2010年3月3日水曜日

楽しい図書館(4)社会の制度学ぶ拠点

(読売 2月6日)

図書室を拠点とした調べ学習が、市民性を磨く教育をバックアップ。

「今日は、市役所の税務課長さんに来ていただきました。
これまで学んだことをふまえ、国民健康保険について聞いてみましょう」
金谷佳奈子教諭(50)。
群馬の県立高校入試を、2週間後に控えた今月1日。
藤岡市立東中学校で、社会保障を学ぶ最終授業が行われた。

年金、介護といった身近な題材を、社会、国語、道徳といった
教科横断的に取り上げた授業。
生徒たちは、「国民健康保険の負担は全国どこでも同じですか」、
「仕事を失って収入がなくなったら、税負担はどうなりますか」など、
てきぱきと質問を繰り出し、調べ学習の成果をうかがわせた。

昨年9月、最初の授業で、生徒たちは制度について
知っていることを話し合った。
「年金はおばあちゃんももらっている」、
「けがをして医者にかかる時、保険証を出したよ」。
こうした疑問をもとに、7班で分担し、国保、年金、生活保護、
介護保険などを学ぶことに。

図書室にある関係資料が難解だったため、生徒たちの要望で、
図書主任の先生らが端末などで適当な資料を検索。
探し出した文献を、市立図書館から多数借り出し、
市役所や社会保険事務所からは、わかりやすいパンフレットを入手。

生徒たちは、これらの資料で制度の仕組みを勉強し、
分からないところは関係機関に出向いて直接質問。
班ごとに、制度の仕組みをわかりやすく模造紙に図示、
まとめの発表を行った。

授業を終え、「安定した職業に就き、父母と同居し、
生活を助けたい」と、湯井明子さん(15)。
根岸奈穂さん(15)は、「夢を抱きながら安心して生活できるのは、
いろんな制度が整っているからだと、感謝しつつ勉強に励みたい」

様々な制度に支えられて生きていることを、
認識してもらうのが狙い。
一つの資料だけでは不十分で、複数の資料に当たれる
図書館は調べの拠点として不可欠。
生徒たちが、その活用方法を知ったのも成果」と金谷教諭。
岸正博校長(60)は、「チームで物事を成し遂げる楽しさ、
情報を判断し、表現、コミュニケーションする力の育成にもなった」

同校は昨年秋、図書室を改装。
テーブルカバーを交換し、窓辺のカーテンをレースに替え、
お薦め本の展示コーナーを設置。
書架にも変化をつけるなど、「思わず立ち寄りたくなる」(岸校長)
魅力的な空間に。

地域ボランティアに毎週水曜日、昼休みに放送で
小説や民話の読み聞かせをしてもらうなど、
読書への関心を高める運動をした。
4年前、2000冊を切っていた年間貸し出し数が、
今年度は12月までで4360冊と大幅に増えた。

気楽な雰囲気のなかで活字に親しみ、
生徒たちは自立への道を歩む。

◆市民性を磨く教育

市民としての意思決定や価値判断できる力を育てる教育。
調べ学習や話し合い、創作劇などの手法が用いられる。
欧米では、シチズンシップ教育と呼ばれ、移民の増加や若者の
政治意識の低下などが目立つようになった1990年代に始まった。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100206-OYT8T00250.htm

「気仙マスターズ」旗揚げ 陸上競技愛好者で協会設立

(東海新報 2月26日)

気仙地区で陸上競技を愛する仲間たちが、
気仙マスターズ陸上競技協会(熊谷光一会長、会員31人)を旗揚げ。

会員相互の親睦を深めながら、生涯スポーツとしての
陸上競技の普及発展を図り、各種大会への参加と運営への協力を行う。

設立総会は、市民交流館・カメリアホールで開かれた。
立ち上げ経緯の説明後、議事に入り、役員選出、規約、事業計画、
名称などを決定。

3市町の陸上競技仲間が、県内外のマスターズ陸上競技会に
出場する場合、他市協会に会員登録するか、個人で参加。
「気仙として、一つの協会をつくろう」との機運が高まり、
1年前に準備会を立ち上げ、設立に漕ぎ着けた。

規約によると、陸上競技を愛するマスターズの健康保持・増進を
図るとともに、会員相互の親睦を深め、活力あるライフワークに
寄与することなどが目的。

事業計画では、各種大会への参加と運営への協力、記録会の開催、
競技力の向上、陸上競技の普及、啓蒙、情報提供などを行う。

会員は、気仙地区に在住する陸上競技愛好者で構成、
満年齢が男子35歳以上、女子30歳以上。
協会事務所は、田村スポーツ内に置き、活動の円滑な推進を
図るため、組織内に広報、競技、普及の3専門部会を設定。

広報部担当の熊谷佐智夫さんは、
「協会組織を十分に生かし、同じ年代の陸上競技愛好者間の交流の
場を広げながら、競技の普及振興を図り、健康づくりに努めたい」
6月に開かれる金ケ崎マスターズ大会に、協会として初参加する予定。

▽顧問=村上實、青山豊正
▽会長=熊谷光一
▽副会長=東昇
▽事務局長=岩沼利英
▽事務局次長=鈴木眞紀
▽理事長=大和田政弘
▽理事=熊谷佐智夫、佐藤寛文、志田光恵、村上栄子
▽監事=菊池悟、及川浩哉

http://www.tohkaishimpo.com/

「お父さん眠れてる?」 自殺対策キャンペーン

(2010年2月23日 共同通信社)

眠れない日が続く人は、うつを疑って-。
自殺者が、昨年まで12年連続で3万人を超える中、
うつの兆候である睡眠不足の自覚を促すキャンペーンが、
年度末の3月に展開。
内閣府自殺対策推進室が22日、ポスターなどを公開。

医療機関やJR東日本、私鉄の車内や駅などに計25万枚が
張り出されるポスターは、娘が父親へ「お父さん眠れてる?」と
尋ねる姿をイメージ。

テレビコマーシャルも放映、3月1日には短文を投稿する
交流サイト「ツイッター」で、有名人が一斉につぶやく。

推進室は、「自殺者の4割を占める中年男性は、
『弱音を吐きにくい』立場にいるが、睡眠不足なら口にできるのでは
との思いから焦点を当てた。
家族が気にかける契機にもなってほしい」

自殺対策として、推進室はほかに、警察庁の自殺統計の
分析結果を3月に発表、各地のハローワークで
心の健康相談窓口を開設するよう自治体に働き掛ける方針。

睡眠不足などを自覚した際、
同室のホームページで相談先を探せる。

http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/23/116397/

2010年3月2日火曜日

楽しい図書館(3)校舎の中心で調べ学習

(読売 2月4日)

校舎の中心に図書館を置き、様々な学びに活用。

理科の授業が始まって10分後、4年生の児童24人が
おもむろに席を立ち、隣接する「メディアセンター」に移動。

千葉市にある私立幕張インターナショナルスクール。
4年生を受け持つジョディ・クラーク教諭(27)は授業の初め、
電子黒板を使い、乾電池と豆電球を使った
電気の回路について英語で説明。
教室にいるのはここまで。
続きが行われるのは、約8000冊の図書と
24台のノートパソコンを備えたメディアセンター。

児童は、それぞれインターネット上で実験を体験する
学習用サイトに接続、乾電池のボルト数を変えるなどして、
電気が流れる仕組みや明るさの変化を学習。
その後、実際に回路をつないで豆電球を光らせた。

講義を受けるだけの授業では、学ぶ効率が悪い。
子供たちにいろいろな機会を与えることが大事
ポール・ロジャーズ校長(46)が教育方針を説明。

2009年4月に開校した同校は、文部科学省が定める
学習指導要領に基づいて授業が行われ、小学校卒業資格が
得られる全国初のインターナショナルスクール。
外国籍を持つ子どもや帰国子女が幼小一貫で学び、
国語以外の授業はすべて英語。

多様な学び方を象徴するのが、センターの積極的な活用、
4年生の場合、週35コマの授業のうち、
少なくとも8コマでセンターを使う。
それを容易にしているのが、センターと教室の位置関係。

高学年棟の中心に置いたセンターをぐるりと取り囲むように、
4~6年生用の教室を配置。
どの教室からも、等距離でセンターに行ける仕掛け。
ロジャーズ校長は、「高学年は、リサーチをする機会が多い。
自ら学び、創造性を育んでほしい」

この日は、4年生の近くで2年生18人が本を広げて
外国について調べ、コーディネーターが
各教諭のまとめ役として事前の調整に当たる。

センターを使った授業は、児童に人気。
4年生(10)は、「先生から『メディアセンターで授業をする』と聞くと、
ワクワクする」、受け身にならない学びを楽しんでいる。

福岡市にある中高一貫の西南学院も、
03年、校舎新築の際、中央に開放的な図書館を置いた。
4階までの吹き抜け構造で、「図書館は学校の要
(中根広秋副校長)という理念を体現。
約7万冊の蔵書があり、調べ学習のほか、
校舎内を行き来する際に立ち寄る生徒も多い。

03年度、6870冊だった貸し出し総数は、08年度は1万冊超。
「危機に直面した時、乗り越える手がかりを与えてくれるのが本」
と説く中根副校長は、「図書館に来る生徒が圧倒的に増えた」と
変化を歓迎する。

校舎の片隅で脇役に甘んじることの多かった図書館が、
その存在感を高めている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100204-OYT8T00491.htm

ネットの長城は中国政府を守れるか

(日経 2010-02-25)

中国政府は、インターネット利用に身分証の登録などを
求める実名制を導入する方向で検討。
中国では、米ネット検索最大手のグーグルが、
1月、中国市場からの撤退をかけ、検閲撤廃を当局に要求、
米中間の政治問題に。
中国のネット利用者は、世界最大の3億8400万人。
世論への影響力は急激に増し、
中国当局は、規制強化を加速する方針。

「ネットの安全問題は、厳しい挑戦にさらされ、
管理をさらに強化する」——。
北京で開かれた工業情報化省の幹部会議で、
同省の李毅中相は、演壇で握り拳を振り上げた。

李氏は、具体策として、ネット利用に実名制を導入する方向で検討。
中国のネット利用者3億8400万人のうち、携帯電話経由が
2億3300万人、携帯電話の通話契約にも実名制を導入。

北京市で、年内にも実名制の試験運用を始める計画。
パソコンに接続したカードリーダーで、身分証を読み取らないと、
ネットを利用できないようにすることなどを検討。
浙江省杭州市でも、実名制を導入する方針。

実名制の実効性を高めるため、中国当局は1月末、
パソコンや携帯電話の利用時に指紋などを使って、
利用者を確認する生体認証の標準技術化を進める
専門チームも立ち上げた。
湖北省の公安当局に、ネット犯罪撲滅を目的とする
専門要員の訓練基地も設けた。

中国政府は、1990年代からネット規制に着手。
「金盾工程(プロジェクト)」と呼ばれるネット検閲システムで、
民主化運動やポルノなど、中国共産党が有害と指定した
サイトを閲覧できず、電子メールの利用も制限。
要注意人物のネット利用状況の監視も手掛ける。

2008年
1月 動画共有サイトの運営を中国国有企業に限定
2009年
3月 「ユーチューブ」が、恒常的に閲覧不能に
6月 中国当局がグーグルなどに有害情報を掲載していると批判
7月 国内販売パソコンに検閲ソフト搭載を義務付け(直前に延期)
9月 多くの動画共有サイトが閉鎖に追い込まれる
2010年
1月 米グーグルが中国市場撤退を視野に、当局に検閲撤廃を要求
2月 中国当局がネット利用に実名制導入を検討

最近では、中国に100万カ所以上あるといわれる監視カメラや、
携帯電話とも連携しているとされ、要注意人物の詳しい行動や
社会全体の動きも把握。
現在は、全国で3万人以上とされるネット検閲官が
人海戦術で対応、将来は全自動での作動を目指す。

「海外に対し、情報の公開を約束した北京五輪が終わり、
ネット規制が急激に厳しくなった」
住民運動を支援する弁護士。
2009年1月、国務院新聞弁公室、工業情報化省、公安省など
7省庁が合同でネット規制の強化に乗りだした。

09年、チベット動乱から50年、天安門事件から20年を迎える
節目の年、中国当局は治安維持を最重視。
3月、グーグルの動画サイト「ユーチューブ」が恒常的に閲覧不能、
6月、グーグルが低俗情報を提供しているとして、
英語サイトが一時的に閲覧不能。

5月、当局が7月から国内販売パソコンに「検閲ソフト」搭載を
義務付けると通知。
ヒューレット・パッカード(HP)など、米メーカーが米政府と共同で反発、
義務付けは見送り。
今でも、レノボ・グループ(聯想集団)などの国産商品の一部は搭載。

なぜ、中国政府はネット規制を強化するのか?
ネット利用者が多いだけでなく、世論形成で大きな力を
持ち始めたことが背景。
中国共産党機関紙の人民日報は、09年、中国社会が注目した
事件の約3割は、ネットからの世論形成だったと分析。

公安省は09年、9000サイトを閉鎖、150万以上の情報を削除。
有害な情報を流した容疑者5394人を身柄拘束、
刑事事件としての検挙数は08年の4倍。
工業情報化省によると、10万以上のサイトを閉鎖。
10年、さらに取り締まりを強化する方針。

「金盾」の別名は、「グレート・ファイアウオール・オブ・チャイナ」。
万里の長城にちなんだ名前だが、万里の長城は
外敵の侵入を完全には防ぐことはできず、王朝の崩壊に。
ネットの長城が、中国共産党の外敵を防げるか予断を許さない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100224.html

太平洋セメント、国内3工場で生産中止 大船渡は生産維持

(東海新報 2月25日)

国内セメント製造最大手の太平洋セメント㈱(徳植桂治社長)は、
国内3工場の生産中止を発表。
大船渡工場は、この対象には含まれず、生産機能が維持。

同社は、生産委託先を含め、国内に12工場セメントキルン23基の
設備を持つ。
生産中止は、土佐工場、大分工場の佐伯プラント、
子会社である秩父太平洋セメント㈱秩父工場の3工場。
今年9月までに、生産を中止。

生産中止は、国内セメント需要がピーク時から半減するなど、
厳しい経営をふまえ、需給バランスの是正や大幅な固定費節減、
生産効率の最大化を実現し、収益力強化を図るのが目的。
3工場合わせた生産能力の削減量は、年間約310万㌧。

生産中止により、国内2300万㌧体制から2000万㌧体制。
同社では、ベトナムにある工場を拡大、
国内工場で生産している500万㌧近い輸出分も、
今後見直しを進めたい意向、
さらなる組織見直しについては流動的。

広報IR室では、「大船渡工場は、生産中止の対象から外れている。
今発表できるのは、3工場の生産中止のみ、
全体的な人員、組織の見直しも進め、
詳しい諸施策は3月30日に開示する予定」

大船渡工場は、年間185万7000㌧を生産、従業員は約150人。
大船渡市の産業、雇用、税収を支える主力事業所の一つ、
鉱工業や港湾業など関連企業の裾野も広い。

同工場では、二戸市などで見つかった不法廃棄物が運ばれ、
原料処理。
市では今年度から、再利用ごみ事業をモデル的に進め、
赤崎町内で回収したプラスチックごみは同工場に運ばれ、
燃料資源として活用。

同社では、昨年11月、「例外なき事業構造改革の迅速な実行と、
成長事業の拡大を図る」と公表、大船渡市内の関係者も
生産見直しの動きを注視。
甘竹勝郎市長は、「(大船渡工場は)大船渡経済に深いかかわりがあり、
地域の基幹産業、雇用確保、港湾活用の面から心底感謝。
今後も、大いに連携していきたい」

http://www.tohkaishimpo.com/

2010年3月1日月曜日

楽しい図書館(2)司書専任で指導充実

(読売 2月3日)


専任の司書教諭を置き、読書活動を充実させる。

児童が、数人ずつのグループに分かれ、「読書座談会」を始めた。
1人が自分の読んだ本の主人公やあらすじを話すと、
聞いていた児童らが、「すごくいい話」、「かわいい」と目を輝かせた。

北海道恵庭市立柏小学校の図書館で、6年生の国語の授業。
狙いは、本の面白さをお互いに伝え合うこと。
手にした本は、歴史やファンタジーなどジャンルも様々、
どれも付せんだらけ。
子どもたちはページをめくりながら、楽しそうに話していた。

授業後、高橋みづきさん(12)は、「ぜひ読みたいと思った」と
友達の本に興味津々。
本が好きという守谷佑太君(12)も、
「改めて本の面白さを知った」

担任と一緒に指導していたのは、司書教諭の小川英子さん(32)。
担任と兼任だったこともあるが、昨年度から専任。
「専任になったおかげで、準備に時間をかけられ、
内容を充実させられる」

2年生では、学校や市立の図書館に出かけて図書館の使い方を学び、
3年生では図鑑を使ったクイズ形式の問題を作り、
目次や索引に慣れる。
6年生では、本の内容を紹介する本の帯づくりも。

図書館の前に、小川さんが作った「お話クイズ」も並ぶ。
本ごとに、3問程度のクイズを出したプリントを作っている。
いずれも、本を読めば分かる内容、本に関心を持ってもらう試み。

恵庭市は、市内の全小中学校に学校司書を配置、
読書に力を入れている。
読書教育などを行う司書教諭を専任として配置するのは、
市内の小中で同小だけ。
司書教諭は、公立校では担任などとの兼任が多く、
全国的にも専任は珍しい。

司書教諭は専任でないと、広く仕事ができない」と田中剛校長(60)。
同小に6年間勤務している学校司書の高橋辰美さん(50)も、
図書館の本を、授業で使う機会が増えた。
教科書や児童に合った本を使ってもらっている」

同小では毎年秋、「読書まつり」を開いている。
クラスごとに児童1人1人が顔写真入りで、お薦めの本を紹介、
学校挙げての取り組み。
教師による読み聞かせも、今は通年で20回以上を行う。
昨年度の1人あたりの貸し出し冊数は約54冊、
児童へのアンケートでは、9割が本が好きと答えた。

「授業でもっと図書館を活用できるようにし、
子どもたちが本に対していい印象を持ってくれれば」と小川さん。
田中校長も、「本を読むことは、生涯必要なこと。
本が好きな子をじっくりと育てていきたい」

◆司書教諭

学校図書館を利用した読書教育、図書館の管理などを行う教員。
学校図書館法で、小中高で12学級以上に配置が義務づけ。
計10単位の専門の講習を履修すると、取得できる。
「学校司書」は、主に図書の貸し出しや蔵書の整理などの
事務的な仕事を行うが、配置に制度上の定めはない。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100203-OYT8T00645.htm

アルバックの中村会長、製造装置事業「独創性と汎用化、両方を追求」

(日経 2月23日)

エレクトロニクス製造装置のアルバックが、
収益源の多様化を進めている。
従来の事業領域である液晶パネルや半導体の製造に使う
主力の真空装置にとどまらず、環境エネルギー、
資源リサイクル分野などにも参入。
中村久三会長に、激変する世界経済への対応と事業戦略を聞いた。

——世界経済の潮流をどう読む。

米国から中国へ世界経済の中心が急速に移行。
成長をけん引するのは、電子デバイス、ITソフトではない。
エネルギー・環境、資源・材料の分野が重要。
中国、インドやロシア、中東、ブラジルなど、
これらの製造業が大きく成長。
米国の財政状態は、依然として不安定。
中国は、安い労働力を活用し、一大製造拠点として
急成長を続けている。
日本では、円高ドル安、デフレ傾向が長引くだろう」

——主要顧客の薄型テレビ向け液晶パネル分野は何が起きている?

薄型テレビは、まもなく中国市場が世界最大に。
中国は、液晶パネルの国産化政策を進め、
外資メーカーも、中国で生産に乗り出さないと、
製造コストで太刀打ちできなくなる」

製造装置もそう。
日本市場向けと同じ性能の製品を、数分の1の価格で
製造・販売しなければならない。
液晶分野に限らず、あらゆる産業の生産拠点が新興国に展開、
現地企業も急成長。
装置も、新興国で生産するのと同時に、
カスタマーサポート体制を敷く必要」

——世界の潮流に置き去りにされないため、どう対応していく?

「我々は、6年前から構造変化を見越し、
『ポストFPD(フラットパネルディスプレー)戦略』という計画。
液晶パネルや半導体だけでなく、選択と集中をせずに
異分野の技術を積極開拓しようという計画

急速に進む商品の汎用化についていくこと、
独創的商品を開発すること、この2つの課題を同時に追求。
円高ドル安から逃れるため、積極的に海外生産を進めて、
製造コスト競争で勝って、シェアを上げる。
中国で、幅広いエレクトロニクス製造装置拠点、
サービスセンターを置いている。
日本の研究開発拠点で、弊社にしかできない商品を開発し、
事業領域を広げる」

——具体的な攻略分野は?

「『エネルギー・環境』では、永久磁石、2次電池、コンデンサー、
パワー半導体の4領域向け製造装置を開発、供給。
デジタル家電用電子部品製造装置も、重点領域に位置付け。
LED(発光ダイオード)やMEMS(微少電子機械システム)部品の
製造装置も強化」

——太陽電池パネル製造装置事業にも注力。

「太陽光を電気エネルギーに変える発電効率が高い
薄膜太陽電池用の一貫製造装置の拡販を急ぐ。
結晶や化合物半導体向け装置も、性能強化を進めている」

——『資源・材料』分野の事業内容は?

「液晶パネルや半導体、太陽電池パネル製造で使う材料を回収、
リサイクルする事業。
デバイスの成膜工程には、大量の希少資源を使う。
各国で資源の囲い込みが加速。
都市鉱山の鉱脈を持ち、川上を押さえることが
デバイス産業のコスト競争力強化に。
資源を制する国が世界を制する時代で、意義ある事業

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100219.html

義足 風呂敷応用し、安価に 島根の装具メーカー開発 地雷被害者の支えに

(2010年2月21日 毎日新聞社)

地雷や災害で足を失った途上国の人たちが、
安く義足を使えるようにと、島根県大田市の
義肢装具メーカー「中村ブレイス」が、
風呂敷を応用した装着器具の開発に成功。

体の切断面を義足とつなぐ器具(ソケット)の製作には従来、
手間と費用がかかっていたが、10分の1以下の価格で買える。

従来のソケットは、シリコン袋に連結用ピンを取り付けた「断端袋」。
ピンで、切断面を義足本体に固定。
ピンは軽合金製で、袋は切断面に合わせて作るため、
10~20万円かかっている。

同社は、日本古来の風呂敷に着目。
約50cm四方のシリコン製の布で切断面を包み込み、
余った部分の布をたたみ込んで、そのまま義足にはめ込む。
シリコンの摩擦力が働き、義足本体とぴったりフィット。
断端袋のようなサイズ合わせは不要、ピンで固定する必要がなく、
途上国でよく使われている木製や竹製の
単純な構造の義足にも応用できる。
開発したソケットは、日本や米国、中国、EU、インドに特許を出願。

中村ブレイスは、両足を失ったモンゴルの少年に無償で
特注の義足を贈るなどの活動を続けている。
地雷被害が絶えない貧しい地域での義足の需要の高さと、
日本製の高性能の義足の高コストにギャップを感じ、
安価で安定した義足の普及に取り組んできた。

NPO「地雷廃絶日本キャンペーン」によると、
現在も80以上の国と地域が地雷問題を抱え、
08年、世界で5197人が地雷や不発弾で死傷。

同社の中村俊郎社長は、
「毎年多くの人が地雷被害や災害で、体の一部を失っている。
高価な義足を買えない人たちの社会復帰を助けたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/22/116328/

2010年2月28日日曜日

楽しい図書館(1)「ぐりぐら」と命名 親しむ

(読売 2月2日)

絵本の名前が付いた学校図書館で、児童は本に親しむ。

「ぐりとぐら」のキャラクターが、入り口で児童を出迎える。
「ぐりぐら図書館」。
東京都中野区立啓明小学校の図書館は、
児童が大好きな絵本の名前が付けられている。

「話のロウソクに火をともしましょう」。
図書館での1年生の授業で、学校図書館指導員の
米村和美さん(57)がおはなし会を始めた。
節分にまつわる昔話が始まると、約20人の児童から笑顔。

広い図書館にある「おはなしひろば」。
コルク材の床に児童がじかに座り、じっと聞き入る。
壁には、児童の絵などが飾られ、ぬいぐるみも置かれた
明るい雰囲気。
授業の終わりには児童らが我先にと、本を借りに列を作った。
「子どもたちは図書館が大好きです」。
担任の小山朗子主幹教諭(49)もうれしそう。

1997年、従来の図書館を拡張したのに併せ、
児童から名前を募って命名。
絵本「ぐりとぐら」の作者、中川李枝子氏から許可。
「楽しく、ほっとできる図書館に」。
絵本の名前を付けたのは、そうした思いが込められている。

そんな場所には、児童が楽しめる仕掛けがふんだんにある。
壁に張られた大きな野原の絵。
「ぐりとぐら」、「くまのコールテンくん」など、
好きな絵本の主人公を子どもたちに描いてもらった。
「子どもたちは、本を読んだ時の面白さを表現したいと思っている。
みんなで描いて、一つになればうれしいこと」
休み時間には、様々な学年の児童が絵を描きにくる。

「難しいかもしれないけど、頑張って読んでみてね」
壁に飾られていたのは、6年生が1年生に書いて送った本の感想。
友人に本の感想を書いて送る読書郵便は、
図書館内のポストに入れると、友人に届けてくれる仕組み。

一昨年、学校で見つかったカラスの巣も飾られ、
周りにカラス関連の本が置かれている。
こうすることで、関心も高まるとの狙い。

「楽しい場所なら、児童も図書館に来てくれる。
本を手に取ってくれれば、色々な世界が広がる」

学校図書館であるため、各クラスで週1回、授業で
図書館を活用するなど、学習に役立てる。
国語でジャンケンを学ぶ1年生には、世界のジャンケンが
載った本を紹介。
図工で読書感想画を描いたり、国語の授業で本のカバーや
帯を作り、図書館に飾ったり。

手製の「ぐりとぐら」のキャラクターを使い、年度初めには
全学年で図書館の使い方を学ぶ。
本の分類を学ぶことは、調べ学習の資料探しだけでなく、
将来にも役立つ。

本の貸し出しは、米村さんが手渡し。
その際、個々に合った本を勧めることも。
「読めたよ」、「楽しかったよ」。
本を返しに来る児童から、そう言われることが何よりもうれしい。

子どもたちにとって居心地のいい場所にと、
学校全体で取り組んできた図書館づくり。
「児童の心を育てる大切な場所。これからも充実に努めたい」と
橋浦義之校長(55)。

◆学校図書館指導員

中野区が、1995年から全小中学校に配置している非常勤職員。
図書館で図書の整理や貸し出し、読み聞かせなどを行う。
区では、教員免許か司書の資格を持つ人から選んでいる。
専門の講習を受けた教員が、図書館を使った読書教育などを
行うのが司書教諭となる。
米村さんは指導員だが、司書教諭と司書の資格を持つ。

◇蔵書や司書 整備不十分

今年は、国民読書年。
学校で読書や学習の拠点になる学校図書館だが、
必ずしも整備が十分とは言い難い状況。
「学校図書館の現状に関する調査」よると、国が定めた
公立小中学校の図書館の蔵書数の標準について、
達成した小学校は約45%、中学校は約39%(2007年度末)。

専門の講習を受けた司書教諭は、改正学校図書館法で
12学級以上の学校で置くことになったが、
全国学校図書館協議会の森田盛行理事長は、
「公立ではほとんどが担任などとの兼務で、
十分機能していない部分がある」
11学級以下では、配置自体が2割程度しかない。

学校司書については、高校では配置が進むが、
高校に比べ、図書館が小さい小中学校は4割程度と少ない。
森田理事長は、「読書を活発にするには、
専任の司書教諭と学校司書の配置が必要

島根県立大学短期大学部の堀川照代教授(図書館情報学)は、
まずは、図書館の雰囲気作り。
子どもたちは、自分たちの紹介文などが展示されていれば、
自然と目を向ける。
玄関や廊下の空きスペースに本を置いたり、読む場所にしたりと、
学校全体を図書館にしてしまう発想もいい」とアドバイス。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100202-OYT8T00239.htm

CO2回収・貯蔵に積極的な欧州電力会社

(サイエンスポータル 2010年2月18日)

地球温暖化対策として期待されている
CCS(二酸化炭素分離・回収・貯留)に、
欧州の電力会社が積極的に取り組んでいる。

ドイツに石炭火力発電所を持つバッテンフォール社は、
2030年に向けCO2を半減する目標を掲げ、
積極的にCCS実証プロジェクトを実施中。

発電量の42%が火力発電であるRWE社も、
同じくドイツで発電効率の向上とCCSに力を注いでいる。

Nuon社は、オランダでバイオマスと石炭を燃料とする
石炭ガス化複合発電(IGCC)実証プラントを、
1993年から運転、CCSのパイロットプラントも建設。
商業レベルのIGCC・CCSプラント(130万キロワット)を建設計画。

欧州電力会社とプラント会社の共同出資体であるElcogas社も、
スペインでこの3月から化学吸収法によるCO2回収プラントの
試運転に入るなど、CCSに積極的に取り組む電力会社の姿が明らかに。

視察団は、経産省資源エネルギー庁の石炭課長を団長に、
新エネルギー・産業技術総合開発機構など5法人と、
CCSに関心の高い関西電力、東芝、三菱重工業など企業14社、
8~14日にドイツ、オランダ、スペインを訪れ、
CCSの取り組み状況を見てきた。

http://scienceportal.jp/news/daily/1002/1002181.html

がん守るたんぱく解明 新薬開発に道 東京都臨床研など

(2010年2月22日 毎日新聞社)

肝細胞がんや脳腫瘍で、過剰に作られる特定のたんぱく質が、
がん細胞を傷つける酸化ストレスを軽減、薬剤への耐性を高めるなど、
がん細胞の生存を助けている可能性が高い
ことを、
東京都臨床医学総合研究所、東北大などの研究チームが突き止めた。
21日の英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」(電子版)。

このたんぱく質の蓄積を抑えることで、
新たな抗がん剤開発につながる可能性がある。

チームが注目したのは、「p62」と呼ばれるたんぱく質。
肝細胞がん、脳腫瘍などの細胞で多量に蓄積することが確認。
マウスの肝細胞がんなどの細胞を使い、p62の機能を分析。

酸化ストレスを軽減させる別のたんぱく質を分解する
細胞内のセンサー部分にp62が結びつき、分解を阻害。

p62の働きの結果、がん細胞で酸化ストレスを減らす
たんぱく質が作られ、抗がん剤などを細胞外に運び出す
遺伝子の働きが高まるなど、がん細胞の生存を助けている
可能性が高まった。

小松雅明・都臨床研副参事研究員は、
「p62の働きを阻害することによって、がん細胞の増殖や
薬剤耐性を抑制する抗がん剤を開発できる可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/22/116359/

2010年2月27日土曜日

研究設備を開放へ 10年度から県工業技術センター

(岩手日報 2月23日)

盛岡市の県工業技術センター(酒井俊巳理事長)は、
2010年度から、酸化亜鉛(ZnO)研究開発プロジェクトに
特化した試験研究設備「ZnOオープンラボ」を、
半導体関連の企業に広く開放する方針を固めた。

同方針は、人工水晶を使った高性能電子部品製造販売大手の
東京電波が、4月から盛岡市の子会社に、
開発拠点を全面移転する決め手。
保有する技術資源を開放することで、研究開発型企業の
技術力向上と本県への誘致促進が期待。

オープンラボは、03年開設。
同センターの3室に、1台当たり最高で約5千万円する
東北唯一の半導体関連装置や評価装置などを21台備え、
同センターとの共同研究参画企業に無償で貸し出されている。
10年度から、酸化亜鉛関連の共同研究参画企業以外にも、
利用対象を拡大する方針。
県内企業のほか、県外企業にも有償で活用してもらう考え。

同センター電子情報技術部の遠藤治之主任専門研究員は、
「オープンラボの利用は3、4年前から酸化亜鉛関連以外の
企業からも需要があった」

09年度で7年目の酸化亜鉛プロジェクトは、
センサーや発光ダイオード(LED)など6テーマで、
研究開発に取り組んでいるが、研究開発から事業化の段階に入り、
酸化亜鉛以外にも有効利用できる余地が出ている。

東京の本社開発部門を、4月から盛岡市の子会社に移転する
東京電波の小野隆夫専務は、
「品質評価などでセンターの装置を活用したい」、
同センターの研究開発環境も移転の決め手になったことを強調。

本県は、足腰の強い産業を構築するため、
研究開発型企業の集積を進め、酒井理事長は、
「研究開発型企業を育てることが、設備、研究者がいる
公設試験研究機関の役割になっていく」と、
同センターの技術資源の有効活用を積極的に進める考え。

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e201002/e1002231.html

ゼロ・エネルギー・ビルの実現へ

(日経 2010-02-22)

民生・業務部門のエネルギーが、依然として増加傾向で推移。
業務部門は、産業分類でいう第3次産業にあたる部門での
エネルギー消費。
この部門の就業人口比率は、1990年には60%、
比率は年々増加、2005年には67%へと7ポイントも上昇。
この間のエネルギー消費量は約30%も増加。

就業構造の変化が、民生業務部門のエネルギー消費を
大きく増加させた。
この業務部門には、事務所ビルから百貨店・スーパーなどの
小売業や学校、飲食店、病院、ホテル、娯楽場など、
多種多様な用途が含まれている。
これらをひとくくりにし、エネルギー消費のあり方を論ずることは
きわめて乱暴。

日本には驚くことに、この部門のエネルギー消費を
経年的にとらえた統計書が存在していない。
京都議定書からいち早く離脱した米国でさえ、
2度の石油危機直後から、詳細なエネルギー実態調査が実施。
わが国に、1日も早くこの様なデータベースの整備が望まれる。

今回は、業務部門の中で約2割の比率を占める事務所ビルを
主なターゲットにした、「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」
の報告書が公表。

国際エネルギー機関(IEA)が、洞爺湖サミットにおいて、
ZEB普及への取り組み加速を勧告、わが国でも昨年4月、
新公共建築物での30年までのZEB化に向けた開発などを加速。
この動きを、一般のビルに拡充することを目的に、
経済産業省資源エネルギー庁に筆者も委員として参加する
機会を得た「ZEBの実現と展開に関する研究会」が設置、
11月に報告書がまとまった。

ZEBの定義は、建築物における1次エネルギー消費量をほぼゼロ。
建築物・設備の省エネ性の向上、エネルギーを、
複数建物間で利用するような面的な利用、ビルやその敷地内に
太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを積極的に活用、
ビルの年間の1次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ、
おおむねゼロとなる建築物。

この様な動きは、英国では、08年に財務大臣が
「19年までにすべての新築非住宅建築物をゼロカーボン化する」
との野心的な目標。
米国でも、エネルギー自立安全保障法(07年)で、
30年までに米国で新築されるすべての業務用ビルを、
40年までに米国の既存の業務用ビルの50%を、
50年までに米国のすべてのビルをZEBとするための
技術・慣行・政策を開発普及する。

報告書中に示されたわが国におけるZEBの可能性であるが、
30年頃までの技術進歩の見通しなどをもと、
中・低層のオフィスビルについて概算すれば、
ZEBの実現は技術的に可能。
完全にZEBとなるのは、3階建て以下のビルであるが、
10階建て程度でも、現状のエネルギー消費量の8割削減が可能。

エネルギーの面的利用(複数ビル間での相互活用)、
太陽光パネルの建材化(壁面利用)などを加味すれば、
ZEBのポテンシャルはさらに大きいもの。
ZEB化について、新築公共建築物に限定、
30年までにすべての新築建築物全体で実現、
さらに既築の省エネ改修の大幅な増加を見込めば、
30年に1次エネルギー消費量は概ね半減すると推計。

ZEBの実現と展開に向け、マーケットの変革を促進させるには
規制、支援・誘導、社会への情報発信・啓発を
バランスよく進めることが必要。
制度面、技術面、ワークスタイル面の3つのイノベーションを
加速することも必要。
報告書では、ZEBの目標達成を、わが国の産業の競争力強化の
チャンスととらえるべきだ。

この様なビルの造り方が、やがてデファクトスタンダードになる時代は
もう目前に迫っている。
地球温暖化はもとより、資源エネルギーの有効利用が必須の時代、
従来にはない発想と行動が求められていることだけは間違いない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100219.html

病の子どもと家族を支援 走って募金、キンバリさん 「南風」

(2010年2月22日 共同通信社)

冬晴れの空気がすがすがしい日曜日。
東京・代々木公園で、北京五輪入賞の英国人マラソンランナー、
マーラ・ヤマウチさん(36)の指導を受け、約20人がストレッチ。
東京マラソンを、小児がんの子どもと、その家族を支援する
募金のために走る「チャリティーラン」の仲間たち。
米国人女性キンバリ・フォーサイスさん(45)の姿も。

呼び掛けたのは、キンバリさんが理事長を務めるNPO法人
「タイラー基金」(東京)。
タイラーは、小児白血病のため、1歳11カ月で亡くなった息子の名前。

東京で働く父を訪ね、1990年に来日、英国人のマークさんと結婚。
2003年、2人目のタイラーちゃんが生まれた。
「長女と比べると、何かおかしい」
生後約1カ月で白血病と判明、国立成育医療センターに入院。
キンバリさんの骨髄を移植、05年6月、タイラーちゃんは逝った。

「どこかに行きたい。全部忘れたい。体をチェンジしたい」
長女を連れ、ハワイで休暇を取ったが毎日、泣いてばかり。
立ち直りのきっかけをくれたのは、
「エネルギーをいいことに使おうよ」というマークさんの言葉。

タイラーちゃんの入院中、同じ病気の子どもを持つ夫婦3組が離婚。
「日本には良い医療があるが、子どもや家族を力づける支援がない」
ことを痛感した。

06年、NPO設立。
イベントを通じて募金を集め、07年春にはセンターで、
病気の告知段階から臨床心理士が家族に寄り添う
カウンセリングを始めた。
昨年4月、患者のきょうだいを預かったり家族がくつろいだりできる
宿泊施設も設置。

「先生に聞きにくいことも相談できた」と感謝するのは、
2歳の娘が小児がんで入院していた都内の30代女性。
「治療は大変だけど、病院のつらいイメージと違い、
親子で楽しく過ごせました」と無事退院した娘を抱いた。

センターの熊谷昌明医長も、「診療で一番のストレスは、
患者とのいさかい。
心理士は、医療者と患者をつなぐ役割を果たしている」と評価。

「マラソンなんて大嫌い」と、10キロに初挑戦のキンバリさん。
「でも、タイラーのために走りますよ」と笑顔でいっぱい。

※チャリティーラン

海外で盛んな募金活動。
ランナーは参加費の一部を寄付したり、走ることで
家族や友人らから寄付金を集める。
タイラー基金が実施するのは、今回の東京マラソンで3回目。
登録人数と集めた寄付金は、2008年が74人と約1200万円、
昨年が67人と約800万円。
問い合わせ、http://www.tylershineon.org/

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/22/116366/

2010年2月26日金曜日

東洋アルミニウムの今須社長「先手の開発でアジア市場を開拓」

(日経 2月22日)

国内市場の伸び悩みや中国勢の台頭で、
厳しい経営を迫られている日本のアルミニウムはくメーカー。
どのような成長戦略を描くのか?
日用品向けのアルミはくで、国内の3分の1のシェアを持つ最大手、
東洋アルミニウムの今須聖雄社長に、市場動向と同社の戦略を聞いた。

——中国勢の台頭をどう見るか?

「中国メーカーの脅威をひしひしと感じている。
アルミのはくには、家庭用アルミホイルなどの日用品向けと、
コンデンサーなどに使う電子部品向け。
日用品向けのアルミでは、中国製品にコストでは勝てない。
家庭用の容器を手掛ける当社のグループ会社でさえ、
当社製のアルミを使ったら赤字になるため、中国製を使っている」

——品質ではどうか?

品質レベルでも、中国勢は日本に追いついてきている。
ある飲料容器に使うアルミで、メーカーが求めるのは、
長さ6万mで継ぎ目のないロール。
これだけの長さを継ぎ目なしで巻き取るのは、相当な技術が必要。
この製品は、今ではほぼすべて中国製。
中国勢の品質がかなりの水準に達している証拠」

——なぜ安く品質のよいものを作れるのか?

機械が、品質を保証しているようなもの。
昔は、アルミの技術と言えば、アルミの板に圧力をかけて延ばす
圧延機のロールを、いかに精密に研磨するか。
今では、研磨は人の手から機械による制御に変わった。
熟練した技術の蓄積は必要ない」

中国では、最新鋭のドイツ製の圧延機を導入。
当社の1番新しい圧延機でも、約30年前に導入、
丁寧に整備しながら使っている」

——価格や品質でなければ、何で勝負するのか?

「当社の競争力は、他社の先を行く開発に尽きる。
中国勢など、他社がいずれはまねして同等の製品を
作るかもしれないが、そのころには次の製品を開発。
我々の強みは、長年にわたって開発投資を続けてきたこと。
既にある製品をまねるだけなら開発費はいらず、
だからこそ安く作れるという面も」

——具体的な開発案件は?

「アルミのペーストでは、光の屈折率を利用し見る角度によって
見える色が違う塗料などの開発に力を入れている。
アルミのはくでは、中身が付着しないヨーグルトのふたがある。
撥水性を持たせたふたで、大学の教授などにも相談して
3年がかりで開発。
ふたを開けても、ふたに中身が付かず、こそぎ取る必要がない。
これは先月、森永乳業の新製品として発売」

——良いものは、すぐ競合他社が追随して安く作るようになる。

常に他社の先を行くしかない。
顧客がほしいと思うもの、困っているものをいち早く察知し、
他社に先んじて製品化。
顧客のニーズを何度も確かめながら進め、
ニーズがなくなったらすぐやめる。
当社では営業開発部と、中核技術の開発を担う
『コアテクノロジーセンター』が連携しながら、
機動的に顧客のニーズの把握と技術開発を行っている」

——国内では、市場の伸び悩みが予想。

「『国内向け』、『輸出』と区別するのではなく、
アジア全体を1つの市場と見ている。
成長を維持していくには、当社にとっても市場の広さを変える必要。
中国だけでなく、インドまでを含めて1つの市場ととらえて販売を拡大」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100219_2.html

北上・更木産桑茶入り菓子 盛岡の清月堂が開発

(岩手日報 2月23日)

盛岡市の和洋菓子店「清月堂」(清川昭孝社長)は、
健康効果に注目が集まる桑茶入りのお菓子を開発。

桑産地の再生を目指す、北上市更木地区産の桑茶を使用。
桑の葉の緑を鮮やかに出せるように、試作を重ねた。
「健康に配慮する人に手にとってもらいたい」と期待。

いわて農商工連携ファンドに採択された、
「桑食文化発祥地更木のブランド構築事業」の一環。
盛岡市の販売代理店マルベリーいわて(菅原章雄代表)が、
北上市の更木ふるさと興社の桑茶を清月堂に紹介。

桑茶入りお菓子は、清川社長(80)と長男浩司さん(47)が、
2月初めから試作を重ねた。
和菓子の「明がらす」と「しおがま」、
洋菓子の「カステラ」に桑茶を配合して焼き上げた。

清川社長は、以前から桑茶を愛飲して健康効果に着目。
「かつて和菓子は、法事や祝儀の引き菓子として需要があった。
健康効果を前面に出してPRしたい」と意欲的。
浩司さんも、「桑の色と香りが引き立つ3種類を選んだ。
カステラは、甘みとお茶の香りを生かした」と自信を示す。

今後、ブランド構築事業として、更木産桑茶を使用して
プリンやヨーグルト、そば・うどんの商品展開を目指す。
菅原代表は、「放置されている桑畑はたくさんある。
健康効果にお墨付きを得ている桑食を提供していきたい」

清月堂の明がらすとしおがまは、1個115円(税込み)、
カステラは1個126円(同)。
同店(019・622・6754)、ネット販売(http://warabi.ocnk.net/

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100223_8

「要介護でも自宅で」7割 独り暮らし高齢者調査

(2010年2月16日 共同通信社)

独り暮らしの高齢者に、要介護度が重くなっても
現在の住まいで暮らしたいか尋ねたところ、
7割が「住み続けたい」と答えていることが、
「特養ホームを良くする市民の会」(東京)の実態調査。

「要介護度が進んでも自宅に住みたい」69%で最多。
「分からない」(19%)、「自宅に住みたくない」(11%)の順。

症状が重くなった場合、世話をしてもらいたい相手は、
「子ども、親族」が48%と最も多く、ヘルパーが35%。

緊急時の対応では、「いつでも連絡先がある」人は76%。
家族のほか、自治体の「緊急通報システム」などを利用。
57%が「自分の財産を管理する人を決めている」と回答、
口頭で子どもや親族に依頼するケースが8割。

同会は、「離れて暮らしていても、何かあった時は
子どもに任せたいと考えているが、要介護度が進んだ時、
自分がどんな状態になるのか想像できていない人もいる

調査は2008年9月~09年1月、全国のデイサービス施設を
利用している独り暮らしの高齢者など、1592人を対象に実施、
1019人から回答。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/16/116047/

2010年2月25日木曜日

気仙の食材を首都圏発信 大船渡振興局と都内すし店

(岩手日報 2月23日)

東京都のすし店「酢飯屋」(岡田大介代表)と、
大船渡地方振興局(高橋克雅局長)は、
27日東京都の築地川公園デイキャンプ場で、
「三陸気仙の食材商談会」を開催。

酢飯屋が、定期的に開くバーベキュー会で、
気仙地方の食材のみ使用。生産者も参加してPR。
首都圏では、気仙産のこだわり食材にほれ込む料理人が
増えてきているといい、浸透が期待。

同振興局が展開する、気仙産食材の販路拡大プロジェクトの一環。
首都圏近郊の飲食店関係者、一般消費者ら約50人が来場予定。

気仙地方から、大船渡市の小石浜地区で「恋し浜ホタテ」を生産する
恋し浜青年部、陸前高田市のきのこのSATO販売、酔仙酒造、
八木澤商店の生産者が参加。

食材のこだわりや特徴をPR。
振興局からも、高橋局長ら4人が出向く。
メニューは、「恋し浜ホタテと極厚キクラゲの刺し盛り」、
「三陸森のしいたけのバター焼」、「冷燻海鮮ハム」、
「三陸まるごと鍋」、「さんりくロール」など10品。
恋し浜ホタテは、青年部のメンバーが炭火焼きで提供。

酢飯屋の岡田代表が昨年12月、恋し浜ホタテの生産現場を視察、
青年部と意気投合したのがきっかけ。
岡田代表は、肉厚で甘みのあるホタテを気に入り、
3月1~3日には同店で「恋し浜ホタテの会」も開く。

炭火焼きを行う予定の青年部の佐々木淳代表は、
「実際に、沖でホタテを見てもらった人とのイベントでうれしい。
岩手の食材の良さをアピールしたい」と意気込む。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100223_9

筋肉痛 知って付き合う

(2010年2月19日 毎日新聞社)

普段運動していない人が、運動後に悩まされるのが筋肉痛。
対処法を含め、筋肉痛に対する誤解も多い。
筋肉痛に関する最近の知見と、上手な付き合い方を専門家に聞いた。

筋肉痛とは、筋肉のどのような変化で起こるのか?
大阪市大大学院の橋本祐介講師(スポーツ整形外科)は、
「筋肉痛には、運動中には痛むが、運動を中止するとなくなる
現発性筋肉痛と、運動後数時間から1~2日後に痛みが生じて
1週間程度で消える遅発性筋肉痛がある」
私たちが、運動後で苦しむ筋肉痛は後者。

遅発性筋肉痛は、持ち上げたダンベルをゆっくり下げるときの上腕部や、
階段を下るときの太ももの筋肉のように、
縮めた筋肉が伸ばされる(伸張性収縮)運動をした時に起こる。

豪エディス・コーワン大の野坂和則教授(運動生理学)によると、
伸張性収縮運動で、筋肉の周りの結合組織に小さな傷がつき、
炎症を起こす。
傷自体は痛みを感じるものではないが、炎症によって、
痛みを感じる神経が過敏になるため、体を動かして
筋肉が圧迫されたりすると痛みが起こる。
運動から炎症反応が起こるまでの時間差が遅発性につながっている。

「筋肉痛は、年をとるほど後から来る」と言われる。
野坂教授が、日本の大学生12人(18~25歳)、
中年12人(40~55歳)、高齢者10人(65~75歳)の3グループに、
ダンベルの上げ下げ運動後に起こる腕の筋肉痛を調べたところ、
年齢による時間の差は確認できなかった。
痛みのピークは、年齢差よりも個人差が大きかった。

野坂教授自身が86年、26歳時に実際にさまざまな運動をして、
後の筋肉痛を調べたところ、マラソンでは運動中から痛みがあったが、
腕立て伏せでは、運動中や直後は痛みがほとんどなかった。

野坂教授は、「筋肉痛が起こる時間は、運動の種類によっても異なる。
年を取ると、直後に痛くなるような運動をする機会が
減るのではないか

運動後に起こる筋肉痛について、かつては「乳酸蓄積が原因」
高校の保健体育の教科書にも掲載された知識だが、
現在の生理学では疲労の原因ではない。

乳酸が疲労原因と考えられたのは、運動によって
血中の乳酸濃度が高まっていたから。
東京大の八田秀雄准教授(運動生理・生化学)は、
「乳酸は老廃物ではなく、有効なエネルギー源」

エネルギーは、細胞内のミトコンドリアで糖や脂肪から合成。
急激な運動をすると、糖分解が活発化してミトコンドリアに送られ、
ミトコンドリアでの処理には限界があるため、一時的に余ってしまう。
それが乳酸だ。

八田准教授は、「乳酸が疲労物質なら、運動後もずっと残っている。
実際は、運動から1時間もすれば元のレベルに。
疲労物質ではない何よりの証拠。
疲労は、もっと複合的な要素で起こる現象

遅発性筋肉痛を軽減するには、どうすればいいのか?
準備運動や整理運動に予防効果があるという意見もあるが、
野坂教授は、「けがの予防などにはなるが、筋肉痛が軽減されたという
科学的な結果は報告されていない」
運動後に筋肉を冷やすアイシングについても、
「靱帯損傷などの最悪の事態に備えて、
『冷やさないよりもいい』とは言えるが、筋肉痛に効くというデータはない」

野坂教授の実験では、運動の1日前に、電子レンジで使われる
極超短波を20分間筋肉に当て、40度以上に温めておくと、
筋肉痛が抑えられた。
野坂教授は、「運動前日、熱いふろに入るのも有効かもしれない

野坂教授の実験では、2週間前に同じ運動をしておけば、
筋肉痛の程度が8割減り、4週間前だと4割減る。
筋肉痛予防には、事前に少しでも運動しておくことが有効。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/19/116249/

働く人の58%が抱える、ストレスに負けない

(2010年2月16日 毎日新聞社)

たまるたまる、ストレスが。
会社では原稿の締め切りに追われ、上司の雷が落ちる。
満員電車は息苦しく、都会では夜空を見上げても星もない。
ああ、ストレスに負けない心を鍛えたい。

厚生労働省が、5年に1回実施している労働者健康状況調査(07年)
によると、ストレスを抱える人は58%。

横浜労災病院の勤労者メンタルヘルスセンターには、
新型マシンが並ぶ。
背もたれに体を預け、目を閉じる。
カプセルの中で、赤い光が不規則に点滅する。
額に装着したセンサーが緊張状態を読み取り、リラックス時に出る
脳波「α波」を誘導。

マシンは、ストレス予防や治療に使われ、1000円で登録、
さらに1000円で利用。
川のせせらぎが聞こえ、耳元で女性の声がする。
「あなたは今、雲の上にいるような心地よさです」
10人に8人は眠ってしまう、というこのマシン。

「ストレス1日決算主義」を提唱するセンター長の山本晴義医師。
「仕事と睡眠だけでなく、食事はしっかり、休む時間も大事。
サラリーマンは、平日は労働だけで、ストレスが翌週に
持ち越されている。
運動習慣のない人も多い。
酒飲んで胃腸の運動はしているなんて、駄目」

山本医師、やけに明るい。
「元気でないと、患者さんと接するのに、うんとエネルギーを使う」
靴底を返し、「これ、鉄の靴。左右で2・7kg、1日7000歩。
スポーツクラブに、303回通った年も」。
診療前は、ボクシングのパンチングボールに2、3発浴びせ、
気合を入れる。

もう一つのストレス解消は、「チェ・ジウ療法」。
山本医師は、韓国ドラマ「冬のソナタ」で人気女優、
チェ・ジウさんの大ファン、写真をパソコン脇に飾っている。
カルテの電子化で肩こりがひどくなったためで、
「写真の方を向くと、何だか肩が軽くなる」

現代は、デジタル思考になっている。
白か黒かで、結果をとらえようとする。
2時の約束まで、あと3分。
デジタルで、1時57分と表示されると焦るが、
アナログなら、そろそろだなとゆとりが持てる。
1秒を争う競争社会や能力主義は、結果がすべてだから失敗を恐れ、
自分を追い詰めてしまう。
数字に振り回されなければ、ストレスは減らせる

バンクーバー冬季五輪。
メダルの重圧がかかる中、練習の成果を最大限発揮できるかが
勝敗を決する。

注目は、女子フィギュアスケートの浅田真央選手。
今季、スランプで低迷、土壇場でトリプルアクセルを成功、
五輪の切符をつかみ取った。
4大陸選手権も制し、復調を印象付けた。

「あの試合、フリーを滑る前から、いけると分かった。
体の内側を流れる気が充実し、すごくいい顔をしていた。
うまくやらなきゃと気合を入れるのでなく、
雑念の入る余地のないほど集中していた。
勝つには、追い詰められた時、
ストレスをエネルギーに変える能力が必要

30年以上、スポーツやビジネス界で精神面の指導を重ねてきた
メンタルトレーナーの西田文郎さん。
「最幸の法則」などの著書があり、北京五輪で金メダルに輝いた
女子ソフトボール日本代表をはじめ、
多くのプロ野球選手やサッカー選手を支えてきた。

人間にとって、ストレスは大敵と思われがち。
「ストレスがすべて悪いわけではない。受け止め方次第」
人間の脳には、「感情脳」と呼ばれる扁桃核があり、
マイナスのストレスがあると「苦」や「不快」、
プラスに振れると「楽」や「快」を感じる。

これを意図的にコントロールすることが重要。
振り幅が大きいほど達成感があり、すがすがしい気持ちに。
これが、ストレス消去法」

西田さんが注目するのが、浅田選手が五輪を前に語った
「わくわくしている」という言葉。
「わくわくの状態こそ、『快』に傾きやすく、ストレスがすごい力になる」
ストレスをうまく操れれば、金メダルも夢ではなさそう。

一流選手のストレス対処法は、一般生活や仕事にも通じる。
嫌な上司の小言は、すぐ忘れること。
日本人は反省が正しいと思っているけれど、反省してはいけない。
マイナスの記憶を反復すると、ますます落ち込んで不調に」

だが、切り替えは難しい。
西田さんは、高校野球の名場面を紹介。
04年、夏の甲子園で初優勝した北海道の駒大苫小牧高校。
ナインは試合中、要所でマウンドに集まり、
人さし指を空高く突き上げていた。
このポーズは、逆境を好転させるため、西田さんが指導。

「ピンチで不安や焦りが生じると、勝ちにいく集中力が欠けてしまう。
みんなでこの動作をすることで一致団結し、士気を高められる。
日本一という目標を確認でき、わくわくしてくる」

日常生活でも応用できる。
落ち込んだ時、指をパチンと鳴らし、「なし」と言ってみる。
西田さんは、「プラスの動作を決めておくことで、
脳に条件付けができ、逆境を乗り越えられる」

裏技も教えてくれた。
「顔を見るのも嫌な監督が大きなストレスだった選手に、
何が好物か尋ねてみた。
それを監督の頭の上にイメージし、接してみるよう指導」
思い切って、上司の頭に好物のすしをのせてみる。
コハダがいいか、ウニにしようか……。

なぜ、現代はこれほどまでにストレス社会になってしまったのか。
豊かになったからこそ、日本がなくしたものがある。
一番大切な、先祖や家族、友達や恩師、すべてに感謝する心。
何事にもありがたいと思えば、感情脳が『快』になり、
落ち着いた気持ちでストレス要因を消去できる。
感謝することで、エネルギーが強まり、人間は力を発揮する」

ウニのすしと、「ありがとう」の気持ちがあれば、
少しはストレスに強くなれるかもしれない。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/16/116085/

2010年2月24日水曜日

NZへ「輸出」初の大会 岩手生まれのバイクレース

(岩手日報 2月22日)

八幡平市を起点に開催され、昨年33回を数えた
オフロードバイクのレース「出光イーハトーブトライアル」
コンセプトやルールを受け継ぐ、
「第1回ニュージーランド(NZ)・イーハトーブ・アドベンチャー
トライアル」が、NZ南島のネルソン市郊外で開かれた。

関係者は、岩手で培われたモータースポーツ文化の「輸出」を喜び、
日本とNZの交流の輪の広がりに期待。

NZの大会には、日本から出光イーハトーブトライアルの
大会会長の万沢安央さん(62)、実行団員4人がライダーとして、
2人がアシスタントとして参加。

NZと日本の約30人が、全長45キロコースでタスマン湾を見渡せる
広大な絶景を楽しみながら、コースに設けられた30カ所の岩場などの
セクションで腕を競った。

NZ大会開催のきっかけは、万沢会長と親交があった
スティーブン・オリバーさん(50)ら、トライアルのNZ王者を
多く輩出する一家の6人を、第30回記念大会に招待。

セクションをほぼ1カ所に集めたトライアル大会が多い中、
出光イーハトーブトライアルは、岩手の雄大な景色を見ながら
2日間で、八幡平市から普代村を往復、
途中に設けられた各セクションで操作技術を競う。

スティーブンさんらは、「今のトライアルは、難しいことに
真剣に挑戦しすぎ、楽しさや笑いを忘れている。
どろんこになり、楽しむような大会がいい」と、
旅しながら景色を楽しむトライアルの素晴らしさと、
合理的な独自の採点方法に共感し、NZでの開催を計画。

第32回大会に、開催ノウハウを知るため2人の息子が参加。
バイク操作で止まってもいい大会が多い中、
出光イーハトーブトライアルはスムーズに競技を進めるため、
ノーストップルールを適用するなど、独自の採点方法を採用。

万沢さんは、「岩手が生み、育てたモータースポーツの文化を
輸出できるのは素晴らしいこと。今後、縁をさらに深めたい」、
スティーブンさんは、「安央さんと私が懸けた橋を、
今後は多くのライダーに渡ってもらいたい」と期待。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100222_6

仕事に役立つロジカルシンキング(6)問題の構造追求~「なぜ」を5回繰り返す

(日経 2月9日)

問題の構造化について。
解決策を導くには、なぜその問題が生じたのかを掘り下げ、
問題の構造をつかんでおくことが重要。

「ロジックツリー」の手法を使うと、具体的な問題点が
数多くあがってくる。
多すぎると、かえってどこに手を打てばよいのか、
わからなくなってしまうことが。
洗い出した問題点同士の関係をとらえ、どこに手を打つべきかを
決めなければならない。

問題点同士の関係を把握するには、原因と結果の関係、
つまり因果関係を考えるのが有効。
場当たり的な対処ではなく、根本的な原因に対する解決策を
考える姿勢が求められる。

「クレームが多い」という問題があったとする。
「なぜクレームが多くなったのか」と原因を探っていく。
製品不良が原因だとすれば、製造工程の見なおしをすればよいし、
顧客への対応の仕方がまずかったのであれば、
接客方法を改善するなど、問題の本質に迫った解決策に
近づくことができる。

原因を探るとき、「なぜ」と一回だけ問いかければ
済むわけではない。
原因をできるだけ掘り下げる必要。

「顧客対応の仕方が悪い」が原因だったとする。
背景をさらに追求していくと、「営業担当者が十分な製品知識を
持っていない」という事実に突き当たる。
さらに理由を探っていくと、「製品知識を習得する場がない」といった、
より本質的な原因に迫れる。

「なぜを5回繰り返せ」という言葉を耳に。
このフレーズの意味は、原因を掘り下げていくと、
やがて問題の本質が浮かび上がってくるということ。

因果関係を探り続けていくと、問題点同士の関係が見えてくる。
関係を図で示すことを、「問題の構造化」。
問題の構造化によって、どこに手を打てばよいかがわかりやすくなる。

「残業が多い」という状況に対し、構造化ができれば、
根本にある「計画をたてることができない」にたどりつき、
そこに手を打てばよいと判断。

目についた悪い状況を掘り下げ、問題の構造を追い求めていくと、
問題への根本的な解決策を幅広い視点で考えられる。

因果関係を探りながら、問題の本質を追求するとき、
注意すべきポイント。
丁寧かつ具体的に因果関係をとらえる。

「残業が多い」、原因をいきなり「業務効率が悪い」と考えたとしたら。
「誰の効率」を改善すればよいかわかりませんし、
「どんな業務」を改善すればよいかも見えない。

具体性に欠けるとらえ方では、解決策に結びつかない。
それが本当に原因なのかすら確認できない。

重要なのは、一度で正解をあてるのではなく、
様々な原因の可能性を検討しながら、
何が今回の問題に影響しているのかを確認していく。

ビジネスシーンで起きる問題のほとんどは、
一つの原因によって引き起こされるわけではない。
様々な原因が、どのように影響しているのかを構造化。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100209.html

2010年2月23日火曜日

中国の日系企業で活躍する若い頭脳

(日経 2010-02-16)

北京大、清華大、西安交通大・・・。
中国には、レベルの高い大学が数多い。
武漢大、ハルビン工業大、中山大、四川大など、
名前を挙げればきりがない。
中国は世界のなかでも、経済に勢いのある国のひとつ。
学生のハングリーさは、生活が豊かになった
日本の大学生の比ではない。

優秀かつエネルギーのかたまりのような中国の大学生が、
卒業後、現地の日系企業で活躍し始めている。

仲介役になっているのは、南富士産業(静岡県三島市)という
屋根・外壁工事会社。

中国の北京、西安、武漢など6都市で、大学生を企業の経営幹部に
育てる「グローバル・マネジメント・カレッジ(GMC)」という
私塾を開いている。

学生は在学中、GMCで学ぶほか、南富士産業が契約した
現地の企業に派遣され、コスト削減策などの立案、実行にかかわり、
企画力や判断力、リーダーシップを身につける。
理論より実践中心で、学生を「即戦力」の経営幹部に養成。

南富士産業は、大学とGMCを卒業した学生を、
中国の日系企業などに送り込み、その企業から「育成料」の
意味合いもある人材紹介料を受け取るという仕組み。

杉山定久・南富士産業社長と中国のかかわりは、35年に及ぶ。
中国の大学や図書館に、本を寄贈する地道な交流を土台に、
現地の大学や教授とのパイプをいくつもつくってきた。
GMCは、そうした積み重ねの上、
5年前から築いてきた新しいビジネスモデル。

GMCの学生には、北京大、清華大、西安交通大、武漢大など、
そうそうたる大学の在学生がひしめく。
卒業後、累計で約150人が、中国の日系企業に入った。

南富士産業の中国ビジネス室によれば、就職先は電子部品、
自動車部品、機械など、ほとんどが製造業。

彼らは日系の製造業で、どのような貢献をしているのか?
資材の調達コストの削減はその代表例。
調達先を別の企業に切り替えるなどで、
日本円で1億円ほどのコスト削減を短期間で達成している例が多い。

GMCを出た学生は、難関大学を突破した人材なだけに、
分析力や論理的に考える力を備えている。
GMCでの研修中、ある学生は、植物の茎から企業が作った
建材についての分析。
(1)加工のしやすさなど、建設現場での扱いやすさ、
(2)工事価格の削減効果、
(3)原料の茎を買う農家にどれだけ利益をもたらすか−−
などを克明に調べあげた。

分析力や論理的に考える力をもって、資材コストにメスを入れる。
(1)同じ原材料や部品を生産しているメーカーは、
ほかにどんなところがあるか、
(2)品質、納期や価格はどうなっているか−−
などと筋道立てて考え、合理的な選択をすれば、
短期間でのコスト削減も十分可能に。

多様な方法のなかから、最も理にかない、最大の効果を上げる
道を見抜く力と、それを実行する力があれば、
大学を出たての若者でも十分、経営の一翼を担える。

GMCを出て、企業に入った若手は、資材コスト削減のほかにも、
工場経営の再建にかかわるなど、重責を担っている。
中国人の消費の傾向が肌で分かり、現地の法制度に詳しい
学生もいることから、中国の市場調査や資金回収、
労務管理なども活躍の舞台。

南富士産業にも、GMCの卒業生がこれまでに約30人入社、
中国と日本で活動。

2人は、資源開発ビジネスを南富士産業の新規事業として立ち上げた。
中国企業と組み、河北省や安徽省の鉱山から掘りだした鉱石から、
化粧品や建材の原料になる雲母を取りだし、日本などに出荷。

中国に進出した日本企業から、販売促進用などの
ホームページの作成で協力するITビジネスも伸び、
その担い手はGMC卒業生が中心。

的確な分析をするための知識、物事を合理的に考える頭脳、
しがらみにとらわれず理にかなった行動をとる実行力−−。

それらを備えたレベルの高い人材が、
企業の成長と競争力を左右することが、GMCからよく分かる。
安い労働力めあてに、中国に進出する日本企業が多かったが、
高度な「頭脳」をいかに活用するかという段階へ、変わりつつある。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon100215.html

豊田合成、岩手工場拡張へ 関自増産に連動

(岩手日報 2月19日)

トヨタグループの自動車部品メーカー大手・豊田合成(愛知県)は、
金ケ崎町の関東自動車工業岩手工場の敷地内にある

豊田合成岩手工場の拡張を、年内にも計画。

岩手工場は、窓やドア部品、ハンドル関連部品の組み立て生産工場。
供給先の関自岩手工場が、2車種の追加生産に入ったことに連動、
増産態勢に入る。
宮城県で来年、操業を予定するセントラル自動車への
部品供給も検討、東北の拠点となっている岩手の機能拡充を図る。

豊田合成総務広報室によると、同社岩手工場は2003年、
関自岩手工場敷地内のサテライトショップに入居。
1600平方メートルのスペースで、窓枠やドア枠などのゴム部品を生産、
関自岩手工場に供給。

06年、奥州市水沢区に岩手水沢工場(約1500平方メートル)を構え、
ハンドル関連部品を生産供給、効率化を図るため、
09年5月に岩手工場に集約。

今回、関自岩手工場が1月からイスト、ラクティスの2車種の
追加生産に入ったことから、豊田合成も連動して
同社岩手工場を強化する方針。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100219_3

わさび辛みに老化防ぐ効果 中部大、線虫の実験で

(2010年2月17日 共同通信社)

わさびの辛みの成分が、人の老化や疾病を防ぐ
一定の効果があることを解明、
中部大・三輪錠司教授(応用生物学)の研究チームが17日、
米科学誌プロスワン電子版に発表。

三輪教授は、辛み成分「アリルイソチオシアネート(AITC)」には、
老化や疾病などを引き起こす「酸化ストレス」を防ぐ
体内酵素を活性化させる効果があると分析。

研究チームの実験で、土壌に生息する体長約1mmの線虫に
酸化ストレスを加えると、6時間後、AITCを与えた線虫は
6割弱の生存率に対し、与えなかった線虫は2割弱の生存率。

三輪教授は、「古くから、わさびは体によいと伝えられてきたが、
科学的に証明できた」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/17/116127/

2010年2月22日月曜日

社会技術研究開発は理系文系融合でまず壁に?

(サイエンスポータル 2010年2月22日)

当サイトでは、橋渡し研究が非常に難しい現実を何度か紹介。
専門領域が違うと、言葉が通じないし、交流、対話そのものが
そもそもほとんどない。
日本の学界が抱える縦割りの弊害を、浮き彫りにする発言が目立った。

シンポジウム「脳科学が取り持つ理系と文系の融合-
科学技術の未来へのキーワード」には、
「領域架橋型シンポジウムシリーズ」という頭書きが付いている。

主催者は、科学技術振興機構社会技術研究開発センターの
「脳科学と社会」研究開発領域
(領域総括・小泉英明・日立製作所役員待遇フェロー)。
3月で、2001年度から続いていた研究開発期間が終わり、
これが最後のシンポジウムになる予定。

「脳科学と社会」の柱となる研究開発プログラムは、
「脳科学と教育」
プロジェクトの一つ、「言語の発達・脳の成長・言語教育に関する
統合的研究」(研究代表者・萩原裕子・首都大学東京大学院教授)は、
言語習得のメカニズムを脳機能計測により明らかにし、
日本人の英語学習への科学的基盤を提供することを狙った。

英語教育に関して、09~11年度の3年間で、小学5、6年生に
英語の授業が取り入れられることが決まっており、
既に一部は実施。
これは、中央教育審議会の審議を経て決まったものだが、
実質的な議論をしたのは外国語専門部会で、
萩原氏も専門部会委員の一人。

氏によると、専門部会の5年間の議論は生物学的、脳に関する
科学的データが何一つない中で行われた。

萩原氏らが、「脳科学と教育」プログラムの中で行ったことは、
脳波形などを供えた「移動脳機能計測車」を1年に1回、
研究対象となった小学校に運び込み、6~11歳までの小学生約450人に
言語テストや脳波などの計測を続けるというもの。

06~09年まで3年間の追跡研究で分かったことは、
英語を覚えるときの脳部位の反応の変化は、
日本語を覚えるときに見られたものと変わりない、ということ。

英語も日本語も、脳の反応が同じということは、
英語教育を早く始めても、母語である日本語の習得に
悪い影響があるとは言えない、ということを意味。

今回の研究は、単語レベルの理解がどうかを、
脳波の計測結果などから調べただけ。
これだけで明確に言えることは限られ、英語を教えるのは
早ければ早いほどよいとも言い切れない。
言語が習得できたかどうかは、文法の理解がどうかなど、
さまざまなデータを見て判断しなければならない。

小学1年から始めた方がよいか、3年、5年からの方がよい、
などということも、今回の研究成果だけからは分からない。

これだけの研究成果を得るだけでも大変な苦労があったことを、
萩原氏は明らかに。
教育委員会や校長の対応がさまざまで、意欲的な教育主事の
協力がなかったら、研究ができたかどうかも定かではなかった。

興味深い発言は、言語テストの問題をつくるだけで、
なかなか意見が一致しなかった。
研究グループ内のコミュニケーションが難しかったということ。

萩原氏の専門は言語学で、意見が合わなかった
言語教育学の研究者とは非常に近い学問領域、
としか一般の人間には見えない。
ところが、これらの専門分野ですら「近いほど遠い関係」にあり、
意見がかみ合わず、そもそも日ごろ交流がほとんどない。

前例がないほど多数の双生児を対象に、遺伝と環境の影響を
追跡研究した安藤寿康・慶應義塾大学文学部教授の発言も興味深い。
同じ文系の研究者と話が通じなく、理系研究者と理解し合えたケースも、
とプラス面を述べる一方、文系と理系の融合の難しさを、
「エビデンスより思想の方が重要。
エビデンスだけではものは言えない、という文系の研究者は多く、
理系研究者との文化の違いはなかなか埋められない。
二つをバランスよく育むことができるような
教育制度を、つくっていくことも大事ではないか

今年度で研究開発期間が終わるプロジェクト「脳科学と社会」は、
脳科学の研究成果を社会に還元するという狙い。
「脳」に焦点をあて、社会のさまざまな局面で起きる事象を解く、
という意欲的なプロジェクトとして、費用と期間が十分だったのか。
プロジェクトの狙いが高望みすぎはしなかったか。

最終評価が出たときに明らかになるだろうが、
「先端技術・自然科学と人文学・社会科学を架橋・融合した
Trans-disciplinary(環学的)な視点から取り組む」という
プロジェクトの目標に掲げられた研究手法そのものが、
日本の学界の縦割り構造では非常に難しかったのではないか。

http://scienceportal.jp/news/review/1002/1002221.html

「気仙」名称確認から1200年 今秋、誕生イベント

(岩手日報 2月17日)

大船渡市と陸前高田市、住田町は今秋、
「気仙誕生1200年祭」を開く。
今年は、気仙郡という文字が確認される
最古の文献の記録から1200年。
節目の年に、2市1町の住民らが気仙郡の軌跡を振り返るとともに、
将来像を探る機会にする考え。

気仙郡という名称が確認された文献は、
平安時代に書かれた歴史書「日本後紀」。
810(弘仁元)年10月27日の記録に登場、
これ以前に成立していたことが分かる。

大船渡市役所で今月開かれた「気仙は一つ・3首長会議」で、
この史実を手掛かりに、1200年祭を今秋開催することで合意。
内容については、今後担当者レベルで協議。

気仙地方には、数多くの金山跡が残っており、
平泉の藤原氏に金を供給。
甘竹勝郎大船渡市長は、「平泉の世界遺産登録などに関連して
話し合う中で、記念行事をやろうということになった」と、
気仙の産金が一つのテーマとなる可能性を示す。

考古、歴史学の研究成果や伝統芸能などにからめた
イベントの開催が検討、会場は2市1町にまたがる予定。

陸前高田市気仙町には、江戸時代に大肝入として、
気仙郡を統括した吉田家の住宅(県有形文化財)が残っている。

中里長門陸前高田市長は、「取り組みを通じて、
気仙地域の住民がどれだけ誇りを持つことができるかが鍵」、
多田欣一住田町長は、「会議で合意した気仙地域を含む
三陸海岸のジオパーク(地質遺産)研究推進とからめて
進めても良いのではないか」と知恵を絞る。

県内の各郡は、坂上田村麻呂(758~811年)らの軍勢が北進し、
朝廷の統治下に組み込まれる過程で設置。
気仙郡は当初、現在の宮城県気仙沼市などを含んでいたが、
その後岩手、宮城両県に分割。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100217_12

仕事に役立つロジカルシンキング(5)問題把握の2手法、大枠整理・ツリーで一覧

(日経 2月3日)

取り組むべき問題がわかった後、問題の具体的な中身を
明らかにしなければならない。
手法には、「フレームワーク思考」と「ロジックツリー」がある。

状況を幅広くつかめなければ、問題の中身がはっきりと見えない。
そこで役立つのが、フレームワーク思考。

マクロ環境を分析する際、政治(Politics)、経済(Economics)、
社会(Society)、技術(Technology)の4つの視点で分析する
フレームワーク。
4つの視点の頭文字をとって、「PEST」。

事業環境を分析するフレームワークには、「3C」。
市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)。

マーケティングでは、製品(Products)、価格(Price)、
流通チャネル(Place)、プロモーション(Promotion)の「4P」。

フレームワークをもとに情報を整理していければ、
大きな部分での見落としをなくし、バランスよく状況を把握。

情報を整理しただけでは、分析とは呼べない。
整理した結果、どのような状況にあるのか、
どこに目をつけて分析を深めていくべきなのかを考える姿勢が必要。

ロジックツリーとは、「もれなく、重複することなく(MECE)」を
意識しながら、上位概念を下位概念にツリー状に分解。
問題分析や解決策の洗い出しといった場面で利用。

ある飲食店の月商(売り上げ)を因数分解し、
ロジックツリーで表したもの。
月商は、客単価とその月に来店した客数に分解。
客単価は、注文をした回数と注文1回あたりの単価に分けられる。
来店客数は、新規とリピートの合計。

ロジックツリーがあれば、それぞれの要素の中で、
特にどこが悪いのかをもれなく特定。
ライバルの飲食店と各要素を比較すれば、
自店の弱い部分をつかむことが可能。
1年前の自店の数値と比べれば、
どこが落ち込んでいるのかをつかむ糸口に。

ロジックツリーを活用していけば、売り上げが思わしくないという
問題を、モレなくダブりなくとらえながら、より具体的にできる。
問題を幅広く洗い出した上で、論点を絞り込んでいくことが
問題の構造をとらえ、問題の本質に迫るカギ。

ロジックツリーを用いると、洗い出した要素同士の関係を一覧。
全体像がわかるので、細部に拘泥せずにすむ。
ロジックツリーを使って、飲食店の月商低下を分析すれば、
商圏人数に問題があると考えるのは早計。
その前に、新規来店客数に問題があるのか、
客単価より客数が悪いのかを分析。

問題を効果的に解決するには、
本質をはっきりとさせるための分析が欠かせない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100202.html

2010年2月21日日曜日

自殺者3年ぶり500人台 県内09年、雇用情勢悪化響く

(岩手日報 2月16日)

県警は、昨年の県内での自殺者数(暫定値)を発表。
自殺者数は、前年を23人上回る513人、3年ぶりに500人台。

「経済・生活問題」、「勤務問題」を原因・動機とする自殺者が
2割を超え、依然として雇用情勢の悪化が暗い影。

513人のうち、男性は360人(前年比18人増)、女性153人(同5人増)。
成年が503人で、全体の9割以上を占め、
未成年も9人(1人年齢不詳)。

年代別では、70歳代以上が116人で最多。
50歳代は、前年比19人増の115人。
60歳代は同17人増の92人、40歳代は同26人減の61人、
30歳代が同32人増の71人。

原因・動機別(複数の場合あり)では、「健康問題」193人、
「経済・生活問題」111人、「勤務問題」40人。
理由が特定できない「不詳」は、215人。

県内での自殺者数は、2003年の574人をピークに減少傾向、
08年から再び増加に転じている。

本県の傾向として、中高年の自殺者が多い。
県障がい保健福祉課によると、失業や生活苦、病気など
さまざまな要因が重なって、自殺に追い込まれるケースが多い。

県は、関係機関と連携を深め、予防対策を強化。
昨年7月、県精神保健福祉センター内に、
県自殺予防情報センターを設置。
相談支援や遺族のケア、研修会開催などに取り組んでいる。

同課の山田昭人主任主査は、
「自殺予防のため、官民一体となって取り組みたい。
各相談窓口の連携を深めて対応したい」
県警の発表は、県内で発生した自殺者数で、県人以外を含む。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100216_4

高額医療機器多い日本

(サイエンスポータル 2010年2月15日)

日経新聞(15日)に、「高額医療機器日本の保有突出」という記事。
1台数億円するコンピュータ断層撮影装置(CT)や
磁気共鳴画像装置(MRI)が、外国に比較すると突出して多い現実を、
厚生労働省と経済協力開発機構(OECD)の資料を基に明らかに。

記事は、「医療費が膨張する一因との指摘もある」と、
「CTやMRIがない医療機関は、患者にそっぽを向かれる」という
病院関係者の声とともに、「地域の拠点病院に集約して、
効率化を図るべきだ」という南和友・日本大学医学部教授のコメントも紹介。

中村祐輔・東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長は、
次のように指摘。
「医薬品や医療機器は、1兆数千億円の輸入超過…。
医療費が増えても、それが日本企業の開発・製造した
薬などによるものであれば、税金という形で国に還元。
今のままだと…製薬企業からの税収が見込めない、
おまけに医薬品、医療機器は輸入しないといけない。
プラスマイナスを考えれば、医療分野はやはり重要だと国が認識すべき

突出して多い高額の医療機器導入が、日本の産業発展と税収に
つながるならまだしもだが、そうはなっていない。

この問題について、米国での臨床医経験が長く、
感染症コンサルタントとして活動している青木眞氏が、興味深い指摘。
「日本は、米国より人口が少ないのに、CTは2倍か3倍持っている。
米国の医師は、『日本では開業医さえMRIを持っている』と
言うとびっくりする。
英国でも、疾患構造がこのぐらいの数なら、MRIが必要なのは月に
何回だから、この人口には何台あればいい、と計算してからMRIを買う」

問われているのは、国全体として現在の医療にかかわる
公的資金の投入(研究開発費の配分も含めた)が合理的か否か、
ということだろうか。

http://scienceportal.jp/news/review/1002/1002151.html

コンビニ交付に浮かび上がるIT戦略の空白

(日経 2010-02-04)

地方自治体が発行する住民票の写しなどの証明書を、
店舗で交付するサービスを、コンビニエンスストア最大手の
セブン-イレブン・ジャパンが始めた。

首都圏の3自治体を皮切りに、対象を順次増やしていく。
電子行政の最先端の取り組みだが、サービスのあり方から、
政府のIT戦略の空白ぶりが浮かび上がる。

「今回のサービスを通じ、電子行政の基本として
住民基本台帳カードが広がることを期待する」
渋谷区のセブンイレブン店舗で開かれた記念式典。
総務省の佐村知子官房審議官は、こうあいさつ。

始まったのは、住民票の写しと印鑑登録証明書を、
店内の複合機(多機能複写機)で打ち出すサービス。
顧客は、IC内蔵の住基カードをかざして本人認証し、証明書を申請。
複合機は、自治体側から受信したデータを普通紙に
偽造防止処理などを施して印刷する仕組み。

渋谷区、三鷹市、市川市の3自治体の証明書が、
セブンイレブン7店舗で受け取れるように。
5月、全国12600店舗で交付できるようになり、
対象自治体も2010年度には30程度まで増える見込み。

「当市は、労働力人口の6割が市外で働いている。
市民が勤務先近くのコンビニで証明書を取得できれば、非常に便利
市川市の大久保博市長は、コンビニ交付に名乗りを上げた理由。

市川市では、「06年度にウェブ上で行った市民アンケートで、
コンビニでの証明書の交付サービスへの要望が圧倒的に強かった」
これを受け、市はコンビニ各社と情報交換を繰り返してきた。

「民間として、初めて行政サービスを取り扱えるのは光栄」
(セブン-イレブン・ジャパンの井阪隆一社長)。
同社も、地方税の収納代行、店舗での市町村施設の予約など、
自治体関連の業務を手がけてきたが、
顧客アンケートで最も要望が強いのが証明書交付。

証明書を印刷するのは、09年10月に導入を始めた最新の複合機。
2年前、仕様を詰め、ICカードのデータ読み取り装置を
装備することを決めていた。
コンビニ側も、店舗で住基カードを受け入れる態勢を周到に準備。

サービス開始の直接のきっかけは、総務省が07年度に主宰した
「電子自治体の推進に関する懇談会」。
自治体のIT担当者らに加え、コンビニ各社がオブザーバー参加。
証明書のコンビニ交付は、08年にまとめた報告書に盛り込まれた。

新サービスで、自治体には証明書の交付窓口の混雑緩和や
専用の自動交付機を置く負担を低減する利点。
コンビニ側は、手数料収入を得られ、集客の新たな目玉と位置付け。

自治体、コンビニとも既存の通信インフラなどを転用するため、
大きな追加投資は不要、「利用者を含む全員にメリットがある」
とサービス開始を歓迎。
一方、「電子行政の理想像に比べれば、まだまだ過渡期のサービス」

総務省の08年の報告書に列挙されたIT利用の具体策のうち、
現時点で実現したのは、証明書のコンビニ交付だけ。
自宅のパソコンでの証明書取得など他の施策は、
文書の正しさを電子的に証明する電子署名が
一般に普及していることを前提にし、実現のめどが立たない。

IT業界には、一般市民が電子署名しやすくする手法として、
電子署名機能を持つICカードを配布する構想。
セブンイレブンでの証明書交付で使われる住基カードは候補の1つ。
現時点では、住基カードには署名機能はないうえ、
普及率は3%程度。

02年に稼働した住民基本台帳ネットワークシステム自体が、
安全性などが疑問視、国立市など参加しない自治体が残る。
国民IDの付与などで、電子行政を推進するには、
一定の政治判断が欠かせない状況。

09年12月、日本経団連が開いた電子行政に関するシンポジウム。
「(内閣府が所管する)IT戦略本部をどう運営するか、
総務省、経済産業省と10年1月に議論を始める」。
内閣府の津村啓介政務官は、IT担当を兼ねる
菅直人副総理・国家戦略相の指示。

00年、IT戦略本部は、国民IDなど国全体のIT政策を描く司令塔。
IT業界は、鳩山由紀夫政権の発足以降、
同本部が開店休業の状態にあると批判、
津村政務官の発言はそれを意識。

菅副総理が、財務相兼務に横滑りしたのに伴い、
IT担当は川端達夫文部科学相に変更。
それが影響したのか、「鳩山政権はまとまったIT戦略を
打ち出しているとは言い難い」状況が続く。

証明書のコンビニ交付のように、地方と民間の創意で
電子行政が前進するのは歓迎すべき。
政府のIT戦略の空白のため、動きに勢いがつかないようでは報われない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100203.html

2010年2月20日土曜日

東京ガスの前田副社長、新LNG基地建設〜「環境対策で都市ガス需要は拡大へ」

(日経 2月13日)

東京ガスが、日立市に同社で4カ所目となる
液化天然ガス(LNG)輸入基地を建設。

完成は2015年度の予定、当初計画より2年前倒し。
景気低迷と地球温暖化対策の進展で、
国内エネルギー需要が伸び悩むなか、
新たな拠点をどう成長戦略につなげるのか。
前田忠昭副社長に聞いた。

——LNG輸入基地を新設する狙いは?

当社の既存のLNG輸入基地は根岸、扇島、袖ケ浦の3カ所で、
すべて東京湾岸に。
東京湾を通航させる船を、大幅に増やすことは難しい。
北関東でも、LNGを受け入れることができれば輸入量を拡大し、
潜在需要が大きい北関東のマーケットの開拓を加速できる」

——09年は都市ガスの需要減少が続いた。

「国内需要はリーマン・ショック以後、工業用が大幅に落ち込んで
前年割れが続いていたが、東京ガスでは昨年12月に
前年同月比でプラスに転じた。
日立市の基地建設を決めた昨年1月は、まだ景気がどこまで
下がるのか見通しがつかなかった。
ようやく景気の底が見え、昨年12月に基地建設の
2年前倒しをめざす方針を決めた」

都市ガスは、石油より燃料時のCO2排出量が少なく、
環境対応のため、燃料を都市ガスに替えようとする企業は多い。
景気が本格的に回復してくれば、工場の設備更新が進み、
その際に燃料転換をする需要が増える。
景気が上向き始めると、基地の建設コストも上昇が予想、
今は設備投資のいいタイミング」

——どの程度の需要拡大が見込めるか?

「東京ガスの管内で、石油系燃料を使っている工場の数を考えると、
90億立方メートルほどの潜在需要がありそう。
当社の工業用のガス販売量は、年50億立方メートル程度。
潜在需要をすべて掘り起こせば、長期的には3倍近くに増やせる計算。
営業努力は必要だが、成長余地は大きい。
日立基地は、完成後にさらに増強することも検討」

——都市ガスも、石油と同じ化石燃料の一種。長期的には、
太陽光などクリーンエネルギーに置き換わっていくのでは?

「太陽光や風力などの新エネルギーは、設備投資の負担が大きく、
出力も不安定な面が。
急速に普及させることは難しい。
CO2排出量を減らすため、もっとも簡単なのは、
燃料を天然ガスに替えること。
企業は、CO2排出量を減らさないと生産量を増やせない。
即効性のあるガスへの燃料転換の需要は増え続ける」

都市ガスと新エネルギーの組み合わせも提案。
都市ガスを燃料に使って、発電と給湯をする燃料電池に
太陽光発電を併用する『ダブル発電』など、
都市ガスの有効活用を工夫する」

——都市ガスは内需型産業だが、海外展開の考えは?

海外の新興国でも、エネルギー源としてLNGの需要が拡大。
当社は、子会社の東京ガス・エンジニアリングを通し、
中国やインドなどでLNG基地の設計や建設などを受注。
今後も、経済成長が進むアジアなどで受注を伸ばせる」

「LNGを生産・出荷する上流事業では、
すでにオーストラリアなど海外6カ国、計10件のプロジェクトに参画。
今後も、LNGの調達力を高めるため、
条件があえば上流の案件を増やしていきたい」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100212.html

資源を追え、変わる海運「航海図」

(日経 2010-02-10)

2009年の海運業界は、資源や穀物を運ぶばら積み船だけが活況。
運賃の値動きを示すバルチック海運指数(1985年=1000)は、
年初に底入れした後、11月には底値から6~7倍の水準に。
けん引役は中国で、09年の鉄鉱石の輸入量は6億2000万トンと
過去最高を記録、石炭の純輸出国から純輸入国に転じた。

中国需要が海運市況をけん引する構図は、
リーマン・ショック前と同じに見えるが、実は資源を運ぶ
「航海図」は塗り替わり、海運・鉱山会社は新たな戦略
描き始めている。

昨年来、積極的な動きを見せているのは、
ブラジルの資源大手、ヴァーレ。
鉄鉱石を運ぶばら積み船を購入、自社保有船を増やし、
マレーシアには鉄鉱石輸送の拠点港を建設。
日本郵船の小笠原和夫経営委員は、
「船を自社で運航することで、運賃を安定させる狙い」

ヴァーレは、年間2億5000万トンの鉄鉱石生産を、
5年後には4億トンに拡大する計画。
売り先として最も注目しているのは中国。

◆バルチック海運指数

鉄鉱石や石炭を運ぶ、ばら積み船の運賃を示す国際的な指標。
英ロンドン海運取引所が、世界の海運ブローカーを対象に調査、
毎日発表。指数が上昇すれば、運賃が上昇。

ブラジル産の鉄鉱石は、世界最大のオーストラリア産と競合。
「ブラジル−中国間」の輸送時間は、「オーストラリア−中国間」の3倍。
運賃も高くつき、主要な買い手である中国市場における競争力が劣る。
効率よく大量輸送できる40万トン積みの超大型鉱石運搬船(VLOC)
などで、ブラジルからマレーシアに鉱石をピストン輸送、
中国や日本、韓国などに振り分ける計画。

ヴァーレの増産による恩恵は、日本の海運会社にもありそう。
商船三井は、中国鉄鋼大手の鞍山鋼鉄との間に、
ブラジル−中国間の鉄鉱石輸送で5年間の契約、
日本郵船はヴァーレとの間に2012年から20年間の輸送契約。

長期契約がなくても、ばら積み船市況は力強いという見方も。
昨年6月、商船三井の副社長から第一中央汽船の社長に転じた
小出三郎氏の分析はその代表格。
「長期契約は安定利益というが、薄利多売にすぎない」
利益を最大化するためには、リスクをとりながらも
すべての船をスポット市場に割り振ったほうがいい。

背景に、「今後20~30年、ばら積み船市場には追い風」という見方。
世界各地で建設計画がある鉄道。
土木工事に加え、線路や車両、設備などには鋼材が欠かせない。
鉄鋼原料の輸送ルートは、中国を中心とする東アジアだけでなく、
米国や欧州も増える可能性。

2009年、ばら積み船市場で中国に次いで
存在感を高めたのがインド。
南アフリカ共和国から大量の石炭を輸入し、中国には鉄鉱石を輸出。
川崎汽船の今泉一隆執行役員は、
「インドの石炭輸入は今後も増える」と予測。
電力インフラが不足し、安価な発電用石炭の需要は高まる。
粗鋼生産の拡大に伴い、鉄鋼用石炭の輸入も増えるという見立て。

製鉄用の石炭はアジア地域で不足、日本や韓国の製鉄会社は、
一部を米国から輸入する動きも。
どこからどこへ資源を運ぶのか。
海運会社が関心を抱く国や地域を追いかければ、
新たな成長市場のフロンティアが見えてくるかもしれない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/shikyou/shi100209.html

仏、兵士使い人体実験 60年代、核爆発の影響調査

(2010年2月17日 共同通信社)

1960年代初頭、フランスが同国領アルジェリアのサハラ砂漠で、
大気圏核実験を行った際、軍兵士らを実験直後の爆心地周辺まで
進ませ、人体への影響を調べていたことが分かった。
軍の機密文書を基に、16日付パリジャン紙が報じた。

フランス政府は昨年12月、同国の核実験で被ばくし、
後遺症に苦しめられた兵士らへの補償法を成立、
半世紀にわたり封印されてきた核実験の暗部の一端が
明らかになった。

260ページに及ぶ文書によると、
61年4月25日に行われた核実験は、
「核兵器が人体に及ぼす生理的、心理的影響調査」と目的を明記。

兵士ら約300人を核実験場周辺に配置、核爆発の20分後から
爆心地へ向けて徒歩や車で進ませた。
ある部隊は、爆心地から700メートルの距離まで進んだほか、
別のパトロール部隊は爆心地まで275メートルまで近づいた。

同核実験に参加したのは、ドイツ駐留のフランス軍部隊など、
兵士の一人はパリジャン紙に対し、
「(部隊移動の表向きの理由は)アルジェリアの油田の監視だった」
診察した医師から、「将来まともな市民生活を送りたかったら、
黙っていろ」と警告されたことを暴露。

別の被ばく者は、同紙に「われわれは核兵器のモルモットだった」、
理由も知らされず実験台にされ、
後遺症に苦しめられたことに怒りをあらわにした。

機密文書は、フランスが包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准した
直後の98年、「1人または複数の匿名の軍関係者」によって作成。

※フランスの核実験

フランスは、1960~66年アルジェリアのサハラ砂漠で、
17回の核実験を実施。
66~96年、仏領ポリネシアのムルロア環礁とファンガタウファ環礁で、
計190回以上の核実験を行った。

フランスの軍兵士や民間人約15万人、多数の現地住民が動員。
フランスは昨年12月、サハラ砂漠と仏領ポリネシアの核実験で
被ばくし、甲状腺がんなどを発症した軍関係者や
現地の民間人らへの補償を定めた法案を成立。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/17/116104/

2010年2月19日金曜日

幼児肥満:孤独な夕食+寝不足+テレビ漬けで1.7倍に--米の大学調査

(毎日 2月15日)

孤独な夕食や睡眠不足、テレビにくぎ付けという
3要素がそろうと、そうではない幼児に比べ、
1・7倍も肥満の割合が増えることが、
米オハイオ州立大などの研究チームの調査で分かった。
運動不足や間食が背景。
米小児科学会誌3月号に掲載。

過去の研究で、テレビ視聴時間が長かったり、睡眠不足が続くと、
食欲をつかさどるホルモンのバランスが崩れて、肥満になりやすい。
食事から睡眠まで、幼児の生活全般と肥満の関係を調べたのは例がない。

調査は05年、1)週6日以上、家族と夕食をとる、
2)10時間半以上寝る、
3)1日当たりのビデオやテレビ視聴が2時間以内--の
3項目について、全米の4歳児8550人を対象に実施。
このうち、肥満児は18%。

3項目を満たしている場合の肥満児の割合は14・3%、
いずれも満たしていないと24・5%に増えた。

米国では、週6日以上親子がそろって夕食をとったり、
幼児が1日10時間半以上の睡眠をとっている家族は
それぞれ約6割、2時間以内の視聴を守っている家族は約4割。
「肥満防止では、食事や運動メニューを議論するだけでなく、
家庭生活全般を指導していくことが重要」

http://mainichi.jp/life/health/news/20100215ddm003100124000c.html

日本スウェージロックFSTの田村社長 「新エネ分野開拓へ営業刷新」

(日経 2月12日)

米流体制御機器大手のスウェージロック(オハイオ州)が、
日本での営業を強化。
エネルギー向けの流体装置の拡販を図るため、
1月に市場開拓の新組織を立ち上げた。
現在12ある物流拠点を、兵庫と神奈川両県の2カ所に集約し、
効率化を図る。
同社の日本での販売会社の日本スウェージロックFSTの
田村達也社長に、同社の戦略などを聞いた。

——2010年の事業戦略の内容は?

太陽光発電など、新エネルギー分野の需要が中長期的に
伸びると考え、市場の開拓を急がなければならない。
専門部署の『市場開発・企画室』は、営業経験が豊富な
専任のスタッフ3人で1月に発足。
全国26カ所の営業拠点から顧客情報を集め、
LED(発光ダイオード)やリチウムイオン電池向けの
商品開発を進めていく」

日本での顧客満足度を高めることが必要。
オンラインビジネスの充実を図り、注文履歴の確認や
ワンクリックでの注文などの機能を追加。
もう一つは、ユーザー側の無駄を省くため、
プラントの健康診断も実施。
漏れなどを数値化し、流体機器の効率的な運用方法を提示」

——営業体制を強化する狙いは何か?

顧客は、継ぎ手やバルブだけでなく、周辺機器の調達や
組み立ても含めたパッケージ商品を求めている。
継ぎ手やバルブに関連する、あらゆる製品やサービスを
そろえるために市場調査をし、製品を即時に顧客に
届けられるようにするため、新たな体制づくりが必要」

——日本は成長市場なのか?

代替燃料、医薬・バイオ、紙・パルプなど
今後有望な分野が多く、成長の余地は十分。
環境も重要になってきており、環境性能が高い継ぎ手や
バルブが求められている。
すでに太陽光発電向けでは、環境性能を高めるステンレス鋼の
改良などを試験的に始めている。
有望な分野の需要の取り込みで、日本での売り上げは
前年に比べ、2ケタ増やすことが可能

——販社を1社体制にしたメリットは?

地域差などなく、全国一貫したサービスが提供できる。
一貫してできることで、顧客や用途別で違う技術サポートに
きめ細かく応じることができるようになった。
納品までの時間がかかっているのが現状。
物流拠点を集約し、注文を受けた翌日には配達できる体制を構築」

——景気の回復度合いをどう見るか?

全体的には、底ばい状態が続いている。
好調だった08年水準に戻るのは、今年いっぱいかかるだろう。
新エネルギー市場は、11年以降に隆盛するだろうし、
半導体市場も徐々に回復していくなど明るい兆しは見えている」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100210.html

自動車で鍛えたノウハウを林業に

(日経 2010-02-09)

自動車部品の研磨を手掛けてきた会社が、
全く畑違いの林業に進出、参入半年で黒字を達成。
衰退産業と言われる林業で、ずぶの素人が成功したのはなぜか。

研磨会社とは、大津技研(熊本県大津町、木村幹男社長)。
大分県臼杵市の山中にある現場では、
責任者の本田栄一さん含め、5人が働いていた。
伐採する木は深い山中にあるため、切り出す前に、
山の斜面に道を切り開く。
邪魔になる木を切ったうえ、切り株を掘り起こす。
担当は、新たに採用した林業の専門家と重機の専門家の2人。

伐採−−。
初めに、材木にするスギやヒノキを選んで切り倒す。
倒した木を、重機でつかんで持ち上げ、チェーンソーで枝を落とす。
さらに輪切りして長さをそろえる。
これを別の重機でつかんで斜面を降ろし、公道で待つトラックに
載せて運び出す。

一連の作業は、新たに採用した2人に加え、
もとから大津技研の社員で研磨作業に当たっていた3人の、
合わせて5人が共同で行う。

作業工程そのものは、従来の伐採会社と同様。
同社の伐採現場で目を引くのは、作業者5人の「手待ち時間」が
極めて少なく、重機3台も切れ目なく稼働していること。

製品である木材も、常に「流れて」いる。
同社の研磨ラインで、自動車部品がよどみなく流れ続ける姿と似ている。
「要は、中間在庫をためないこと」(本田さん)。
コスト管理に厳しい自動車業界で培った、生産性を徹底的に
引き上げる工夫の数々を、同社は伐採現場に応用。

現場の工程管理にとどまらない。
本田さんは、工場長や営業所長も経験した大津技研の古参社員。
同社が研磨工場の発想や工夫を、事業全体に生かしている。

事業の収益性を明確にするため、「この山(伐採現場)は
何カ月で作業を終了するか」という目標を設定。
目標を月、週、日ごとに落とし込む。
家業型の伐採業者では、ここまで厳密には計画を立てない。

伐採事業の目標管理は、研磨工場と比べ格段に難しい。
伐採の仕事は、天候に大きく左右。
雨の日に作業すれば危険だし、無理にやれば道をぬかるませ、
壊してしまい、次の日に晴れても作業できなくなってしまう。
翌週雨になりそうだと判断した時、土曜日も働く。

研磨出身の3人は、新たに採用した林業や重機の専門家から
ノウハウを習いつつ働いている。
同社は、そのノウハウの標準化にも全力を挙げている。
ある山を「攻める」時、道をどう作り、どういう順番で
木を切って行くか−−。
現場の写真を撮り、毎日の作業を詳細にパソコンに記録。

一番時間のかからない効率的な伐採の手法を開発するためだが、
安全性向上のためでもある。
木村哲也専務の指示が飛んでいた。
本田さんが、「根元が曲がった木を曲がった部分で切ると、
裂けてしまうことがある」と、木村専務は「じゃあ、ビデオを撮って
安全な処理方法を皆で共有しよう」。

大津技研が森林事業部を作って林業に参入したのは、2009年。
経営が立ちゆかなくなった個人企業を吸収する形でスタート。
木村幹男社長が決断、子息の木村哲也専務が陣頭指揮に立つ。
作業班は、臼杵市で働く班のほか、もう1班。
投入する重機は、合わせて11台。
一部はリースだが、それでも3000万円ほどの設備投資。
収入は、材木の販売代金。
「事業を始めて半年で、営業利益ベースで黒字に。
償却を含めて、黒字化するメドもたった」(木村専務)。

日本の林業は衰退している。
安価な外材に押される一方、林業従事者の高齢化が進み、
木を育てる人も切り出す人も足りない。
大津技研が伐採の仕事を始めようと決意し、専門家に相談した時、
「はっきりとは言わないにしろ、
『素人にできるほど甘い仕事ではない』という空気だった」(同)。

でも、木村専務は気にしなかった。
日本の自動車生産台数が減ることが確実になった以上、
新たな仕事を探す必要がある。
研磨の仕事も初めは素人だったが、日本一の生産性を
誇れるまでになったではないか」

確かに、厳しい業界で鍛えられ生き抜いてきた会社が、
“甘い”業界に参入し、業界常識を塗り変えて
成功するケースは多い。
バブル経済崩壊後に登場した、いくつかの旅館再生会社。
一部は、もとは自動車系ディーラー。
旅館業は、地方名士の旦那商売とも言われ、コスト意識も薄かった。
計数管理を身につけた自動車ディーラーが参入し、
赤字に陥っていた旅館を相次いで立て直すことに成功。

木村専務は、現状に満足していない。
「基本的なノウハウは確立した。
自分が得られたノウハウぐらいなら、他の人も追いかけて来られるはず。
もっとノウハウを積み重ねないと・・・」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon100208.html

2010年2月18日木曜日

スポーツ政策を考える:NPO法人浦和スポーツクラブ・小野崎研郎

(毎日 2月6日)

さいたま市浦和区を拠点に活動する
総合型地域スポーツクラブの副理事長を務めている。
競技はサッカー、テニス、フィットネスがメーン、会員は1300人。
年間運営費は約4700万円。
toto(スポーツ振興くじ)から、700万円の助成。

最近、totoの申請手続きなどが難しくなってきた。
大きなお金を扱うようになり、より厳格な審査と手続きが求められる。
申請するクラブも増え、一部には不明朗なお金の使い方をしたり、
活動実態がよく分からなかったりするクラブがあるのかも。

書類作成などの事務処理能力が高いクラブはいいが、
そうではないクラブの方が圧倒的に多い。
社会的な責任もあり、力をつけなければいけないが、時間が必要。
今のやり方では、スポーツの二極化と一緒で、
できるところとできないところの差が広がる。

totoの運営主体、日本スポーツ振興センターの担当者にすれば、
助成を通して、クラブやスポーツの役に立ちたいと思ってくれている。
クラブからすると、なぜこんな細かいことを
いちいち言ってくるのかと受け止めてしまう。
一方は疑い、一方は不信感が募る。
雰囲気は決してよくない。

互いに顔が見えない中、お金のやり取りをしていることが原因では。
totoに限らず、やれコンプライアンス(法令順守)だ、
やれ危機管理だと、システムばやりで、
そこに膨大な人と予算が投入。

管理する方も、される方も大きな労力や費用がかかる。
総合型クラブに代表される地域のスポーツは、成熟していない分野で、
今からそこに労力や費用をかけてしまっていては、
拡大の足かせになってしまう。

顔の見える関係づくりや地域ごとの実情に合わせた施策展開を
行うためには、お金の配分を決め、使途を検証する組織は
各地域にあった方がいい。
広域スポーツセンターや都道府県体協のクラブ育成アドバイザーら
専任職員に任せてはどうか。
彼らは、日ごろからクラブとの付き合いがあり、
互いに切磋琢磨できる。

先日、ある民主党国会議員の話を聞く機会が。
政権交代によって、政策提案や事業のやり方が変わっていく中、
国が作成したマニュアルに沿って事業を進めるのではなく、
それぞれの地域の実情に応じて、やりたい事業を考えてもらい、
そこでお金が使えるような仕組みにしていきたい。

全国を一つのスタンダードにあてはめるのではなく、
国と地域の役割分担を見直し、国は権限と財源を地域に移譲。
地域は、地域のスポーツ振興をマネジメントする役割を果たす。
==============
◇おのざき・けんろう

1961年生まれ。東京農工大卒。
1996年、青少年の一貫指導と生涯スポーツの実践を目指す
浦和スポーツクラブに入会。NPO法人クラブネッツ理事。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/02/06/20100206dde035070049000c.html

UMNファーマの金指社長、「ワクチン開発、強毒性の新型インフルにも対応」

(日経 2月9日)

毒性の強いH5N1型のインフルエンザワクチンの開発を
進めているUMNファーマ(秋田市)。

現在は、約6カ月かかるワクチンの生産期間を
約2カ月に短縮できる技術がIHIに評価、
今春に共同出資会社を設立。
インフルワクチンの開発を急ぐUMNファーマの金指秀一社長

——IHIと共同出資会社を設立した。

「IHIとは、以前からワクチン製造に関し、共同で研究。
今後の事業化に向け、より深い関係を構築するため4月、
秋田市に共同出資の新会社を設立。
20~30億円程度を投じて工場を建設、
2012年には年250~500万回分のワクチンの原薬を
製造できるようにしたい」

——なぜ今、ワクチンの研究開発に取り組むのか?

「日本では、インフルワクチンは現在、鶏卵を使って
ウイルスを増殖させる製造技術が主流。
鶏卵を使った製造法では、製品化まで6カ月近くかかる

「昨年、感染が拡大したH1N1型の新型インフルエンザから
得た教訓は、流行し始めてから対策をとっても遅い。
流行が落ち着いてから、インフルエンザワクチンが
輸入できても遅い。
欲しいときに、あるようにすべきだ」

「豚由来のH1N1型の新型インフルに比べ、
鳥由来のH5N1は強毒性。
次に流行するかもしれないH5N1型に備え、
早期にワクチンを供給できる体制を整備することが求められる」

——開発の進ちょくはどうか?

「主に製剤の用量を決めるために実施した
第2相臨床試験(治験)が終わった。
すでに実施した治験のデータと併せ、安全性や有効性を確認」

「今回、対象は90人だったが、次は安全性を確認するため、
もっと大規模な臨床試験を行う必要がある。
12年の発売を目指している」

——新型インフルエンザはいつ流行するか分からない。
収益は安定しないのでは?

インフルエンザワクチン製造に使う技術は、
他の医薬品製造にも転用できる。
同技術の導入元である米バイオ企業のプロテイン・サイエンシィズは、
他の感染症やがん、生活習慣病などのワクチンの研究を進めている。
インフルエンザワクチンが軌道に乗れば、
当社も他のワクチンについて、導入を検討していきたい」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100208.html

電力10社体制はいつまで続くか?

(日経 2010-02-15)

東京電力と北海道電力が、北海道での風力発電拡大で協力、
2014年、東電が北電から風力発電による電力の買い取りを始める。

電力会社どうしが手を携え、温暖化ガス削減に取り組む
前向きな動きだが、見方を変えると、
「日本に電力会社が10社も必要なのか」という疑問。

東電は、東北電力とも同様の内容で事業協力を進める。
日本で、風力発電に適した地域を抱えるのは、北電と東北電。
両社の営業エリアにある風力発電設備は、日本全体のおよそ半分。

北海道では、良い風が吹こうとも、風力発電を増やすことができない。
北電の電力供給規模では、安定した電力品質を維持には、
風力発電設備の導入は36万kwが限界、26万kw分の設備が立地。
東電は、10~20万kw分の風力発電を北電から供給、
同等規模の風力発電の開発余地を北海道に生み出す。

北海道、東北、東京の各電力のエリアが、1社で運営されれば?
品質の不安定な風力発電の受け入れ量は一気に増え、
北海道と東北が抱えていた「風力ボトルネック」は解消に。

「低炭素社会対応」をキーワードに俯瞰してみると、
戦後から続いた電力10社体制の限界は他にも。

温暖化対策の最有力手段である原子力発電。
沖縄を除く9社が原発を運営、立地場所に制約があり、
各社の原発比率は格差が。

苦しいのが中部電力。
全発電設備に占める原発比率は1割程度、
3割程度の東電や関西電力に見劣り。

都道府県別風力発電ランキング(NEDO調べ、2009年時点)
 1位 青 森  277,100 kw   192基
 2位 北海道  258,485 kw   268基
 3位 鹿児島  136,505 kw   97基
 4位 秋 田  122,662 kw   103基
 5位 石 川   78,515 kw   56基
 6位 山 口   74,450 kw   37基
 7位 福 島   69,860 kw   43基
 8位 千 葉   68,150 kw   50基
 9位 茨 城   67,905 kw   46基
10位 長 崎   67,410 kw   60基
   日本全体 1,853,624 kw 1,517基

原発立地に適した地域に乏しい中部電の原発は、浜岡原発のみ。
原発比率が低いままでは、業界目標のCO2排出源単位を
クリアするには、排出権を購入する必要があり、財務体質に響く。
2000年、三重県芦浜地区での新設計画を断念して以降、
新規立地のめどはたたない。

関係者のあいだでささやかれる秘策は、北陸電力との経営統合。
志賀原発2基、190万kw分が手に入り、原発比率が上昇。
電力会社どうしの経営統合は、独禁法上の問題が障害、
供給区域が広がると、米国のように停電時のリスクが増す。
吸収される側の電力会社の強い抵抗もありそう。

「なぜ10社?」の疑問は、今後もさらに強まる。
風力発電など、再生可能エネルギーを手掛ける新興企業では、
電力の品質確保を理由に、受け入れ量を制限する
電力会社への不満が根強い。
「再生可能エネルギー導入量を増やすには、発送電分離が不可避」
温暖化ガス削減に熱心な民主党政権とどこかで結びついたら・・・。

電力会社が、最も敬遠する「発送電分離論議」を封じ込めるには、
電力会社どうしの連係やスマートグリッド(次世代送電網)の
構築などを通じ、再生可能エネルギー導入実績を積みあげる。
西日本では、太陽光の豊富な九州電力と関西電力などが協力、
太陽光導入に取り組むケースも。
再生可能エネルギー導入に取り組むほど、電力10社体制の
意味合いが薄れていくというパラドックスに陥りそう。

戦時体制下で発送電を独占していた日本発送電を分割し、
本州9社体制が発足してからおよそ60年。
日本経済が成長を続けてきた時代は、営業区域を分け、
需要地と電源を近接した電力供給は効率よく機能。

低成長下の低炭素社会対応で、制度疲労が目立ってきた。
電力会社が、「発送電分離」という最悪シナリオを回避したいなら、
10社体制に自らが風穴をあける覚悟が求められる。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100212.html

健康食品との付き合い方:/4止 効果や安全性、根拠を確認

(毎日 2月12日)

<美をいつまでも保ちたい>
<年をとっても、元気に歩きたい>
<カルシウム補給>
こんな誘い文句が、健康をうたった食品の宣伝によく使われる。
特定の食品に、<病気に効く>と表示すると、
医薬品扱いとなるため薬事法違反に問われるが、
<美をいつまでも保ちたい>といった願望の表現であれば、
違反にはならない。

こういう表現に出合ったときの注意について、
高橋久仁子・群馬大学教育学部教授は、
「書いてあること以上に、勝手に自分に都合よく
行間を読んではいけない」

<年をとっても、元気に歩きたい>という表現を、
「この健康食品を取れば、年をとっても元気に歩くことができる」と
解釈してはいけない。
<カルシウム補給>という表現も、「カルシウムが補給できる」
とまでは書いていない。
「カルシウムが体内に補給されて、骨が丈夫になる」と
読んではいけない。

そういう表現とともによく出るのが、若い女性や元気な高齢者などの
「私はこれを取っていて、元気です」といった写真付きの体験話。
高橋さんは、「使って効果がなかった人は出てこない」、
表現や体験話の意味を冷静に考えることが必要。

特定の健康食品の有効性や安全性を、
自分の力で見極めるのは容易ではない。
健康食品を利用したい、でも何を信じていいか分からない、
判断に迷ったとき、多くの専門家たちが勧めているのが、
国立健康・栄養研究所が運営するホームページ
「『健康食品』の安全性・有効性情報」

国内外の健康食品による被害事例のほか、
論文など科学的根拠に基づいて、専門家が審査した情報が掲載。
不確かなものがあふれる健康食品情報の中では信頼性が高く、
情報も時々に更新、それぞれの商品について
科学的な安全性や有効性がどこまで実証されているかを確認。

情報は大きく分けて、
(1)注意すべき健康食品の特徴などをまとめた「基礎知識」、
(2)国内外の摘発事例や健康被害事例を掲載した「被害関連情報」、
(3)「α-リポ酸」、「酸素水」などタイムリーな情報をまとめた
「話題の食品・成分」、
(4)健康食品に含まれる成分の安全性と有効性の科学的根拠を
集めた「素材情報データベース」--
の四つで構成。
トップページから一括して検索できるので、
成分名や製品名を入力して情報を引き出す。

「健康茶」、「減肥茶」などと販売されているお茶に
含まれることが多い成分「センナ」で検索、
厚生労働省などがセンナを含む製品「飲まなく茶」を使用しないよう
注意を呼びかけているという被害関連情報や、
食品に利用が認められている茎について、
「ヒトでの安全性・有効性の情報は見あたらない」といった
素材情報などが一覧表示。

同研究所の梅垣敬三情報センター長は、
「健康食品だけでは、健康になれない。
基本は、毎日の食生活のバランス」。

その上で、健康食品を利用する場合、
「まずは、被害関連情報がないかを確認すること。
製品には、主成分以外にいろいろな成分が入っていて、
副成分が被害を及ぼす場合も。
被害情報がない製品であれば、含有成分の安全性や有効性が
どこまで科学的に実証されているかを見て、
摂取するかどうかの判断材料の一つにしてほしい」

◇信頼できる情報の見分け方

健康食品の有効性をどこまで信じてよいか、判断力を養いたい。
国立健康・栄養研究所のサイト
「『健康食品』の安全性・有効性情報」の、
「科学的根拠のある情報とは?」でその方法を紹介。

サイトは、情報の信頼度を5段階に分け、1から5に近づくほど
科学的な根拠がしっかりした情報。
体験談や専門家の一意見だけでは、信頼度は低い。
実験結果でも、試験管内の細胞や動物実験だけでは低いが、
科学的な論文として名のある専門雑誌に出ていると、高くなる。

人を対象にした試験では、ある健康食品を取った人(投与群)と
取らない人(対照群)を、長期間追跡して効果の差を比べた
臨床試験であれば、信頼度はかなり高い。
最も良いのは、こういう試験が複数あるもの。

http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100212ddm013100094000c.html

2010年2月17日水曜日

御室桜:京都・仁和寺の名勝、クローン技術で増殖 住友林業が成功

(毎日 2月10日)

住友林業は、京都市右京区の世界遺産・仁和寺境内にある
国の名勝「御室桜」を、独自のクローン技術で増やすことに成功。

御室桜(御室有明)は、人の背丈ほどの高さの遅咲き八重桜。
現在ある約200本は、樹齢が350年を超えている。
若枝を株分けする方法では、突然変異で花びらが一重になりやすく、
接ぎ木など従来の方法では増やすことが難しい。

同社は、御室桜を後世に残すため、
千葉大園芸学部の協力を受け、07年から取り組みを始めた。

新しい方法は、やがて芽になる「茎頂」という部分を
冬芽から顕微鏡下で摘出。
特殊な培養液で大量に発芽させ、培養土で幼苗まで育てる。
完全なコピー(クローン)のため、突然変異の心配がない。
無菌環境での作業により、病虫害も防げる。

同社の筑波研究所で、苗を育成中。
八重の形質を受け継いでいることを確認のうえ、
現存のものが枯れた場合などの補充として植えていく。

同社は04年、豊臣秀吉が盛大な花見を催したことで知られる
醍醐寺(京都市伏見区)のしだれ桜「土牛の桜」の
クローン作成にも、同様の手法で成功。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/10/20100210dde041040027000c.html

NTTの宇治則孝副社長 「電子看板を100億円事業に」

(日経 2月3日)

商業施設や交通機関などに設置したディスプレーに、
広告を配信するデジタルサイネージ(電子看板)が注目。
ネットワーク経由で、時間帯や場所に応じた広告を効果的に配信、
広告市況が低迷する中でも高い成長が期待。

同分野への本格参入を発表したNTT持ち株会社の
宇治則孝副社長に、参入の背景や狙いを聞いた。

——なぜ今、電子看板事業に参入するのか?

「NTTは、2008年に策定した中期経営戦略の中で、
インフラ事業者から『サービス創造企業』への転換を掲げ、
光ファイバー通信回線の利用を促進する
新たなサービスの開発に総力。
3年目となる10年は、『サービス創造を花開かせる1年』と位置付け、
これまで準備してきた新事業を一気に商用化する計画」

「電子看板について、法人向けの光回線需要を創出する技術として
早くから注目、07年電機大手などと
『デジタルサイネージコンソーシアム(DSC)』を組織、
広告配信技術の標準化などを進めてきた。

09年、京浜急行電鉄の改札口などに電子看板を設置、
広告効果を確かめる実証実験にも取り組んだ。
景気低迷の影響で、広告ビジネスを取り巻く状況は厳しいものの、
電子看板の商用化に向けた環境が整ったと判断」

——NTTの電子看板事業の概要は?

まずは、ディスプレーとネットワークを組み合わせた
電子看板システムを2月1日に発売。
『ひかりサイネージ』というグループの統一ブランドを掲げ、
NTT東西地域会社やNTTドコモなど、グループ各社の
法人営業部門を通じて、フランチャイズチェーン(FC)を展開する
飲食業や金融機関、交通機関向けに販売する」

「電子看板事業への参入に当たって、パナソニック子会社の
ピーディーシーや丸紅と提携、両社からディスプレーなど
機材の供給を受けることに。
ネットベンチャーのニューフォリアとも組み、NTTが販売する
電子看板システムにニュースや占い、天気予報などの
コンテンツを配信してもらう」

——NTTの電子看板サービスの特徴は?

「利用企業のさまざまなニーズに応えられるよう、
導入規模やディスプレーの種類によって、3つのメニューを用意。
FCを展開する飲食業などを対象とする『ベーシックシリーズ』では、
ネットワーク経由でサービスを提供する『SaaS(サース)』の
仕組みを採用。

ネットワークを含め、月額料金で利用できるようにし、
企業の初期負担を軽減。
ディスプレーの大きさにもよるが、利用企業はディスプレー1台当たり
月1万円弱の費用で電子看板を導入」

「10年中、電子看板向けの広告配信サーバーを運用する
プラットフォーム事業にも乗り出す計画。
現在約170社が参加する標準化団体のDSCなどを通じ、
広告配信技術の標準化を推進、NTTグループが販売する
ひかりサイネージ以外のディスプレーにも広告を配信」

——ターゲットと販売目標は?

飲食店や商業施設だけでなく、官公庁や病院、美術館など
人が集まるあらゆる施設がターゲットに。
ドコモの携帯電話販売代理店『ドコモショップ』に、
ひかりサイネージを導入することも。

電子看板の市場規模は、ネットワークにつながったタイプに限っても、
2008年の約150億円から、15年に320億円前後に成長すると見込む。
15年までに、NTTグループで25~30%のシェアを獲得、
早期に売上高100億円規模の事業に育てたい」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100202.html

新日鉄も実験、CCSは切り札か

(日経 2010-02-08)

昨年12月、コペンハーゲンで開かれた
第15回気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で、
世界全体の長期目標として、気温上昇を2度以内に抑えるべく
行動することが盛り込まれた。

これは、世界の温暖化ガス排出量を2050年までに
ほぼ半減させることを意味。
13年以降、当面の削減の枠組み(ポスト京都議定書)の交渉に
進展がみられなかったことに隠れてしまったが、
長期目標の方は改めて確認された形。

CO2大幅削減は、人類にとって初めての経験。
長期目標をおおむね共有しているとしても、そこに至る道程で、
意見の相違や試行錯誤があってもやむを得ない。
そういったチグハグぶりの中には、見逃せないものも。

それは、CO2回収・貯留(CCS)をめぐる問題。
石炭火力発電所や製鉄所の高炉などの排気の中からCO2を分離し、
地中などに封じ込めてしまう技術。

CO2を直接、大量に削減できる技術として、
先進国を中心に関心が高く、日本でも高炉大手が手を組んで
今春から新日本製鉄君津製鉄所で、高炉ガスから
CO2を分離・回収する実験を始める。

排出削減の決め手とされ、略称の知名度も上がってきた。
実のところ、京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)に基づく
排出枠を生み出す手段として、認められていない「中途半端」な存在。

国際エネルギー機関(IEA)によれば、現行の省エネペースを続けた
程度では、50年には世界の温暖化ガス排出量は
05年比2.3倍の620億トンまで増える。
気温上昇を2度以内にする長期目標の条件を満たすには、
排出を140億トンまで抑え込まないとならない。

ギャップの480億トンをどうするか?
IEAの技術予測を織り込んだ分析では、19%をCCSが稼ぎ出す。
再生可能エネルギーの21%、原子力発電の6%と比較し、
いかに期待が大きいかが分かる。

先進各国が、ポスト京都で大幅な削減目標を受け入れても、
国内の自助努力だけでは達成は難しい。
海外から規模の大きな排出枠を調達する手段を確保するため、
CCSをCDMの中に位置付ける必要。
経済発展の過程で、化石エネルギーへの依存度が高まってくる
途上国にとっても、CCSは有効な温暖化防止対策。

05年、CCSのCDM化が適当かどうかを検討する作業が
始まったが、いまだに結論は出ていない。
コペンハーゲンでも、「CDM化することを推進する」との合意文書は
採択したものの、実質的に先送りに。

国際協力銀行の本郷尚・環境ビジネス支援室長は、
膠着の理由について、「技術上の問題や地中からのCO2漏出への
懸念よりも、排出量取引市場への影響がネックに」
大量の排出枠を生み出す可能性を秘めたCCSを認めれば、
既存の排出枠価格が下落しかねない。

CDM化に反対している代表格が、ブラジル。
ガソリンに代わる自動車燃料、バイオエタノールの生産大国だけに、
CCS活用による排出削減の加速が、自国の「特産品」の需要増に
水を差しかねない。

過去の議論の歴史をひもとけば、植林のCDM化を狙う南米勢と、
CCSを有望視する欧州・中東産油勢がけん制し合い、
両論併記に持ち込む駆け引きに終始。
COP15でも、CCSのCDM化をめぐって、
「サウジアラビアやブラジルが、互いの主張を人質にとったような状態」

地球温暖化防止のために何をするべきか——。
「ポスト京都」論議の混迷ぶりを含め、排出量取引など
低炭素社会の仕組みが定着し、経済を規定するようになるにつれ、
「原点」とのきしみが大きくなってきている。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100205.html

健康食品との付き合い方:/3 栄養の専門家、どう活用

(毎日 2月11日)

病気のとき、気軽に受診できる「かかりつけ医」がいると安心。
「病気の予防や健康維持で、かかりつけ管理栄養士が
身近にいれば、素晴らしいですね」、
鈴木志保子・神奈川県立保健福祉大学教授。
金メダルに輝いた北京五輪日本女子ソフトボールチームの
栄養管理をした管理栄養士。

鈴木さんは、サプリメントと健康食品は区別して考えた方が
活用しやすい。
ビタミンやミネラルは、れっきとした栄養素。
栄養素を補う目的で使うのが、ビタミンやミネラルのサプリメント。
健康食品は、さまざまな疾病の予防やより健康になるための
目的で、食物の抽出物などを利用。

「ビタミンなどのサプリメントは、賢く使えば健康維持に役立つ」。
鈴木さん自身、スポーツ選手との合宿など仕事で忙しく、
おにぎり程度の食事しかできない時は、
ビタミンB群やCのサプリメントで栄養素を補う。

一般人にとって、どんな時に、どんなサプリメントをどれくらい
摂取すればよいかが判断しにくい。
鈴木さんは、「どの薬局にも、かかりつけ管理栄養士のような
アドバイザーがいれば、誰でも気軽に相談できる」と、
アドバイザーの充実を期待。

国の審査で、健康効果が認められた特定保健用食品(トクホ)でも、
専門家のアドバイスがあると効果が得やすくなる。

たいていの人は、トクホを軽い気持ちで取っているが、
国立健康・栄養研究所の梅垣敬三・情報センター長は、
「食後の血糖値の上昇を抑えるトクホを取るのであれば、
同時に糖質の取り過ぎを避けて食物繊維を多めに取るなど、
食生活全体を見直すきっかけに

サプリメントや健康食品を賢く活用するには、
それ相当の知識やアドバイスが必要。
専門家はどこにいるのか?どうすれば相談できるのか?

専門知識をもったアドバイザーは全国にたくさんいるが、
その存在はほとんど知られていない。

臨床検査技師などで組織する「健康食品管理士認定協会」
(事務局・鈴鹿医療科学大学内)は、一定の試験を課して
健康食品に詳しい健康食品管理士を養成。
約7000人もいるが、主に病院で働き、消費者の認知度は低い。

積極的に活用する医療機関も現れた。
香川大学医学部付属病院では、健康食品管理士の
多田達史・臨床検査技師が、糖尿病教室などで定期的に
健康食品の相談にも応じている。
「健康食品管理士の資格を持っている」と話すと、
患者たちが健康食品のチラシをもってきて、
「これは効くの?」などと質問。
「健康食品の話になると、患者の目がぱっと輝く」と
関心の高さを実感。

こういう活動はまだ少ない。
長村洋一同協会理事長(鈴鹿医療科学大教授)は、
「せっかくの能力が生かされていない。
薬局や自治体の窓口に、アドバイザーを配置するようなことを
国が決められないものか」

こうした専門家はほかにもいる。
国立健康・栄養研究所では、認定試験を実施し、
「栄養情報担当者」(NR)を養成。
主に管理栄養士や薬剤師で約4000人いるが、
やはりあまり知られていない。
同研究所の梅垣さんは、「自治体の消費生活センターに配置し、
相談に応じられるような仕組みができないものか」と、
消費者庁の政策に期待。

日本栄養士会では、2年前から全国の都道府県に
栄養ケアステーションを設け、健康指導などを行っている。
東京の本部では、健康食品の相談にも応じている。
以前に保健所で働いていたという管理栄養士の
迫和子常務理事は、「管理栄養士や薬剤師のいる保健所に、
消費者がもっと相談していい」

米国では個人で契約し、健康や疾病の相談に応じてくれる
パーソナル管理栄養士がいる。
健康食品やサプリメントへの関心が高まるなか、
日本でも全国に数多くいる専門家をどう活用するか、
知恵の見せどころ。

http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100211ddm013100161000c.html

2010年2月16日火曜日

脳細胞:「ひげ」は右回り 左右の脳に非対称性 理研、大阪大チームが解明

(毎日 2月2日)

脳の神経細胞から伸びるひげ状の「神経突起」は
成長する際、先端部が時計と同じ右回りに回転、
理化学研究所と大阪大のチームが動物実験で発見。

回転が左右の脳の非対称性を生み、
右脳と左脳の機能分担を生じさせると推測。
米科学誌「ジャーナル・オブ・セルバイオロジー」で2日、発表。

理研の上口裕之チームリーダー(脳科学)らは、
ラットの神経細胞を特殊なゲル状の溶液中で三次元的に培養。
あらゆる方向に成長する神経突起の先端の動きを記録。

神経突起の先端にあり、突起の進む方向を決める
「成長円すい」から、多数飛び出ているとげ状の「糸状仮足」という
部分が、根元から見て、時計回りに回転し続けている。
毎分1回転で、回転しつつ伸び縮みしている。

遺伝子操作で、糸状仮足の回転を止めると、
通常右曲がりに伸びる神経突起が直線的に伸びるようになった。
右脳、左脳とも、回転は右回りだった。
左右の脳の神経回路は、鏡に映した対称形ではなく、非対称になる。

上口さんらは、「非対称の神経回路が右脳、左脳の
機能差を生むと考えられる。
回転を止めたり逆にした神経細胞を作ることで、
脳のメカニズムを解析する新しい方法が生み出せる」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/02/20100202ddm012040080000c.html

大豆食品で肺がんリスク低 非喫煙男性、厚労省研究班

(2010年2月5日 共同通信社)

たばこを吸わない男性では、豆腐や納豆などの大豆食品に
含まれるイソフラボンの摂取量が多い人が肺がんになるリスクは、
摂取量が少ない人の半分以下だとの研究結果を、
厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎
国立がんセンター予防研究部長)が公表。

研究班は岩手、秋田など8県に住む45~74歳の
男女約7万6千人を平均約11年間、追跡調査。
男性481人、女性178人が肺がんになった。
食事内容のアンケートからイソフラボンの摂取量を算出、
男女をそれぞれ4グループに分け、肺がんの発症率を比較。

男性のうち、非喫煙者では、イソフラボン摂取量が最も多い
グループ(豆腐換算で1日約203g)の発症率は、
最も少ないグループ(同約37g)の43%。
男性全体では、関連は出なかった。
喫煙の影響があまりに大きいため。

豆腐1丁は、300~400g程度。
女性でも、統計学的に意味のある差はなかったが、同様の傾向。

肺がんと女性ホルモンの関係を指摘する報告があり、
女性ホルモンと構造が似ているイソフラボンの摂取が
肺がん発症に影響するか注目、今回と同じように
イソフラボンの摂取で肺がんリスクが下がることを示唆する
海外の報告がある。

同センター予防研究部の島津太一研究員は、
「肺がんの最大の原因は、やはりたばこ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/5/115575/

諸外国から学ぶスポーツ基本法:フランス

(sfen)

◆フランスのスポーツ基本法の形成

フランスにおけるスポーツ法は、
第1に、1940年のスポーツ組織に関する法律、
1945年のスポーツ非営利社団、リーグ、連盟および団体に関する
臨時立法、学校および大学のスポーツ組織に関する臨時立法など、
スポーツ団体組織を中心に制定され、
特別なスポーツ団体法が形成。

第2に、1940年代から1950年代に、スポーツ活動の安全を
確保するため、スキー、水泳、山岳ガイド、柔道の
指導者資格に関する特別法が制定。
1963年、スポーツ教育者の職業資格全体に関する法律が制定。

第3に、1958年にド・ゴール政権となり、1960年ローマオリンピックでの
惨敗を契機とし、スポーツ行政の強化が求められ、
1966年青少年・スポーツ省が設置、スポーツ専門の公務員制度が確立、
総合的なスポーツ政策が展開、関連する法令の整備が進んだ。
1961、1965、1971年、スポーツ施設に関する長期計画法が制定。

以上の法令の展開を受け、1975年フランスにおける最初の
スポーツ基本法「体育およびスポーツの発展に関する法律」制定。
同法は、教育改革の影響も受けて、
体育とスポーツの両方の基本を定めた。
ヨーロッパみんなのためのスポーツ憲章の制定に対応し、
あらゆる人が、あらゆる水準で、スポーツ活動に参加する
自由と平等の原則を定めた。

1984年、「身体的およびスポーツ的活動の組織および促進に
関する法律」が制定。
同法は、1941年スポーツ施設に関する法律、
1963年スポーツ教育者の職業資格に関する法律、
1975年スポーツ基本法を廃止、
それまでの関連する諸規定を統合。

第1条では、「身体的およびスポーツ的活動の発展は、
一般の利益にあたり、身体的およびスポーツ的活動の実践は、
性別、年齢、能力または社会的条件がいかなるものであろうとも
各人にとって権利である」と、スポーツに関する権利を定めた。

関連するスポーツ判例法の影響を受け、
スポーツ連盟に公役務の任務を与え、スポーツ連盟の処分決定に
関する紛争を、行政裁判所の管轄として認めた。

◆フランスのスポーツ法典

1984年スポーツ基本法は、①学校体育・スポーツ、
②スポーツ会社、③地方公共団体、④プロフェッショナルリーグ、
⑤プロフェッショナルスポーツ(選手契約・代理人)、
⑥自然スポーツ、⑦公開スポーツ施設、⑧スポーツ行事の安全、
⑨スポーツ行事の放送・営業権・放送の自由、⑩段位交付、
⑪スポーツの財政、⑫海外における法の適用について、
関連する諸規定が追加、改正された。

スポーツの経済的活動など諸課題の解決と、
安全なスポーツ環境の整備を目的として改正が行われた。
学校体育について、教育行政への統合が求められ、
教育法典の体系に組み込まれることに。

フランスにおいて、ドーピングに関する特別な法律が制定。
最初のドーピング法は、1966年制定、1989、1999、2006年に
新しい法律が制定。
フランスドーピング法は、ドーピング対策とスポーツマンの
健康の保護の両面を定め、
2000年公衆衛生法典の特別法としても位置付け。

フランスにおける法典化、法の簡素化に関する政策の影響を受け、
スポーツ法は、1984年スポーツ基本法、ドーピング法、
教育法典における体育・スポーツ教育に関する規定を
中心にまとめられ、2006年スポーツ法典として編さん。

スポーツ法典は、4編14章32節254条からなり、
第1編:身体的およびスポーツ的活動の組織、
第2編:スポーツのアクター、
第3編:スポーツ実践、
第4編:諸規定から構成。

スポーツ法典は、①組織、②人、③実践のレベルから構造化。
具体的には、スポーツ法の一般原理、国、地方公共団体など
公法人によるスポーツ振興の責務、スポーツ非営利社団、
スポーツ会社、スポーツ連盟、プロフェッショナルリーグ、
フランスオリンピックスポーツ委員会、スポーツ調停、
スポーツの職業教育、有償スポーツ教育と資格、
高水準スポーツ、プロフェッショナルスポーツ、選手契約、
スポーツ代理人、スポーツマンの健康、ドーピング対策、
動物ドーピング対策、自然スポーツ、スポーツ施設、スポーツ保険、
スポーツの衛生および安全、スポーツ行事の組織および安全、
スポーツ行事の放送、スポーツの財政、海外適用規定など
多様な規定がある。

◆日仏のスポーツ法の比較と提言

日本において、フランスのスポーツ基本法、スポーツ法典のように、
スポーツに関する特殊な法体系の基本を定め、
その整備を図る必要がある。

第1に、公権と私権の両側面からスポーツ基本法の立法を行う。
これまでの日本のスポーツ振興法のように、
行政によるアマチュアスポーツの振興を中心にだけ
立法を考えるのではなく、プロスポーツなどスポーツの経済的活動、
スポーツ連盟、スポーツ非営利社団、スポーツ会社などといった
スポーツ団体組織の法的基盤を定めるなど、
社会的経済的に多様な側面からスポーツ法を立法する必要。

行政によるスポーツの助成を単に定めるのではなく、
自由や平等、安全、公正などに基づいて、
行政によるスポーツの規制や人権の保護についても
積極的に定める必要。

第2に、日本のスポーツ振興法は、教育関係法として位置付いてきたが、
スポーツに関する総合的体系的な立法と施策の展開を
実施するためには、スポーツ基本法を制定し、
ひとつの独立した特殊法として認めていく必要。
スポーツを総合的に規律していくためには、
専門の主務官庁によって、政策と立法の整備を進める必要。

第3に、フランスでは、スポーツの振興の責任は、
行政とスポーツ運動組織の共同責任であると考えられている。
スポーツ基本法は、単にスポーツ行政とその施策を定めるものではなく、
スポーツ団体組織の法的地位を明白に定め、
両者のパートナーシップを定める必要。

◆斉藤健司

筑波大学大学院人間総合科学研究科・体育科学専攻・准教授、
日本スポーツ法学会理事、日本体育・スポーツ政策学会理事、
著書「フランススポーツ基本法の形成」成文堂、
共著「スポーツ法学入門」体育施設出版、
「導入対話によるスポーツ法学」不磨書房、
「スポーツ政策の現代的課題」日本評論社など。

http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol2-1.html

2010年2月15日月曜日

理系白書’10:挑戦のとき/22 防災科学技術研究所主任研究員・長江拓也さん

(毎日 2月9日)

「ブレーブテスト(勇気ある実験)」
国際学会で発表するたび、規模の大きさに称賛の声。

95年、阪神大震災を機に建設された実験施設
「E-ディフェンス」(兵庫県三木市)。
実際に観測された地震波などを再現し、実物大のビルや家屋を
丸ごと揺らすことができるこの施設で、
長江さんは超高層ビルの耐震性を研究。

揺れを作り出す震動台は、縦15m、横20m。
台上に、実際に建設会社が建造した鉄骨4階建てのビルを据え、
その上に4枚のコンクリート板(重さ約700トン)を重ねる。
20階建てを想定した「模擬高層ビル(高さ21m)」。
このビルを、揺れ1往復に2秒以上かかる
「長周期地震動」で揺らす。
近い将来起きる可能性の高い巨大地震、
東海・東南海・南海地震で生じると考えられる震動。

実験中、制御室の窓から上をのぞくと、
ビルがしなりながら揺れている。
万一に備え、倒壊を防ぐ鉄製ストッパーなどの対策を施し、
「強度計算も全部自分でやっているから、
うまくいくかどうかドキドキした」と振り返る。

実験では、揺れのエネルギーが鉄骨の柱とはりの接合部に
集中して切断することが確認できた。
実際に起きれば、ビル自体が使えなくなる深刻な被害。
同じビルに、油圧ダンパーと呼ばれるエネルギー吸収装置を
付ければ、被害を防げることもわかった。
「超高層ビルを、耐震改修しなければいけない根拠を示した
初の実験」と胸を張る。

明治大で建築を学んだが、もともと目指していたのはデザイナー。
子供のころ、家が増築されたのがうれしくて、
「設計は、みんなに喜んでもらえる仕事」と思ったから。

2年生の95年1月、成人式のため帰省していた愛知県の実家で、
阪神大震災の揺れに遭遇。
「こんなことが本当に起きるのか、という大災害。
起きないためにどうしたらいいのか」と志望を変え、
耐震工学を専攻。
コンクリートや鉄骨構造などを学び、今のテーマにたどりついた。

耐震工学は、実際の被害を教訓に知見を積み重ねてきた分野。
「超高層ビルなどが密集した都市が、
巨大地震で被害を受ければ、日本は立ち直れなくなる。
これまでのやり方は当てはまらない」と危機感。

「超高層ビルは、解体する方法がなく、どうやって地震後も
使い続けられるようにするかを真剣に考えなければ。
そのためには、被害を予測して予防しなければならない。
被害を実際に見るための実験がとても大切
==============
◇ながえ・たくや
74年、愛知県瀬戸市生まれ。東京工業大院博士課程修了。
米スタンフォード大、京都大研究員を経て、06年から現職。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/09/20100209ddm016040196000c.html

塩分 やっぱり、日本人3大死因の引き金 厚労省、8万人調査

(2010年2月4日 毎日新聞社)

塩漬け食品の取りすぎや、食事全体で塩分の多い
生活習慣を続けると、各種のがんや循環器疾患
(心筋梗塞、脳卒中など)を発症しやすいことが、
厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。

がんと循環器疾患は国民の死因の1~3位、
全体の6割近くを占める。
胃がんなど一部の疾患では知られていたが、
塩分の取りすぎが多くの生活習慣病に影響するとのデータが
示されたのは初めて。

調査は、8県に住む45~74歳の男女約8万人を対象。
対象者を、食事全体の塩分(ナトリウム)摂取量、塩辛や漬物、
イクラなど塩漬け食品の摂取量によって5グループに分け、
6~9年間の調査期間中のがん、循環器疾患の発症状況を調べた。

塩分全体の摂取量が多い群(1日当たり平均17・8g)は、
少ない群(同7・5g)に比べ、循環器疾患の危険性が約2割高かった。

塩漬け食品の摂取量が多い群は、何らかのがんを発症する
危険性が11~15%高かった。

塩漬け食品の摂取量が多い群の循環器疾患の危険性は
高くはなかったが、魚や野菜に循環器疾患を予防する
栄養素が含まれるため。

研究班の津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長は、
「調味料の塩分を減らし、塩漬け食品を食べる回数を減らすことで、
多くの生活習慣病を予防できるだろう」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/4/115530/

認知症予防、青魚で効果 島根大グループが実証

(2010年2月3日 毎日新聞社)

青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)や
EPA(エイコサペンタエン酸)を毎日食べ続けることで、
認知症予防に効果があることを、
島根大医学部の橋本道男准教授(脂質栄養学)のグループが、
高齢者108人に行った試験で実証。

100人規模の高齢者を対象に、実際に毎日食物として
食べさせるなどする「介入試験」で効果を実証したのは国内初。
米国・ハワイで開催の国際アルツハイマー病会議で発表。
島根県立大などと共同で実施。

同県在住で、65歳以上の健常な高齢者108人(平均年齢73歳)を、
二つのグループに分け、一方にDHA850mg、EPA200mgを含む
魚肉ソーセージ、もう一方にいずれもほとんど含まない
魚肉ソーセージを1年間、毎日2本ずつ食べさせた。

一度見た図形を模写するテストや、あらかじめ決められた
ルールに沿って、指を動かすテストを行ったところ、
DHA入りを食べていたグループは成績が改善、
短期記憶や運動能力などの機能低下が抑制。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/3/115475/

諸外国から学ぶスポーツ基本法:イギリス

(sfen)

イギリスのスポーツに関する政策の改革は、
過去10年の間に起こった。
変革と呼ぶにふさわしいほどの劇的な改革、
イギリスのスポーツを政策の中心に位置付ける方法は、
わが国にとっても注目に値する。
英国ラフバラ大学研究員の山本真由美さん。

◆スポーツ先進国家に向かうイギリスのスポーツ政策

イギリス政府は、伝統的にスポーツに対する政策は
「無関心」状態だったが、過去10年間にスポーツが
国家の政策的中心に位置づけ、スポーツを通した
社会的課題の解決を目指した政策展開がなされてきた。

2012年ロンドン・オリンピック・パラリンピック(London 2012)開催が
決定されて以降、イギリスのスポーツの政策目標は、
同国が「世界のスポーツ先進国家」として確固たる地位を築くこと。

◆スポーツの「国家戦略化」への道筋

イギリスのスポーツ政策、スポーツの政策環境の特徴は、
エリートレベルのスポーツ支援、アンチ・ドーピング政策、
オリンピック・パラリンピック大会開催以外、
国民国家として統一された「スポーツ政策」が存在しない。
「スポーツ基本法」のような統一的な法整備はなされていない。

中央政府には、スポーツ担当省となる文化・メディア・スポーツ省(DCMS)
の国務大臣、イングランドのスポーツ大臣(Minister for Sport)など、
英国の各4地域にスポーツ担当大臣が存在する。

イギリスが、「スポーツにおける先進国家」を目指し、国家戦略として
政策展開を試みている背景には、
London 2012を成功裏に開催すること、
自国大会開催でのイギリス・チーム(Team GB)の成功
(オリンピック・メダル獲得数4位、パラリンピック・メダル獲得数1位)、
大会後も続くスポーツへの、スポーツを通したレガシーを
国内、国際社会に根付かせるという目的。

国内的制約があるにも関わらず、各中央スポーツ組織が統一した
ヴィジョンを持って、パートナーシップを形成する。
エリートレベルのスポーツ支援を通し、
イギリスのスポーツ全体を底上げするという方策がとられている。

◆政権交代後に掲げられたスポーツの近代化

スポーツ政策において、現在のような方策が
とられるようになったのは、ここ10年前後。
1997年、保守党から労働党に政権交代、
労働党の基本的政策理念に合致させた形で、
スポーツも「変革」を余儀なくされた。

変革の一番の特徴は、スポーツを「近代化」すること。
それまでのスポーツ組織は、ボランティア・ベースの
アマチュア団体が主で、各団体間の関係が複雑で連携が希薄。
そのような団体を効率の良い運営形態へ移行させ、
専門知識を持った人材の登用を奨励し、
「エビデンス(証拠)」を基にした財政支援の原則を
導入することで、これを促した。

特記すべきは、上記の変革を促進させるため、
「エリート・スポーツ vs 生涯スポーツ」といった、
往々にして想起される対立構図を捨て、
確固たる長期的戦略目標を中核に据え、
目標達成のための青写真と、踏むべきステップ(施策)を
具体的に描いたということ。

DCMSと子ども・学校・家庭省(Department for Children,
Schools and Families, DCSF)の両省庁が連携する
「若者の体育・スポーツ戦略(PE and Sport Strategy for
Young People, PESSYP)」は、学校、コミュニティー・スポーツ、
エリートのレベルに至るまでのパートナーシップ、パスウェイを
横断的に構築することを目指した好例。

◆脚注
※1. The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
(the UK, GB)。
イギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの
四地域(ネーション)から構成、1999年、スコットランド議会が開会、
地域分権政策がさらに進行。
ネーションに権力移譲された政策分野には、
スポーツや教育も含まれ、各ネーションがそれぞれ担当大臣を有する。
1944年以来、最も重要な法律、ナショナル・カリキュラム(学習指導要領)
を導入した1988年教育改革法(Education Reform Act)は、
スコットランドには適応されていない。

※2. イギリスには、法的に統一されたスポーツ政策の展開ができない。
2012年ロンドン大会開催決定後、2006年英国議会は、
「オリンピック法(Olympic Bill)」を可決、首相直属の内閣府に
オリンピック大臣が任命。
オリンピック法を根拠とし、実質的に国家として統一した
スポーツ政策の展開がなされている。

※3. 山本真由美「『先進スポーツ国家』へ?
-イギリスのエリートスポーツ政策の分析」
*Japanese Journal of Elite Sports Support*, Vol. 1, pp.1-11参照。

※4. PESSYPは、03~08のPhysical Education, School Sport &
Club Link (PESSCL)プログラムを拡大、5~16歳まで週5時間以上の
質の高い体育とスポーツ、16~19歳に、スポーツからの脱落を
回避するため、週3時間以上のスポーツ・イン・スクールを
達成することを目的。

◆今後のわが国のスポーツ政策展開に向けて

わが国でも、「スポーツ基本法」成立を目指した動きが高まりを
見せているが、スポーツ権の問題、
スポーツ省/庁設置に関する議論、
スポーツ関連予算を有する各関係府省の棲み分けの問題、
公的資金(補助金)の分配(方法と分配先)、
スポーツ関連基金や国営くじの活用方法とその位置づけの明確化等、
議論し整理を付けるべき課題が現状まだまだ山積。

わが国のスポーツ行政は、スポーツ・体育施設整備や体力の増強、
健康の増進のための指標、指導者や組織の育成などの事業に関し、
国家として統合された目標が示されていない。

イギリスのスポーツ政策環境は、各関連領域が法的根拠に則り
一元化されたものではない点で、わが国と近似関係にある。
国家の成長戦略として、スポーツを政策の中心に位置づけ、
目標を共有し、省庁等各組織間の実質的な連携を
成功させていることは注目に値する。

◆ハイ・パフォーマンス・センター(シェフィールド)

国際競技力向上計画の一環で建設された、
ハイパフォーマンス・アスリートの包括的なサポートを
目的とした施設の一つ。
当センターには、インドア・アウトドア・トラックや
ウェイトトレーニング場、理学療法、マッサージ、体力測定、
食事プログラム、アスリートの競技内外の生活をサポートする
パフォーマンス・ライフ・スタイル・プログラムを受けることができる。
イングランド内には、バーミンガム大学、ラフバラ大学、
ロンドン郊外ビッシャム・アビー、シェフィールドを含む9カ所に設置。

マスタープランとは、失業、住宅、景観、環境、福祉など、
さまざまな問題への社会的な価値判断をともなった政策方針。
スポーツの普及・振興も含まれ、文化・メディア・スポーツ省は
スポーツに関する計画や改善策を提示。

◆近年におけるイギリスのスポーツのマスタープラン

A Sporting Future for All(全ての人にスポーツの未来を)
2000年/DCMS発行
エリート・スポーツと学校体育の二大政策課題、
スポーツの社会政策的価値の認識の明確化、
組織の近代化、公的資金の効率的な活用

Game Plan(ゲーム・プラン)
2002年/戦略ユニット(Strategy Unit)& DCMS 共同発行
2020年までの長期目標、政府の役割の明確化、
公的資金の必要性、スポーツの社会政策的価値の認識

Playing to Win: A new era for sport(勝利に向けて: スポーツの新時代)
2008年/DCMS発行
London 2012のレガシーを根付かせ、世界の先進スポーツ国家へ
例:2012年までに200万人が日常の身体活動に参加

◆山本真由美

英国ラフバラ大学博士号。
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)勤務。
ラフバラ大学オリンピック・スタディーズ研究センター客員研究員。
嘉納治五郎記念国際研究・交流センター研究員。
スポーツ政策専門。
エリートスポーツとアンチ・ドーピング政策の展開についての研究。
Comparative Elite Sport Development共著。

http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol1-1.html

2010年2月14日日曜日

健康食品との付き合い方:/2 機能表示、よく理解して

(毎日 2月10日)

健康食品の中でも、国が有効性や安全性を認めた
特定保健用食品(トクホ)の人気は高い。
現在約900品目もあり、消費者にすっかり定着。
表示の意味を正しく理解せず、過剰な効果を期待してはいないか?

<体に脂肪がつきにくい>と表示されている
日清オイリオの食用油「ヘルシーリセッタ」。
分子の鎖が短い中鎖脂肪酸を含むため、通常の油より
肝臓での分解が速く、脂肪として体内に蓄積しにくいのが特色。
摂取するだけで、すでにある体脂肪が減ったりするわけではない。
同社広報・IR部は、「あくまで通常の油に比べ、
体内で脂肪になりにくいという意味」と説明。

トクホ製品の中でも、代表的なヒット商品となった
サントリー「黒烏龍茶」には、<脂肪の吸収を抑える>。
この意味は、「脂肪の多い食事と一緒に飲むと、
食後の中性脂肪の上昇を抑えるということ」で、
「空腹時でも、中性脂肪が下がるというわけではない」(同社広報部)。

<血糖値が気になる方に>と表示されている
大正製薬の「グルコケア」は?
でんぷんの一種、難消化性デキストリンを配合し、
小腸での糖の吸収を穏やかにするが、大正製薬広報室は
「食事の時に飲めば、糖類の吸収が抑えられ、
食事30分後の血糖値が下がるという意味」。
血糖値の高い人が毎日飲んで、血糖値が下がるものではない。

適切な利用法を知らないと、思わぬ健康被害に遭う恐れも。
トクホなどの健康食品と薬の飲み合わせを詳しく解説した
「健康食品ポケットマニュアル」(416ページ)をまとめた
「健康食品管理士認定協会」(事務局・鈴鹿医療科学大学内)によると、
血糖値改善をうたうトクホ製品と血糖値を下げる医薬品を
同時に服用し、血糖値が下がり過ぎたとの症例報告。
糖尿病などの疾患がある人は、トクホを利用する際、
医師に相談したほうがいい。

加藤亮二・香川県立保健医療大学教授は、
「トクホは食品なので、あくまで健康な人が病気の予防目的で
利用すべきもの」
血糖値を下げる製品の場合、「太っていて、血糖値が気になるという人が、
時々摂取して血糖値を下げながら生活し、
糖尿病になるのを遅らせるという意義はある」

現実に、血糖値の高い人が、トクホを利用しているからという理由で、
つい肉類などを食べ過ぎ、食生活の改善を怠ってしまうというケース。
どんな人がどれだけ、どのくらいの期間摂取すればいいのかまで
表示されていればよいのだろうが、
加藤さんは、「服用期間まで表示すると、医薬品の領域に入ってしまう」、
健康食品の表示の難しさ。

商品によって、最低限度の注意書きが小さく記されていたり、
メーカーのホームページなどで詳しい説明がされている。
インターネットを使わないお年寄りや、「トクホは健康にいい」という
漠然としたイメージで利用している消費者には、
十分には伝わっていない。

<虫歯の始まりである脱灰を抑制し、歯を丈夫で健康にします>と
表示されたトクホのリカルデントガム(キャドバリー・ジャパン)。
小さなパッケージの脇に、<1日摂取目安量:2粒を同時に1日4回、
1回あたり20分間を目安にお召し上がりください>

蒲生恵美・目白大学講師が、学生約300人に聞いたところ、
このガムを食べている学生の多くが、
「1粒かむだけで効果がある」と勘違い。

トクホの望ましい利用法を、消費者にどう伝えていけばよいか?
蒲生さんは、まず「消費者が表示をきちんと確認することが大事」とし、
「メーカー側も、注意しなければならない持病のある人は
対象外とすることや、どういう試験で有効性が確かめられたか、
もっと分かりやすく示す必要がある」と提言。

◇制度見直しへ、国が有識者会議

トクホなど健康食品の表示を巡って、消費者庁が昨年11月から
有識者による検討会を設置し議論、今年度中に
トクホ制度の改正も含む論点を整理する方針。

検討会では、「有効性をうたって販売するすべての食品を網羅する
ルールを確立すべきだ」(全国消費者団体連絡会)、
「トクホは、機能性の表示があいまいで正しく伝わらず、改善すべき」
(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会)、
消費者団体から現行制度の見直しを求める意見。

業界団体の健康食品産業協議会も、
「健康食品全体を包括した枠組み作りが必要」、
見直し自体に目立った異論は出ていない。
何をどう見直すかといった具体的な方向性は、まだ定まっていない。

http://mainichi.jp/life/health/archive/news/2010/02/20100210ddm013100154000c.html

壊死の筋肉、tPAで再生 マウス実験で東大医科研

(2010年2月4日  共同通信社)

脳梗塞の治療薬として使われている「tPA」を投与し、
血管の閉塞が原因で壊死したマウスの筋肉を再生することに
成功したとの実験結果を、東京大医科学研究所の
服部浩一・特任准教授らが4日までにまとめた。

新型万能細胞「iPS細胞」などの細胞を使わず、
実現性の高い再生医療の可能性を示すもので、
心筋細胞や神経細胞の再生も可能ではないか。

服部准教授らは、tPA投与によって体内にプラスミンという
物質が増え、骨髄由来のさまざまな細胞が、
壊死した組織の周囲に集まることを見つけた。

これらの細胞の中には、組織の再生を促す
血管新生因子をつくり出すものもあった。

そこで、足の血管を閉塞させ、筋肉を壊死させたマウスに
tPAを投与すると、筋肉の再生と歩行などの機能回復が
促進されることが判明。
出血などの副作用は見られなかった。

服部准教授は、「再生医療を臨床応用する際の倫理面や
安全性の課題が少なく、実現性の高い研究結果」

tPAは、脳血管に詰まった血の塊を溶かす作用があり、
脳梗塞発症から短時間のうちに投与すると効果がある。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/4/115513/

メタボ腹囲は科学的根拠なし…線引き困難

(2010年2月9日 読売新聞)

メタボリックシンドロームの適正な診断基準を検証していた
厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大学教授)は、
診断の必須項目の腹囲の数値によって、
心筋梗塞や脳梗塞の発症の危険性を明確に判断できないとする
大規模調査の結果をまとめた。

現在の腹囲基準(男性85cm、女性90cm以上)の
科学的根拠を覆すもので、診断基準の見直しに影響。

現在の診断基準は、腹囲に加え、血糖、脂質、血圧の3項目で
2つ以上で異常があった場合、メタボと診断、
保健指導(積極的支援)の対象。

他の先進国に比べ、男性の腹囲基準は厳しすぎる、
女性の基準は逆に甘いと、批判。

研究班は、全国12か所の40~74歳の男女約3万1000人に、
心筋梗塞、脳梗塞の発症と腹囲との関連を調べた。

その結果、腹囲が大きくなるほど、発症の危険性は増加したが、
特定の腹囲を超えると、危険性が急激に高まるという線引きは
困難であることがわかった。

現在の腹囲基準は、学会などが集めた小規模の研究データをもとに、
腹囲が基準を超えると、内臓脂肪が蓄積して、
生活習慣病になりやすいという前提で設定。

同研究班は昨年、腹囲が男性85cm、女性80cmを超えると、
血糖や脂質などの検査データの異常が急激に増える、
ということを明らかにし、今回の発症との関連では
腹囲基準の妥当性は導きだせなかった。

国際的には、腹囲を必須とせず、総合的にメタボを診断するのが主流。
米国では、腹囲(男性102cm、女性88cm以上)は中性脂肪、
HDLコレステロール、血圧、血糖値を含めた
5つの診断基準の一項目に過ぎない。

今回の研究でも、肥満の人ほど発症しやすい傾向は変わりない。
現行の基準で、メタボと診断された人は、そうでない人に比べ、
発症の危険性は男性で1・44倍、女性で1・53倍高かった。

門脇教授は、「腹囲が大きくなるほど、心臓病や脳卒中を起こす危険は
男女とも高くなったが、基準値としてどの数値が明確なのかを
示すことは難しかった。
今回の研究結果をもとに今後、最適な腹囲の基準について
議論をしていく必要がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/9/115722/?pageFrom=m3.com