保護者に出くわすことも珍しくない」と
他校から赴任してきた教員を驚かす。

学校に協力する地域の「サポート隊」には、約370人が登録。
家庭科でミシンの指導をしてもらったり、同窓会を通して地域の古老に
戦時中の話をしてもらったり。
3校のマンパワーが発揮されるのはこういう時。

大人の姿を見て、ボランティアに取り組む子供たちが増えてきた」と大嶺さん。
地域との関係が、これまで以上に深まることで
「学校がどうやったら地域の役に立てるかを考えている」。
地域が学校を支える例は多いが、逆の発想も必要かもしれない。

◆連携の背景に法改正

小中学校の連携教育や一貫教育を進める自治体が急増。
その背景には、改正教育基本法を受けて、学校教育法に
義務教育9年間の目標が具体的に規定された。
三鷹市では、小中一貫教育を全域に広げようとしており、
2009年秋には、市立小中学校22校すべてが
中学校区ごとに7学園でくくられる。 

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081211-OYT8T00195.htm

2008年12月13日土曜日

高コスト体質 地域医療の危機 揺れる県立病院再編案/2

(毎日新聞社 2008年12月5日)

「無床化は絶対に行わないこと」。
県医療局の新経営計画案を受け、入院ベッドを廃止する無床診療所化の
対象になった県立病院・地域診療センターがある地元6市町村の
首長、議長らが、達増拓也知事らに提言書を渡し、計画案に強く反対。

首長らは、突然の計画案公表に加え、04年2月に策定された
「県立病院改革プラン」で、県立病院が診療所化されてから、
長くてまだ2年半しか過ぎていないと反発。
06年4月に紫波、花泉を病院から入院ベッド19床の地域診療センターに
移行したのをはじめ、07年4月に大迫、伊保内を、今年4月に住田を
それぞれ診療所化したばかり。
住田町の多田欣一町長は、「4月の病床削減時、県は医療サービスは
維持すると言った。約束をほごにされた思いだ」

こうした批判を覚悟の上、県医療局は非公開で新経営計画案を検討。
来年度からの実施を急ぐ背景には、県立病院の厳しい財政事情がある。

新経営計画案や医療局などによると、国の医療費抑制政策のあおりを受け、
県立病院は02年度に医業収益が急減。
18億円の赤字を計上。
100億円以上確保していた内部留保残高は同年度、90億円台に転落。
翌03年度には、逆に累積欠損金が100億円を突破。
県医療局が立案したのが、改革プランだった。

施設規模の適正化や医療資源の集約化で、
単年度収支の均衡を目指した改革プランだったが、
黒字化できたのは05年度だけ。
相次ぐ診療報酬や薬価基準のマイナス改定などで、
06年度から再び赤字になり、07年度には内部留保残高が
37億6900万円まで落ち込んだ。
県医療局は、「現状のままでは数年後には枯渇する」

県立中央病院の望月泉副院長は、
「地域診療センターは、民間では考えられないほどコストを要している」
改革プランは、5病院の無床診療所化を掲げたが、
地元住民らは「地域から入院ベッドが失われる」と反対運動を展開。
それぞれ19病床を残し地域診療センターに移行することで妥協し、
結局は中途半端な経営形態だけが残った。
県医療局の細川孝夫次長は、「前回(改革プラン策定時)は、
地元の(ベッドを)残してくれという声を踏まえただけ」

この結果、5センターだけで07年度は7億2200万円の赤字を計上。
最大の要因は人件費。
紫波の場合、常勤医3人のほか、3交代で勤務する看護師が18人。
19病床の紫波では入院患者数よりも多い状況。

各地域診療センターの一般会計からの繰り入れを含む医業収益に対して
人件費の割合は、紫波116・1%、大迫115・8%、花泉132・7%、
九戸146・0%(07年度、08年度から診療所化の住田は除く)。
県医療局の根子忠美・経営改革監は、
「一般に自治体病院の場合、6割程度に抑えるのが望ましい」と
高コスト体質を認める。

九戸村の岩部茂村長は、「医師は不足しているのに、
看護師らスタッフはそろっている。
患者が減る分、赤字になるのは見えていたはず。
職員配置など柔軟に対応できなかったのか」と疑問を呈す。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=84404

山中教授が米バイオと協力  糖尿病治療の実現狙う

(共同通信社 2008年12月10日)

京都大の山中伸弥教授は、米バイオ企業ノボセル社と協力し、
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、
インスリン分泌能力を持つ膵臓の細胞をつくる研究を始めると発表。

安全な細胞を作製して、糖尿病患者に移植することができれば、
画期的な治療法につながると期待。
京大が、iPS細胞研究で海外企業と提携するのは初めて。
山中教授は、「互いの技術を融合し、糖尿病治療の可能性を探りたい」

京大によると、ノボセル社は人の胚性幹細胞(ES細胞)から
インスリンを分泌する膵島細胞をつくるのに成功。
動物への移植実験で、糖尿病の改善効果も確認した。

山中教授は最近、iPS細胞の実用化を促進するため、
積極的に海外と協力する方針を表明。
今回は、両者の狙いが一致。

ノボセル社は、1999年設立。本社は米カリフォルニア州。
幹細胞を使った慢性疾患の治療法開発や創薬事業を手掛ける。

島津製作所が基金を拠出する島津科学技術振興財団は、
科学計測の基礎的研究で成果を挙げた功労者を表彰する
2008年度の島津賞に、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した
京都大学の山中伸弥教授を選んだ。

賞金は300万円。
来年2月19日に京都市内で表彰式と、山中教授による記念講演を開催。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84749

ホルモン低下が炎症起こす 徳島大、目の難病で解明

(共同通信社 2008年12月8日)

免疫異常で目の組織などに炎症が起きる難病の「シェーグレン症候群」が、
女性ホルモン低下に伴う特定のタンパク質の活性化によって
引き起こされるのを、徳島大の林良夫教授らのチームが解明。

この病気は、ドライアイや関節リウマチ、全身の疲労感などを伴い、
更年期の女性に多いのが特徴。

林教授は、「このタンパク質を薬などで抑えることができれば、
新たな治療法につながる可能性がある」

チームは、網膜のがんに関係する「RbAp」というタンパク質の一種に着目。
マウスを使った実験で、女性ホルモン濃度が低下すると、
RbApをつくる遺伝子が活性化し、過剰に働くとシェーグレン症候群に
似た症状が出るのを確かめた。

RbApは、涙腺などに細胞死を引き起こし、それが炎症反応をさらに
暴走させる悪循環を生んでいた。
林教授は、「更年期の女性が発症しやすいメカニズムがようやく分かった」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84545

生きたがんだけ光らせる蛍光物質 治療効果の確認可能に 日米の研究チーム開発

(毎日新聞社 2008年12月8日)

生きたがん細胞だけを光らせる蛍光物質を、日米の研究チームが開発。
1ミリ以下のがんを見つけられるうえ、がん細胞が死ぬと光が消えるため、
治療効果を確認しながら手術や内視鏡治療ができる。

英科学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表。
開発したのは、浦野泰照・東京大准教授(薬学)、
小林久隆・米国立衛生研究所主任研究員ら。

生きた細胞内では、「リソソーム」という小器官が弱酸性、
死んだ細胞では中性になることに着目。
乳がん細胞に結びつきやすく、酸性のときだけ光る物質を開発。

マウスの肺に乳がんが転移したという条件を再現したうえで、
蛍光物質を注射すると、1ミリ以下の肺がんが検出され
内視鏡で切除することに成功。

がんを殺すエタノールをかけたところ、約30分後に光が弱まり、
がん細胞の死を確認。米国で臨床試験の準備に入った。

PET(陽電子放射断層撮影)など現在の画像検査では、
1センチ以下のがんを見つけることや、
抗がん剤投与後の効果をすぐに確認することは難しい。
浦野准教授は、「小さながんを見過ごさず、切除できるので
誰もが名医になれるだろう」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84579

「研究開発」誘致に本腰 県が条例拡充を検討

(岩手日報 12月8日)

県は、製造業の研究開発部門の誘致を一層促進するため、
知事が指定する特定区域で工場などを新設・増設する製造業に対して、
優遇措置を施す「特定区域産業活性化条例」を拡充する方向で検討。

景気悪化で、生産現場は縮小する産業界だが、
次世代を見据えた研究開発は不可欠。
首都圏に流出している県内の大学生らの雇用確保、地元定着率の向上にも
つながるだけに、条例拡充により「頭脳部門」の誘致に本腰を入れる。

同条例は、県と市町村が連携し、立地企業に対して不動産取得税免除、
法人事業税免除(3年)、不均一課税(2年)、固定資産税免除(3年)などの
優遇措置を施す制度。

▽投資規模や雇用人数などで決める大型補助(上限なし)
▽最大20億円の融資
▽行政手続きや人材確保、融資関係などのワンストップサービス

なども行い、総合的に企業を支援、地域の雇用確保、
経済活性化に結びつける。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081208_3

地域が支える学校(7)独自基金 きずな強める

(読売 12月10日)

地域が、学校独自の教育活動を支える基金で奮闘している。

津市の新興住宅地にある市立南が丘小学校を会場にして開かれる
「南が丘ふれあいまつり」は3年目の昨夏、3000人が集まる大盛況に。
校区の世帯数に匹敵する人数。
大雨にたたられた今夏も、参加者は1500人を超えた。

同小には、「南が丘コミュニティ・ファンド」と呼ばれる基金がある。
町のシンボルに育ったまつりには毎年、この基金から10万円が助成。

ファンドは、地域住民が学校運営に参画するコミュニティスクールに
指定された2005年度から本格運用が始まった。
コミュニティスクールの協議機関である南が丘地域教育委員会
(法律では学校運営協議会)の委員長を務める会社員の辻林操さん(50)が、
ファンドの責任者も務めている。

ファンドの予算は、昨年度で128万円余り。
まつりへの助成のほか、70万円余りが、
学校の教育活動支援のために使われた。
5、6年を対象にして、秋に20講座ほど開講する選択教科の
外部講師の資料代などに7万9000円、全学年にほぼ週1コマ行う
英語科の授業の資料代に4万円といった具合。
学校要覧の印刷代、図書ボランティアの事務費、ボランティア保険などの
費用もまかなっている。

収入の7割はPTAから。
会費に上乗せする形で、1人月100円分を徴収。
残りは、寄付と、協力店を利用した場合の還元金。
地元を中心に、美容室、医院、飲食店、スポーツ用品店などが
協力店になっており、利用者がポイントカードや、押印したレシートを
事務局に届けると、売り上げの一部がファンドに入る。

ただ、事業所が点在する住宅街で、PRするスタッフも数人であるため、
今年度の協力店は7か所、寄付先を入れても24か所で、
スタート当初から伸びていない。
寄付の場合、景気にも左右される。
協力店になる利点をどうアピールするかも模索中。

昨年度から校長を務める中山佳之さん(54)は、
「地域のおかげで、教育内容が充実するのはありがたいし、
金額以上に、地域が学校に関心を持ってもらえる精神的な効果が大きい」

「充実させようとすればきりがないが、ソフト面での支援はほぼ満足のいく状態」
ファンドが地域のきずなを強めることに、ひと役買っているのは確かだろう。

◆少ない校長裁量予算

ベネッセコーポレーションによる2006年の調査では、
全国の市区町村教育長895人中、校長裁量予算があると答えたのは17.4%、
金額は50万円までで80%超、うち10万円までが32.1%。
公立小中学校長2345人の86.3%が予算不足と感じ、
学習活動の費用を増やしたいとする声が目立った。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081210-OYT8T00228.htm

2008年12月12日金曜日

世界遺産の保護に日本も衛星観測で協力

(サイエンスポータル 2008年12月3日)

衛星からの観測データを、世界遺産の監視と保護に活用する
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の活動に、
宇宙航空研究開発機構が参加。

衛星データを活用する活動は、ユネスコと欧州宇宙機関(ESA)によって
始められ、現在フランス国立宇宙研究センター(CNES)、
ドイツ航空宇宙センター(DLR)、カナダ宇宙庁(CSA)、
米航空宇宙局(NASA)など、24の宇宙機関が参加。

宇宙航空研究開発機構は、2006年1月に打ち上げた
陸域観測技術衛星「だいち」により、内外の世界遺産を含む
地上の観測を続けている。

今回の取り決めでは、国内の自然遺産として世界遺産に登録されている
白神山地、屋久島、知床、アンコールワット(カンボジア)、
四川ジャイアントパンダ保護区(中国)、サガルマータ国立公園(ネパール)、
マナス野生生物保護地区(インド)などアジアの世界遺産、
ユネスコから要請のあったカラクムル遺跡(メキシコ)、
マチュピチュ遺跡(ペルー)など10カ所程度の世界遺産を
年2回程度観測し、画像をユネスコに提供。

世界遺産は、1972年にユネスコ総会で成立し75年に発効した
「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」により
登録された遺跡や地域で、その数は現在、
文化遺産679件、自然遺産174件、複合遺産25件。

日本の条約加盟は92年と遅れたこともあり、
登録件数は、文化遺産11件、自然遺産3件。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0812/0812031.html

スキージャンプ即時解析へ 県立大グループ

(岩手日報 12月5日)

県立大ソフトウェア情報学部の村田嘉利教授らのグループは、
地磁気・加速度センサーをスキージャンプ選手に装着し、
飛び出す時の動作をデータ化するシステムの開発を進めている。

即時のデータ解析を通じ、踏みだす瞬間のポイントを把握するなど、
競技力向上につなげたい考え。
来年からは、ジャンプ台でのデータ取得を行い、2年以内の実用化を目指す。

研究しているのは、村田教授と佐藤永欣講師、及川正基さん(3年)の3人。
9月から研究を進め、模型などを使って実験。

センサーは、マッチ箱大。
選手のユニホームやヘルメットなどに装着し、回転や強さを計測。
パソコンに取り付けた受信器にデータを送り、三次元の動きをグラフに映し出す。

これまでは、ビデオカメラで撮影した「点」の動きを追うことで
解析する方法などがあったが、即時の解析は難しく、
複数のカメラが必要などの制約があった。

村田教授らが開発を進めるシステムは、
データを即時にパソコン上に表示することが可能。
一人の選手のジャンプを過去のデータと比べることや、
複数の選手との比較ができる。

今後は、実際のジャンプ台での計測を通して選手やコーチらの意見を聞き、
装着位置とデータとの関連を精査する。
将来的には、実際のフォームなどを写した画像とも
連動させたシステムを目指す。

村田教授は、「さまざまなスポーツの分野に広げていきたい」
県スキー連盟の山本進ジャンプ強化委員は、
「飛んだ直後に、アドバイスが可能になる。
よりよい指導ができるようになるのではないか」と歓迎。

アルベールビル冬季五輪複合団体で金メダルを獲得した三ケ田礼一さん
(県体育協会スポーツ特別指導員)は、
「スキージャンプは飛び出すところが勝負。
これまでは感覚的にやっていることが多かったが、
データとして選手にフィードバックできれば、選手強化につながるのではないか」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081205_16

地元の反発 地域医療の危機 岩手・揺れる県立病院再編案/1

(毎日新聞社 2008年12月4日)

県立沼宮内病院など、6県立病院・地域診療センターで
入院ベッドがなくなる無床診療所化を柱にした
県医療局の新経営計画案が、地元自治体や住民の反発を招いている。
県は、全体で病床396床を削減する計画だが、
医療サービスの低下を懸念する声は強い。

一方、慢性的な医師不足や病院間の業務量の偏在、
約138億円の累積赤字(07年度末現在)を生み出すコスト高……と、
地域医療を取り巻く環境は厳しい。
一元的なサービスカットしか、道は残されていないのだろうか。
「県下にあまねく医療を」、と掲げる県立病院の理念と経営のはざまで
揺れる住民や現場の医師らの声を伝える。

◇がん対策20年「水の泡」 検診で医療費抑制--沼宮内病院

岩手町は、町民を対象に大腸がんや胃がんの無料検診を実施、
早期発見や医療費削減で成果を収める。
その中核を担うのが、県立沼宮内病院。

今回の突然の無床化案に、厚生労働省がん対策推進協議会委員でもある
町健康福祉課の仁昌寺幸子課長は、
「長年の取り組みが水の泡になる。国や県のがん対策にも反している」

同病院は05年度68・2%、06年度55・9%、07年度48・3%と、
3年連続で病床利用率が70%を下回り、
総務省の「公立病院改革ガイドライン」の基準に達しなかった。
そのため、計画案では現在60床ある病床が10年に無床化。

85年の町の循環器系がん検診受診率は、県平均50・5%に対して28・1%。
町はてこ入れしようと87年4月、沼宮内病院と町内の開業医で構成する
検診推進委員会を設置、89年には、がん検診の無料化を始めた。
90年、全国に先駆けて大腸がんの集団検診を開始。
06年度の受診率は県平均25・0%に対し、町は70・7%と大幅に上回った。

高い1次検診受診率を生かすため、町は病院と連携。町の保健師らが、
2次検査が必要な町民に精密検診を受けるよう個別に促す。
05年度には対象者のうち、精密検査を受けた割合が胃がんで90・3%と
県平均83・5%を超えた。
この結果、最多の03年度は31人、07年度も11人の早期がん患者を発見。

こうした取り組みは、医療費削減にもつながった。
町の03年度調査によると、患者1人あたりの年間医療費は
ポリープ段階だと32万円にとどまるが、早期がんで127万円、
進行がんだと278万円にも膨らむ。
早期発見によって、00年5月は2137万円だった町のがん関連医療費は、
07年5月には1300万円まで減少。

県医療局は、「がん検診は日帰りでも可能だ」と説明するが、
仁昌寺課長は「早期のポリープこそ、腸壁や胃壁を取って検査するため、
数日の入院が必要だ」と反論。
「病床稼働率70%以下という基準だけでなく、果たしている役割を見てほしい」

◇九戸は夜間・休日「無医村」

開業医が不在の九戸村。
現在19床ある九戸地域診療センターは、
計画案が実施されると来年度には無床化。
それに伴って夜間医師が不在になると、
「『午後5時』以降は無医村になる」(岩部茂村長)と危機感を示す。
過疎化を食い止めようと、村は今年9月、県内で初めて中学生までの医療費を
無料化し、従来の小学生から対象を拡大したばかり。

同村の会社員、中村幸男さん(57)の長男夫婦と孫3人は今春、
小学校の統廃合もあって滝沢村に引っ越した。
中村さんはつぶやいた。
「子供を育てるには心配なのだろう。
この村は、暮らすのがどんどん大変になっていく」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=84339

地域が支える学校(6)校長補佐役 市が派遣

(読売 12月9日)

校長を補佐する職員の配置を始める自治体が出てきた。

教師たちが翌日の授業準備やテストの採点を続ける
島根県出雲市立第一中学校の放課後の職員室で、
スーツ姿の男性が来客と話し込んでいた。
赤木亮一さん(48)。
名刺には、市教委学校教育課課長補佐と
スクールマネジャー」の二つの肩書。

「昨年より多くの生徒が参加しました。
小学生を助けて積極的に活動してくれました」
「来年度の活動の参考にするため、校長にも伝えます」

赤木さんの話し相手は、地元のコミュニティセンター長の鐘推晴夫さん(64)。
学校と地域が連携して行った清掃活動の報告に来た。

赤木さんの元には、たびたび来客がある。
外部との電話のやりとりも多い。
校長や教頭に代わって、地域との連絡役や交渉役を担う。
各校に1人、事務職員が配置されているが、
マネジャーは事務面での校長の右腕という位置付け。
法的な申請など、重要度の高い事務も請け負う。

普段は教員らと机を並べ、給食も一緒に食べる。
修学旅行にも一緒に出かける。

出雲市が、学校現場の支援を目的にスクールマネジャーの配置を
始めたのは昨年度からだ。
現在、市内の拠点校5校に5人の課長補佐を派遣。

手厚い支援には事情がある。
市は、出雲中央教育審議会の答申を受けて2006年度、
市立の全小中学校49校を、地域住民らが学校運営に参画する
コミュニティスクールに指定。

校長らから異論が出た。
学校運営に口出しされることへの抵抗感や事務的な負担増への懸念から。
地域や学校現場の主導ではないだけに、
指定後の取り組みで、学校間の温度差も招きやすい。

そんな課題を克服しようとしたのが、マネジャー配置という大胆な施策。
旧文部省出身の西尾理弘市長(67)の判断。

第一中の高瀬正博校長(60)は、「最初はスパイかと思ったよ」と言って
笑わせた後、真顔で続けた。「今ではなくてはならない存在だ」

学校と、運営方針を決める理事会(学校運営協議会)の理事との
連絡調整も、スクールマネジャーの業務。
赤木さんの存在で、同中では理事会の月1回開催が可能に。
職員としての経験を生かすことで、コピー用紙代節約など、
コスト削減という二次的効果も出ている。

この仕組みをどこまで広げるか、いつまで続けるのかについて、
市は方針を示していない。
スクールマネジャーが駐在していない大社小学校の松本俊憲校長(60)は、
「正直に言うと、常駐の学校がうらやましい。
ただ、一度慣れてしまうと、いなくなった時の反動も大きい。
市は、持続可能な仕組み作りに取り組んでほしい」と訴える。

学校を支援する自治体の本気度が問われている。

◆出雲中央教育審議会

2005年3月、近隣5市町と合併した新出雲市の誕生を機に、
同年7月、市長の諮問機関として設置。
同12月、第1次答申として全市立小中学校をコミュニティスクールとするよう提言。
07年6月、出雲市教育政策審議会も常設され、
学校運営の在り方や人材育成の議論を続けている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081209-OYT8T00224.htm

入浴:全身浴10分、肩こり解消 同時にストレッチで予防効果も

(毎日 12月5日)

寒く、慌ただしい時期を迎えた。
1年の疲れを、心身に感じている人も多いだろう。
だからこそ、ゆったりとお風呂につかりたくなる。
こりや痛みを解消する効果的な入浴法を紹介。

「大学時代は、今以上に頑固な肩こりに悩まされた」と、
自由形やバタフライを専門としていた元鹿屋体育大水泳部主将の
須藤明治・国士舘大准教授(運動処方学)。

激しい運動で、筋肉に過度の疲労が蓄積したのが原因。
逆に、運動不足でも血行不良となって肩こりになる。
最近はパソコンを使う時間が増え、長時間同じ姿勢を強いられる。
その結果、肩の筋肉が緊張して硬くなり血行不良に。

東京ガス都市生活研究所が、インターネットを使って首都圏に暮らす
20~60代の750人に聞いたところ、
女性では20~40代で8割、男性では20~50代の過半数が肩こり。

須藤准教授が、自分の肩こりを緩和したいと考え、
注目したのがお風呂やプール。
水中では、浮力によって体にかかる負荷が3分の1程度に。
筋肉は弛緩し、血管が広がり血行が促進。
静脈は、水圧を受けて心臓に戻る血流量が増え、心臓の負担も軽くなる。

須藤准教授が胸下まで15分間、35度前後のお湯につかった約10人で測定し、
血圧が10~30ミリHg下がった。
肩周辺の血流量が、10~20%増えることも確認。

東京ガスは11人を対象に、入浴の仕方(全身浴か半身浴)、湯温(38~40度)、
入浴時間(10~15分)を変えて、肩の張りを「筋硬度」という指標で測定。
肩こり解消の効果が最も高かった組み合わせは40度、10分間の全身浴で、
風呂を出てから少なくとも30分間、肩の筋肉が柔らかくなっていた。
入浴が難しければ、ひじから指先までを42度の湯に20分間つけても、
筋硬度は6%程度下がった。

須藤准教授は、入浴のついでにストレッチを勧める。
入浴中の筋活動は、リラックスしているため、
少ない負担で関節を動かすことができ、
筋肉や関節の痛みをほとんど感じることがない。
関節の周りを取り巻くように付いている体の内側の筋肉を使うことで、
関節の可動範囲が広がり、腰痛や肩こりの予防になる。
==============
◇入浴効果を高めるコツ

<1>脱衣場と風呂場の気温差をなくす
脱衣場で服を脱いだとき、冷たい空気にさらされると血管が収縮し、
そのまま入浴すると体に負担がかかる。
脱衣場と風呂場の間のドアを開けておく。

<2>入浴前にコップ1杯の水を飲む
入浴中は、200~300ミリリットルの汗をかく。
水分が失われると、血液が濃縮して流れが悪くなり、血栓ができる恐れ。

<3>湯温に注意
42度以上の熱い風呂では血圧が上がるので、
40度以下のややぬるめが好ましい。
ストレッチをするときには、入浴時間がやや延びるので35度前後に。

http://mainichi.jp/life/health/news/20081205ddm013100144000c.html

最も健康な州、2年連続でバーモント 最下位はルイジアナ

(CNN 12月4日)

米国で最も健康な州はバーモント州だったことが、
2008年版の全米健康ランキングで明らかに。
バーモント州のトップは2年連続。最下位は、ルイジアナ州。

全米健康ランキングは19年前から、
ユナイテッド・ヘルス・ファンデーションと米公衆衛生協会(APHA)などが調査。
調査項目は喫煙率や肥満率、保険加入率など。

2008年度版のランキングによると、バーモント州は喫煙率が17.6%まで
低下したほか、肥満率の増加が全米平均を下回り、保険未加入率が低い。
バーモント州のランキングは調査開始時は16位、
過去8年間で順調に順位を上げた。
医療を受けられない貧しい子供たちが少なく、喫煙率は1990年から43%低下し、
新生児の死亡率は37%下がった。

ハワイ州が、前年の3位から2位に上昇。
3位ニューハンプシャー、4位ミネソタ、5位ユタ、6位マサチューセッツ。

ユタ州の喫煙率は全米で最も低く、
マサチューセッツ州は保険未加入率が全米で最低。

最下位はルイジアナ州で、肥満率が高く、保険未加入率が高かった。
昨年の最下位だったミシシッピは、49位にランクをひとつ上げ、
48位サウスカロライナ、47位テネシー、46位テキサス。

全米50州のうち、調査項目が昨年から向上したのは36州で、14州が悪化。
向上率が大きかった州は、アーカンソーやニューメキシコ、ケンタッキーなど。
逆に、昨年からほとんど改善が見られなかったのはテキサスやモンタナ。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200812040027.html

2008年12月11日木曜日

地域が支える学校(5)交流施設が「接着剤」に

(読売 12月6日)

学校作りと地域作りが、新しい学校で同時に進む。

創立4年目の横浜市立東山田中学校で、
250人近い3年生への模擬面接が行われた。
面接官役は、会社役員、元高校教師、ボランティア活動家、
町内会長など、地域住民25人。

生徒たちは教室で個別に、志望理由などの質問を受け、
マナーについて意見を聞き、3段階で評価も受けた。
高校の推薦入試を受ける生徒にとって、面接はまもなく経験する試練。
これまでは、担任や校長らの指導を受けるだけだったが、
本番に近い形での練習の場となった。

「生徒に、いい意味の緊張が見られた。面接官役の皆さんも、
『こういう形で中学生とかかわったのは初めて。
普段とは違う一生懸命な姿を見ることができてよかった』」と斎藤悦子校長(56)。
「地域の人に満足してもらえて、私たちもうれしい」と、
地域住民の交流施設コミュニティハウスの竹原和泉館長(58)。
初めての試みは大成功。

横浜ニュータウンにある東山田中は、開校と同時に、
地域住民が学校運営に参画するコミュニティスクールの指定を受けた。
初代校長は、インターネット商取引大手「楽天」の元副社長、本城慎之介さん。
32歳の校長として当時、注目を集めた本城さんを2年間、
副校長として支えたのが斎藤さん。
地域活動の経験が豊富な竹原館長は現在、コミュニティスクールの
協議機関である学校運営協議会の副会長。
2人の女性が、コミュニティスクールを引っ張っている。

運営協議会では当初から、子供たちに将来を考えさせるキャリア教育を、
学校支援プロジェクトの柱に据えてきた。
子供たちの将来は、地域の将来とも密接な関係がある。
支援してくれる地元の事業所向けに、「10年後の社会人
中学生のために地域の大人ができること」と題したハンドブックも作った。

1年生は自分を見つめ、職業や社会について知る。
2年生で職業体験をさせる。
3年生は自分の進路を決めるために高校や事業所を見学する。
昨年の職業体験後の反省会の場で、
教員が「来年、地域の方に面接をやってもらえればありがたい」と
提案したのが、今回の催しにつながった。
竹原館長らが、ハウスに集う人たちを中心に声をかけた。

学校支援プロジェクトのもう一つの柱が、仲間意識を育むシンボルマークの制作。
公募作品の審査には、イラストレーターの日比野克彦さんも加わり、
地元の名所の山田富士と東山田の「ひ」の字を組み合わせた、
ユーモラスなマークが選ばれ、「やまたろう」と名前もついた。
すでに、マーク入りのバンダナやあめができている。

ハウスには、地域住民だけでなく、保護者や中学生自身も姿を見せる。
習字教室の先生が中学校の卒業証書の文字を書くといったことが、
ごく自然にできる。

ハウスが、学校と地域のつなぎ役になっている。

◆コミュニティハウス

地域住民が、生涯学習的な活動をするための横浜市独自の施設。
中学校区単位で約20年前から整備が始まり、現在108か所ある。
空き教室などを使った学校併設型85か所では、
地域と学校の交流・連携を深めることも目的にし、
以前はコミュニティスクールと呼ばれていた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081206-OYT8T00185.htm

ひどい上司を持つと心臓に悪い

(WebMD 11月24日)

自分の上司は不公平だ、気まぐれだ、思いやりがない、
全体的に管理能力に欠けると考えている人は、
心臓発作などの心臓病になるリスクが高いことを、
スウェーデンの新たな研究が明らかにした。

ひどい管理者のせいで、一般社員がストレスを感じている場合、
心臓病の長期リスクがさらに上昇する。
『Occupational and Environmental Medicine』に報告。

1992~1995年、男性一般社員3000人以上の心臓の健康状態を追跡。
2003年までに虚血性心疾患により入院、死亡した患者に関する
全国患者登録データと、この職業的健康記録を照らし合わせてみた。

10年間にわたる調査期間で、心臓発作、不安定狭心症、心停止などの
致死的および非致死的心臓疾患イベントが74例認められた。
部下が管理者を有能と評価すればするほど、重篤な心臓病のリスクは低い。

管理者のリーダーシップに対する認識と部下の重篤な心臓病リスクの関連性は、
部下の勤続年数が長いほど高かった。
ひどい上司によるストレスは、時間とともに増大することが示された。
社員の重篤な心臓病を予防するため、
会社は部下の評価に基づいて、管理者の不足能力を改善する手だてをとるべき。

カロリンスカ研究所、ストックホルム大学ストレス研究所のAnna Nyberg氏は、
「存在感があり意欲的な管理者とは、体制をつくり、情報を提供し、
社員を支えてくれる管理者で、部署が悪い方向にいかないよう対策を講じる。
ストレスによる部下の生理的変化を悪化させるのではなく、
その再生を促すのではないか」

参加者らは、ある評価体系を使って、コミュニケーションやフィードバック能力の高さ、
変化対応時の成果、目標設定能力、部下に任せた仕事の量などに関し、
上級管理者を評価。

その結果、リーダーシップスコアが高ければ高いほど、心臓病のリスクが低下。
この関連性のロバスト性は、「教育、社会的階級、収入、監督的立場、
仕事時に感じる身体的負荷、喫煙、運動、[BMI]、脂質、フィブリノゲン、
糖尿病を補正の上で」確認。
ひどい上司は、その下で働く人の健康や寿命にまでも悪影響を及ぼす可能性が。

別の研究で、身体的・精神的に有害だと思う職場環境にさらされている
社員の心血管疾患リスクは50%も高かった。
「特に職場の心理社会的ストレッサーは比較的多いので、
臨床的意味は大きい」

管理者の行動の質に対する認識が部下の健康に影響するとの
エビデンスは増えている。
部下が意識的にみている点は、上司の「思いやりある行動」、
どれだけ上手く部下に知的刺激を与えられるか、
部下とのコミュニケーション能力であった。

上司の評価に使われた質問には、「私が何か失敗すると、
上司にかなりきついことを言われる」といったものや、
管理者がいかに上手く期待していることを伝えられるかについて聞くものも。

情報伝達に難がある(単に否定的意味でなく)と思われている上司の部下は、
心臓病を発症するリスクが高い。
手始めに、管理者の仕事能力を高める訓練をしてみてはどうか。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=84203

筋繊維鞘に局在する nNOSは軽度の運動後の活動性維持に必要である

nature 2008年11月27日号Vol.456 No7221 / P.511-515

筋繊維鞘に局在する nNOSは軽度の運動後の活動性維持に必要

多くの神経筋疾患は、運動誘発性疲労応答の増大が特徴であり、
これは活動強度とは比例しない。
この疲労は、患者の中枢性あるいは末梢性のより強い疲労と
必ずしも相関することはなく、
明らかな身体疾患なしに重度の疲労を起こす患者もいる。

特定の代謝障害により起こる筋疾患を除いて、
この種の疲労の原因となる機構はまだ不明である。
有効な治療方法が存在しないため、この型の不活動性は
身体障害の主要な原因となる。

今回我々はマウスモデルを用いて、この激化した疲労応答が
筋肉に特有の力発生の消失とは異なること、
骨格筋での神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)による、
筋繊維鞘局在性のシグナル伝達が軽度の運動後の活動性の維持に
必要であることを示す。

nNOSヌルマウスでは、筋肉の病態はみられず、
筋肉特有の力が消失することもないが、
軽度の運動に対する疲労応答が増大する。
nNOSが筋繊維鞘に局在しないマウスモデルでみられる
長期にわたる不活動性は、cGMPシグナル伝達を薬理学的に
増強することによってのみ軽減できた。

cGMPシグナル伝達は、軽度の運動に反応して起こる
一酸化窒素シグナル伝達中に、筋肉のnNOSが活性化された結果として生じる。

我々の結果は、軽度の運動後の疲労激化の原因となる機構は、
筋繊維鞘に局在するnNOSからの収縮惹起性シグナル伝達の欠損であり、
この欠損は軽度の運動後に活動した筋肉に栄養を補給する
血管のcGMP介在性血管調節の低下をもたらすことを示唆。

さまざまな筋疾患の患者多数からの生検標本で、
筋繊維鞘のnNOS染色が減弱しており、
これは疲労が共通の機構によって起こることを示唆。

我々の結果は、軽度の運動に対して激しい疲労応答を示す患者は、
運動誘発性シグナル伝達を改善する治療戦略に応答して
臨床症状が改善される可能性を示している。

[原文]Sarcolemma-localized nNOS is required to maintain activity after mild exercise

Yvonne M. Kobayashi1,2,3,4, Erik P. Rader1,2,3,4, Robert W. Crawford1,2,3,4, Nikhil K. Iyengar4, Daniel R. Thedens5, John A. Faulkner7, Swapnesh V. Parikh4, Robert M. Weiss4, Jeffrey S. Chamberlain8, Steven A. Moore6 & Kevin P. Campbell1,2,3,41.Howard Hughes Medical Institute,2.Department of Molecular Physiology and Biophysics,3.Department of Neurology,4.Department of Internal Medicine,5.Department of Radiology,6.Department of Pathology, University of Iowa, Roy J. and Lucille A. Carver College of Medicine, 4283 Carver Biomedical Research Building, 285 Newton Road, Iowa City, Iowa 52242-1101, USA 7.Department of Molecular and Integrative Physiology, University of Michigan, 2031 Biomedical Sciences Research Building, Ann Arbor, Michigan 48109-2200, USA 8.Department of Neurology, University of Washington School of Medicine, HSB, Room K243b, Seattle, Washington 98195-7720, USA

Many neuromuscular conditions are characterized by an exaggerated exercise-induced fatigue response that is disproportionate to activity level. This fatigue is not necessarily correlated with greater central or peripheral fatigue in patients1, and some patients experience severe fatigue without any demonstrable somatic disease2. Except in myopathies that are due to specific metabolic defects, the mechanism underlying this type of fatigue remains unknown2. With no treatment available, this form of inactivity is a major determinant of disability3. Here we show, using mouse models, that this exaggerated fatigue response is distinct from a loss in specific force production by muscle, and that sarcolemma-localized signalling by neuronal nitric oxide synthase (nNOS) in skeletal muscle is required to maintain activity after mild exercise. We show that nNOS-null mice do not have muscle pathology and have no loss of muscle-specific force after exercise but do display this exaggerated fatigue response to mild exercise. In mouse models of nNOS mislocalization from the sarcolemma, prolonged inactivity was only relieved by pharmacologically enhancing the cGMP signal that results from muscle nNOS activation during the nitric oxide signalling response to mild exercise. Our findings suggest that the mechanism underlying the exaggerated fatigue response to mild exercise is a lack of contraction-induced signalling from sarcolemma-localized nNOS, which decreases cGMP-mediated vasomodulation in the vessels that supply active muscle after mild exercise. Sarcolemmal nNOS staining was decreased in patient biopsies from a large number of distinct myopathies, suggesting a common mechanism of fatigue. Our results suggest that patients with an exaggerated fatigue response to mild exercise would show clinical improvement in response to treatment strategies aimed at improving exercise-induced signalling.

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200811/nature/7221/01.html?Mg=3b7443f9dd2f0a39369f8b184d2478b8&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag

「家で勉強しない」中学2、3年で9% 県教委調査

(岩手日報 12月8日)

県教委が児童生徒を対象に実施したアンケートで、
「学校の授業以外の勉強時間」を調べたところ、
中学2年、3年で「ほとんどしない」と答えた生徒が9%いた。

学年が進むにつれて、学習内容が理解できなくなり、
意欲が低下する生徒が増えることなどが要因。
県教委は、県PTA連合会に、家庭学習の環境づくりに協力するよう
初めて要請するなど、学校、家庭が一体となった取り組みを進めている。

アンケートは、10月1日に行われた学習定着度状況調査に参加した
市町村立の小中学校の小3から中3までの全児童生徒約8万7000人が対象。

「授業以外で1日どのくらい勉強しますか」という質問に、
1時間以上と答えたのは小3、小4は34%、小5は46%、小6は52%。
中1は60%、中2は47%、中3は最も多く61%。

一方で、「ほとんどしない」と答える児童生徒の割合は、
中2、中3で最も多く9%。
小3、小4は5%、小5は4%、小6、中1は最も少なく3%。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081208_1

ロンドン五輪の建設コスト、1カ月135億円と

(CNN 12月4日)

世界的に景気が後退する中、2012年のロンドン五輪に向けた
建設コストが、1カ月あたり1億4700万ドル(約135億円)に達していると、
テッサ・ジョウェル五輪担当相が明らかに。

五輪の総予算は、138億ドル(約1兆2696億円)、
このうち64%は政府が負担、11%が納税者の負担。

ジョウェル五輪担当相は、これ以上の公的資金を投入することはないと強調。
建設計画面でも予算面でも、順調に進んでいる。

世界的な景気後退の中で、莫大な資金をかけて開催する五輪は、
ロンドンにとってプラスになると指摘。
「五輪開催は、経済的な金メダル。投資のためのカンフル剤だ」

http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200812040012.html

2008年12月10日水曜日

地域が支える学校(4)郷土を愛する心育む

(読売 12月5日)

徹底した郷土学習が、地域住民と子供たちの心をつなぐ。

広島県尾道市立土堂小学校は、瀬戸内海を見下ろす高台にある。
5年生の郷土学習は、卒業生でもある作家、林芙美子の生涯を
調べるために、50人が4班に分かれて街に出た。

ある班は、芙美子の育った家を訪れた。
講師役は小森マリ子さん(59)。
隣接する喫茶店「芙美子」を夫婦で経営し、家屋も管理する。

「この家から、皆さんと同じように学校前の70段の階段を上って通ったんですよ」、
「幼い頃は貧しかった。でも、努力は夢をかなえてくれることを忘れないで」。
メモをとる子供たちの表情が引き締まる。
家は1階が土間で、2階に5畳ほどの和室がある。
「狭い中、親子3人で暮らしていたんだ」と子供たちは驚いた様子。

「子供の姿が地域にあるだけで、住民には大きなエネルギーになります」。
説明の後、小森さんは強調した。

土堂小は県内唯一、地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクール。
3年前に指定され、学校運営の柱となるミッションステートメントに
郷土学習を盛り込んだ。

郷土学習は、全学年で行われている。
低学年は学校周辺の探索から始め、高学年は、映画や文学など、
テーマごとに尾道の歴史を調べる。
学んだ内容で児童が俳句を作り、商店街の空き店舗に展示するなど、
地域住民に見える形で成果も披露。
祭りや敬老会など、毎月、地域住民とかかわる機会もある。

「尾道には小道が多い。すれ違えば、子供も大人も自然とあいさつを交わす。
地域と触れ合う文化を授業の中でも大切にしたい」と松原隆二校長(57)。
コミュニティスクールの協議機関である学校運営協議会が昨年、行った
アンケートでは、「子供が尾道に愛着を持つようになった」
と感じる保護者が96%もいた。
郷土学習担当の藤井浩治教諭(47)は、
「知識を増やすだけでなく、住民から生き方も学んでほしい」と期待。

確かな基礎学力を身に着けることも、協議会が掲げる同小の大きな目標。
2003年度から3年間、校長を務めたのは、
「百ます計算」で知られた陰山英男・立命館大教授。
「読み・書き・計算」の徹底した反復学習の指導は、その後も受け継がれている。

陰山さんが校長になった初年度、同小は特例的に全市から通えるようになり、
翌04年度からは全市で学校選択制を導入。

11月に行われた新入生の保護者向け公開授業。
学区外に住む男性会社員(33)は、
「元気のある子が多く、郷土学習にも好感を持っている。娘をぜひ入学させたい」

同小には、選択制の導入以降、学区外から通える子供の定員を
常に上回る40~50人の入学希望者がある。
その数字は、かつては、廃校のうわさが出た学校の運営方針が
支持されていることの証しと言える。

◆ミッションステートメント

「行動指針」のような意味で使われる。
土堂小では、学校運営協議会が理想の学校像を明文化した。
〈1〉基礎・基本を大切にし、確かな学力を育む学校
〈2〉尾道の魅力を追求する学校
〈3〉コミュニケーション能力を育てる学校
〈4〉学ぶ力と遊ぶ力と生きる力を育む学校
〈5〉児童・保護者・地域がともに学び運営する学校――を掲げている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081205-OYT8T00182.htm

五輪東京招致、北島ら選手主導で支援団体設立へ

(読売 12月6日)

2016年夏季五輪の東京招致で、
選手主導の活動支援団体が設立される見通し。

北京五輪競泳金メダリストの北島康介(日本コカ・コーラ)ら
五輪、パラリンピックの選手らが中心となり、
競技団体を横断する形で呼びかけている。

12日に国立代々木第1体育館で計画されている招致イベント
「東京招致サポーター代々木集会」で旗揚げされることに。

開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会を、
来年10月に控える招致レースは、
東京が今夏の候補都市絞り込みで最高の評価を得た。

一方で、東京は国内世論の盛り上がりが欠けるといわれてきた。
この団体は、世論を盛り上げるため、選手たちが
「選手自身の言葉で、東京招致の意味を直接呼びかけよう」と発案。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20081205-OYT1T00698.htm

飲み込むだけで患部発見 カプセル内視鏡を開発 「経済ウイークリー」〈この人・この仕事〉オリンパスメディカルシステムズの笹川克義さん

(共同通信社 2008年12月3日)

入社以来、内視鏡の開発を担当してきた。
当初は、「カメラ開発を希望していたこともあって、何の知識も持ってなかった」
2005年、国内メーカーで初めてカプセル型の内視鏡
「エンドカプセル(小腸用)」を海外で発売。
日本では今年10月に発売にこぎ着けた。

内視鏡の形や機能は、日進月歩で開発が進んでいる。
先端にレンズの付いた管をより細くして、
患者の負担が減るよう研究開発が続いてきた。

究極は、飲み込むだけのカプセル型内視鏡だ。
その案自体は、20数年前からあった。当時は実現できる技術がなかった。
開発したカプセル内視鏡は外径11ミリ、長さ26ミリ。
それ自体は動かない。

小腸はぜん動運動があり、小腸の直径がカプセルよりも少し大きいため、
腸壁の隅々まで撮影できると考えた。
リアルタイムで映像が見えて、1秒間に2枚、計約6万枚を撮影して
無線で受信装置に送信する。
「自分の仕事が人の命を救うことに役立っている。やりがいを感じます」

今は、病気になる数や患者数が多い胃や大腸に使えるカプセル内視鏡や、
病変を識別できる特殊な光線を研究。
「苦痛なく検査できる機器が増えている。
早期発見、早期治療のためにも、
内視鏡検査がもっと身近なものになってほしい」

49歳。新潟市出身。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84232

カンボジアの小学校に運動場完成 体育教育も指導、有森代表NPO

(山陽新聞 12月6日)

岡山市出身の五輪メダリスト有森裕子さんが代表のNPO法人
「ハート・オブ・ゴールド」(HOG)が、
カンボジアの小学校に整備していた運動場が11月末に完成。

1970年代の内戦で、教育体制の整備が遅れている同国での
本格的な体育の普及に向け、現地教諭らに体育の指導方法を
伝授するため、メンバー約30人が岡山を出発。

HOG発足10周年の記念事業で、
岡山県からの支援や協賛者の寄付などで約150万円を集め、
同国西北部シェムリアップ州のチェイ小に整備。

運動場は、広さ約5000平方メートルで、サッカー、バスケットボール場、
50メートル走のコースなどを備える。

同小で8日、吉備国際大社会学部スポーツ社会学科の小原信幸教授らが、
同州内6小の教諭らに陸上やサッカーなどの指導法を講習。
9日は、児童も参加して体育の授業を行う。

http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2008/12/05/2008120523353852000.html

高塩食で血圧上昇 岡山大が仕組み解明

(共同通信社 2008年11月25日)

食事などで塩分を取りすぎた際に、
「コレクトリン」というタンパク質が腎臓で働いてナトリウムを
体内に取り込み、血圧を上昇させているのを、
岡山大の和田淳講師(代謝内科学)らの研究チームが、
米医学誌サーキュレーションに発表。

食塩に含まれるナトリウムが血圧を上げるのはよく知られているが、
体内調節の詳しい仕組みは分かっていなかった。
和田さんは、「コレクトリンの働きを調節する物質が見つかれば、
新たな高血圧治療法につながりそうだ」

チームはラット実験で、高塩食による代謝の変化を観察。
塩分が乏しい時に、ナトリウムを体内に取り込む仕組みとは別に、
塩分が多いと腎臓の細胞膜の表面にあるコレクトリンが活性化し、
血圧を上げる仕組みがあるのを発見。

高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など生活習慣病の一因だが、
発症には個人差がある。
和田さんは、「人によって、コレクトリンの働きが違うのが理由ではないか」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83533

2008年12月9日火曜日

地域が支える学校(3)校区統合 深まる交流

(読売 12月4日)

統廃合でできた新しい学校が、新しい地域作りを模索する。

岐阜市立岐阜小学校の校庭に集まった大人のウインドブレーカーの背には
京町小学校、テントの屋根には金華小学校の文字が読めた。
テントの下では、京町地区の藤沢真一さん(76)と
金華地区の西野洋一さん(74)の両自治会連合会長が談笑する姿。

岐阜小は今春、市街地にある両小学校が統合してできたばかり。
旧京町小を使っていて、旧金華小の敷地に新校舎ができる。
統合を機に、地域が学校運営に参画するコミュニティスクールの指定を受け、
その公表会を11月15日に初めて開いた。

午前中は、地域住民らもかかわる授業を公開。
校庭で、昼食のおにぎりと豚汁が振る舞われた。
午後は、グループ単位で全学年が地域に出る「ふれあい学習ウォーク」。
子供たちは戦前からの和菓子店、創業100年を超える酒店などを訪ねて
話を聞き、用意されたクイズにも挑んだ。

この日の催しに参加したのは、児童約400人を含む1000人近く。
「ウォーク」の引率や街頭での交通安全指導にも、
保護者や地域住民がかかわった。
高木満夫校長(60)は、校庭を埋める人を見て、
「岐阜小として最初の大きなイベント。
こうした催しで、地域の人間関係が深まるのが何より大事です」と感慨深げ。

この日は、学校運営の方針を承認する学校運営協議会も開かれ、
席上、「地域に守られている、育てられていることを日々、実感しています」
といった保護者の声が紹介。

ただ、地域の融合はそれほど簡単ではなかった。
旧金華小の校区は、織田信長時代からの城下町で、観光スポットも多い。
旧京町小は下町で、かつては市役所も県庁もあった。
ともに地域が長い歴史を持ち、世帯数も拮抗。
小学校の歴史も、ともに130年を超えていた。

統合前の準備期間を経ても、盆踊りや運動会、お祭りなどの地域行事は、
現在も別々に開く。
現状では、互いの行事に、もう片方の旧校区の子供たちも、
希望すれば受け入れる形を取っている。

公民館もそれぞれにある。
自治会の活動資金の工面の仕方も違う。
下校時の安全確保のための指導も、元々、片方では実施しておらず、
統合を機にスタート、自治会の境で引き継ぐことに。

「伝統は守りながらも、子供を中心に考え、できるだけのことはする」
という点で、両自治会長の思いは一致。

学校運営協議会でも、両自治会の行事の話題が出る。
会長を務める鈴木誠・岐阜経済大教授(コミュニティー政策)は、
「地域社会を再構築するモデル」とみる。

少子化で、全国的にも急激に進む学校の統廃合。
それを機に、コミュニティスクールとして再出発するのは、
新たに地域を作る有効な手段となりそう。

◆減り続ける公立小学校

公立小学校2万2420校の学級規模は、半数が11学級以下。
2001年度以降、毎年200校を超えるペースで小学校が廃校に。
昨年11~12月に実施した読売新聞社の全国調査では、
今後ほぼ5年以内に、統廃合によって小学校が800校以上減る見通し。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081204-OYT8T00230.htm

野口英世医学賞 HCV増殖「治療薬開発可能に」 感症研・脇田氏喜び

(毎日新聞社 2008年12月2日)

第52回野口英世記念医学賞(野口英世記念会主催)に選ばれた
国立感染症研究所ウイルス第二部長の脇田隆字さん(50)
名古屋市を訪れ、受賞の喜びを語った。

脇田さんは名古屋市出身。
名古屋大学医学部卒業、同大学院修了後、米国に留学。
東京都神経科学総合研究所主任研究員などを経て、06年から現職。

受賞内容は、「培養細胞におけるC型肝炎ウイルス(HCV)増殖に関する研究」。
世界で初めてHCVの培養増殖に成功し、
HCV感染症の研究に貢献したと評価。

脇田さんは、「HCVは、89年に発見されてから15年間も増殖できなかった。
偶然の助けもあったが、増殖の成功で新しい治療薬やワクチンが
開発できるようになった」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84088