2009年5月18日月曜日

有機ELなど研究、山形大が世界最高峰の研究拠点創設へ

(読売 5月13日)

山形大は、有機ELなど有機エレクトロニクス(電子工学)の
研究拠点を創設。
「地方大学の生き残りをかけた大きな挑戦」として、
ノーベル賞受賞者の参画などで世界最高峰の研究拠点を目指す。

10億~20億円を投じ、延べ面積6000平方メートル程度の研究施設を、
山形県米沢市の同大工学部内に今秋着工。
研究費や報酬などに年間3億~5億円が必要と見込んでおり、
科学技術振興機構などに支援を求める。

同大は、有機EL研究で世界トップ級の城戸淳二教授を筆頭に、
照明などへの応用を中心に研究を進めてきた。

この研究拠点では、ノーベル化学賞受賞者のアラン・ヒーガー氏が
アドバイザーに就き、城戸教授ら世界の第一線で活躍する研究者で
チームを結成し、「有機太陽電池」や「有機トランジスター」など
新分野の研究を進める。

将来的には、環境にも配慮した発電する建材、
心電図のデータを測れる包帯といった医療装置などの活用策を探る。

◆有機EL

電圧をかけると発光する有機物を使った技術。
消費電力が小さく、紙のように薄型化が可能で、
携帯電話やテレビなどに使われる。
電子ペーパーなど幅広い用途が期待。
有機物の劣化に伴う寿命の短さなどが課題。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090513-OYT1T00714.htm

2009年5月17日日曜日

Jアジア枠 躍動と課題と

(朝日 2009年5月12日)

今季からJリーグが導入したアジア枠。
従来の外国籍選手枠3人に加えて、アジア連盟(AFC)加盟国・地域の
選手が1人出場できる制度で、J1では18チーム中11チームが活用。
オーストラリアの1人を除くと、残りは全員が韓国人選手。
李根鎬(イ・グノ)が活躍する磐田など、恩恵を受けるクラブも多い。
日本人選手育成への影響を懸念する声や、
リーグがもくろむアジアでのマーケット拡大という課題も残る。

◆チーム躍進の力

リーグ開幕後の4月に移籍した磐田の李根鎬(イ・グノ)は、
これまで6試合で計6得点。
一時は最下位に低迷していたチームを、9位まで押し上げる原動力。
「いい獲得だった」と吉野社長。
アジア枠のおかげで、外国人枠に一つ空きがあり、
今後の補強にも余裕が生まれた。

李正秀(イ・ジョンス)を獲得した京都は、外国人枠の4人全員が
11試合中9試合でベンチ入り。
高間テクニカルディレクターは「うまく制度がはまった。韓国人選手は、
ブラジル人らに比べて言葉を覚えるのが早い。DFはその点も重要」

ガ大阪のチョ・ジェジンと朴東赫(パク・ドンヒョク)は、
クラブにとって初の韓国人選手。
ブラジル人以外の外国人選手がいなかった鹿島も、
鈴木強化部長が「アジア枠というより、競争に加わってほしい
一人の若手という感覚で獲得した」という朴柱昊(パク・チュホ)が加入。
山形の金秉析(キム・ビョンスク)も、台風の目となったチームを支える。

大宮の朴原載(パク・ウォンジェ)、横浜マの金根煥(キム・クンファン)、
新潟のチョ・ヨンチョル、神戸の金南一(キム・ナミル)ら、
各年代で代表を経験した選手が活躍。

アジア枠導入前から、多くの選手がJリーグで結果を出している
安心感に加え、代理人らとのつながりもあり、
必然的にクラブの選択は、韓国人選手に偏っている。

現在は、アジア枠選手のいない大分も
「開幕時点では考えていなかったが、現実味を帯びてきた」(原強化部長)、
最下位と苦しむチームの活性化に、制度活用も視野に。

名古屋の久米GMは、「アジア枠を使うくらいなら、若手を使う」と、
消極的な態度。
浦和の信藤チームダイレクターも、「制度があるから使うという考えはない。
今はチームの土台を作る時。必要があれば使う」

◆日本人の出番減る

「まるで、韓国代表をトレーニングしているようなリーグになっている」
岡田監督が冗談交じりにもらした。
「そういう中で、日本の選手は勝たないといけない」と付け加えたが、
アジア枠の導入当初から、出場機会を奪われる日本人選手への影響を
懸念する声はあった。

ガ大阪の山本強化部長は、「強化の面でプラスではない。
選手は、厳しいゲームの中でプレーして育つ」
神戸の安達社長は、「外国人枠を含め、もっと拡大してもいい」という立場。
生き残った選手なら、世界でも通用する。
J1で争いに負けた選手も、J2で鍛えればいい。
そうすればJ2の魅力も増す」

◆放映権販売、開拓道半ば

アジア枠導入の目的の一つに、アジア全体の底上げがある。
注目が高くなっているアジア・チャンピオンズリーグは、
Jクラブが2連覇中だが、日本だけが抜きんでても強化は行き詰まる。
期待されたオーストラリアからの新たな移籍はなく、今のところ広がりはない。

大きな狙いは、アジアへの市場拡大。
「Jリーグの放映権がアジア各国に売れれば、大きな収入源。
景気が停滞する中、国内だけでは限界もある」とリーグ側。
欧州リーグが、新たなマーケットとしてアジアに進出してくるのを、
黙って見ているわけにはいかない危機感も。

ガ大阪が、韓国に放映権の購入を持ちかけるなどしている程度で、
開拓はまだこれからの状況。

http://www.asahi.com/sports/fb/OSK200905120011.html

老人施設の良質サービス探る 盛岡で東北大会

(岩手日報 5月13日)

東北ブロック老人福祉施設大会(東北ブロック老人福祉施設協議会、
県社会福祉協議会・高齢者福祉協議会主催)は、
2日間の日程で盛岡市内のホテルで始まった。
約250人が出席、質の高いサービス提供や労働環境改善に向けて
課題を共有し、解決の方向性を探っている。

渡辺均・大会実行委員長は、「老老介護、認認介護など
高齢者を取り巻く環境は厳しく、行き場のない人も多い。
介護施設の整備を訴えていかなくてはならない

同施設協議会の高橋治会長は、介護報酬の3%引き上げに触れ、
「全従業者を対象に一律、恒久的にアップするよう運動していく。
政策改善と制度見直しに力を尽くそう」

千葉茂樹県保健福祉部長が、達増知事の来賓祝辞を代読。
新型インフルエンザについて、
「情報に留意し、適切に対応していただきたい」と呼び掛けた。

全国老人福祉施設協議会の中田清会長代行が、
「老人福祉施設を取り巻く状況と協議会のこれから」と題して基調報告。
13日は、藤原朋子厚生労働省大臣官房企画官が講演する。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090513_9

森林浴:免疫力アップ効果 科学的裏付け

(2009年5月15日 毎日新聞社)

森林浴の効果を科学的に明らかにし、病気の予防や健康増進に
役立てようという取り組みが進んでいる。
新緑の季節に、専門家と森を歩き、その効果を探った。

東京都の奥多摩町。
都の4割の森が集中し、スギやヒノキ、ミズナラが広がる。
昨年、秩父多摩甲斐国立公園の一部の2482ヘクタールが、
森林浴効果が科学的に認められた「森林セラピー基地」に認定。
それを記念したイベントが、現地で開かれた。

町民に加え、東京や埼玉など都市部の住民約50人が参加。
森の中で音楽会を楽しみ、ストレッチで体をほぐした。
奥多摩湖畔の森を、町認定の森林ガイドの案内で散策。
新緑はまぶしく、木漏れ日が降り注ぐ。
参加者は、癒やしのひとときを過ごした。

参加した男性は、「東京にこれほど豊かな自然があることに驚いた。
リラックスできる」
ガイドの土屋一昭さん(31)は、「自分も都心で働いていたとき、
精神的に落ち込んだ時期があった。1週間、奥多摩の森に通ったら
元気になった。森林の魅力を多くの人に伝えたい」

森林セラピーとは、「科学的証拠に裏付けられた森林浴効果」を意味。
NPO「森林セラピーソサエティ」が公募し、
専門家が森林浴効果を現地調査。
認定されたセラピー基地やセラピーロードは、全国で38カ所。
調査にかかわる宮崎良文・千葉大教授(生理人類学)は、
「測定機器の進歩で、野外調査ができるようになり、
森林浴効果の科学的データが急速に蓄積されてきた」

調査では、公募した男性を2群に分け、森林と都市部でのストレスや
緊張度合いを示す数値を測定し比較。
指標となるのが、唾液中ストレスホルモン「コルチゾール」や血圧、心拍数。

35カ所で約420人を対象にした実験では、
森林で15分いすに座って景色を眺めた群では、
都市部の駅前などで座った群に比べ、
コルチゾール濃度は12・4%低下。
リラックスしていることを示す副交感神経系の活動は55%高くなった。

森林浴のこうした効果は、視覚(森林の景色)、嗅覚(木の香り)、
聴覚(葉ずれの音や小川のせせらぎ音)、触覚(樹木や葉、地面の感触)、
味覚(わき水の味など)の五感が刺激されることで起こる。

森林の中で独特の香りを感じるのは、
植物から発散される物質「フィトンチッド」の効果。
日本医科大の李卿・講師(森林医学、環境免疫学)が、
男女延べ37人に行った実験では、森林浴によってストレスが軽減し、
免疫細胞の一つ「NK細胞」の働きが高まる。
李講師は、「フィトンチッドが体内に吸入されたり、
嗅覚神経から脳に作用し、自律神経のバランスを調節することで、
免疫系に働くと考えられる」

宮崎教授は、「森林浴は、免疫力を高めて病気を予防したり、
健康増進につながる。
森林の香りが好きな人もいれば、風景を楽しむ人もいる。
新緑が芽吹く季節を好む人もいれば、紅葉が好きな人もいる。
自分の興味のある自然環境と同調することで、
より効果的な森林浴ができる」

より詳しく知りたい人は、森林の癒やし効果の国内外の研究結果や
森林セラピー基地構想についてまとめた
「森林医学2」(朝倉書店、4725円)が参考。
………………………………………………………………………………………………………
◆森林セラピー基地のある自治体

北海道鶴居村、秋田県鹿角市、宮城県登米市、山形県小国町、
新潟県津南町、妙高市、長野県上松町、木島平村、飯山市、信濃町、
佐久市、小谷村、山ノ内町、群馬県上野村、東京都奥多摩町、
神奈川県厚木市、山梨市、津市、富山市、滋賀県高島市、
和歌山県高野町、岡山県新庄村、島根県飯南町、山口市、
高知県津野町、檮原町、福岡県黒木町、うきは市、篠栗町、
宮崎県日之影町、綾町、日南市、鹿児島県霧島市、沖縄県国頭村

◆森林セラピーロードのある自治体

岩手県岩泉町、長野県南箕輪村、東京都檜原村、静岡県河津町

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/5/15/98271/

国際化(4)急成長・中国と「連携の時」

(読売 5月10日)

電気抵抗がゼロになる超伝導現象。
東京工業大の細野秀雄教授は、鉄は超伝導になりにくいという
常識を覆し、鉄が主成分なのに絶対温度26度(零下247度)で
超伝導になる物質を開発。

論文を昨年2月に発表し、世界的な研究ブームの火付け役になった
細野さんは、研究室でインターネットをのぞくのが憂うつだった。
毎日のように、新しい鉄系の物質の合成と超伝導温度の
記録更新の報告があった。

昨年6月には、成果報告の数が17件にのぼった日も。
多くは、中国のグループによるもの。
超伝導になる温度が高いほど、利用しやすくなる。

現在、鉄系で最高の超伝導温度は、
中国・浙江大が達成した絶対温度56度。
中国科学院は、新タイプの鉄系物質を発見。
競争相手の米国の大学でも、中国人の教授や学生が研究の中核を担う。

中国が、科学技術分野で存在感を増している。
研究者数は日本の1・7倍、研究開発費も、購買力平価換算で
日本の6割まで増えた。
研究の質も向上が著しく、アジアで初めて自国民のゲノム(全遺伝情報)を
解読したのも中国。

米プリンストン大の有名教授が好条件の引き留めをけって、
清華大医学院副院長に就任するなど、
海外で活躍する人材が、中国に戻るケースも増えている。

日本の科学技術論文。
1991~95年の共著者の相手国で中国は6位だったが、
2001~05年になると米国に次ぐ2位、材料科学分野では1位。

清華大の招聘教授を15年務める
紺野大介・創業支援推進機構理事長によると、
中国のトップ研究者は、日本を超える水準に達している。
「援助する、優秀な人材を集めるという感覚はもう通用しない。
科学を一緒に切り開く気持ちで連携することが大切」

昨年12月、「中国の科学技術力について」をまとめた
林幸秀・宇宙航空研究開発機構副理事長も、
「中国は、10年で日本に追いつき、20年で米国を追い越す。
脅威論を振りかざすのは不毛」

林さんには、内閣府政策統括官時代に苦い思い出がある。
国際熱核融合実験炉の誘致を欧州と争ったが、
最終的に全体の40%の資金を負担することになった
アジアが一つにまとまらず、欧州に敗れた。

日本の産官学のリーダーたちは、日米欧は対等と思い張り合ってきたが、
もはや単独では限界。
林さんは、「日本と中国が核になり、東アジアが一体となって
科学技術を進める必要がある
今後10年が、中国との結びつきを深めるチャンスとみる。

http://www.yomiuri.co.jp/science/tomorrow/tr20090510.htm

2009年5月16日土曜日

さいとう製菓と八木澤商店 農業参入へ協定締結

(東海新報 5月13日)

自社用加工原料の地元調達を目指し、住田町の種山ケ原で
白いんげんや大豆の栽培実証事業に取り組んできた、
大船渡市・さいとう製菓(株)(齊藤俊明社長)と陸前高田市の
みそ、しょう油製造販売、(株)八木澤商店(河野和義社長)は、
農業参入のための協定を同町と締結。

賃貸方式で直営農場を確保することとなり、
本格生産への第一歩を踏み出した。

両社と町が同日締結したのは、農業生産法人以外の企業が
対象農地所在市町村との協定を交わすことで、
リース方式により農地を確保できるようになる「特定法人貸付事業協定」。

担い手不足対策や遊休農地解消を目的に、
平成15年の農業経営基盤強化法改正を機に設けられたもの。

全国規模で商品展開する両社は一昨年、菓子やみそ、しょう油の原料を
地元で調達しようと、大船渡市の建設業、(株)佐々木組(佐藤政夫社長)
との3社で、食品原料契約栽培システム構築研究会
(会長・佐藤社長)を結成。

県の後押しのもと、県肉牛生産公社住田第二牧場跡地で
「種山豆類プロジェクト」と銘打った栽培実証事業に取り組み、
一定の成果を出してきた。

本格スタートを前に開かれた協定締結式では、
各社や県、農業公社、町などの関係者約30人が出席。
さいとう製菓の齊藤賢治専務、八木澤商店の河野社長、
多田欣一住田町の三人が協定書に押印。

さいとう製菓では、主力商品「かもめの玉子」など和菓子あん用の白いんげん、
八木澤商店はみそ、しょう油の材料となる大豆を栽培する計画。
町農業委員会で認定を得られれば、6月にも種まきを行い、
さいとう製菓が6ヘクタール、八木澤商店が4ヘクタールの作付けを予定。
作業は、佐々木組に委託。

齊藤専務は、「白いんげんの多くは北海道産を使ってきたが、
地元調達によって地元や県内が元気になるよう、
『豊かな国いわて』を合言葉に皆さんと研究。
収量を安定させ、将来的には県外にも発信できれば」

河野社長は、「各方面の指導と協力をいただきながら挑戦していきたい。
われわれを例として、ほかにもチャレンジする企業が出てくればうれしい」

県大船渡地方振興局によると、この協定による農業参入は
気仙で2例目、新しい農業生産のモデルとして各方面の関心を集めそう。

http://www.tohkaishimpo.com/

MyMaiTree:あすを植えよう 宮脇さんと識者ら対談 第3回

(毎日 5月10日)

杉、ヒノキなど針葉樹の単層林づくりを推進してきた林野行政は、
2009年度から国有林内において、潜在自然植生を活用した
森林造成事業で新たな一歩を踏み出す。

土地本来の木を中心に、多くの樹種を交ぜて密植する、
宮脇昭・横浜国立大名誉教授の植生生態学の理論に基づいた
森林再生方法を直轄事業として初めて導入。
森林環境への国民の要望が多様化し、多様な森林づくりを
国民が求めていることなどが背景。

「次世代へのメッセージ」第3回は、
「山と森、国土を治める新たな一歩を」
最初の予定地、呉市の国有林現地調査に同行した宮脇さんと
島田泰助同庁次長が、新しい「山づくり」の課題と哲学を語り合った。

--国有林の森林づくりに、宮脇さんの方式を導入する理由は?

島田次長:林野庁の山づくりは戦後、戦争で荒れた森林を復興、
木材不足の対応に、単層林型の杉、ヒノキ等の針葉樹による植林を中心
この方式でなければ、1000万ヘクタール超の広大な人工林はできなかった。
近年、多様な森づくりを、という国民の声が強い。
宮脇先生の潜在自然植生を活用した植林方法は、大変優れた方法で、
何とか活用できないかと考えた。

宮脇さん:杉、ヒノキ、松も大事。
植生生態学の立場から、同時に広葉樹も植えてほしいと思ったが、
これまで機会がなかった。
今回、国有林におけるエコロジカルな森づくりにともに取り組み、
大変感動している。
国有林を守り育ててきたプロの林業技術に、
わずかでもエコロジカルな、植生生態学のノウハウを入れ、
国土保全と、1億2000万人のいのちと遺伝子とこころ、
文化を守る森づくりを進めてもらう試みに期待。

島田次長:杉、ヒノキを中心とした人工林は、
健全に育てれば公益的機能が高く、国土保全の役割も大きい。
住宅用材としても大変重要で、木造住宅用の資材供給に、
健全な人工林を作る政策はしっかりとやっていく。
一方で、若干針葉樹を植え過ぎた部分も。
風倒木地のような自然条件の厳しいところでは、
自然条件に合った多様な森づくりを進める。

広葉樹と針葉樹を混交させ、自然の形に近い森づくりは、
06年度に改定した森林・林業基本計画の中でも大きな柱の一つ。
広葉樹林のつくり方も、下刈りや除伐を行い、目的とする森林の姿に
誘導するなどの取り組みを行ってきた。
宮脇先生との試行は、全く新しいやり方。
条件の厳しい急斜面や風倒木地などでの効果を期待。
森林づくりの経験や技術も生かし、広葉樹を活用した
新しい森林づくりの方策を作り上げる。

宮脇さん:立地条件が合い、管理されて経済的にも対応できるなら、
日本の伝統的な建築材である杉、ヒノキ、カラマツも植える。
尾根筋や急斜面や水際など、風倒木の被害地などは、画一的でなく、
土地本来の深根性、直根性の根が充満した主木群の幼苗を中心に植える。
高木、亜高木、低木をセットに混植・密植すると、
周りには、林縁群落で、野鳥が運んできた花木、低木が帯状にできる。
被害地でも、今ある木は残し、土地本来の木、東北南部から以西の
標高800メートル付近まで、シイ、タブ、カシ類、それ以上の高地や
東北、北海道は、ミズナラやカエデ類、カシワなどの落葉広葉樹を植える。
国土の特性に応じた使い方に。

広葉樹は金にならないといわれるが、ドイツのように80年伐期、
120年伐期で製材すれば、高く売れる。
高木になったら切って、焼かずに建築材や家具に使う。
ヒノキなど、切ると植えなければならないが、
広葉樹は自然に後継樹が待っている。

--宮脇さん指導の方法で評価するところと課題を。

島田次長:評価する点は、内外で先生の実績が1600カ所超。
植栽後の森林管理費用。
植えるときは、従来より経費が相当にかかり増しになるが、
3年くらい管理すれば、下刈りから除伐、間伐という部分が、
将来にわたって軽減。
苗木の成長も極めていい。
広く事業化するには、トータルコスト等を更に検証。
モデル実施して、結果を広く共有していく。

課題は、森林整備として林野庁が事業的に取り組んだ例がない。
森林整備に長年携わってきたプロに、
「この方法は、管理の手間が非常に省けるうえ成長もよく、
山でも活用のできる合理的なシステムだ」ということを、
どうやって知り、納得してもらうか。
国有林の職員も、山づくりには自信を持っている。
プロの人たちを納得させるため、国有林のより厳しい条件の現場で
実験して結果を示す。

国有林で行う取り組みについて、民有林も含めて広く発信し、
多くの林業関係者に、多様な森林づくりの有効な方策として、
宮脇先生ご指導の「山づくり」が受け入れられるように。
個別の課題は地域によって違い、ひとつずつ対応していく。

宮脇さん:現場で議論し、体で理解し、課題を乗り越えてもらいたい。
黒衣になって、お手伝いさせていただく。

--広島を最初の試験場所に選んだ経緯は?

島田次長:モデル候補地として杉、ヒノキの森林づくりではない形での
再生が望ましい3カ所を、宮脇先生に相談。
東北地方の落葉広葉樹エリアの地すべり被災地と
火山噴火のガスで荒廃した三宅島の森林、広島の台風被災地。
立地などから、広島で始めてみる。
国有林は、国土の約2割を占めさまざまな条件の場所がある。
広島の成果を共有し、各地で着実に潜在自然植生を活用した
モデル的な取り組みを広めることができれば。

宮脇さん:クレメンツの遷移説では、自然に任せると、
本来の広葉樹の森になるには150年くらいかかるが、
土地本来の木を中心に根の充満した多種類の苗を植えれば、
十数年から数十年で限りなく自然に近い森に。

--国民とともに進める国有林管理ということで、次世代へのメッセージを。

島田次長:森林の問題は、国土保全、地球温暖化、生物多様性等の
問題とともに、林業という面からは地域の活性化にもつながる
国民の大きな関心事。
国有林では、従来、民有林に先駆けて、新しい技術の導入・定着に
積極的に取り組み、その成果が民有林に普及するよう努めてきた。
国有林の技術を生かしながら、国土の3分の2を占める森林を
活力あるものにするために、針葉樹、広葉樹それぞれの特性を生かし、
調和のとれた多様な山づくりを目指して、林野政に取り組んでいきたい。

宮脇さん:科学技術がどんなに発展しても、地球上に生きている限り、
人間は植物の寄生者の立場でしか生きていけない。
森の番人である林野庁、森林管理局、森林管理署、森林事務所の
皆さんと、現場を通しての協力関係ができることは、
私が今まで58年、今か今かと思ってきたことなので誠に感慨深い。
あなたとあなたの家族のため、日本のため、人類の未来のために、
いのちを守る哲学と現場での科学的な実証成果を基本に、
緑環境の総合科学である植生生態学と、伝統的な日本の森林づくりを
担ってきた林野庁のノウハウを一体にした、
新しい森林づくりのシステムを創造し、発信していただきたい。
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◇あすを植えよう いのちの森・My Mai Tree

土地本来の木(北海道、東北北部、山地ではミズナラ、ブナなど、
東北南部以西の標高800メートル付近まではシイ、タブ、カシ類)を
中心に多種類の苗木を、自治体などと開催する植樹祭で植える。
創刊135年記念事業として開始、06年から3年余で、
15道府県28カ所に約19万3000本を植えた。
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◇潜在自然植生

植生生態学の考え方で、人間が影響を加える直前までの「原植生」、
現在の「現存植生」とは別の第3の植生概念。
人為的干渉を停止した場合、その時点の自然環境が許容し得る
最も安定した群落。
自然保護や地域開発、国土計画で、単に元に戻すのではなく、
新しい緑環境を創造する、科学的な処方として利用できる。

◇荒廃地等における森林再生モデル

モデル事業候補地として、
(1)地滑り被災地、(2)火山性ガス被災地、
(3)台風による風倒被災地、の3タイプ
をリストアップ、
今年度は(3)で実施。
宮脇さんと、広島県呉市の野路山国有林で現地調査を実施。
島田次長はじめ国有林野部、近畿中国森林管理局、広島森林管理署、
広島県所管部の関係者らが参加。
現地は、瀬戸内海国立公園域内の標高約750メートル付近の
水源かん養保安林。
04年、台風でヒノキ林が多く倒木。
事業計画面積約1ヘクタール。
植林作業は、6月に宮脇さんの指導で実施。
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◇島田泰助

1953年神奈川県生まれ。東京大農学部卒。76年農林省入省。
84年から2年間、国連食糧農業機関(FAO)派遣(タイ駐在)。
林野庁国有林野部経営企画課長、九州森林管理局長、
同庁森林整備部長、同庁林政部長を経て08年7月から現職。
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◇宮脇昭

1928年岡山県生まれ。ドイツ国立植生図研究所で
潜在自然植生理論を学ぶ。アジア初の国際生態学会会長などを経て、
(財)地球環境戦略研究機関国際生態学センター長。
70年「植物と人間」で毎日出版文化賞、06年ブループラネット賞。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/10/20090510ddm010040041000c.html

犬の顔は飼い主に似る?大学教授らが「顔面相似」調査

(読売 5月12日)

犬の顔は、やっぱり飼い主に似る?
関西学院大の研究グループが、ペットと人間の「顔面相似」に
関する調査結果をまとめた。

同様の調査は海外にもあるが、外国人より顔つきの違いが少ないと
される日本人を対象にした実験は初めて。
論文は、英国の国際学術誌「アンスロズーズ」6月号に掲載。

文学部総合心理科学科の中島定彦教授(動物心理学)ら。
愛犬団体の催しで、シバ犬やポメラニアン、パグなど40頭と、
20~60歳代の飼い主40人を無作為に選んで顔写真を撮影し、
犬と飼い主を正しく並べた顔写真20組と、
わざと違えて並べた20組を用意。

学生186人に見せたところ、62%の学生が
「前者が正しい組み合わせ」と回答。
別の学生187人も、66%が前者を選んだ。

長い髪の女性は垂れ耳の犬を選び、短い髪の女性は立ち耳を
選ぶ傾向があったといい、中島教授は
「人は見慣れたものに好感を抱くため、自分の顔とよく似た犬を
飼い犬に選ぶ傾向があるのでは」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090512-OYT1T00887.htm

検証 橋下改革(5)「できる子も伸ばす」指導

(読売 5月13日)

習熟度に応じて、クラスを分ける取り組みは全国で行われている。
大阪の特徴は何か?

「interesting」、「carefully」。
大阪府太子町の町立中学校の多目的教室から、
英単語を繰り返し発音する声が響く。
基礎学力を定着させるための「ベーシックコース」を
受講しているのは2年生12人。
比較級の復習が始まると、奥田裕香教諭(43)は、
前2列に詰めて座る生徒に質問を投げかけた。

同校では2008年の2学期から、2年生の英語の一部で
習熟度別指導を取り入れている。
奥田教諭は、「一斉授業では、時間を持て余す生徒や
理解が遅れる生徒が出てくる。指導を分けたほうが緊張感を保てる

普通教室に残った「チャレンジコース」の生徒20人は、
教科書の精読を終えた後、プリントの問題に取り組んだ。
指導する蟹山まどか・非常勤講師(24)は、
「生徒の弱点を洗い出し、重点的に説明できる」と手応えを語った。

生徒の多くも好意的に受け止めている。
ベーシックで学ぶ男子生徒は、「少人数なので手が挙げやすい。
授業に参加している感じがするし、成績がちょっと上がった」
チャレンジの女子生徒は、「教科書以外の範囲も学ぶことができる」

習熟度別指導は、府内の小学校の94%、中学校の80%で
何らかの形ですでに導入。
府教委は、実施校を100%に引き上げ、小学3~6年の国語と算数、
中学の全学年の国語、数学、英語で導入する方針。

学力向上支援員として非常勤講師を数百人配置し、
11年度までに実施教科の授業時間数に占める比率を、
現行の10%から30%に引き上げる。

新しい指導法に取り組む場合、一部の学校でスタートして
効果を検証するのが一般的だが、府教委は「より成果を出せる」と
100%実施にこだわった。
「できない子を救うだけでなく、できる子を伸ばすことも重要」として、
習熟度別指導の拡充を強く主張してきた橋下徹知事の意向が反映。

100%実施を掲げる大阪方式には、異論も。
府教育委員から、「まずモデル校を指定してみては」という声。
文部科学省の担当者は、「指導法は、学校の裁量に任せるのが通常の方法。
都道府県主導で、習熟度別をこれほど拡大する例はない」

学校現場には戸惑いもある。
ある小学校では、4人ずつ班を作り、児童同士が協力して課題に挑む
「学び合い」の手法を取り入れている。
校長は、「習熟度に違いがあるからこそ成立する方法。
理念が異なる習熟度別指導と、両立できるかどうか」

こうした声に対し、府教委は、「状況に応じ、習熟度別と従来の指導を
使い分ければ、成果は上がる」(小中学校課)と強調。
成績上位層も下位層も、ともに引き上げられるのか。模索は続く。

◆習熟度別指導

教員の定数に上乗せして配置する国の加配教員を活用するなどして
全国に広まっている。
07年度は全国の小学校の85%、中学校の73・9%で実施。
数学や英語など個人差が付きやすい教科を中心に導入、
クラス分けは児童生徒や保護者の希望で決められるケースが多い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090513-OYT8T00277.htm

2009年5月15日金曜日

検証 橋下改革(4)勉強嫌い DSでなくす

(読売 5月12日)

勉強嫌いをなくそうと、様々な手法を試みている。

「ゲームが好きな人は手を挙げて」
大阪府池田市立細河中学校で行われた1年生の国語の授業。
携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を全員に配った後、
山際博教頭(49)が尋ねると、生徒たちが一斉に手を挙げた。
「漢字の勉強には、使い慣れている物で勉強する方法もある。
10級から1級まである。挑戦してみよう」

生徒たちは5分間、漢字検定ソフトを使い、タッチペンで画面に
漢字や読み仮名を黙々と書き込んだ。
尾玉純一朗君(12)は、「普段はゲームをしているけど、
勉強でもすごく面白かった。どんどん級を上げたい」

橋下徹府知事が昨年10月に打ち出した緊急対策には、
目玉の一つとして、DS学習の調査研究が盛り込まれた。

2009年1月から10年度末まで、府内の小中学校各10校に、
DSを40台ずつ貸し出し、計算力や覚えた漢字数の変化などを
調べようというもの。

細河中は、DS学習の研究校の一つ。
「表現の時間」という独自の国語授業(週1回)の毎回冒頭10分を、
DS学習に充てる。
山際教頭は、「長時間では飽きるだろうし、これだけで国語力が
上がるものではない」とした上で、
「紙と鉛筆で学ぶことが嫌になった生徒も、『DSなら面白い』という
感覚で勉強に入れるのでは」

DSを放課後学習に活用している貝塚市立第二中学校の
山口均教諭(48)も、「参加者が多くても、DSなら生徒に合わせて
問題を出してくれる」と利点。

勉強嫌いをなくすには、その原因を探るのが先決――。
そんな発想で行われているのが、府独自の「つまずき調査」。
教育改革を担う小河勝・府教育委員(64)の
大阪市立中学校の教員時代の実践から生まれた。

中学1、2年生を対象に、小学校の各学年で習う漢字の書き取りと
計算問題を解かせる。
生徒の名前と各問題を縦横に並べた一覧表を作り、
できなかったら塗りつぶし、どこでつまずいたかが一目で分かる。
昨年度は2回行われ、中学校では291校中99校が実施。

岸和田市立春木中学校で調査を担当した南川留美子教諭(50)によると、
3けたのかけ算の正答率が割り算より低く、意外な発見。
「今まではデータがなく、教師の感覚に頼っていた。
つまずきがわかることで、授業に生かせる」

昨年の全国学力テストに合わせて実施されたアンケートによると、
大阪の公立中学生は、国語については19・3%、数学は25・2%が、
好きではないと答えた。共に全国平均より4ポイント前後高い。

府教委小中学校課の箸尾谷知也参事(52)は、
「分かる、できる、もっと勉強したい、というサイクルを作りたい」
悪循環を断ち切るために、必死の取り組みが続く。

◆DS学習

タッチペンで手書き入力ができる携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を
使った学習方法。
2007年度、京都府八幡市の市立中学校で試行、
英単語の習得に効果があることが判明し注目。
文部科学省も、同年度から3年間の委託研究を進めるなど
教育界の流行になり、橋下教育改革では、大阪府全体で取り込んだ。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090512-OYT8T00281.htm

ディスプレー:未来のテレビはゴム状? 伸び縮み自在 東大など、有機ELで作製

(毎日 5月11日)

次世代の薄型テレビの素材として注目される有機ELを使い、
ゴムのように伸び縮みするディスプレーを、
東京大と大日本印刷などが作製。

顔形の立体ディスプレー上で表情の変化を映し出したり、
地球儀のような球形の装置で気象情報を表示するなど、
多彩な用途に生かせる。
11日付の英科学誌「ネイチャー・マテリアルズ」電子版で発表。

有機ELは、電圧をかけると発光する有機化合物。
消費電力が少なく、液晶やプラズマより薄いため、テレビで商品化。

研究チームは、単層カーボンナノチューブと呼ばれる
極細の炭素繊維とフッ素ゴムを、ジェット噴射で混ぜる独自製法で、
伸縮率や導電率の高い有機EL素材の開発に成功。
この素材で、縦横各10センチ、256画素の単色ディスプレーを試作。
伸縮を1000回繰り返しても品質が落ちない。

現在は、1画素が5ミリ角あり、
今後は画素の小型化、カラー化の研究を進める。

染谷隆夫・東京大教授(電子工学)は、
「従来は平面状だったディスプレーが、球面や動く部分でもできる。
人体形の装置で医療診断データを表示するなど、いろいろな用途が広がる」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/11/20090511ddm012040058000c.html

WADAが抜き打ち検査強化、持久力増強の新薬もチェック

(読売 5月12日)

世界反ドーピング機関(WADA)のジョン・フェイ会長は、
「バンクーバー五輪に向けて抜き打ちの血液検査を強化し、
全検体について、CERA(持続的エリスロポエチン受容体活性化剤)に
関する分析を行う」

国際オリンピック委員会(IOC)が実施した北京五輪出場選手の
血液検体再分析で、持久力を高めるエリスロポエチン(EPO)の
新薬であるCERAに、6選手が異常値を示した。

北京五輪では、IOC、国際競技連盟(IF)と協調して検査を徹底、
五輪までの半年余で40選手近くを摘発。

フェイ会長は、「IOCにならい、保存してある検体の再分析を実施する
IFがあれば歓迎する」、
規定による8年間の検体保存と、検査方法が確立した時点での再分析が、
ドーピングの強い抑止力になるとの見方を示した。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090512-OYT1T00080.htm

再生医療に必要な「工場」とは?

(日経 2009-05-01)

万能細胞研究に関する規制緩和が進み出し、
再生医療への期待が高まっている。
実現には、まだいくつもの壁がある。
例えば、細胞の培養や加工には、医薬品と同等の厳重な品質対策が
求められ、高度な専用「工場」が必要。
東京女子医科大学は民間企業と組み、
そのモデルともいえる新センターを開設。
同大の経験から、臨床応用への課題を探った。

東京女子医大がバイオベンチャー企業、セルシードと共同で完成した
設備は、「細胞プロセッシングセンター(CPC)」
患者の体の健康な部分からとった細胞を培養、患部に移植しやすいよう
薄いシート状に加工して「出荷」。
歯根膜を作って歯周病の治療に使ったり、食道の膜を食道がんの治療に
応用したりする計画。

CPCは、大学の先端生命医科学研究所の一角にあり、
モニター室などを含めると320平方メートルを占める。
汚染を防ぐため、出入り口は研究所本体とは分けている。

白衣に着替えて一歩踏み込むと、まるで半導体工場のクリーンルーム。
生きた細胞を扱い、人間の体に入れる材料を処理するため消毒も万全。
手が髪の毛などに触れた場合、すぐに消毒しなければならない。

出入り口近くの部屋には、医療廃棄物を高圧蒸気で滅菌する
大型の「オートクレーブ」。
材料保管室があり、液体窒素で組織や細胞を冷凍保存できるタンクが並ぶ。
部屋のクリーン度は、「クラス10万」。
約30センチメートル四方にある直径0.5マイクロメートル以上の
ちりや微粒子は、10万個以下という清浄度。

奥へ進み、心臓部の細胞操作室の「前室」に入る。
清浄度は、10倍高いクラス1万。
白衣のうえに、不織布を着てホコリが立たないようにし、
いよいよ操作室へ。
幅19センチメートルの大型無菌キャビネット(カバー付きの作業台)があり、
内部はホコリが舞わないよう下降流を起こして、
クラス100の環境で作業できる。

同様の細胞操作室はもう1室ある。
加工した細胞を、「出荷」する前に余計な菌が存在しないことを
確かめる無菌検査室もある。
病原菌が紛れ込むと、どんどん増えて細胞を移植した患者に
害を及ぼす恐れがあるので、入念にチェックする。

これだけの建物・設備を整えるのに、約4億円かかった。
年間の運営費も、4000万円程度を見込む。
製薬会社などが順守する、薬事法に基づく治験薬GMP
(医薬品の製造・品質管理基準)に耐える中身。

東京女子医大はセルシードと協力し、
様々な助成制度も利用して費用を工面。
「大学だけではとても無理」と、同大の大和雅之教授は指摘。
他大学でも同じような悩みを抱える。

大阪大学のCPCも、クラス100のキャビネットを持ち、
GMP基準に合致した設備。
細胞処理の工程管理システムは、三洋電機とともに構築し、
細胞はバーコード管理。
年間の運営経費は、約3000万円。
同大学大学院医学系研究科の澤芳樹教授は、
「いずれ研究費が切れて倉庫になるのではないか」と不安。

設備を整えて臨床研究でデータを蓄積しても、
承認取得を目的とする治験では、
「改めて一からデータをとり直さなくてはならない」(澤教授)問題。
米国では、食品医薬品局(FDA)が臨床研究の段階から
治験を想定した計画作りを支援するので、研究結果を治験に生かせる。

新型万能細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)など、
万能細胞から作った細胞や組織を移植して病気を治す
再生医療は、国際競争が激化。
CPCの基準や治験の制度が硬直的だと、優れた研究成果があっても、
臨床に進む段階で米欧に大きく後れをとる懸念。

厚生労働省は、再生医療全体の制度的な枠組みや、
臨床研究指針などの検討に着手。
安全性の確保が重要なのは言うまでもないが、臨床応用を阻害しない
合理的な仕組みが求められる。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090428.html

2009年5月14日木曜日

検証 橋下改革(3)「よのなか科」で応用力

(読売 5月9日)

基礎学力は、反復学習や放課後自習で身につける。
では、応用力はどう養うのか?

「理想の家の設計図を書いてみて」。
大阪市内で開かれた教員対象の研修会で、
「よのなか科」と呼ばれる手法の模擬授業が行われた。
生徒役になった教員約50人は、6人1組で机を囲み、図を書いたり、
討論したりしながら間取りを考えていく。

講師は、発案者で府教委特別顧問の藤原和博さん(53)。
リクルート出身の民間人校長として、東京都杉並区立和田中学校で
塾による放課後授業「夜スペシャル」(夜スペ)などに取り組んだ実績を
買われ、橋下徹・大阪府知事に協力を要請された〈改革請負人〉の一人。

「よのなか科」で養う力を、藤原さんは「情報編集力」と呼ぶ。
情報を選別し、自分なりの答えを導くための応用力を意味。

例えば、「理想の家」の授業では、家に何をどう配置するかを考え、
話し合ってもらう。
サッカー場を設けても、地下室を加えてもいい。正解はない。

目的は、作業や議論を通して、発想や表現を引き出すこと。
議論を活発にするため、保護者や大学生に加わってもらったり、
専門家を呼んだりする。

研修に参加した岬町立岬中学校の岡田耕治校長(54)は、
「生徒は面白いと感じるはず。試す価値はある」

以前から、学校単位や先生個人で「よのなか科」に取り組む
ケースはあったが、都道府県で導入するのは府教委が初めて。

きっかけは、反復学習などと同様、全国学力テストでの低迷。
応用力を問うB問題の平均正答率は、基礎を問うA問題より
全国平均との開きが大きい傾向、無回答率も高かった。
「国語の授業で、自分の考えを話したり書いたりする」という質問に、
「当てはまる」とした府内の中学生は26・2%と全国平均(43・1%)を
大幅に下回ったことも、教育関係者にショックを広げた。

こうした結果を受けて、府教委は「考える、話す、書く」の要素を含んだ
「よのなか科」に注目。
藤原さんは2008年度、府内の小中高校55校で研修を実施。
今後も、独自の教材を開発して普及活動を進める。

本格的なスタートはこれからとはいえ、先行して授業に取り入れている教師も。
堺市立美原中学校の佐古田英樹教諭(33)は、
「暗記に偏りがちな社会科を変えたい」と、製菓会社の社員や税理士を招き、
「売れる菓子の条件は」、「税金は必要か」などをテーマに授業で議論。

生徒の評判は良かったが、ゲスト探しなどに準備を要する上、
平日なので保護者になかなか集まってもらえないなどの課題。

府教委小中学校課の角野茂樹課長は、
「自分ならもっと有意義な授業ができる、と思う教師もいるはず。
ぜひ挑戦してほしい」と呼びかけ。
授業内容の自由度が高い分、教師側も試されることになりそう。

◆よのなか科

藤原和博さんが、和田中校長時代に取り組んだ授業手法。
身近な社会事象から、経済や法律などを含めた「世の中」を考える
スタイルが特徴で、「ハンバーガー屋さんの店長になろう」、
「流行る店、流行らない店」などのテーマで実践。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090509-OYT8T00250.htm

食の安全意識に差 岩手経済研究所アンケート

(岩手日報 5月9日)

食品を購入する際、年代が高いほど県産品や国産品を利用する
割合が高く、若い世代は価格やおいしさを重視する傾向が強いことが、
岩手経済研究所が実施した「食の安全・安心に関する考え方」
アンケートで分かった。

県産品については、約9割が積極利用派。
毒物混入や偽装表示問題を受け、「輸入食品の安全性」や
「食品関連事業者の安全意識」への不安は根強く、
多くの県民が輸入食品の検査や事業者への罰則強化が必要。

「食品を購入する際に重視する項目」(三つまで回答)で
最も多かったのは「価格」の71・9%。「鮮度」、「安全性」、「産地」の順。

女性は「鮮度」、「産地」、男性は「おいしさ」を重視する傾向。
低い年代は、「価格」と「おいしさ」にこだわり、
年代が高くなるほど「鮮度」を重視。

「国産食品と輸入食品が並んでいたら、どちらを購入しますか」
との問いに対しては、「原則として国産を購入」が47・8%で最多。
「食品の種類・輸入国などで選択」が24・7%。
年代が高くなるほど、国産品を選ぶ傾向が強く、
理由(三つまで回答)は83・2%が「安全性」。

県産食品の利用状況は、「できるだけ利用」と「大いに利用」と合わせた
積極利用派は86・0%、60代以上では97・4%が積極利用派。

県産食品を利用する理由(三つまで回答)も、「安全性」がトップ、
「鮮度」、「地産地消の推進」、「品質」の順。
29歳以下は、「地産地消の推進」が過半数を超え、
食育などを通して一定の浸透が進んでいる。

「安全・安心な食生活を送るために必要なこと」(三つまで回答)、
全体の70・0%が「輸入食品に対する監視・検査の強化」を求めた。

岩手経済研究所の藤原誠徳主任研究員は、
「年代が高いほど鮮度を重視し、低いほどコストパフォーマンス
(費用対効果)を重視する傾向。
29歳以下の若い層で、地産地消の推進が過半数を超えたことは
明るい材料といえる」

調査は、2008年12月に県内在住者1000人を対象に実施。
岩手銀行の本支店などを通じて調査票を配布、郵送で回答を得た。
回答率は57・6%。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090509_13

NTC:味の素が命名権 国立施設では初めて導入

(毎日 5月11日)

味の素と日本オリンピック委員会(JOC)は、
ナショナルトレーニングセンター(NTC)のネーミングライツ(命名権)
契約を結ぶことで合意し、調印式を行った。
契約金額は、4年間で3億2000万円。

国立施設の命名権導入は初めてで、
新名称は「味の素ナショナルトレーニングセンター
NTCは、独立行政法人の日本スポーツ振興センターが管理し、
JOCが運営主体。
味の素は今後、同センターなどで栄養分野のサポートも行う。

JOCの最高位の協賛社となるゴールドパートナーとして、
味の素とJOCが契約(金額は非公表)を結んだことも発表。
命名権と合わせ、09~12年の4年間で8億円前後の契約。

味の素の山口範雄社長は、「国の施設に、初めてネーミングをかぶせる
ということで光栄だと思ったし、そこに意義を感じた」

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20090512k0000m050032000c.html

ナノインキがもたらす生産革命

(日経 2009-05-08)

街を歩いていても、公園で日なたぼっこしていても、電気がたまる。
前を歩く人の背中でテレビ中継が見える——。
こんな生活を実現する印刷技術が登場。

製品化するか否かは事業判断によるが、太陽電池や電気をためる
二次電池、動画を映すディスプレー、スピーカーなどを服に印刷できる。
世界最高レベルのものづくり国家、日本だからこそなせる“神業”。

ポリカーボネートなどの樹脂フィルムを手がける帝人は、
シリコン粒子の溶けたインキを開発した米国ベンチャーの
ナノグラム(カリフォルニア州)と共同研究契約を結んだ。
樹脂フィルムに半導体回路を印刷する技術を開発し、
大画面ディスプレーや太陽電池メーカーなどに売り込む考え。

ナノグラムは、NTTの研究者だった神部信幸副社長らが
1996年に米国で設立、レーザーを使う独自技術で
直径数ナノ~数十ナノメートルの様々な素材の粒子と応用技術を開発。
これまでに、半導体回路に必要な電子が流れるn型と電子の穴(ホール)が
流れるp型のシリコン粒子、それらを溶かしたインキを開発。

これに帝人が注目。
「樹脂フィルム事業に新領域が広がる」(新事業開発グループの平坂雅男部長)
と期待し、ナノグラムと共同研究体制に入った。

チッソも、米国ベンチャーの技術に注目。
住友商事が仲介して、カンブリオス・テクノロジーズ(カリフォルニア州)が
開発した透明な導電性ナノ粒子インキの販売と事業開発に乗り出した。
透明な樹脂フィルムを基板とするタッチパネルや
有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)で、今後高い需要があると期待。

印刷を本業とする大日本印刷(DNP)も、2つの新技術を発表。
像情報技術研究所(柏市)は、塗って電圧をかけるとオレンジ色に光る
「ルテニウム錯体」というナノ粒子のインキを開発。
「書店や小売店で使う新製品のPOP(店頭販促)広告用途を狙う。
将来は色数を増やし、表示技術も開発すれば、
新型テレビの実現も夢ではない」と、森陽一エキスパートは意気込む。

ナノサイエンス研究センター(つくば市)は、熱処理装置メーカーの
ミクロ電子(川越市)と電子回路で最も使われる銅配線を
印刷で作る技術を開発、実用化にメドを付けた。
「銅以外にも配線用の銀や金、ニッケルのほか、はんだ付けに使う
スズ・鉛合金のインキの開発も目指し、様々なニーズに応えたい」と
武誠司グループリーダー。

最近、印刷で回路を作る研究に参入するのは、
化学品メーカーや印刷会社だが、1990年代前半にいち早く
スタートしたのは、印刷機メーカーのセイコーエプソン
現在、40インチ以上の有機ELディスプレーをインクジェットで作る
研究に取り組んでいる。

環境に優しいグリーン・テクノロジーの利用を推進する同社は、
得意のインクジェット技術でできるだけ大掛かりで、
真空装置を使わない省スペース・省エネルギー・クリーンな
製造環境の実現を進めてきた。
帝人やチッソ、大日本印刷などが新たに加わり、
この動きが一気に加速するかもしれない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090507.html

2009年5月13日水曜日

左大きければ学成りやすし 脳の左右差、外国語と関連

(2009年5月7日 共同通信社)

英語などの外国語が得意な人は、脳の前頭葉にある左右の
「下前頭回」のうち、左の方が右に比べて大きいとする研究結果を、
酒井邦嘉・東京大准教授(言語脳科学)らのチームが、
米科学誌ヒューマン・ブレイン・マッピングに発表。

語学の適性にかかわる脳の部位を特定したのは初めて。
酒井准教授は、「この部位が発達しているから語学ができるのか、
一生懸命勉強したから部位が大きくなったのか、
因果関係までは分からない」

中学1年から英語の勉強を始めた日本の中高生78人と、
小学生のころから英語を勉強している英語圏以外の国からの
留学生17人(成人)の、脳の形状を磁気共鳴画像装置(MRI)で精密に計測。

英語の文法などに関連する課題に答えてもらい、
成績と脳の形状を比較。
言語の文法的な処理をつかさどると考えられている左側の下前頭回の
体積が、右側に比べて大きい人ほど成績が良いことを発見。

この傾向は、日本人と留学生の間や、性別による違いはなく、
語学能力などの個人差に関係していると判断。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/5/7/97232/

漢方製剤「麻黄湯」タミフル並み効果、新型には未確認

(2009年5月8日 読売新聞)

インフルエンザの治療に漢方製剤の「麻黄湯」を使うと、
抗ウイルス薬のタミフルと同じ程度の症状軽減効果があるという
研究結果を、福岡大病院の鍋島茂樹・総合診療部長らが明らかに。

新型インフルエンザへの効果は未確認だが、
タミフルの効かない耐性ウイルスも増える中、注目を集めそう。

日本感染症学会で、鍋島部長らの研究は、
昨年1~4月に同病院を受診し、A型インフルエンザウイルスを検出した
18-66歳の男女20人の同意を得て実施。
8人はタミフル、12人は麻黄湯エキスを5日間処方。
ともに発症48時間以内に服用し、高熱が続く時は解熱剤を飲んでもらった。

服用開始から平熱に戻るまでの平均時間は、タミフルが20・0時間、
麻黄湯が21・4時間でほとんど差がなかった。
解熱剤の平均服用回数はタミフルの2・4回に比べ、
麻黄湯は0・6回と少なくて済んだ。

麻黄湯のインフルエンザへの効能は、
以前から承認されており、健康保険で使える。

鍋島部長は、「正確な効果の比較には、大規模で厳密な研究が必要だが、
タミフルは異常行動などへの懸念から、10歳代への使用が
原則中止されていることもあり、漢方薬という選択肢の存在は大きい

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/5/8/97350/

郷土愛育成に心一つ 北上青年会議所が勉強会

(岩手日報 5月10日)

北上市の北上青年会議所(八重樫敏理事長)は、
新事業「鬼っこてらこや」を前に講演会を開いた。
鎌倉青年会議所の理事長として、「鎌倉てらこや」を設立した
湯沢大地さん(41)が活動紹介。

体験学習などで、郷土愛をはぐくむ青少年育成事業のスタートに向け、
会員一丸での事業展開を誓った。

湯沢さんは、「てらこやのススメ」と題して講演し、
鎌倉てらこやの設立経緯や具体的な活動内容を紹介。

早稲田大生が主体となり進めた運営について、
「学生の参画で、子どもたちが本心を出してくれた」
「地域の特色を生かし、北上らしい事業を行ってほしい」

北上青年会議所は、6月20日に鬼っこてらこやを開塾。
「きたかみに恋しよう」をテーマに、10月まで国見山を舞台とした
合宿や講演会の開催を予定する。

北上市在住の高校生19人(黒沢尻北、黒沢尻工、西和賀、花巻南高)が
企画を練り、小学生との交流を通じ互いに郷土愛を学んでもらう内容。

同会議所青少年育成委員会の佐藤仁実委員長は、
「子ども、若者、大人の三世代で取り組む事業を、
未来に伝えていくことが大切。
青年会議所一丸で進めていきたい」

高校生グループのリーダーを務める花巻南高三年の千葉琴音さんは、
「小学生が、ずっと北上に住みたいと思えるような体験をさせてあげたい」

北上市、西和賀町内の小学4~6年生(定員45人)を募集。
参加費4000円。問い合わせは同会議所(0197・65・0281)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090510_9

シンガポール経済開発庁の楊バイオ医科学産業担当局長

(日経 4月30日)

アジアのバイオ医薬産業のハブを目指しているシンガポール。
2003年、バイオ医薬の研究開発拠点「バイオポリス」を開業し、
日本を含む海外の製薬会社や大学、研究機関の誘致を加速。
シンガポール経済開発庁のバイオ医科学産業担当局長である
楊吉全氏に誘致の進ちょく状況を聞いた。

——バイオ医薬産業を振興する狙いは?

人口が少なく資源も乏しいシンガポールには、
知的集約型産業の育成が急務。
我が国の経済を支えている製造業には石油化学産業もあり、
バイオ医薬産業を育てる土台があった。
2000年、バイオ医薬産業の生産額は60億シンガポールドル(約3900億円)、
製造従事者は6000人にすぎなかったが、
電子機器や化学などに並ぶ一大産業に育成する考えで、
2015年に250億シンガポールドル、1万5000人に拡大する目標

「バイオ医薬産業の育成を国策として打ち出した2000年以前は、
英グラクソスミスクラインや米シェリング・プラウなど
製薬会社の工場が存在していたが、
化学合成による低分子化合物の製造拠点がほとんど。
抗体医薬品などのバイオ医薬品を中心とする製造業に
脱皮することが課題

——バイオ医薬産業の誘致策を強化している。

「政府が整備するバイオポリスの拡張は順調。
第1期、第2期の整備が終わり、建物の延べ床面積は24万平方メートル。
今後、10年初めにさらに4万平方メートル増やす。
製薬会社や大学などが、最先端の研究設備を手軽に使える環境を整える」

「2000年、バイオ医薬産業の研究開発(R&D)従事者は
ほとんどいなかったが、世界中の頭脳をヘッドハンティングし、
優秀な人材を呼び込む仕組み作りに取り組んでいる。
がん細胞の増殖を食い止める、代表的ながん抑制遺伝子を発見した
著名なデビッド・レーン氏の招請もその一例。
科学技術庁のチーフサイエンティストに就任。
日本から、胃がんの研究で知名度が高い元京都大学教授の
伊藤嘉明氏を招いている」

——日系企業の進出状況は?

武田薬品工業のほか、早稲田大学とオリンパスが共同で
研究拠点を設けるなど、誘致実績も出てきた。
現状は、欧米からの進出企業が多いのが実情。
具体的な誘致目標はないが、日本の製薬会社の誘致を積極的に進める」

——誘致策の成果は?

欧米のバイオ企業11社や医療技術企業17社が、50件の製造施設に投資。
誘致に成功した医薬品受託大手のロンザ(スイス)は、
生物製剤の工場を建設し、追加投資を計画。
同国は当初、低分子化合物の製造拠点しか持たなかったが、
バイオ医薬品に軸足を移している。
バイオ医薬産業の生産額は、08年190億シンガポールドル、
製造従事者は1万2000人増。
バイオ医薬産業の育成が実ってきた」

——シンガポールはバイオ医薬産業を育てるため、
経済開発庁傘下で国内企業に投資するバイオベンチャーキャピタルを
立ち上げたが、世界的な金融危機を受け、運用に支障は招じていないか?

「ファンドは政府資金を活用しており、長期的な視野に立った
運用ができるのが強み。
金融混乱ではこの強みが生きる。運営にも支障は招じていない」

——研究開発(R&D)投資を担うのはほとんどが外資系企業。
国内企業の振興が課題では?

「地場のバイオベンチャーは、抗がん剤の新薬を開発するなど
成果も出てきているが、バイオ医薬産業の成長のけん引役は外資と位置づけ。
バイオポリスの魅力作りに力を入れ、
日本企業を含めて外資の誘致を加速する」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090427_2.html

2009年5月12日火曜日

教科書に地域医療執筆 藤沢の病院長と看護短大教授

(岩手日報 5月11日)

国内初となる地域医療学の教科書で、
藤沢町民病院の佐藤元美院長と岩手看護短大の鈴木るり子教授が
執筆を担当。

県内の現場で、コツコツと実績を積み重ねてきた二人が、
全国の医学生に地域医療の在り方や人材育成の現状を伝える。
医療現場に携わっていない読者にも、分かりやすい内容。
編集も担当した佐藤院長は、「専門用語を極力使わず、
地域医療の果たす役割や背景を理解してもらえるよう考慮した」

教科書は、「地域医療テキスト」(医学書院)。
B5判で206ページ。3990円。全国の書店などで発売。

佐藤院長が執筆したのは、「地域医療システム論」の中の
「市町村の事例」。
藤沢町で、県立病院が廃止に追い込まれた歴史から始まり、
保健医療福祉が一体となった「藤沢方式」を紹介、
町民病院の一日を時系列で追った。

病院スタッフが町内に出向き、住民と語り合う「地域ナイトスクール」は、
崩壊の危機にある地域医療を考える上で、
医療関係者と住民がどうあるべきかを示唆。

自治体病院の経営についても触れ、
「病院運営は、営利を目的するものではない。
しかし、経営がうまくいかなければ、必要な医療も提供できなくなる」、
高額医療機器導入の際の考え方も記した。

鈴木教授は、「地域医療を支える人材」の「看護職」について執筆。
「地域医療を支えるのは保健師である、という点をもっと厚みを
もたせたかったが、まずは基礎的なポイントを並べた」

地域医療学に関しては、各大学が個別に教材を用意し、
見学や実習などを通して対応しているが、包括的なテキストはなく、
自治医大地域医療学センターが中心となり、約一年がかりでまとめた。

佐藤院長は、「地域医療を守るには、他人に頼ってばかりではだめ。
藤沢町は苦労しながら、今のシステムを築き上げた。
教科書が全国の医療関係者、地域医療を考える住民の方々の
参考になれば何よりです」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090511_15

再生医療を支える科学:/下 素材や細胞の品質「標準化」が不可欠

(毎日 5月5日)

◇日本大・堤定美特任教授に聞く

再生医療では、ES細胞やiPS細胞、体性幹細胞などを使い、
損傷した臓器や組織を作り出して治療する。
いずれの方法でも、重要なのは、細胞を移植する時に使う素材や
治療用細胞の「品質」。
狙い通りの細胞に分化するか、がん化などの悪影響を起こさないか--。
再生医療にかかわるすべての技術に、一定の品質が担保されなければ
臨床では使えない。「標準化」の取り組みは不可欠だ。

◆無駄省くためルール

標準化とは、放置すると多様化、無秩序化するものに、
一定のルールを設定して単純化、秩序化すること。
例えば、機械を組み立てるねじが、メーカーごとにねじ山の形が
バラバラだと使いづらく、無駄なコストがかかる。
そこで、形状にルールを作る。
このルールを「規格」「標準」という。

工業製品の標準化が「工業標準化」で、日本工業規格(JIS)、
米国試験材料協会(ASTM)規格など、各国は独自の工業規格を持つ。
「基礎から応用に進んだ研究を、さらに産業にするために必要なのが標準化。
優れた技術も、標準化なしに世界に普及させることはできない」

日本大の堤定美・特任教授(医工学)は、世界157カ国が参加する
国際標準化機構(ISO)で、専門委員会の日本代表委員長を務める。
ISOでの活動は、25年に及ぶ標準化の第一人者。

「国内の再生医療分野では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
を中心に、移植用培養皮膚や角膜、心筋のシート、骨、軟骨などの
規格化が進んでいます」

再生医療分野に限らず、標準化に対する日本の取り組みは、
06年ごろから強化。
狙いは二つ。
新技術を国際標準に沿った形で産業化することと、
日本発の新技術を国際標準にすること。

背景には、市場のグローバル化がある。
世界で同品質の製品が求められ、国際規格に合えば市場は広がり、
規格外だとしぼむ。
自国の規格を国際規格にできれば、メリットはさらに大きい。
政府の知的財産戦略本部が同年まとめた「国際標準総合戦略」には、
「標準を制する者が市場を制する」

◆優れたものが勝者に

「その中で、再生医療の標準化はやや特殊。
従来、多くの国際規格は市場でシェアを取った製品が基に。
ビデオのVHS方式のように。
再生医療は、市場にまだ『勝者』がいない。
純粋に科学的に優れたもの、妥当なものを規格にする方向で
議論が進んでいる」

舞台となるISOは、傘下に200以上の専門委員会(TC)がある。
TC1はねじ、TC2はボルトやナット、TC229はナノテクノロジー。
再生医療にかかわるのは、TC150(外科用インプラント専門委)と
TC194(医療機器の生物学的安全性専門委)。

堤教授が参加するTC150には07年、日本の提案で
再生医療製品専門の分科委員会ができた。
現在、12カ国が参加し日本は、同分科委員会の幹事国を務め、
今年9月、京都でTC150全体の年次総会を開催。

「国際規格を決める際は、当然各国の利益がぶつかる。
その中で議論を主導できる幹事国は、非常に有利。
再生医療分野は、市場のシェアではなく、科学的根拠を積み上げて
議論することになり、幹細胞研究など日本の優れた技術で勝負ができる。
いい形ができている」

◆懸案は国内の連携

堤教授が抱く懸念は、国内の態勢にある。
JISに、再生医療関係の規格がない。
再生医療に使う素材や治療用細胞を薬剤として扱うか、
医療機器として扱うかが決まっていない。

「薬剤か機器か。その違いは非常に大きい。
ISOやJISで標準化できるのは、機器だけ。
薬剤だと、製品化には厚生労働省による医薬品承認の手続きを
経ないといけないが、その手続きは複雑で、ブラックボックス的なので、
情報の共有が進まない。
再生医療では、医療機器扱いで国際規格を作り、
技術をオープンにした方がいい。
ルールを作り、技術をビジネスに乗せてはじめて、
医療は多くの人に行き渡る」

標準化は企業、政府、研究者が連携して取り組む問題。
「企業は、再生医療にかかわる規格案をどんどん出してほしい。
政府には、それを支援する制度を、研究者は特許と同様に
標準化への意識を持ってほしい。
トータルで、日本の潜在力は非常に大きい」
==============
◇つつみ・さだみ

京都大工学部卒業。同大生体医療工学研究センター教授、
再生医科学研究所ナノ再生医工学研究センター長などを経て、
08年から名誉教授。現在、日本大特任教授、金沢工大客員教授。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/05/20090505ddm016040132000c.html

検証 橋下改革(2)放課後 勉強の習慣づけ

(読売 5月6日)

家庭で勉強する習慣をつけるため、放課後の学校が活用。

3月上旬の午後。大阪府田尻町立小学校の教室では、
1、2年生が一緒に、算数のプリントに取り組んでいた。
若い男性講師が、一人の女子児童の机の前でひざまずく。
「そうそう、できたやん」。
悩みながらも問題を解いた児童のプリントに、講師は笑顔で花丸をつけた。

小中学校で放課後に、子どもたちの自習を教員らがサポートする
府教育委員会の「おおさか・まなび舎」事業
すでに実施されていた自学自習のプログラムを、
橋下知事の就任後に一部修正し、昨年9月に再スタート。
今年度、政令市と中核市を除く小学校の半数以上、
中学校は政令市を除く8割近くで実施を予定。
2010年度には全小中学校への拡大を目指す。

週2日、1回2時間で、参加は自由。参加費は無料。
授業形式ではなく、児童が自分の課題や学力に合わせて
プリントを選んで解く。
教員と一緒に、大学生などの「学習支援アドバイザー」が、
机を回って個別指導する。

熱心にプリントを解く子どもたちの姿に、奥山昌一教諭(54)は、
「理解が進んでいるのがひしひしとわかる。授業でも意欲が出ている」
アドバイザーで小学校教員を目指す関本真実さん(23)は、
「つまずいていた子どもたちが成長していくのがうれしい」

「まなび舎」のそもそもの狙いは、
子どもたちが家庭で勉強する習慣を身に着けるようにすること。

2008年度の全国学力テストの生活習慣調査では、
学力のみならず、家庭での学習時間でも、
大阪府は全国平均より低い実態が明らかに。
平日に家庭で30分以上学習している子どもの割合は、
小学校で76・1%、中学校で78・1%と、全国平均を約6~4ポイント下回った。

府教委では、放課後学習に加え、「家庭学習の手引き」と題した
パンフレットを作製。
小学校の低、中、高学年と中学校に分け、時間の目安や、
漢字練習や百ます計算など取り組む内容を記したもので、
全児童・生徒に配り、各家庭に協力を求めた。

学校でついた習慣を家庭での学習へとつなげるのは、そう簡単ではない。

田尻町立小では、学力に問題のある子どもについて、
保護者に呼びかけたり、友人に誘ってもらったりして
放課後学習に参加するよう促し、
「宿題をきちんとやる子が増えてきた」(同小)。

中には、勉強を見る親が夜間、仕事や友達づきあいなどで
不在がちなため、家に帰るとゲームをしたりテレビを見たりして、
学習が難しい児童もいる。

「放課後学習は、自学自習へのステップ。
最終的には、家で自ら学べる子を育てたい」
放課後学習を自宅での学習につなげるべく、これからも模索は続く。

◆学習支援アドバイザー

「おおさか・まなび舎」事業で、放課後に教室で自習する子どもたちを、
教員と一緒に個別指導する。
教員免許は不要だが、教員を目指す学生や元教員、
塾講師らの登録も多い。
謝礼は交通費を含めて2時間で1500円と少なく、ボランティアに近い。
謝礼は、府と市町村が半分ずつ補助。
謝礼を含めた「まなび舎」事業の09年度の総事業費は、約8700万円。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090506-OYT8T00282.htm

誰も口に出さない“緑経済”の陥穽

(日経 2009-05-04)

いつの時代にも実体は何であれ、
外観を美しくかつ意味あるもののように飾る言葉がある。
「グリーン・ニューディール」がその典型。
米オバマ政権が打ち出した、環境と景気刺激を同時に追求しようという政策。

ブッシュ前政権時代に、地球温暖化対策で大きく出遅れ、
京都議定書からも離脱した米国が地球温暖化など、
環境問題重視に大きくかじを切ることは歓迎すべき。
環境と景気刺激の「二兎を追う」政策に、過剰な期待をかけるのは禁物。

CO2排出を削減しようとすれば、自動車は小型軽量化せざるを得ず、
鋼材、樹脂など材料の使用量は減少に。燃料の消費量も減る。
小型化した車の組み立てラインの人員は、従来よりも少なくて済む。
素材産業や石油産業は、需要減少に見舞われ、
組み立て産業では、雇用が失われる恐れ。
ガソリンがぶ飲みの大型車が幅をきかせていた米国のような
“高炭素社会”では、グリーン・ニューディールは需要減退のリスクが高い。

自動車がハイブリッド車、電気自動車など環境対応車に転換する
プロセスで、新たな自動車需要は生まれるが、
それは通常の自動車の買い替えと同じで、需要拡大とはいえない。
環境対応車購入への優遇策で、買い替えの前倒しが期待できるくらい。

太陽光発電、風力発電などの装置産業や、スマートグリッドなどの
新たな送配電網の構築、断熱性能が高いエコ住宅の建設などでは、
新規需要や雇用が生み出される。
全体としてみれば、環境対応の強化は決してモノの需要の増加に
つながるわけではない。

グリーン・ニューディール政策については、欧州、日本から中国、
インドまで世界各国がオバマ政権に追随。
どんな国でも、政治は国民の幅広い支持が得られそうな政策や
キャッチフレーズに敏感。
政治が、グリーン・ニューディールを強調しすぎれば、
経済は停滞を続ける懸念がある。
景気回復には、グリーン・ニューディール以外の適切な需要創出策が必要。

省エネや様々な環境対応策がすでに具体化されている日本は、話が異なる。
グリーン・ニューディールが、需要を今の水準からさほど減退させない。
自動車は、すでに小型軽量化され、環境対応の進んだ車に乗り換えても、
原料などの需要減退の恐れは小さい。
ハイブリッド車、電気自動車の優遇策が、自動車の買い替え需要を
刺激することもあり得る。

環境省が発表した“日本版グリーン・ニューディール”は、
「緑の経済と社会の変革」と名付けられている。
施策は7分野で構成、環境対応の進んだ家電製品の購入を
支援することで話題となった「エコポイント」制度は、
「新3種の神器」と題された分野に含まれている。

エコポイントで最新鋭の家電に切り替わると、消費電力の減少によって
電力需要にはマイナスの影響が出る。
日本の電力会社は、夏場のピーク需要の抑制が発電設備全体の
年間平均稼働率上昇につながり、収益的にはプラスとなるため、
必ずしも悪い話ではない。
エコポイントによる家電の買い替え促進は、
経営不振の家電大手には強力な追い風に。

日本は省エネ対策が米欧に比べ先行したため、
1990年を基準年とする京都議定書のCO2排出削減は不利とされてきた。
京都議定書だけで言えばそうだが、先行したおかげで、
グリーン・ニューディール政策が景気刺激に大きな効果を持つ。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan090501.html

2009年5月11日月曜日

インタビュー・環境戦略を語る:富士ゼロックス・山本忠人社長

(毎日 5月4日)

カラー複写機・複合機の国内シェアトップを誇る富士ゼロックス
タイと中国を拠点として、東アジアとオセアニアの地域全体で
国境をまたいで機器を回収し、再利用する国際資源循環システム
昨年1月に構築、今年2月には顧客への環境戦略面での提言にも
今後注力する方針を打ち出した。
山本忠人社長に今後の抱負を聞いた。

--どうして国際資源循環システムを構築したか?

00年、日本で使用済み複写機の資源を、
ほぼ100%再利用するシステムを構築したのを機に、
海外にも活動を広げようと04年末に始めた。
回収済みの複写機を原料に戻し、再活用する拠点をタイに設け、
東南アジアやオセアニアなど9つの国・地域から国境をまたいで、
1カ所に集めることで機器の量を確保し、効率良く再資源化を行う狙い。
08年1月、中国・蘇州にも拠点を設け、
アジア東部とオセアニア全体での体制が完成。

--これまでの苦労と今後の課題は?

◆国境をまたいで中古機器をやりとりするため、
最初は各国政府からは戸惑う声があるが、狙いと意義を粘り強く説明し、
何とか理解を得てシステムづくりにこぎ着けた。
国際的な枠組みで、リサイクルの効率を高めるという、
従来にない枠組みを示すことができたと自負。
今後は、地域での環境意識を一層高め、回収率を向上させたい。

--日本での取り組みの進展は?

◆日本では、95年から部品自体の再利用に取り組む。
設計、生産からみれば、余計なことをするように映るため、
葛藤もあったが、長期的には顧客のためになるとの思いで実践。
当初は、新品を使うより費用がかかったが、
07年度には部品代を4億7000万円減らすのに貢献。
節約分は、環境面の研究開発投資に回し、良い循環を生み出している。

--2月には温室効果ガスの削減目標を新たに定めた。

◆生産、物流、顧客の使用、回収、再資源化までの全体で発生する
二酸化炭素を、20年度に05年度の7割に抑える。
複写機1台当たりの消費電力を80%、
製造時の二酸化炭素排出量を75%削減。
事務機器の無駄のない配置や、印刷を効率化し紙の使用量を
減らすことなどを提案し、環境負荷を減らすお手伝いをしたい。

--今後の抱負は?

◆今までの取り組みが大変だったのは確かだが、
それでも普通のことをやってきたに過ぎない。
「100年に1度の経済危機」だが、地球環境はもっと大きな危機に直面。
研究開発投資をより一層増やすなど、環境への取り組みをさらに加速。
==============
◇やまもと・ただひと

山梨大工卒、68年富士ゼロックス入社。常務、常務執行役員、
技術開発や生産管理を統括する専務執行役員を経て、
07年6月から現職。神奈川県出身。63歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/04/20090504ddm008020024000c.html

異常たんぱく質:効率よく処理する仕組みを発見

(毎日 5月5日)

細胞内に蓄積した異常たんぱく質が、効率よく処理される仕組みを、
奈良先端科学技術大学院大の河野憲二教授(分子細胞生物学)らが解明。

生命活動を支えるたんぱく質は、細胞内の小胞体で生み出されるが、
熱などの影響を受けると、異常たんぱく質が生まれる。
これが蓄積すると、小胞体表面の酵素が活性化し、
特定のメッセンジャーRNAを変化させ、異常たんぱく質を分解したり
修復したりするたんぱく質ができる。

河野教授らは、細胞を細胞質成分と小胞体成分に分離し、
変化前のメッセンジャーRNAがどちらに多く含まれるかを調べた。

その結果、このメッセンジャーRNAは、自ら生み出したたんぱく質により
小胞体表面につなぎ留められ、そこで変化して異常たんぱく質を
分解・修復するたんぱく質を生成していることを突き止めた。

異常たんぱく質の蓄積は、糖尿病やアルツハイマー病などの原因の一つ、
河野教授は「治療薬開発につながる可能性もある」
4月24日付の米科学誌「モレキュラー・セル」に発表。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/05/20090505ddm016040139000c.html

検証 橋下改革(1)反復学習徹底、低迷打破狙う

(読売 5月5日)

全国学力テストでの低迷打破を目指す大阪の試みは、
教育改革の試金石になるのだろうか?

「ヨーイ、スタート」
ストップウオッチを持った男性教師が声を掛けると、
5年生の児童約20人が一斉に「百ます計算」に取りかかる。
「はい」。開始から1分を過ぎると、計算を終えた児童が次々と声を上げた。
大阪府の南端、岬町立多奈川小学校
授業前の10分間で、子供たちは百ます計算と、割り算100問の
プリント2枚を素早くこなした。

「応用問題が弱かったのは、基礎基本が徹底していなかったから」
矢萩純子校長(58)。
2007年度から授業前の時間を活用、朝は漢字の音読や読み書き、
午後は計算と、全学年で週4日の反復学習に取り組んでいる。

同小では、児童の生活習慣の改善にも力を入れている。
バランスの良い朝食になるよう、保護者向けの調理実習を年3回開き、
今はほとんどの児童が朝食を食べる。

同小で、年3回実施する算数テストの08年度の平均点は91・2点。
ここ数年は横ばいで、数字上の効果は分からないが、
矢萩校長は「朝から反復学習をすることで脳が活性化し、
1時間目から授業に集中できている。基礎の力は付いてきた」

全国学力テストで、2年連続で全国平均を下回った大阪府。
昨年2月に就任した橋下徹知事が、学力テストの結果を受けて、
10月に打ち出した緊急対策の目玉の一つが、
授業前の10~15分を使った計算や漢字などの反復学習の推進。

府教委は学校への支援策として、小学校は約40種類、
中学校は約90種類の教材や、百ます計算の指導例を盛り込んだ
教員向けのマニュアルを作成、インターネットで取得できる。

政令市の大阪市と堺市を除き、すでに何らかの形で反復学習を
行っている小中学校は約8割。
以前から熱心な学校から消極的な学校まで、取り組み方はまちまち。

府内のある市立小学校の場合、朝は読書や集会、
教員の打ち合わせなどがあるため、継続的にできていない。
別の市立小学校の校長は、
「結果を求めすぎると、表面的な教育に陥る学校も出かねない」
効果は認めながらも、百ます計算に違和感を覚える人も。

反復学習が学力向上への切り札となるのか?
8月末に公表される全国学力テストの結果が、その一つの答えになる。

◆百ます計算

縦10ます、横10ますの百ますで計算を繰り返し練習する学習方法。
早寝、早起き、朝ごはんと共に、陰山英男氏が提唱する教育の中核。

◆橋下知事の主な教育施策
 ・「百ます計算」など反復学習徹底
 ・全小中学校で放課後学習支援
 ・全小中学校で習熟度別授業
 ・大手塾と提携した補習の実施
 ・携帯ゲーム機を活用した学習

◇トップダウンに抵抗感も

橋下知事は、過激な発言を織り交ぜながら、府教委や市町村教委を
批判することで、教育改革を進めてきた。
自ら〈改革請負人〉として招き入れた教育界の著名人たちのアイデアを、
府民に直接アピールする手法も取り入れ、
これまでの教育行政とは一線を画している。

象徴的なのが、昨夏に展開した教育委員会批判。
府教育委員との懇談で、橋下知事は「大阪の公教育は信頼を得ていない」
と切り出し、戸惑う委員らを「ビジョン、具体策がない」と切り捨てた。

3日後、全国学力テストで2年連続の低迷が明らかになると、
「このざまはなんだ」と一喝。
「教育非常事態」を宣言し、任期満了を迎えた委員2人を再任せず、
百ます計算の実践で知られる陰山英男・立命館小学校副校長らを
迎え入れた。

大手塾による放課後授業「夜スペシャル」の実践で知られる
東京都杉並区立和田中の前校長、藤原和博氏を
府教委特別顧問に招くなど、学力向上策を推進。
百ます計算などの反復学習のほか、
「ニンテンドーDSの活用」、「大手塾との連携」を打ち出した。

トップダウンの改革に、「いじめや不登校など、様々な課題を抱える
学校の実情がわかっていない」と、教員の抵抗感は強い。
習熟度別授業や放課後学習支援を全公立小中学校で展開することには、
「各校の実情を考慮してほしい」との声が漏れる。

◆橋下知事の教育を巡る主な発言2008年

2月29日 「最重要課題は教育。大阪の教育を日本一に」
3月5日 「業績評価がないのはあり得ない。頑張らない先生には厳しく対処を」
3月13日 「東大、京大に300人を送り込むような学校を」
8月29日 「教育委員会は最悪。このざまはなんだ」
2009年
1月21日 「学力も低い、体育も低いと何が残るんだ」
4月15日 「あらゆることをやった。(結果が)悪ければ僕の責任」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090505-OYT8T00283.htm

「笑顔印」は地産地消 一関市がシンボルマーク

(岩手日報 5月5日)

一関市は、地産地消を推進するシンボルマークを決め、
市内の産直施設など地場産品を販売する取扱店に、
マーク入りの店頭掲示用シールとPR用スイングポップなどを配布。
シンボルマークの公募には、市内外から36人、51点の作品が
寄せられ、

審査の結果、宮城県本吉町のグラフィックデザイナーで
室根町のスーパーの印刷物も手がける畠山敬治さん(60)の
作品が最優秀賞に選ばれ採用。
畠山さんは、一関市の「い」をモチーフに、
地産地消に取り組む人の笑顔をイメージ。
「消費者の印象に残りやすいように、かわいらしくシンプルなデザインにした」

市は、「おいしい一関を食べよう」とのキャッチフレーズを付けた
シールとスイングポップ各200個作製。
市内の通年営業産直やスーパーに配布する方針。
「マークのように地元のものを食べて、消費者も笑顔になってもらいたい」

2009年5月10日日曜日

ポスドク:1人採用で5百万円…文科省が企業に「持参金」

(毎日 5月6日)

ポスドクとして、大学や公的研究機関で働く人たちの
民間企業への就職を増やそうと、文部科学省が、
ポスドクを採用した企業へ1人につき500万円を支給。

国策として、ポスドクを増やしながら受け皿不足が指摘される中、
「持参金」で企業側の採用意欲を高める狙い。
文科省が企業対象の事業を実施するのは珍しく、
09年度補正予算案に5億円を計上。

政府は90年代、高度な研究人材を増やそうと、
大学院を重点化し、博士号取得者を増やした。
博士の受け皿となるポスドクは1万6000人超、
企業への就職は進んでいない。
日本経済団体連合会の06年調査で、技術系新卒採用者のうち博士は3%。

文科省の調査によると、ポスドクの6割以上は企業への就職も
視野に入れているが、企業側の技術系採用は修士が中心で、
85%が「過去5年にほとんど採用していない」
企業側が、「食わず嫌い」している状態。

文科省の新施策では、企業からポスドクの活用方針や業務内容、
支援策などの採用計画を募集。
科学技術振興機構で審査した上で、採択された企業に対して
ポスドク1人につき500万円の雇用経費を支払う。
支援期間は1年間だが、「使い捨て」にならないよう、
終了後のキャリア構想も審査。

文科省は、「実際に採用した企業からのポスドクの評価は高い。
何とかよい出会いを増やしたい」

http://mainichi.jp/select/science/news/20090506k0000e040013000c.html

肥満:増加で温暖化加速 10億人あたり、CO2が10億トン--ロンドン大試算

(毎日 5月6日)

肥満の人の割合が全世界で欧米並みに高まると、
10億人当たりの温室効果ガス排出量は、CO2換算で
最大10億トン増えるとの試算を、
英ロンドン大衛生熱帯医学大学院がまとめた。
食料生産に必要なエネルギーや、車の燃料消費の増加が原因。

04年の世界の人為起源による温室効果ガス排出量は、
CO2換算で約490億トン。
肥満の増加は、温暖化を加速するといえそう。
英の疫学専門誌電子版に発表。

体重が増えると体の維持や活動のため、より多く食べねばならず、
食料生産の需要が高まると考えた。
車1台に同じ人数が乗っても、燃費が悪化するほか、
徒歩が体の負担になるため車の利用が増えると想定。

BMI(体格指数)30以上の肥満人口が、3・5%だった英国の
70年代の「適正体重社会」と、2010年に予測されている
肥満人口40%の「太り過ぎ社会」の温室効果ガス排出量の差を試算。

その結果、太り過ぎ社会では適正体重社会より食料生産に必要な
エネルギーが10億人当たり19%増え、
排出量も年2・7億~8・1億トン増加した。

車では、燃費の悪化と利用頻度が上がり、排出量は年1・7億トン増加。
太り過ぎでの増加分は、4・4億~9・8億トンと推計。

06年の日本人男性の平均BMIは23・39、女性は22・47と、
まだスリムだが、米国では3人に1人、南太平洋の島ナウルで6割が
BMI30以上と推定、各国で太り過ぎ社会が到来。

研究チームのフィル・エドワーズ博士は、
健康体でいることが温暖化抑制にもなる。
自転車利用の促進、都市部への自動車乗り入れへの課金、
野菜の摂取など、肥満予防と温暖化対策の両方に効果のある
施策を推進すべきだ」と指摘。

◇栗山進一・東北大准教授(公衆衛生学)の話

BMI30以上の人が4割を占める社会は、世界的には予想。
仮定に基づいた研究だが、健康と温暖化の関係を考える上で意義がある。

http://mainichi.jp/select/science/news/20090506ddm002040006000c.html

恒久平和奏でる音色 奥州の正法寺で尺八

(岩手日報 5月4日)

奥州市の正法寺(伊藤大鑑住職)で、法要と尺八演奏会が開かれ、
境内に平和への祈りを込めた厳かな音色が響いた。
尺八愛好団体、都山流竹心会(千田聡山会長)との共催。
世界平和と人々の幸福を祈る目的で、
午前に法要、午後に演奏会が本堂で行われた。
千田会長は、「平和への祈りを込めて、一生懸命吹きたい」
「平和の山河」、「春の光」など8曲を演奏、
約100人の聴衆は本堂に響く幽玄な音色にじっと耳を傾けていた。
水沢区の浅井陽子さん(17)は、「初めて尺八を聞いた。
お寺で聞くと雰囲気があり、日本の音楽の美しさをあらためて感じた」

演奏会は、同寺が進める「人々に開かれた寺づくり」の一環。
秘仏の本尊、如意輪観世音菩薩も特別に開帳。

花王が狙う次の一手

(日経 2009-04-27)

容器包装リサイクル法では、市町村が食品トレー、ペットボトルなどの
廃棄物の再商品化をリサイクル事業者に委託し、
メーカーやスーパーなどの企業は、日本容器包装リサイクル協会を通じて
「再商品化委託費用」を支払う。

その費用の負担額が、おそらく1番多いとされるのが
トイレタリー最大手の花王。
2007年度の支払額は、14億円。
洗剤、シャンプー・リンス、化粧品など家庭用品の年間販売個数は20億個、
再商品化委託費は2位以下に大差をつける額。

家庭用品の容器の材料は、プラスチック。
プラスチック容器ができるまで、石油資源の採掘や容器製造工程での
電力消費などで、CO2を排出。
家庭用品の販売が増えれば増えるほど、CO2排出を促し、
花王は、容器材料のプラスチック使用量削減を推進。
対象の商品分野は、シャンプー・リンス、漂白剤、柔軟仕上げ剤、
ボディー用・手洗い用洗浄剤や、衣料用、住居用、台所用の各種洗剤など、
実に広範囲にわたっている。

これまで取り組んできた対策は主に3つ。
第1に、容器の小型化・薄肉化。
第2に、詰め替え製品の開発・販売拡大によるボトル容器の生産量抑制。
第3は、再生材料の活用推進。
例えば、衣料用洗剤「アタック」の計量スプーンはリサイクル材料を使用。

一連の対策によって、プラスチック使用量の削減がどのくらい進んだか?
2007年度プラスチック使用量は、小型化・薄肉化と「詰め替え」推進を
しなかった場合と比べ、61%減と試算。

「詰め替え」による削減率が41%、小型化・薄肉化の効果が20%。
「61%減」は、3万6900トンのプラスチックを使わずに済んだ計算、
CO2換算で6万3000トンの排出抑制。

商品の販売が伸び続けると、減量化努力が追いつかず、
プラスチック使用量の削減に至らない。
05、06、07年度と3年連続で、前年対比で増加。
1995年度の使用量を100とし、04年度は67、05年度は68、
06年度は70、07年度は72。

販売増とともに、容器の使用量が増えざるを得ない構造を改革し、
企業の成長とCO2排出削減を両立する道はないか——。

花王がいま直面している課題。
「やるべきことは、まだたくさんある」
花王環境・安全推進本部の松井貞部長。
技術開発の推進だ。

容器の小型化・薄肉化は、まだ余地がある。
容器材料の強度を今より上げ、薄肉化をさらに追求する。
詰め替え用のパウチ(袋形の容器)の改良も進めている。
袋状のパウチと同等の樹脂量で、ボトル状で変形しにくい「超薄肉」の
製品を昨年開発、秋からシャンプーなどに採用。
プラスチック使用量削減に直結する技術的なテーマはまだ多い。

「企業の社会的責任(CSR)調達」も、取り組むテーマが多い。
容器の調達先は、CO2排出抑制に取り組んでいる企業を選ぶ、
原料の樹脂メーカーについてもCO2排出量をチェックする。
容器の製造元が、花王の工場に近ければ近いほど、
トラックの輸送距離が短くて済むのでCO2排出が抑制でき、
こうした点も調達先選びの判断材料に。

期待が大きいのが、原料に石油を使わない植物由来の「バイオプラスチック」
原料の植物は、成長過程でCO2を吸収するため、
バイオプラスチックはCO2の排出を増やさずに済む
「カーボンニュートラル」な素材として注目。

バイオプラスチックは、家庭用品向けとして、いくつものハードルがある。
OA機器用など実用化が進み、花王も昨年12月、
「ポリ乳酸樹脂」という植物由来プラスチックを改質した
「エコラ」(商品名)の開発を発表。

現在のバイオプラスチックは、家庭用品の容器にした場合、
充てんした洗浄剤など中身の成分が影響を受ける心配があり、
家庭で長く保管した場合などの耐久性もまだ不安がある。
価格も、商業ベースに乗るにはまだ遠い。
現在の容器材料の価格に比べ、バイオプラスチックは何倍もする。

家庭用品向けのバイオプラスチックは、性能や生産技術の開発が
まだ緒に就いたばかり。
以前から問題意識を持ち、打つべき手を打ってきたからこそ、
「脱・炭素社会」への次のテーマが明確に見えてきた。
企業にますます求められるCO2削減の取り組みで、
花王は確実に一段上のステージへ昇った。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan090423.html

2009年5月9日土曜日

パンデミックに挑む:押谷仁さん=東北大教授(ウイルス学)

(毎日 5月5日)

押谷仁さん=東北大教授(ウイルス学)

世界保健機関(WHO)の感染症地域アドバイザーとして、
マニラに赴任していた02年、新型肺炎(SARS)が発生。
事態収束の現場指揮にあたった。
帰国後、その経験から政府の新型インフルエンザ対策に
厳しい注文をつけ続け、行動計画の改定につながった。
新型インフルエンザの発生以降、連日メディアに登場。
状況分析と対策の要を説き続けている>

医学を志したのは、世界を舞台に活動したかったから。
インフルエンザを研究したが、研究室にいても面白くない。
卒業後間もなく、JICA(現在の国際協力機構)の仕事で3年間、
アフリカのザンビアで感染症対策に当たった。

その後、公衆衛生学を学ぶため、米国に留学。
その時、香港で鳥インフルエンザが発生。
それまでも専門家の間で話題になっていたが、
新型は本当に発生すると、強く意識するようになった。

SARSを経験して帰国した時、国内の新型インフルエンザ対策は当初、
水際対策と地域封じ込めだけで、
国内発生後の対策は何も考えていなかった。

今回新型インフルエンザが発生し、
世界的大流行(パンデミック、フェーズ6)目前の状況。

専門家ばかりで議論しても仕方がない。
国民にも、冷静に地域で議論する場を作ってほしいと願っている。
==============
◇おしたに・ひとし

東京都出身。東北大医学部卒。99~05年、WHO西太平洋地域事務局の
感染症地域アドバイザーとして、発生したSARS対策の指揮を執り、
新型インフルエンザ対策を練った。05年9月から現職。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/05/20090505ddm013100143000c.html

そば街道、いざ発進 八幡平市の団体が地域をPR

(岩手日報 5月5日)

八幡平市「八幡平そば街道の会」(小笠原寿男代表)に参加する
店舗は、同市産そば粉を使った手打ちそばを提供する
「八幡平そば街道」をスタート。

そばやつゆの味など、一定の品質管理も実施。
市内全域でそばが食べられる「街道」をつくり、地域をPRするとともに、
ソバ生産者の支援や、器など安比塗漆器の利用拡大にもつなげる。

同市大更の道の駅にしねで、そば街道の会のメンバーがそば打ちを実演。
約二百食を観光客にふるまった。

仙台市の会社社長山崎邦男さん(62)は、
「そばの味が濃く、シコシコしておいしい。また来たい」と堪能。
孫の関根未羽(みう)さん(9)と汐亜(ゆあ)さん(7)は、
「楽しそう。家でもやってみたい」と興味深くそば打ちを見つめた。

道の駅にしねでは毎日、八幡平市高畑の不動の滝レストハウス内の
「※心(きしん)亭」は土、日曜日と祝日に提供。
同市田の沢の加幸屋のぼる内の「そば工房のぼる」は、
注文があれば打ったそばを販売する。
同市保戸坂のカフェレストラン「ぱぱなっしゅ」は、
ランチで手打ちそばを出す。いずれも数量は限定。

岩手山焼走り国際交流村、あずみの湯なども参加する予定。
参加店舗は「八幡平そば街道」ののぼりを掲げる。
そば粉は、主にわんだい農園と田山営農組合から良質を
条件に通常より高値で仕入れる。
参加店には安比塗漆器の利用も勧める。

そば街道の会の発起人の一人で、そば打ち指導も行う
石田秀悦さん(49)=豆腐店・ふうせつ花代表=は、
「生産者支援のため、そば粉のブランド化を図るとともに、
器をかたどる木地師の育成にもつなげたい」
※は、「森」の「木」が「七」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090505_12

糖尿病患者が笑って健康に

(2009年4月28日 WebMD)

笑いは、糖尿病患者の心臓に非常に良い効果をもたらす
可能性があることが、新しい試験で明らか。
この試験は、ロマリンダ大学のLee Berkと
オーク・クレスト・ヘルスリサーチインスティチュート
(カリフォルニア州ロマリンダ)のStanley Tanによるもの。

血圧(高血圧症)、コレステロール値(高脂血症)が高い
ハイリスク2型糖尿病患者20例を対象として試験を実施。
すべての患者に通常の治療が行われた。

患者の半数に笑えるビデオを選び、1日に30分以上見るよう指示。
「もっと見たいと思えば見てよいこととした」
患者はTV番組や映画など、自分が笑えると思うものを
好きなように選んだ。
「患者にとって、何が「おかしい」かを検討する必要はなく、
また可能ではなかった」

これらの群を笑い群とし、それ以外の患者を対照群とした。
1年間の試験中、2カ月毎に患者の血液検査が実施。

2カ月後、笑い群の患者では対照群の患者よりも
HDL(「善玉」)コレステロール値が改善。
4カ月後、笑い群ではいくつかの炎症物質の血中濃度が低下。
このパターンは、心血管系疾患リスクの低下を意味すると、
Berk博士とTan博士は指摘。

Experimental Biology 2009の一環、米国生理学会年次総会で発表。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/28/96232/

鳥類にも「音楽を聴いて踊る」能力ありと、米研究

(CNN 5月1日)

音楽を聴いてリズムを取り、踊る能力があるのは
人間だけではなく、鳥類にも見られるとする研究結果を、
米国の研究者2人が別々に専門誌に発表。
インターネットの動画投稿サイトに寄せられた、
ペットのオウムが音楽に合わせて踊るビデオを分析した結果。

ハーバード大学のアデナ・シャッハナーさんは、
動画投稿サイトのユーチューブに掲載された、動物が踊るビデオ
1000本以上を調査。
オウム14種とゾウが、拍子を取っていたことを確認。

ユーチューブに2007年に掲載、219万回以上も再生されている
オウム「スノーボール」が、バックストリート・ボーイズのヒット曲
「エヴリバディ」に合わせて踊るビデオについて、
コマ送りで動きと音楽の相関性を調査。

スノーボールは、音楽を聴きながら頭を振り、足を上げてリズムを
取っているが、その動きが偶然ではなく、音楽を聴いて反応している。

シャッハナーさんの研究グループは、
別のオウム「アレックス」についても調べた。
アレックスは、ドラムとベースの音に合わせて頭を振っていた。

サンディエゴの神経科学研究センターのアニルド・パテルも、
シャッハナーさんとは別に、スノーボールについて調べ、
スノーボールがリズムに合わせて踊り、
それを表現する能力があると結論。

音楽を聴くという能力は、聞いた音を真似ることが出来る能力と
関係があるのではないかと推測、
「発生学習」が出来るとされている別種の動物についても、
同様の能力がある可能性がある。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200905010029.html

2009年5月8日金曜日

理系白書’09:挑戦のとき/9 PDエアロスペース社長・緒川修治さん

(毎日 5月5日)

東海道の宿場町の風情が残る名古屋市の住宅街に、
緒川修治さんの「夢の工場」がある。
実家敷地内の10畳のプレハブがオフィス。
隣接する工房には、手作りの燃焼実験室も備える。

宇宙空間(高度100キロ)まで、低コストで往復できる有人宇宙機を、
民間で開発することが目標。
膨大なコストがかかるロケットに代わる輸送手段を実現する技術に、
「パルスデトネーションエンジン」(PDE)を選んだ。

金属筒に燃料と空気を入れて点火すると、爆発的に燃える。
爆発で低圧になった燃焼室に、外部から新たに燃料と空気を供給し爆発。
この繰り返しで推進力を生む仕組みが、PDE。
単純で故障のリスクが少ない。

緒川さんはこのPDEに、ジェットエンジンとロケットエンジンの
両方の機能を盛り込む計画。

子ども時代の目標はパイロット。
何度も受けた試験は不合格。
航空機を作る仕事に目標を切り替えた。
34歳の時、米国で民間による有人宇宙機コンテスト「Xプライズ」が開かれ、
わずか数十人の企業が宇宙機開発を成功。
「日本でもやってやれないことはない」と07年、起業。

ゴールは、「14年のクリスマスまでに、有人宇宙機を完成させる」
酸素がなくなる高度15キロ以上は、自前の酸化剤から酸素を供給。
製造コスト、運用コスト、信頼性のすべてで、既存エンジンを超える
この「切り替え法」を特許申請。

欠点は、燃焼が安定しないこと。
緒川さんは、PDEのベースとなる「パルスジェットエンジン」を自作。
1・6メートルのデモ機に搭載したテストは昨年、3度試みた。
1回目は離陸できず失敗。
2回目は離陸したが、エンジンが作動不良を起こした。
3回目は1分間飛んで無事着陸できた。
「ほっとした。ただこんなものはおもちゃ」と表情を引き締める。

夢をかなえるための資金を、90億円と見積もった。
政府の助成金を申請し、スポンサー探しに奔走。
不景気は逆境だが、「本当に好きなことならがんばれる。
『無理』と言う前に、やることがたくさんある」

筑波大、九州工大、名古屋大など7者による共同開発のめどもたった。
町工場の社長が、部品を無料で作ってくれた。
生涯のうちに、欧州旅行並みの39万8000円で宇宙旅行を実現したい。
現在、米企業が提供する宇宙旅行は2000万円。
「家族で行って、子どもに宇宙から地球を見せてほしいから」
==============
◇おがわ・しゅうじ

名古屋市生まれ。福井大工学部卒。
三菱重工業で次期支援戦闘機開発に4年間かかわった後、
01年、東北大大学院で修士号取得。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/05/20090505ddm016040137000c.html

技術者、年間55人養成へ 北上のDEセンター

(岩手日報 5月2日)

県と北上市が、北上オフィスプラザ内に設置した
「いわてデジタルエンジニア育成センター」は7月から本格始動。

自動車や航空機などの大手企業が採用し、次世代ものづくりに
欠かせない高度三次元設計システム「CATIA」に特化した
国内最大級の「人財育成拠点」。
総事業費約6000万円、年間55人のCATIA技術者を養成。

同センターは、求職者や企業在職者、高校生や学生、教職員を
対象に、最大10カ月の講座(実技、学科)を全10種類、16回開講。

求職者向けは、
▽CATIAを中心に三次元設計、加工、解析、測定などの
総合的なデジタルものづくり技術
▽三次元CADで最大シェアを占めるソリッド・ワークス技術
▽金属NC加工技術
-などの5講座。

企業在職者向けは、CATIA実技基礎講座。
黒沢尻工高専攻科の生徒、教職員向けにソリッド・ワークスとCATIAの2講座、
県立産業技術短大産業技術専攻科向けにCATIAを中心にした講座、
県内実業高校の教職員向けのCAD講座も開講。

2007年度に本格始動した北上市三次元ものづくり革新プロジェクトの
講座を拡充。
経済産業省の地域企業立地促進等補助事業を活用し、
CATIA関連機器を従来の4台から22台に増強。
北上市の地域講師は、現在の4人から6人に増やす。

年間55人のCATIA技術者を含む三次元コンピューター
利用設計システム(CAD)技術者を、計141人養成する計画。
5月中にも、求職者向けのCATIA技術者養成講座(前期15人)と
ソリッド・ワークス技術者養成講座(同10人)の募集を始める。

同プロジェクト統括責任者で同センター責任者の三浦範和さん(42)は、
「不況で業界は苦境に立つが、二、三世代先を見据えた技術開発の手は
緩めていない。業界ニーズに応える人財育成をしなければならない」

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200905/e0905021.html

成人の半数以上、「宗旨替え」経験ありと 米国

(CNN 4月28日)

米国の成人の半数以上に、1度でも信仰する宗教を変えた経験が
あることが、調査機関ピュー・フォーラムが発表。
「無宗教」の割合も増えていた。

全米の成人2867人を対象、生まれ育った家庭の宗教と、
現在の信仰する宗教について電話で調査。
同じ宗教でも教派を変えたり、同じ教派でも教会を変えた経験などを質問。

子供のころと違う宗教を信仰しているとの回答は44%、
子供のころと同じだが過去に1度でも変えた事があるとの回答9%を含め、
過半数以上が宗旨替えしていた。

変更の理由は、「引っ越し」、「結婚相手の宗教に合わせた」、
「通っていた教会の牧師が嫌い」、「別の教会の牧師の方がよかった」など。

生まれ育ってから一度も宗旨替えしていない割合は47%、
過半数を割り込んだ。
「信仰している宗教がない」という無宗教層が急激に増加、16%。

宗教を信仰しなくなった理由として、
「宗教心に篤い人々は、偽善的で物事を一面だけで判断する」、
「宗教指導者がお金や権力にこだわっている」といった批判的なもの、
「科学により宗教がある種の迷信だとわかった」ことなど。

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200904280015.html

「肥満は地球環境に優しくない」 英研究チームが試算

(CNN 4月21日)

スリムな体型を維持すれば、地球温暖化を食い止める一助にもなる、
という研究結果を、英ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院
(LSHTM)の研究チームがまとめた。

研究では、肥満の指標となるBMI(体格指数)分布について、
英国の1970年代の統計と2010年の予想値を比較。
肥満の人が人口に占める割合は、1970年代の3.5%から、
2010年には40%に増えると予想。

肥満人口が40%を占める状況で、必要な食物エネルギーは、
3.5%が肥満の場合に比べて19%多くなる。
食物消費量が19%増えれば、
地球温暖化ガスの排出量は2億7000万トン増える計算。

世界で肥満の大人は約3億人、太りすぎの大人は10億人、
中国、欧州、米国などの各国でBMIの値は上昇。

体重が重い人が動くためには、それだけ多くのエネルギーが必要になり、
輸送のための燃料もかさみ、温室効果ガスの排出量が
それだけ増えると、研究チームは指摘。

LSHTMのフィル・エドワーズ講師は、
「自分のためにも地球のためにも、スリムな体型を維持した方がいい」

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200904210021.html

2009年5月7日木曜日

県が医療機器産業を強化 自動車、半導体に続く柱に

(岩手日報 5月6日)

県は、コバルト合金関連の生体用機器実用化も含め、
約2200万円を予算化。
産学官で組織する会議を開き、年内にビジョンを策定。

県は昨年8月、産学官47団体で組織する
「いわて医療機器事業化研究会」を設置。
ビジョンは同研究会と連携して、県内の医療機器関連シーズ(素材)を集め、
地場企業の参入、産学官連携による研究開発、展示会出展など
による販売・市場化戦略を描く。

有識者を、医療機器事業化マネジャーとして配置、
大手メーカーの情報収集や地場企業とのマッチングも展開。
2010年度に、大手企業への部品サンプル供給、
12年度は部品供給、相手先ブランドによる生産(OEM)受託を視野に、
13年度にも製造販売を目指す考え。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090506_2

ガムに成績向上や減量の効果? メーカー出資の米研究

(CNN 4月28日)

ガムをかむことで、生徒の学業成績が上がったり、食欲が抑えられ
ダイエットの助けになったりするとの研究結果が、
米国の実験生物学会で報告。
いずれの研究も、大手ガムメーカー系の「リグレー科学研究所」が
資金を出しているため、結果を疑問視する専門家もいる。

1つは、ベイラー医科大のチームが実施。
テキサス州ヒューストンの学校で、8年生(中2に相当)108人を
2つのグループに分け、一方には宿題をしたりテストを受けたりしながら
ガムをかむよう指示。
もう一方は、ガムをまったくかまないグループとした。

14週間にわたる追跡調査の結果、ガムをかんだグループは
かまなかったグループに比べ、数学の標準テストの点数が3%高くなる
など、全般的に成績が良くなることが分かった。

教師らの報告によれば、ガムをかんだ生徒たちには、
集中力が長続きする傾向がみられた。

ルイジアナ州立大のチームによるもう1つの研究では、
115人を対象に、ガムと食欲の関係を検証。
昼食後に毎時間3回ずつガムをかむと、高カロリーのおやつが減る。
ガムをかんでいると、甘いものを食べたいという欲求が抑えられる。

ニューヨーク大の栄養学者、マリオン・ネスル博士は、
「ガムは、カロリーがあってもごく少ないので、
ダイエットが促進されるなら有用といえる」

「それぞれの研究の目的はただひとつ、ガムの販売促進だ。
メーカーに都合の良い結果が出るのは当然だろう」と批判。

業界とは直接関係のない研究でも、ガムの効用はすでに指摘。
米歯科医師会(ADA)は、「食後20分間、砂糖不使用のガムをかむと、
虫歯予防に役立つ」との見解。
かむ行為によってだ液が分泌され、口中の酸や細菌を洗い流すため。
だ液は酸を中和するので、胃酸逆流の症状に効くとの報告。
ガムをかむことで、脳への血流が最大25%増加するとの説。

オハイオ州クリーブランド・クリニックのマイケル・ベニンガー博士は、
「ガムは喫煙と違い、ほとんど害がない。
顎関節症や慢性の緊張型頭痛があったり、
夜間に歯ぎしりをしたりする人を除けば、害より利点のほうが大きい」

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200904280027.html

13カ国で宗教の自由侵害が深刻 北朝鮮、ミャンマーなど

(CNN 5月2日)

世界各国の宗教の自由の現状を調べていた、
超党派の米連邦委員会は、年次報告書を発表、
侵害の度合いが深刻な国として、ミャンマー(ビルマ)、北朝鮮、中国、
イランなど13カ国を列挙。
エリトリア、イラク、ナイジェリア、パキスタン、サウジアラビア、スーダン、
トルクメニスタン、ウズベキスタンにベトナムも含まれる。

同委は米政府に対し、これらの国を、宗教の自由で特段の懸念がある
国に指定するよう促した。
同委のメンバーは大統領、議員によって任命。

侵害について監視すべき国として、アフガニスタン、ベラルーシ、
キューバ、エジプト、インドネシア、ラオス、ロシア、ソマリア、
タジキスタン、トルコにベネズエラを挙げた。

特に、パキスタンの北西辺境州などに拠点を持つイスラム強硬派勢力
タリバーンに強い懸念を表明。
影響力を及ぼす地区などで人権、宗教を侵害し、
女性などに過酷な行動の規制を敷いていると批判。

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200905020007.html

宇宙からおいしいお茶選び JAXAと佐賀大など研究

(朝日 2009年4月29日)

人工衛星の目でおいしい茶葉選び――。

上空約700キロから撮影された宇宙航空研究開発機構(JAXA)の
衛星画像を解析し、茶葉に含まれるうまみ成分を測る試みが、
佐賀県嬉野市で進められている。

佐賀大やJAさがなどが、JAXAとの共同研究事業
「宇宙オープンラボ」で手法を開発。
最もおいしいとされる茶葉は、「衛星の恵み」の銘柄で売り出されている。
開発の中心は、佐賀大理工学部知能情報システム学科の
新井康平教授(60)。
衛星のセンサーが発する波長0.75~1マイクロメートルの近赤外線を、
茶園の上空から撮影した画像上で赤く表示させたところ、
茶葉に窒素の含有量が多いところほど、赤が濃くなった。

窒素の含有量が多い方が、アミノ酸の一種テアニンの含有量も多い。
食物繊維が少なければ、うまみと甘みに富む「生き生きとした茶葉」に。
新井教授は、「画像を活用すれば、農家は自宅のパソコンで
茶園の状態を把握できる。製茶会社も、産地から品質のいい茶葉を
選んで取り寄せられる」と利点を説明。
「衛星の恵み」は、窒素6%以上、食物繊維18%以下。
嬉野市の約千カ所の茶園のうち、この基準を満たすのは約30カ所。
100グラム2袋セットで4600円から。
問い合わせはJAさが うれしの大型製茶工場(0954・20・2377)。
全農のサイト「JAタウン」でネット通販も。

2009年5月6日水曜日

碁石観光まつり開幕 県外からの観光客多く

(東海新報 5月5日)

大型連休中の目玉行事・大船渡碁石海岸観光まつりが開幕。
穏やかな陽気に恵まれる中、焼きカキや海鮮鍋販売では
長蛇の列ができ、訪れた観光客らは地元産のおいしさを
満喫しながら多彩なイベントを楽しんでいた。

開幕式では、第11代のつばき娘お披露目に続き、
主催者を代表してまつり実行委の齊藤俊明委員長が、
「本格的な観光シーズンを告げる催しで、誰もが楽しめるイベントを
用意しています」とあいさつ。

甘竹勝郎市長、佐藤丈夫市議会議長のあいさつに続き、
お祝いのもちまきが盛大に行われ、開幕を告げた。

会場には、今年初めて大船渡水産物流通研究グループ(新沼敬司会長)
による「カキ小屋」が設営。
食べ放題のテーブルでは、家族連れらが焼きたてを満喫、
一皿ずつの販売にも磯の香りに誘われるかのように長蛇の列。

毎年恒例の海鮮鍋や地元食材による弁当販売、
ワカメ詰め放題も好評。
昨年、貝毒検出を受けて見送られたホタテの炭火焼きも行われ、
地元産の新鮮な食材を生かしたもてなしで来場者を歓迎。

長安寺太鼓、盛岡さんさ踊りの披露に続き、大船渡高校吹奏楽部が
爽やかなハーモニーを響かせた。
特設ステージで行われたホタテ貝殻積み上げ王者決定戦では、
子どもたちの奮闘する姿に、見物客から盛大な歓声や拍手が送られていた。

駐車場は満杯状態が続き、臨時駐車場を設けた赤土倉漁港付近を結ぶ
無料シャトルバス利用者も多かった。
大阪や名古屋など、駐車場では県外ナンバーの車両も多数見られた。

碁石七福神の郷土芸能披露、大船渡東高校太鼓部演奏、
ホタテ釣り名人決定戦、雷岩大声大会などを予定。
焼きカキや海鮮鍋などの販売も行われ、「あんこ椿」を用意した
同校チャレンジショップも設けられる。

http://www.tohkaishimpo.com/

野菜工場、旬なんです 不況を逆手、遊休施設を転用

(朝日 2009年5月3日)

企業が、工場などの施設内で野菜を効率的に育てる「野菜工場」が、
3度目のブームを迎えている。
消費者の「食の安全」に対する関心が高まる一方、
不況で操業を停止した遊休設備を有効活用できる利点。
新規参入を支援するビジネスも、熱を帯びつつある。

埼玉県秩父市の県営工場団地。
半導体部品メーカーの倉庫の一室で、無農薬のレタス栽培が始まった。
長さ17メートルの3段の棚には、青々としたレタスが並ぶ。
太陽の代わりに蛍光灯、土の代役に栄養分をバランス良く含んだ
溶液を使って、年45トンを生産。

野菜工場を運営するのは、キユーピーの元社員らが
昨年9月に設立した「野菜工房」
周藤一之副社長は、「室内で管理して育てたレタスは細菌が少なく、
3週間は日持ちする
4月初めから出荷している地元スーパーへの卸売価格は、
露地栽培の1.3~3倍だが、売れ行きは好調。

野菜工場は温度や湿度、二酸化炭素排出量などを徹底管理し、
1年を通じて野菜を栽培。
蛍光灯などを使って、地下でも栽培できる完全制御型(国内約30カ所)、
ガラスの温室を利用した太陽光利用型(同約20カ所)がある。

野菜工場はもともと80年代に、大手スーパーなどが
人工の光で野菜をつくれるかどうかを研究するために始まった。
第2次ブームの90年代後半、水耕栽培技術の向上で参入企業も増えた。
工場設置費用の負担は重く、野菜の販路確保も難しいため、
なかなか定着しなかった。

転機は、昨年の中国製冷凍ギョーザによる中毒事件。
野菜でも、高い品質管理をうたう国産を選ぶ傾向が強まった。
狭い空間で栽培でき、不況で閉鎖した工場を活用したいという
機運も追い風に。
独自のノウハウが必要なため、新規参入組を支援する関連ビジネスが
急速に広がっていることも、第3次ブームの特徴。

三菱樹脂は、民事再生手続き中の農業資材専門商社の
水耕栽培事業を近く買収し、11年から、野菜工場の運営に必要な
ノウハウや設備をまとめて販売する事業に乗り出す。

先行組も、収益拡大の好機とみる。
90年代から野菜工場の設置を始めた大成建設は、
野菜栽培ベンチャーと連携。
工場設置から販路まで、総合的に支援する事業を始めた。
遊休設備の活用を狙う精密機械や電子部品会社などから、
約70件の引き合いがある。

三菱総合研究所は今月末、野菜工場の関連ビジネスに参入を
目指す企業の研究会を発足。
酒井淳子研究員は、「野菜工場は初期投資がかさむため、
短期間では収益を上げにくい。
中長期的に利益を生みだす事業と位置づければ、
国内に定着する可能性は十分ある」

http://www.asahi.com/business/update/0502/TKY200905020155.html

学生発 フリーペーパー、全国200以上

(朝日 2009年4月27日)

大学生が作るフリーペーパーが続々と生まれている。
全国で200以上。
学生自身が広告をとり、記事の取材や編集をし、配布まで行う。
自分たちの書きたいことだけを書いて満足するのではなく、
読者や広告主を満足させる誌面を目指す。

◆美大発 高品質を企業が評価

「この色は目立ちすぎ」
「こっちのデザインの方が見やすい」
東京都国分寺市のビルの一室。

フリーペーパー「PARTNER(パートナー)」のスタッフが、
誌面の試し刷りを囲んで議論。
納得できる仕上がりになるまで、話し合いは続く。

昨年、大学生によるフリーペーパーのコンテスト
「スチューデント・フリーペーパー・フォーラム2008」
立命館大の「CREW」、北九州市立大の「WATCHa!!」など、
東北から九州まで72誌の応募、優勝したのが「PARTNER」。
07年4月に創刊。

多摩美術大、武蔵野美術大、女子美術大など
東京近郊の美大生約20人が中心。
授業で様々な作品を作っているが、学外で発表する場が少ないことから、
多くの人の目に触れる場として雑誌に挑戦。

発行部数は3万部で、年4回発行。
全国の美大35校に置かれている。
広告やアート業界で働く先輩のインタビュー、就職や留学に関するアンケート
といった特集が並ぶ。
美大生が作っているだけあり、写真や誌面デザインのレベルは高い。

多摩美術大2年の高木皓平編集長は、
「作るのも読むのも美大生。今学生が求めていることが分かる」
広告は3社と年間契約、トヨタやソニーなどの大企業から入ることも。
美大生に確実に届く媒体であることが評価。

◆岐阜発 県内の大学結びたい

発行意欲は、地方の学生も同じ。
岐阜県内で出されている情報誌「GIFT(ギフト)」は、
岐阜や名古屋の大学に通う学生で作る団体「岐阜人」が07年から発行。
年4回、1万部をキャンパスや駅前で配っている。

同県内の大学は、それぞれの所在地まで距離が遠く、
大学間の交流はほとんどない。
編集部の岐阜市立女子短大2年、神原千恵さんは、
「周りの学生は、家と学校の往復だけ。サークルも活発じゃない」

名古屋に近く、学生は「名古屋に比べて何もない」と思いがち。
大学間をまたいだ団体をつくって、学生同士をつなぎ、
岐阜の魅力を伝えたい、と創刊を決めた。

岐阜大大学院2年の中尾祐也・岐阜人代表は、
「自分の足で歩いて探せば、楽しい場所はいろいろあるし、
魅力的な人もいる。もっと外に出よう、と提案したい」

大学生がどんな記事を求めているのか、試行錯誤。
最も人気があるのは、お店紹介のページ。
おしゃれな学生のスナップも、「友達が載っているかも」と
手に取ってもらうきっかけに。
サッカーJ2のFC岐阜の応援ページも作った。

◆講座発 早大有数の人気科目

フリーペーパーを学問として学ぶ大学も。
早稲田大では昨年度から、全学共通科目として
「フリーペーパー講座」を開設。

定員50人に、400人以上が応募する人気科目に。
実際に、フリーペーパーを発行する会社関係者らを講師として招き、
自社の戦略や国内外のフリーペーパーの歴史を語ってもらう。

講座から生まれたフリーペーパーの一つが、「Re:ALL(リアル)」
文化構想学部の学生が今月創刊。
創刊号の特集は、「文構って何?」
同学部は07年にできたばかりで、同学部3年の西山武志編集長は
「他学部の学生や企業に配ったり、受験生向けのイベントを開いたりして、
文化構想学部の知名度を上げたい」

◆昔は同人誌 今はビジネス

なぜ、学生はフリーペーパーにひかれるのか?
早大メディア文化研究所の森治郎客員教授によると、
(1)学内や地域の情報
(2)サークルや趣味
(3)就職やキャリア形成、を扱うものが多い。
「有料誌に見劣りしない質の高いものが増えた。
(1)は、学生が地元を歩くことで、地域活性化につながる可能性もある」

同人誌のようなミニコミ、学生新聞は昔からあった。
今の学生は、フリーペーパーづくりを通じてビジネスを学んだり
社会とつながったりしたいと考えているのが特徴。

誌面づくりのソフトの値段が安くなり、操作も簡単になったことも、
フリーペーパーを身近にした。

早大の学生だった丹羽健二さん(24)は07年8月、
ベンチャー企業やマスコミなどのアルバイト情報を載せる
「キャリアバイト」を1人で始めた。
学生時代から起業に関心があり、ベンチャー企業で社員と同等に働いた。
「お金をもらいながら成長できた」

その経験から、アルバイトをする学生に
「仕事力を高め、自分の夢につなげる働き方を広めたい」と、
ベンチャーなどに絞った求人情報誌を作る。
卒業した昨年、ネット関係の会社を立ち上げ、
キャリアバイトも事業の一つにした。

編集部には早大の後輩、東京大、上智大などの約20人が加わった。
年6回発行で、首都圏の大学に、計1万部を手渡ししている。
記事は、仕事に関するインタビューやコラムと、
アルバイトやインターンの求人広告が中心。
現在の編集長で早大4年の中村翔さんは、
「求人広告を出してくれた会社から、キャリアバイトを見て来る学生は
意識が高いと言われると、やりがいを感じる」

◇フリーペーパー

広告収入を財源に、無料で定期的に発行される新聞や雑誌。
日本生活情報紙協会の06年の調査では1200紙、計3億部が発行。
宅配や駅などにラックを置いて配布するものが多い。

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200904270102.html

若田さん、ふわり 「宇宙舞踊」に挑戦

(朝日 2009年5月3日)

国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の若田光一さん(45)が、
日本の実験棟「きぼう」で、世界初の「宇宙舞踊」に挑んだ。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、画像を公開。
若田さんは顔に化粧をし、帝釈天をイメージしたという独特の衣装で、
宙を舞った。

宇宙舞踊は、お茶の水女子大名誉教授の石黒節子さんが考案。
無重量状態を生かし、中国・敦煌の壁画に描かれた飛天や、
法隆寺の聖徳太子の座像をもとに、動きを考えた。
4月30日に実施。

首周りに、長さ約3メートルの「ひれ」がついた白っぽい衣装を着た
若田さんは、顔に銅色系のクリームを塗り、髪形も整えて登場。
機器類を布で覆って、「舞台」に見立てたきぼうの中で、
体をU字に反らして飛んだり、あぐら座で浮いたり、
手にした造花の花びらに息を吹きかけて散らしたり。
予定にはなかったバック転も披露。

石黒さんは、「無重量でしかできない美しい動きがテーマ。
衣装やメーク用品は規制が厳しかったが、
踊りに欠かせないのでこだわった」

化粧品は、資生堂の市販品が中心で、米航空宇宙局の検査を経て、
ISSへの持ち込みが認められた。

http://www.asahi.com/science/update/0501/TKY200905010319.html

2009年5月5日火曜日

海洋産業振興に本腰 県、指針策定へ体制強化

(岩手日報 4月30日)

県は、三陸沿岸海洋産業振興指針(仮称)を策定。
水産加工品開発や観光産業振興、海洋バイオテクノロジー研究など、
部局ごとの関連施策を総合的に推進して、海洋産業の振興を図る。

達増知事が提唱する「海洋版シリコンバレー」の具体化を目指し、
地域振興支援室内に特命課長を配置して、組織体制を強化。
同様の取り組みは全国でも少なく、
三陸の豊かな資源を有効活用した本県独自の施策を本格推進。

指針は、国と地方が連携して、海洋施策を推進するとした
国の海洋基本計画(2008年)を受け策定する。

海の資源に着目した産業の仕組み構築が、基本施策。
研究機関のネットワーク化、起業支援、人材育成などの取り組みを推進。
水産加工・流通、海洋バイオ、海洋資源開発、観光産業など、
各分野の課題や施策方針をまとめて一体的に進める。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090430_1

特集:マータイさんに旭日大綬章(その2止) 共感、世界に広げて

(毎日 4月30日)

マータイさんが、世界に発信する地球環境と平和のための合言葉
「MOTTAINAI」が、各国のメディアから相次いで取り上げられている。

米CNNは、マータイさんの活動を取り上げた番組「リビールド」を放映。
ノーベル平和賞受賞までのマータイさんの活動を振り返り、
名誉会長を務めるMOTTAINAIキャンペーンを紹介。
宇都宮市で開催された、第2回もったいない全国大会での基調講演や
市民の反応、同市立中央小での植樹の風景などを放映。

マータイさんは、「地球は特別な惑星ですが、資源は限られています。
日本で、MOTTAINAIという考え方に出会い、感銘を受けました。
たった一つの言葉が、多くのことを含んでいる。
この言葉を、世界で共有したい

「いろんな国で異なる習慣を目にするのは、とても興味深いこと。
(最初は奇異に思えた)お辞儀が、今ではケニアでもお辞儀をしてます」
「木を植えることは簡単でありながら、人々に勇気を与えます。
子供たちが植樹をする光景は、まさに(私が思い描いた)将来の姿」

米公共ラジオ放送(NPR)でも、マータイさんが紹介、
仏ストラスブール市と群馬県板倉町の小学生が、テレビ会議で、
暮らしの中の無駄や環境問題について話し合った際、
仏紙「DNA」などで取り上げられた。

MOTTAINAIへの関心は、欧米にとどまらない。
中東バーレーンの日刊紙「Al Wasat」で、
バーレーン大准教授のマジード・ジャシム氏は、
「その語源は、MOTTAIという本質的な価値を表す言葉と、
欠如を表すNAIという言葉が組み合わさってできている」
「日本語のMOTTAINAIが、世界の注目を浴びるようになった」と評価。

アジアでは、韓国大手紙「ソウル新聞」や台湾の雑誌「経典」で紹介、
インドネシア高級紙「コンパス」が取材。

◇マータイさん「平和のため、森守ろう」 自治体「全国大会」3500人参加

MOTTAINAI精神を具体的な活動につなげようと、
「もったいない全国大会」が、07年と08年、宇都宮市で開催。
市民が国内外に発信しようと、情熱を傾けた大きな成果で、
全国から3500人が参加、各地の具体的な取り組みを紹介。

第2回大会では、マータイさんが基調講演を行い、
地球温暖化の危機的な現状に触れ、
「炭素を吸い、酸素を吐き出す森は地球の肺だ。
森林を守ることが極めて重要」
「平和は、環境破壊や資源の乱用をしていては達成し得ない。
公平な形で資源を共有し合わなければ、紛争の数は増えてしまう」

パネルディスカッションではマータイさんのほか、
小池百合子元環境相らが環境保護をテーマに議論を展開。
「この素晴らしい『MOTTAINAI』を、この大会から全国へ、
世界へ広げていく」との宣言文。

草の根の運動が広がりつつある。
第1回大会では、南太平洋の島国ツバルでスクールバス不足を知り、
宇都宮青年会議所の募金活動で、中古バス1台が同国に寄贈。

MOTTAINAI精神を具体的な行動に移すべく、
宇都宮市の環境団体などが中心に、「もったいない運動市民会議」設立。
「もったいないフェア(仮称)」開催など、同運動の普及に取り組む。
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◆「もったいない全国大会」を開いた宇都宮市長、佐藤栄一さん

日本人として受章を喜びたい。
「もったいない」という日本語を広めてくださった業績を、
日本人が評価しないのであれば、これほど恥ずかしいことはない。
昨年、宇都宮市にお越しいただき、市が進める
「もったいない運動」に力を与えてくださいました。
マイはしや洗いはしが急速に広まっているのも、マータイさんのお力。
受章を機に、私たちも「もったいない運動」に弾みをつけたい。

◆「もったいない善兵衛」を創作した女流講談師、神田紫さん

この度はおめでとうございます。
毎日新聞で、「3Rの意味がすべて含まれている日本語の
『もったいない』は素晴らしい。これを世界の共通語にしましょう」と
マータイさんが語った記事を読みました。
「もったいない」という言葉の意味の大切さ、深さ、重さを改めて
思い起こさせ、環境講談「もったいない善兵衛」が出来上がりました。
これからも地球温暖化が進まないよう、「もったいない」を提唱してください。

◆当初からキャンペーンに取り組む伊藤忠商事会長、丹羽宇一郎さん

この度は、旭日大綬章の栄に浴されましたことを心よりお喜び申し上げます。
今回の受章は、これまで環境保護に取り組んでこられたマータイさんの
変わらぬ姿勢のたまもの。マータイさんが提唱し、毎日新聞と当社が
推進しているMOTTAINAIキャンペーンは今年で5年目を迎え、
更なる広がりを見せています。
今後も、環境保護の意識を世界へ広げるべく、
ますますご活躍されることをお祈り申し上げます。

◆学生がマータイさんと交流している昭和女子大学理事長、人見楷子さん

受章おめでとうございます。
博士は、来日のたびに学園をご訪問くださり、環境保護を訴えられました。
小さい行動でも、私たちが今できることをすれば、
地球の未来を変えられるという力強いメッセージは、
みんなが環境課題に取り組むきっかけに。
博士と植えたヤマモモの木は、今年も花を咲かせます。
若者たちはその実を見るたびに、博士のことばを思い出してくれる。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/04/30/20090430ddm010050150000c.html

新しい波/301 市民マラソン熱/9止

(毎日 5月2日)

東京都心の歩道を、交通規則を守りながら走る大会として、
01年に始まった「東京夢舞いマラソン」は、
今年10月11日、第10回の節目を迎える。

「市民主導で、あらゆるランナーに開かれた3万人規模の大会を」が
設立当時の目標。
都市型マラソンに向けた機運の盛り上がりは、
07年創設の東京マラソン実現につながり、ブームを生む遠因。

運営するNPOの代表は、元毎日新聞記者の大島幸夫さん(71)。
ボストン、ニューヨーク、ロンドンなど、海外21のマラソン大会に
参加した末にたどり着いた結論が、
(1)ユニバーサルデザイン(社会弱者に配慮)
(2)目抜き通りを利用
(3)祭り
(4)粋がある--の4つの理念。
「夢舞い」は、その頭文字から取った。

「夢舞い」は、東京マラソン開催を翌年に控えた06年10月の
第7回大会を最後に休止する予定。
大島さんは、「東京マラソンは相変わらず行政、陸連主導で、
ランナーもボランティアも規則に縛られ、
何一つ市民が主役という要素はなかった。理想とはほど遠かった」と、
継続に至った理由を語る。

大島さんは、「ブームと言っても、ランナーはお役人に甘え、
それが行政、陸連のお仕着せのスタイルを作る。
ランニングを愛する市民が、手弁当で大会を支える。
そんなランナーが多数を占めた時、初めて日本に
マラソン文化が定着したと言えるのでは」

時間制限のないホノルルマラソンを日本に紹介するなど、
楽しむランニングを提唱してきた立正大社会福祉学部教授の
山西哲郎さん(65)は、「かつて競技性が強く問われたランニングは、
現在はスローライフを体現するジョギングやウルトラマラソン、
トレイルランなど多様に展開。

女性や中高年ランナーの増加はブームなどではなく、
人間らしさを取り戻す自然な欲求」ととらえている。

山西さんは、「走る楽しみに触れた者が作り手側に回ることで、
新しいアイデアが生まれ、マナーを守ろうという意識も広がっていく」と
ブームに注文をつける。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20090502ddm035050027000c.html

東京五輪76%が賛成、じりじりと支持アップ…読売調査

(読売 5月2日)

2016年の夏季五輪招致について、読売新聞社が
全国世論調査(4月25~26日実施、面接方式)で、
東京開催への賛否を聞いたところ、
「賛成」が76%で、前回調査(今年1月31日)より2ポイント増加。
「反対」は17%で、4ポイント減。

賛成とした回答を年代別に見ると、20歳代の82%が最高、
30歳代の79%が続いた。
70歳以上は73%、若年層ほど賛成が多い傾向。
男女別では、男性78%、女性74%。

今年10月に開催都市が決まる招致レースでは、
シカゴ(米)、リオデジャネイロ(ブラジル)、マドリード(スペイン)が立候補、
東京は国民の支持率が課題。
賛成は08年2月が72%、前回は74%で、徐々に増えている。

石原慎太郎・都知事は、「ありがたい数字だ。
(さらに支持率が上がるよう)努力していく」
調査は、全国の有権者3000人を対象に実施。
1810人から回答を得た(回収率60・3%)。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090501-OYT1T01211.htm

2009年5月4日月曜日

スポーツに今も覗く戦争の影

(日経 4月30日)

◆吉井 妙子・スポーツジャーナリスト

スポーツの現場にいると、意外にも戦争の歴史に
向き合わされてしまうことが多い。
4月23日朝日新聞に、アウシュビッツ博物館に関する記事が掲載。

なぜこの時期に、と疑問を抱きながらも、ドキドキしつつ文字を追った。
私は、アウシュビッツという文字に必要以上に反応してしまう。

4年前、日本のバレー界で長く監督を務めていたアリー・セリンジャー氏に、
自分はナチスドイツのホロコースト政策の生き残りであり、
生きて行くために、ユダヤ人強制収容所で受けた残忍極まりない迫害を
記憶から消さねばならなかった、と打ち明けられた。

◆名将は、「アンネ・フランクと一緒だった」と告げた…

セリンジャー氏の親族のほとんどがアウシュビッツで惨殺され、
彼はベルゲン・ベルゼンの収容所で、『アンネの日記』の著者、
アンネ・フランクと一緒だった。

ホロコーストという20世紀の負の遺産の生き証人が、
日本にいたという事実に驚き、彼の足跡を追った。

600万人のユダヤ人が殺戮された、というドイツやポーランドの
強制収容所を回ったが、ポーランド南部にある
アウシュビッツの存在感は圧倒的だった。

ガス室で焼かれた人間の灰、焼かれる前に刈り取られた膨大な髪の毛、
メガネ、義足まで展示、現場が語る事実の饒舌さに目眩を覚えた。

朝日の記事は、アウシュビッツ博物館が開館から60年以上経ち、
修復の必要に迫られ、資金問題が立ちはだかっているという内容。

次の一文に目が留まった。
「すぐさま応じたのは、ナチスドイツを生んだドイツ。
今年は、約100万ユーロ(約1億3000万円)を出資、
来年以降も提供を続ける構え。
だが、他国の反応は鈍い」

セリンジャー氏の話を機に、ナチスドイツを生んだ背景や、
その後の敗戦処理のやり方も知ったが、
ドイツはこの過ちから目を逸らすことなく、被害国に対し
膨大な賠償金を支払い、法律で「ホロコースト政策は無かった」とする
修正歴史主義者の発言も封じた。

ナチスドイツの同盟国でもあった日本はどうだったか?
戦後から60年以上経った今もなお、中国や韓国の選手、応援団から
向けられる反日感情を目の当たりにすると、
戦後の日本の対応を思い起こさざるを得ない。

ドイツ選手に対し、ナチスドイツの犠牲になったロシアやポーランド、
ハンガリー、フランスなどから、敵意をむき出しにされた試合を見たことが無い。

◆誤解されたイチローのひと言

その至近の例が、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。
組み合わせのまずさから、日本は韓国と決勝までに
5回も闘い、そのたびに韓国の応援団はボルテージが上がった。
“敵意”の矛先は、イチローに向かった感がある。

伏線はあった。
第1回WBCのアジア予選で、イチローは
「これから30年、日本には手が出ない、と。そんな強さで勝ちたい」
韓国メディアに、「これから30年、日本には手が出ない」と紹介、
韓国の野球ファンの気持ちを逆なで。

イチローは、自分がメジャーで華々しい記録を樹立できたのは、
日本のプロ野球でその礎を作れたからで、
日本野球のレベルの高さをWBCで実証したい、と言いたかった。
そこに居合わせた記者なら、誰もがそう受け止めたはず。

韓国記者が大勢出席した準決勝の記者会見場で、
米国在住の日本人記者が、「発言が誤解されている。
韓国メディアが大勢いることだし、もう一度真意を伝えては」と進言。

しかし、イチローは毅然として言った。
「どう解釈するかは、受け取る人の人生観による。
言い直す必要はありません」

韓国メディアは、イチローが韓国野球を軽視していないことを知っていたはず。
だが、真意は伝わらなかった。
日本野球の「顔」でもあるイチローは、
彼らには日本そのものに映っても不思議ではなかった。

そんな経緯があり、今回のWBCも韓国応援団による
「イチローバッシング」が蒸し返された。
「Dead Ichiro」という揃いのTシャツを着た集団も。
汚い言葉も浴びせられた。
胃潰瘍になっても当然の環境。
そんな彼を、仲間達が必死に支え続けた。

◆勝利以上に嬉しかったWBCの拍手

日本対韓国の決勝戦は、魂と魂がぶつかり合う音が
グランドから聞こえてきそうなほど白熱。
激闘の末、日本が勝利すると、韓国スタンドからも拍手が起こる。
私には日本の勝利より、そのことの方が嬉しかった。

心を揺さぶるような両国の選手たちのプレーが、
観客席のライバル心を融和させたようにも見え、
それこそがスポーツの持つ力でもあると思った。
WBCメンバーの死闘を取材しつつ、歴史の重さがふと甦ってきた大会でも。

【編集部注】セリンジャー氏の半生を追った吉井妙子氏のノンフィクション
『サバイバー 名将アリー・セリンジャーと日本バレーボールの悲劇』
2008年8月、講談社から発売。定価1890円。

http://allatanys.jp/B001/UGC020005920090429COK00283.html

「八幡平牛」ブランドに 市牛肉推進協が発足

(岩手日報 4月29日)

八幡平市産の牛肉の消費拡大を目指して、市牛肉推進協議会が発足。
地元で生まれた子牛を地元で肥育し、「八幡平牛」としてブランド化を
図るとともに、市内への流通量を増やし地産地消も進める。

新岩手農協西部営農経済センターでの設立総会には
センター職員、生産者ら約20人が出席。
会長に、田村正彦市長を選出。

本年度は、八幡平牛ののぼりやポスターを製作、
試食会を開いて、おいしさと安心・安全をPRする。

昨年度、市内の和牛繁殖農家は307戸、子牛を育てる肥育農家は6戸。
地元の子牛が、市内で肥育される割合は約一割にとどまり、
協議会は、繁殖から肥育までの「市内一貫生産」をさらに拡大したい。

八幡平市の和牛枝肉の肉質は、5ランク中1、2番目の5等級、4等級が
平均75%と市場の評価は高い。
市内への流通は少なく、「どこで食べられるのか」との質問も多かった。
今後、地元でも味わえるようホテルや小売店への流通量を増加。

同市の食肉総合卸業、肉の横沢の横沢盛悦社長(62)は、
「県外客に空気や自然同様に、八幡平の食を楽しんでほしい。
ブランド化は、生産者をはじめ地域振興へも波及する」

新岩手農協西部地域和牛改良組合の小林辰雄組合長(64)は、
「優良な牛をPRできる。いかに市場を開拓するかが大事」とし、
同農協西部地域肥育牛生産部会の立花貴人部会長(37)は、
「いい牛をつくろうと生産者の励みになる」と歓迎。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090429_7

特集:マータイさんに旭日大綬章(その1) 資源を分け合う

(毎日 4月30日)

政府は、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんに、
「旭日大綬章」を授与。
「『もったいない』を通じ、環境保護の意識を高め、
日本の国際的な地位の向上に寄与した」ことが大きく評価。
MOTTAINAIキャンペーンに共感する多くの人たちの祝福とともに、
マータイさんと日本のかかわりや、マータイさんが名誉会長を務める
キャンペーンの足跡をたどった。

04年、ノーベル平和賞受賞したマータイさんは、05年来日、
「自らの受賞が意味するところを悟った」
「資源を分け合うことが、人々を平和にすること」

マータイさんは、「日本では、さまざまな文化をひとつに包み込んだ
美しい言葉をもっていた。世界は、『もったいない』という言葉から
学ばなければなりません」

3R(リデュース、リユース、リサイクル)、リスペクトを、
一言で言い表す日本語「もったいない」。
その言葉との出会いが、大きなキャンペーンに発展、
日本政府は叙勲という形でその功績を高く評価。

マータイさんは、「もったいない」の言葉を知って約3週間後の3月4日、
国連本部で開かれた女性の地位向上委員会で、
「女性たちによる世界的『MOTTAINAI』キャンペーンを展開、
資源を効率よく利用しましょう」
政府の代表やNGOの女性たちが、「もったいない」と3度、大きな声で合唱。
キャンペーンは、この日から取り組みが始まった。

05年、マータイさんは京都議定書の発効記念行事に出席、
愛・地球博(愛知万博)の会場も訪れた。
日本の環境政策のターニングポイントとなる、いくつかの行事に立ち会った。

世界的キャンペーンの呼びかけに対し、
全国各地で草の根の取り組みが始まった。

マータイさんが訪れた昭和女子大学は、学園全体で取り組んでいる。
神奈川県は、環境のために一人一人ができる取り組み
「マイアジェンダ」(私の実践行動)への登録など
環境保全キャンペーンを展開。

福島や東京、大阪、京都など十数都道府県で、同様の取り組み。
個人として、マータイさんの活動に共感を寄せる人々も。
絵本「もったいないばあさん」を通じ、ものを大切にすることや
環境問題に関心を寄せることを呼びかける真珠まりこさんは、
マータイさんと対談。

元環境相の小池百合子さんは、
「UNBOWED へこたれない~ワンガリ・マータイ自伝」を翻訳。
タレントのルー大柴さんは、「NHKみんなのうた」でも放送された
「MOTTAINAI~もったいない~」で好評を博した。

06年、全国の子供たちが参加する植林活動
「MOTTAINAIキッズ植林プロジェクト」が開始。
3年間で北海道から九州、ブラジル、ラオスまで計30カ所以上で行われた。

総合商社「伊藤忠商事」と毎日新聞は、共同で05年、
「MOTTAINAI」のロゴマークを使った資源循環型ブランドの商品や
サービスを流通させる取り組みを始めた。
MOTTAINAIキャンペーンに賛同する企業は、70社に上り、
売り上げの一部で、マータイさんのグリーンベルト運動を支援。
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◆ワンガリ・ムタ・マータイ

1940年ケニア・ニエリ郡生まれ。
米国ピッツバーグ大で、生物科学の修士号取得、
71年、ナイロビ大(ケニア)で生物分析学の博士号取得。
77年、グリーンベルト運動(GBM)を創設、
農村女性に植林を通じた社会参加を呼びかけた。
延べ約8万人が参加、植樹した苗木は約4000万本に。

GBMの狙いは、植林という環境維持のための活動を通じ、
女性グループを組織化、植林から得られる収入で
農村女性の経済的地位を向上させる。
81~87年、ケニア女性国民会議の議長に就任、この運動を各地に紹介。
運動の広がりとともに、経験を分かち合い、地域が抱える問題を、
草の根が参加する運動で解決するという信念が醸成、
植林運動はケニア国内、タンザニアやウガンダなど隣国に広がった。

植林運動を、女性の地位向上や民主化につなげようとする姿勢は、
モイ前大統領の弾圧の対象、水力発電所の工事で
建設地上流の森林伐採に反対して逮捕。

モイ政権が倒れた02年、国会議員選で当選、03年、副環境相に就任。
環境保護と民主化への取り組みの功績が評価、
04年、ノーベル平和賞を受賞。
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◆「MOTTAINAI」を歌にしたタレント、ルー大柴さん

この度は、受章おめでとうございます。
マータイさんの素晴らしい活動が、ジャパンでも認められたことを
大変うれしく思います。
私が、マータイさんにお会いしたのは2年前。
「MOTTAINAI」を歌わせていただいたときに、「ナイスソング!!」と
言ってくださったこと、気さくに会話をしてくださったこと、
鮮明に覚えています。
機会があれば、ぜひトゥギャザーさせていただき、
共にMOTTAINAIの輪を広げていければ幸いです。

◆マータイさんの自伝「へこたれない」(小学館)を訳した
元環境相の小池百合子さん

04年、アフリカに3000万本もの木を植えたマータイさんは、
環境分野の活動家として、初めてノーベル平和賞を受賞。
09年、日本で1億2000万の「もったいない」の心の花を咲かせようと
励ましてくださったマータイさんに、旭日大綬章が贈られました。
これからもマータイさんとともに、「もったいない」という日本の美徳を広げ、
深めてまいりたいと、思いを新たにしております。

◆「もったいない」で「腹八分」を提案する宗教学者、山折哲雄さん

マータイさん、この度のご受章おめでとうございます。
マータイさんは、われわれの歴史と文化の中から
「もったいない」という含蓄のある言葉を見いだされ、
それが地球環境問題の解決のため、欠かすことのできない
新しい理念となることを、あっという間に世界に広めてくださいました。
そのことに、心から感謝し、われわれの「もったいない」キャンペーンにも、
一層のご支援をお願いする次第であります。

◆「もったいないばあさん」の絵本作家、真珠まりこさん

本当におめでとうございます。
マータイ博士は、「もったいない」には他者へのリスペクトがある、
とよくお話しされています。
だからこそ、環境問題を解決するためだけではなく、
世界平和につながる言葉なのだと。
同じ時代に、もったいないばあさんを通して、自然の恵みや人や
ものへの感謝の気持ち、大切に思う心、「もったいない」の心を
伝える活動をする者として、お目にかかれたことを心から光栄に思います。
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◆マータイさんとMOTTAINAIキャンペーンの歩み

04年12月 ケニアの副環境相(当時)のワンガリ・マータイさんが、
植林活動のグリーンベルト運動(GBM)を通じ、環境保護と民主化に
取り組んだ功績が評価、環境分野として初めてノーベル平和賞受賞。
アフリカの女性としても初

05年2月 マータイさんが毎日新聞の招きで来日。
東京本社編集局長とのインタビューで日本語「もったいない」に出会い、共感

3月 国連婦人の地位向上委員会で、マータイさんが
「MOTTAINAIを世界に広げよう」と提唱、キャンペーンがスタート。
毎日新聞にキャンペーン事務局を開設、マータイさんはキャンペーン名誉会長

7月 小泉純一郎首相(当時)が、英グレンイーグルズ・サミットで
MOTTAINAIを世界共通語にしようと提案

06年2月 2度目の来日。東京、千葉、福島、横浜、静岡、大阪、福岡を
訪れ、講演、植樹など行い、各地で温かい歓迎を受ける。
大阪では、植林活動「MOTTAINAIキッズ植林プロジェクト」がスタート

8月 マータイさんが、ケニアを訪問したバラク・オバマ米上院議員(現米大統領)
とナイロビの公園で記念植樹。キャンペーン事務局もケニアでオバマ氏と懇談、
MOTTAINAI風呂敷を贈呈

11月 MOTTAINAI精神に基づいたライフスタイルを研究、発信する
「MOTTAINAI Lab」を設立

07年4月 著書「UNBOWED へこたれない~ワンガリ・マータイ自伝」が
日本で出版。3度目の来日で、秋田県美郷町立千屋小学校で初めて見た
満開の桜に感激。子どもたちや佐々木毅国土緑化推進機構理事長らと
MOTTAINAIキッズ植林を実施

6月 MOTTAINAIキャンペーン公式サイト(http://mottainai.info/

7月 キャンペーンの一環で、再生パソコンをGBMに寄贈

8月 宇都宮市で、第1回もったいない全国大会を開催。
水没の危機にある太平洋のツバルに、スクールバスを贈る運動を開始

10月 マータイさんとMOTTAINAIキャンペーンが
米国公共ラジオ放送(NPR)で紹介される

12月 MOTTAINAI公式サイトに英語版が加わる

08年2月 仏ストラスブール市と群馬県板倉町の小学生が、
インターネット・テレビ会議でMOTTAINAIを話し合う。
日本の国連大使が、国連総会でMOTTAINAIのライフスタイルを提唱。
宇都宮青年会議所が、募金で中古バスを再生、ツバルの小学校に寄贈

5月 4度目の来日。第4回アフリカ開発会議(TICAD4)や
UNEP笹川賞(国連環境計画、日本財団)選考委員会に出席

6月 宇都宮市の第2回もったいない全国大会で基調講演。
米CNNがキャンペーン事務局を取材

7月 再生パソコンを、ツバルの中学・高校に寄贈

10月 パシフィコ横浜で、過去最大級のMOTTAINAIフリーマーケット開催。
来場は6万3000人

11月 MOTTAINAI公式サイトのモバイル版がスタート

09年2月 キャンペーン賛同の著名人19人の提供品による
「ヤフオクMOTTAINAI月間チャリティーオークション」を実施。
売り上げはGBMに寄付

4月 米CNNが、マータイさんの活動を紹介する番組「リビールド」を放映。
政府は、マータイさんに旭日大綬章授与を発表

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/04/30/20090430ddm010040131000c.html

東京の五輪開催支持率は56%…IOCが世論調査

(読売 5月2日)

2016年夏季五輪招致で、国際オリンピック委員会(IOC)が
2月に行った東京への世論調査の結果、
五輪開催支持率が56%だったことが分かった。

結果は、4月のIOC評価委員会の東京視察時に東京側に伝えられ、
9月に公表されるIOC評価委の報告書に盛り込まれる。

IOCによると、IOCが直接委託した会社が行った調査で、
4都市同時に実施したわけではない、としている。

IOCが、08年6月の第1次選考のために実施した独自の世論調査では、
マドリード90%、リオ77%、シカゴ74%、東京59%。
米国内の報道では、今年2月の調査で、シカゴは70%を下回った。

調査は、設問に「どちらでもない」を入れた上で、賛成と回答した数字。
東京の招致委が独自で行った同様の設問の最新調査では、
東京都内で70%を下回ったものの、全国では70%を超えた。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090502-OYT1T00873.htm

2009年5月3日日曜日

「ありす」と「まな」が魅力発信 三鉄25周年ポスター

(岩手日報 4月29日)

三陸鉄道(山口和彦社長)は、同社の人気キャラクター
「久慈ありす」と「釜石まな」をデザインしたポスターを発売。
発売前から話題を集める人気で、開業25周年を盛り上げる。

ポスターは二枚一組で、人気漫画家のみぶなつきさんが描いた。
同社の新制服を着たキャラクターが描かれている。

「久慈ありす」のポスターは、北リアス線堀内駅のホームがモチーフ。
さわやかな夏を表現し、観光客に魅力を伝える。

「釜石まな」のポスターは、南リアス線盛駅の待合室を忠実に再現。
「今日も明日もこの駅で。」のコピーには、

地元住民の利用促進の願いを込めた。
全国各地から問い合わせが寄せられる人気で、
山口社長は、「三陸鉄道沿線の明るい雰囲気が伝わる」と
出来栄えに手応えを感じている。

ポスターは各B1判。1200セット限定で、1セット3000円で発売。
久慈、宮古、釜石、盛の各駅で販売し、通信販売も検討。
問い合わせは、同社(0193・62・8900)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090429_11

インタビュー・環境戦略を語る:アサヒビール・荻田伍社長

(毎日 4月27日)

ビール類生産に使う電力の約3割を、自然エネルギーで作られた
「グリーン電力」に切り替えたアサヒビール。
電気代は、年間1億数千万円余計にかかるが、
一般家庭の4500軒分の排出量に相当する1万8000トンのCO2を削減。
食品業界で初の取り組みの意義を、荻田伍社長に聞いた。

--「グリーン電力」とは?

◆風力やバイオマス、太陽光などで発電された電気。
CO2を排出しないので、地球温暖化防止に役立つ。
東京電力などが出資する「日本自然エネルギー」と利用契約。

--導入の経緯は。

◆環境に配慮することで社会に貢献できると、前々から注目。
02年、稼働した神奈川工場(南足柄市)で330万キロワット時の
グリーン電力を導入。
アサヒビール創業120周年の今年、一気に4000万キロワット時に拡大。

--主力商品「スーパードライ」350ミリリットル缶に、
「グリーン・エネルギー・マーク」を印刷。

◆製造時、グリーン電力を使用したことを示すため。
お客の目線は年々厳しくなっている。
商品やサービスを提供するのではなく、環境に配慮する姿勢も伝えたい。

-売り上げの一部を環境保全のため都道府県に寄付する。

◆ビールや飲料は麦、ホップ、水などの「自然のめぐみ」からつくられている。
感謝の意味も込め、自然保全活動を行うことは責務。
「『うまい!を明日へ!』プロジェクト」と銘打って、
期間限定でスーパードライの缶1本につき1円を寄付し、
地域特性に応じた保全活動に取り組んでいる。

--生産現場でのCO2削減へ向けた取り組みは?

◆これまで麦汁とホップを同時に煮沸していたが、
ホップを別の小さな釜で煮沸し、その後混ぜることで
全体の煮沸時間を短縮し、CO2を3割削減する方法を開発。
昨年9月から順次導入。
ビール類の製造工程で出る廃棄物も、「100%再資源化」を達成。
ビール9工場では、年28万トンの廃棄物が出る。
その8割は、麦芽の殻や皮で、牛の飼料に使う。
汚泥は有機肥料に、酵母は医薬部外品などに利用し、
そのほかは事務用品に至るまで細かく分別。

--CO2の削減目標は?

◆10年までに、酒類部門で90年比15%削減する目標。
昨年までに、ビール9工場で10%強削減。
ビール類の製造は90年比で5割増、1本あたり38%減らしたことに。

--環境への取り組みにはコストがかかる。

◆CO2だけでなく、生産コストの削減にもつながっている。
一時的に費用はかかるが、長い目で見れば収益性改善につながる。
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◇おぎた・ひとし
九州大経済卒、65年アサヒビール入社。一貫して営業畑を歩み、
九州、関信越の両本部長、アサヒ飲料社長を経て、06年3月から現職。
福岡県出身。67歳。

http://mainichi.jp/life/ecology/archive/news/2009/04/20090427ddm008020007000c.html

若手育成Jの挑戦 練習量が増加、私生活もケア

(朝日 2009年4月28日)

高校生を育てるJリーグの下部組織「アカデミー」で、
通信制の学校に通ってサッカーに専念させる取り組みが広がっている。
高校生年代の全員を通信制に通わせ、プロと同じように練習する
J1新潟の取り組みが注目。

◆新潟の場合

新潟は、専門学校と通信制高校の両方で学んで高校卒業資格を取る
プログラムを用意し、ユース所属の33人がそこで学ぶ。
06年から始め、全員になったのは今年から。
平日も、午前と午後の1日2度の練習が基本。
全寮制で高校1、2年生は専門学校の寮、3年生はプロと同じ寮。

「以前は、自宅―学校―クラブと通うため、練習開始も帰宅も遅かった。
体力回復するだけの余裕がなく、鍛えても疲れるばかりで伸びなかった。
今は練習量が増え、休む時間も十分。
昨年プリンスリーグ(北信越)で初優勝するなど、成果が出ている」と
片渕浩一郎監督。

力を認められたり、プロでけが人が出たりすると、
「明日はトップチームへ行け」と出来るのもこの環境ならでは。

普通の高校生活で身につける社会性を育めるのか、という厳しい目も。
監督やコーチが、普段の生活に目を配る。
生活にかかわることが、サッカー指導に生きることもある。

「今の高校生は、必要なものを与えられて当たり前という
育てられ方をしている」と、実感した片渕監督は、
それが目標にどうやって到達するかを、自分で考える力が足りない
原因だと気づいた。
「そこをどう指導するか。それができればサッカーもうまくなる」

◆他チームは?

マイナス面としては、全員が寮と通信制という前提が逆に障害となり、
他チームに人材が流れる例。
その点、全日制と通信制の2校と提携し、選手と保護者の希望に応じる
東京ヴの取り組みが先を行く。
現在10人が通信制を選び、東京ヴのクラブハウスで午前中に自習。

鹿島学園高(茨城)と提携している鹿島のような例。
午前中の練習を体育の単位に振り替えたり、一部の授業を補習にしたり、
練習しやすい環境を整えている。

◆Jリーグ技術委員長・上野山信行氏に聞く

サッカーJ1ガ大阪で取締役育成・普及部長を務め、
多くの代表選手を生み出した上野山信行氏(51)が、
Jリーグ技術委員長に就任。リーグ全体の若年層強化を担う。

当面の仕事はクラブ訪問。
育成時代の指導者が、トップチームに上がった選手と
密に連絡を取る必要性を強調。

「10代は精神的なもろさもある。
トップに上がっても、当たり前のようには試合に出られず、ストレスがたまる。
精神的に自立する20歳までケアすべき。
幼い頃から指導していれば、個々の心理面についてよく知っている」

各クラブに、育成のスペシャリストを早急に養成しなければならない。
現在、育成の指導者は現役引退してからトップチームを指揮するまでの
「ステップ」ととらえられがち。入れ替えも早い。

「クラブにとっても、選手は自前で育成するほうが、
時間はかかるが高額の移籍金で外国人選手などを取るより得。
育てた選手を、他クラブへ移籍させればクラブのもうけになる可能性も」

訪問では、細かな指導法は問われれば教えるが、あとは各クラブにまかせる。
「自分は、28歳で選手を引退して指導者になったが、
当時は体も動くし、プレーを見せるだけの一方的な教え方。
同時に、行き詰まりも感じていた。

30歳を過ぎた頃、夜泣きする長女に『泣くな』と怒鳴ったことが。
妻に、『こんな小さい子供は聞かん』と言われた。
その時に気づいた。
わからない相手に、こちらの考えを押しつけてはだめだということを」

優れた指導者は優れた聞き役、の持論を伝えていきたい。

http://www.asahi.com/sports/fb/TKY200904280105.html

コーヒー飲みアルツハイマー病予防?…カフェイン効果に期待

(読売 4月22日)

コーヒーやお茶などに含まれるカフェインに、
アルツハイマー病の予防効果があるとする研究結果を、
森隆・埼玉医大准教授と米フロリダアルツハイマー病研究センターなどが
動物実験からまとめた。

米国で近く患者らにカフェインを投与する臨床試験に入る。
米専門誌に論文が掲載。

物忘れがひどくなるアルツハイマー病は、脳にたんぱく質の
アミロイドベータ(Aβ)が異常に蓄積、神経細胞が死んでしまう。

生まれつきAβが蓄積しやすいマウスに、1日あたり約1・5ミリ・グラムの
カフェインを水に溶かして4~5週間与えた。
人間がコーヒーを毎日5杯ずつ飲むのに相当。

その結果、カフェインを与えないマウスに比べ、記憶力の低下が改善。
記憶にかかわる脳の海馬や大脳皮質では、
Aβが蓄積した「老人斑」の形成が4~5割減少。
カフェインが、Aβを作る酵素の働きを抑えることも突き止めた。

森准教授は、「カフェイン入り飲料は広く飲まれており、
病気の予防や進行抑制の効果を注目していきたい」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090422-OYT1T00635.htm