(毎日 2月15日)
孤独な夕食や睡眠不足、テレビにくぎ付けという
3要素がそろうと、そうではない幼児に比べ、
1・7倍も肥満の割合が増えることが、
米オハイオ州立大などの研究チームの調査で分かった。
運動不足や間食が背景。
米小児科学会誌3月号に掲載。
過去の研究で、テレビ視聴時間が長かったり、睡眠不足が続くと、
食欲をつかさどるホルモンのバランスが崩れて、肥満になりやすい。
食事から睡眠まで、幼児の生活全般と肥満の関係を調べたのは例がない。
調査は05年、1)週6日以上、家族と夕食をとる、
2)10時間半以上寝る、
3)1日当たりのビデオやテレビ視聴が2時間以内--の
3項目について、全米の4歳児8550人を対象に実施。
このうち、肥満児は18%。
3項目を満たしている場合の肥満児の割合は14・3%、
いずれも満たしていないと24・5%に増えた。
米国では、週6日以上親子がそろって夕食をとったり、
幼児が1日10時間半以上の睡眠をとっている家族は
それぞれ約6割、2時間以内の視聴を守っている家族は約4割。
「肥満防止では、食事や運動メニューを議論するだけでなく、
家庭生活全般を指導していくことが重要」。
http://mainichi.jp/life/health/news/20100215ddm003100124000c.html
2010年2月19日金曜日
日本スウェージロックFSTの田村社長 「新エネ分野開拓へ営業刷新」
(日経 2月12日)
米流体制御機器大手のスウェージロック(オハイオ州)が、
日本での営業を強化。
エネルギー向けの流体装置の拡販を図るため、
1月に市場開拓の新組織を立ち上げた。
現在12ある物流拠点を、兵庫と神奈川両県の2カ所に集約し、
効率化を図る。
同社の日本での販売会社の日本スウェージロックFSTの
田村達也社長に、同社の戦略などを聞いた。
——2010年の事業戦略の内容は?
「太陽光発電など、新エネルギー分野の需要が中長期的に
伸びると考え、市場の開拓を急がなければならない。
専門部署の『市場開発・企画室』は、営業経験が豊富な
専任のスタッフ3人で1月に発足。
全国26カ所の営業拠点から顧客情報を集め、
LED(発光ダイオード)やリチウムイオン電池向けの
商品開発を進めていく」
「日本での顧客満足度を高めることが必要。
オンラインビジネスの充実を図り、注文履歴の確認や
ワンクリックでの注文などの機能を追加。
もう一つは、ユーザー側の無駄を省くため、
プラントの健康診断も実施。
漏れなどを数値化し、流体機器の効率的な運用方法を提示」
——営業体制を強化する狙いは何か?
「顧客は、継ぎ手やバルブだけでなく、周辺機器の調達や
組み立ても含めたパッケージ商品を求めている。
継ぎ手やバルブに関連する、あらゆる製品やサービスを
そろえるために市場調査をし、製品を即時に顧客に
届けられるようにするため、新たな体制づくりが必要」
——日本は成長市場なのか?
「代替燃料、医薬・バイオ、紙・パルプなど
今後有望な分野が多く、成長の余地は十分。
環境も重要になってきており、環境性能が高い継ぎ手や
バルブが求められている。
すでに太陽光発電向けでは、環境性能を高めるステンレス鋼の
改良などを試験的に始めている。
有望な分野の需要の取り込みで、日本での売り上げは
前年に比べ、2ケタ増やすことが可能」
——販社を1社体制にしたメリットは?
「地域差などなく、全国一貫したサービスが提供できる。
一貫してできることで、顧客や用途別で違う技術サポートに
きめ細かく応じることができるようになった。
納品までの時間がかかっているのが現状。
物流拠点を集約し、注文を受けた翌日には配達できる体制を構築」
——景気の回復度合いをどう見るか?
「全体的には、底ばい状態が続いている。
好調だった08年水準に戻るのは、今年いっぱいかかるだろう。
新エネルギー市場は、11年以降に隆盛するだろうし、
半導体市場も徐々に回復していくなど明るい兆しは見えている」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100210.html
米流体制御機器大手のスウェージロック(オハイオ州)が、
日本での営業を強化。
エネルギー向けの流体装置の拡販を図るため、
1月に市場開拓の新組織を立ち上げた。
現在12ある物流拠点を、兵庫と神奈川両県の2カ所に集約し、
効率化を図る。
同社の日本での販売会社の日本スウェージロックFSTの
田村達也社長に、同社の戦略などを聞いた。
——2010年の事業戦略の内容は?
「太陽光発電など、新エネルギー分野の需要が中長期的に
伸びると考え、市場の開拓を急がなければならない。
専門部署の『市場開発・企画室』は、営業経験が豊富な
専任のスタッフ3人で1月に発足。
全国26カ所の営業拠点から顧客情報を集め、
LED(発光ダイオード)やリチウムイオン電池向けの
商品開発を進めていく」
「日本での顧客満足度を高めることが必要。
オンラインビジネスの充実を図り、注文履歴の確認や
ワンクリックでの注文などの機能を追加。
もう一つは、ユーザー側の無駄を省くため、
プラントの健康診断も実施。
漏れなどを数値化し、流体機器の効率的な運用方法を提示」
——営業体制を強化する狙いは何か?
「顧客は、継ぎ手やバルブだけでなく、周辺機器の調達や
組み立ても含めたパッケージ商品を求めている。
継ぎ手やバルブに関連する、あらゆる製品やサービスを
そろえるために市場調査をし、製品を即時に顧客に
届けられるようにするため、新たな体制づくりが必要」
——日本は成長市場なのか?
「代替燃料、医薬・バイオ、紙・パルプなど
今後有望な分野が多く、成長の余地は十分。
環境も重要になってきており、環境性能が高い継ぎ手や
バルブが求められている。
すでに太陽光発電向けでは、環境性能を高めるステンレス鋼の
改良などを試験的に始めている。
有望な分野の需要の取り込みで、日本での売り上げは
前年に比べ、2ケタ増やすことが可能」
——販社を1社体制にしたメリットは?
「地域差などなく、全国一貫したサービスが提供できる。
一貫してできることで、顧客や用途別で違う技術サポートに
きめ細かく応じることができるようになった。
納品までの時間がかかっているのが現状。
物流拠点を集約し、注文を受けた翌日には配達できる体制を構築」
——景気の回復度合いをどう見るか?
「全体的には、底ばい状態が続いている。
好調だった08年水準に戻るのは、今年いっぱいかかるだろう。
新エネルギー市場は、11年以降に隆盛するだろうし、
半導体市場も徐々に回復していくなど明るい兆しは見えている」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100210.html
自動車で鍛えたノウハウを林業に
(日経 2010-02-09)
自動車部品の研磨を手掛けてきた会社が、
全く畑違いの林業に進出、参入半年で黒字を達成。
衰退産業と言われる林業で、ずぶの素人が成功したのはなぜか。
研磨会社とは、大津技研(熊本県大津町、木村幹男社長)。
大分県臼杵市の山中にある現場では、
責任者の本田栄一さん含め、5人が働いていた。
伐採する木は深い山中にあるため、切り出す前に、
山の斜面に道を切り開く。
邪魔になる木を切ったうえ、切り株を掘り起こす。
担当は、新たに採用した林業の専門家と重機の専門家の2人。
伐採−−。
初めに、材木にするスギやヒノキを選んで切り倒す。
倒した木を、重機でつかんで持ち上げ、チェーンソーで枝を落とす。
さらに輪切りして長さをそろえる。
これを別の重機でつかんで斜面を降ろし、公道で待つトラックに
載せて運び出す。
一連の作業は、新たに採用した2人に加え、
もとから大津技研の社員で研磨作業に当たっていた3人の、
合わせて5人が共同で行う。
作業工程そのものは、従来の伐採会社と同様。
同社の伐採現場で目を引くのは、作業者5人の「手待ち時間」が
極めて少なく、重機3台も切れ目なく稼働していること。
製品である木材も、常に「流れて」いる。
同社の研磨ラインで、自動車部品がよどみなく流れ続ける姿と似ている。
「要は、中間在庫をためないこと」(本田さん)。
コスト管理に厳しい自動車業界で培った、生産性を徹底的に
引き上げる工夫の数々を、同社は伐採現場に応用。
現場の工程管理にとどまらない。
本田さんは、工場長や営業所長も経験した大津技研の古参社員。
同社が研磨工場の発想や工夫を、事業全体に生かしている。
事業の収益性を明確にするため、「この山(伐採現場)は
何カ月で作業を終了するか」という目標を設定。
目標を月、週、日ごとに落とし込む。
家業型の伐採業者では、ここまで厳密には計画を立てない。
伐採事業の目標管理は、研磨工場と比べ格段に難しい。
伐採の仕事は、天候に大きく左右。
雨の日に作業すれば危険だし、無理にやれば道をぬかるませ、
壊してしまい、次の日に晴れても作業できなくなってしまう。
翌週雨になりそうだと判断した時、土曜日も働く。
研磨出身の3人は、新たに採用した林業や重機の専門家から
ノウハウを習いつつ働いている。
同社は、そのノウハウの標準化にも全力を挙げている。
ある山を「攻める」時、道をどう作り、どういう順番で
木を切って行くか−−。
現場の写真を撮り、毎日の作業を詳細にパソコンに記録。
一番時間のかからない効率的な伐採の手法を開発するためだが、
安全性向上のためでもある。
木村哲也専務の指示が飛んでいた。
本田さんが、「根元が曲がった木を曲がった部分で切ると、
裂けてしまうことがある」と、木村専務は「じゃあ、ビデオを撮って
安全な処理方法を皆で共有しよう」。
大津技研が森林事業部を作って林業に参入したのは、2009年。
経営が立ちゆかなくなった個人企業を吸収する形でスタート。
木村幹男社長が決断、子息の木村哲也専務が陣頭指揮に立つ。
作業班は、臼杵市で働く班のほか、もう1班。
投入する重機は、合わせて11台。
一部はリースだが、それでも3000万円ほどの設備投資。
収入は、材木の販売代金。
「事業を始めて半年で、営業利益ベースで黒字に。
償却を含めて、黒字化するメドもたった」(木村専務)。
日本の林業は衰退している。
安価な外材に押される一方、林業従事者の高齢化が進み、
木を育てる人も切り出す人も足りない。
大津技研が伐採の仕事を始めようと決意し、専門家に相談した時、
「はっきりとは言わないにしろ、
『素人にできるほど甘い仕事ではない』という空気だった」(同)。
でも、木村専務は気にしなかった。
「日本の自動車生産台数が減ることが確実になった以上、
新たな仕事を探す必要がある。
研磨の仕事も初めは素人だったが、日本一の生産性を
誇れるまでになったではないか」
確かに、厳しい業界で鍛えられ生き抜いてきた会社が、
“甘い”業界に参入し、業界常識を塗り変えて
成功するケースは多い。
バブル経済崩壊後に登場した、いくつかの旅館再生会社。
一部は、もとは自動車系ディーラー。
旅館業は、地方名士の旦那商売とも言われ、コスト意識も薄かった。
計数管理を身につけた自動車ディーラーが参入し、
赤字に陥っていた旅館を相次いで立て直すことに成功。
木村専務は、現状に満足していない。
「基本的なノウハウは確立した。
自分が得られたノウハウぐらいなら、他の人も追いかけて来られるはず。
もっとノウハウを積み重ねないと・・・」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon100208.html
自動車部品の研磨を手掛けてきた会社が、
全く畑違いの林業に進出、参入半年で黒字を達成。
衰退産業と言われる林業で、ずぶの素人が成功したのはなぜか。
研磨会社とは、大津技研(熊本県大津町、木村幹男社長)。
大分県臼杵市の山中にある現場では、
責任者の本田栄一さん含め、5人が働いていた。
伐採する木は深い山中にあるため、切り出す前に、
山の斜面に道を切り開く。
邪魔になる木を切ったうえ、切り株を掘り起こす。
担当は、新たに採用した林業の専門家と重機の専門家の2人。
伐採−−。
初めに、材木にするスギやヒノキを選んで切り倒す。
倒した木を、重機でつかんで持ち上げ、チェーンソーで枝を落とす。
さらに輪切りして長さをそろえる。
これを別の重機でつかんで斜面を降ろし、公道で待つトラックに
載せて運び出す。
一連の作業は、新たに採用した2人に加え、
もとから大津技研の社員で研磨作業に当たっていた3人の、
合わせて5人が共同で行う。
作業工程そのものは、従来の伐採会社と同様。
同社の伐採現場で目を引くのは、作業者5人の「手待ち時間」が
極めて少なく、重機3台も切れ目なく稼働していること。
製品である木材も、常に「流れて」いる。
同社の研磨ラインで、自動車部品がよどみなく流れ続ける姿と似ている。
「要は、中間在庫をためないこと」(本田さん)。
コスト管理に厳しい自動車業界で培った、生産性を徹底的に
引き上げる工夫の数々を、同社は伐採現場に応用。
現場の工程管理にとどまらない。
本田さんは、工場長や営業所長も経験した大津技研の古参社員。
同社が研磨工場の発想や工夫を、事業全体に生かしている。
事業の収益性を明確にするため、「この山(伐採現場)は
何カ月で作業を終了するか」という目標を設定。
目標を月、週、日ごとに落とし込む。
家業型の伐採業者では、ここまで厳密には計画を立てない。
伐採事業の目標管理は、研磨工場と比べ格段に難しい。
伐採の仕事は、天候に大きく左右。
雨の日に作業すれば危険だし、無理にやれば道をぬかるませ、
壊してしまい、次の日に晴れても作業できなくなってしまう。
翌週雨になりそうだと判断した時、土曜日も働く。
研磨出身の3人は、新たに採用した林業や重機の専門家から
ノウハウを習いつつ働いている。
同社は、そのノウハウの標準化にも全力を挙げている。
ある山を「攻める」時、道をどう作り、どういう順番で
木を切って行くか−−。
現場の写真を撮り、毎日の作業を詳細にパソコンに記録。
一番時間のかからない効率的な伐採の手法を開発するためだが、
安全性向上のためでもある。
木村哲也専務の指示が飛んでいた。
本田さんが、「根元が曲がった木を曲がった部分で切ると、
裂けてしまうことがある」と、木村専務は「じゃあ、ビデオを撮って
安全な処理方法を皆で共有しよう」。
大津技研が森林事業部を作って林業に参入したのは、2009年。
経営が立ちゆかなくなった個人企業を吸収する形でスタート。
木村幹男社長が決断、子息の木村哲也専務が陣頭指揮に立つ。
作業班は、臼杵市で働く班のほか、もう1班。
投入する重機は、合わせて11台。
一部はリースだが、それでも3000万円ほどの設備投資。
収入は、材木の販売代金。
「事業を始めて半年で、営業利益ベースで黒字に。
償却を含めて、黒字化するメドもたった」(木村専務)。
日本の林業は衰退している。
安価な外材に押される一方、林業従事者の高齢化が進み、
木を育てる人も切り出す人も足りない。
大津技研が伐採の仕事を始めようと決意し、専門家に相談した時、
「はっきりとは言わないにしろ、
『素人にできるほど甘い仕事ではない』という空気だった」(同)。
でも、木村専務は気にしなかった。
「日本の自動車生産台数が減ることが確実になった以上、
新たな仕事を探す必要がある。
研磨の仕事も初めは素人だったが、日本一の生産性を
誇れるまでになったではないか」
確かに、厳しい業界で鍛えられ生き抜いてきた会社が、
“甘い”業界に参入し、業界常識を塗り変えて
成功するケースは多い。
バブル経済崩壊後に登場した、いくつかの旅館再生会社。
一部は、もとは自動車系ディーラー。
旅館業は、地方名士の旦那商売とも言われ、コスト意識も薄かった。
計数管理を身につけた自動車ディーラーが参入し、
赤字に陥っていた旅館を相次いで立て直すことに成功。
木村専務は、現状に満足していない。
「基本的なノウハウは確立した。
自分が得られたノウハウぐらいなら、他の人も追いかけて来られるはず。
もっとノウハウを積み重ねないと・・・」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon100208.html
2010年2月18日木曜日
スポーツ政策を考える:NPO法人浦和スポーツクラブ・小野崎研郎
(毎日 2月6日)
さいたま市浦和区を拠点に活動する
総合型地域スポーツクラブの副理事長を務めている。
競技はサッカー、テニス、フィットネスがメーン、会員は1300人。
年間運営費は約4700万円。
toto(スポーツ振興くじ)から、700万円の助成。
最近、totoの申請手続きなどが難しくなってきた。
大きなお金を扱うようになり、より厳格な審査と手続きが求められる。
申請するクラブも増え、一部には不明朗なお金の使い方をしたり、
活動実態がよく分からなかったりするクラブがあるのかも。
書類作成などの事務処理能力が高いクラブはいいが、
そうではないクラブの方が圧倒的に多い。
社会的な責任もあり、力をつけなければいけないが、時間が必要。
今のやり方では、スポーツの二極化と一緒で、
できるところとできないところの差が広がる。
totoの運営主体、日本スポーツ振興センターの担当者にすれば、
助成を通して、クラブやスポーツの役に立ちたいと思ってくれている。
クラブからすると、なぜこんな細かいことを
いちいち言ってくるのかと受け止めてしまう。
一方は疑い、一方は不信感が募る。
雰囲気は決してよくない。
互いに顔が見えない中、お金のやり取りをしていることが原因では。
totoに限らず、やれコンプライアンス(法令順守)だ、
やれ危機管理だと、システムばやりで、
そこに膨大な人と予算が投入。
管理する方も、される方も大きな労力や費用がかかる。
総合型クラブに代表される地域のスポーツは、成熟していない分野で、
今からそこに労力や費用をかけてしまっていては、
拡大の足かせになってしまう。
顔の見える関係づくりや地域ごとの実情に合わせた施策展開を
行うためには、お金の配分を決め、使途を検証する組織は
各地域にあった方がいい。
広域スポーツセンターや都道府県体協のクラブ育成アドバイザーら
専任職員に任せてはどうか。
彼らは、日ごろからクラブとの付き合いがあり、
互いに切磋琢磨できる。
先日、ある民主党国会議員の話を聞く機会が。
政権交代によって、政策提案や事業のやり方が変わっていく中、
国が作成したマニュアルに沿って事業を進めるのではなく、
それぞれの地域の実情に応じて、やりたい事業を考えてもらい、
そこでお金が使えるような仕組みにしていきたい。
全国を一つのスタンダードにあてはめるのではなく、
国と地域の役割分担を見直し、国は権限と財源を地域に移譲。
地域は、地域のスポーツ振興をマネジメントする役割を果たす。
==============
◇おのざき・けんろう
1961年生まれ。東京農工大卒。
1996年、青少年の一貫指導と生涯スポーツの実践を目指す
浦和スポーツクラブに入会。NPO法人クラブネッツ理事。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/02/06/20100206dde035070049000c.html
さいたま市浦和区を拠点に活動する
総合型地域スポーツクラブの副理事長を務めている。
競技はサッカー、テニス、フィットネスがメーン、会員は1300人。
年間運営費は約4700万円。
toto(スポーツ振興くじ)から、700万円の助成。
最近、totoの申請手続きなどが難しくなってきた。
大きなお金を扱うようになり、より厳格な審査と手続きが求められる。
申請するクラブも増え、一部には不明朗なお金の使い方をしたり、
活動実態がよく分からなかったりするクラブがあるのかも。
書類作成などの事務処理能力が高いクラブはいいが、
そうではないクラブの方が圧倒的に多い。
社会的な責任もあり、力をつけなければいけないが、時間が必要。
今のやり方では、スポーツの二極化と一緒で、
できるところとできないところの差が広がる。
totoの運営主体、日本スポーツ振興センターの担当者にすれば、
助成を通して、クラブやスポーツの役に立ちたいと思ってくれている。
クラブからすると、なぜこんな細かいことを
いちいち言ってくるのかと受け止めてしまう。
一方は疑い、一方は不信感が募る。
雰囲気は決してよくない。
互いに顔が見えない中、お金のやり取りをしていることが原因では。
totoに限らず、やれコンプライアンス(法令順守)だ、
やれ危機管理だと、システムばやりで、
そこに膨大な人と予算が投入。
管理する方も、される方も大きな労力や費用がかかる。
総合型クラブに代表される地域のスポーツは、成熟していない分野で、
今からそこに労力や費用をかけてしまっていては、
拡大の足かせになってしまう。
顔の見える関係づくりや地域ごとの実情に合わせた施策展開を
行うためには、お金の配分を決め、使途を検証する組織は
各地域にあった方がいい。
広域スポーツセンターや都道府県体協のクラブ育成アドバイザーら
専任職員に任せてはどうか。
彼らは、日ごろからクラブとの付き合いがあり、
互いに切磋琢磨できる。
先日、ある民主党国会議員の話を聞く機会が。
政権交代によって、政策提案や事業のやり方が変わっていく中、
国が作成したマニュアルに沿って事業を進めるのではなく、
それぞれの地域の実情に応じて、やりたい事業を考えてもらい、
そこでお金が使えるような仕組みにしていきたい。
全国を一つのスタンダードにあてはめるのではなく、
国と地域の役割分担を見直し、国は権限と財源を地域に移譲。
地域は、地域のスポーツ振興をマネジメントする役割を果たす。
==============
◇おのざき・けんろう
1961年生まれ。東京農工大卒。
1996年、青少年の一貫指導と生涯スポーツの実践を目指す
浦和スポーツクラブに入会。NPO法人クラブネッツ理事。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/02/06/20100206dde035070049000c.html
UMNファーマの金指社長、「ワクチン開発、強毒性の新型インフルにも対応」
(日経 2月9日)
毒性の強いH5N1型のインフルエンザワクチンの開発を
進めているUMNファーマ(秋田市)。
現在は、約6カ月かかるワクチンの生産期間を
約2カ月に短縮できる技術がIHIに評価、
今春に共同出資会社を設立。
インフルワクチンの開発を急ぐUMNファーマの金指秀一社長。
——IHIと共同出資会社を設立した。
「IHIとは、以前からワクチン製造に関し、共同で研究。
今後の事業化に向け、より深い関係を構築するため4月、
秋田市に共同出資の新会社を設立。
20~30億円程度を投じて工場を建設、
2012年には年250~500万回分のワクチンの原薬を
製造できるようにしたい」
——なぜ今、ワクチンの研究開発に取り組むのか?
「日本では、インフルワクチンは現在、鶏卵を使って
ウイルスを増殖させる製造技術が主流。
鶏卵を使った製造法では、製品化まで6カ月近くかかる」
「昨年、感染が拡大したH1N1型の新型インフルエンザから
得た教訓は、流行し始めてから対策をとっても遅い。
流行が落ち着いてから、インフルエンザワクチンが
輸入できても遅い。
欲しいときに、あるようにすべきだ」
「豚由来のH1N1型の新型インフルに比べ、
鳥由来のH5N1は強毒性。
次に流行するかもしれないH5N1型に備え、
早期にワクチンを供給できる体制を整備することが求められる」
——開発の進ちょくはどうか?
「主に製剤の用量を決めるために実施した
第2相臨床試験(治験)が終わった。
すでに実施した治験のデータと併せ、安全性や有効性を確認」
「今回、対象は90人だったが、次は安全性を確認するため、
もっと大規模な臨床試験を行う必要がある。
12年の発売を目指している」
——新型インフルエンザはいつ流行するか分からない。
収益は安定しないのでは?
「インフルエンザワクチン製造に使う技術は、
他の医薬品製造にも転用できる。
同技術の導入元である米バイオ企業のプロテイン・サイエンシィズは、
他の感染症やがん、生活習慣病などのワクチンの研究を進めている。
インフルエンザワクチンが軌道に乗れば、
当社も他のワクチンについて、導入を検討していきたい」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100208.html
毒性の強いH5N1型のインフルエンザワクチンの開発を
進めているUMNファーマ(秋田市)。
現在は、約6カ月かかるワクチンの生産期間を
約2カ月に短縮できる技術がIHIに評価、
今春に共同出資会社を設立。
インフルワクチンの開発を急ぐUMNファーマの金指秀一社長。
——IHIと共同出資会社を設立した。
「IHIとは、以前からワクチン製造に関し、共同で研究。
今後の事業化に向け、より深い関係を構築するため4月、
秋田市に共同出資の新会社を設立。
20~30億円程度を投じて工場を建設、
2012年には年250~500万回分のワクチンの原薬を
製造できるようにしたい」
——なぜ今、ワクチンの研究開発に取り組むのか?
「日本では、インフルワクチンは現在、鶏卵を使って
ウイルスを増殖させる製造技術が主流。
鶏卵を使った製造法では、製品化まで6カ月近くかかる」
「昨年、感染が拡大したH1N1型の新型インフルエンザから
得た教訓は、流行し始めてから対策をとっても遅い。
流行が落ち着いてから、インフルエンザワクチンが
輸入できても遅い。
欲しいときに、あるようにすべきだ」
「豚由来のH1N1型の新型インフルに比べ、
鳥由来のH5N1は強毒性。
次に流行するかもしれないH5N1型に備え、
早期にワクチンを供給できる体制を整備することが求められる」
——開発の進ちょくはどうか?
「主に製剤の用量を決めるために実施した
第2相臨床試験(治験)が終わった。
すでに実施した治験のデータと併せ、安全性や有効性を確認」
「今回、対象は90人だったが、次は安全性を確認するため、
もっと大規模な臨床試験を行う必要がある。
12年の発売を目指している」
——新型インフルエンザはいつ流行するか分からない。
収益は安定しないのでは?
「インフルエンザワクチン製造に使う技術は、
他の医薬品製造にも転用できる。
同技術の導入元である米バイオ企業のプロテイン・サイエンシィズは、
他の感染症やがん、生活習慣病などのワクチンの研究を進めている。
インフルエンザワクチンが軌道に乗れば、
当社も他のワクチンについて、導入を検討していきたい」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100208.html
電力10社体制はいつまで続くか?
(日経 2010-02-15)
東京電力と北海道電力が、北海道での風力発電拡大で協力、
2014年、東電が北電から風力発電による電力の買い取りを始める。
電力会社どうしが手を携え、温暖化ガス削減に取り組む
前向きな動きだが、見方を変えると、
「日本に電力会社が10社も必要なのか」という疑問。
東電は、東北電力とも同様の内容で事業協力を進める。
日本で、風力発電に適した地域を抱えるのは、北電と東北電。
両社の営業エリアにある風力発電設備は、日本全体のおよそ半分。
北海道では、良い風が吹こうとも、風力発電を増やすことができない。
北電の電力供給規模では、安定した電力品質を維持には、
風力発電設備の導入は36万kwが限界、26万kw分の設備が立地。
東電は、10~20万kw分の風力発電を北電から供給、
同等規模の風力発電の開発余地を北海道に生み出す。
北海道、東北、東京の各電力のエリアが、1社で運営されれば?
品質の不安定な風力発電の受け入れ量は一気に増え、
北海道と東北が抱えていた「風力ボトルネック」は解消に。
「低炭素社会対応」をキーワードに俯瞰してみると、
戦後から続いた電力10社体制の限界は他にも。
温暖化対策の最有力手段である原子力発電。
沖縄を除く9社が原発を運営、立地場所に制約があり、
各社の原発比率は格差が。
苦しいのが中部電力。
全発電設備に占める原発比率は1割程度、
3割程度の東電や関西電力に見劣り。
都道府県別風力発電ランキング(NEDO調べ、2009年時点)
1位 青 森 277,100 kw 192基
2位 北海道 258,485 kw 268基
3位 鹿児島 136,505 kw 97基
4位 秋 田 122,662 kw 103基
5位 石 川 78,515 kw 56基
6位 山 口 74,450 kw 37基
7位 福 島 69,860 kw 43基
8位 千 葉 68,150 kw 50基
9位 茨 城 67,905 kw 46基
10位 長 崎 67,410 kw 60基
日本全体 1,853,624 kw 1,517基
原発立地に適した地域に乏しい中部電の原発は、浜岡原発のみ。
原発比率が低いままでは、業界目標のCO2排出源単位を
クリアするには、排出権を購入する必要があり、財務体質に響く。
2000年、三重県芦浜地区での新設計画を断念して以降、
新規立地のめどはたたない。
関係者のあいだでささやかれる秘策は、北陸電力との経営統合。
志賀原発2基、190万kw分が手に入り、原発比率が上昇。
電力会社どうしの経営統合は、独禁法上の問題が障害、
供給区域が広がると、米国のように停電時のリスクが増す。
吸収される側の電力会社の強い抵抗もありそう。
「なぜ10社?」の疑問は、今後もさらに強まる。
風力発電など、再生可能エネルギーを手掛ける新興企業では、
電力の品質確保を理由に、受け入れ量を制限する
電力会社への不満が根強い。
「再生可能エネルギー導入量を増やすには、発送電分離が不可避」
温暖化ガス削減に熱心な民主党政権とどこかで結びついたら・・・。
電力会社が、最も敬遠する「発送電分離論議」を封じ込めるには、
電力会社どうしの連係やスマートグリッド(次世代送電網)の
構築などを通じ、再生可能エネルギー導入実績を積みあげる。
西日本では、太陽光の豊富な九州電力と関西電力などが協力、
太陽光導入に取り組むケースも。
再生可能エネルギー導入に取り組むほど、電力10社体制の
意味合いが薄れていくというパラドックスに陥りそう。
戦時体制下で発送電を独占していた日本発送電を分割し、
本州9社体制が発足してからおよそ60年。
日本経済が成長を続けてきた時代は、営業区域を分け、
需要地と電源を近接した電力供給は効率よく機能。
低成長下の低炭素社会対応で、制度疲労が目立ってきた。
電力会社が、「発送電分離」という最悪シナリオを回避したいなら、
10社体制に自らが風穴をあける覚悟が求められる。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100212.html
東京電力と北海道電力が、北海道での風力発電拡大で協力、
2014年、東電が北電から風力発電による電力の買い取りを始める。
電力会社どうしが手を携え、温暖化ガス削減に取り組む
前向きな動きだが、見方を変えると、
「日本に電力会社が10社も必要なのか」という疑問。
東電は、東北電力とも同様の内容で事業協力を進める。
日本で、風力発電に適した地域を抱えるのは、北電と東北電。
両社の営業エリアにある風力発電設備は、日本全体のおよそ半分。
北海道では、良い風が吹こうとも、風力発電を増やすことができない。
北電の電力供給規模では、安定した電力品質を維持には、
風力発電設備の導入は36万kwが限界、26万kw分の設備が立地。
東電は、10~20万kw分の風力発電を北電から供給、
同等規模の風力発電の開発余地を北海道に生み出す。
北海道、東北、東京の各電力のエリアが、1社で運営されれば?
品質の不安定な風力発電の受け入れ量は一気に増え、
北海道と東北が抱えていた「風力ボトルネック」は解消に。
「低炭素社会対応」をキーワードに俯瞰してみると、
戦後から続いた電力10社体制の限界は他にも。
温暖化対策の最有力手段である原子力発電。
沖縄を除く9社が原発を運営、立地場所に制約があり、
各社の原発比率は格差が。
苦しいのが中部電力。
全発電設備に占める原発比率は1割程度、
3割程度の東電や関西電力に見劣り。
都道府県別風力発電ランキング(NEDO調べ、2009年時点)
1位 青 森 277,100 kw 192基
2位 北海道 258,485 kw 268基
3位 鹿児島 136,505 kw 97基
4位 秋 田 122,662 kw 103基
5位 石 川 78,515 kw 56基
6位 山 口 74,450 kw 37基
7位 福 島 69,860 kw 43基
8位 千 葉 68,150 kw 50基
9位 茨 城 67,905 kw 46基
10位 長 崎 67,410 kw 60基
日本全体 1,853,624 kw 1,517基
原発立地に適した地域に乏しい中部電の原発は、浜岡原発のみ。
原発比率が低いままでは、業界目標のCO2排出源単位を
クリアするには、排出権を購入する必要があり、財務体質に響く。
2000年、三重県芦浜地区での新設計画を断念して以降、
新規立地のめどはたたない。
関係者のあいだでささやかれる秘策は、北陸電力との経営統合。
志賀原発2基、190万kw分が手に入り、原発比率が上昇。
電力会社どうしの経営統合は、独禁法上の問題が障害、
供給区域が広がると、米国のように停電時のリスクが増す。
吸収される側の電力会社の強い抵抗もありそう。
「なぜ10社?」の疑問は、今後もさらに強まる。
風力発電など、再生可能エネルギーを手掛ける新興企業では、
電力の品質確保を理由に、受け入れ量を制限する
電力会社への不満が根強い。
「再生可能エネルギー導入量を増やすには、発送電分離が不可避」
温暖化ガス削減に熱心な民主党政権とどこかで結びついたら・・・。
電力会社が、最も敬遠する「発送電分離論議」を封じ込めるには、
電力会社どうしの連係やスマートグリッド(次世代送電網)の
構築などを通じ、再生可能エネルギー導入実績を積みあげる。
西日本では、太陽光の豊富な九州電力と関西電力などが協力、
太陽光導入に取り組むケースも。
再生可能エネルギー導入に取り組むほど、電力10社体制の
意味合いが薄れていくというパラドックスに陥りそう。
戦時体制下で発送電を独占していた日本発送電を分割し、
本州9社体制が発足してからおよそ60年。
日本経済が成長を続けてきた時代は、営業区域を分け、
需要地と電源を近接した電力供給は効率よく機能。
低成長下の低炭素社会対応で、制度疲労が目立ってきた。
電力会社が、「発送電分離」という最悪シナリオを回避したいなら、
10社体制に自らが風穴をあける覚悟が求められる。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100212.html
健康食品との付き合い方:/4止 効果や安全性、根拠を確認
(毎日 2月12日)
<美をいつまでも保ちたい>
<年をとっても、元気に歩きたい>
<カルシウム補給>
こんな誘い文句が、健康をうたった食品の宣伝によく使われる。
特定の食品に、<病気に効く>と表示すると、
医薬品扱いとなるため薬事法違反に問われるが、
<美をいつまでも保ちたい>といった願望の表現であれば、
違反にはならない。
こういう表現に出合ったときの注意について、
高橋久仁子・群馬大学教育学部教授は、
「書いてあること以上に、勝手に自分に都合よく
行間を読んではいけない」
<年をとっても、元気に歩きたい>という表現を、
「この健康食品を取れば、年をとっても元気に歩くことができる」と
解釈してはいけない。
<カルシウム補給>という表現も、「カルシウムが補給できる」
とまでは書いていない。
「カルシウムが体内に補給されて、骨が丈夫になる」と
読んではいけない。
そういう表現とともによく出るのが、若い女性や元気な高齢者などの
「私はこれを取っていて、元気です」といった写真付きの体験話。
高橋さんは、「使って効果がなかった人は出てこない」、
表現や体験話の意味を冷静に考えることが必要。
特定の健康食品の有効性や安全性を、
自分の力で見極めるのは容易ではない。
健康食品を利用したい、でも何を信じていいか分からない、
と判断に迷ったとき、多くの専門家たちが勧めているのが、
国立健康・栄養研究所が運営するホームページ
「『健康食品』の安全性・有効性情報」
国内外の健康食品による被害事例のほか、
論文など科学的根拠に基づいて、専門家が審査した情報が掲載。
不確かなものがあふれる健康食品情報の中では信頼性が高く、
情報も時々に更新、それぞれの商品について
科学的な安全性や有効性がどこまで実証されているかを確認。
情報は大きく分けて、
(1)注意すべき健康食品の特徴などをまとめた「基礎知識」、
(2)国内外の摘発事例や健康被害事例を掲載した「被害関連情報」、
(3)「α-リポ酸」、「酸素水」などタイムリーな情報をまとめた
「話題の食品・成分」、
(4)健康食品に含まれる成分の安全性と有効性の科学的根拠を
集めた「素材情報データベース」--
の四つで構成。
トップページから一括して検索できるので、
成分名や製品名を入力して情報を引き出す。
「健康茶」、「減肥茶」などと販売されているお茶に
含まれることが多い成分「センナ」で検索、
厚生労働省などがセンナを含む製品「飲まなく茶」を使用しないよう
注意を呼びかけているという被害関連情報や、
食品に利用が認められている茎について、
「ヒトでの安全性・有効性の情報は見あたらない」といった
素材情報などが一覧表示。
同研究所の梅垣敬三情報センター長は、
「健康食品だけでは、健康になれない。
基本は、毎日の食生活のバランス」。
その上で、健康食品を利用する場合、
「まずは、被害関連情報がないかを確認すること。
製品には、主成分以外にいろいろな成分が入っていて、
副成分が被害を及ぼす場合も。
被害情報がない製品であれば、含有成分の安全性や有効性が
どこまで科学的に実証されているかを見て、
摂取するかどうかの判断材料の一つにしてほしい」
◇信頼できる情報の見分け方
健康食品の有効性をどこまで信じてよいか、判断力を養いたい。
国立健康・栄養研究所のサイト
「『健康食品』の安全性・有効性情報」の、
「科学的根拠のある情報とは?」でその方法を紹介。
サイトは、情報の信頼度を5段階に分け、1から5に近づくほど
科学的な根拠がしっかりした情報。
体験談や専門家の一意見だけでは、信頼度は低い。
実験結果でも、試験管内の細胞や動物実験だけでは低いが、
科学的な論文として名のある専門雑誌に出ていると、高くなる。
人を対象にした試験では、ある健康食品を取った人(投与群)と
取らない人(対照群)を、長期間追跡して効果の差を比べた
臨床試験であれば、信頼度はかなり高い。
最も良いのは、こういう試験が複数あるもの。
http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100212ddm013100094000c.html
<美をいつまでも保ちたい>
<年をとっても、元気に歩きたい>
<カルシウム補給>
こんな誘い文句が、健康をうたった食品の宣伝によく使われる。
特定の食品に、<病気に効く>と表示すると、
医薬品扱いとなるため薬事法違反に問われるが、
<美をいつまでも保ちたい>といった願望の表現であれば、
違反にはならない。
こういう表現に出合ったときの注意について、
高橋久仁子・群馬大学教育学部教授は、
「書いてあること以上に、勝手に自分に都合よく
行間を読んではいけない」
<年をとっても、元気に歩きたい>という表現を、
「この健康食品を取れば、年をとっても元気に歩くことができる」と
解釈してはいけない。
<カルシウム補給>という表現も、「カルシウムが補給できる」
とまでは書いていない。
「カルシウムが体内に補給されて、骨が丈夫になる」と
読んではいけない。
そういう表現とともによく出るのが、若い女性や元気な高齢者などの
「私はこれを取っていて、元気です」といった写真付きの体験話。
高橋さんは、「使って効果がなかった人は出てこない」、
表現や体験話の意味を冷静に考えることが必要。
特定の健康食品の有効性や安全性を、
自分の力で見極めるのは容易ではない。
健康食品を利用したい、でも何を信じていいか分からない、
と判断に迷ったとき、多くの専門家たちが勧めているのが、
国立健康・栄養研究所が運営するホームページ
「『健康食品』の安全性・有効性情報」
国内外の健康食品による被害事例のほか、
論文など科学的根拠に基づいて、専門家が審査した情報が掲載。
不確かなものがあふれる健康食品情報の中では信頼性が高く、
情報も時々に更新、それぞれの商品について
科学的な安全性や有効性がどこまで実証されているかを確認。
情報は大きく分けて、
(1)注意すべき健康食品の特徴などをまとめた「基礎知識」、
(2)国内外の摘発事例や健康被害事例を掲載した「被害関連情報」、
(3)「α-リポ酸」、「酸素水」などタイムリーな情報をまとめた
「話題の食品・成分」、
(4)健康食品に含まれる成分の安全性と有効性の科学的根拠を
集めた「素材情報データベース」--
の四つで構成。
トップページから一括して検索できるので、
成分名や製品名を入力して情報を引き出す。
「健康茶」、「減肥茶」などと販売されているお茶に
含まれることが多い成分「センナ」で検索、
厚生労働省などがセンナを含む製品「飲まなく茶」を使用しないよう
注意を呼びかけているという被害関連情報や、
食品に利用が認められている茎について、
「ヒトでの安全性・有効性の情報は見あたらない」といった
素材情報などが一覧表示。
同研究所の梅垣敬三情報センター長は、
「健康食品だけでは、健康になれない。
基本は、毎日の食生活のバランス」。
その上で、健康食品を利用する場合、
「まずは、被害関連情報がないかを確認すること。
製品には、主成分以外にいろいろな成分が入っていて、
副成分が被害を及ぼす場合も。
被害情報がない製品であれば、含有成分の安全性や有効性が
どこまで科学的に実証されているかを見て、
摂取するかどうかの判断材料の一つにしてほしい」
◇信頼できる情報の見分け方
健康食品の有効性をどこまで信じてよいか、判断力を養いたい。
国立健康・栄養研究所のサイト
「『健康食品』の安全性・有効性情報」の、
「科学的根拠のある情報とは?」でその方法を紹介。
サイトは、情報の信頼度を5段階に分け、1から5に近づくほど
科学的な根拠がしっかりした情報。
体験談や専門家の一意見だけでは、信頼度は低い。
実験結果でも、試験管内の細胞や動物実験だけでは低いが、
科学的な論文として名のある専門雑誌に出ていると、高くなる。
人を対象にした試験では、ある健康食品を取った人(投与群)と
取らない人(対照群)を、長期間追跡して効果の差を比べた
臨床試験であれば、信頼度はかなり高い。
最も良いのは、こういう試験が複数あるもの。
http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100212ddm013100094000c.html
2010年2月17日水曜日
御室桜:京都・仁和寺の名勝、クローン技術で増殖 住友林業が成功
(毎日 2月10日)
住友林業は、京都市右京区の世界遺産・仁和寺境内にある
国の名勝「御室桜」を、独自のクローン技術で増やすことに成功。
御室桜(御室有明)は、人の背丈ほどの高さの遅咲き八重桜。
現在ある約200本は、樹齢が350年を超えている。
若枝を株分けする方法では、突然変異で花びらが一重になりやすく、
接ぎ木など従来の方法では増やすことが難しい。
同社は、御室桜を後世に残すため、
千葉大園芸学部の協力を受け、07年から取り組みを始めた。
新しい方法は、やがて芽になる「茎頂」という部分を
冬芽から顕微鏡下で摘出。
特殊な培養液で大量に発芽させ、培養土で幼苗まで育てる。
完全なコピー(クローン)のため、突然変異の心配がない。
無菌環境での作業により、病虫害も防げる。
同社の筑波研究所で、苗を育成中。
八重の形質を受け継いでいることを確認のうえ、
現存のものが枯れた場合などの補充として植えていく。
同社は04年、豊臣秀吉が盛大な花見を催したことで知られる
醍醐寺(京都市伏見区)のしだれ桜「土牛の桜」の
クローン作成にも、同様の手法で成功。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/10/20100210dde041040027000c.html
住友林業は、京都市右京区の世界遺産・仁和寺境内にある
国の名勝「御室桜」を、独自のクローン技術で増やすことに成功。
御室桜(御室有明)は、人の背丈ほどの高さの遅咲き八重桜。
現在ある約200本は、樹齢が350年を超えている。
若枝を株分けする方法では、突然変異で花びらが一重になりやすく、
接ぎ木など従来の方法では増やすことが難しい。
同社は、御室桜を後世に残すため、
千葉大園芸学部の協力を受け、07年から取り組みを始めた。
新しい方法は、やがて芽になる「茎頂」という部分を
冬芽から顕微鏡下で摘出。
特殊な培養液で大量に発芽させ、培養土で幼苗まで育てる。
完全なコピー(クローン)のため、突然変異の心配がない。
無菌環境での作業により、病虫害も防げる。
同社の筑波研究所で、苗を育成中。
八重の形質を受け継いでいることを確認のうえ、
現存のものが枯れた場合などの補充として植えていく。
同社は04年、豊臣秀吉が盛大な花見を催したことで知られる
醍醐寺(京都市伏見区)のしだれ桜「土牛の桜」の
クローン作成にも、同様の手法で成功。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/10/20100210dde041040027000c.html
NTTの宇治則孝副社長 「電子看板を100億円事業に」
(日経 2月3日)
商業施設や交通機関などに設置したディスプレーに、
広告を配信するデジタルサイネージ(電子看板)が注目。
ネットワーク経由で、時間帯や場所に応じた広告を効果的に配信、
広告市況が低迷する中でも高い成長が期待。
同分野への本格参入を発表したNTT持ち株会社の
宇治則孝副社長に、参入の背景や狙いを聞いた。
——なぜ今、電子看板事業に参入するのか?
「NTTは、2008年に策定した中期経営戦略の中で、
インフラ事業者から『サービス創造企業』への転換を掲げ、
光ファイバー通信回線の利用を促進する
新たなサービスの開発に総力。
3年目となる10年は、『サービス創造を花開かせる1年』と位置付け、
これまで準備してきた新事業を一気に商用化する計画」
「電子看板について、法人向けの光回線需要を創出する技術として
早くから注目、07年電機大手などと
『デジタルサイネージコンソーシアム(DSC)』を組織、
広告配信技術の標準化などを進めてきた。
09年、京浜急行電鉄の改札口などに電子看板を設置、
広告効果を確かめる実証実験にも取り組んだ。
景気低迷の影響で、広告ビジネスを取り巻く状況は厳しいものの、
電子看板の商用化に向けた環境が整ったと判断」
——NTTの電子看板事業の概要は?
「まずは、ディスプレーとネットワークを組み合わせた
電子看板システムを2月1日に発売。
『ひかりサイネージ』というグループの統一ブランドを掲げ、
NTT東西地域会社やNTTドコモなど、グループ各社の
法人営業部門を通じて、フランチャイズチェーン(FC)を展開する
飲食業や金融機関、交通機関向けに販売する」
「電子看板事業への参入に当たって、パナソニック子会社の
ピーディーシーや丸紅と提携、両社からディスプレーなど
機材の供給を受けることに。
ネットベンチャーのニューフォリアとも組み、NTTが販売する
電子看板システムにニュースや占い、天気予報などの
コンテンツを配信してもらう」
——NTTの電子看板サービスの特徴は?
「利用企業のさまざまなニーズに応えられるよう、
導入規模やディスプレーの種類によって、3つのメニューを用意。
FCを展開する飲食業などを対象とする『ベーシックシリーズ』では、
ネットワーク経由でサービスを提供する『SaaS(サース)』の
仕組みを採用。
ネットワークを含め、月額料金で利用できるようにし、
企業の初期負担を軽減。
ディスプレーの大きさにもよるが、利用企業はディスプレー1台当たり
月1万円弱の費用で電子看板を導入」
「10年中、電子看板向けの広告配信サーバーを運用する
プラットフォーム事業にも乗り出す計画。
現在約170社が参加する標準化団体のDSCなどを通じ、
広告配信技術の標準化を推進、NTTグループが販売する
ひかりサイネージ以外のディスプレーにも広告を配信」
——ターゲットと販売目標は?
「飲食店や商業施設だけでなく、官公庁や病院、美術館など
人が集まるあらゆる施設がターゲットに。
ドコモの携帯電話販売代理店『ドコモショップ』に、
ひかりサイネージを導入することも。
電子看板の市場規模は、ネットワークにつながったタイプに限っても、
2008年の約150億円から、15年に320億円前後に成長すると見込む。
15年までに、NTTグループで25~30%のシェアを獲得、
早期に売上高100億円規模の事業に育てたい」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100202.html
商業施設や交通機関などに設置したディスプレーに、
広告を配信するデジタルサイネージ(電子看板)が注目。
ネットワーク経由で、時間帯や場所に応じた広告を効果的に配信、
広告市況が低迷する中でも高い成長が期待。
同分野への本格参入を発表したNTT持ち株会社の
宇治則孝副社長に、参入の背景や狙いを聞いた。
——なぜ今、電子看板事業に参入するのか?
「NTTは、2008年に策定した中期経営戦略の中で、
インフラ事業者から『サービス創造企業』への転換を掲げ、
光ファイバー通信回線の利用を促進する
新たなサービスの開発に総力。
3年目となる10年は、『サービス創造を花開かせる1年』と位置付け、
これまで準備してきた新事業を一気に商用化する計画」
「電子看板について、法人向けの光回線需要を創出する技術として
早くから注目、07年電機大手などと
『デジタルサイネージコンソーシアム(DSC)』を組織、
広告配信技術の標準化などを進めてきた。
09年、京浜急行電鉄の改札口などに電子看板を設置、
広告効果を確かめる実証実験にも取り組んだ。
景気低迷の影響で、広告ビジネスを取り巻く状況は厳しいものの、
電子看板の商用化に向けた環境が整ったと判断」
——NTTの電子看板事業の概要は?
「まずは、ディスプレーとネットワークを組み合わせた
電子看板システムを2月1日に発売。
『ひかりサイネージ』というグループの統一ブランドを掲げ、
NTT東西地域会社やNTTドコモなど、グループ各社の
法人営業部門を通じて、フランチャイズチェーン(FC)を展開する
飲食業や金融機関、交通機関向けに販売する」
「電子看板事業への参入に当たって、パナソニック子会社の
ピーディーシーや丸紅と提携、両社からディスプレーなど
機材の供給を受けることに。
ネットベンチャーのニューフォリアとも組み、NTTが販売する
電子看板システムにニュースや占い、天気予報などの
コンテンツを配信してもらう」
——NTTの電子看板サービスの特徴は?
「利用企業のさまざまなニーズに応えられるよう、
導入規模やディスプレーの種類によって、3つのメニューを用意。
FCを展開する飲食業などを対象とする『ベーシックシリーズ』では、
ネットワーク経由でサービスを提供する『SaaS(サース)』の
仕組みを採用。
ネットワークを含め、月額料金で利用できるようにし、
企業の初期負担を軽減。
ディスプレーの大きさにもよるが、利用企業はディスプレー1台当たり
月1万円弱の費用で電子看板を導入」
「10年中、電子看板向けの広告配信サーバーを運用する
プラットフォーム事業にも乗り出す計画。
現在約170社が参加する標準化団体のDSCなどを通じ、
広告配信技術の標準化を推進、NTTグループが販売する
ひかりサイネージ以外のディスプレーにも広告を配信」
——ターゲットと販売目標は?
「飲食店や商業施設だけでなく、官公庁や病院、美術館など
人が集まるあらゆる施設がターゲットに。
ドコモの携帯電話販売代理店『ドコモショップ』に、
ひかりサイネージを導入することも。
電子看板の市場規模は、ネットワークにつながったタイプに限っても、
2008年の約150億円から、15年に320億円前後に成長すると見込む。
15年までに、NTTグループで25~30%のシェアを獲得、
早期に売上高100億円規模の事業に育てたい」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100202.html
新日鉄も実験、CCSは切り札か
(日経 2010-02-08)
昨年12月、コペンハーゲンで開かれた
第15回気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で、
世界全体の長期目標として、気温上昇を2度以内に抑えるべく
行動することが盛り込まれた。
これは、世界の温暖化ガス排出量を2050年までに
ほぼ半減させることを意味。
13年以降、当面の削減の枠組み(ポスト京都議定書)の交渉に
進展がみられなかったことに隠れてしまったが、
長期目標の方は改めて確認された形。
CO2大幅削減は、人類にとって初めての経験。
長期目標をおおむね共有しているとしても、そこに至る道程で、
意見の相違や試行錯誤があってもやむを得ない。
そういったチグハグぶりの中には、見逃せないものも。
それは、CO2回収・貯留(CCS)をめぐる問題。
石炭火力発電所や製鉄所の高炉などの排気の中からCO2を分離し、
地中などに封じ込めてしまう技術。
CO2を直接、大量に削減できる技術として、
先進国を中心に関心が高く、日本でも高炉大手が手を組んで
今春から新日本製鉄君津製鉄所で、高炉ガスから
CO2を分離・回収する実験を始める。
排出削減の決め手とされ、略称の知名度も上がってきた。
実のところ、京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)に基づく
排出枠を生み出す手段として、認められていない「中途半端」な存在。
国際エネルギー機関(IEA)によれば、現行の省エネペースを続けた
程度では、50年には世界の温暖化ガス排出量は
05年比2.3倍の620億トンまで増える。
気温上昇を2度以内にする長期目標の条件を満たすには、
排出を140億トンまで抑え込まないとならない。
ギャップの480億トンをどうするか?
IEAの技術予測を織り込んだ分析では、19%をCCSが稼ぎ出す。
再生可能エネルギーの21%、原子力発電の6%と比較し、
いかに期待が大きいかが分かる。
先進各国が、ポスト京都で大幅な削減目標を受け入れても、
国内の自助努力だけでは達成は難しい。
海外から規模の大きな排出枠を調達する手段を確保するため、
CCSをCDMの中に位置付ける必要。
経済発展の過程で、化石エネルギーへの依存度が高まってくる
途上国にとっても、CCSは有効な温暖化防止対策。
05年、CCSのCDM化が適当かどうかを検討する作業が
始まったが、いまだに結論は出ていない。
コペンハーゲンでも、「CDM化することを推進する」との合意文書は
採択したものの、実質的に先送りに。
国際協力銀行の本郷尚・環境ビジネス支援室長は、
膠着の理由について、「技術上の問題や地中からのCO2漏出への
懸念よりも、排出量取引市場への影響がネックに」
大量の排出枠を生み出す可能性を秘めたCCSを認めれば、
既存の排出枠価格が下落しかねない。
CDM化に反対している代表格が、ブラジル。
ガソリンに代わる自動車燃料、バイオエタノールの生産大国だけに、
CCS活用による排出削減の加速が、自国の「特産品」の需要増に
水を差しかねない。
過去の議論の歴史をひもとけば、植林のCDM化を狙う南米勢と、
CCSを有望視する欧州・中東産油勢がけん制し合い、
両論併記に持ち込む駆け引きに終始。
COP15でも、CCSのCDM化をめぐって、
「サウジアラビアやブラジルが、互いの主張を人質にとったような状態」
地球温暖化防止のために何をするべきか——。
「ポスト京都」論議の混迷ぶりを含め、排出量取引など
低炭素社会の仕組みが定着し、経済を規定するようになるにつれ、
「原点」とのきしみが大きくなってきている。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100205.html
昨年12月、コペンハーゲンで開かれた
第15回気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で、
世界全体の長期目標として、気温上昇を2度以内に抑えるべく
行動することが盛り込まれた。
これは、世界の温暖化ガス排出量を2050年までに
ほぼ半減させることを意味。
13年以降、当面の削減の枠組み(ポスト京都議定書)の交渉に
進展がみられなかったことに隠れてしまったが、
長期目標の方は改めて確認された形。
CO2大幅削減は、人類にとって初めての経験。
長期目標をおおむね共有しているとしても、そこに至る道程で、
意見の相違や試行錯誤があってもやむを得ない。
そういったチグハグぶりの中には、見逃せないものも。
それは、CO2回収・貯留(CCS)をめぐる問題。
石炭火力発電所や製鉄所の高炉などの排気の中からCO2を分離し、
地中などに封じ込めてしまう技術。
CO2を直接、大量に削減できる技術として、
先進国を中心に関心が高く、日本でも高炉大手が手を組んで
今春から新日本製鉄君津製鉄所で、高炉ガスから
CO2を分離・回収する実験を始める。
排出削減の決め手とされ、略称の知名度も上がってきた。
実のところ、京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)に基づく
排出枠を生み出す手段として、認められていない「中途半端」な存在。
国際エネルギー機関(IEA)によれば、現行の省エネペースを続けた
程度では、50年には世界の温暖化ガス排出量は
05年比2.3倍の620億トンまで増える。
気温上昇を2度以内にする長期目標の条件を満たすには、
排出を140億トンまで抑え込まないとならない。
ギャップの480億トンをどうするか?
IEAの技術予測を織り込んだ分析では、19%をCCSが稼ぎ出す。
再生可能エネルギーの21%、原子力発電の6%と比較し、
いかに期待が大きいかが分かる。
先進各国が、ポスト京都で大幅な削減目標を受け入れても、
国内の自助努力だけでは達成は難しい。
海外から規模の大きな排出枠を調達する手段を確保するため、
CCSをCDMの中に位置付ける必要。
経済発展の過程で、化石エネルギーへの依存度が高まってくる
途上国にとっても、CCSは有効な温暖化防止対策。
05年、CCSのCDM化が適当かどうかを検討する作業が
始まったが、いまだに結論は出ていない。
コペンハーゲンでも、「CDM化することを推進する」との合意文書は
採択したものの、実質的に先送りに。
国際協力銀行の本郷尚・環境ビジネス支援室長は、
膠着の理由について、「技術上の問題や地中からのCO2漏出への
懸念よりも、排出量取引市場への影響がネックに」
大量の排出枠を生み出す可能性を秘めたCCSを認めれば、
既存の排出枠価格が下落しかねない。
CDM化に反対している代表格が、ブラジル。
ガソリンに代わる自動車燃料、バイオエタノールの生産大国だけに、
CCS活用による排出削減の加速が、自国の「特産品」の需要増に
水を差しかねない。
過去の議論の歴史をひもとけば、植林のCDM化を狙う南米勢と、
CCSを有望視する欧州・中東産油勢がけん制し合い、
両論併記に持ち込む駆け引きに終始。
COP15でも、CCSのCDM化をめぐって、
「サウジアラビアやブラジルが、互いの主張を人質にとったような状態」
地球温暖化防止のために何をするべきか——。
「ポスト京都」論議の混迷ぶりを含め、排出量取引など
低炭素社会の仕組みが定着し、経済を規定するようになるにつれ、
「原点」とのきしみが大きくなってきている。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100205.html
健康食品との付き合い方:/3 栄養の専門家、どう活用
(毎日 2月11日)
病気のとき、気軽に受診できる「かかりつけ医」がいると安心。
「病気の予防や健康維持で、かかりつけ管理栄養士が
身近にいれば、素晴らしいですね」、
鈴木志保子・神奈川県立保健福祉大学教授。
金メダルに輝いた北京五輪日本女子ソフトボールチームの
栄養管理をした管理栄養士。
鈴木さんは、サプリメントと健康食品は区別して考えた方が
活用しやすい。
ビタミンやミネラルは、れっきとした栄養素。
栄養素を補う目的で使うのが、ビタミンやミネラルのサプリメント。
健康食品は、さまざまな疾病の予防やより健康になるための
目的で、食物の抽出物などを利用。
「ビタミンなどのサプリメントは、賢く使えば健康維持に役立つ」。
鈴木さん自身、スポーツ選手との合宿など仕事で忙しく、
おにぎり程度の食事しかできない時は、
ビタミンB群やCのサプリメントで栄養素を補う。
一般人にとって、どんな時に、どんなサプリメントをどれくらい
摂取すればよいかが判断しにくい。
鈴木さんは、「どの薬局にも、かかりつけ管理栄養士のような
アドバイザーがいれば、誰でも気軽に相談できる」と、
アドバイザーの充実を期待。
国の審査で、健康効果が認められた特定保健用食品(トクホ)でも、
専門家のアドバイスがあると効果が得やすくなる。
たいていの人は、トクホを軽い気持ちで取っているが、
国立健康・栄養研究所の梅垣敬三・情報センター長は、
「食後の血糖値の上昇を抑えるトクホを取るのであれば、
同時に糖質の取り過ぎを避けて食物繊維を多めに取るなど、
食生活全体を見直すきっかけに」
サプリメントや健康食品を賢く活用するには、
それ相当の知識やアドバイスが必要。
専門家はどこにいるのか?どうすれば相談できるのか?
専門知識をもったアドバイザーは全国にたくさんいるが、
その存在はほとんど知られていない。
臨床検査技師などで組織する「健康食品管理士認定協会」
(事務局・鈴鹿医療科学大学内)は、一定の試験を課して
健康食品に詳しい健康食品管理士を養成。
約7000人もいるが、主に病院で働き、消費者の認知度は低い。
積極的に活用する医療機関も現れた。
香川大学医学部付属病院では、健康食品管理士の
多田達史・臨床検査技師が、糖尿病教室などで定期的に
健康食品の相談にも応じている。
「健康食品管理士の資格を持っている」と話すと、
患者たちが健康食品のチラシをもってきて、
「これは効くの?」などと質問。
「健康食品の話になると、患者の目がぱっと輝く」と
関心の高さを実感。
こういう活動はまだ少ない。
長村洋一同協会理事長(鈴鹿医療科学大教授)は、
「せっかくの能力が生かされていない。
薬局や自治体の窓口に、アドバイザーを配置するようなことを
国が決められないものか」
こうした専門家はほかにもいる。
国立健康・栄養研究所では、認定試験を実施し、
「栄養情報担当者」(NR)を養成。
主に管理栄養士や薬剤師で約4000人いるが、
やはりあまり知られていない。
同研究所の梅垣さんは、「自治体の消費生活センターに配置し、
相談に応じられるような仕組みができないものか」と、
消費者庁の政策に期待。
日本栄養士会では、2年前から全国の都道府県に
栄養ケアステーションを設け、健康指導などを行っている。
東京の本部では、健康食品の相談にも応じている。
以前に保健所で働いていたという管理栄養士の
迫和子常務理事は、「管理栄養士や薬剤師のいる保健所に、
消費者がもっと相談していい」
米国では個人で契約し、健康や疾病の相談に応じてくれる
パーソナル管理栄養士がいる。
健康食品やサプリメントへの関心が高まるなか、
日本でも全国に数多くいる専門家をどう活用するか、
知恵の見せどころ。
http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100211ddm013100161000c.html
病気のとき、気軽に受診できる「かかりつけ医」がいると安心。
「病気の予防や健康維持で、かかりつけ管理栄養士が
身近にいれば、素晴らしいですね」、
鈴木志保子・神奈川県立保健福祉大学教授。
金メダルに輝いた北京五輪日本女子ソフトボールチームの
栄養管理をした管理栄養士。
鈴木さんは、サプリメントと健康食品は区別して考えた方が
活用しやすい。
ビタミンやミネラルは、れっきとした栄養素。
栄養素を補う目的で使うのが、ビタミンやミネラルのサプリメント。
健康食品は、さまざまな疾病の予防やより健康になるための
目的で、食物の抽出物などを利用。
「ビタミンなどのサプリメントは、賢く使えば健康維持に役立つ」。
鈴木さん自身、スポーツ選手との合宿など仕事で忙しく、
おにぎり程度の食事しかできない時は、
ビタミンB群やCのサプリメントで栄養素を補う。
一般人にとって、どんな時に、どんなサプリメントをどれくらい
摂取すればよいかが判断しにくい。
鈴木さんは、「どの薬局にも、かかりつけ管理栄養士のような
アドバイザーがいれば、誰でも気軽に相談できる」と、
アドバイザーの充実を期待。
国の審査で、健康効果が認められた特定保健用食品(トクホ)でも、
専門家のアドバイスがあると効果が得やすくなる。
たいていの人は、トクホを軽い気持ちで取っているが、
国立健康・栄養研究所の梅垣敬三・情報センター長は、
「食後の血糖値の上昇を抑えるトクホを取るのであれば、
同時に糖質の取り過ぎを避けて食物繊維を多めに取るなど、
食生活全体を見直すきっかけに」
サプリメントや健康食品を賢く活用するには、
それ相当の知識やアドバイスが必要。
専門家はどこにいるのか?どうすれば相談できるのか?
専門知識をもったアドバイザーは全国にたくさんいるが、
その存在はほとんど知られていない。
臨床検査技師などで組織する「健康食品管理士認定協会」
(事務局・鈴鹿医療科学大学内)は、一定の試験を課して
健康食品に詳しい健康食品管理士を養成。
約7000人もいるが、主に病院で働き、消費者の認知度は低い。
積極的に活用する医療機関も現れた。
香川大学医学部付属病院では、健康食品管理士の
多田達史・臨床検査技師が、糖尿病教室などで定期的に
健康食品の相談にも応じている。
「健康食品管理士の資格を持っている」と話すと、
患者たちが健康食品のチラシをもってきて、
「これは効くの?」などと質問。
「健康食品の話になると、患者の目がぱっと輝く」と
関心の高さを実感。
こういう活動はまだ少ない。
長村洋一同協会理事長(鈴鹿医療科学大教授)は、
「せっかくの能力が生かされていない。
薬局や自治体の窓口に、アドバイザーを配置するようなことを
国が決められないものか」
こうした専門家はほかにもいる。
国立健康・栄養研究所では、認定試験を実施し、
「栄養情報担当者」(NR)を養成。
主に管理栄養士や薬剤師で約4000人いるが、
やはりあまり知られていない。
同研究所の梅垣さんは、「自治体の消費生活センターに配置し、
相談に応じられるような仕組みができないものか」と、
消費者庁の政策に期待。
日本栄養士会では、2年前から全国の都道府県に
栄養ケアステーションを設け、健康指導などを行っている。
東京の本部では、健康食品の相談にも応じている。
以前に保健所で働いていたという管理栄養士の
迫和子常務理事は、「管理栄養士や薬剤師のいる保健所に、
消費者がもっと相談していい」
米国では個人で契約し、健康や疾病の相談に応じてくれる
パーソナル管理栄養士がいる。
健康食品やサプリメントへの関心が高まるなか、
日本でも全国に数多くいる専門家をどう活用するか、
知恵の見せどころ。
http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100211ddm013100161000c.html
2010年2月16日火曜日
脳細胞:「ひげ」は右回り 左右の脳に非対称性 理研、大阪大チームが解明
(毎日 2月2日)
脳の神経細胞から伸びるひげ状の「神経突起」は
成長する際、先端部が時計と同じ右回りに回転、
理化学研究所と大阪大のチームが動物実験で発見。
回転が左右の脳の非対称性を生み、
右脳と左脳の機能分担を生じさせると推測。
米科学誌「ジャーナル・オブ・セルバイオロジー」で2日、発表。
理研の上口裕之チームリーダー(脳科学)らは、
ラットの神経細胞を特殊なゲル状の溶液中で三次元的に培養。
あらゆる方向に成長する神経突起の先端の動きを記録。
神経突起の先端にあり、突起の進む方向を決める
「成長円すい」から、多数飛び出ているとげ状の「糸状仮足」という
部分が、根元から見て、時計回りに回転し続けている。
毎分1回転で、回転しつつ伸び縮みしている。
遺伝子操作で、糸状仮足の回転を止めると、
通常右曲がりに伸びる神経突起が直線的に伸びるようになった。
右脳、左脳とも、回転は右回りだった。
左右の脳の神経回路は、鏡に映した対称形ではなく、非対称になる。
上口さんらは、「非対称の神経回路が右脳、左脳の
機能差を生むと考えられる。
回転を止めたり逆にした神経細胞を作ることで、
脳のメカニズムを解析する新しい方法が生み出せる」
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/02/20100202ddm012040080000c.html
脳の神経細胞から伸びるひげ状の「神経突起」は
成長する際、先端部が時計と同じ右回りに回転、
理化学研究所と大阪大のチームが動物実験で発見。
回転が左右の脳の非対称性を生み、
右脳と左脳の機能分担を生じさせると推測。
米科学誌「ジャーナル・オブ・セルバイオロジー」で2日、発表。
理研の上口裕之チームリーダー(脳科学)らは、
ラットの神経細胞を特殊なゲル状の溶液中で三次元的に培養。
あらゆる方向に成長する神経突起の先端の動きを記録。
神経突起の先端にあり、突起の進む方向を決める
「成長円すい」から、多数飛び出ているとげ状の「糸状仮足」という
部分が、根元から見て、時計回りに回転し続けている。
毎分1回転で、回転しつつ伸び縮みしている。
遺伝子操作で、糸状仮足の回転を止めると、
通常右曲がりに伸びる神経突起が直線的に伸びるようになった。
右脳、左脳とも、回転は右回りだった。
左右の脳の神経回路は、鏡に映した対称形ではなく、非対称になる。
上口さんらは、「非対称の神経回路が右脳、左脳の
機能差を生むと考えられる。
回転を止めたり逆にした神経細胞を作ることで、
脳のメカニズムを解析する新しい方法が生み出せる」
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/02/20100202ddm012040080000c.html
大豆食品で肺がんリスク低 非喫煙男性、厚労省研究班
(2010年2月5日 共同通信社)
たばこを吸わない男性では、豆腐や納豆などの大豆食品に
含まれるイソフラボンの摂取量が多い人が肺がんになるリスクは、
摂取量が少ない人の半分以下だとの研究結果を、
厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎
国立がんセンター予防研究部長)が公表。
研究班は岩手、秋田など8県に住む45~74歳の
男女約7万6千人を平均約11年間、追跡調査。
男性481人、女性178人が肺がんになった。
食事内容のアンケートからイソフラボンの摂取量を算出、
男女をそれぞれ4グループに分け、肺がんの発症率を比較。
男性のうち、非喫煙者では、イソフラボン摂取量が最も多い
グループ(豆腐換算で1日約203g)の発症率は、
最も少ないグループ(同約37g)の43%。
男性全体では、関連は出なかった。
喫煙の影響があまりに大きいため。
豆腐1丁は、300~400g程度。
女性でも、統計学的に意味のある差はなかったが、同様の傾向。
肺がんと女性ホルモンの関係を指摘する報告があり、
女性ホルモンと構造が似ているイソフラボンの摂取が
肺がん発症に影響するか注目、今回と同じように
イソフラボンの摂取で肺がんリスクが下がることを示唆する
海外の報告がある。
同センター予防研究部の島津太一研究員は、
「肺がんの最大の原因は、やはりたばこ」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/5/115575/
たばこを吸わない男性では、豆腐や納豆などの大豆食品に
含まれるイソフラボンの摂取量が多い人が肺がんになるリスクは、
摂取量が少ない人の半分以下だとの研究結果を、
厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎
国立がんセンター予防研究部長)が公表。
研究班は岩手、秋田など8県に住む45~74歳の
男女約7万6千人を平均約11年間、追跡調査。
男性481人、女性178人が肺がんになった。
食事内容のアンケートからイソフラボンの摂取量を算出、
男女をそれぞれ4グループに分け、肺がんの発症率を比較。
男性のうち、非喫煙者では、イソフラボン摂取量が最も多い
グループ(豆腐換算で1日約203g)の発症率は、
最も少ないグループ(同約37g)の43%。
男性全体では、関連は出なかった。
喫煙の影響があまりに大きいため。
豆腐1丁は、300~400g程度。
女性でも、統計学的に意味のある差はなかったが、同様の傾向。
肺がんと女性ホルモンの関係を指摘する報告があり、
女性ホルモンと構造が似ているイソフラボンの摂取が
肺がん発症に影響するか注目、今回と同じように
イソフラボンの摂取で肺がんリスクが下がることを示唆する
海外の報告がある。
同センター予防研究部の島津太一研究員は、
「肺がんの最大の原因は、やはりたばこ」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/5/115575/
諸外国から学ぶスポーツ基本法:フランス
(sfen)
◆フランスのスポーツ基本法の形成
フランスにおけるスポーツ法は、
第1に、1940年のスポーツ組織に関する法律、
1945年のスポーツ非営利社団、リーグ、連盟および団体に関する
臨時立法、学校および大学のスポーツ組織に関する臨時立法など、
スポーツ団体組織を中心に制定され、
特別なスポーツ団体法が形成。
第2に、1940年代から1950年代に、スポーツ活動の安全を
確保するため、スキー、水泳、山岳ガイド、柔道の
指導者資格に関する特別法が制定。
1963年、スポーツ教育者の職業資格全体に関する法律が制定。
第3に、1958年にド・ゴール政権となり、1960年ローマオリンピックでの
惨敗を契機とし、スポーツ行政の強化が求められ、
1966年青少年・スポーツ省が設置、スポーツ専門の公務員制度が確立、
総合的なスポーツ政策が展開、関連する法令の整備が進んだ。
1961、1965、1971年、スポーツ施設に関する長期計画法が制定。
以上の法令の展開を受け、1975年フランスにおける最初の
スポーツ基本法「体育およびスポーツの発展に関する法律」制定。
同法は、教育改革の影響も受けて、
体育とスポーツの両方の基本を定めた。
ヨーロッパみんなのためのスポーツ憲章の制定に対応し、
あらゆる人が、あらゆる水準で、スポーツ活動に参加する
自由と平等の原則を定めた。
1984年、「身体的およびスポーツ的活動の組織および促進に
関する法律」が制定。
同法は、1941年スポーツ施設に関する法律、
1963年スポーツ教育者の職業資格に関する法律、
1975年スポーツ基本法を廃止、
それまでの関連する諸規定を統合。
第1条では、「身体的およびスポーツ的活動の発展は、
一般の利益にあたり、身体的およびスポーツ的活動の実践は、
性別、年齢、能力または社会的条件がいかなるものであろうとも
各人にとって権利である」と、スポーツに関する権利を定めた。
関連するスポーツ判例法の影響を受け、
スポーツ連盟に公役務の任務を与え、スポーツ連盟の処分決定に
関する紛争を、行政裁判所の管轄として認めた。
◆フランスのスポーツ法典
1984年スポーツ基本法は、①学校体育・スポーツ、
②スポーツ会社、③地方公共団体、④プロフェッショナルリーグ、
⑤プロフェッショナルスポーツ(選手契約・代理人)、
⑥自然スポーツ、⑦公開スポーツ施設、⑧スポーツ行事の安全、
⑨スポーツ行事の放送・営業権・放送の自由、⑩段位交付、
⑪スポーツの財政、⑫海外における法の適用について、
関連する諸規定が追加、改正された。
スポーツの経済的活動など諸課題の解決と、
安全なスポーツ環境の整備を目的として改正が行われた。
学校体育について、教育行政への統合が求められ、
教育法典の体系に組み込まれることに。
フランスにおいて、ドーピングに関する特別な法律が制定。
最初のドーピング法は、1966年制定、1989、1999、2006年に
新しい法律が制定。
フランスドーピング法は、ドーピング対策とスポーツマンの
健康の保護の両面を定め、
2000年公衆衛生法典の特別法としても位置付け。
フランスにおける法典化、法の簡素化に関する政策の影響を受け、
スポーツ法は、1984年スポーツ基本法、ドーピング法、
教育法典における体育・スポーツ教育に関する規定を
中心にまとめられ、2006年スポーツ法典として編さん。
スポーツ法典は、4編14章32節254条からなり、
第1編:身体的およびスポーツ的活動の組織、
第2編:スポーツのアクター、
第3編:スポーツ実践、
第4編:諸規定から構成。
スポーツ法典は、①組織、②人、③実践のレベルから構造化。
具体的には、スポーツ法の一般原理、国、地方公共団体など
公法人によるスポーツ振興の責務、スポーツ非営利社団、
スポーツ会社、スポーツ連盟、プロフェッショナルリーグ、
フランスオリンピックスポーツ委員会、スポーツ調停、
スポーツの職業教育、有償スポーツ教育と資格、
高水準スポーツ、プロフェッショナルスポーツ、選手契約、
スポーツ代理人、スポーツマンの健康、ドーピング対策、
動物ドーピング対策、自然スポーツ、スポーツ施設、スポーツ保険、
スポーツの衛生および安全、スポーツ行事の組織および安全、
スポーツ行事の放送、スポーツの財政、海外適用規定など
多様な規定がある。
◆日仏のスポーツ法の比較と提言
日本において、フランスのスポーツ基本法、スポーツ法典のように、
スポーツに関する特殊な法体系の基本を定め、
その整備を図る必要がある。
第1に、公権と私権の両側面からスポーツ基本法の立法を行う。
これまでの日本のスポーツ振興法のように、
行政によるアマチュアスポーツの振興を中心にだけ
立法を考えるのではなく、プロスポーツなどスポーツの経済的活動、
スポーツ連盟、スポーツ非営利社団、スポーツ会社などといった
スポーツ団体組織の法的基盤を定めるなど、
社会的経済的に多様な側面からスポーツ法を立法する必要。
行政によるスポーツの助成を単に定めるのではなく、
自由や平等、安全、公正などに基づいて、
行政によるスポーツの規制や人権の保護についても
積極的に定める必要。
第2に、日本のスポーツ振興法は、教育関係法として位置付いてきたが、
スポーツに関する総合的体系的な立法と施策の展開を
実施するためには、スポーツ基本法を制定し、
ひとつの独立した特殊法として認めていく必要。
スポーツを総合的に規律していくためには、
専門の主務官庁によって、政策と立法の整備を進める必要。
第3に、フランスでは、スポーツの振興の責任は、
行政とスポーツ運動組織の共同責任であると考えられている。
スポーツ基本法は、単にスポーツ行政とその施策を定めるものではなく、
スポーツ団体組織の法的地位を明白に定め、
両者のパートナーシップを定める必要。
◆斉藤健司
筑波大学大学院人間総合科学研究科・体育科学専攻・准教授、
日本スポーツ法学会理事、日本体育・スポーツ政策学会理事、
著書「フランススポーツ基本法の形成」成文堂、
共著「スポーツ法学入門」体育施設出版、
「導入対話によるスポーツ法学」不磨書房、
「スポーツ政策の現代的課題」日本評論社など。
http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol2-1.html
◆フランスのスポーツ基本法の形成
フランスにおけるスポーツ法は、
第1に、1940年のスポーツ組織に関する法律、
1945年のスポーツ非営利社団、リーグ、連盟および団体に関する
臨時立法、学校および大学のスポーツ組織に関する臨時立法など、
スポーツ団体組織を中心に制定され、
特別なスポーツ団体法が形成。
第2に、1940年代から1950年代に、スポーツ活動の安全を
確保するため、スキー、水泳、山岳ガイド、柔道の
指導者資格に関する特別法が制定。
1963年、スポーツ教育者の職業資格全体に関する法律が制定。
第3に、1958年にド・ゴール政権となり、1960年ローマオリンピックでの
惨敗を契機とし、スポーツ行政の強化が求められ、
1966年青少年・スポーツ省が設置、スポーツ専門の公務員制度が確立、
総合的なスポーツ政策が展開、関連する法令の整備が進んだ。
1961、1965、1971年、スポーツ施設に関する長期計画法が制定。
以上の法令の展開を受け、1975年フランスにおける最初の
スポーツ基本法「体育およびスポーツの発展に関する法律」制定。
同法は、教育改革の影響も受けて、
体育とスポーツの両方の基本を定めた。
ヨーロッパみんなのためのスポーツ憲章の制定に対応し、
あらゆる人が、あらゆる水準で、スポーツ活動に参加する
自由と平等の原則を定めた。
1984年、「身体的およびスポーツ的活動の組織および促進に
関する法律」が制定。
同法は、1941年スポーツ施設に関する法律、
1963年スポーツ教育者の職業資格に関する法律、
1975年スポーツ基本法を廃止、
それまでの関連する諸規定を統合。
第1条では、「身体的およびスポーツ的活動の発展は、
一般の利益にあたり、身体的およびスポーツ的活動の実践は、
性別、年齢、能力または社会的条件がいかなるものであろうとも
各人にとって権利である」と、スポーツに関する権利を定めた。
関連するスポーツ判例法の影響を受け、
スポーツ連盟に公役務の任務を与え、スポーツ連盟の処分決定に
関する紛争を、行政裁判所の管轄として認めた。
◆フランスのスポーツ法典
1984年スポーツ基本法は、①学校体育・スポーツ、
②スポーツ会社、③地方公共団体、④プロフェッショナルリーグ、
⑤プロフェッショナルスポーツ(選手契約・代理人)、
⑥自然スポーツ、⑦公開スポーツ施設、⑧スポーツ行事の安全、
⑨スポーツ行事の放送・営業権・放送の自由、⑩段位交付、
⑪スポーツの財政、⑫海外における法の適用について、
関連する諸規定が追加、改正された。
スポーツの経済的活動など諸課題の解決と、
安全なスポーツ環境の整備を目的として改正が行われた。
学校体育について、教育行政への統合が求められ、
教育法典の体系に組み込まれることに。
フランスにおいて、ドーピングに関する特別な法律が制定。
最初のドーピング法は、1966年制定、1989、1999、2006年に
新しい法律が制定。
フランスドーピング法は、ドーピング対策とスポーツマンの
健康の保護の両面を定め、
2000年公衆衛生法典の特別法としても位置付け。
フランスにおける法典化、法の簡素化に関する政策の影響を受け、
スポーツ法は、1984年スポーツ基本法、ドーピング法、
教育法典における体育・スポーツ教育に関する規定を
中心にまとめられ、2006年スポーツ法典として編さん。
スポーツ法典は、4編14章32節254条からなり、
第1編:身体的およびスポーツ的活動の組織、
第2編:スポーツのアクター、
第3編:スポーツ実践、
第4編:諸規定から構成。
スポーツ法典は、①組織、②人、③実践のレベルから構造化。
具体的には、スポーツ法の一般原理、国、地方公共団体など
公法人によるスポーツ振興の責務、スポーツ非営利社団、
スポーツ会社、スポーツ連盟、プロフェッショナルリーグ、
フランスオリンピックスポーツ委員会、スポーツ調停、
スポーツの職業教育、有償スポーツ教育と資格、
高水準スポーツ、プロフェッショナルスポーツ、選手契約、
スポーツ代理人、スポーツマンの健康、ドーピング対策、
動物ドーピング対策、自然スポーツ、スポーツ施設、スポーツ保険、
スポーツの衛生および安全、スポーツ行事の組織および安全、
スポーツ行事の放送、スポーツの財政、海外適用規定など
多様な規定がある。
◆日仏のスポーツ法の比較と提言
日本において、フランスのスポーツ基本法、スポーツ法典のように、
スポーツに関する特殊な法体系の基本を定め、
その整備を図る必要がある。
第1に、公権と私権の両側面からスポーツ基本法の立法を行う。
これまでの日本のスポーツ振興法のように、
行政によるアマチュアスポーツの振興を中心にだけ
立法を考えるのではなく、プロスポーツなどスポーツの経済的活動、
スポーツ連盟、スポーツ非営利社団、スポーツ会社などといった
スポーツ団体組織の法的基盤を定めるなど、
社会的経済的に多様な側面からスポーツ法を立法する必要。
行政によるスポーツの助成を単に定めるのではなく、
自由や平等、安全、公正などに基づいて、
行政によるスポーツの規制や人権の保護についても
積極的に定める必要。
第2に、日本のスポーツ振興法は、教育関係法として位置付いてきたが、
スポーツに関する総合的体系的な立法と施策の展開を
実施するためには、スポーツ基本法を制定し、
ひとつの独立した特殊法として認めていく必要。
スポーツを総合的に規律していくためには、
専門の主務官庁によって、政策と立法の整備を進める必要。
第3に、フランスでは、スポーツの振興の責任は、
行政とスポーツ運動組織の共同責任であると考えられている。
スポーツ基本法は、単にスポーツ行政とその施策を定めるものではなく、
スポーツ団体組織の法的地位を明白に定め、
両者のパートナーシップを定める必要。
◆斉藤健司
筑波大学大学院人間総合科学研究科・体育科学専攻・准教授、
日本スポーツ法学会理事、日本体育・スポーツ政策学会理事、
著書「フランススポーツ基本法の形成」成文堂、
共著「スポーツ法学入門」体育施設出版、
「導入対話によるスポーツ法学」不磨書房、
「スポーツ政策の現代的課題」日本評論社など。
http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol2-1.html
2010年2月15日月曜日
理系白書’10:挑戦のとき/22 防災科学技術研究所主任研究員・長江拓也さん
(毎日 2月9日)
「ブレーブテスト(勇気ある実験)」
国際学会で発表するたび、規模の大きさに称賛の声。
95年、阪神大震災を機に建設された実験施設
「E-ディフェンス」(兵庫県三木市)。
実際に観測された地震波などを再現し、実物大のビルや家屋を
丸ごと揺らすことができるこの施設で、
長江さんは超高層ビルの耐震性を研究。
揺れを作り出す震動台は、縦15m、横20m。
台上に、実際に建設会社が建造した鉄骨4階建てのビルを据え、
その上に4枚のコンクリート板(重さ約700トン)を重ねる。
20階建てを想定した「模擬高層ビル(高さ21m)」。
このビルを、揺れ1往復に2秒以上かかる
「長周期地震動」で揺らす。
近い将来起きる可能性の高い巨大地震、
東海・東南海・南海地震で生じると考えられる震動。
実験中、制御室の窓から上をのぞくと、
ビルがしなりながら揺れている。
万一に備え、倒壊を防ぐ鉄製ストッパーなどの対策を施し、
「強度計算も全部自分でやっているから、
うまくいくかどうかドキドキした」と振り返る。
実験では、揺れのエネルギーが鉄骨の柱とはりの接合部に
集中して切断することが確認できた。
実際に起きれば、ビル自体が使えなくなる深刻な被害。
同じビルに、油圧ダンパーと呼ばれるエネルギー吸収装置を
付ければ、被害を防げることもわかった。
「超高層ビルを、耐震改修しなければいけない根拠を示した
初の実験」と胸を張る。
明治大で建築を学んだが、もともと目指していたのはデザイナー。
子供のころ、家が増築されたのがうれしくて、
「設計は、みんなに喜んでもらえる仕事」と思ったから。
2年生の95年1月、成人式のため帰省していた愛知県の実家で、
阪神大震災の揺れに遭遇。
「こんなことが本当に起きるのか、という大災害。
起きないためにどうしたらいいのか」と志望を変え、
耐震工学を専攻。
コンクリートや鉄骨構造などを学び、今のテーマにたどりついた。
耐震工学は、実際の被害を教訓に知見を積み重ねてきた分野。
「超高層ビルなどが密集した都市が、
巨大地震で被害を受ければ、日本は立ち直れなくなる。
これまでのやり方は当てはまらない」と危機感。
「超高層ビルは、解体する方法がなく、どうやって地震後も
使い続けられるようにするかを真剣に考えなければ。
そのためには、被害を予測して予防しなければならない。
被害を実際に見るための実験がとても大切」
==============
◇ながえ・たくや
74年、愛知県瀬戸市生まれ。東京工業大院博士課程修了。
米スタンフォード大、京都大研究員を経て、06年から現職。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/09/20100209ddm016040196000c.html
「ブレーブテスト(勇気ある実験)」
国際学会で発表するたび、規模の大きさに称賛の声。
95年、阪神大震災を機に建設された実験施設
「E-ディフェンス」(兵庫県三木市)。
実際に観測された地震波などを再現し、実物大のビルや家屋を
丸ごと揺らすことができるこの施設で、
長江さんは超高層ビルの耐震性を研究。
揺れを作り出す震動台は、縦15m、横20m。
台上に、実際に建設会社が建造した鉄骨4階建てのビルを据え、
その上に4枚のコンクリート板(重さ約700トン)を重ねる。
20階建てを想定した「模擬高層ビル(高さ21m)」。
このビルを、揺れ1往復に2秒以上かかる
「長周期地震動」で揺らす。
近い将来起きる可能性の高い巨大地震、
東海・東南海・南海地震で生じると考えられる震動。
実験中、制御室の窓から上をのぞくと、
ビルがしなりながら揺れている。
万一に備え、倒壊を防ぐ鉄製ストッパーなどの対策を施し、
「強度計算も全部自分でやっているから、
うまくいくかどうかドキドキした」と振り返る。
実験では、揺れのエネルギーが鉄骨の柱とはりの接合部に
集中して切断することが確認できた。
実際に起きれば、ビル自体が使えなくなる深刻な被害。
同じビルに、油圧ダンパーと呼ばれるエネルギー吸収装置を
付ければ、被害を防げることもわかった。
「超高層ビルを、耐震改修しなければいけない根拠を示した
初の実験」と胸を張る。
明治大で建築を学んだが、もともと目指していたのはデザイナー。
子供のころ、家が増築されたのがうれしくて、
「設計は、みんなに喜んでもらえる仕事」と思ったから。
2年生の95年1月、成人式のため帰省していた愛知県の実家で、
阪神大震災の揺れに遭遇。
「こんなことが本当に起きるのか、という大災害。
起きないためにどうしたらいいのか」と志望を変え、
耐震工学を専攻。
コンクリートや鉄骨構造などを学び、今のテーマにたどりついた。
耐震工学は、実際の被害を教訓に知見を積み重ねてきた分野。
「超高層ビルなどが密集した都市が、
巨大地震で被害を受ければ、日本は立ち直れなくなる。
これまでのやり方は当てはまらない」と危機感。
「超高層ビルは、解体する方法がなく、どうやって地震後も
使い続けられるようにするかを真剣に考えなければ。
そのためには、被害を予測して予防しなければならない。
被害を実際に見るための実験がとても大切」
==============
◇ながえ・たくや
74年、愛知県瀬戸市生まれ。東京工業大院博士課程修了。
米スタンフォード大、京都大研究員を経て、06年から現職。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/09/20100209ddm016040196000c.html
塩分 やっぱり、日本人3大死因の引き金 厚労省、8万人調査
(2010年2月4日 毎日新聞社)
塩漬け食品の取りすぎや、食事全体で塩分の多い
生活習慣を続けると、各種のがんや循環器疾患
(心筋梗塞、脳卒中など)を発症しやすいことが、
厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。
がんと循環器疾患は国民の死因の1~3位、
全体の6割近くを占める。
胃がんなど一部の疾患では知られていたが、
塩分の取りすぎが多くの生活習慣病に影響するとのデータが
示されたのは初めて。
調査は、8県に住む45~74歳の男女約8万人を対象。
対象者を、食事全体の塩分(ナトリウム)摂取量、塩辛や漬物、
イクラなど塩漬け食品の摂取量によって5グループに分け、
6~9年間の調査期間中のがん、循環器疾患の発症状況を調べた。
塩分全体の摂取量が多い群(1日当たり平均17・8g)は、
少ない群(同7・5g)に比べ、循環器疾患の危険性が約2割高かった。
塩漬け食品の摂取量が多い群は、何らかのがんを発症する
危険性が11~15%高かった。
塩漬け食品の摂取量が多い群の循環器疾患の危険性は
高くはなかったが、魚や野菜に循環器疾患を予防する
栄養素が含まれるため。
研究班の津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長は、
「調味料の塩分を減らし、塩漬け食品を食べる回数を減らすことで、
多くの生活習慣病を予防できるだろう」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/4/115530/
塩漬け食品の取りすぎや、食事全体で塩分の多い
生活習慣を続けると、各種のがんや循環器疾患
(心筋梗塞、脳卒中など)を発症しやすいことが、
厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。
がんと循環器疾患は国民の死因の1~3位、
全体の6割近くを占める。
胃がんなど一部の疾患では知られていたが、
塩分の取りすぎが多くの生活習慣病に影響するとのデータが
示されたのは初めて。
調査は、8県に住む45~74歳の男女約8万人を対象。
対象者を、食事全体の塩分(ナトリウム)摂取量、塩辛や漬物、
イクラなど塩漬け食品の摂取量によって5グループに分け、
6~9年間の調査期間中のがん、循環器疾患の発症状況を調べた。
塩分全体の摂取量が多い群(1日当たり平均17・8g)は、
少ない群(同7・5g)に比べ、循環器疾患の危険性が約2割高かった。
塩漬け食品の摂取量が多い群は、何らかのがんを発症する
危険性が11~15%高かった。
塩漬け食品の摂取量が多い群の循環器疾患の危険性は
高くはなかったが、魚や野菜に循環器疾患を予防する
栄養素が含まれるため。
研究班の津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長は、
「調味料の塩分を減らし、塩漬け食品を食べる回数を減らすことで、
多くの生活習慣病を予防できるだろう」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/4/115530/
認知症予防、青魚で効果 島根大グループが実証
(2010年2月3日 毎日新聞社)
青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)や
EPA(エイコサペンタエン酸)を毎日食べ続けることで、
認知症予防に効果があることを、
島根大医学部の橋本道男准教授(脂質栄養学)のグループが、
高齢者108人に行った試験で実証。
100人規模の高齢者を対象に、実際に毎日食物として
食べさせるなどする「介入試験」で効果を実証したのは国内初。
米国・ハワイで開催の国際アルツハイマー病会議で発表。
島根県立大などと共同で実施。
同県在住で、65歳以上の健常な高齢者108人(平均年齢73歳)を、
二つのグループに分け、一方にDHA850mg、EPA200mgを含む
魚肉ソーセージ、もう一方にいずれもほとんど含まない
魚肉ソーセージを1年間、毎日2本ずつ食べさせた。
一度見た図形を模写するテストや、あらかじめ決められた
ルールに沿って、指を動かすテストを行ったところ、
DHA入りを食べていたグループは成績が改善、
短期記憶や運動能力などの機能低下が抑制。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/3/115475/
青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)や
EPA(エイコサペンタエン酸)を毎日食べ続けることで、
認知症予防に効果があることを、
島根大医学部の橋本道男准教授(脂質栄養学)のグループが、
高齢者108人に行った試験で実証。
100人規模の高齢者を対象に、実際に毎日食物として
食べさせるなどする「介入試験」で効果を実証したのは国内初。
米国・ハワイで開催の国際アルツハイマー病会議で発表。
島根県立大などと共同で実施。
同県在住で、65歳以上の健常な高齢者108人(平均年齢73歳)を、
二つのグループに分け、一方にDHA850mg、EPA200mgを含む
魚肉ソーセージ、もう一方にいずれもほとんど含まない
魚肉ソーセージを1年間、毎日2本ずつ食べさせた。
一度見た図形を模写するテストや、あらかじめ決められた
ルールに沿って、指を動かすテストを行ったところ、
DHA入りを食べていたグループは成績が改善、
短期記憶や運動能力などの機能低下が抑制。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/3/115475/
諸外国から学ぶスポーツ基本法:イギリス
(sfen)
イギリスのスポーツに関する政策の改革は、
過去10年の間に起こった。
変革と呼ぶにふさわしいほどの劇的な改革、
イギリスのスポーツを政策の中心に位置付ける方法は、
わが国にとっても注目に値する。
英国ラフバラ大学研究員の山本真由美さん。
◆スポーツ先進国家に向かうイギリスのスポーツ政策
イギリス政府は、伝統的にスポーツに対する政策は
「無関心」状態だったが、過去10年間にスポーツが
国家の政策的中心に位置づけ、スポーツを通した
社会的課題の解決を目指した政策展開がなされてきた。
2012年ロンドン・オリンピック・パラリンピック(London 2012)開催が
決定されて以降、イギリスのスポーツの政策目標は、
同国が「世界のスポーツ先進国家」として確固たる地位を築くこと。
◆スポーツの「国家戦略化」への道筋
イギリスのスポーツ政策、スポーツの政策環境の特徴は、
エリートレベルのスポーツ支援、アンチ・ドーピング政策、
オリンピック・パラリンピック大会開催以外、
国民国家として統一された「スポーツ政策」が存在しない。
「スポーツ基本法」のような統一的な法整備はなされていない。
中央政府には、スポーツ担当省となる文化・メディア・スポーツ省(DCMS)
の国務大臣、イングランドのスポーツ大臣(Minister for Sport)など、
英国の各4地域にスポーツ担当大臣が存在する。
イギリスが、「スポーツにおける先進国家」を目指し、国家戦略として
政策展開を試みている背景には、
London 2012を成功裏に開催すること、
自国大会開催でのイギリス・チーム(Team GB)の成功
(オリンピック・メダル獲得数4位、パラリンピック・メダル獲得数1位)、
大会後も続くスポーツへの、スポーツを通したレガシーを
国内、国際社会に根付かせるという目的。
国内的制約があるにも関わらず、各中央スポーツ組織が統一した
ヴィジョンを持って、パートナーシップを形成する。
エリートレベルのスポーツ支援を通し、
イギリスのスポーツ全体を底上げするという方策がとられている。
◆政権交代後に掲げられたスポーツの近代化
スポーツ政策において、現在のような方策が
とられるようになったのは、ここ10年前後。
1997年、保守党から労働党に政権交代、
労働党の基本的政策理念に合致させた形で、
スポーツも「変革」を余儀なくされた。
変革の一番の特徴は、スポーツを「近代化」すること。
それまでのスポーツ組織は、ボランティア・ベースの
アマチュア団体が主で、各団体間の関係が複雑で連携が希薄。
そのような団体を効率の良い運営形態へ移行させ、
専門知識を持った人材の登用を奨励し、
「エビデンス(証拠)」を基にした財政支援の原則を
導入することで、これを促した。
特記すべきは、上記の変革を促進させるため、
「エリート・スポーツ vs 生涯スポーツ」といった、
往々にして想起される対立構図を捨て、
確固たる長期的戦略目標を中核に据え、
目標達成のための青写真と、踏むべきステップ(施策)を
具体的に描いたということ。
DCMSと子ども・学校・家庭省(Department for Children,
Schools and Families, DCSF)の両省庁が連携する
「若者の体育・スポーツ戦略(PE and Sport Strategy for
Young People, PESSYP)」は、学校、コミュニティー・スポーツ、
エリートのレベルに至るまでのパートナーシップ、パスウェイを
横断的に構築することを目指した好例。
◆脚注
※1. The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
(the UK, GB)。
イギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの
四地域(ネーション)から構成、1999年、スコットランド議会が開会、
地域分権政策がさらに進行。
ネーションに権力移譲された政策分野には、
スポーツや教育も含まれ、各ネーションがそれぞれ担当大臣を有する。
1944年以来、最も重要な法律、ナショナル・カリキュラム(学習指導要領)
を導入した1988年教育改革法(Education Reform Act)は、
スコットランドには適応されていない。
※2. イギリスには、法的に統一されたスポーツ政策の展開ができない。
2012年ロンドン大会開催決定後、2006年英国議会は、
「オリンピック法(Olympic Bill)」を可決、首相直属の内閣府に
オリンピック大臣が任命。
オリンピック法を根拠とし、実質的に国家として統一した
スポーツ政策の展開がなされている。
※3. 山本真由美「『先進スポーツ国家』へ?
-イギリスのエリートスポーツ政策の分析」
*Japanese Journal of Elite Sports Support*, Vol. 1, pp.1-11参照。
※4. PESSYPは、03~08のPhysical Education, School Sport &
Club Link (PESSCL)プログラムを拡大、5~16歳まで週5時間以上の
質の高い体育とスポーツ、16~19歳に、スポーツからの脱落を
回避するため、週3時間以上のスポーツ・イン・スクールを
達成することを目的。
◆今後のわが国のスポーツ政策展開に向けて
わが国でも、「スポーツ基本法」成立を目指した動きが高まりを
見せているが、スポーツ権の問題、
スポーツ省/庁設置に関する議論、
スポーツ関連予算を有する各関係府省の棲み分けの問題、
公的資金(補助金)の分配(方法と分配先)、
スポーツ関連基金や国営くじの活用方法とその位置づけの明確化等、
議論し整理を付けるべき課題が現状まだまだ山積。
わが国のスポーツ行政は、スポーツ・体育施設整備や体力の増強、
健康の増進のための指標、指導者や組織の育成などの事業に関し、
国家として統合された目標が示されていない。
イギリスのスポーツ政策環境は、各関連領域が法的根拠に則り
一元化されたものではない点で、わが国と近似関係にある。
国家の成長戦略として、スポーツを政策の中心に位置づけ、
目標を共有し、省庁等各組織間の実質的な連携を
成功させていることは注目に値する。
◆ハイ・パフォーマンス・センター(シェフィールド)
国際競技力向上計画の一環で建設された、
ハイパフォーマンス・アスリートの包括的なサポートを
目的とした施設の一つ。
当センターには、インドア・アウトドア・トラックや
ウェイトトレーニング場、理学療法、マッサージ、体力測定、
食事プログラム、アスリートの競技内外の生活をサポートする
パフォーマンス・ライフ・スタイル・プログラムを受けることができる。
イングランド内には、バーミンガム大学、ラフバラ大学、
ロンドン郊外ビッシャム・アビー、シェフィールドを含む9カ所に設置。
マスタープランとは、失業、住宅、景観、環境、福祉など、
さまざまな問題への社会的な価値判断をともなった政策方針。
スポーツの普及・振興も含まれ、文化・メディア・スポーツ省は
スポーツに関する計画や改善策を提示。
◆近年におけるイギリスのスポーツのマスタープラン
A Sporting Future for All(全ての人にスポーツの未来を)
2000年/DCMS発行
エリート・スポーツと学校体育の二大政策課題、
スポーツの社会政策的価値の認識の明確化、
組織の近代化、公的資金の効率的な活用
Game Plan(ゲーム・プラン)
2002年/戦略ユニット(Strategy Unit)& DCMS 共同発行
2020年までの長期目標、政府の役割の明確化、
公的資金の必要性、スポーツの社会政策的価値の認識
Playing to Win: A new era for sport(勝利に向けて: スポーツの新時代)
2008年/DCMS発行
London 2012のレガシーを根付かせ、世界の先進スポーツ国家へ
例:2012年までに200万人が日常の身体活動に参加
◆山本真由美
英国ラフバラ大学博士号。
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)勤務。
ラフバラ大学オリンピック・スタディーズ研究センター客員研究員。
嘉納治五郎記念国際研究・交流センター研究員。
スポーツ政策専門。
エリートスポーツとアンチ・ドーピング政策の展開についての研究。
Comparative Elite Sport Development共著。
http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol1-1.html
イギリスのスポーツに関する政策の改革は、
過去10年の間に起こった。
変革と呼ぶにふさわしいほどの劇的な改革、
イギリスのスポーツを政策の中心に位置付ける方法は、
わが国にとっても注目に値する。
英国ラフバラ大学研究員の山本真由美さん。
◆スポーツ先進国家に向かうイギリスのスポーツ政策
イギリス政府は、伝統的にスポーツに対する政策は
「無関心」状態だったが、過去10年間にスポーツが
国家の政策的中心に位置づけ、スポーツを通した
社会的課題の解決を目指した政策展開がなされてきた。
2012年ロンドン・オリンピック・パラリンピック(London 2012)開催が
決定されて以降、イギリスのスポーツの政策目標は、
同国が「世界のスポーツ先進国家」として確固たる地位を築くこと。
◆スポーツの「国家戦略化」への道筋
イギリスのスポーツ政策、スポーツの政策環境の特徴は、
エリートレベルのスポーツ支援、アンチ・ドーピング政策、
オリンピック・パラリンピック大会開催以外、
国民国家として統一された「スポーツ政策」が存在しない。
「スポーツ基本法」のような統一的な法整備はなされていない。
中央政府には、スポーツ担当省となる文化・メディア・スポーツ省(DCMS)
の国務大臣、イングランドのスポーツ大臣(Minister for Sport)など、
英国の各4地域にスポーツ担当大臣が存在する。
イギリスが、「スポーツにおける先進国家」を目指し、国家戦略として
政策展開を試みている背景には、
London 2012を成功裏に開催すること、
自国大会開催でのイギリス・チーム(Team GB)の成功
(オリンピック・メダル獲得数4位、パラリンピック・メダル獲得数1位)、
大会後も続くスポーツへの、スポーツを通したレガシーを
国内、国際社会に根付かせるという目的。
国内的制約があるにも関わらず、各中央スポーツ組織が統一した
ヴィジョンを持って、パートナーシップを形成する。
エリートレベルのスポーツ支援を通し、
イギリスのスポーツ全体を底上げするという方策がとられている。
◆政権交代後に掲げられたスポーツの近代化
スポーツ政策において、現在のような方策が
とられるようになったのは、ここ10年前後。
1997年、保守党から労働党に政権交代、
労働党の基本的政策理念に合致させた形で、
スポーツも「変革」を余儀なくされた。
変革の一番の特徴は、スポーツを「近代化」すること。
それまでのスポーツ組織は、ボランティア・ベースの
アマチュア団体が主で、各団体間の関係が複雑で連携が希薄。
そのような団体を効率の良い運営形態へ移行させ、
専門知識を持った人材の登用を奨励し、
「エビデンス(証拠)」を基にした財政支援の原則を
導入することで、これを促した。
特記すべきは、上記の変革を促進させるため、
「エリート・スポーツ vs 生涯スポーツ」といった、
往々にして想起される対立構図を捨て、
確固たる長期的戦略目標を中核に据え、
目標達成のための青写真と、踏むべきステップ(施策)を
具体的に描いたということ。
DCMSと子ども・学校・家庭省(Department for Children,
Schools and Families, DCSF)の両省庁が連携する
「若者の体育・スポーツ戦略(PE and Sport Strategy for
Young People, PESSYP)」は、学校、コミュニティー・スポーツ、
エリートのレベルに至るまでのパートナーシップ、パスウェイを
横断的に構築することを目指した好例。
◆脚注
※1. The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
(the UK, GB)。
イギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの
四地域(ネーション)から構成、1999年、スコットランド議会が開会、
地域分権政策がさらに進行。
ネーションに権力移譲された政策分野には、
スポーツや教育も含まれ、各ネーションがそれぞれ担当大臣を有する。
1944年以来、最も重要な法律、ナショナル・カリキュラム(学習指導要領)
を導入した1988年教育改革法(Education Reform Act)は、
スコットランドには適応されていない。
※2. イギリスには、法的に統一されたスポーツ政策の展開ができない。
2012年ロンドン大会開催決定後、2006年英国議会は、
「オリンピック法(Olympic Bill)」を可決、首相直属の内閣府に
オリンピック大臣が任命。
オリンピック法を根拠とし、実質的に国家として統一した
スポーツ政策の展開がなされている。
※3. 山本真由美「『先進スポーツ国家』へ?
-イギリスのエリートスポーツ政策の分析」
*Japanese Journal of Elite Sports Support*, Vol. 1, pp.1-11参照。
※4. PESSYPは、03~08のPhysical Education, School Sport &
Club Link (PESSCL)プログラムを拡大、5~16歳まで週5時間以上の
質の高い体育とスポーツ、16~19歳に、スポーツからの脱落を
回避するため、週3時間以上のスポーツ・イン・スクールを
達成することを目的。
◆今後のわが国のスポーツ政策展開に向けて
わが国でも、「スポーツ基本法」成立を目指した動きが高まりを
見せているが、スポーツ権の問題、
スポーツ省/庁設置に関する議論、
スポーツ関連予算を有する各関係府省の棲み分けの問題、
公的資金(補助金)の分配(方法と分配先)、
スポーツ関連基金や国営くじの活用方法とその位置づけの明確化等、
議論し整理を付けるべき課題が現状まだまだ山積。
わが国のスポーツ行政は、スポーツ・体育施設整備や体力の増強、
健康の増進のための指標、指導者や組織の育成などの事業に関し、
国家として統合された目標が示されていない。
イギリスのスポーツ政策環境は、各関連領域が法的根拠に則り
一元化されたものではない点で、わが国と近似関係にある。
国家の成長戦略として、スポーツを政策の中心に位置づけ、
目標を共有し、省庁等各組織間の実質的な連携を
成功させていることは注目に値する。
◆ハイ・パフォーマンス・センター(シェフィールド)
国際競技力向上計画の一環で建設された、
ハイパフォーマンス・アスリートの包括的なサポートを
目的とした施設の一つ。
当センターには、インドア・アウトドア・トラックや
ウェイトトレーニング場、理学療法、マッサージ、体力測定、
食事プログラム、アスリートの競技内外の生活をサポートする
パフォーマンス・ライフ・スタイル・プログラムを受けることができる。
イングランド内には、バーミンガム大学、ラフバラ大学、
ロンドン郊外ビッシャム・アビー、シェフィールドを含む9カ所に設置。
マスタープランとは、失業、住宅、景観、環境、福祉など、
さまざまな問題への社会的な価値判断をともなった政策方針。
スポーツの普及・振興も含まれ、文化・メディア・スポーツ省は
スポーツに関する計画や改善策を提示。
◆近年におけるイギリスのスポーツのマスタープラン
A Sporting Future for All(全ての人にスポーツの未来を)
2000年/DCMS発行
エリート・スポーツと学校体育の二大政策課題、
スポーツの社会政策的価値の認識の明確化、
組織の近代化、公的資金の効率的な活用
Game Plan(ゲーム・プラン)
2002年/戦略ユニット(Strategy Unit)& DCMS 共同発行
2020年までの長期目標、政府の役割の明確化、
公的資金の必要性、スポーツの社会政策的価値の認識
Playing to Win: A new era for sport(勝利に向けて: スポーツの新時代)
2008年/DCMS発行
London 2012のレガシーを根付かせ、世界の先進スポーツ国家へ
例:2012年までに200万人が日常の身体活動に参加
◆山本真由美
英国ラフバラ大学博士号。
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)勤務。
ラフバラ大学オリンピック・スタディーズ研究センター客員研究員。
嘉納治五郎記念国際研究・交流センター研究員。
スポーツ政策専門。
エリートスポーツとアンチ・ドーピング政策の展開についての研究。
Comparative Elite Sport Development共著。
http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol1-1.html
2010年2月14日日曜日
健康食品との付き合い方:/2 機能表示、よく理解して
(毎日 2月10日)
健康食品の中でも、国が有効性や安全性を認めた
特定保健用食品(トクホ)の人気は高い。
現在約900品目もあり、消費者にすっかり定着。
表示の意味を正しく理解せず、過剰な効果を期待してはいないか?
<体に脂肪がつきにくい>と表示されている
日清オイリオの食用油「ヘルシーリセッタ」。
分子の鎖が短い中鎖脂肪酸を含むため、通常の油より
肝臓での分解が速く、脂肪として体内に蓄積しにくいのが特色。
摂取するだけで、すでにある体脂肪が減ったりするわけではない。
同社広報・IR部は、「あくまで通常の油に比べ、
体内で脂肪になりにくいという意味」と説明。
トクホ製品の中でも、代表的なヒット商品となった
サントリー「黒烏龍茶」には、<脂肪の吸収を抑える>。
この意味は、「脂肪の多い食事と一緒に飲むと、
食後の中性脂肪の上昇を抑えるということ」で、
「空腹時でも、中性脂肪が下がるというわけではない」(同社広報部)。
<血糖値が気になる方に>と表示されている
大正製薬の「グルコケア」は?
でんぷんの一種、難消化性デキストリンを配合し、
小腸での糖の吸収を穏やかにするが、大正製薬広報室は
「食事の時に飲めば、糖類の吸収が抑えられ、
食事30分後の血糖値が下がるという意味」。
血糖値の高い人が毎日飲んで、血糖値が下がるものではない。
適切な利用法を知らないと、思わぬ健康被害に遭う恐れも。
トクホなどの健康食品と薬の飲み合わせを詳しく解説した
「健康食品ポケットマニュアル」(416ページ)をまとめた
「健康食品管理士認定協会」(事務局・鈴鹿医療科学大学内)によると、
血糖値改善をうたうトクホ製品と血糖値を下げる医薬品を
同時に服用し、血糖値が下がり過ぎたとの症例報告。
糖尿病などの疾患がある人は、トクホを利用する際、
医師に相談したほうがいい。
加藤亮二・香川県立保健医療大学教授は、
「トクホは食品なので、あくまで健康な人が病気の予防目的で
利用すべきもの」
血糖値を下げる製品の場合、「太っていて、血糖値が気になるという人が、
時々摂取して血糖値を下げながら生活し、
糖尿病になるのを遅らせるという意義はある」
現実に、血糖値の高い人が、トクホを利用しているからという理由で、
つい肉類などを食べ過ぎ、食生活の改善を怠ってしまうというケース。
どんな人がどれだけ、どのくらいの期間摂取すればいいのかまで
表示されていればよいのだろうが、
加藤さんは、「服用期間まで表示すると、医薬品の領域に入ってしまう」、
健康食品の表示の難しさ。
商品によって、最低限度の注意書きが小さく記されていたり、
メーカーのホームページなどで詳しい説明がされている。
インターネットを使わないお年寄りや、「トクホは健康にいい」という
漠然としたイメージで利用している消費者には、
十分には伝わっていない。
<虫歯の始まりである脱灰を抑制し、歯を丈夫で健康にします>と
表示されたトクホのリカルデントガム(キャドバリー・ジャパン)。
小さなパッケージの脇に、<1日摂取目安量:2粒を同時に1日4回、
1回あたり20分間を目安にお召し上がりください>
蒲生恵美・目白大学講師が、学生約300人に聞いたところ、
このガムを食べている学生の多くが、
「1粒かむだけで効果がある」と勘違い。
トクホの望ましい利用法を、消費者にどう伝えていけばよいか?
蒲生さんは、まず「消費者が表示をきちんと確認することが大事」とし、
「メーカー側も、注意しなければならない持病のある人は
対象外とすることや、どういう試験で有効性が確かめられたか、
もっと分かりやすく示す必要がある」と提言。
◇制度見直しへ、国が有識者会議
トクホなど健康食品の表示を巡って、消費者庁が昨年11月から
有識者による検討会を設置し議論、今年度中に
トクホ制度の改正も含む論点を整理する方針。
検討会では、「有効性をうたって販売するすべての食品を網羅する
ルールを確立すべきだ」(全国消費者団体連絡会)、
「トクホは、機能性の表示があいまいで正しく伝わらず、改善すべき」
(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会)、
消費者団体から現行制度の見直しを求める意見。
業界団体の健康食品産業協議会も、
「健康食品全体を包括した枠組み作りが必要」、
見直し自体に目立った異論は出ていない。
何をどう見直すかといった具体的な方向性は、まだ定まっていない。
http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100210ddm013100154000c.html
健康食品の中でも、国が有効性や安全性を認めた
特定保健用食品(トクホ)の人気は高い。
現在約900品目もあり、消費者にすっかり定着。
表示の意味を正しく理解せず、過剰な効果を期待してはいないか?
<体に脂肪がつきにくい>と表示されている
日清オイリオの食用油「ヘルシーリセッタ」。
分子の鎖が短い中鎖脂肪酸を含むため、通常の油より
肝臓での分解が速く、脂肪として体内に蓄積しにくいのが特色。
摂取するだけで、すでにある体脂肪が減ったりするわけではない。
同社広報・IR部は、「あくまで通常の油に比べ、
体内で脂肪になりにくいという意味」と説明。
トクホ製品の中でも、代表的なヒット商品となった
サントリー「黒烏龍茶」には、<脂肪の吸収を抑える>。
この意味は、「脂肪の多い食事と一緒に飲むと、
食後の中性脂肪の上昇を抑えるということ」で、
「空腹時でも、中性脂肪が下がるというわけではない」(同社広報部)。
<血糖値が気になる方に>と表示されている
大正製薬の「グルコケア」は?
でんぷんの一種、難消化性デキストリンを配合し、
小腸での糖の吸収を穏やかにするが、大正製薬広報室は
「食事の時に飲めば、糖類の吸収が抑えられ、
食事30分後の血糖値が下がるという意味」。
血糖値の高い人が毎日飲んで、血糖値が下がるものではない。
適切な利用法を知らないと、思わぬ健康被害に遭う恐れも。
トクホなどの健康食品と薬の飲み合わせを詳しく解説した
「健康食品ポケットマニュアル」(416ページ)をまとめた
「健康食品管理士認定協会」(事務局・鈴鹿医療科学大学内)によると、
血糖値改善をうたうトクホ製品と血糖値を下げる医薬品を
同時に服用し、血糖値が下がり過ぎたとの症例報告。
糖尿病などの疾患がある人は、トクホを利用する際、
医師に相談したほうがいい。
加藤亮二・香川県立保健医療大学教授は、
「トクホは食品なので、あくまで健康な人が病気の予防目的で
利用すべきもの」
血糖値を下げる製品の場合、「太っていて、血糖値が気になるという人が、
時々摂取して血糖値を下げながら生活し、
糖尿病になるのを遅らせるという意義はある」
現実に、血糖値の高い人が、トクホを利用しているからという理由で、
つい肉類などを食べ過ぎ、食生活の改善を怠ってしまうというケース。
どんな人がどれだけ、どのくらいの期間摂取すればいいのかまで
表示されていればよいのだろうが、
加藤さんは、「服用期間まで表示すると、医薬品の領域に入ってしまう」、
健康食品の表示の難しさ。
商品によって、最低限度の注意書きが小さく記されていたり、
メーカーのホームページなどで詳しい説明がされている。
インターネットを使わないお年寄りや、「トクホは健康にいい」という
漠然としたイメージで利用している消費者には、
十分には伝わっていない。
<虫歯の始まりである脱灰を抑制し、歯を丈夫で健康にします>と
表示されたトクホのリカルデントガム(キャドバリー・ジャパン)。
小さなパッケージの脇に、<1日摂取目安量:2粒を同時に1日4回、
1回あたり20分間を目安にお召し上がりください>
蒲生恵美・目白大学講師が、学生約300人に聞いたところ、
このガムを食べている学生の多くが、
「1粒かむだけで効果がある」と勘違い。
トクホの望ましい利用法を、消費者にどう伝えていけばよいか?
蒲生さんは、まず「消費者が表示をきちんと確認することが大事」とし、
「メーカー側も、注意しなければならない持病のある人は
対象外とすることや、どういう試験で有効性が確かめられたか、
もっと分かりやすく示す必要がある」と提言。
◇制度見直しへ、国が有識者会議
トクホなど健康食品の表示を巡って、消費者庁が昨年11月から
有識者による検討会を設置し議論、今年度中に
トクホ制度の改正も含む論点を整理する方針。
検討会では、「有効性をうたって販売するすべての食品を網羅する
ルールを確立すべきだ」(全国消費者団体連絡会)、
「トクホは、機能性の表示があいまいで正しく伝わらず、改善すべき」
(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会)、
消費者団体から現行制度の見直しを求める意見。
業界団体の健康食品産業協議会も、
「健康食品全体を包括した枠組み作りが必要」、
見直し自体に目立った異論は出ていない。
何をどう見直すかといった具体的な方向性は、まだ定まっていない。
http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100210ddm013100154000c.html
壊死の筋肉、tPAで再生 マウス実験で東大医科研
(2010年2月4日 共同通信社)
脳梗塞の治療薬として使われている「tPA」を投与し、
血管の閉塞が原因で壊死したマウスの筋肉を再生することに
成功したとの実験結果を、東京大医科学研究所の
服部浩一・特任准教授らが4日までにまとめた。
新型万能細胞「iPS細胞」などの細胞を使わず、
実現性の高い再生医療の可能性を示すもので、
心筋細胞や神経細胞の再生も可能ではないか。
服部准教授らは、tPA投与によって体内にプラスミンという
物質が増え、骨髄由来のさまざまな細胞が、
壊死した組織の周囲に集まることを見つけた。
これらの細胞の中には、組織の再生を促す
血管新生因子をつくり出すものもあった。
そこで、足の血管を閉塞させ、筋肉を壊死させたマウスに
tPAを投与すると、筋肉の再生と歩行などの機能回復が
促進されることが判明。
出血などの副作用は見られなかった。
服部准教授は、「再生医療を臨床応用する際の倫理面や
安全性の課題が少なく、実現性の高い研究結果」
tPAは、脳血管に詰まった血の塊を溶かす作用があり、
脳梗塞発症から短時間のうちに投与すると効果がある。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/4/115513/
脳梗塞の治療薬として使われている「tPA」を投与し、
血管の閉塞が原因で壊死したマウスの筋肉を再生することに
成功したとの実験結果を、東京大医科学研究所の
服部浩一・特任准教授らが4日までにまとめた。
新型万能細胞「iPS細胞」などの細胞を使わず、
実現性の高い再生医療の可能性を示すもので、
心筋細胞や神経細胞の再生も可能ではないか。
服部准教授らは、tPA投与によって体内にプラスミンという
物質が増え、骨髄由来のさまざまな細胞が、
壊死した組織の周囲に集まることを見つけた。
これらの細胞の中には、組織の再生を促す
血管新生因子をつくり出すものもあった。
そこで、足の血管を閉塞させ、筋肉を壊死させたマウスに
tPAを投与すると、筋肉の再生と歩行などの機能回復が
促進されることが判明。
出血などの副作用は見られなかった。
服部准教授は、「再生医療を臨床応用する際の倫理面や
安全性の課題が少なく、実現性の高い研究結果」
tPAは、脳血管に詰まった血の塊を溶かす作用があり、
脳梗塞発症から短時間のうちに投与すると効果がある。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/4/115513/
メタボ腹囲は科学的根拠なし…線引き困難
(2010年2月9日 読売新聞)
メタボリックシンドロームの適正な診断基準を検証していた
厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大学教授)は、
診断の必須項目の腹囲の数値によって、
心筋梗塞や脳梗塞の発症の危険性を明確に判断できないとする
大規模調査の結果をまとめた。
現在の腹囲基準(男性85cm、女性90cm以上)の
科学的根拠を覆すもので、診断基準の見直しに影響。
現在の診断基準は、腹囲に加え、血糖、脂質、血圧の3項目で
2つ以上で異常があった場合、メタボと診断、
保健指導(積極的支援)の対象。
他の先進国に比べ、男性の腹囲基準は厳しすぎる、
女性の基準は逆に甘いと、批判。
研究班は、全国12か所の40~74歳の男女約3万1000人に、
心筋梗塞、脳梗塞の発症と腹囲との関連を調べた。
その結果、腹囲が大きくなるほど、発症の危険性は増加したが、
特定の腹囲を超えると、危険性が急激に高まるという線引きは
困難であることがわかった。
現在の腹囲基準は、学会などが集めた小規模の研究データをもとに、
腹囲が基準を超えると、内臓脂肪が蓄積して、
生活習慣病になりやすいという前提で設定。
同研究班は昨年、腹囲が男性85cm、女性80cmを超えると、
血糖や脂質などの検査データの異常が急激に増える、
ということを明らかにし、今回の発症との関連では
腹囲基準の妥当性は導きだせなかった。
国際的には、腹囲を必須とせず、総合的にメタボを診断するのが主流。
米国では、腹囲(男性102cm、女性88cm以上)は中性脂肪、
HDLコレステロール、血圧、血糖値を含めた
5つの診断基準の一項目に過ぎない。
今回の研究でも、肥満の人ほど発症しやすい傾向は変わりない。
現行の基準で、メタボと診断された人は、そうでない人に比べ、
発症の危険性は男性で1・44倍、女性で1・53倍高かった。
門脇教授は、「腹囲が大きくなるほど、心臓病や脳卒中を起こす危険は
男女とも高くなったが、基準値としてどの数値が明確なのかを
示すことは難しかった。
今回の研究結果をもとに今後、最適な腹囲の基準について
議論をしていく必要がある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/9/115722/?pageFrom=m3.com
メタボリックシンドロームの適正な診断基準を検証していた
厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大学教授)は、
診断の必須項目の腹囲の数値によって、
心筋梗塞や脳梗塞の発症の危険性を明確に判断できないとする
大規模調査の結果をまとめた。
現在の腹囲基準(男性85cm、女性90cm以上)の
科学的根拠を覆すもので、診断基準の見直しに影響。
現在の診断基準は、腹囲に加え、血糖、脂質、血圧の3項目で
2つ以上で異常があった場合、メタボと診断、
保健指導(積極的支援)の対象。
他の先進国に比べ、男性の腹囲基準は厳しすぎる、
女性の基準は逆に甘いと、批判。
研究班は、全国12か所の40~74歳の男女約3万1000人に、
心筋梗塞、脳梗塞の発症と腹囲との関連を調べた。
その結果、腹囲が大きくなるほど、発症の危険性は増加したが、
特定の腹囲を超えると、危険性が急激に高まるという線引きは
困難であることがわかった。
現在の腹囲基準は、学会などが集めた小規模の研究データをもとに、
腹囲が基準を超えると、内臓脂肪が蓄積して、
生活習慣病になりやすいという前提で設定。
同研究班は昨年、腹囲が男性85cm、女性80cmを超えると、
血糖や脂質などの検査データの異常が急激に増える、
ということを明らかにし、今回の発症との関連では
腹囲基準の妥当性は導きだせなかった。
国際的には、腹囲を必須とせず、総合的にメタボを診断するのが主流。
米国では、腹囲(男性102cm、女性88cm以上)は中性脂肪、
HDLコレステロール、血圧、血糖値を含めた
5つの診断基準の一項目に過ぎない。
今回の研究でも、肥満の人ほど発症しやすい傾向は変わりない。
現行の基準で、メタボと診断された人は、そうでない人に比べ、
発症の危険性は男性で1・44倍、女性で1・53倍高かった。
門脇教授は、「腹囲が大きくなるほど、心臓病や脳卒中を起こす危険は
男女とも高くなったが、基準値としてどの数値が明確なのかを
示すことは難しかった。
今回の研究結果をもとに今後、最適な腹囲の基準について
議論をしていく必要がある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/9/115722/?pageFrom=m3.com
2010年2月13日土曜日
健康食品との付き合い方:/1 不足栄養素、補う目的で
(毎日 2月9日)
スーパー、薬局、コンビニエンスストアにあふれる
健康食品やサプリメント(栄養補助食品)。
健康志向の高まりで、今や1兆円市場に成長し、
現代人の生活に欠かせなくなってきた。
一方で、種類が増えすぎて何がいいのか迷ったり、
取り方を誤り逆に健康を害してしまう人も。
知っておきたい付き合い方を、4回にわたり紹介。
ビタミンやミネラルといえば、良い栄養素の代表格といったイメージ。
緑黄野菜に多く含まれるベータカロテンやビタミンEは、
細胞の損傷を防ぐとされる抗酸化作用を持つため、
がんの予防を期待して長期間摂取する人も多い。
どれほど効果があるのだろう?
津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長によると、
1980年代以降、ベータカロテンやビタミンA、C、E、
ミネラルのセレンなどを長期間摂取して、
がんの死亡率などが減るかについて、数多くの臨床試験。
衝撃的だったのは、90年代半ばに米国やフィンランドなどで
実施された喫煙者への調査。
ベータカロテンやビタミンEを約5~10年間摂取している群の方が、
全く摂取していない群よりも、肺がんの死亡率が高かった。
その後、ビタミンEなどを長期間摂取した場合の臨床試験が
世界の医学雑誌に70以上公表。
総合的にみると、ベータカロテン、ビタミンA、Eの長期的な補給は
死亡のリスクを上げ、ビタミンCとセレンは上げも下げもしない。
世界の調査結果などを紹介した、
「なぜ、『がん』になるのか?その予防学教えます。」(西村書店)を
著した津金さんは、「抗酸化栄養素は、慢性的な栄養不足や
特定の栄養素が欠乏しているケースでは必要だが、
がん予防のために服用するメリットはほとんどない」
がん予防に有効で安全なサプリメントは、いまだに見つかっていない。
国によって食生活が異なることから、
必要なサプリメントが違ってくることも知っておきたい。
最近人気のミネラル「セレン」。
人の健康に必須の元素で、ビタミンEと同様に抗酸化作用。
欠乏すると、動脈硬化や精子の減少など。
厚生労働省は、健康維持に必要な目安の1日あたり推奨摂取量を、
成人男性で30ug、女性で25ugと定めている。
セレンは海藻類、卵、カツオやシラス干しなどの
魚、鶏肉などに多く含まれる。
これらをよく食べる日本人は、平均的に1日100ug以上を摂取し、
推奨量を十分に取れている。
海藻類の摂取量が少ないスウェーデン、英国などの
西欧では不足しがち。
セレンを取り過ぎると、疲労、吐き気、呼吸不全などの健康被害。
米食品医薬品局(FDA)は、セレンを多く含むサプリメントを
取っていた23人が脱毛、下痢、関節痛、
筋肉のけいれんなどを起こしたと公表。
梅垣敬三・国立健康・栄養研究所情報センター長は、
「既にセレンを十分に取っている人が、サプリメントとして摂取すると、
過剰摂取になる恐れがある」
サプリメントは、健康に良いものだからと、
つい多めに摂取しがちだが、過剰摂取は禁物。
さまざまなミネラルが配合されたマルチミネラル製品は、
各成分の量に注意して選びたい。
東京都健康安全研究センターが、市販されている
ミネラル補給サプリメントを調べたところ、
クロムを含む30製品のうち19製品で、1日目安摂取量のクロムが
国の1日推奨量(30~49歳女性)を超えていた。
クロムは、糖や脂質の代謝に大切な元素だが、
長期にわたり摂取すると、腎臓障害などが起きる恐れ。
植松洋子・同センター食品化学部副参事研究員は、
「マルチミネラル製品は、配合されているミネラルが
厚労省の推奨量に必ずしも沿ってはいない。
業者は、それぞれの成分量が推奨量の何割に相当するかを
分かりやすく表示してほしい」と、
消費者が過剰摂取しないような表示を求める。
ビタミンやミネラルは体に良い。
たくさん取れば、健康になれるというものではない。
「誰も知らないサプリメントの真実」(朝日新聞出版)を著した
高田明和・浜松医科大名誉教授は、
「高齢者などが不足しがちな栄養素を補うという意味では、
サプリメントは有益。
ビタミンEのようなものを、がんや老化などを防ぐ目的で
長期間取っても、効果はほとんど期待できない。
そうしたことを知ったうえで、活用することが大事」
http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100209ddm013100198000c.html
スーパー、薬局、コンビニエンスストアにあふれる
健康食品やサプリメント(栄養補助食品)。
健康志向の高まりで、今や1兆円市場に成長し、
現代人の生活に欠かせなくなってきた。
一方で、種類が増えすぎて何がいいのか迷ったり、
取り方を誤り逆に健康を害してしまう人も。
知っておきたい付き合い方を、4回にわたり紹介。
ビタミンやミネラルといえば、良い栄養素の代表格といったイメージ。
緑黄野菜に多く含まれるベータカロテンやビタミンEは、
細胞の損傷を防ぐとされる抗酸化作用を持つため、
がんの予防を期待して長期間摂取する人も多い。
どれほど効果があるのだろう?
津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長によると、
1980年代以降、ベータカロテンやビタミンA、C、E、
ミネラルのセレンなどを長期間摂取して、
がんの死亡率などが減るかについて、数多くの臨床試験。
衝撃的だったのは、90年代半ばに米国やフィンランドなどで
実施された喫煙者への調査。
ベータカロテンやビタミンEを約5~10年間摂取している群の方が、
全く摂取していない群よりも、肺がんの死亡率が高かった。
その後、ビタミンEなどを長期間摂取した場合の臨床試験が
世界の医学雑誌に70以上公表。
総合的にみると、ベータカロテン、ビタミンA、Eの長期的な補給は
死亡のリスクを上げ、ビタミンCとセレンは上げも下げもしない。
世界の調査結果などを紹介した、
「なぜ、『がん』になるのか?その予防学教えます。」(西村書店)を
著した津金さんは、「抗酸化栄養素は、慢性的な栄養不足や
特定の栄養素が欠乏しているケースでは必要だが、
がん予防のために服用するメリットはほとんどない」
がん予防に有効で安全なサプリメントは、いまだに見つかっていない。
国によって食生活が異なることから、
必要なサプリメントが違ってくることも知っておきたい。
最近人気のミネラル「セレン」。
人の健康に必須の元素で、ビタミンEと同様に抗酸化作用。
欠乏すると、動脈硬化や精子の減少など。
厚生労働省は、健康維持に必要な目安の1日あたり推奨摂取量を、
成人男性で30ug、女性で25ugと定めている。
セレンは海藻類、卵、カツオやシラス干しなどの
魚、鶏肉などに多く含まれる。
これらをよく食べる日本人は、平均的に1日100ug以上を摂取し、
推奨量を十分に取れている。
海藻類の摂取量が少ないスウェーデン、英国などの
西欧では不足しがち。
セレンを取り過ぎると、疲労、吐き気、呼吸不全などの健康被害。
米食品医薬品局(FDA)は、セレンを多く含むサプリメントを
取っていた23人が脱毛、下痢、関節痛、
筋肉のけいれんなどを起こしたと公表。
梅垣敬三・国立健康・栄養研究所情報センター長は、
「既にセレンを十分に取っている人が、サプリメントとして摂取すると、
過剰摂取になる恐れがある」
サプリメントは、健康に良いものだからと、
つい多めに摂取しがちだが、過剰摂取は禁物。
さまざまなミネラルが配合されたマルチミネラル製品は、
各成分の量に注意して選びたい。
東京都健康安全研究センターが、市販されている
ミネラル補給サプリメントを調べたところ、
クロムを含む30製品のうち19製品で、1日目安摂取量のクロムが
国の1日推奨量(30~49歳女性)を超えていた。
クロムは、糖や脂質の代謝に大切な元素だが、
長期にわたり摂取すると、腎臓障害などが起きる恐れ。
植松洋子・同センター食品化学部副参事研究員は、
「マルチミネラル製品は、配合されているミネラルが
厚労省の推奨量に必ずしも沿ってはいない。
業者は、それぞれの成分量が推奨量の何割に相当するかを
分かりやすく表示してほしい」と、
消費者が過剰摂取しないような表示を求める。
ビタミンやミネラルは体に良い。
たくさん取れば、健康になれるというものではない。
「誰も知らないサプリメントの真実」(朝日新聞出版)を著した
高田明和・浜松医科大名誉教授は、
「高齢者などが不足しがちな栄養素を補うという意味では、
サプリメントは有益。
ビタミンEのようなものを、がんや老化などを防ぐ目的で
長期間取っても、効果はほとんど期待できない。
そうしたことを知ったうえで、活用することが大事」
http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100209ddm013100198000c.html
B型、AB型女性は貧血になりにくい 「A」「O」より21%少なく 東大と理研
(2010年2月8日 毎日新聞社)
B型とAB型の女性は、A型とO型の女性に比べて
貧血になりにくい--。
東京大と理化学研究所のチームが実施した、
約1万5000人の遺伝子解析で、こんな体質の違いが明らかに。
肝機能の状態を示すγGTPや痛風につながる尿酸など、
健康診断でおなじみの検査値を左右する体質の違いにかかわる
46の遺伝子型も特定。
8日、科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載。
生活習慣病へのかかりやすさや薬の効き目には、個人差がある。
30億塩基対からなるヒトのDNAには、関連遺伝子の塩基配列の
一部が入れ替わったSNPと呼ばれる場所が、
1000万カ所あるとされ、個人差を生んでいる。
理研ゲノム医科学研究センターの鎌谷直之・副センター長らは、
高性能計算機を使い、10種類の病気の患者1万4700人の
遺伝子データを調べて解析、46のSNPがγGTPや尿酸のほか、
赤血球、白血球、血小板など代表的な血液検査項目の値に
影響することを新たに突き止めた。
赤血球のデータと血液型の関係を見てみると、
B型とAB型の女性は、A型とO型の女性に比べ、
貧血の患者数が21%少なかった。
B型かAB型になる遺伝子上にSNPがある人は、
血色素量(Hb、ヘモグロビン)が増え、貧血を減らすと考えられた。
チームの松田浩一・東京大医科学研究所准教授は、
「健康診断では、各項目に標準値があるが、
本来は遺伝的な個性を考慮して、個々人の標準値を決めるべきで、
それが今回裏付けられた」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/8/115672/
B型とAB型の女性は、A型とO型の女性に比べて
貧血になりにくい--。
東京大と理化学研究所のチームが実施した、
約1万5000人の遺伝子解析で、こんな体質の違いが明らかに。
肝機能の状態を示すγGTPや痛風につながる尿酸など、
健康診断でおなじみの検査値を左右する体質の違いにかかわる
46の遺伝子型も特定。
8日、科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載。
生活習慣病へのかかりやすさや薬の効き目には、個人差がある。
30億塩基対からなるヒトのDNAには、関連遺伝子の塩基配列の
一部が入れ替わったSNPと呼ばれる場所が、
1000万カ所あるとされ、個人差を生んでいる。
理研ゲノム医科学研究センターの鎌谷直之・副センター長らは、
高性能計算機を使い、10種類の病気の患者1万4700人の
遺伝子データを調べて解析、46のSNPがγGTPや尿酸のほか、
赤血球、白血球、血小板など代表的な血液検査項目の値に
影響することを新たに突き止めた。
赤血球のデータと血液型の関係を見てみると、
B型とAB型の女性は、A型とO型の女性に比べ、
貧血の患者数が21%少なかった。
B型かAB型になる遺伝子上にSNPがある人は、
血色素量(Hb、ヘモグロビン)が増え、貧血を減らすと考えられた。
チームの松田浩一・東京大医科学研究所准教授は、
「健康診断では、各項目に標準値があるが、
本来は遺伝的な個性を考慮して、個々人の標準値を決めるべきで、
それが今回裏付けられた」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/8/115672/
2010年2月12日金曜日
仕事に役立つロジカルシンキング(4) 問題解決への手順
(日経 1月27日)
今回から4回、問題解決を行う際のポイントについて。
ビジネスシーンは、問題解決の連続としてとらえられる。
売り上げが目標に達しない、顧客からクレームを受ける、
プロジェクトが進まない——。
これらの問題を解決していくのが、私たちの仕事の大部分。
目に見える課題に直面していなかったとしても、
私たちは現状をよりよくするための方策を考えている。
さらに売り上げを拡大するにはどうすればよいのか、
顧客満足をさらに高めたい、
プロジェクトをより効果的に進めたい、といったこと。
これらも一種の問題解決。
心がけたいのは、いきなり答えを考えようとするのではなく、
段階を踏んで解決策を導こうとする姿勢。
問題解決は、次の3つの段階に。
まず、解決すべき問題を明確にする段階。
何に取り組むべきなのかを具体的に示す。
次に、問題を分析する段階。
なぜこうなったのかを掘り下げ、問題の構造をつかんでいく。
最後に、解決策を立案。
段階を踏むことによるメリットは2つ。
ひとつは、事前に問題の構造を分析するため、
本質的な解決策に迫れる点。
いきなり解決策を考えてしまうと、対症療法にとどまってしまいがち。
もうひとつは、おかしいと感じたら前の段階に立ち戻れる点。
すぐに修正できる。
段階を踏まずに解決策を出してしまうと、
成果が得られなかった場合、ゼロからやり直さなければならない。
最初の「解決すべき問題を明確にする」段階。
ここでは、問題は何かをとらえることが重要。
私たちは、「問題は何か」と問われると、
目についた悪い状況を思い浮かべがち。
自分の周囲で起きている問題は何か考えてみる。
「思うように仕事がはかどらない」、「報告が遅い」、
「必要な情報が共有されない」、「部下が思うように動かない」。
こうした状況のどれもが問題だと感じてしまう。
このようなとらえ方をしてしまうと、問題の本質を見失ってしまう。
どれから対応すればよいか分からなくなり、
結局、目についた順に場当たり的に対処することに。
ロジカルシンキングでは、
問題を「あるべき姿と現状とのギャップ」と定義。
悪そうな状況でも、あるべき姿と大きなギャップがなければ、
それは問題とは言えず、逆に一見悪くなさそうな状況でも、
あるべき姿と大きなギャップがあれば問題。
先ほど挙げたような状況において、あるべき姿を
「生産的に業務をこなしている」としていれば、
そのための情報や人員のスキル不足が問題に。
あるべき姿は、単に現状の好ましい状態を指すだけではない。
将来目指す姿と設定することも。
「5年後にシェアナンバーワン達成」をあるべき姿とすると、
それに達するために欠けているものを問題として設定。
あるべき姿の設定次第で、問題のとらえ方が変わる。
ここが問題の把握で重要なポイント。
問題は誰かから与えられるものではなく、
自分で見つけ出すもの。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100126.html
今回から4回、問題解決を行う際のポイントについて。
ビジネスシーンは、問題解決の連続としてとらえられる。
売り上げが目標に達しない、顧客からクレームを受ける、
プロジェクトが進まない——。
これらの問題を解決していくのが、私たちの仕事の大部分。
目に見える課題に直面していなかったとしても、
私たちは現状をよりよくするための方策を考えている。
さらに売り上げを拡大するにはどうすればよいのか、
顧客満足をさらに高めたい、
プロジェクトをより効果的に進めたい、といったこと。
これらも一種の問題解決。
心がけたいのは、いきなり答えを考えようとするのではなく、
段階を踏んで解決策を導こうとする姿勢。
問題解決は、次の3つの段階に。
まず、解決すべき問題を明確にする段階。
何に取り組むべきなのかを具体的に示す。
次に、問題を分析する段階。
なぜこうなったのかを掘り下げ、問題の構造をつかんでいく。
最後に、解決策を立案。
段階を踏むことによるメリットは2つ。
ひとつは、事前に問題の構造を分析するため、
本質的な解決策に迫れる点。
いきなり解決策を考えてしまうと、対症療法にとどまってしまいがち。
もうひとつは、おかしいと感じたら前の段階に立ち戻れる点。
すぐに修正できる。
段階を踏まずに解決策を出してしまうと、
成果が得られなかった場合、ゼロからやり直さなければならない。
最初の「解決すべき問題を明確にする」段階。
ここでは、問題は何かをとらえることが重要。
私たちは、「問題は何か」と問われると、
目についた悪い状況を思い浮かべがち。
自分の周囲で起きている問題は何か考えてみる。
「思うように仕事がはかどらない」、「報告が遅い」、
「必要な情報が共有されない」、「部下が思うように動かない」。
こうした状況のどれもが問題だと感じてしまう。
このようなとらえ方をしてしまうと、問題の本質を見失ってしまう。
どれから対応すればよいか分からなくなり、
結局、目についた順に場当たり的に対処することに。
ロジカルシンキングでは、
問題を「あるべき姿と現状とのギャップ」と定義。
悪そうな状況でも、あるべき姿と大きなギャップがなければ、
それは問題とは言えず、逆に一見悪くなさそうな状況でも、
あるべき姿と大きなギャップがあれば問題。
先ほど挙げたような状況において、あるべき姿を
「生産的に業務をこなしている」としていれば、
そのための情報や人員のスキル不足が問題に。
あるべき姿は、単に現状の好ましい状態を指すだけではない。
将来目指す姿と設定することも。
「5年後にシェアナンバーワン達成」をあるべき姿とすると、
それに達するために欠けているものを問題として設定。
あるべき姿の設定次第で、問題のとらえ方が変わる。
ここが問題の把握で重要なポイント。
問題は誰かから与えられるものではなく、
自分で見つけ出すもの。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100126.html
トクヤマの中原茂明会長 「セメント、国内需要減少の突破口は?」
(日経 1月27日)
セメントの国内需要低迷に、歯止めがかからない。
ピーク時、8000万トンあった内需も、2010年度には半減の
4000万トンになる可能性すら現実味を帯びつつある。
今後の見通しと打開策について、
トクヤマの中原茂明会長に聞いた。
——セメント協会の統計では、09年11月時点で、
国内販売量が30カ月連続で前年を下回った。
「一言でまとめるなら、『弱り目にたたり目』。
ピーク時から右肩下がりに。
民主党政権の方針で、公共投資も前年割れは確実に。
住宅、工場建設の民間需要も大きな望みがない。
世界では、新興国での需要拡大が続くが、
国内では『衰退期』に入ったと言っても過言ではない」
——どこまで減少するのか?
「欧米の指標が参考に。
1人当たりのセメント消費量に人口を掛けた数字で考えると、
1人あたり300~400kg。
社会インフラ整備が整った成熟社会では、この水準が続く。
この計算では、日本も4000万トンあたりでおさまるかも」
——需要低迷をどう打開するのか?
「需要の開拓を進めなければ、先は見えない。
例えば、道路舗装。
日本では大半がアスファルト、米国では9割がコンクリートを使用。
コンクリートは、狭くて混雑する日本の道路では
舗装に時間がかかると敬遠、一度敷設すると維持がしやすく、
滑りがいいので、車の燃費向上にも役立つ効果」
「高度成長期に建設したビルや橋げたなど、社会インフラの
老朽化に対する建築物の維持補修などへの対策も重要。
生産の過剰設備が多いのは、並の解決策ではないが、
セメント生産が日本から消えて無くなる訳ではない」
——この数年は大きな再編がない。
「大きな理由は、産業廃棄物をセメントの原燃料に
投入することが可能になったこと。
1トンのセメントを生産するのに、400kg超の産業廃棄物を
主に有償で受け入れている。
その引き取り価格が高いほど、セメントの生産コストの
引き下げにつながってきた。
化学メーカーも、ソーダ灰など副産物をセメント原料に
投入することが可能で、各社はしのいでこられた」
「セメントのJIS規格を満たす品質を確保するには、
産業廃棄物の投入も限界点に達しつつある。
セメント減産で供給過剰が続けば、安売り合戦の生存競争が
始まることにつながりかねず、危機感を持っている」
——どう対応する?
「1つのアイデアだが、セメントメーカー複数社で、
産業廃棄物をまとめて処理する新会社を作るというのは。
生産設備の過剰は、各社で減らす努力を続ける一方、
自社だけで産業廃棄物を丸抱えすることはしなくなる。
化学メーカーのソーダ灰の有効活用も、可能になる」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100126.html
セメントの国内需要低迷に、歯止めがかからない。
ピーク時、8000万トンあった内需も、2010年度には半減の
4000万トンになる可能性すら現実味を帯びつつある。
今後の見通しと打開策について、
トクヤマの中原茂明会長に聞いた。
——セメント協会の統計では、09年11月時点で、
国内販売量が30カ月連続で前年を下回った。
「一言でまとめるなら、『弱り目にたたり目』。
ピーク時から右肩下がりに。
民主党政権の方針で、公共投資も前年割れは確実に。
住宅、工場建設の民間需要も大きな望みがない。
世界では、新興国での需要拡大が続くが、
国内では『衰退期』に入ったと言っても過言ではない」
——どこまで減少するのか?
「欧米の指標が参考に。
1人当たりのセメント消費量に人口を掛けた数字で考えると、
1人あたり300~400kg。
社会インフラ整備が整った成熟社会では、この水準が続く。
この計算では、日本も4000万トンあたりでおさまるかも」
——需要低迷をどう打開するのか?
「需要の開拓を進めなければ、先は見えない。
例えば、道路舗装。
日本では大半がアスファルト、米国では9割がコンクリートを使用。
コンクリートは、狭くて混雑する日本の道路では
舗装に時間がかかると敬遠、一度敷設すると維持がしやすく、
滑りがいいので、車の燃費向上にも役立つ効果」
「高度成長期に建設したビルや橋げたなど、社会インフラの
老朽化に対する建築物の維持補修などへの対策も重要。
生産の過剰設備が多いのは、並の解決策ではないが、
セメント生産が日本から消えて無くなる訳ではない」
——この数年は大きな再編がない。
「大きな理由は、産業廃棄物をセメントの原燃料に
投入することが可能になったこと。
1トンのセメントを生産するのに、400kg超の産業廃棄物を
主に有償で受け入れている。
その引き取り価格が高いほど、セメントの生産コストの
引き下げにつながってきた。
化学メーカーも、ソーダ灰など副産物をセメント原料に
投入することが可能で、各社はしのいでこられた」
「セメントのJIS規格を満たす品質を確保するには、
産業廃棄物の投入も限界点に達しつつある。
セメント減産で供給過剰が続けば、安売り合戦の生存競争が
始まることにつながりかねず、危機感を持っている」
——どう対応する?
「1つのアイデアだが、セメントメーカー複数社で、
産業廃棄物をまとめて処理する新会社を作るというのは。
生産設備の過剰は、各社で減らす努力を続ける一方、
自社だけで産業廃棄物を丸抱えすることはしなくなる。
化学メーカーのソーダ灰の有効活用も、可能になる」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100126.html
2010年2月11日木曜日
骨から脂肪へ路線変更 細胞作製に新手法 再生医療で利用も、京都大
(2010年2月1日 共同通信社)
幹細胞が、骨の細胞へ成長している途中で、
成長を妨げる遺伝子を導入し、
骨ではなく脂肪の細胞にする実験に成功したと、
田畑泰彦・京都大教授(生体組織工学)らが明らかに。
再生医療には、新型万能細胞「iPS細胞」などの利用が期待、
田畑教授らの方法は、治療に使うなど目的の細胞を作る
新たな方法となる可能性がある。
遺伝子の"運び屋"には、効率は良いが、毒性や免疫反応が
懸念されるウイルスではなく、細胞が普段栄養として取り込む
糖を利用し、比較的安全性が高い方法。
田畑教授らは、ラット骨髄から「間葉系幹細胞」を採取して実験。
幹細胞は、「TAZ」というタンパク質の影響を受け、
脂肪になるのが抑制され、骨になるよう促されやすい。
TAZを作る遺伝子の働きを妨げるため、
「RNA干渉」という方法を利用。
幹細胞に、「siRNA」遺伝子を導入すると、
細胞内でTAZの合成が約1週間、阻害。
約2週間後、脂肪細胞に特有の酵素が検出され、
細胞の中に脂肪の塊ができているのを確認。
siRNAは、細胞に取り込まれやすいよう改良した
糖類に載せて導入。
田畑教授によると、人間の体内の間葉系幹細胞は、
骨や脂肪のほか、筋肉、軟骨などになる能力があるが、
骨髄から取った幹細胞は骨になりやすいといった傾向。
田畑教授は、「路線変更をさせる方法を応用すると、
取りやすい場所にある幹細胞から、目的の細胞を効率よく
作ることができる可能性がある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/1/115285/
幹細胞が、骨の細胞へ成長している途中で、
成長を妨げる遺伝子を導入し、
骨ではなく脂肪の細胞にする実験に成功したと、
田畑泰彦・京都大教授(生体組織工学)らが明らかに。
再生医療には、新型万能細胞「iPS細胞」などの利用が期待、
田畑教授らの方法は、治療に使うなど目的の細胞を作る
新たな方法となる可能性がある。
遺伝子の"運び屋"には、効率は良いが、毒性や免疫反応が
懸念されるウイルスではなく、細胞が普段栄養として取り込む
糖を利用し、比較的安全性が高い方法。
田畑教授らは、ラット骨髄から「間葉系幹細胞」を採取して実験。
幹細胞は、「TAZ」というタンパク質の影響を受け、
脂肪になるのが抑制され、骨になるよう促されやすい。
TAZを作る遺伝子の働きを妨げるため、
「RNA干渉」という方法を利用。
幹細胞に、「siRNA」遺伝子を導入すると、
細胞内でTAZの合成が約1週間、阻害。
約2週間後、脂肪細胞に特有の酵素が検出され、
細胞の中に脂肪の塊ができているのを確認。
siRNAは、細胞に取り込まれやすいよう改良した
糖類に載せて導入。
田畑教授によると、人間の体内の間葉系幹細胞は、
骨や脂肪のほか、筋肉、軟骨などになる能力があるが、
骨髄から取った幹細胞は骨になりやすいといった傾向。
田畑教授は、「路線変更をさせる方法を応用すると、
取りやすい場所にある幹細胞から、目的の細胞を効率よく
作ることができる可能性がある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/1/115285/
仕事に役立つロジカルシンキング(3) MECEで「モレなくダブリなく」把握
(日経 1月19日)
ロジカルシンキングの基本的な思考技術の1つ、
MECEとは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive。
「あるものの重なりをなくし、全体としてモレのない集合体にする」、
「モレなく、かつダブりのない」状態を意味。
会社の社員を、MECEに分けてみる。
性別や入社年度別などの分け方が思い浮かぶ。
このように分けると、MECEを実現できる。
こうした考え方は、問題解決や説得など幅広い場面で効果を発揮。
前回紹介した「枠組み」という手法は、考えようとしていることの全体を、
MECEに分けたもの。
モレやダブりがあるようでは、考えの全体像を把握したとはいえない。
問題解決の場面でも考えてみる。
不良在庫が多いという問題を解決したい時、
どんな不良在庫が多いか調べないと、効果的な解決策に至らない。
調べる時、モレがあったら、重要なポイントを見落とす恐れ。
逆にダブりがあったら、効率よく不良在庫を調べられない。
MECEという考え方を活用していけば、
問題を効果的・効率的に把握できる。
説得でも同様。
相手の知りたいことが分からない、つまりモレのある状態で
説得しようとしても、相手がその内容に納得することはない。
内容がダブっているような説明も、説得力に欠ける。
ダブった部分に注意が引き寄せられ、
相手が誤った理解をしてしまう恐れがある。
MECEは、問題解決や説得を行っていく上で基礎となる考え方。
MECEを実現する際のポイントとして、
考えられる要素をくりぬいていくのではなく、
一定の観点で全体を切っていく点。
くりぬきながら分けようとすると、モレが発生したりダブりが生じたり。
ある観点で切っていけば、分け方が的確であれば、
モレやダブりが生じることはない。
アパレルメーカーの売り上げを、
MECEに分ける場面で考えてみる。
「インナー」、「アウター」、「ニット」、「アクセサリー」など、
思いついた要素でくりぬいていくと、どうなるか。
「ボトムスに入るものがない」(モレがある)、
「ニット製のアウターはどこに入るのか」(ダブりがある)など、
モレやダブりが生じる可能性。
これを「1000円未満」、「1000~5000円」、「5000円超」と
商品価格帯という一定の観点で切るように分ければ、
モレやダブりは生じない。
MECEに分けるといっても、様々な方法が。
アパレルメーカーの売り上げについて、顧客の性別や年代別、
商品の価格帯別、購入時間帯別など、
MECEに分ける観点を挙げれば切りがない。
重要なのは、どの観点で分けるとよいのかといった
正解を探すことではなく、こうした様々な観点をもって見ていく。
何となく状況を見たり、目についたものだけ重点的に
分析するのではなく、多様な観点でMECEに分け、
客観的に状況をとらえていく姿勢が問題の本質をつかんだり、
説得のポイントをクリアにしたりすることにつながる。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100119.html
ロジカルシンキングの基本的な思考技術の1つ、
MECEとは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive。
「あるものの重なりをなくし、全体としてモレのない集合体にする」、
「モレなく、かつダブりのない」状態を意味。
会社の社員を、MECEに分けてみる。
性別や入社年度別などの分け方が思い浮かぶ。
このように分けると、MECEを実現できる。
こうした考え方は、問題解決や説得など幅広い場面で効果を発揮。
前回紹介した「枠組み」という手法は、考えようとしていることの全体を、
MECEに分けたもの。
モレやダブりがあるようでは、考えの全体像を把握したとはいえない。
問題解決の場面でも考えてみる。
不良在庫が多いという問題を解決したい時、
どんな不良在庫が多いか調べないと、効果的な解決策に至らない。
調べる時、モレがあったら、重要なポイントを見落とす恐れ。
逆にダブりがあったら、効率よく不良在庫を調べられない。
MECEという考え方を活用していけば、
問題を効果的・効率的に把握できる。
説得でも同様。
相手の知りたいことが分からない、つまりモレのある状態で
説得しようとしても、相手がその内容に納得することはない。
内容がダブっているような説明も、説得力に欠ける。
ダブった部分に注意が引き寄せられ、
相手が誤った理解をしてしまう恐れがある。
MECEは、問題解決や説得を行っていく上で基礎となる考え方。
MECEを実現する際のポイントとして、
考えられる要素をくりぬいていくのではなく、
一定の観点で全体を切っていく点。
くりぬきながら分けようとすると、モレが発生したりダブりが生じたり。
ある観点で切っていけば、分け方が的確であれば、
モレやダブりが生じることはない。
アパレルメーカーの売り上げを、
MECEに分ける場面で考えてみる。
「インナー」、「アウター」、「ニット」、「アクセサリー」など、
思いついた要素でくりぬいていくと、どうなるか。
「ボトムスに入るものがない」(モレがある)、
「ニット製のアウターはどこに入るのか」(ダブりがある)など、
モレやダブりが生じる可能性。
これを「1000円未満」、「1000~5000円」、「5000円超」と
商品価格帯という一定の観点で切るように分ければ、
モレやダブりは生じない。
MECEに分けるといっても、様々な方法が。
アパレルメーカーの売り上げについて、顧客の性別や年代別、
商品の価格帯別、購入時間帯別など、
MECEに分ける観点を挙げれば切りがない。
重要なのは、どの観点で分けるとよいのかといった
正解を探すことではなく、こうした様々な観点をもって見ていく。
何となく状況を見たり、目についたものだけ重点的に
分析するのではなく、多様な観点でMECEに分け、
客観的に状況をとらえていく姿勢が問題の本質をつかんだり、
説得のポイントをクリアにしたりすることにつながる。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100119.html
2010年2月10日水曜日
「女心に不況なし」も今は昔?
(日経 2010-01-30)
女心に不況なし……。
化粧品業界で長年いわれてきた「定説」だが、
今回の消費低迷局面では、これが崩れ去ろうとしている。
「景気が悪くなっても、女性はスッピンには戻れない」
(大手化粧品メーカー首脳)というのが定説の根拠。
スッピンやむなしとする女性は希有だろうが、
消費者の厳しい選別眼は化粧品の購買行動にも及んでいる。
「高価格帯(5000円超)と中価格帯(2000~5000円)の
化粧品は、前年実績割れが続いていたが、
低価格帯(2000円以下)も前年を割り始めた」。
花王の尾崎元規社長は、化粧品市場の最近の動向を説明。
中・高価格帯の商品が振るわないのは、
消費者が低価格品にシフトしたためで、
2008年リーマン・ショック以降の傾向。
消費者の受け皿となった低価格品まで落ち込み始めたのは、
「最後まできちんと使い切るなど、消費者が節約志向を
一段と強めている」(尾崎社長)。
クリームや口紅を、指先でかき集めながら化粧をする
女性の姿が目に浮かぶ。
経済産業省によると、国内の月間化粧品出荷額は
09年、11カ月連続で前年実績割れが続く。
定説の通用しない消費者を前に、化粧品メーカー各社は
従来の延長線上ではないテコ入れ策に奔走。
資生堂は、化粧品専門店の抜本改革に着手。
今後3年間で、約3割の売り上げ増や自社講習会への参加などを
条件に、販促費や営業要員を他店より重点投入する新制度を導入。
「今後も、資生堂と一緒に仕事をしたいという店を積極的に支援し、
そうでない店は追い掛けない」と
矢吹隆一・執行役員専門店部長が説明する新制度は、
専門店に対して、資生堂か否かの“踏み絵”を迫る荒療治。
同社は、総額約1730億円を投じて米化粧品メーカーの
ベアエッセンシャル(カリフォルニア州)を買収。
狙いの1つは、ベア社の商品群と販売手法による国内市場の活性化。
ベア社は、天然由来の素材を使った自然派化粧品の品ぞろえが豊富。
テレビやインターネットによる通信販売にもたけている。
日本国内では、消費者の安全志向に合致する自然派化粧品と、
利便性の高いネット通販はともに市場が伸びている。
ベア社の商品群と販売ノウハウを活用すれば、
国内需要を掘り起こせる可能性。
カネボウ化粧品は、親会社の花王と共同で
スーパーやドラッグストアなどの化粧品売り場の営業強化に。
花王グループの店頭支援専門の営業要員が、
花王の店頭を巡回する時、カネボウの売り場もチェック。
カネボウ商品の欠品や販促物の不足などがあれば、
すぐに補充する体制を取る。
両社は、09年度中に協力店舗数を約4000店に増やす計画。
「消費者は、生活防衛意識を高めており、
当面は厳しい状況が続きそう。
10年後半には回復してくるといいのだが……」。
資生堂の前田新造社長の言葉は、“新たな女心”を
つかみ取れるかどうか、期待と不安をない交ぜにした
化粧品業界の心境を物語っている。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo100129.html
女心に不況なし……。
化粧品業界で長年いわれてきた「定説」だが、
今回の消費低迷局面では、これが崩れ去ろうとしている。
「景気が悪くなっても、女性はスッピンには戻れない」
(大手化粧品メーカー首脳)というのが定説の根拠。
スッピンやむなしとする女性は希有だろうが、
消費者の厳しい選別眼は化粧品の購買行動にも及んでいる。
「高価格帯(5000円超)と中価格帯(2000~5000円)の
化粧品は、前年実績割れが続いていたが、
低価格帯(2000円以下)も前年を割り始めた」。
花王の尾崎元規社長は、化粧品市場の最近の動向を説明。
中・高価格帯の商品が振るわないのは、
消費者が低価格品にシフトしたためで、
2008年リーマン・ショック以降の傾向。
消費者の受け皿となった低価格品まで落ち込み始めたのは、
「最後まできちんと使い切るなど、消費者が節約志向を
一段と強めている」(尾崎社長)。
クリームや口紅を、指先でかき集めながら化粧をする
女性の姿が目に浮かぶ。
経済産業省によると、国内の月間化粧品出荷額は
09年、11カ月連続で前年実績割れが続く。
定説の通用しない消費者を前に、化粧品メーカー各社は
従来の延長線上ではないテコ入れ策に奔走。
資生堂は、化粧品専門店の抜本改革に着手。
今後3年間で、約3割の売り上げ増や自社講習会への参加などを
条件に、販促費や営業要員を他店より重点投入する新制度を導入。
「今後も、資生堂と一緒に仕事をしたいという店を積極的に支援し、
そうでない店は追い掛けない」と
矢吹隆一・執行役員専門店部長が説明する新制度は、
専門店に対して、資生堂か否かの“踏み絵”を迫る荒療治。
同社は、総額約1730億円を投じて米化粧品メーカーの
ベアエッセンシャル(カリフォルニア州)を買収。
狙いの1つは、ベア社の商品群と販売手法による国内市場の活性化。
ベア社は、天然由来の素材を使った自然派化粧品の品ぞろえが豊富。
テレビやインターネットによる通信販売にもたけている。
日本国内では、消費者の安全志向に合致する自然派化粧品と、
利便性の高いネット通販はともに市場が伸びている。
ベア社の商品群と販売ノウハウを活用すれば、
国内需要を掘り起こせる可能性。
カネボウ化粧品は、親会社の花王と共同で
スーパーやドラッグストアなどの化粧品売り場の営業強化に。
花王グループの店頭支援専門の営業要員が、
花王の店頭を巡回する時、カネボウの売り場もチェック。
カネボウ商品の欠品や販促物の不足などがあれば、
すぐに補充する体制を取る。
両社は、09年度中に協力店舗数を約4000店に増やす計画。
「消費者は、生活防衛意識を高めており、
当面は厳しい状況が続きそう。
10年後半には回復してくるといいのだが……」。
資生堂の前田新造社長の言葉は、“新たな女心”を
つかみ取れるかどうか、期待と不安をない交ぜにした
化粧品業界の心境を物語っている。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo100129.html
慶大院の高橋教授 「変化の時代こそ人材多様性を」
(日経 1月28日)
春闘をめぐる動きが本格化してきた。
厳しい経済情勢下で、雇用維持が大きな争点。
経営環境が大きく転換する中、企業の組織や
人材マネジメントはどう変わっていくのか?
人事組織研究を専門とする
慶応義塾大学大学院の高橋俊介教授に聞いた。
——リーマン・ショック以降、日本企業が置かれた
事業環境をどうみるか?
「グローバリズムが、いよいよ本番を迎えた。
米国発の金融危機といった、直接は関係ないと思っていた
問題を契機として突然、日本中で解雇が起きたのは象徴的」
「これまでのように、単にモノをつくって輸出する経済は
限界だと、はっきりした。
輸出型製造業は雇用が不安定。
事業の振幅が大きく、人材の流動性がないと回らない。
業績が悪くなると、一斉に従業員を減らすので、
解雇された人は行き場がなくなってしまう。
輸出型産業に頼る社会構造では、閉塞感はぬぐえない」
——企業はどのような対応が必要になるか?
「変化の時代には、人材の多様性(ダイバーシティ)が、
ますます重要。
優秀な人材確保のため、ダイバーシティは有効。
女性をリーダーに起用できない会社は、絶対に生き残れない。
企業の社会的責任(CSR)のためだけではなく、
収益を上げるための経営課題と考えるべき」
「ダイバーシティは、性別、国籍に加え、中途採用、雇用形態、
経歴、宗教、性的嗜好などを含む。
価値観の違いがなければ、何の意味もない。
様々な人たちが闊達に話し合うことで、意思決定の質が向上、
創造性も高まる。
企業にとって、次の成長材料を生む源泉となる」
「ダイバーシティを実現するには、費用も時間もかかる。
メリットが出にくいのが生産現場で、逆に出やすいのは
商品企画や顧客サービスなどだが、今後の日本企業にとって
最も重要な機能だと分かるだろう」
——正社員で構成する労働組合が、大半の日本企業では、
多様な働き手の要望が反映されにくい面がある。
「まず、経営者と労働者の利益は相反するという前提で、
臨むのはやめるべき。
その年の賃金の話と長期にわたる雇用の話を、
バーターのように議論するのは無意味。
経営者も終身雇用の保証などできないだろうし、
正社員の雇用不安の解消にもならない」
「同じ会社で働く人で、希望者はすべて組合に入れて、
経営者と向き合う体制を整えた方がいい。
組合員の事情に合わせて、安心して働けるよう
個々に支援できる仕組みを考えた方が生産的。
人材もとどめられ、企業の強みになっていく」
——ビジネスパーソンはどのような姿勢が求められるか?
「組織は、人間観の鏡。
まず、自らが健全でなければ始まらない。
その上で、ダイバーシティがうまく働くようにするため、
自分の考えをきちんと伝えられるようにしたい。
『言わなくても分かるだろう』は通用しない。
分かってもらえるまで、繰り返す努力が大切」
「柔軟に学習し、成長し続ける能力を磨く必要。
単に経験を積み上げるのではなく、学んだ成果を生かして
過去を否定し、行動を変えていけるかが問われる」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100127.html
春闘をめぐる動きが本格化してきた。
厳しい経済情勢下で、雇用維持が大きな争点。
経営環境が大きく転換する中、企業の組織や
人材マネジメントはどう変わっていくのか?
人事組織研究を専門とする
慶応義塾大学大学院の高橋俊介教授に聞いた。
——リーマン・ショック以降、日本企業が置かれた
事業環境をどうみるか?
「グローバリズムが、いよいよ本番を迎えた。
米国発の金融危機といった、直接は関係ないと思っていた
問題を契機として突然、日本中で解雇が起きたのは象徴的」
「これまでのように、単にモノをつくって輸出する経済は
限界だと、はっきりした。
輸出型製造業は雇用が不安定。
事業の振幅が大きく、人材の流動性がないと回らない。
業績が悪くなると、一斉に従業員を減らすので、
解雇された人は行き場がなくなってしまう。
輸出型産業に頼る社会構造では、閉塞感はぬぐえない」
——企業はどのような対応が必要になるか?
「変化の時代には、人材の多様性(ダイバーシティ)が、
ますます重要。
優秀な人材確保のため、ダイバーシティは有効。
女性をリーダーに起用できない会社は、絶対に生き残れない。
企業の社会的責任(CSR)のためだけではなく、
収益を上げるための経営課題と考えるべき」
「ダイバーシティは、性別、国籍に加え、中途採用、雇用形態、
経歴、宗教、性的嗜好などを含む。
価値観の違いがなければ、何の意味もない。
様々な人たちが闊達に話し合うことで、意思決定の質が向上、
創造性も高まる。
企業にとって、次の成長材料を生む源泉となる」
「ダイバーシティを実現するには、費用も時間もかかる。
メリットが出にくいのが生産現場で、逆に出やすいのは
商品企画や顧客サービスなどだが、今後の日本企業にとって
最も重要な機能だと分かるだろう」
——正社員で構成する労働組合が、大半の日本企業では、
多様な働き手の要望が反映されにくい面がある。
「まず、経営者と労働者の利益は相反するという前提で、
臨むのはやめるべき。
その年の賃金の話と長期にわたる雇用の話を、
バーターのように議論するのは無意味。
経営者も終身雇用の保証などできないだろうし、
正社員の雇用不安の解消にもならない」
「同じ会社で働く人で、希望者はすべて組合に入れて、
経営者と向き合う体制を整えた方がいい。
組合員の事情に合わせて、安心して働けるよう
個々に支援できる仕組みを考えた方が生産的。
人材もとどめられ、企業の強みになっていく」
——ビジネスパーソンはどのような姿勢が求められるか?
「組織は、人間観の鏡。
まず、自らが健全でなければ始まらない。
その上で、ダイバーシティがうまく働くようにするため、
自分の考えをきちんと伝えられるようにしたい。
『言わなくても分かるだろう』は通用しない。
分かってもらえるまで、繰り返す努力が大切」
「柔軟に学習し、成長し続ける能力を磨く必要。
単に経験を積み上げるのではなく、学んだ成果を生かして
過去を否定し、行動を変えていけるかが問われる」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100127.html
2010年2月9日火曜日
脳内の酵素、神経分化促す 名古屋大、仕組み解明に光
(2010年2月1日 共同通信社)
神経のもとになる幹細胞は、脳内の「NLK」という
リン酸化酵素の働きによって神経細胞に分化することを、
名古屋大の伊藤素行・特任准教授らが千葉大、九州大との
共同研究で突き止め、1日付「Nature Cell Biology」電子版に発表。
謎の多い神経幹細胞の分化の仕組み解明に役立つ発見。
将来は脳梗塞や、パーキンソン病など神経機能の低下によって
起こる病気の治療に役立つ可能性がある。
NLKが、神経の形成にかかわりがあることは既に分かっており、
伊藤氏らは今回、培養細胞を使った試験管内の実験で
より詳細な働きを分析。
神経幹細胞は、「Notch」というタンパク質の働きで、
一部を未分化のまま維持しながら段階的に分化し、
感覚神経や運動神経などを形成するが、
NLKはこのタンパク質の働きを阻害し、
幹細胞の分化を促していることが判明。
NLKの機能を失わせると、分化しない幹細胞を維持できた。
神経細胞は、一度傷つくと修復が非常に難しいため、
NLKを使って神経幹細胞の分化を制御できれば、
再生医療への応用が期待できる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/1/115283/
神経のもとになる幹細胞は、脳内の「NLK」という
リン酸化酵素の働きによって神経細胞に分化することを、
名古屋大の伊藤素行・特任准教授らが千葉大、九州大との
共同研究で突き止め、1日付「Nature Cell Biology」電子版に発表。
謎の多い神経幹細胞の分化の仕組み解明に役立つ発見。
将来は脳梗塞や、パーキンソン病など神経機能の低下によって
起こる病気の治療に役立つ可能性がある。
NLKが、神経の形成にかかわりがあることは既に分かっており、
伊藤氏らは今回、培養細胞を使った試験管内の実験で
より詳細な働きを分析。
神経幹細胞は、「Notch」というタンパク質の働きで、
一部を未分化のまま維持しながら段階的に分化し、
感覚神経や運動神経などを形成するが、
NLKはこのタンパク質の働きを阻害し、
幹細胞の分化を促していることが判明。
NLKの機能を失わせると、分化しない幹細胞を維持できた。
神経細胞は、一度傷つくと修復が非常に難しいため、
NLKを使って神経幹細胞の分化を制御できれば、
再生医療への応用が期待できる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/1/115283/
電子のプロが農学ビジネスを変える
(日経 2010-01-29)
遠い昔から、川の流れが人の生活を大きく変えてきたように、
電子の流れが生物の働きを変えることが、
農学系の研究者らによって明らか。
生物体内の「電子回路」を人工的に変えると、
それまで以上のパワーを発揮したり、見たこともない反応を
起こして、化学物質を合成できたりする。
化石燃料に頼らない、自然と共生するものづくりが実現。
新たな産業を生み出す可能性も高い。
2009年10月、「e—バイオの幕開け」と題する公開セミナー。
主催は、農学系研究者中心で旗揚げしたばかりの
「e—バイオ研究会」。
「e」は、電子の略号。
メンバーはたった5人、農学に電子工学の視点を盛り込む
新しい試みに期待し、セミナーには農学と近い食品関連だけでなく、
旭硝子や昭和電工、大手ゼネコンの鹿島や大成建設など
企業を中心に100人近くが集まった。
e—バイオ研究会の発足メンバー
東京大学・石井正治准教授 「有機化合物や薬剤の生産」
京都大学・加納健司教授 「化学エネルギーの電気エネルギーへの変換」
京都大学・小川順教授 「微生物複合酵素系を活用するものづくり」
宮崎大学・林雅弘准教授 「光と微細藻類を使うものづくり」
電力中央研究所・松本伯夫主任研究員
「電気エネルギーの生命エネルギーへの変換」
研究会の中心人物は、京都大学の加納健司教授。
全国の農学系の中でも、数少ない電気化学の研究室を受け持ち、
電子工学に最も距離が近い。
生物の電子機能を使う研究に、長年取り組んできた。
2001年、ソニーと共同で酵素を使ってブドウ糖などを分解して
発電するバイオ電池の開発を続けている。
「これまでは、酵素の働きをそのまま使っていた。
今後は、酵素にもっと働いてもらう」
細胞膜を構成するリン脂質で作るカプセル状の
微粒子(リポソーム)に、酵素をとじ込めて並べる研究を計画。
電池反応は、いくつもの化学反応が連鎖して起こる。
それぞれの反応を媒介する触媒は違い、バラバラの場所に。
これらをリポソーム内に詰め込んで、リポソームを並べれば、
電池反応の効率が格段に向上。
「電子回路で言えば、集積化だ」と加納教授。
他には、細胞表面を覆う天然のコンデンサー、細胞膜に注目。
神経も細胞の一種。
加納教授の計算では、情報を伝達する時、
厚さ約6nmの細胞膜の内外に、約120ミリボルトの電位差が生じる。
呼吸や光合成では、電位差は300ミリボルト。
一見小さい値に思えるが、厚さを2cmに拡張すれば、
100万ボルトの電位差に。
「この電位差を拝借して、何かに利用できないものかと考えている」
東京大学の石井正治准教授は、茨城大学の西原宏史准教授、
ダイセル化学工業と、細胞の中の電子回路を大改造して、
有機化合物や薬剤の生産を目指している。
西原准教授の研究室では、すでに成果が出始めている。
土壌中に生息する水素細菌に、本来持たない酵素を導入、
新しい電子の流れを生み出し、高純度のアルコールを作る
実験に成功。
東大の石井准教授は、大腸菌を使った同様の研究を開始。
生物の体を電子の流れで改造する研究は、
まだ農学研究者によって始まったばかり。
ここに優れた電子回路や機器を開発してきた
電子のプロが加われば、e—バイオは大きな利益をもたらす
新しいe—ビジネスに発展するかもしれない。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100128.html
遠い昔から、川の流れが人の生活を大きく変えてきたように、
電子の流れが生物の働きを変えることが、
農学系の研究者らによって明らか。
生物体内の「電子回路」を人工的に変えると、
それまで以上のパワーを発揮したり、見たこともない反応を
起こして、化学物質を合成できたりする。
化石燃料に頼らない、自然と共生するものづくりが実現。
新たな産業を生み出す可能性も高い。
2009年10月、「e—バイオの幕開け」と題する公開セミナー。
主催は、農学系研究者中心で旗揚げしたばかりの
「e—バイオ研究会」。
「e」は、電子の略号。
メンバーはたった5人、農学に電子工学の視点を盛り込む
新しい試みに期待し、セミナーには農学と近い食品関連だけでなく、
旭硝子や昭和電工、大手ゼネコンの鹿島や大成建設など
企業を中心に100人近くが集まった。
e—バイオ研究会の発足メンバー
東京大学・石井正治准教授 「有機化合物や薬剤の生産」
京都大学・加納健司教授 「化学エネルギーの電気エネルギーへの変換」
京都大学・小川順教授 「微生物複合酵素系を活用するものづくり」
宮崎大学・林雅弘准教授 「光と微細藻類を使うものづくり」
電力中央研究所・松本伯夫主任研究員
「電気エネルギーの生命エネルギーへの変換」
研究会の中心人物は、京都大学の加納健司教授。
全国の農学系の中でも、数少ない電気化学の研究室を受け持ち、
電子工学に最も距離が近い。
生物の電子機能を使う研究に、長年取り組んできた。
2001年、ソニーと共同で酵素を使ってブドウ糖などを分解して
発電するバイオ電池の開発を続けている。
「これまでは、酵素の働きをそのまま使っていた。
今後は、酵素にもっと働いてもらう」
細胞膜を構成するリン脂質で作るカプセル状の
微粒子(リポソーム)に、酵素をとじ込めて並べる研究を計画。
電池反応は、いくつもの化学反応が連鎖して起こる。
それぞれの反応を媒介する触媒は違い、バラバラの場所に。
これらをリポソーム内に詰め込んで、リポソームを並べれば、
電池反応の効率が格段に向上。
「電子回路で言えば、集積化だ」と加納教授。
他には、細胞表面を覆う天然のコンデンサー、細胞膜に注目。
神経も細胞の一種。
加納教授の計算では、情報を伝達する時、
厚さ約6nmの細胞膜の内外に、約120ミリボルトの電位差が生じる。
呼吸や光合成では、電位差は300ミリボルト。
一見小さい値に思えるが、厚さを2cmに拡張すれば、
100万ボルトの電位差に。
「この電位差を拝借して、何かに利用できないものかと考えている」
東京大学の石井正治准教授は、茨城大学の西原宏史准教授、
ダイセル化学工業と、細胞の中の電子回路を大改造して、
有機化合物や薬剤の生産を目指している。
西原准教授の研究室では、すでに成果が出始めている。
土壌中に生息する水素細菌に、本来持たない酵素を導入、
新しい電子の流れを生み出し、高純度のアルコールを作る
実験に成功。
東大の石井准教授は、大腸菌を使った同様の研究を開始。
生物の体を電子の流れで改造する研究は、
まだ農学研究者によって始まったばかり。
ここに優れた電子回路や機器を開発してきた
電子のプロが加われば、e—バイオは大きな利益をもたらす
新しいe—ビジネスに発展するかもしれない。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100128.html
2010年2月8日月曜日
和文化を知る(8)お囃子学び 地域と一体
(読売 1月30日)
全学年で郷土芸能を学んでいる。
「天狐」と呼ばれるキツネの面をつけた4人の児童が
体育館に散らばり、緩急をつけながら前後左右に練り歩く。
狩りで、獲物を探す様を表現した舞。
後方では、5人の児童が小太鼓や大太鼓、鉦で、
「屋台」というお囃子を奏でる。
舞、楽器とも、いくつかのグループに分かれ、1曲終わると
次のグループに交代。
一通り終わると、「戻る時もかがんでいないと、キツネらしくない」、
「途中から、たたくのが速くなった」などと、
グループごとに反省点を話し合った。
東京都あきる野市の市立一の谷小学校で、
郷土芸能を学ぶ4年生の授業。
「郷土を愛する心の育成」を目標に、音楽や総合学習の時間を活用、
全学年で地元・引田地区に伝わる郷土芸能の体験学習を実践。
1~4年まで、葛西囃子の流れをくみ、明治初期に伝えられた
引田囃子を学ぶが、学年が上がるにつれ、内容は難しくなる。
1年生は、円柱形のオイル缶など、口に粘着テープを張ったものを
太鼓代わりにし、手でたたいて、「にんば」という曲のリズムを体感。
2年は、その曲を楽器で練習。
3年では、そこにおかめ・ひょっとこの舞が加わる。
4年生が演奏する「屋台」は、「にんば」よりもリズムが複雑。
5、6年生が体験するのは、400年以上前に伝えられたという
鹿島流獅子舞で、授業では、段ボールで作った獅子頭を
かぶって、児童が舞う。
全学年で、郷土芸能を授業に取り入れたのは、2000年度から。
郷土芸能に関心を持つ音楽科の女性教員が、
個人的に地元の保存会に教わったことがきっかけ。
教員が入れ替わっても、無理なく指導できるようにと、
指導用のテキストも作成。
お囃子のリズムを解説したページでは、「テケ天ツク テレツク」
などと、縦に書かれた文字の左右に大小の点を打つなどし、
たたくタイミングや強弱を表現。
学校の力だけで、本格的に伝統芸能を教えるのは厳しい。
お囃子、獅子舞とも、地域の保存会の会員が
ボランティアで参加。
「礼儀を守り、道具を大事に扱う。
技術の前に、学ぶ心構えを子どもたちに教えている」と
引田囃子保存会の飛沢俊夫会長(63)。
郷土芸能教育は、同保存会にとって朗報。
それまで、後継者不足で「存続の危機」にあったが、
今は授業で興味を持った児童が毎年入会。
卒業後も継続して参加する中高生、大学生もいる。
4年生の授業で、小太鼓をたたいていた男子の1人も、
保存会の会員。
「この町が好き。大人になっても続けたい」
地域と学校が一体となり、郷土愛が育まれる。
◆郷土を愛する心の育成
森首相(当時)の私的諮問機関、教育改革国民会議が
2000年12月の最終報告で、教育基本法の見直しの
取り組みには、「家庭、郷土、国家などの視点が必要」と言及。
06年12月の教育基本法改正で、教育の目標を定めた第2条に、
「我が国と郷土を愛する」との文言が盛り込まれた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100130-OYT8T00277.htm
全学年で郷土芸能を学んでいる。
「天狐」と呼ばれるキツネの面をつけた4人の児童が
体育館に散らばり、緩急をつけながら前後左右に練り歩く。
狩りで、獲物を探す様を表現した舞。
後方では、5人の児童が小太鼓や大太鼓、鉦で、
「屋台」というお囃子を奏でる。
舞、楽器とも、いくつかのグループに分かれ、1曲終わると
次のグループに交代。
一通り終わると、「戻る時もかがんでいないと、キツネらしくない」、
「途中から、たたくのが速くなった」などと、
グループごとに反省点を話し合った。
東京都あきる野市の市立一の谷小学校で、
郷土芸能を学ぶ4年生の授業。
「郷土を愛する心の育成」を目標に、音楽や総合学習の時間を活用、
全学年で地元・引田地区に伝わる郷土芸能の体験学習を実践。
1~4年まで、葛西囃子の流れをくみ、明治初期に伝えられた
引田囃子を学ぶが、学年が上がるにつれ、内容は難しくなる。
1年生は、円柱形のオイル缶など、口に粘着テープを張ったものを
太鼓代わりにし、手でたたいて、「にんば」という曲のリズムを体感。
2年は、その曲を楽器で練習。
3年では、そこにおかめ・ひょっとこの舞が加わる。
4年生が演奏する「屋台」は、「にんば」よりもリズムが複雑。
5、6年生が体験するのは、400年以上前に伝えられたという
鹿島流獅子舞で、授業では、段ボールで作った獅子頭を
かぶって、児童が舞う。
全学年で、郷土芸能を授業に取り入れたのは、2000年度から。
郷土芸能に関心を持つ音楽科の女性教員が、
個人的に地元の保存会に教わったことがきっかけ。
教員が入れ替わっても、無理なく指導できるようにと、
指導用のテキストも作成。
お囃子のリズムを解説したページでは、「テケ天ツク テレツク」
などと、縦に書かれた文字の左右に大小の点を打つなどし、
たたくタイミングや強弱を表現。
学校の力だけで、本格的に伝統芸能を教えるのは厳しい。
お囃子、獅子舞とも、地域の保存会の会員が
ボランティアで参加。
「礼儀を守り、道具を大事に扱う。
技術の前に、学ぶ心構えを子どもたちに教えている」と
引田囃子保存会の飛沢俊夫会長(63)。
郷土芸能教育は、同保存会にとって朗報。
それまで、後継者不足で「存続の危機」にあったが、
今は授業で興味を持った児童が毎年入会。
卒業後も継続して参加する中高生、大学生もいる。
4年生の授業で、小太鼓をたたいていた男子の1人も、
保存会の会員。
「この町が好き。大人になっても続けたい」
地域と学校が一体となり、郷土愛が育まれる。
◆郷土を愛する心の育成
森首相(当時)の私的諮問機関、教育改革国民会議が
2000年12月の最終報告で、教育基本法の見直しの
取り組みには、「家庭、郷土、国家などの視点が必要」と言及。
06年12月の教育基本法改正で、教育の目標を定めた第2条に、
「我が国と郷土を愛する」との文言が盛り込まれた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100130-OYT8T00277.htm
岩崎博士に学ぶ研究者の気概
(日経 2010-01-22)
「垂直磁気記録方式」を開発した岩崎俊一・東北大学名誉教授が、
2010年の日本国際賞を受賞。
磁気記録の大容量化に道を開く同方式を、1977年に提唱、
最初の製品は05年に登場。
28年もの歳月をかけたイノベーションは、
岩崎名誉教授の気概なくして起きえなかった。
国際科学技術財団が開いた日本国際賞の受賞者発表に、
83歳の岩崎名誉教授が元気な姿を見せた。
「この上ない名誉」と表彰を喜びつつ、磁気記録が膨大な情報を
後世に伝える「IT時代のロゼッタストーンの役割を果たす」と、
自身の成果の意義を明快に解説。
磁石のN極とS極の向きの違いを、デジタル情報に置き換える
磁気記録は、ピアノ線を使う1次元記録に始まり、
磁気テープを使う2次元(水平磁気記録方式)へと発展。
今から50年前、音楽録音用のメタルテープを開発した
岩崎名誉教授は、「もっと記録密度を高くするには、
どうすればよいだろうか」を考え始めた。
たどり着いた方法が、磁石のN−S極を
3次元に並べる垂直磁気記録。
提唱から2年後の79年、コバルトとクロムの薄い蒸着膜を使って、
垂直磁気記録が可能なことを検証し、その実用化を目指して
研究開発を続けた。
途中、同方式を採用したフロッピーディスクの事業化の失敗や、
水平磁気記録方式の性能向上などがあり、
多くの研究成果が市場に出る前に迎える壁、“死の谷”に陥った。
米国では、垂直磁気記録装置の商品化を目指して
ベンチャー企業が出現、市場を開拓できなかった。
水平磁気記録方式の装置で、市場を握る大手コンピューターメーカーが、
徹底的に抵抗したとも。
それでも、岩崎名誉教授はくじけなかった。
日本国際賞の審査に当たった前田正史・東京大学教授は、
「この道一筋。執念を感じた」
77年 岩崎東北大教授が垂直磁気記録方式を提唱
80年代前半 垂直磁気記録媒体、読み取り用ヘッドの研究が盛ん
82年 米国で垂直磁気記録の商品化を目指し、
バーティマグ社やセンストア社などが設立
89年 第1回垂直磁気記録国際会議
95年 東北大などMR(磁気抵抗)ヘッドによる
垂直磁気記録方式を提案。
その後GMR(巨大磁気抵抗)ヘッドに引き継がれる。
00年 東北大と日立製作所が実用的な垂直磁気記録システムを発表
05年 東芝が世界初の垂直磁気記録方式の装置を商品化
10年 新たに発売される磁気記録装置の方式がすべて垂直磁気記録に
研究開発を継続し、実用化にこぎ着けた原動力は何か?
岩崎名誉教授は、2つの要因をあげた。
1つは、「発明者としての責任」、
もう1つは、「私の執念を引き継いだ弟子たちのがんばり」
垂直磁気記録方式を提唱した当時、岩崎名誉教授は、
現在のような情報社会の到来は予測できなかった。
大容量の磁気記録が必要になる、との確信は揺らがなかった。
メタルテープの開発、垂直磁気記録方式の提唱と続け、
実用化を途中で投げ出すことは信念に反し、できなかった。
そんな思いを直接学んだ卒業生が、日立製作所や東芝、
富士通などに入社、商品化に向けて奮闘した。
岩崎名誉教授は、最初の基本原理の成果だけを特許出願し、
その後の開発成果は、企業が特許を取得できるように
権利化を主張しなかった。
今でいう「オープンイノベーション」を先駆けた。
「教育者としても実績を残せたと思う」と岩崎名誉教授。
海軍兵学校を経て、東北大に進んだ岩崎名誉教授は、
「古い人間ですから」と断りながら、研究史を振り返った。
世界の経済社会の進展や、技術の高度化・専門化など、
当時と現在を単純に比較できない。
技術開発という人間活動を支える気概は、
大いに学ぶべきところがある。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100120.html
「垂直磁気記録方式」を開発した岩崎俊一・東北大学名誉教授が、
2010年の日本国際賞を受賞。
磁気記録の大容量化に道を開く同方式を、1977年に提唱、
最初の製品は05年に登場。
28年もの歳月をかけたイノベーションは、
岩崎名誉教授の気概なくして起きえなかった。
国際科学技術財団が開いた日本国際賞の受賞者発表に、
83歳の岩崎名誉教授が元気な姿を見せた。
「この上ない名誉」と表彰を喜びつつ、磁気記録が膨大な情報を
後世に伝える「IT時代のロゼッタストーンの役割を果たす」と、
自身の成果の意義を明快に解説。
磁石のN極とS極の向きの違いを、デジタル情報に置き換える
磁気記録は、ピアノ線を使う1次元記録に始まり、
磁気テープを使う2次元(水平磁気記録方式)へと発展。
今から50年前、音楽録音用のメタルテープを開発した
岩崎名誉教授は、「もっと記録密度を高くするには、
どうすればよいだろうか」を考え始めた。
たどり着いた方法が、磁石のN−S極を
3次元に並べる垂直磁気記録。
提唱から2年後の79年、コバルトとクロムの薄い蒸着膜を使って、
垂直磁気記録が可能なことを検証し、その実用化を目指して
研究開発を続けた。
途中、同方式を採用したフロッピーディスクの事業化の失敗や、
水平磁気記録方式の性能向上などがあり、
多くの研究成果が市場に出る前に迎える壁、“死の谷”に陥った。
米国では、垂直磁気記録装置の商品化を目指して
ベンチャー企業が出現、市場を開拓できなかった。
水平磁気記録方式の装置で、市場を握る大手コンピューターメーカーが、
徹底的に抵抗したとも。
それでも、岩崎名誉教授はくじけなかった。
日本国際賞の審査に当たった前田正史・東京大学教授は、
「この道一筋。執念を感じた」
77年 岩崎東北大教授が垂直磁気記録方式を提唱
80年代前半 垂直磁気記録媒体、読み取り用ヘッドの研究が盛ん
82年 米国で垂直磁気記録の商品化を目指し、
バーティマグ社やセンストア社などが設立
89年 第1回垂直磁気記録国際会議
95年 東北大などMR(磁気抵抗)ヘッドによる
垂直磁気記録方式を提案。
その後GMR(巨大磁気抵抗)ヘッドに引き継がれる。
00年 東北大と日立製作所が実用的な垂直磁気記録システムを発表
05年 東芝が世界初の垂直磁気記録方式の装置を商品化
10年 新たに発売される磁気記録装置の方式がすべて垂直磁気記録に
研究開発を継続し、実用化にこぎ着けた原動力は何か?
岩崎名誉教授は、2つの要因をあげた。
1つは、「発明者としての責任」、
もう1つは、「私の執念を引き継いだ弟子たちのがんばり」
垂直磁気記録方式を提唱した当時、岩崎名誉教授は、
現在のような情報社会の到来は予測できなかった。
大容量の磁気記録が必要になる、との確信は揺らがなかった。
メタルテープの開発、垂直磁気記録方式の提唱と続け、
実用化を途中で投げ出すことは信念に反し、できなかった。
そんな思いを直接学んだ卒業生が、日立製作所や東芝、
富士通などに入社、商品化に向けて奮闘した。
岩崎名誉教授は、最初の基本原理の成果だけを特許出願し、
その後の開発成果は、企業が特許を取得できるように
権利化を主張しなかった。
今でいう「オープンイノベーション」を先駆けた。
「教育者としても実績を残せたと思う」と岩崎名誉教授。
海軍兵学校を経て、東北大に進んだ岩崎名誉教授は、
「古い人間ですから」と断りながら、研究史を振り返った。
世界の経済社会の進展や、技術の高度化・専門化など、
当時と現在を単純に比較できない。
技術開発という人間活動を支える気概は、
大いに学ぶべきところがある。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100120.html
2010年2月7日日曜日
和文化を知る(7)近所の「師範」が教師役
(読売 1月28日)
地域をあげて、和文化教育を実践している。
「豊かな心」の育成を目標に、静岡県島田市では昨年度から、
市立の全小・中学校がそれぞれテーマを決めて、
和文化教育を実践。
研究指定校の一つ、市立島田第二中学校では、
2年の11月から3年の10月まで、木曜午後の総合学習の時間を
すべて「和文化学習」の時間にあてている。
生徒は、「日本舞踊」、「琴・三味線」、「詩吟・尺八」、「陶芸」、
「お茶」、「剣の心」、「紙」、「筆」の8講座から一つを選択、
1年間、継続して学ぶ。
尺八、詩吟など、教員だけでは教えられない5講座には、
地域の人材を活用。
現在、山田流の琴の師範ら14人が外部講師として授業を支える。
華やかな雰囲気に包まれていたのは、武道場。
日本舞踊を学ぶ女子14人が、扇を手に舞っていた。
2室ある音楽室では、琴・三味線を選択する32人が、
琴と三味線に分かれて練習。
琴を学ぶのは、すべて女子。
床に座り、1本ずつ自分で調弦し、ほぼ楽譜に頼らず曲を演奏。
隣の部屋では、男子も参加し、三味線を合奏。
音程をはずす生徒もいたが、最後まで手を止めず、
目は真剣そのもの。
昨年秋、和文化学習の講座を終えた3年生は、
次のように感想を述べている。
「練習するほど感覚がつかめ、充実感があった」、
「集中してものを作る楽しさを知った」、
「和文化は気を和ませ、落ち着かせてくれる」
出足は順調。
「1年間続けて、生徒に落ち着きが出た。
内気な生徒が、人前で動じなくなる効果もあった」と
大谷秀夫校長(60)。
同じく研究指定校の市立島田第三小学校が、
重点的に取り組むのは、「美しいしぐさ・ことば」の習得。
呼吸を意識しながら丁寧にお辞儀をする「三息の礼」を、
全校で実践。
職員室に入る時、必ずクラスや氏名を名乗り、
出る時もきちんとあいさつをするよう指導。
6年生の道徳では、江戸時代の思いやりの所作
「江戸しぐさ」を学習。
授業を参考に、独自の「三小しぐさ」を作ろうとの声が
児童から上がり、何かあった時に相手を気遣って声をかける
「おこころ言葉」などを考えた。
これを受け、高学年の委員会活動の一つとして
今年度新設された「わごころ委員会」は、
三小しぐさを校内に広めていくことに決定。
委員会の会合では、下級生に実演してみせるため、
「ごめんなさい」、「こちらこそ」と、うっかりぶつかった時に
声をかけあう練習をした。
授業では、1年生に俳句創作、4年生に落語の実演など。
13あるクラブ活動は、「焼き物」、「大正琴」など、
すべて和文化がテーマ。
同市の和文化教育には、学校と地域の交流を促進する狙い。
クラブ活動も、地域の人たちがボランティアとして支えている。
和文化が、町の代名詞になる日は近いかもしれない。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100128-OYT8T00263.htm
地域をあげて、和文化教育を実践している。
「豊かな心」の育成を目標に、静岡県島田市では昨年度から、
市立の全小・中学校がそれぞれテーマを決めて、
和文化教育を実践。
研究指定校の一つ、市立島田第二中学校では、
2年の11月から3年の10月まで、木曜午後の総合学習の時間を
すべて「和文化学習」の時間にあてている。
生徒は、「日本舞踊」、「琴・三味線」、「詩吟・尺八」、「陶芸」、
「お茶」、「剣の心」、「紙」、「筆」の8講座から一つを選択、
1年間、継続して学ぶ。
尺八、詩吟など、教員だけでは教えられない5講座には、
地域の人材を活用。
現在、山田流の琴の師範ら14人が外部講師として授業を支える。
華やかな雰囲気に包まれていたのは、武道場。
日本舞踊を学ぶ女子14人が、扇を手に舞っていた。
2室ある音楽室では、琴・三味線を選択する32人が、
琴と三味線に分かれて練習。
琴を学ぶのは、すべて女子。
床に座り、1本ずつ自分で調弦し、ほぼ楽譜に頼らず曲を演奏。
隣の部屋では、男子も参加し、三味線を合奏。
音程をはずす生徒もいたが、最後まで手を止めず、
目は真剣そのもの。
昨年秋、和文化学習の講座を終えた3年生は、
次のように感想を述べている。
「練習するほど感覚がつかめ、充実感があった」、
「集中してものを作る楽しさを知った」、
「和文化は気を和ませ、落ち着かせてくれる」
出足は順調。
「1年間続けて、生徒に落ち着きが出た。
内気な生徒が、人前で動じなくなる効果もあった」と
大谷秀夫校長(60)。
同じく研究指定校の市立島田第三小学校が、
重点的に取り組むのは、「美しいしぐさ・ことば」の習得。
呼吸を意識しながら丁寧にお辞儀をする「三息の礼」を、
全校で実践。
職員室に入る時、必ずクラスや氏名を名乗り、
出る時もきちんとあいさつをするよう指導。
6年生の道徳では、江戸時代の思いやりの所作
「江戸しぐさ」を学習。
授業を参考に、独自の「三小しぐさ」を作ろうとの声が
児童から上がり、何かあった時に相手を気遣って声をかける
「おこころ言葉」などを考えた。
これを受け、高学年の委員会活動の一つとして
今年度新設された「わごころ委員会」は、
三小しぐさを校内に広めていくことに決定。
委員会の会合では、下級生に実演してみせるため、
「ごめんなさい」、「こちらこそ」と、うっかりぶつかった時に
声をかけあう練習をした。
授業では、1年生に俳句創作、4年生に落語の実演など。
13あるクラブ活動は、「焼き物」、「大正琴」など、
すべて和文化がテーマ。
同市の和文化教育には、学校と地域の交流を促進する狙い。
クラブ活動も、地域の人たちがボランティアとして支えている。
和文化が、町の代名詞になる日は近いかもしれない。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100128-OYT8T00263.htm
イタリア、知られざる西欧の“中国”
(日経 2010-01-28)
米グーグルが、中国サイトの検索サービスにかけていた
自主検閲をやめると宣言、米中政府間の非難合戦に発展し、
「インターネットの自由」の問題に改めて注目。
ヒラリー・クリントン国務長官は、「ネットの自由」を世界的に
広めていくことを、米外交政策の重要課題と位置付けると宣言。
中国、北朝鮮、ベトナム、サウジアラビア、チュニジア、
ウズベキスタンなどを名指し、そこで実施されている検閲や
特定サイト・サービスの利用制限、ネット上での言論・発言を
理由にした市民の逮捕・拘束などの行為を非難。
これらは、そもそも非民主主義国家か、表向き民主主義でも
言論統制で長期政権を維持している国々で、
欧米的人権意識を浸透させるにはあまりに道のりが遠い。
もっと容易にネットの自由拡大に取り組めそうな国が、
G7(主要7カ国)の中にあることは、あまり知られていない。
芸術の国イタリアである。
同国は、2005年からテロ防止のため、公衆無線LANの
基地局運営業者とネットカフェの運営業者を免許制とし、
警察への登録を義務付ける法律を施行。
業者は、利用者個人のID情報と利用記録を保管し、
警察の求めに応じて提出を義務付け。
つまり、利用者も実質的に登録制なのだ。
法律は、09年に1度期限を迎え、同国国会は期限を更新。
匿名性の確保は、言論の自由の大事な要素の1つ。
個々人のネットの利用記録を政府が入手できる体制では、
政権に反対する勢力や人権活動家などが、
いつネット記録を政治的に悪用されるか不安。
こんな国が、G7に混ざっているとは驚き。
今、同国で議論が盛り上がっているのが、
ネット接続業者(ISP)とウェブサイトに、自社を通じて表示された
コンテンツの監視を義務付け、法的問題について責任を
負わせる規制案の是非。
規制が実施されると、著作権侵害映像などの投稿の賠償責任を
ISPと投稿サイトが負うことになり、一般利用者が自由にコンテンツを
投稿する、UGC(利用者発コンテンツ)を表示する動画投稿サイトや
ブログ、SNS(交流サイト)などの運営が難しくなる。
規制案は、国会審議が必要な法律案ではなく、
政省令案として議論、大統領の承認があれば発効する。
国会が、2月上旬までに政府に意見書を提出、
各界関係者からヒアリングを続けている。
規制の実施で最も影響を受けそうなのが、世界最大の
動画共有サイト「ユーチューブ」を傘下に持つ米グーグル。
1分で、20時間分に及ぶ動画が世界中から投稿される
ユーチューブが、すべてを事前チェックするのは不可能。
規制が実施されれば、イタリアからの撤退を余儀なくされる可能性。
イタリアは、グーグルにとって、中国以上に鬼門。
メディア王のベルルスコーニ首相が経営するメディア複合企業、
メディアセット社から著作権侵害で、5億ユーロの損害賠償を
求める訴訟を昨年末に起こされた。
同国検察は、障害を持つ子供を他の子供がいじめている光景を
映した投稿動画を表示したとして、グーグル幹部4人個人を
刑事訴追、09年2月から裁判が続いている。
苦情を受け、動画はすぐに削除したが、
そもそも表示したこと自体が違法というのが検察の主張。
企業活動が問題なのに、個人が刑事訴追されたことも、
ショックを与えた。
ウェブ上のUGCに対するウェブサイトやISPの責任は、
世界各地で微妙な問題。
編集責任をもたず、ただ投稿を表示する装置(サイトや通信網)を
運営する企業は、コンテンツには責任を負わないというのが、
国際的な判例の傾向。
イタリアでの裁判の行方次第では、国際常識が変わりかねないと、
世界のネット企業に注目。
新たな省令や刑事裁判の結果、世界的にISPやウェブサイトの
責任が拡大する方向に動けば、クリントン氏が打ち出した
ネットの自由の拡大、情報流通の自由などの政治課題の推進は
いっそう困難。
中国での人権状況の改善も、政権の外交戦略上重要だが、
「自由世界」の中の課題にも、ぜひ取り組んでもらいたい。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100127.html
米グーグルが、中国サイトの検索サービスにかけていた
自主検閲をやめると宣言、米中政府間の非難合戦に発展し、
「インターネットの自由」の問題に改めて注目。
ヒラリー・クリントン国務長官は、「ネットの自由」を世界的に
広めていくことを、米外交政策の重要課題と位置付けると宣言。
中国、北朝鮮、ベトナム、サウジアラビア、チュニジア、
ウズベキスタンなどを名指し、そこで実施されている検閲や
特定サイト・サービスの利用制限、ネット上での言論・発言を
理由にした市民の逮捕・拘束などの行為を非難。
これらは、そもそも非民主主義国家か、表向き民主主義でも
言論統制で長期政権を維持している国々で、
欧米的人権意識を浸透させるにはあまりに道のりが遠い。
もっと容易にネットの自由拡大に取り組めそうな国が、
G7(主要7カ国)の中にあることは、あまり知られていない。
芸術の国イタリアである。
同国は、2005年からテロ防止のため、公衆無線LANの
基地局運営業者とネットカフェの運営業者を免許制とし、
警察への登録を義務付ける法律を施行。
業者は、利用者個人のID情報と利用記録を保管し、
警察の求めに応じて提出を義務付け。
つまり、利用者も実質的に登録制なのだ。
法律は、09年に1度期限を迎え、同国国会は期限を更新。
匿名性の確保は、言論の自由の大事な要素の1つ。
個々人のネットの利用記録を政府が入手できる体制では、
政権に反対する勢力や人権活動家などが、
いつネット記録を政治的に悪用されるか不安。
こんな国が、G7に混ざっているとは驚き。
今、同国で議論が盛り上がっているのが、
ネット接続業者(ISP)とウェブサイトに、自社を通じて表示された
コンテンツの監視を義務付け、法的問題について責任を
負わせる規制案の是非。
規制が実施されると、著作権侵害映像などの投稿の賠償責任を
ISPと投稿サイトが負うことになり、一般利用者が自由にコンテンツを
投稿する、UGC(利用者発コンテンツ)を表示する動画投稿サイトや
ブログ、SNS(交流サイト)などの運営が難しくなる。
規制案は、国会審議が必要な法律案ではなく、
政省令案として議論、大統領の承認があれば発効する。
国会が、2月上旬までに政府に意見書を提出、
各界関係者からヒアリングを続けている。
規制の実施で最も影響を受けそうなのが、世界最大の
動画共有サイト「ユーチューブ」を傘下に持つ米グーグル。
1分で、20時間分に及ぶ動画が世界中から投稿される
ユーチューブが、すべてを事前チェックするのは不可能。
規制が実施されれば、イタリアからの撤退を余儀なくされる可能性。
イタリアは、グーグルにとって、中国以上に鬼門。
メディア王のベルルスコーニ首相が経営するメディア複合企業、
メディアセット社から著作権侵害で、5億ユーロの損害賠償を
求める訴訟を昨年末に起こされた。
同国検察は、障害を持つ子供を他の子供がいじめている光景を
映した投稿動画を表示したとして、グーグル幹部4人個人を
刑事訴追、09年2月から裁判が続いている。
苦情を受け、動画はすぐに削除したが、
そもそも表示したこと自体が違法というのが検察の主張。
企業活動が問題なのに、個人が刑事訴追されたことも、
ショックを与えた。
ウェブ上のUGCに対するウェブサイトやISPの責任は、
世界各地で微妙な問題。
編集責任をもたず、ただ投稿を表示する装置(サイトや通信網)を
運営する企業は、コンテンツには責任を負わないというのが、
国際的な判例の傾向。
イタリアでの裁判の行方次第では、国際常識が変わりかねないと、
世界のネット企業に注目。
新たな省令や刑事裁判の結果、世界的にISPやウェブサイトの
責任が拡大する方向に動けば、クリントン氏が打ち出した
ネットの自由の拡大、情報流通の自由などの政治課題の推進は
いっそう困難。
中国での人権状況の改善も、政権の外交戦略上重要だが、
「自由世界」の中の課題にも、ぜひ取り組んでもらいたい。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100127.html
2010年2月6日土曜日
和文化を知る(6)華道・茶道通し国際理解
(読売 1月27日)
国際化という文脈の中で、伝統文化を学ぶ。
1分間の沈黙の後、華道の授業が始まった。
講師の説明を聞きながら、生徒たちが、慣れた手つきで
マツやセンリョウを順番に生けていく。
東京都中野区の女子校、東京文化中学・高校。
全授業で行われている1分間の沈黙は、
初代校長の新渡戸稲造(1862~1933年)が、
国際連盟の事務次長時代、様々な宗教の国が参加する
国際会議の際に行い、会議効率を高めたことに由来。
同校では、こうした精神のもと、日本の伝統文化体験と
異文化体験を両輪にした、国際理解教育を実践。
きっかけは、「これからは国際化の時代」として、
1978年に始めた希望者対象の海外語学研修旅行。
新渡戸が校長在職中に病死したカナダで、
夏休み中の3週間を過ごし、ホームステイなどを体験。
そのお礼のパーティーで、生徒たちが茶道や書道を
披露したところ、ホストファミリーがとても喜んでくれた。
以来、国際交流には日本の伝統文化が不可欠だとして、
教育に取り入れている。
華道は中2で、茶道は中1で、いずれも週1回、
総合学習の時間を利用して教えている。
中学の音楽で三味線を学習し、中高で、江戸時代から伝わる
思いやりのある所作、「江戸しぐさ」を学ぶ時間も。
2003年度からは、カナダを訪ねる中3の修学旅行を実施。
生徒たちは、書道やよさこいソーランなどを披露。
国内大学の外国人留学生を招いて話を聞く会なども。
「日本との文化の違いが分かるから、外国の人と話すのは楽しい。
来年の修学旅行も楽しみ」と、中2の生徒たち。
「違いを認め合う心」を、新渡戸は大事にした。
その精神は、14歳の少女たちにも確かに受け継がれている。
京都市左京区のノートルダム学院小学校では、
2001年度から、全校生徒が茶道を通じて、礼法を学ぶ。
カトリックの同校とは意外な取り合わせだが、
「茶道のおもてなしの心や感謝の心は、キリスト教の精神に通じる。
日本文化を知ることは、日本人として国際社会で
生きていく上でも大事」と行田隆一教頭(55)。
礼法の授業は、6、12、2月に設けた年3回の「礼法週間」、
総合学習の時間を利用し、クラスごとに行う。
畳敷きの礼法教室で、茶道の作法に加え、
畳の歩き方や正座の仕方を身につける。
茶道をたしなむ教員も加わり、担任をサポート。
1年生には、約160人の児童が一斉に茶をたて、
家族をもてなす「大茶会」もある。
昨年12月の茶会では、サツマイモを使ったお菓子を
前日に児童が作り、お茶とともに出した。
同校の華道クラブの児童が花を生けて、会場に色を添えた。
宗教を超えて、和の心が広がる。
◆国際理解教育
国際平和の実現のために、国連教育・科学・文化機関
(ユネスコ)が提唱。1953年発足の「ユネスコ協同学校計画」
(現ユネスコ・スクール)に文部省(当時)が参加、
日本でも次第に広まりだした。
2006年改正の教育基本法は、「伝統と文化の尊重」とともに、
「他国の尊重」、「国際社会への寄与」を教育目標のひとつに。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100127-OYT8T00277.htm
国際化という文脈の中で、伝統文化を学ぶ。
1分間の沈黙の後、華道の授業が始まった。
講師の説明を聞きながら、生徒たちが、慣れた手つきで
マツやセンリョウを順番に生けていく。
東京都中野区の女子校、東京文化中学・高校。
全授業で行われている1分間の沈黙は、
初代校長の新渡戸稲造(1862~1933年)が、
国際連盟の事務次長時代、様々な宗教の国が参加する
国際会議の際に行い、会議効率を高めたことに由来。
同校では、こうした精神のもと、日本の伝統文化体験と
異文化体験を両輪にした、国際理解教育を実践。
きっかけは、「これからは国際化の時代」として、
1978年に始めた希望者対象の海外語学研修旅行。
新渡戸が校長在職中に病死したカナダで、
夏休み中の3週間を過ごし、ホームステイなどを体験。
そのお礼のパーティーで、生徒たちが茶道や書道を
披露したところ、ホストファミリーがとても喜んでくれた。
以来、国際交流には日本の伝統文化が不可欠だとして、
教育に取り入れている。
華道は中2で、茶道は中1で、いずれも週1回、
総合学習の時間を利用して教えている。
中学の音楽で三味線を学習し、中高で、江戸時代から伝わる
思いやりのある所作、「江戸しぐさ」を学ぶ時間も。
2003年度からは、カナダを訪ねる中3の修学旅行を実施。
生徒たちは、書道やよさこいソーランなどを披露。
国内大学の外国人留学生を招いて話を聞く会なども。
「日本との文化の違いが分かるから、外国の人と話すのは楽しい。
来年の修学旅行も楽しみ」と、中2の生徒たち。
「違いを認め合う心」を、新渡戸は大事にした。
その精神は、14歳の少女たちにも確かに受け継がれている。
京都市左京区のノートルダム学院小学校では、
2001年度から、全校生徒が茶道を通じて、礼法を学ぶ。
カトリックの同校とは意外な取り合わせだが、
「茶道のおもてなしの心や感謝の心は、キリスト教の精神に通じる。
日本文化を知ることは、日本人として国際社会で
生きていく上でも大事」と行田隆一教頭(55)。
礼法の授業は、6、12、2月に設けた年3回の「礼法週間」、
総合学習の時間を利用し、クラスごとに行う。
畳敷きの礼法教室で、茶道の作法に加え、
畳の歩き方や正座の仕方を身につける。
茶道をたしなむ教員も加わり、担任をサポート。
1年生には、約160人の児童が一斉に茶をたて、
家族をもてなす「大茶会」もある。
昨年12月の茶会では、サツマイモを使ったお菓子を
前日に児童が作り、お茶とともに出した。
同校の華道クラブの児童が花を生けて、会場に色を添えた。
宗教を超えて、和の心が広がる。
◆国際理解教育
国際平和の実現のために、国連教育・科学・文化機関
(ユネスコ)が提唱。1953年発足の「ユネスコ協同学校計画」
(現ユネスコ・スクール)に文部省(当時)が参加、
日本でも次第に広まりだした。
2006年改正の教育基本法は、「伝統と文化の尊重」とともに、
「他国の尊重」、「国際社会への寄与」を教育目標のひとつに。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100127-OYT8T00277.htm
デル氏に薦めるユニクロ社長の1冊
(日経 2010-01-21)
パソコン大手、米デルが経営不振から抜け出せない。
2009年8~10月期決算は、純利益が1年前から半減。
調査会社ガートナーによると、09年10~12月期の
世界パソコン販売台数の伸び率は、
前年同期比5.7%と上位5社で最低。
米ヒューレット・パッカード(HP)に次ぐ、シェア2位の座を
台湾のエイサー(宏碁)に奪われて以降、
失速に歯止めがかからない。
マイケル・デル最高経営責任者(CEO)の苦悩は深い。
そんな悩めるカリスマ創業者に薦めたい本。
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、
09年に出版した『成功は一日で捨て去れ』。
勝ち組ユニクロの経営の極意がまとめてあり、
ビジネス書のベストセラー。
デルとユニクロ。2社には共通点が多い。
テキサス大の学生だったデル氏が、1000ドルの資金で
デルコンピュータ(現デル)を設立したのは1984年。
この年、柳井氏は
「ユニーク・クロージング・ウエアハウス(ユニクロ)」1号店を
広島市にオープン、父親が創業した洋服販売会社
(現ファーストリテイリング)の社長に。
世間の注目を集めるきっかけが、「安さ」だったのも同じ。
デルは90年代初め、パソコンの価格破壊メーカーとして台頭。
日本でも、10万円を切る製品を売り出して有名に。
01年、世界シェア首位に躍り出た。
ユニクロは98年、1着1900円のフリースが爆発的にヒットし、
全国区企業の仲間入りを果たす。
デル氏、柳井氏ともに、経営トップの座からいったん退いたが、
経営の変調を受け、復帰した経歴もダブる。
2010年。両社の経営は、見事に明暗が分かれている。
デルとは対照的に、ユニクロは今月8日、
10年8月期の業績予想を上方修正。
売上高、営業利益とも、前年同期より2割増えると発表。
国内外で、新商品の売れ行きが好調に推移。
勝因は何か?
柳井氏の著書からヒントを探せば、「従来の衣料品小売業界で
一般的であった委託販売方式を取らず、自社で商品企画開発、
製造、販売を一気通貫で行っていること」に行き着く。
ユニクロは、SPA(製造小売業)という業態。
柳井氏は、「顧客ニーズを本当につかんで、自分自身で企画し、
商品開発を行い、タイムリーなマーケティングとともに、
お客様に商品の良さを伝えて、自分自身の手で売っていく」と
自社のビジネスモデルを解説。
顧客にぴたりと寄り添うことで、売れる商品を繰り返し生む。
デル氏がこうしたくだりを読めば、「全くその通り」と
ひざを打つことだろう。
デル躍進の原動力も、顧客密着型のビジネスモデル。
電話やネットで、顧客から好みのパソコンの注文を受け、
自ら組み立てたうえで直接、顧客に届ける。
パソコン、アパレルという分野の違いはあるが、
両社の経営の基本思想は極めて似通っている。
なぜ、デルだけが置いてきぼりを食らったのか?
突き詰めれば、顧客密着モデルの形骸化が原因。
09年、米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ司法長官は、
半導体最大手、米インテルが世界で約8割のシェアを握る
MPU(超小型演算処理装置)の販売で、
独禁法に違反する行為をしたと同社を裁判所に訴えた。
多額のリベートを与える見返りに、ライバルである
AMD製のMPUを買い控えるよう、パソコンメーカーに圧力。
電力消費が少ないAMD製品は評価され、パソコンへの普及が
進んだが、最後まで動きが鈍かったのがデル。
デルは、唯一のMPU調達先であるインテルとの安定した
取引関係にこだわり続け、AMD搭載パソコンの投入が遅れ、
商機も逃した。
長官がインテルの不正の「証拠」として示した資料には、
05年、デル氏がインテルのポール・オッテリーニCEOに
送ったとされる電子メールが含まれている。
「(AMD搭載パソコンがないために)性能競争で負けている」。
顧客ニーズより、取引先を優先する経営の行き詰まり。
デル氏本人がいらだつほど、デルモデルは機能不全に。
企業へのデスクトップパソコン販売に依存し、
市場拡大をけん引する個人向けノートパソコン事業で
つまずいたのも痛かった。
「顧客が、効率重視の犠牲になった」とデル幹部。
顧客の生の声を聞く絶好のチャンスであるカスタマーサポートの
電話応対は、できるだけ短い時間で切り上げるのが良しとされた。
顧客を驚かせ、その目を自社に向けさせるための技術開発も、
デルは手薄かもしれない。
直近の四半期決算でみると、売上高に占める
研究開発費の比率は1.2%。
パソコンで競合するHP(2.3%)、米アップル(3.6%)と
比較しても低い。
デルにとって、最大の商品である「ウィンテルパソコン」は、
研究開発費がともに売上高の15%に達する米マイクロソフト、
インテルによって定期的に技術革新がなされてきた。
デル自身は、多額の研究開発費を投じなくても、
顧客に「この商品は最先端」とアピールできた。
IT業界の主戦場が、パソコンからスマートフォン(高機能携帯電話)や
ネットに移ると、ウィンテルの技術力も一時期ほどの輝きは失った。
デルの武器だったはずの「安さ」も、低価格ノートである
ネットブックの普及とともに、際だった特徴とはいえない。
ユニクロはどうか?
「世界一の技術力をもつ東レさんなどと組んで、技術力を活かしつつ、
着心地のよさ、風合い、適度なファッション性を入れ込んで、
高機能で高品質、手ごろな価格のカジュアルウェアを作り続けていく」
柳井氏は、安さだけでは顧客をつなぎ留められないと先を読み、
商品開発に力点を置いてきた。
タンクトップやキャミソールに、ブラジャーのカップをつけた
「ブラトップ」や、発熱保温肌着の「ヒートテック」。
ここ数年のヒット商品は、地道な商品改良のたまもの。
「アパレルはローテク」のイメージを覆し、情報収集も兼ねた
R&Dセンターを東京やニューヨークなどに持つ。
デルもじっとしてはいない。
09年秋、39億ドルを投じて情報処理サービス会社の
ペロー・システムズを買収すると発表。
米AT&Tと組み、米国でスマートフォン事業に参入すると表明。
いずれもライバルの後追いの印象が強く、新鮮味はない。
個人客を取り込もうと直販専門の看板を降ろし、
家電量販店などでのパソコン販売に力を注ぐが、
顧客との接点が一段と減るリスクも否めない。
1990年代末、デル氏が書いた『デルの革命』は、
急成長企業の秘密を探ろうという多くのビジネスマンに読まれた。
現時点で、デル復活の具体的な道筋は見えにくいが、
仮に実現すれば、その物語は経営立て直しの格好の教科書に。
ベストセラーになるのは確実だが、果たしてそういう日が訪れるか。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100120.html
パソコン大手、米デルが経営不振から抜け出せない。
2009年8~10月期決算は、純利益が1年前から半減。
調査会社ガートナーによると、09年10~12月期の
世界パソコン販売台数の伸び率は、
前年同期比5.7%と上位5社で最低。
米ヒューレット・パッカード(HP)に次ぐ、シェア2位の座を
台湾のエイサー(宏碁)に奪われて以降、
失速に歯止めがかからない。
マイケル・デル最高経営責任者(CEO)の苦悩は深い。
そんな悩めるカリスマ創業者に薦めたい本。
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、
09年に出版した『成功は一日で捨て去れ』。
勝ち組ユニクロの経営の極意がまとめてあり、
ビジネス書のベストセラー。
デルとユニクロ。2社には共通点が多い。
テキサス大の学生だったデル氏が、1000ドルの資金で
デルコンピュータ(現デル)を設立したのは1984年。
この年、柳井氏は
「ユニーク・クロージング・ウエアハウス(ユニクロ)」1号店を
広島市にオープン、父親が創業した洋服販売会社
(現ファーストリテイリング)の社長に。
世間の注目を集めるきっかけが、「安さ」だったのも同じ。
デルは90年代初め、パソコンの価格破壊メーカーとして台頭。
日本でも、10万円を切る製品を売り出して有名に。
01年、世界シェア首位に躍り出た。
ユニクロは98年、1着1900円のフリースが爆発的にヒットし、
全国区企業の仲間入りを果たす。
デル氏、柳井氏ともに、経営トップの座からいったん退いたが、
経営の変調を受け、復帰した経歴もダブる。
2010年。両社の経営は、見事に明暗が分かれている。
デルとは対照的に、ユニクロは今月8日、
10年8月期の業績予想を上方修正。
売上高、営業利益とも、前年同期より2割増えると発表。
国内外で、新商品の売れ行きが好調に推移。
勝因は何か?
柳井氏の著書からヒントを探せば、「従来の衣料品小売業界で
一般的であった委託販売方式を取らず、自社で商品企画開発、
製造、販売を一気通貫で行っていること」に行き着く。
ユニクロは、SPA(製造小売業)という業態。
柳井氏は、「顧客ニーズを本当につかんで、自分自身で企画し、
商品開発を行い、タイムリーなマーケティングとともに、
お客様に商品の良さを伝えて、自分自身の手で売っていく」と
自社のビジネスモデルを解説。
顧客にぴたりと寄り添うことで、売れる商品を繰り返し生む。
デル氏がこうしたくだりを読めば、「全くその通り」と
ひざを打つことだろう。
デル躍進の原動力も、顧客密着型のビジネスモデル。
電話やネットで、顧客から好みのパソコンの注文を受け、
自ら組み立てたうえで直接、顧客に届ける。
パソコン、アパレルという分野の違いはあるが、
両社の経営の基本思想は極めて似通っている。
なぜ、デルだけが置いてきぼりを食らったのか?
突き詰めれば、顧客密着モデルの形骸化が原因。
09年、米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ司法長官は、
半導体最大手、米インテルが世界で約8割のシェアを握る
MPU(超小型演算処理装置)の販売で、
独禁法に違反する行為をしたと同社を裁判所に訴えた。
多額のリベートを与える見返りに、ライバルである
AMD製のMPUを買い控えるよう、パソコンメーカーに圧力。
電力消費が少ないAMD製品は評価され、パソコンへの普及が
進んだが、最後まで動きが鈍かったのがデル。
デルは、唯一のMPU調達先であるインテルとの安定した
取引関係にこだわり続け、AMD搭載パソコンの投入が遅れ、
商機も逃した。
長官がインテルの不正の「証拠」として示した資料には、
05年、デル氏がインテルのポール・オッテリーニCEOに
送ったとされる電子メールが含まれている。
「(AMD搭載パソコンがないために)性能競争で負けている」。
顧客ニーズより、取引先を優先する経営の行き詰まり。
デル氏本人がいらだつほど、デルモデルは機能不全に。
企業へのデスクトップパソコン販売に依存し、
市場拡大をけん引する個人向けノートパソコン事業で
つまずいたのも痛かった。
「顧客が、効率重視の犠牲になった」とデル幹部。
顧客の生の声を聞く絶好のチャンスであるカスタマーサポートの
電話応対は、できるだけ短い時間で切り上げるのが良しとされた。
顧客を驚かせ、その目を自社に向けさせるための技術開発も、
デルは手薄かもしれない。
直近の四半期決算でみると、売上高に占める
研究開発費の比率は1.2%。
パソコンで競合するHP(2.3%)、米アップル(3.6%)と
比較しても低い。
デルにとって、最大の商品である「ウィンテルパソコン」は、
研究開発費がともに売上高の15%に達する米マイクロソフト、
インテルによって定期的に技術革新がなされてきた。
デル自身は、多額の研究開発費を投じなくても、
顧客に「この商品は最先端」とアピールできた。
IT業界の主戦場が、パソコンからスマートフォン(高機能携帯電話)や
ネットに移ると、ウィンテルの技術力も一時期ほどの輝きは失った。
デルの武器だったはずの「安さ」も、低価格ノートである
ネットブックの普及とともに、際だった特徴とはいえない。
ユニクロはどうか?
「世界一の技術力をもつ東レさんなどと組んで、技術力を活かしつつ、
着心地のよさ、風合い、適度なファッション性を入れ込んで、
高機能で高品質、手ごろな価格のカジュアルウェアを作り続けていく」
柳井氏は、安さだけでは顧客をつなぎ留められないと先を読み、
商品開発に力点を置いてきた。
タンクトップやキャミソールに、ブラジャーのカップをつけた
「ブラトップ」や、発熱保温肌着の「ヒートテック」。
ここ数年のヒット商品は、地道な商品改良のたまもの。
「アパレルはローテク」のイメージを覆し、情報収集も兼ねた
R&Dセンターを東京やニューヨークなどに持つ。
デルもじっとしてはいない。
09年秋、39億ドルを投じて情報処理サービス会社の
ペロー・システムズを買収すると発表。
米AT&Tと組み、米国でスマートフォン事業に参入すると表明。
いずれもライバルの後追いの印象が強く、新鮮味はない。
個人客を取り込もうと直販専門の看板を降ろし、
家電量販店などでのパソコン販売に力を注ぐが、
顧客との接点が一段と減るリスクも否めない。
1990年代末、デル氏が書いた『デルの革命』は、
急成長企業の秘密を探ろうという多くのビジネスマンに読まれた。
現時点で、デル復活の具体的な道筋は見えにくいが、
仮に実現すれば、その物語は経営立て直しの格好の教科書に。
ベストセラーになるのは確実だが、果たしてそういう日が訪れるか。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100120.html
2010年2月5日金曜日
スポーツ21世紀:新しい波/333 ゴルフ世界戦略/4止
(毎日 1月30日)
年の瀬も押し迫った昨年12月。
東京駅近くのホテルに高校、大学生の男女トップゴルファーが集結。
日本ゴルフ協会(JGA)が、毎年暮れに開く日本代表チーム慰労会。
いつもの光景と違ったのは、ゴルフ関連4団体の会長が
初めて顔をそろえた点。
安西孝之JGA会長、日本プロゴルフ協会の松井功会長、
小泉直・日本ゴルフツアー機構会長、
樋口久子・日本女子プロゴルフ協会会長の4人は、
慰労会の前に会談。
主要テーマの一つが、「ジュニア育成」。
富田浩安JGAジュニア育成委員長は、
「2016年に五輪という目標ができた。
これからは、各団体で情報やノウハウを共有して取り組もう、という話」
五輪競技復帰をきっかけに、日本ゴルフ界がプロ、アマの
垣根を越えて、初めて統一的方針を示した意義深い日。
石川遼、宮里藍らの登場で、
JGA登録のジュニア会員(6~18歳)は急増。
小学生の08年の登録者数(5342人)は、10年前の約6倍。
ジュニア育成には、多くの課題が横たわる。
有望選手の発掘。
地方のジュニア大会などを視察員が見て、
「第2の遼クン」を探すにも限界がある。
「原石」を探すには、既に発掘・指導システムを持つ
プロ側と情報交換が欠かせない。
強化面でも、指導員として各地のティーチングプロを
ネットワーク化したり、練習場所としてゴルフ場を
開放してもらうことも必要。
親の経費負担について、JGAが「強化選手」に認定することで
軽減を図る方法を模索。
JGAが、日本代表チームに専門トレーナーをつけたのは07年。
シドニー、アテネ五輪でシンクロナイズドスイミング日本代表
チームのトレーナーを務め、片山晋呉の指導でも知られる
白木仁・筑波大教授がその任に当たる。
白木教授は、「ゴルフのジュニア育成システムで、
日本は世界より20年遅れている。
基礎体力をつけることから始めなければならない」と指摘。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
年の瀬も押し迫った昨年12月。
東京駅近くのホテルに高校、大学生の男女トップゴルファーが集結。
日本ゴルフ協会(JGA)が、毎年暮れに開く日本代表チーム慰労会。
いつもの光景と違ったのは、ゴルフ関連4団体の会長が
初めて顔をそろえた点。
安西孝之JGA会長、日本プロゴルフ協会の松井功会長、
小泉直・日本ゴルフツアー機構会長、
樋口久子・日本女子プロゴルフ協会会長の4人は、
慰労会の前に会談。
主要テーマの一つが、「ジュニア育成」。
富田浩安JGAジュニア育成委員長は、
「2016年に五輪という目標ができた。
これからは、各団体で情報やノウハウを共有して取り組もう、という話」
五輪競技復帰をきっかけに、日本ゴルフ界がプロ、アマの
垣根を越えて、初めて統一的方針を示した意義深い日。
石川遼、宮里藍らの登場で、
JGA登録のジュニア会員(6~18歳)は急増。
小学生の08年の登録者数(5342人)は、10年前の約6倍。
ジュニア育成には、多くの課題が横たわる。
有望選手の発掘。
地方のジュニア大会などを視察員が見て、
「第2の遼クン」を探すにも限界がある。
「原石」を探すには、既に発掘・指導システムを持つ
プロ側と情報交換が欠かせない。
強化面でも、指導員として各地のティーチングプロを
ネットワーク化したり、練習場所としてゴルフ場を
開放してもらうことも必要。
親の経費負担について、JGAが「強化選手」に認定することで
軽減を図る方法を模索。
JGAが、日本代表チームに専門トレーナーをつけたのは07年。
シドニー、アテネ五輪でシンクロナイズドスイミング日本代表
チームのトレーナーを務め、片山晋呉の指導でも知られる
白木仁・筑波大教授がその任に当たる。
白木教授は、「ゴルフのジュニア育成システムで、
日本は世界より20年遅れている。
基礎体力をつけることから始めなければならない」と指摘。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
聖なるガンジス川で「水がめ祭」、環境汚染の懸念拡大 インド
(CNN 1月13日)
インド北部ウッタルプラデシュ州北部ハリドワールを流れる
ガンジス川で14日から、ヒンドゥー教の水がめ祭
「クンブ・メーラー」が始まる。
数百万人の巡礼客が訪れて水を浴び、体を清める祭り、
ガンジス川の汚染が懸念。
クンブ・メーラーを前に州政府は、祭の注意事項を伝える
一面広告を掲載。
水質汚染の原因となる洗剤や石けんを使わないよう通告。
分解されずにゴミとなるポリエチレンやプラスティック製品を
流さないよう警告。
環境保護団体など、汚染の拡大を懸念。
インドの中央公害管理委員会によれば、ガンジス川の有機物濃度や
細菌汚染は深刻な状態。
ガンジス川は、聖なる大河として、インドの人々の生活や人生に
大きくかかわっている。
沐浴する人が集まるだけではなく、
生活用水として使われ、遺灰も流される。
水質汚染問題は、かなり以前から問題化。
インド政府は、1985年から水質浄化にむけ対策を実施。
現在ではインドの20州で、支流なども含めて38の河川で
浄化計画が進んでおり、2020年までには
水質汚染問題を解決する。
現実的問題解決にはほど遠く、環境保護団体などは
計画は失敗していると指摘。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN201001130022.html
インド北部ウッタルプラデシュ州北部ハリドワールを流れる
ガンジス川で14日から、ヒンドゥー教の水がめ祭
「クンブ・メーラー」が始まる。
数百万人の巡礼客が訪れて水を浴び、体を清める祭り、
ガンジス川の汚染が懸念。
クンブ・メーラーを前に州政府は、祭の注意事項を伝える
一面広告を掲載。
水質汚染の原因となる洗剤や石けんを使わないよう通告。
分解されずにゴミとなるポリエチレンやプラスティック製品を
流さないよう警告。
環境保護団体など、汚染の拡大を懸念。
インドの中央公害管理委員会によれば、ガンジス川の有機物濃度や
細菌汚染は深刻な状態。
ガンジス川は、聖なる大河として、インドの人々の生活や人生に
大きくかかわっている。
沐浴する人が集まるだけではなく、
生活用水として使われ、遺灰も流される。
水質汚染問題は、かなり以前から問題化。
インド政府は、1985年から水質浄化にむけ対策を実施。
現在ではインドの20州で、支流なども含めて38の河川で
浄化計画が進んでおり、2020年までには
水質汚染問題を解決する。
現実的問題解決にはほど遠く、環境保護団体などは
計画は失敗していると指摘。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN201001130022.html
和文化を知る(5)職人の技 学ぶ意欲刺激
(読売 1月26日)
専門のコースを設け、和文化を広く教える学校がある。
広々とした実習室。
作業台には、江戸後期から続くガラス工芸品、
「江戸切り子」専用の研磨機が据えられている。
男女9人の生徒が作業台に向かい、高速で回転する研磨機に
直径約16cmの平皿をあて、模様を彫っていく。
東京都立大江戸高校は、2004年、不登校の経験者や
他校の中退者など受け入れる都のチャレンジスクールとして、
江東区に開校。
午前、午後、夜間の3部がある定時制で、
下町文化が残る地域の特色を生かそうと、当初から
江戸の文化を中心に学ぶ「伝統・文化」のコースを設けている。
前・後期制をとっており、江戸切り子は、
選択科目「伝統工芸実践」の後期授業で学ぶ。
前期は、べっ甲細工を体験。
選択科目は、木彫や押し絵羽子板などの「伝統工芸入門」、
和太鼓などの「邦楽」、「陶芸」、「茶道・華道」など、
各科目とも2コマ連続で実践的な授業をしている。
伝統工芸関連の授業では、学校の委託を受けた
プロの職人が講師を務める。
江東区の無形文化財に指定される小林淑郎さん(59)は、
同校で江戸切り子を教えて4年目。
授業には手応えを感じている。
「作業を始めると、子どもたちは1時間以上でも無心で続ける。
素直で、教えがいがある」
伝統工芸を目当てに、入学する生徒も。
テレビの特集を見て、職人の姿や作品の美しさにひかれたという
3年生の女子(18)は、「本物の職人さんに教わるなんて、
普通は経験できない。この学校に来て、得した気分」
東京都教育委員会は、「国際社会で生きる上で、
日本の伝統と文化を理解することは大切」、
05年、アニメなど現代文化を含めた
「日本の伝統・文化理解教育」の普及を推進。
独自教科として開設する学校に対し、講師への謝礼を支援、
年間のカリキュラムや教材集などを作成し、導入の便宜を図っている。
今年度、高校や特別支援学校など都立46校が、
「伝統・文化」を開設。
将棋や紙すき、日本舞踊、津軽三味線など、様々な実践。
定時制課程での開設は、大江戸高校も含めて10校に上る。
同校の岡昇校長(57)によれば、伝統・文化の授業には、
生徒の好奇心や挑戦意欲を刺激する効果がある。
「生活との関連性を説明しているので、
小中で学びに興味を持てなかった子も、関心を持ちやすい。
伝統工芸の授業では、ものをつくることで達成感が味わえ、
前向きな気持ちがわいてくる」
伝統工芸を体験し、将来の目標を定める生徒も。
江戸切り子を受講する、3年の男子(17)は、
「手元に作品が残るので、うれしい。
将来は、ぜひとも工芸の道に進みたい」
伝統・文化が行く道を照らし、生徒たちは前へ進む。
◆チャレンジスクール
不登校や中退経験のある生徒を積極的に受け入れ、
社会に出る挑戦を後押しするため、東京都が設置した
3部制(定時制)の単位制高校。
幅広い科目選択が可能な総合学科で、入試に学力試験はなく、
作文や面接で合否を決める。
2000年、第1号が誕生。現在は5校ある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100126-OYT8T00219.htm
専門のコースを設け、和文化を広く教える学校がある。
広々とした実習室。
作業台には、江戸後期から続くガラス工芸品、
「江戸切り子」専用の研磨機が据えられている。
男女9人の生徒が作業台に向かい、高速で回転する研磨機に
直径約16cmの平皿をあて、模様を彫っていく。
東京都立大江戸高校は、2004年、不登校の経験者や
他校の中退者など受け入れる都のチャレンジスクールとして、
江東区に開校。
午前、午後、夜間の3部がある定時制で、
下町文化が残る地域の特色を生かそうと、当初から
江戸の文化を中心に学ぶ「伝統・文化」のコースを設けている。
前・後期制をとっており、江戸切り子は、
選択科目「伝統工芸実践」の後期授業で学ぶ。
前期は、べっ甲細工を体験。
選択科目は、木彫や押し絵羽子板などの「伝統工芸入門」、
和太鼓などの「邦楽」、「陶芸」、「茶道・華道」など、
各科目とも2コマ連続で実践的な授業をしている。
伝統工芸関連の授業では、学校の委託を受けた
プロの職人が講師を務める。
江東区の無形文化財に指定される小林淑郎さん(59)は、
同校で江戸切り子を教えて4年目。
授業には手応えを感じている。
「作業を始めると、子どもたちは1時間以上でも無心で続ける。
素直で、教えがいがある」
伝統工芸を目当てに、入学する生徒も。
テレビの特集を見て、職人の姿や作品の美しさにひかれたという
3年生の女子(18)は、「本物の職人さんに教わるなんて、
普通は経験できない。この学校に来て、得した気分」
東京都教育委員会は、「国際社会で生きる上で、
日本の伝統と文化を理解することは大切」、
05年、アニメなど現代文化を含めた
「日本の伝統・文化理解教育」の普及を推進。
独自教科として開設する学校に対し、講師への謝礼を支援、
年間のカリキュラムや教材集などを作成し、導入の便宜を図っている。
今年度、高校や特別支援学校など都立46校が、
「伝統・文化」を開設。
将棋や紙すき、日本舞踊、津軽三味線など、様々な実践。
定時制課程での開設は、大江戸高校も含めて10校に上る。
同校の岡昇校長(57)によれば、伝統・文化の授業には、
生徒の好奇心や挑戦意欲を刺激する効果がある。
「生活との関連性を説明しているので、
小中で学びに興味を持てなかった子も、関心を持ちやすい。
伝統工芸の授業では、ものをつくることで達成感が味わえ、
前向きな気持ちがわいてくる」
伝統工芸を体験し、将来の目標を定める生徒も。
江戸切り子を受講する、3年の男子(17)は、
「手元に作品が残るので、うれしい。
将来は、ぜひとも工芸の道に進みたい」
伝統・文化が行く道を照らし、生徒たちは前へ進む。
◆チャレンジスクール
不登校や中退経験のある生徒を積極的に受け入れ、
社会に出る挑戦を後押しするため、東京都が設置した
3部制(定時制)の単位制高校。
幅広い科目選択が可能な総合学科で、入試に学力試験はなく、
作文や面接で合否を決める。
2000年、第1号が誕生。現在は5校ある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100126-OYT8T00219.htm
シナリオ不在で安値続く軽油価格
(日経 2010-01-27)
トラック用燃料などに使う、軽油の相場が上向かない。
景気低迷で物流量が落ち込み、需要が振るわないため。
消費者や企業にとって、物流コストの引き下げ効果が
期待できるが、軽油を供給する側の元売り各社は、
原油精製にかかるコストを回収できない状況。
このまま、アジア市場の暖房需要が期待できる
寒波のピークを超せば、ガソリン、灯油に比べた
軽油の独歩安が定着する公算が徐々に強まっている。
「軽油需要が上向くイメージが浮かばない」——。
都内のある燃料商社の幹部は、半ばあきらめ顔。
2009年11月の軽油の国内販売量は、約271万kL。
前年同月を3.3%下回った。
軽油はこの1年間、ガソリンや灯油と違って
特需に沸くことがなかった。
ガソリンの場合、09年3月下旬から始まった「1000円高速」が
需要を下支えした。
同年9月、秋の大型連休「シルバーウイーク」が重なり、
この時期に販売量を伸ばした給油所も多かった。
灯油は、09年12月中旬から予想外の寒波に襲われ、
販売量が全国的に増加。
需給は一気に引き締まった。
軽油の需要を左右するのは、国内の景気動向。
この1年間、物流量の増加に結びつくほど景気は回復せず、
軽油の内需は低空飛行。
リーマン・ショック後、08~09年の13カ月間で、
軽油の国内需要が前年同月を上回ったのは、わずかに3回。
販売の現場では、「ずっと前年同月を
下回り続けているような感覚」(燃料商社)。
新日本石油など元売り各社は、減産強化による需給の適正化に
懸命だが、「需要の落ち込みが減産分を上回っている」(商社)。
需給を敏感に反映するスポット(業者間転売)市場では、
軽油の上値が重い。
足元では、灯油を1L当たり2~3円程度下回る50円前後で取引。
原油精製コストが回収できない低水準だが、
「製油所の稼働維持のため、これ以上の減産は難しい」(燃料商社)。
打てる手が限られるなか、国内相場が上向くという
シナリオとして、元売りが期待するのが、アジアの石油取引の
中心地であるシンガポール。
軽油は、国内外の市場の価格の連動性が高いだけに、
シンガポールの相場が上昇すれば、元売りの輸出採算が改善し、
輸出が国内の需給調整弁の役割を果たすとの構図を描く。
頼みのシンガポールも、各国の輸出拡大で軽油在庫が
すでに過去最高水準に積み上がり、その解消が遅れている。
東アジアの寒波で、軽油需要が増えるとの観測もあったが、
世界的な景気の減速のマイナスの影響が上回ったもよう。
低迷する軽油相場の先行きは、依然として視界不良。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/shikyou/shi100126.html
トラック用燃料などに使う、軽油の相場が上向かない。
景気低迷で物流量が落ち込み、需要が振るわないため。
消費者や企業にとって、物流コストの引き下げ効果が
期待できるが、軽油を供給する側の元売り各社は、
原油精製にかかるコストを回収できない状況。
このまま、アジア市場の暖房需要が期待できる
寒波のピークを超せば、ガソリン、灯油に比べた
軽油の独歩安が定着する公算が徐々に強まっている。
「軽油需要が上向くイメージが浮かばない」——。
都内のある燃料商社の幹部は、半ばあきらめ顔。
2009年11月の軽油の国内販売量は、約271万kL。
前年同月を3.3%下回った。
軽油はこの1年間、ガソリンや灯油と違って
特需に沸くことがなかった。
ガソリンの場合、09年3月下旬から始まった「1000円高速」が
需要を下支えした。
同年9月、秋の大型連休「シルバーウイーク」が重なり、
この時期に販売量を伸ばした給油所も多かった。
灯油は、09年12月中旬から予想外の寒波に襲われ、
販売量が全国的に増加。
需給は一気に引き締まった。
軽油の需要を左右するのは、国内の景気動向。
この1年間、物流量の増加に結びつくほど景気は回復せず、
軽油の内需は低空飛行。
リーマン・ショック後、08~09年の13カ月間で、
軽油の国内需要が前年同月を上回ったのは、わずかに3回。
販売の現場では、「ずっと前年同月を
下回り続けているような感覚」(燃料商社)。
新日本石油など元売り各社は、減産強化による需給の適正化に
懸命だが、「需要の落ち込みが減産分を上回っている」(商社)。
需給を敏感に反映するスポット(業者間転売)市場では、
軽油の上値が重い。
足元では、灯油を1L当たり2~3円程度下回る50円前後で取引。
原油精製コストが回収できない低水準だが、
「製油所の稼働維持のため、これ以上の減産は難しい」(燃料商社)。
打てる手が限られるなか、国内相場が上向くという
シナリオとして、元売りが期待するのが、アジアの石油取引の
中心地であるシンガポール。
軽油は、国内外の市場の価格の連動性が高いだけに、
シンガポールの相場が上昇すれば、元売りの輸出採算が改善し、
輸出が国内の需給調整弁の役割を果たすとの構図を描く。
頼みのシンガポールも、各国の輸出拡大で軽油在庫が
すでに過去最高水準に積み上がり、その解消が遅れている。
東アジアの寒波で、軽油需要が増えるとの観測もあったが、
世界的な景気の減速のマイナスの影響が上回ったもよう。
低迷する軽油相場の先行きは、依然として視界不良。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/shikyou/shi100126.html
2010年2月4日木曜日
和文化を知る(4)相撲・武道で礼節育む
(読売 1月23日)
相撲や剣道に全校で取り組み、慈しむ心と礼節を育む。
校庭の隅に設けられた土俵で、素足の小学1年生が
男女に分かれ、順番に相撲を取る。
「がんばれ、がんばれ」。
みんなが夢中で声援を送る。
東京都武蔵村山市の市立第十小学校は、
体育の授業の一環として、子どもたちに相撲を教えている。
相撲を導入したのは、2007年度から。
きっかけは、都の「伝統・文化理解教育」の推進モデル地域に、
学区が指定されたこと。
同小の学級担任として相撲を教えた経験がある
榊尚信校長(55)が、安全で礼儀を学べるスポーツとして、
相撲を授業研究のテーマに提案。
初年度は、大相撲見学などを実施。
2年目から、少年相撲道場の立川練成館などの協力のもと、
全学年の体育の授業に、年間3時間の相撲を取り入れた。
勝ってもガッツポーズはせず、負けて泣いても
相手への礼は忘れない。
勝敗に関係なく、「がんばった、がんばった」と言って肩をたたき、
健闘をたたえる――。
榊校長は、「今の子どもは、遊びの中で友だちの体に
触れることがない。相撲を通じて人の温かみや重みを体で感じ、
相手を慈しむ心が育っている」
08年、土俵が完成。
昨年4月には、校内に相撲クラブが誕生。
「もっと強くなりたい」と、少年道場に通い出した児童も。
ゲーム世代をもひきつける力が、相撲にはあるようだ。
体育館を埋めた約800人の生徒が、
女子の居合道の演技を静かに見つめる。
男子の剣道の試合は、一転、声援合戦になった。
全学年で武道を必修とする神奈川県相模原市の県立橋本高校で、
昨年12月半ば、全生徒が参加して、
恒例の武道大会が3日間にわたり行われた。
男子の剣道は、1978年の開校当時から。
女子の居合道は、91年に文部省(当時)の武道指導推進校に
なったのを機に始めた。
「伝統文化や礼儀作法、節度ある態度、集中力など多くを学べる」
として、現在は週1回、体育で教えている。
生徒の本気度は高く、例年、100人以上が段・級を取得する。
武道大会も、良い刺激に。
開催前の3日間は、自主参加の朝げいこを実施。
今回は連日、約180人が参加。
「大会の日は、学校が一つになる。
その盛り上がりを見て、大会後に急に熱心になる1年生が多い」と、
八木興造校長(54)。
学校説明会で居合を見て感激し、入学してくる女子も。
保護者もまた、武道教育を承知の上で子どもを入れている。
大会の応援にかけつけたPTA役員の男性は、
「武道のおかげで、姿勢が良く礼儀正しい子が多い」
「髪を染めた生徒も、自分なりに礼を守って
武道の授業に取り組んでいる」と八木校長。
武道の心に触れ、規範意識が磨かれていく。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100123-OYT8T00266.htm
相撲や剣道に全校で取り組み、慈しむ心と礼節を育む。
校庭の隅に設けられた土俵で、素足の小学1年生が
男女に分かれ、順番に相撲を取る。
「がんばれ、がんばれ」。
みんなが夢中で声援を送る。
東京都武蔵村山市の市立第十小学校は、
体育の授業の一環として、子どもたちに相撲を教えている。
相撲を導入したのは、2007年度から。
きっかけは、都の「伝統・文化理解教育」の推進モデル地域に、
学区が指定されたこと。
同小の学級担任として相撲を教えた経験がある
榊尚信校長(55)が、安全で礼儀を学べるスポーツとして、
相撲を授業研究のテーマに提案。
初年度は、大相撲見学などを実施。
2年目から、少年相撲道場の立川練成館などの協力のもと、
全学年の体育の授業に、年間3時間の相撲を取り入れた。
勝ってもガッツポーズはせず、負けて泣いても
相手への礼は忘れない。
勝敗に関係なく、「がんばった、がんばった」と言って肩をたたき、
健闘をたたえる――。
榊校長は、「今の子どもは、遊びの中で友だちの体に
触れることがない。相撲を通じて人の温かみや重みを体で感じ、
相手を慈しむ心が育っている」
08年、土俵が完成。
昨年4月には、校内に相撲クラブが誕生。
「もっと強くなりたい」と、少年道場に通い出した児童も。
ゲーム世代をもひきつける力が、相撲にはあるようだ。
体育館を埋めた約800人の生徒が、
女子の居合道の演技を静かに見つめる。
男子の剣道の試合は、一転、声援合戦になった。
全学年で武道を必修とする神奈川県相模原市の県立橋本高校で、
昨年12月半ば、全生徒が参加して、
恒例の武道大会が3日間にわたり行われた。
男子の剣道は、1978年の開校当時から。
女子の居合道は、91年に文部省(当時)の武道指導推進校に
なったのを機に始めた。
「伝統文化や礼儀作法、節度ある態度、集中力など多くを学べる」
として、現在は週1回、体育で教えている。
生徒の本気度は高く、例年、100人以上が段・級を取得する。
武道大会も、良い刺激に。
開催前の3日間は、自主参加の朝げいこを実施。
今回は連日、約180人が参加。
「大会の日は、学校が一つになる。
その盛り上がりを見て、大会後に急に熱心になる1年生が多い」と、
八木興造校長(54)。
学校説明会で居合を見て感激し、入学してくる女子も。
保護者もまた、武道教育を承知の上で子どもを入れている。
大会の応援にかけつけたPTA役員の男性は、
「武道のおかげで、姿勢が良く礼儀正しい子が多い」
「髪を染めた生徒も、自分なりに礼を守って
武道の授業に取り組んでいる」と八木校長。
武道の心に触れ、規範意識が磨かれていく。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100123-OYT8T00266.htm
太陽電池シェア争い オムロンが鍵
(日経 2010-01-25)
家庭用の太陽光発電市場が熱い。
政府の手厚い補助策によって、国内需要が拡大し、
シャープ、京セラ、三洋電機、三菱電機の国内大手4社が
寡占してきた市場に、昭和シェル石油やホンダの子会社、
中国サンテックパワーなど海外勢が続々と参入、
シェアを食い合っている。
安値を武器に参入する海外勢の勢いはすさまじく、
2008年度の出荷実績ほぼゼロから、
09年度は上半期のシェアは12%に。
攻勢をかける海外勢が国内メーカーのシェアを奪い続けるか——。
群雄割拠の大競争を左右するカギを、
実は意外な企業が握っている。
基幹部品「パワコン」の輸入事業者への供給を、
一手に引き受けるオムロンだ。
オムロンはパワコンを増産するのか、しないのか、
するならいつか?
その決断が、競争環境を大きく変えることになる。
家庭に太陽光発電システムを導入すると、
屋根に乗せる太陽光発電パネルだけでなく、
屋内に弁当箱のような長方形の機器を設置。
この地味な機器が、「パワコン(パワーコンディショナー)」
太陽光発電パネルが日光を浴びて作る電気は、
コンセントから流れる電気と性質が異なり、そのままでは使えない。
パワコンは、電気の性質を変更し、家庭で使える電気にして供給。
安全性の維持など、様々な役割を果たし、
太陽光発電システムに欠かすことのできない部材。
パワコンに求められる品質は、各国によって異なる。
国内で使われるパワコンの品質は、
電気安全環境研究所(JET)が厳しく管理、JETの認証を
得ていることを示すラベルがはられていない製品は使えない。
日本の水準は非常に厳しく、検査項目は30にも及ぶ。
いくつかの海外メーカーが「受験」に臨んだが、
JET認証の壁に阻まれ、国内販売できなかったケースも。
技術が世界標準化した太陽光発電パネルは、
多くの海外製品が国内市場に流入、
海外パワコンの国内販売への壁は高い。
割安な海外製太陽光発電パネルを輸入しても、
パワコンがなければ商品にはならない。
輸入事業者は、国内パワコンメーカーに供給を依頼、
その選択肢は限られている。
国内のパワコンメーカー4社のうち、シャープ、三洋電機、
三菱電機は自らパネルも製造し、国内販売。
各社とも国内販売を伸ばし、パワコンを他社に供給する余裕は乏しい。
余裕があったとしても、ライバルとなるニューカマーに
わざわざ塩を送るような選択はしない。
自らパネルを製造・販売していない唯一の
パワコン大手メーカーであるオムロンに注文が集中。
オムロンは、京セラ向けのパワコンを中心に生産、
輸入パネル向けにも積極的にパワコンを供給。
熊本県内の子会社の工場では、昨夏までにほかの製品と
共用だった生産ラインを専用にし、生産人員も2割増強。
昨夏、今年度の出荷量見込みは前年度比倍増の10万台。
「この好調さは3年くらい続くのでは」というほど、
生産増強をしたばかりなのに、さらに新しいラインの設置を
視野に入れていた。
昨年11月、家庭向け太陽光発電の補助が拡大された前後、
多くの事業者が輸入太陽光発電の販売を始めた。
多くの事業者が一気に参入、オムロン製パワコンは
急速に不足し始めた。
「オムロンからのパワコン供給数が制限され、
思ったように販売数量を増やせない」、
「大切な立ち上げ時期、パワコンの供給が間に合わないのは痛い、
春先に増産するとのうわさに期待するしかない」
商機ととらえ、こぞって参入した輸入事業者は、
ボトルネックとなったパワコンの調達に四苦八苦。
供給先の声に応え、オムロンはいつ増産に踏み切るのか——。
割安な輸入太陽光発電パネルが、オムロン製パワコンの
潤沢な供給を受けて市場を席巻すれば、
国内勢は大幅にシェアを食われかねない。
市場の構造が大きく変容する可能性があるだけに、
オムロンのパワコン増産とそのタイミングに、高い関心。
輸入事業者は、オムロン頼みのビジネスではあまりにも不安定。
別の道を探り始める動きも始まっている。
シャープから受託してパワコンを生産している田淵電子工業。
現在、月5000台程度をシャープ向けに製造、
最近、「パワコンを分けてくれないか、との連絡が多い」。
生産人員を増やし、ラインの稼働時間を延長すれば増産は可能、
「(シャープ以外の)他社向けにパワコンを供給することもあるかも」
海外からの輸入を目指す動きもある。
1月6日、JETのパワコン認証を韓国LS産電が取得。
海外製パワコンが認証を得たのは、2社目。
LS産電が作る太陽光発電パネルを販売するサニックスは、
1月中にオムロン製パワコンをLS産電製パワコンに切り替え、
サニックスブランドを付けて販売。
多くの海外製品を跳ね返してきたJETの壁だが、
「LS産電は、かなり研究を重ねた跡がうかがえ、
質の高い製品にしてきた」(JET幹部)。
試験期間わずか2カ月のスピード合格。
海外製パワコンは、もう1社が試験中。
別の2社の製品の試験も始まる直前のほか、
2~3社が認証取得を目指して動いている。
長期的には、海外製パワコンも確実に国内市場に広がりそう。
成長市場と期待される太陽光発電市場。
日を浴びて目に付く発電パネルの商品性だけでなく、
日陰に置かれるパワコンの調達力が、
シェア拡大のポイントになりつつある。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100122.html
家庭用の太陽光発電市場が熱い。
政府の手厚い補助策によって、国内需要が拡大し、
シャープ、京セラ、三洋電機、三菱電機の国内大手4社が
寡占してきた市場に、昭和シェル石油やホンダの子会社、
中国サンテックパワーなど海外勢が続々と参入、
シェアを食い合っている。
安値を武器に参入する海外勢の勢いはすさまじく、
2008年度の出荷実績ほぼゼロから、
09年度は上半期のシェアは12%に。
攻勢をかける海外勢が国内メーカーのシェアを奪い続けるか——。
群雄割拠の大競争を左右するカギを、
実は意外な企業が握っている。
基幹部品「パワコン」の輸入事業者への供給を、
一手に引き受けるオムロンだ。
オムロンはパワコンを増産するのか、しないのか、
するならいつか?
その決断が、競争環境を大きく変えることになる。
家庭に太陽光発電システムを導入すると、
屋根に乗せる太陽光発電パネルだけでなく、
屋内に弁当箱のような長方形の機器を設置。
この地味な機器が、「パワコン(パワーコンディショナー)」
太陽光発電パネルが日光を浴びて作る電気は、
コンセントから流れる電気と性質が異なり、そのままでは使えない。
パワコンは、電気の性質を変更し、家庭で使える電気にして供給。
安全性の維持など、様々な役割を果たし、
太陽光発電システムに欠かすことのできない部材。
パワコンに求められる品質は、各国によって異なる。
国内で使われるパワコンの品質は、
電気安全環境研究所(JET)が厳しく管理、JETの認証を
得ていることを示すラベルがはられていない製品は使えない。
日本の水準は非常に厳しく、検査項目は30にも及ぶ。
いくつかの海外メーカーが「受験」に臨んだが、
JET認証の壁に阻まれ、国内販売できなかったケースも。
技術が世界標準化した太陽光発電パネルは、
多くの海外製品が国内市場に流入、
海外パワコンの国内販売への壁は高い。
割安な海外製太陽光発電パネルを輸入しても、
パワコンがなければ商品にはならない。
輸入事業者は、国内パワコンメーカーに供給を依頼、
その選択肢は限られている。
国内のパワコンメーカー4社のうち、シャープ、三洋電機、
三菱電機は自らパネルも製造し、国内販売。
各社とも国内販売を伸ばし、パワコンを他社に供給する余裕は乏しい。
余裕があったとしても、ライバルとなるニューカマーに
わざわざ塩を送るような選択はしない。
自らパネルを製造・販売していない唯一の
パワコン大手メーカーであるオムロンに注文が集中。
オムロンは、京セラ向けのパワコンを中心に生産、
輸入パネル向けにも積極的にパワコンを供給。
熊本県内の子会社の工場では、昨夏までにほかの製品と
共用だった生産ラインを専用にし、生産人員も2割増強。
昨夏、今年度の出荷量見込みは前年度比倍増の10万台。
「この好調さは3年くらい続くのでは」というほど、
生産増強をしたばかりなのに、さらに新しいラインの設置を
視野に入れていた。
昨年11月、家庭向け太陽光発電の補助が拡大された前後、
多くの事業者が輸入太陽光発電の販売を始めた。
多くの事業者が一気に参入、オムロン製パワコンは
急速に不足し始めた。
「オムロンからのパワコン供給数が制限され、
思ったように販売数量を増やせない」、
「大切な立ち上げ時期、パワコンの供給が間に合わないのは痛い、
春先に増産するとのうわさに期待するしかない」
商機ととらえ、こぞって参入した輸入事業者は、
ボトルネックとなったパワコンの調達に四苦八苦。
供給先の声に応え、オムロンはいつ増産に踏み切るのか——。
割安な輸入太陽光発電パネルが、オムロン製パワコンの
潤沢な供給を受けて市場を席巻すれば、
国内勢は大幅にシェアを食われかねない。
市場の構造が大きく変容する可能性があるだけに、
オムロンのパワコン増産とそのタイミングに、高い関心。
輸入事業者は、オムロン頼みのビジネスではあまりにも不安定。
別の道を探り始める動きも始まっている。
シャープから受託してパワコンを生産している田淵電子工業。
現在、月5000台程度をシャープ向けに製造、
最近、「パワコンを分けてくれないか、との連絡が多い」。
生産人員を増やし、ラインの稼働時間を延長すれば増産は可能、
「(シャープ以外の)他社向けにパワコンを供給することもあるかも」
海外からの輸入を目指す動きもある。
1月6日、JETのパワコン認証を韓国LS産電が取得。
海外製パワコンが認証を得たのは、2社目。
LS産電が作る太陽光発電パネルを販売するサニックスは、
1月中にオムロン製パワコンをLS産電製パワコンに切り替え、
サニックスブランドを付けて販売。
多くの海外製品を跳ね返してきたJETの壁だが、
「LS産電は、かなり研究を重ねた跡がうかがえ、
質の高い製品にしてきた」(JET幹部)。
試験期間わずか2カ月のスピード合格。
海外製パワコンは、もう1社が試験中。
別の2社の製品の試験も始まる直前のほか、
2~3社が認証取得を目指して動いている。
長期的には、海外製パワコンも確実に国内市場に広がりそう。
成長市場と期待される太陽光発電市場。
日を浴びて目に付く発電パネルの商品性だけでなく、
日陰に置かれるパワコンの調達力が、
シェア拡大のポイントになりつつある。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100122.html
地サプリ 青森で元気に 県産の恵み、ふんだんに 産学官と農商工、連携
(2010年1月29日 毎日新聞社)
青森の海や山、畑の恵みを使って昨年7月、販売を開始した
健康食品のサプリメント「地サプリ」が注目。
産学官と農商工を連携した「あおもり『地サプリ』プロジェクト」
(事務局・21あおもり産業総合支援センター)によるもので、
キャッチフレーズは「青森で元気になる。青森が元気にする」。
支援センターは、「地域産業が元気になり、
食べる人も健康になってくれれば」と期待。
健康志向が高まる中、気軽に栄養価の高いものを取れると
人気のサプリメント。
「あおもり『地サプリ』」は、県産素材を前面に打ち出した
健康食品で、海、山、畑の素材を使っている。
「青森の目利きが選んだ」というコンセプトで、
生産者の顔が見えるよう工夫。
「サメ軟骨」は、サメ加工を一筋とする青森市の水産加工業
「田向商店」が、近海で取れたサメを使って製造。
コンドロイチンやコラーゲンが含まれている。
ガマズミの生産が盛んな三戸町の醸造業「小野寺醸造元」は、
ポリフェノールや食物繊維がたっぷりの「ガマズミの実」を製造。
「琥珀にんにく」は、田子町のニンニク加工業
「田子かわむらアグリサービス」が低温で熟成させる製法で製造。
いずれも、県産業技術センターや県立保健大が研究開発を支援。
プロジェクトは、企業や大学などの技術と豊かな地域資源を
活用して、医療・健康福祉分野での新産業づくりを目指す、
県の「あおもりウェルネスランド構想」の一環。
支援センターがプロジェクトのマネジャーとなり、
事業化に苦戦する中小企業の販売戦略を打ち立てた。
地域発の商品は、一過性で行き詰まることが多いため、
販売は販路拡大やリピーター獲得を得意とする
弘前市のインターネット販売事業者「かめあし」
(電話0172・31・3190)が担う。
商品のコンセプトなども顧客に伝えるため、
県内のデザイナーが統一のデザインを考えた。
PR効果を高め、コスト削減にもつながっている。
支援センターの中館洋一主査は、
「素材の広がりに期待できる。ビジネスモデルとして
他地域の参考にもなる」
地サプリは、いずれも50粒(10日分)1260円、
150粒(1カ月分)3150円で、インターネットのほか、
県物産協会アンテナショップや一部のスーパーなどで買える。
支援センター(電話017・777・4066)。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/29/115211/
青森の海や山、畑の恵みを使って昨年7月、販売を開始した
健康食品のサプリメント「地サプリ」が注目。
産学官と農商工を連携した「あおもり『地サプリ』プロジェクト」
(事務局・21あおもり産業総合支援センター)によるもので、
キャッチフレーズは「青森で元気になる。青森が元気にする」。
支援センターは、「地域産業が元気になり、
食べる人も健康になってくれれば」と期待。
健康志向が高まる中、気軽に栄養価の高いものを取れると
人気のサプリメント。
「あおもり『地サプリ』」は、県産素材を前面に打ち出した
健康食品で、海、山、畑の素材を使っている。
「青森の目利きが選んだ」というコンセプトで、
生産者の顔が見えるよう工夫。
「サメ軟骨」は、サメ加工を一筋とする青森市の水産加工業
「田向商店」が、近海で取れたサメを使って製造。
コンドロイチンやコラーゲンが含まれている。
ガマズミの生産が盛んな三戸町の醸造業「小野寺醸造元」は、
ポリフェノールや食物繊維がたっぷりの「ガマズミの実」を製造。
「琥珀にんにく」は、田子町のニンニク加工業
「田子かわむらアグリサービス」が低温で熟成させる製法で製造。
いずれも、県産業技術センターや県立保健大が研究開発を支援。
プロジェクトは、企業や大学などの技術と豊かな地域資源を
活用して、医療・健康福祉分野での新産業づくりを目指す、
県の「あおもりウェルネスランド構想」の一環。
支援センターがプロジェクトのマネジャーとなり、
事業化に苦戦する中小企業の販売戦略を打ち立てた。
地域発の商品は、一過性で行き詰まることが多いため、
販売は販路拡大やリピーター獲得を得意とする
弘前市のインターネット販売事業者「かめあし」
(電話0172・31・3190)が担う。
商品のコンセプトなども顧客に伝えるため、
県内のデザイナーが統一のデザインを考えた。
PR効果を高め、コスト削減にもつながっている。
支援センターの中館洋一主査は、
「素材の広がりに期待できる。ビジネスモデルとして
他地域の参考にもなる」
地サプリは、いずれも50粒(10日分)1260円、
150粒(1カ月分)3150円で、インターネットのほか、
県物産協会アンテナショップや一部のスーパーなどで買える。
支援センター(電話017・777・4066)。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/29/115211/
フレンチ・パラドックスのメカニズムを解明
(2010年1月28日 読売新聞)
フランス国立保健医学研究所の研究者グループが、
フレンチ・パラドックスのメカニズムを解明。
フレンチ・パラドックスとは、赤ワインをよく飲むフランス人は、
脂肪摂取量が多いにもかかわらず、
動脈硬化などの心臓疾患が少ないこと。
フランス食品振興会によると、赤ワインに含まれるポリフェノールが、
動脈壁の細胞に一酸化窒素を作り出し、
血管を拡張させる効果がある。
研究者グループは、ポリフェノールが動脈を拡大させるには、
エストロゲン受容体が必要であることを証明。
ポリフェノールの分子が、結合している
エストロゲン受容体アルファを通している。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/29/115245/
フランス国立保健医学研究所の研究者グループが、
フレンチ・パラドックスのメカニズムを解明。
フレンチ・パラドックスとは、赤ワインをよく飲むフランス人は、
脂肪摂取量が多いにもかかわらず、
動脈硬化などの心臓疾患が少ないこと。
フランス食品振興会によると、赤ワインに含まれるポリフェノールが、
動脈壁の細胞に一酸化窒素を作り出し、
血管を拡張させる効果がある。
研究者グループは、ポリフェノールが動脈を拡大させるには、
エストロゲン受容体が必要であることを証明。
ポリフェノールの分子が、結合している
エストロゲン受容体アルファを通している。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/29/115245/
2010年2月3日水曜日
廃瓦 砕いて緑化土壌に
(読売 1月25日)
家屋の解体時や屋根のふき替えなどの際に出る廃瓦。
粘土を窯で焼いたものが主流だが、これが植物の生育を促す
土壌に活用できることが最近わかってきた。
京都市伏見区の瓦リサイクル会社「國陽」。
敷地内に積み上げられた廃瓦がショベルカーですくい上げられ、
次々に破砕機で砕かれる。
砕いてはふるう工程を繰り返すと、廃瓦は0・5~5mmの粒状に。
「植物と相性がいい、と気付いたのは偶然だったんです」と
社長の新井貴史さん(58)。
産業廃棄物処理業を営んでいた2004年、
次々と持ち込まれる廃瓦を見て、再利用を考えた。
「千年たっても風化しない瓦を、埋め立てに使うだけではもったいない。
再利用すれば、産廃を減らすことにもなる」
砕いて土に変える実験を重ねていた05年、
その土を置いていた一角に生えた雑草を何気なく引き抜くと、
根が30cmにも伸びていた。
これはと思い、京都大工学部の米田稔教授(都市環境工学)に
分析を依頼して確証を得た。
「瓦そのものに、ミクロン単位のすき間が多く、
砕いてできた粒子の間にも、ミリ単位のすき間ができる。
この二重のすき間が、水や養分を適度に保ち、
踏んでも固まらない性質を生む」と米田教授。
緑化土壌として製品化し、昨年は約5000トンを生産。
公園や道路の植樹帯などに使われた。
今年は、約8000トンの生産を予定、一般小売りも力を入れる。
搬入先の一つに、京都府立植物園がある。
桜の名所で、ソメイヨシノや枝垂れ桜約200本があるが、
花見客に土を踏み固められて、樹勢が衰えていた。
廃瓦の土壌を導入した担当の小倉研二さん(48)は、
「土が沈まなくなった。
3~5年後に桜にも効果が出てくれれば」と期待。
國陽へは大阪、京都、滋賀の3府県から
廃瓦が持ち込まれる。
新井さんは、「風雪から寺院や家屋を守ってきた瓦で、
植物を元気にしたい」
◆瓦のリサイクル
廃瓦は、舗装材やコンクリート骨材にも再利用、
「詳しいデータはない」(業者)。
全国の瓦の65%を生産する愛知県では、
県陶器瓦工業組合が不良品を粉にして、瓦の原料粘土に混ぜ、
月6000トンを「再利用」、
「廃瓦までは手が回らず、今後の課題」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/saizensen/20100125-OYT8T00716.htm
家屋の解体時や屋根のふき替えなどの際に出る廃瓦。
粘土を窯で焼いたものが主流だが、これが植物の生育を促す
土壌に活用できることが最近わかってきた。
京都市伏見区の瓦リサイクル会社「國陽」。
敷地内に積み上げられた廃瓦がショベルカーですくい上げられ、
次々に破砕機で砕かれる。
砕いてはふるう工程を繰り返すと、廃瓦は0・5~5mmの粒状に。
「植物と相性がいい、と気付いたのは偶然だったんです」と
社長の新井貴史さん(58)。
産業廃棄物処理業を営んでいた2004年、
次々と持ち込まれる廃瓦を見て、再利用を考えた。
「千年たっても風化しない瓦を、埋め立てに使うだけではもったいない。
再利用すれば、産廃を減らすことにもなる」
砕いて土に変える実験を重ねていた05年、
その土を置いていた一角に生えた雑草を何気なく引き抜くと、
根が30cmにも伸びていた。
これはと思い、京都大工学部の米田稔教授(都市環境工学)に
分析を依頼して確証を得た。
「瓦そのものに、ミクロン単位のすき間が多く、
砕いてできた粒子の間にも、ミリ単位のすき間ができる。
この二重のすき間が、水や養分を適度に保ち、
踏んでも固まらない性質を生む」と米田教授。
緑化土壌として製品化し、昨年は約5000トンを生産。
公園や道路の植樹帯などに使われた。
今年は、約8000トンの生産を予定、一般小売りも力を入れる。
搬入先の一つに、京都府立植物園がある。
桜の名所で、ソメイヨシノや枝垂れ桜約200本があるが、
花見客に土を踏み固められて、樹勢が衰えていた。
廃瓦の土壌を導入した担当の小倉研二さん(48)は、
「土が沈まなくなった。
3~5年後に桜にも効果が出てくれれば」と期待。
國陽へは大阪、京都、滋賀の3府県から
廃瓦が持ち込まれる。
新井さんは、「風雪から寺院や家屋を守ってきた瓦で、
植物を元気にしたい」
◆瓦のリサイクル
廃瓦は、舗装材やコンクリート骨材にも再利用、
「詳しいデータはない」(業者)。
全国の瓦の65%を生産する愛知県では、
県陶器瓦工業組合が不良品を粉にして、瓦の原料粘土に混ぜ、
月6000トンを「再利用」、
「廃瓦までは手が回らず、今後の課題」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/saizensen/20100125-OYT8T00716.htm
和文化を知る(3)書道で養う静かな心
(読売 1月21日)
心の教育を目的に、新たな教科を設ける学校がある。
32人の小1の児童が、2列に並んで書道室へと向かう。
着席すると、日直の合図に合わせて、
「お願いしまーす」と元気な声が弾んだ。
国語の書写で毛筆を学ぶのは、学習指導要領では3年から。
静岡県伊東市の同市立南小学校では、2006年度から
「書道科」を設け、年間34~35時間、
1、2年生に書道を教えている。
同市が「書道教育特区」に認定され、
市の研究開発校になったのが始まり。
今年度から、教育課程特例校として続けている。
重きを置くのは、字の上達でなく、書道の作法を通じて、
伝統文化への関心や落ち着いて物事に取り組む姿勢、
思いやりの心を育むこと。
「基礎や書道に対する態度を正しく学ぶには、
専門家の力が不可欠」として、授業には毎回、市の委託を受けた
日本書道芸術専門学校の講師が加わる。
児童が書くことに専念できるよう、準備や後片づけも講師がする。
この日、挑戦したのは、漢数字の「八」。
「2画目が滝の流れに似ていると思う」、
「両方を見ると、人の首筋みたいです」
国語との関連性を意識し、漢字への関心が高まるよう、
筆を持つ前に、字のかたちから連想するものを児童に答えさせ、
その上で字の由来を説明。
腕全体を筆に見立てて、1画ずつ筆の運び方を練習。
書く直前、黙想して心を落ち着かせる。
つけ過ぎた墨は、すずりの縁で払うよう教えており、
墨で半紙をひどく汚す児童はいない。
書き上げるたび、隣の席の児童とお互いの書の良い点を
たたえ合うが、それ以外は私語を交わすことなく、最後まで集中。
「来校者から、『しっとりとして落ち着きがある』と評される。
他の授業でも、1年生の態度に問題はない」と道下幸夫校長(54)。
その教育効果を見て、市内の他の小学校や、同県長泉町、
裾野市などにも、低学年の書道教育は拡大。
課題は、講師任せにしないこと。
1時間ごとの狙いを明確にした学習計画を作り、
担任と講師が役割分担をして指導するよう努めている。
思いやりの心の育成や規範意識の確立を狙いに、
福岡県八女市は、教育課程特例校制度を利用し、
今年度から、「礼節・ことば科」を小中一貫教育校の
上陽北ぜい学園に設けた。
小学1、2年は年間20時間、3年以上は40時間をあてる。
あいさつと礼儀作法の「礼節」、敬語の使い方が中心の「ことば」、
「実技体験」の三つで構成。
実技は、地域で盛んな剣道と茶道を採用。
男女とも小学3、4年は茶道、5、6年は剣道を、
中学生は茶道と剣道の両方を学ぶ。
同校小学部の枦山俊朗校長(56)は、「男子も女子も、
実技を楽しみにしている。目上に対する言葉遣いが良くなった」
新教科が導いて、子どもたちは少し大人の顔になる。
◆小中一貫教育校
小中9年間を一体的にとらえ、連続性を持たせて行う教育のこと。
従来の6・3制を、4・3・2制に組み替えているところも。
正式な制度ではないが、教育課程特例校制度などを活用し、
公立校の一貫化を推進する自治体が増えている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100121-OYT8T00289.htm
心の教育を目的に、新たな教科を設ける学校がある。
32人の小1の児童が、2列に並んで書道室へと向かう。
着席すると、日直の合図に合わせて、
「お願いしまーす」と元気な声が弾んだ。
国語の書写で毛筆を学ぶのは、学習指導要領では3年から。
静岡県伊東市の同市立南小学校では、2006年度から
「書道科」を設け、年間34~35時間、
1、2年生に書道を教えている。
同市が「書道教育特区」に認定され、
市の研究開発校になったのが始まり。
今年度から、教育課程特例校として続けている。
重きを置くのは、字の上達でなく、書道の作法を通じて、
伝統文化への関心や落ち着いて物事に取り組む姿勢、
思いやりの心を育むこと。
「基礎や書道に対する態度を正しく学ぶには、
専門家の力が不可欠」として、授業には毎回、市の委託を受けた
日本書道芸術専門学校の講師が加わる。
児童が書くことに専念できるよう、準備や後片づけも講師がする。
この日、挑戦したのは、漢数字の「八」。
「2画目が滝の流れに似ていると思う」、
「両方を見ると、人の首筋みたいです」
国語との関連性を意識し、漢字への関心が高まるよう、
筆を持つ前に、字のかたちから連想するものを児童に答えさせ、
その上で字の由来を説明。
腕全体を筆に見立てて、1画ずつ筆の運び方を練習。
書く直前、黙想して心を落ち着かせる。
つけ過ぎた墨は、すずりの縁で払うよう教えており、
墨で半紙をひどく汚す児童はいない。
書き上げるたび、隣の席の児童とお互いの書の良い点を
たたえ合うが、それ以外は私語を交わすことなく、最後まで集中。
「来校者から、『しっとりとして落ち着きがある』と評される。
他の授業でも、1年生の態度に問題はない」と道下幸夫校長(54)。
その教育効果を見て、市内の他の小学校や、同県長泉町、
裾野市などにも、低学年の書道教育は拡大。
課題は、講師任せにしないこと。
1時間ごとの狙いを明確にした学習計画を作り、
担任と講師が役割分担をして指導するよう努めている。
思いやりの心の育成や規範意識の確立を狙いに、
福岡県八女市は、教育課程特例校制度を利用し、
今年度から、「礼節・ことば科」を小中一貫教育校の
上陽北ぜい学園に設けた。
小学1、2年は年間20時間、3年以上は40時間をあてる。
あいさつと礼儀作法の「礼節」、敬語の使い方が中心の「ことば」、
「実技体験」の三つで構成。
実技は、地域で盛んな剣道と茶道を採用。
男女とも小学3、4年は茶道、5、6年は剣道を、
中学生は茶道と剣道の両方を学ぶ。
同校小学部の枦山俊朗校長(56)は、「男子も女子も、
実技を楽しみにしている。目上に対する言葉遣いが良くなった」
新教科が導いて、子どもたちは少し大人の顔になる。
◆小中一貫教育校
小中9年間を一体的にとらえ、連続性を持たせて行う教育のこと。
従来の6・3制を、4・3・2制に組み替えているところも。
正式な制度ではないが、教育課程特例校制度などを活用し、
公立校の一貫化を推進する自治体が増えている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100121-OYT8T00289.htm
闘病する子どもを激励 東北楽天の山崎選手
(2010年1月29日 共同通信社)
東北楽天イーグルスの山崎武司選手が、
仙台医療センターの小児病棟を訪れ、
入院する子どもたちを激励した。
病気の子どもや家族を支援する仙台市のNPO法人
ワンダーポケットが企画。
山崎選手は、2008年にも仙台市の東北大学病院を訪問。
小児病棟の一室に集まった子どもに対し、
山崎選手は、「ご飯をいっぱい食べて、早く元気になって下さい」
病室を回って、サイン入りのボールを手渡していった。
ボールを受け取った宮城県利府町の青木駿くん(7)は、
「おうちに飾ります」と、うれしそうに元気な声で話した。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/29/115208/
東北楽天イーグルスの山崎武司選手が、
仙台医療センターの小児病棟を訪れ、
入院する子どもたちを激励した。
病気の子どもや家族を支援する仙台市のNPO法人
ワンダーポケットが企画。
山崎選手は、2008年にも仙台市の東北大学病院を訪問。
小児病棟の一室に集まった子どもに対し、
山崎選手は、「ご飯をいっぱい食べて、早く元気になって下さい」
病室を回って、サイン入りのボールを手渡していった。
ボールを受け取った宮城県利府町の青木駿くん(7)は、
「おうちに飾ります」と、うれしそうに元気な声で話した。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/29/115208/
発達障害の子どもが増えたのは大人のせい?
(サイエンスポータル 2010年1月26日)
「京都からの提言 これからの社会のために-
子どもたちに伝えたいこと」というフォーラム。
「分数ができない大学生」(共著、1999年)で、
大学生の基礎学力低下にいち早く警鐘を鳴らした、
西村和雄・京都大学経済研究所長が中心。
西村教授が近年、大きな関心を持っているのが、
非行の低年齢化。
原因が、道徳心(モラル)の荒廃にあると考えた同教授は、
2008年、「子どものモラルに関する研究委員会」をつくり、
「子どものモラル育成を推進する4Mネットワーク」運動を始めた。
子どもたちが守るべきマナーとして掲げた4M(4つの指針)が、
「人に親切にしよう」、「うそをついてはいけない」、
「法律を守ろう」、「勉強をしよう」。
東京で開かれたフォーラムも、この指針を普及する活動の一つ。
大学教授が始めたユニークな運動にふさわしく、
フォーラムも京都大学卒新進落語家の落語あり、
運動のためにつくられた数々の歌の合唱ありと、型破り。
京都大学出身、現役の教授たちによるパネルディスカッションも、
「自主の東大に対し、自由の京大」(パネリストの1人、
鎌田浩毅・京都大学大学院人間・環境学研究科教授)。
西村教授たちが掲げる4つの指針に対し、
最初から「ご無理ごもっとも」などといった発言は、
なかなか出てこない。
教科書的でない発言も、ふんだんに飛び交う刺激的な内容。
パネルディスカッションで出た発言を一つだけ紹介。
今の子どもたちが置かれた状況の一端と、
この運動が生やさしいものではなさそう、ということだけは
伝わるかもしれない。
発言の主は、日本赤ちゃん学会理事長で
同志社大学赤ちゃん学研究センター教授の小西行郎氏。
発達障害の子どもが15%、ひどいところでは30%もいる異常さに、
まず疑問を呈し、こうしたあり得ないような数字が出てくるのも、
大人がそうしてしまっているからだと切り捨てた。
「子どもが発達障害と診断されると、先生が喜ぶ。
自分の教え方が悪いからではない、と考えてのこと。
母親までも、自分の育て方が悪いためではない、と喜ぶ」。
氏の発言を再現すると、おおよそそういうこと。
発言の真意は、「子どもが発達障害と診断されると、
ホッとする先生や母親が増えている。
自分の教え方が悪い、あるいは育て方が悪いせいではなかった、
という責任逃れの気持ち。
こういう大人たちのせいで、子どもたちもおかしくなっている」
そのように解釈したとしても、やはり不気味な指摘だ、
と感じる人は多いのではないだろうか。
http://www.scienceportal.jp/news/review/1001/1001261.html
「京都からの提言 これからの社会のために-
子どもたちに伝えたいこと」というフォーラム。
「分数ができない大学生」(共著、1999年)で、
大学生の基礎学力低下にいち早く警鐘を鳴らした、
西村和雄・京都大学経済研究所長が中心。
西村教授が近年、大きな関心を持っているのが、
非行の低年齢化。
原因が、道徳心(モラル)の荒廃にあると考えた同教授は、
2008年、「子どものモラルに関する研究委員会」をつくり、
「子どものモラル育成を推進する4Mネットワーク」運動を始めた。
子どもたちが守るべきマナーとして掲げた4M(4つの指針)が、
「人に親切にしよう」、「うそをついてはいけない」、
「法律を守ろう」、「勉強をしよう」。
東京で開かれたフォーラムも、この指針を普及する活動の一つ。
大学教授が始めたユニークな運動にふさわしく、
フォーラムも京都大学卒新進落語家の落語あり、
運動のためにつくられた数々の歌の合唱ありと、型破り。
京都大学出身、現役の教授たちによるパネルディスカッションも、
「自主の東大に対し、自由の京大」(パネリストの1人、
鎌田浩毅・京都大学大学院人間・環境学研究科教授)。
西村教授たちが掲げる4つの指針に対し、
最初から「ご無理ごもっとも」などといった発言は、
なかなか出てこない。
教科書的でない発言も、ふんだんに飛び交う刺激的な内容。
パネルディスカッションで出た発言を一つだけ紹介。
今の子どもたちが置かれた状況の一端と、
この運動が生やさしいものではなさそう、ということだけは
伝わるかもしれない。
発言の主は、日本赤ちゃん学会理事長で
同志社大学赤ちゃん学研究センター教授の小西行郎氏。
発達障害の子どもが15%、ひどいところでは30%もいる異常さに、
まず疑問を呈し、こうしたあり得ないような数字が出てくるのも、
大人がそうしてしまっているからだと切り捨てた。
「子どもが発達障害と診断されると、先生が喜ぶ。
自分の教え方が悪いからではない、と考えてのこと。
母親までも、自分の育て方が悪いためではない、と喜ぶ」。
氏の発言を再現すると、おおよそそういうこと。
発言の真意は、「子どもが発達障害と診断されると、
ホッとする先生や母親が増えている。
自分の教え方が悪い、あるいは育て方が悪いせいではなかった、
という責任逃れの気持ち。
こういう大人たちのせいで、子どもたちもおかしくなっている」
そのように解釈したとしても、やはり不気味な指摘だ、
と感じる人は多いのではないだろうか。
http://www.scienceportal.jp/news/review/1001/1001261.html
2010年2月2日火曜日
CO2排出量取引へ手続き 宮古・川井林業
(岩手日報 1月25日)
宮古市の製材・木材加工業川井林業(沢田令社長)は、
国のCO2国内排出量取引の試行制度「国内クレジット制度」
への参加手続きを進めている。
雫石町の同社雫石工場は、木材製品の乾燥にボイラーを使用。
燃料は、製造時に出る木質資源を利用する資源循環型の施設、
化石燃料のボイラーに比べ、CO2を年間約3千トン削減。
参加が認証されると、削減量は県内最大。
川井林業雫石工場は、2008年5月に稼働。
主に宮古市川井の第三セクター、ウッティかわいが生産する
集成材の基になる木の板(ラミナ)を製造。
工場新設時に導入したボイラーは、製造時に出る
木の皮(バーク)を燃料とし、主にラミナの乾燥に利用。
雫石工場では、月に1万~1万2千立方メートルの
スギやカラマツからラミナを製造、その5~8%に当たる
500~960立方メートルがバークとなる。
通常バークは、水分を多く含み、燃えにくいため廃棄されるが、
工場稼働時から資源循環型の工場にすることを目的に、
木質資源を燃料とする大型ボイラーを導入。
バークのほか、おがくずは小岩井農場をはじめ、
畜産農家などに販売、県内でも先進的な取り組みを実践。
川井林業は現在、年間約3千トンの削減量の買い手との
交渉を行っている。
交渉が成立すると、排出削減事業計画を策定し、
国内クレジット認証委員会に申請。
沢田社長(62)は、「本県は、資源の宝庫。
化石燃料から変更する企業が増え、国のCO2削減目標の
達成につながればと思う」
クレジットの「相場」は、1トン当たり千円前後、
同社はCO2の排出権取引で得た金は、
植林や間伐など森林整備に還元する方針。
県林業振興課によると、計画が認証されると、
県内では最大の削減量で、全国的にも大きい量。
同課の木村経三林業担当課長は、
「川井林業には、県内企業の先導的な役割を担ってほしい」
国内クレジット制度とは 中小企業などが大企業から
資金や技術の提供を受けるなど、CO2排出削減に取り組み、
その削減量を売却できる制度。
大企業などが購入したCO2排出権は、
自社の削減量としてカウント。
08年4月以降に導入したボイラーや太陽光発電設備などが対象。
09年5月の申請分から購入した排出権は転売できる。
09年12月末現在、県内では5団体6件が
排出削減事業計画を申請。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100125_6
宮古市の製材・木材加工業川井林業(沢田令社長)は、
国のCO2国内排出量取引の試行制度「国内クレジット制度」
への参加手続きを進めている。
雫石町の同社雫石工場は、木材製品の乾燥にボイラーを使用。
燃料は、製造時に出る木質資源を利用する資源循環型の施設、
化石燃料のボイラーに比べ、CO2を年間約3千トン削減。
参加が認証されると、削減量は県内最大。
川井林業雫石工場は、2008年5月に稼働。
主に宮古市川井の第三セクター、ウッティかわいが生産する
集成材の基になる木の板(ラミナ)を製造。
工場新設時に導入したボイラーは、製造時に出る
木の皮(バーク)を燃料とし、主にラミナの乾燥に利用。
雫石工場では、月に1万~1万2千立方メートルの
スギやカラマツからラミナを製造、その5~8%に当たる
500~960立方メートルがバークとなる。
通常バークは、水分を多く含み、燃えにくいため廃棄されるが、
工場稼働時から資源循環型の工場にすることを目的に、
木質資源を燃料とする大型ボイラーを導入。
バークのほか、おがくずは小岩井農場をはじめ、
畜産農家などに販売、県内でも先進的な取り組みを実践。
川井林業は現在、年間約3千トンの削減量の買い手との
交渉を行っている。
交渉が成立すると、排出削減事業計画を策定し、
国内クレジット認証委員会に申請。
沢田社長(62)は、「本県は、資源の宝庫。
化石燃料から変更する企業が増え、国のCO2削減目標の
達成につながればと思う」
クレジットの「相場」は、1トン当たり千円前後、
同社はCO2の排出権取引で得た金は、
植林や間伐など森林整備に還元する方針。
県林業振興課によると、計画が認証されると、
県内では最大の削減量で、全国的にも大きい量。
同課の木村経三林業担当課長は、
「川井林業には、県内企業の先導的な役割を担ってほしい」
国内クレジット制度とは 中小企業などが大企業から
資金や技術の提供を受けるなど、CO2排出削減に取り組み、
その削減量を売却できる制度。
大企業などが購入したCO2排出権は、
自社の削減量としてカウント。
08年4月以降に導入したボイラーや太陽光発電設備などが対象。
09年5月の申請分から購入した排出権は転売できる。
09年12月末現在、県内では5団体6件が
排出削減事業計画を申請。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100125_6
新しい波/332 ゴルフ世界戦略/3
(毎日 1月23日)
日本ツアー史上最年少賞金王をかけ、
石川遼と池田勇太が争っていた昨年11月。
世界のゴルフ界の目は、隣国の中国に注がれた。
世界選手権シリーズに格上げされたHSBC選手権が上海で、
国・地域別対抗戦ワールドカップが広東省・深センで開かれた。
HSBC選手権には石川、池田も出場。
世界ランキング1位のタイガー・ウッズ、
2位のフィル・ミケルソン(ともに米国)ら、
冠にふさわしい参加者が集まった。
関係者を驚かせたのは、米プロゴルフ協会の
ティム・フィンチェム・コミッショナーが姿を見せたこと。
狙いは、最終日の記者会見で明らかに。
「中国ゴルフ協会から将来、中国での米ツアー開催を打診された。
その可能性に向け、我々は十分に協議する用意がある」。
事実上、米ツアーの中国進出を示唆。
中国で、最初にゴルフコースができた84年以来、
コースは500余りに増えたが、競技人口は約30万人。
約2400コースを抱え、約1000万人がプレーする
日本とは格段の差がある。
ワールドカップの会場、深セン・ミッションヒルズGCでは、
既に18年までの開催が決定。
日本に先駆けて世界選手権開催を実現し、急速に追い上げる。
その後、日本に立ち寄ったフィンチェム氏は、
日本ゴルフツアー機構(JGTO)の小泉直会長と会食。
米ツアーを日本で開催する可能性も示唆するなど、
アジアでのさらなる市場拡大を模索。
既に中国、マレーシア、韓国に進出した欧州ツアーも、
日本の昨季最終戦「日本シリーズJT杯」に、
グループ・マーケティング部長のスコット・ケリー氏を派遣。
日本との連携を強めたい意向。
「リーマン・ショック」以降、米ツアーを支えた自動車、金融、
IT通信事業などの巨大スポンサーが相次いで撤退。
「ツアー維持のため、米国がアジアを
新たなターゲットにとらえ始めた。
アジアで中心的役割を果たしてきた日本が、
(米側との連携の)旗振り役にならなければ」。
小泉会長は、現状をチャンスととらえる。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100123ddm035050057000c.html
日本ツアー史上最年少賞金王をかけ、
石川遼と池田勇太が争っていた昨年11月。
世界のゴルフ界の目は、隣国の中国に注がれた。
世界選手権シリーズに格上げされたHSBC選手権が上海で、
国・地域別対抗戦ワールドカップが広東省・深センで開かれた。
HSBC選手権には石川、池田も出場。
世界ランキング1位のタイガー・ウッズ、
2位のフィル・ミケルソン(ともに米国)ら、
冠にふさわしい参加者が集まった。
関係者を驚かせたのは、米プロゴルフ協会の
ティム・フィンチェム・コミッショナーが姿を見せたこと。
狙いは、最終日の記者会見で明らかに。
「中国ゴルフ協会から将来、中国での米ツアー開催を打診された。
その可能性に向け、我々は十分に協議する用意がある」。
事実上、米ツアーの中国進出を示唆。
中国で、最初にゴルフコースができた84年以来、
コースは500余りに増えたが、競技人口は約30万人。
約2400コースを抱え、約1000万人がプレーする
日本とは格段の差がある。
ワールドカップの会場、深セン・ミッションヒルズGCでは、
既に18年までの開催が決定。
日本に先駆けて世界選手権開催を実現し、急速に追い上げる。
その後、日本に立ち寄ったフィンチェム氏は、
日本ゴルフツアー機構(JGTO)の小泉直会長と会食。
米ツアーを日本で開催する可能性も示唆するなど、
アジアでのさらなる市場拡大を模索。
既に中国、マレーシア、韓国に進出した欧州ツアーも、
日本の昨季最終戦「日本シリーズJT杯」に、
グループ・マーケティング部長のスコット・ケリー氏を派遣。
日本との連携を強めたい意向。
「リーマン・ショック」以降、米ツアーを支えた自動車、金融、
IT通信事業などの巨大スポンサーが相次いで撤退。
「ツアー維持のため、米国がアジアを
新たなターゲットにとらえ始めた。
アジアで中心的役割を果たしてきた日本が、
(米側との連携の)旗振り役にならなければ」。
小泉会長は、現状をチャンスととらえる。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100123ddm035050057000c.html
和文化を知る(2)礼儀作法 児童に根づく
(読売 1月20日)
礼儀作法を柱に、広く伝統文化を教えている。
22人の児童が、畳に正座する。
背筋は伸び、両手はひざに。
黙想し、呼吸を整え、心を落ち着かせる。
畳に手をついて、対戦相手に深々と頭を下げた後、
百人一首が始まった。
宮城県石巻市の市立石巻小学校が、
実践研究に取り組む伝統文化教育。
教員に交ざり、百人一首をテーマにした2年生の研究授業を見学。
子どもたちは、前回の授業で、上の句と下の句のつながりを
語呂合わせで覚える方法を学習。
各自、自分なりの覚え方を考えてきて、この日の対戦に臨んだ。
担任が上の句を読み上げただけで、
すかさず札に手を伸ばす児童も。
実践研究は、2005年度、国立教育政策研究所の
「伝統文化を尊重する教育」の研究校に指定されてスタート。
学校が特別に設けた時間で、各学年とも年間10時間の
「かしわタイム」を中心に行われている。
百人一首のほか、礼儀作法、伝承踊り、折り紙・風呂敷、
茶道など六つのテーマを設けている。
礼儀作法に関しては、日頃から繰り返し指導。
その成果は、随所に見て取れた。
研究授業でも、挙手する際は指先までぴんと伸ばし、
発言する時は、両足のかかとをつけて「気をつけ」の姿勢で話す。
休み時間に廊下に出た時も、すれ違う全員が、立ち止まって
両手をももにやり、こちらの目を見ながら、
「こんにちは」とお辞儀をしてくれた。
礼儀作法の指導では、研究開始初年度に作った
「石巻小礼儀作法指南書」と題した教員用マニュアルが、
大きな武器に。
もともと知識のある教員は皆無。
マナーのDVDや本などを参考にし、
研究担当の教員が協力して作った。
イラスト付きで、礼や呼吸法、ドアの開け閉めの作法などを記し、
相手への気遣いなど、それぞれの「型」に込められた
意味も説いてある。
指南書のおかげで、異動してきた教員もすぐに対応できる。
「騒ぐ児童はなく、スムーズに授業を進められるので、
勉強がはかどる」と福原俊幸校長(59)。
古典の暗唱や音楽の和太鼓、総合学習のわらじ作り、
クラブ活動の生け花、武道など、
広く伝統文化の要素を取り入れている。
給食の時間には、はしの持ち方なども指導。
給食の後、全校児童で一斉に掃除に取りかかった。
トイレやげた箱など、手分けしてどんどんきれいにしていく様子は、
見ていて小気味よい。
「昔から、掃除や後始末を大事にする学校だった」と、
同小の卒業生でもある福原校長は目を細める。
着任して7年になる女性教員は、
「以前からまじめな子の多い学校だったが、
伝統文化に取り組むようになり、態度はさらに良くなった。
登下校時の町の人へのあいさつも定着してきている」
伝統文化の力が、子どもたちをまっすぐに育てる。
◆学校が特別に設けた時間
学習指導要領に定められた各教科・活動の年間標準時数を
確保した上で、学校は余剰時数を補充的学習や
独自の教育活動にあてることができる。
正式名称ではないが、これを学校裁量の時間と呼ぶ。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100120-OYT8T00287.htm
礼儀作法を柱に、広く伝統文化を教えている。
22人の児童が、畳に正座する。
背筋は伸び、両手はひざに。
黙想し、呼吸を整え、心を落ち着かせる。
畳に手をついて、対戦相手に深々と頭を下げた後、
百人一首が始まった。
宮城県石巻市の市立石巻小学校が、
実践研究に取り組む伝統文化教育。
教員に交ざり、百人一首をテーマにした2年生の研究授業を見学。
子どもたちは、前回の授業で、上の句と下の句のつながりを
語呂合わせで覚える方法を学習。
各自、自分なりの覚え方を考えてきて、この日の対戦に臨んだ。
担任が上の句を読み上げただけで、
すかさず札に手を伸ばす児童も。
実践研究は、2005年度、国立教育政策研究所の
「伝統文化を尊重する教育」の研究校に指定されてスタート。
学校が特別に設けた時間で、各学年とも年間10時間の
「かしわタイム」を中心に行われている。
百人一首のほか、礼儀作法、伝承踊り、折り紙・風呂敷、
茶道など六つのテーマを設けている。
礼儀作法に関しては、日頃から繰り返し指導。
その成果は、随所に見て取れた。
研究授業でも、挙手する際は指先までぴんと伸ばし、
発言する時は、両足のかかとをつけて「気をつけ」の姿勢で話す。
休み時間に廊下に出た時も、すれ違う全員が、立ち止まって
両手をももにやり、こちらの目を見ながら、
「こんにちは」とお辞儀をしてくれた。
礼儀作法の指導では、研究開始初年度に作った
「石巻小礼儀作法指南書」と題した教員用マニュアルが、
大きな武器に。
もともと知識のある教員は皆無。
マナーのDVDや本などを参考にし、
研究担当の教員が協力して作った。
イラスト付きで、礼や呼吸法、ドアの開け閉めの作法などを記し、
相手への気遣いなど、それぞれの「型」に込められた
意味も説いてある。
指南書のおかげで、異動してきた教員もすぐに対応できる。
「騒ぐ児童はなく、スムーズに授業を進められるので、
勉強がはかどる」と福原俊幸校長(59)。
古典の暗唱や音楽の和太鼓、総合学習のわらじ作り、
クラブ活動の生け花、武道など、
広く伝統文化の要素を取り入れている。
給食の時間には、はしの持ち方なども指導。
給食の後、全校児童で一斉に掃除に取りかかった。
トイレやげた箱など、手分けしてどんどんきれいにしていく様子は、
見ていて小気味よい。
「昔から、掃除や後始末を大事にする学校だった」と、
同小の卒業生でもある福原校長は目を細める。
着任して7年になる女性教員は、
「以前からまじめな子の多い学校だったが、
伝統文化に取り組むようになり、態度はさらに良くなった。
登下校時の町の人へのあいさつも定着してきている」
伝統文化の力が、子どもたちをまっすぐに育てる。
◆学校が特別に設けた時間
学習指導要領に定められた各教科・活動の年間標準時数を
確保した上で、学校は余剰時数を補充的学習や
独自の教育活動にあてることができる。
正式名称ではないが、これを学校裁量の時間と呼ぶ。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100120-OYT8T00287.htm
インタビュー・環境戦略を語る:森ビル・森稔社長
(毎日 1月25日)
東京・六本木や表参道などの再開発を手がけ、
近年は中国・上海に超高層ビルも建設した森ビル。
「ヒルズ族」の流行語に象徴される派手なデベロッパーの
イメージもあるが、森稔社長の街づくりの原点は、
「生まれ育った古都の自然と歴史遺産」。
「空に希望を。地上に緑を。地下に喜びを」をコンセプトにした
都市再生への取り組みを聞いた。
--理想の都市像として、「ヴァーティカル・ガーデン・シティ
(垂直の庭園都市)」を提唱。
◆緑に覆われ、環境に優しいコンパクトな都市。
職、住、遊、商、学、文化などの都市機能を集積し、超高層化。
細分化された土地をまとめあげ、容積率を高めることで、
建ぺい率を抑える。
緑化できる土地が増え、職住近接にもつながり、
豊かな生活空間と時間が生まれる。
--これまでの成果は?
◆都内で手がけた主要プロジェクトのうち、01年完成の
「愛宕グリーンヒルズ」は、全敷地面積に緑が占める割合
(緑被率)が44・4%。
植え込んだ木々は成長するので、アークヒルズでは
90年に23・3%だった緑被率が、06年には37・5%に上昇。
地域にふさわしい生物多様性を守り、四季を感じられるように
することが大切と考え、常緑樹だけでなく、落葉樹を植える配慮。
六本木ヒルズの屋上庭園には、カエルやメダカが生息。
--各種施設が一極集中することで、
かえってエネルギー消費が増加しないか?
◆むしろ、エネルギー効率は向上。
六本木ヒルズでは商業棟、住居棟などに送る電気や
冷暖房用のガスタービン設備が1カ所に集約。
各棟が個別に設備を運用した場合に比べ、CO2を18%削減。
配電ロスも少なく、中低層の建物が分散した市街地より、
空調などに必要なエネルギーを減らせる。
--環境重視の街づくりを進めるため、今後、
どのような手を打っていくか?
◆グローバル化が進む中、国家ではなく、都市が競争する
時代を迎えている。
東京が勝ち残るには、緑による再生が不可欠で、
世界にアピールできる大きな魅力。
森ビルの将来像を描き出す経営企画室を、昨年12月に新設。
私も、社長業が長い。
後継者を育て、私は会長になりたいと思っている。
早ければ来年でもいい。
世界に「垂直の庭園都市」を広めたい。
社業としてだけでなく、地球環境に貢献できれば。
==============
◇もり・みのる
東大教育学部卒、59年森ビル設立と同時に取締役。
常務、専務などを経て93年1月から現職。京都府出身。75歳。
著書に「ヒルズ 挑戦する都市」(朝日新聞出版)
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/01/25/20100125ddm008020004000c.html
東京・六本木や表参道などの再開発を手がけ、
近年は中国・上海に超高層ビルも建設した森ビル。
「ヒルズ族」の流行語に象徴される派手なデベロッパーの
イメージもあるが、森稔社長の街づくりの原点は、
「生まれ育った古都の自然と歴史遺産」。
「空に希望を。地上に緑を。地下に喜びを」をコンセプトにした
都市再生への取り組みを聞いた。
--理想の都市像として、「ヴァーティカル・ガーデン・シティ
(垂直の庭園都市)」を提唱。
◆緑に覆われ、環境に優しいコンパクトな都市。
職、住、遊、商、学、文化などの都市機能を集積し、超高層化。
細分化された土地をまとめあげ、容積率を高めることで、
建ぺい率を抑える。
緑化できる土地が増え、職住近接にもつながり、
豊かな生活空間と時間が生まれる。
--これまでの成果は?
◆都内で手がけた主要プロジェクトのうち、01年完成の
「愛宕グリーンヒルズ」は、全敷地面積に緑が占める割合
(緑被率)が44・4%。
植え込んだ木々は成長するので、アークヒルズでは
90年に23・3%だった緑被率が、06年には37・5%に上昇。
地域にふさわしい生物多様性を守り、四季を感じられるように
することが大切と考え、常緑樹だけでなく、落葉樹を植える配慮。
六本木ヒルズの屋上庭園には、カエルやメダカが生息。
--各種施設が一極集中することで、
かえってエネルギー消費が増加しないか?
◆むしろ、エネルギー効率は向上。
六本木ヒルズでは商業棟、住居棟などに送る電気や
冷暖房用のガスタービン設備が1カ所に集約。
各棟が個別に設備を運用した場合に比べ、CO2を18%削減。
配電ロスも少なく、中低層の建物が分散した市街地より、
空調などに必要なエネルギーを減らせる。
--環境重視の街づくりを進めるため、今後、
どのような手を打っていくか?
◆グローバル化が進む中、国家ではなく、都市が競争する
時代を迎えている。
東京が勝ち残るには、緑による再生が不可欠で、
世界にアピールできる大きな魅力。
森ビルの将来像を描き出す経営企画室を、昨年12月に新設。
私も、社長業が長い。
後継者を育て、私は会長になりたいと思っている。
早ければ来年でもいい。
世界に「垂直の庭園都市」を広めたい。
社業としてだけでなく、地球環境に貢献できれば。
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◇もり・みのる
東大教育学部卒、59年森ビル設立と同時に取締役。
常務、専務などを経て93年1月から現職。京都府出身。75歳。
著書に「ヒルズ 挑戦する都市」(朝日新聞出版)
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/01/25/20100125ddm008020004000c.html
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