(日経 2010-03-19)
脳を巡る怪しい研究成果や根拠の乏しい説、
いわゆる「神経神話」を撲滅していこうとする動き。
誤った知識が広まれば、脳科学全体の信頼を損ない、
学術の健全な発展や成果の社会還元に支障を来すとの
危機感が背景。
日立製作所の小泉英明フェローによると、
脳科学は誤解の生まれやすい分野。
人々の関心は高いが、分野横断的な研究が必要で、
簡単に実証できない問題が多い。
“脳科学者”と称する専門家が、「最近の研究からすると……」と
解説し始めれば、一般の聞き手は「そうなんだ」と、
たやすく受け入れてしまう素地がある。
経済協力開発機構が、2007年にまとめた報告書
「脳の理解:教育科学の誕生」には、定説のように扱われるが
根拠の乏しい神経神話に注意を払おうと、
特別に1章が設けられた。
この作成にかかわった小泉フェローは、
「脳の成果を発表するとき、研究者は慎重にならなければいけない」
◆神経神話の事例
1 脳に重要なすべては、3歳までに決まる
2 学習には最適な時期がある
3 私たちは脳の10%しか利用していない
4 右脳型の人と左脳型の人がいる
5 男性の脳と女性の脳は違っている
6 記憶力は改善できる
7 眠りながら学習できる
(経済協力開発機構の報告書より作成)
神経神話を語るとき、1960年前後のグルタミン酸ナトリウム騒動が
よく引き合いに出される。
イヌの大脳皮質に注射し、興奮性の作用が見つかり、
情報伝達物質として注目された研究が、
「グルタミン酸ナトリウムを食べると、頭がよくなる」という迷信に発展。
グルタミン酸ナトリウムは、調味料「味の素」の主成分。
当時、ごはんにかけて食べる人も現れた。
もちろん科学的な根拠はない。
その後、神経毒として作用する可能性がある報告も出て、
流行は去った。
今では、これを食べても脳に届かないことが分かり、
ブーム再来はなさそう。
現在の脳科学ブームは、似た危うさをはらんでいる。
心理学実験で、集中力を高める効果が分かっているゲームを、
「脳が活性化する」とうたってみたり、栄養学で健康維持によいと
される食事を「脳によい」と言い飾ったり。
消費者の関心を引き寄せるために、脳科学が乱用。
自然科学の研究者は通常、専門の討論の場以外で、
研究に関する批判や評価はしてこなかった。
場合によっては、特定の研究者を非難せざるを得なくなり、
「研究に関係のない発言は慎むべきだ」という“美徳”を
尊重するこれまでの学界なら、
神経神話も黙殺するだけにとどまったかもしれない。
最近、日本神経科学学会が拡大解釈した情報発信に
注意を促したり、脳ブームに警鐘を鳴らす出版物が
相次いで登場したりと、見過ごしておけないと主張する
研究者が増え始めている。
その要因は、脳科学全体があやしい研究分野と
思われ始めている状況を、社会に感じ取ったからだろう。
科学・技術が、社会と密接につながる現代では、
専門家の意見はいろいろな局面で重要な指針になる。
健全な議論は大いに歓迎すべきで、今後の研究者の
意識改革が成否を左右する。
市民も、興味本位で見聞きするのではなく、
ともに考える理屈っぽさが必要。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100317.html
2010年3月29日月曜日
2010年3月28日日曜日
放送電波のすき間に眠る「埋蔵金」
(日経 2010-03-18)
電波の有効利用で、経済の活性化を促す議論が熱を帯びてきた。
政府は、今国会で放送と通信の融合に向けた
放送法改正案の成立を目指す。
総務省の内藤正光副大臣は、7月をめどに
「ホワイトスペース特区」を創設。
放送目的の電波を、通信などにも利用可能にする
仕組みの検討が、本格的に始まる。
新たな電波政策は、斬新なITサービスの登場を促し、
日本経済を浮揚させる「埋蔵金」となるか?
「驚いた。画期的だ」
「電波の有効利用に関する国際シンポジウム」で、
内藤副大臣がホワイトスペース特区の早期設置を言明、
会場の推進派からは評価する声が上がった。
ホワイトスペースとは、テレビ局向けに割り当てられている
電波の周波数のうち、普段は使われていないすき間帯域。
本来、電波の混信を防ぐための「緩衝帯」のようなもの。
技術の進歩で、放送や通信での利用に道が開けつつある。
テレビ用の周波数は、VHFとUHFのアナログ放送用に
計62チャンネル分が割り当てられているが、
実際に使われているのは、首都圏でも10前後にすぎない。
通信業界や一部の学者らは、2011年7月の放送完全デジタル化を
機に、ホワイトスペースの“解放”を訴えていた。
総務省の姿勢が、ホワイトスペース活用に傾斜し始めたのは、
民主党への政権交代後。
「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」を立ちあげ、
ホワイトスペース問題を俎上に上げた。
年明け後、与党も一段と積極的に。
政権に、「成長戦略」を求める声が強まるなか、
巨額の財政出動を伴わず、内需をてこ入れする具体策として、
電波政策に注目。
総務省は、ホワイトスペースの活用案を募集。
計54の企業などから、103件の提案。
地域限定の携帯端末向け地上デジタル放送である
「エリアワンセグ」や、「デジタルサイネージ」と呼ぶ電子看板への
データ送信など、新規ビジネスのアイデアが含まれる。
米国では、大学構内のインターネット接続など、
地方都市の無線通信の環境充実に、
ホワイトスペースを利用する動き。
日本の放送界は、「ホワイトスペースなど存在しない」と主張。
すき間帯域を、空想上の「埋蔵金」扱いするなど、
慎重姿勢を崩していなかった。
ここに来て、軟化の兆し。
広告市場の低迷など、悪化する地方局の経営を、
電波の積極利用に転じることで打開しようとの議論が浮上。
放送法などの改正により、1つの免許で放送と通信サービスの
双方を展開できる“融合免許”が、制度として盛り込まれる方向。
慶大の中村伊知哉教授は、「地方局が深夜、余った電波で
通信サービスを提供できるようになる」
技術的な課題解決も含め、すき間電波の利用には曲折も予想。
米欧など、海外でも検討は進み、
電波の隠れた価値を顕在化させる動きは加速しそう。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100317.html
電波の有効利用で、経済の活性化を促す議論が熱を帯びてきた。
政府は、今国会で放送と通信の融合に向けた
放送法改正案の成立を目指す。
総務省の内藤正光副大臣は、7月をめどに
「ホワイトスペース特区」を創設。
放送目的の電波を、通信などにも利用可能にする
仕組みの検討が、本格的に始まる。
新たな電波政策は、斬新なITサービスの登場を促し、
日本経済を浮揚させる「埋蔵金」となるか?
「驚いた。画期的だ」
「電波の有効利用に関する国際シンポジウム」で、
内藤副大臣がホワイトスペース特区の早期設置を言明、
会場の推進派からは評価する声が上がった。
ホワイトスペースとは、テレビ局向けに割り当てられている
電波の周波数のうち、普段は使われていないすき間帯域。
本来、電波の混信を防ぐための「緩衝帯」のようなもの。
技術の進歩で、放送や通信での利用に道が開けつつある。
テレビ用の周波数は、VHFとUHFのアナログ放送用に
計62チャンネル分が割り当てられているが、
実際に使われているのは、首都圏でも10前後にすぎない。
通信業界や一部の学者らは、2011年7月の放送完全デジタル化を
機に、ホワイトスペースの“解放”を訴えていた。
総務省の姿勢が、ホワイトスペース活用に傾斜し始めたのは、
民主党への政権交代後。
「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」を立ちあげ、
ホワイトスペース問題を俎上に上げた。
年明け後、与党も一段と積極的に。
政権に、「成長戦略」を求める声が強まるなか、
巨額の財政出動を伴わず、内需をてこ入れする具体策として、
電波政策に注目。
総務省は、ホワイトスペースの活用案を募集。
計54の企業などから、103件の提案。
地域限定の携帯端末向け地上デジタル放送である
「エリアワンセグ」や、「デジタルサイネージ」と呼ぶ電子看板への
データ送信など、新規ビジネスのアイデアが含まれる。
米国では、大学構内のインターネット接続など、
地方都市の無線通信の環境充実に、
ホワイトスペースを利用する動き。
日本の放送界は、「ホワイトスペースなど存在しない」と主張。
すき間帯域を、空想上の「埋蔵金」扱いするなど、
慎重姿勢を崩していなかった。
ここに来て、軟化の兆し。
広告市場の低迷など、悪化する地方局の経営を、
電波の積極利用に転じることで打開しようとの議論が浮上。
放送法などの改正により、1つの免許で放送と通信サービスの
双方を展開できる“融合免許”が、制度として盛り込まれる方向。
慶大の中村伊知哉教授は、「地方局が深夜、余った電波で
通信サービスを提供できるようになる」
技術的な課題解決も含め、すき間電波の利用には曲折も予想。
米欧など、海外でも検討は進み、
電波の隠れた価値を顕在化させる動きは加速しそう。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100317.html
新しい波/336 女子サッカーの育成/3
(毎日 3月20日)
女子サッカーの全国高校体育連盟加盟が
認められたのは、08年5月。
それまで各校の女子サッカー部は、地方の高体連に所属、
全国組織には入っていなかった。
全国高体連サッカー専門部の女子部会が承認され、
高校年代最高峰のスポーツ大会である
高校総体(インターハイ)への道が開けた。
「女子サッカーを、なんとか正式な部活動として
認められるようにしたい」。
07年、全国高体連加盟に動いた東京・文京学院大女高の監督、
床爪克至教諭は、そんな思いを持っていた。
加盟条件は、「全国30都道府県以上の高体連に
加盟していること」だったが、07年度は33都道府県の約290校が
地元の高体連に加盟、規定をクリア。
現在、12年に北信越で開かれる高校総体から
実施される方向で話し合いが進んでいる。
高校の女子サッカー部が出場できる大会としては、
全日本高校女子選手権や全日本女子ユース選手権など、
日本サッカー協会主催の大会がある。
こうした高体連主催以外の大会は、学校側が
「公的な課外活動」として認めない場合があり、
選手は「公欠扱い」ではなく「欠席扱い」、
教員も「出張扱い」にならず休みを取らざるを得ないのが実情。
進学の推薦基準でも、高校総体の成績を条件に挙げる大学は多い。
全国高体連への加盟は、このような問題の解消にもつながる。
床爪教諭は、「正式な教育活動として認定されるようになると、
教員のかかわり方も違ってくる。
全国高体連加盟は、『公的な活動』としての後ろ盾になる」
指導を引き受ける教員が増えれば、
選手を取り巻く環境も変わってくる。
今年度の登録校数は、36都道府県の308校。
加盟前に比べ、女子サッカー部のある学校は徐々に増えてきた。
日本サッカー協会の上田栄治女子委員長も、
「インターハイの見通しが付くと、子どもたちの一つの目標になる」、
高校年代の広がりを歓迎している。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100320ddm035050062000c.html
女子サッカーの全国高校体育連盟加盟が
認められたのは、08年5月。
それまで各校の女子サッカー部は、地方の高体連に所属、
全国組織には入っていなかった。
全国高体連サッカー専門部の女子部会が承認され、
高校年代最高峰のスポーツ大会である
高校総体(インターハイ)への道が開けた。
「女子サッカーを、なんとか正式な部活動として
認められるようにしたい」。
07年、全国高体連加盟に動いた東京・文京学院大女高の監督、
床爪克至教諭は、そんな思いを持っていた。
加盟条件は、「全国30都道府県以上の高体連に
加盟していること」だったが、07年度は33都道府県の約290校が
地元の高体連に加盟、規定をクリア。
現在、12年に北信越で開かれる高校総体から
実施される方向で話し合いが進んでいる。
高校の女子サッカー部が出場できる大会としては、
全日本高校女子選手権や全日本女子ユース選手権など、
日本サッカー協会主催の大会がある。
こうした高体連主催以外の大会は、学校側が
「公的な課外活動」として認めない場合があり、
選手は「公欠扱い」ではなく「欠席扱い」、
教員も「出張扱い」にならず休みを取らざるを得ないのが実情。
進学の推薦基準でも、高校総体の成績を条件に挙げる大学は多い。
全国高体連への加盟は、このような問題の解消にもつながる。
床爪教諭は、「正式な教育活動として認定されるようになると、
教員のかかわり方も違ってくる。
全国高体連加盟は、『公的な活動』としての後ろ盾になる」
指導を引き受ける教員が増えれば、
選手を取り巻く環境も変わってくる。
今年度の登録校数は、36都道府県の308校。
加盟前に比べ、女子サッカー部のある学校は徐々に増えてきた。
日本サッカー協会の上田栄治女子委員長も、
「インターハイの見通しが付くと、子どもたちの一つの目標になる」、
高校年代の広がりを歓迎している。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100320ddm035050062000c.html
バイオ燃料:アオコから高効率抽出 従来の70倍に成功--電力中央研
(毎日 3月21日)
湖や池の水面を埋めるアオコから、
簡単に安くバイオ燃料を生み出す新技術の開発に、
電力中央研究所エネルギー技術研究所が成功。
従来の方法より、約70倍も生産性が高く、
製造時の環境影響も少ない。
日本化学会で発表し、水の浄化と地球温暖化対策の
一石二鳥になる「緑の原油」として、数年後の実用化を目指す。
同研究所の神田英輝主任研究員は、
スプレーの噴射ガスに使われる無害な溶剤ジメチルエーテルを、
20度で5気圧に加圧して液化し、アオコと混ぜ合わせる方法を考案。
溶剤の性質からアオコに自然に染み込み、
乾燥・粉砕して細胞組織を壊さなくても、
油分を溶かし出せることを確認。
溶剤は、減圧すれば蒸発するため、分離・回収も簡単で、
製造過程のエネルギー使用も激減する。
京都市内の池のアオコを使った実験では、
従来の方法ではアオコの乾燥重量の0・6%相当しか
油分を抽出できなかったのに対し、
新技術では約70倍の40%相当が抽出できた。
神田研究員は、「6000種類以上の化学物質を調べて、
唯一目的にかなうのがジメチルエーテル。
今後、大規模実験を行い、実用化を急ぎたい」
http://mainichi.jp/select/science/news/20100321ddm003040133000c.html
湖や池の水面を埋めるアオコから、
簡単に安くバイオ燃料を生み出す新技術の開発に、
電力中央研究所エネルギー技術研究所が成功。
従来の方法より、約70倍も生産性が高く、
製造時の環境影響も少ない。
日本化学会で発表し、水の浄化と地球温暖化対策の
一石二鳥になる「緑の原油」として、数年後の実用化を目指す。
同研究所の神田英輝主任研究員は、
スプレーの噴射ガスに使われる無害な溶剤ジメチルエーテルを、
20度で5気圧に加圧して液化し、アオコと混ぜ合わせる方法を考案。
溶剤の性質からアオコに自然に染み込み、
乾燥・粉砕して細胞組織を壊さなくても、
油分を溶かし出せることを確認。
溶剤は、減圧すれば蒸発するため、分離・回収も簡単で、
製造過程のエネルギー使用も激減する。
京都市内の池のアオコを使った実験では、
従来の方法ではアオコの乾燥重量の0・6%相当しか
油分を抽出できなかったのに対し、
新技術では約70倍の40%相当が抽出できた。
神田研究員は、「6000種類以上の化学物質を調べて、
唯一目的にかなうのがジメチルエーテル。
今後、大規模実験を行い、実用化を急ぎたい」
http://mainichi.jp/select/science/news/20100321ddm003040133000c.html
挑戦のとき/24 筑波大准教授・三谷純さん
(毎日 3月9日)
折り目のついた正八角形の紙を、両手で包み込むように
折りたたむと、八つのひだのある不思議な球体ができた。
三谷さんが、最近考案した新しい立体折り紙。
記者も挑戦したができない。
5分ほどで断念した。
「折り目をつけてあっても、初めてで折れる人はほとんどいない。
難易度は星五つです」と、三谷さんはいたずらっぽく笑った。
折り紙は、子供の遊びにとどまらない。
人工衛星の太陽電池パネルや自動車のエアバッグは、
折り紙の理論でたたみ込まれ収納。
三谷さんは、数学とコンピューターを駆使し、
幾何学的な新しい立体折り紙を生み出している。
普通の折り紙では難しい曲面も、コンピューターを使えば
比較的簡単に設計できる。
「自己表現であり、アート。
新しい立体を作り出すのが楽しいから、研究している。
世の中になかった形をたくさん考えたい。
ひょっとしたら、ランプのかさや包装、衣装デザインに
使ってもらえるかもしれない」
子どものころ、父親にもらった本がきっかけで、
紙工作(ペーパークラフト)にのめり込み、
小学1年からパソコンに親しんだ。
「ロボットでも作ろうと思って」
大学は、精密機械工学科に進んだが、ちょうど普及し始めた
インターネットに衝撃を受け、学科の中で最もソフトウエア寄りの
研究室を選んだ。
三次元コンピューターグラフィックス(3DCG)で、
立体を変形させるソフト開発に取り組んだ。
自動車のボディーの設計などに使われる技術。
本来の研究の傍ら、紙工作の展開図を自動的に作ってくれる
ソフトを、「遊びで作った」ところ、教官から「面白い」とほめられた。
技術を買われ、大学院の博士課程を1年休学して、
ITベンチャーのエンジニアとして働いた。
紙工作ソフトの研究論文が、著名な学術雑誌に載り、
「自分の好きなことが研究として認められ、
やっていく自信がついた」
ベンチャーが、大手のヤフーと合併したのを機に大学に戻った。
切り張りする紙工作より、制約の多い折り紙に研究対象を変え、
立体折り紙を簡単に設計できるソフト開発や、
折り紙の展開図から最終形を推定する
アルゴリズム(計算手法)の開発などを進める。
普通の折り紙は、あまりやらない。
「折り紙で、精巧な動物などを作るのは職人技。
私は、幾何学的なルールにのっとって、コンピューターで設計し、
『これは、誰も作ったことがない形でしょう』とやりたい」と三谷さん。
家でも、あまり折り紙をしないのに、長女が3歳のとき、
きれいな折り鶴を折った。
「これは、将来有望かなと思った」。
2人の娘の父の顔も見せた。
==============
◇みたに・じゅん
75年、静岡県富士市生まれ。
東京大大学院工学系研究科修了。09年から現職。
昨年、作品を集めた「ふしぎな球体・立体折り紙」(二見書房)を出版。
http://mainichi.jp/select/science/rikei/news/20100309ddm016040084000c.html
折り目のついた正八角形の紙を、両手で包み込むように
折りたたむと、八つのひだのある不思議な球体ができた。
三谷さんが、最近考案した新しい立体折り紙。
記者も挑戦したができない。
5分ほどで断念した。
「折り目をつけてあっても、初めてで折れる人はほとんどいない。
難易度は星五つです」と、三谷さんはいたずらっぽく笑った。
折り紙は、子供の遊びにとどまらない。
人工衛星の太陽電池パネルや自動車のエアバッグは、
折り紙の理論でたたみ込まれ収納。
三谷さんは、数学とコンピューターを駆使し、
幾何学的な新しい立体折り紙を生み出している。
普通の折り紙では難しい曲面も、コンピューターを使えば
比較的簡単に設計できる。
「自己表現であり、アート。
新しい立体を作り出すのが楽しいから、研究している。
世の中になかった形をたくさん考えたい。
ひょっとしたら、ランプのかさや包装、衣装デザインに
使ってもらえるかもしれない」
子どものころ、父親にもらった本がきっかけで、
紙工作(ペーパークラフト)にのめり込み、
小学1年からパソコンに親しんだ。
「ロボットでも作ろうと思って」
大学は、精密機械工学科に進んだが、ちょうど普及し始めた
インターネットに衝撃を受け、学科の中で最もソフトウエア寄りの
研究室を選んだ。
三次元コンピューターグラフィックス(3DCG)で、
立体を変形させるソフト開発に取り組んだ。
自動車のボディーの設計などに使われる技術。
本来の研究の傍ら、紙工作の展開図を自動的に作ってくれる
ソフトを、「遊びで作った」ところ、教官から「面白い」とほめられた。
技術を買われ、大学院の博士課程を1年休学して、
ITベンチャーのエンジニアとして働いた。
紙工作ソフトの研究論文が、著名な学術雑誌に載り、
「自分の好きなことが研究として認められ、
やっていく自信がついた」
ベンチャーが、大手のヤフーと合併したのを機に大学に戻った。
切り張りする紙工作より、制約の多い折り紙に研究対象を変え、
立体折り紙を簡単に設計できるソフト開発や、
折り紙の展開図から最終形を推定する
アルゴリズム(計算手法)の開発などを進める。
普通の折り紙は、あまりやらない。
「折り紙で、精巧な動物などを作るのは職人技。
私は、幾何学的なルールにのっとって、コンピューターで設計し、
『これは、誰も作ったことがない形でしょう』とやりたい」と三谷さん。
家でも、あまり折り紙をしないのに、長女が3歳のとき、
きれいな折り鶴を折った。
「これは、将来有望かなと思った」。
2人の娘の父の顔も見せた。
==============
◇みたに・じゅん
75年、静岡県富士市生まれ。
東京大大学院工学系研究科修了。09年から現職。
昨年、作品を集めた「ふしぎな球体・立体折り紙」(二見書房)を出版。
http://mainichi.jp/select/science/rikei/news/20100309ddm016040084000c.html
2010年3月27日土曜日
アップルとグーグルの微妙なきずな
(日経 2010-03-11)
アップルの新型携帯マルチメディア端末「iPad」。
多彩な機能を搭載した魅力的な端末だが、
技術的に最も注目されているのが、米アドビの動画技術
「フラッシュ」に対応しない点。
その代わり、アップルは次世代ウェブ標準の「HTML5」の
進化・普及に賭ける姿勢を鮮明。
「HTML5」は、フラッシュとともにインターネットの
コンテンツ(情報の内容)の表現力を高める技術、
現在はフラッシュが圧倒的に優勢。
携帯端末市場で激しく競合するアップルとグーグルの2社は、
近く実用化されるHTML5を推し、
メディア産業などは動画表示の業界標準の座を巡る競争を注視。
フラッシュは、世界のウェブ上の動画コンテンツの7~8割、
動画を含む広告の9割。
ウェブ上の動画のデファクト・スタンダード(事実上の標準)技術。
アップルは、世界的な大ヒットとなったiPhoneでも
フラッシュ対応を避け、動画対応では国際標準規格の1つ、
「H.264」と呼ばれる技術に限って対応。
同社はこの路線を、映画やビデオ映像など動画の利用が
より多くなる、iPadでも維持。
アップルがしばしば見せる唯我独尊の一例にも映るが、
iPadの人気次第では、次世代技術「HTML5」の普及を
一気に加速させる効果が出る可能性。
「フラッシュは、バグ(プログラム上の欠陥)が多過ぎる。
そのうち誰も使わなくなる。
世界は、HTML5に向かって進んでいる」−−。
スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)。
グーグルの戦略にも触れ、「我々は、ネット検索市場に
参入しなかったが、彼ら(グーグル)は携帯端末市場に入ってきた。
彼らは、iPhoneを打ち負かしたいようだが、
そんなことは絶対させない」
ジョブズ氏が、敵対心をむき出しにしたグーグル。
同社も、HTML5を最も強力に広めようとしているもう一勢力。
グーグルは、汎用ブラウザーであらゆる情報処理をこなせるよう、
ウェブ技術、クラウド技術を進化させようとしている。
キーとなる技術に、HTML5を選んだ。
携帯端末市場では、完全にライバル関係のアップルとグーグル、
HTML5の開発と普及では、強固にタッグを組んでいる構図。
HTML5は、ウェブページの中身を記述する規格である
HTMLの次世代バージョン。
世界中のIT関連企業が加盟するウェブの技術標準管理団体、
W3Cの中の作業部会が、草案を検討。
動画再生やウェブ上のソフトウエア操作など、
ブラウザーに「プラグイン」と呼ばれるツールを
取り込まないと実行できない。
次世代版では、そうした機能を、ウェブページ側にも
ブラウザー側にも標準装備させる方向。
今の草案では、HTML5が普及すると、ウェブページ上の表示物を
マウスでドラッグ・アンド・ドロップしたり、ウェブページの状態を
端末のブラウザー内のメモリーに記憶させ、
ネット接続がない状態でも閲覧したりといったことが可能。
HTML5は、動画処理機能も含むため、
同規格に準拠したウェブページとブラウザーを組み合わせれば、
フラッシュという特定企業の技術を使わないで、動画が再生。
HTML5の草案に盛られている動画技術は、
まだ未成熟なため、すぐにフラッシュに取って代わることはないが、
グーグルなど関係者は、今後3~5年後には広まっていく。
HTML5普及への最大の障害は、パソコン用ブラウザーで
最大のシェアを握るマイクロソフトが、開発協力に後ろ向き。
2009年夏以降、同社も規格策定に積極的に関与。
3月内にも概要を発表する「インターネット・エクスプローラー(IE)」
の次期バージョンでも、HTML5準拠を前面に打ち出す。
時代の風は、ジョブズ氏の見立て通り、HTML5普及に勢い。
今のところ、世界中の企業がフラッシュを組み込んだ
ウェブサイト作りを進め、広告業界も同じくフラッシュ活用型の動画を
盛り込んだ広告を増やしている。
フラッシュ依存を強めると、気がつくと時代遅れになっている恐れ。
右手で握手をしながら、左手で殴りあうのは、IT業界の常。
愛憎相半ばする関係であるアップルとグーグルの動きを
注視していく必要。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100309.html
アップルの新型携帯マルチメディア端末「iPad」。
多彩な機能を搭載した魅力的な端末だが、
技術的に最も注目されているのが、米アドビの動画技術
「フラッシュ」に対応しない点。
その代わり、アップルは次世代ウェブ標準の「HTML5」の
進化・普及に賭ける姿勢を鮮明。
「HTML5」は、フラッシュとともにインターネットの
コンテンツ(情報の内容)の表現力を高める技術、
現在はフラッシュが圧倒的に優勢。
携帯端末市場で激しく競合するアップルとグーグルの2社は、
近く実用化されるHTML5を推し、
メディア産業などは動画表示の業界標準の座を巡る競争を注視。
フラッシュは、世界のウェブ上の動画コンテンツの7~8割、
動画を含む広告の9割。
ウェブ上の動画のデファクト・スタンダード(事実上の標準)技術。
アップルは、世界的な大ヒットとなったiPhoneでも
フラッシュ対応を避け、動画対応では国際標準規格の1つ、
「H.264」と呼ばれる技術に限って対応。
同社はこの路線を、映画やビデオ映像など動画の利用が
より多くなる、iPadでも維持。
アップルがしばしば見せる唯我独尊の一例にも映るが、
iPadの人気次第では、次世代技術「HTML5」の普及を
一気に加速させる効果が出る可能性。
「フラッシュは、バグ(プログラム上の欠陥)が多過ぎる。
そのうち誰も使わなくなる。
世界は、HTML5に向かって進んでいる」−−。
スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)。
グーグルの戦略にも触れ、「我々は、ネット検索市場に
参入しなかったが、彼ら(グーグル)は携帯端末市場に入ってきた。
彼らは、iPhoneを打ち負かしたいようだが、
そんなことは絶対させない」
ジョブズ氏が、敵対心をむき出しにしたグーグル。
同社も、HTML5を最も強力に広めようとしているもう一勢力。
グーグルは、汎用ブラウザーであらゆる情報処理をこなせるよう、
ウェブ技術、クラウド技術を進化させようとしている。
キーとなる技術に、HTML5を選んだ。
携帯端末市場では、完全にライバル関係のアップルとグーグル、
HTML5の開発と普及では、強固にタッグを組んでいる構図。
HTML5は、ウェブページの中身を記述する規格である
HTMLの次世代バージョン。
世界中のIT関連企業が加盟するウェブの技術標準管理団体、
W3Cの中の作業部会が、草案を検討。
動画再生やウェブ上のソフトウエア操作など、
ブラウザーに「プラグイン」と呼ばれるツールを
取り込まないと実行できない。
次世代版では、そうした機能を、ウェブページ側にも
ブラウザー側にも標準装備させる方向。
今の草案では、HTML5が普及すると、ウェブページ上の表示物を
マウスでドラッグ・アンド・ドロップしたり、ウェブページの状態を
端末のブラウザー内のメモリーに記憶させ、
ネット接続がない状態でも閲覧したりといったことが可能。
HTML5は、動画処理機能も含むため、
同規格に準拠したウェブページとブラウザーを組み合わせれば、
フラッシュという特定企業の技術を使わないで、動画が再生。
HTML5の草案に盛られている動画技術は、
まだ未成熟なため、すぐにフラッシュに取って代わることはないが、
グーグルなど関係者は、今後3~5年後には広まっていく。
HTML5普及への最大の障害は、パソコン用ブラウザーで
最大のシェアを握るマイクロソフトが、開発協力に後ろ向き。
2009年夏以降、同社も規格策定に積極的に関与。
3月内にも概要を発表する「インターネット・エクスプローラー(IE)」
の次期バージョンでも、HTML5準拠を前面に打ち出す。
時代の風は、ジョブズ氏の見立て通り、HTML5普及に勢い。
今のところ、世界中の企業がフラッシュを組み込んだ
ウェブサイト作りを進め、広告業界も同じくフラッシュ活用型の動画を
盛り込んだ広告を増やしている。
フラッシュ依存を強めると、気がつくと時代遅れになっている恐れ。
右手で握手をしながら、左手で殴りあうのは、IT業界の常。
愛憎相半ばする関係であるアップルとグーグルの動きを
注視していく必要。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100309.html
新しい波/335 女子サッカーの育成/2
(毎日 3月13日)
日本の女子サッカー界が抱える大きな課題は、
中学年代の競技者数の落ち込みだ。
東京都江東区が、09年春から興味深い試みを始めた。
区内の拠点校に「女子サッカー部」を置き、
別の中学校に通っている生徒でも参加できる仕組みの導入。
少子化の中、部活動の新たなあり方として注目。
江東区では、もともと小学校対抗の大会があり、
女子サッカーのニーズがあった。
どの中学も、1校では人数が集まらず、指導者や
グラウンド不足など、同様の悩みを持っていた。
拠点校となったのは、区立第四砂町中学校。
週2回練習が行われ、日体大女子サッカー部の部員で、
教職課程を履修する部員が4人1組で指導に。
設立の中心になった区教委事務局の小林秀樹さんら
職員も練習に立ち会い、生徒の出欠は各校の副校長が
連携して連絡を取り合うなど、周囲も協力して環境を整える。
現在9校30人の生徒が参加。
バスを乗り継いで練習に参加する深川第五中1年の
大高萌子さんは、「初心者も経験者もあまり差がないので、
中学で始めても大丈夫という雰囲気がある。
部活に出合えて、今までよりも楽しく過ごせている」
第四砂町中1年の渡辺心さんは、
「今はソフトボール部と掛け持ちをしているが、
本当は毎日サッカーをやっていたい。
目標はサッカーの強い高校に入って、日体大に入ること」
指導する学生たちも、「初めは人見知りしていたが、
だんだんと取り組む姿勢が真剣になってきた」、
練習中に、ルールや個人練習の方法などを
聞いてくる選手も増えてきた。
大学でサッカーを始めた学生もおり、4年生の伊藤唯さんは、
「日々の練習を乗り越え、ぶつかり合ってまとまっていくことを感じた。
そういう部活動ならではのことを知ってほしい」
飛び抜けた才能がなくても、サッカーを続けられる環境作り。
「拠点校システム」によって、その活路が見いだせるかもしれない。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100313ddm035050076000c.html
日本の女子サッカー界が抱える大きな課題は、
中学年代の競技者数の落ち込みだ。
東京都江東区が、09年春から興味深い試みを始めた。
区内の拠点校に「女子サッカー部」を置き、
別の中学校に通っている生徒でも参加できる仕組みの導入。
少子化の中、部活動の新たなあり方として注目。
江東区では、もともと小学校対抗の大会があり、
女子サッカーのニーズがあった。
どの中学も、1校では人数が集まらず、指導者や
グラウンド不足など、同様の悩みを持っていた。
拠点校となったのは、区立第四砂町中学校。
週2回練習が行われ、日体大女子サッカー部の部員で、
教職課程を履修する部員が4人1組で指導に。
設立の中心になった区教委事務局の小林秀樹さんら
職員も練習に立ち会い、生徒の出欠は各校の副校長が
連携して連絡を取り合うなど、周囲も協力して環境を整える。
現在9校30人の生徒が参加。
バスを乗り継いで練習に参加する深川第五中1年の
大高萌子さんは、「初心者も経験者もあまり差がないので、
中学で始めても大丈夫という雰囲気がある。
部活に出合えて、今までよりも楽しく過ごせている」
第四砂町中1年の渡辺心さんは、
「今はソフトボール部と掛け持ちをしているが、
本当は毎日サッカーをやっていたい。
目標はサッカーの強い高校に入って、日体大に入ること」
指導する学生たちも、「初めは人見知りしていたが、
だんだんと取り組む姿勢が真剣になってきた」、
練習中に、ルールや個人練習の方法などを
聞いてくる選手も増えてきた。
大学でサッカーを始めた学生もおり、4年生の伊藤唯さんは、
「日々の練習を乗り越え、ぶつかり合ってまとまっていくことを感じた。
そういう部活動ならではのことを知ってほしい」
飛び抜けた才能がなくても、サッカーを続けられる環境作り。
「拠点校システム」によって、その活路が見いだせるかもしれない。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100313ddm035050076000c.html
アキバで“ITパラリンピック”…ALS患者が電子機器を実演
(2010年3月17日 読売新聞)
体の筋肉が徐々に動かなくなる難病、
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者らが、
パソコンや最新の電子機器の使い方を実演する
「ITパラリンピック」が、秋葉原で開かれる。
障害者をサポートするITの「使い術」を、広く紹介するのが狙い。
日本ALS協会副会長の橋本操さん(57)は、
「かすかに動く身体で、世界を大きく動かす。
ITはそのための道具で、使わないと損」
橋本さんが理事長を務めるNPO法人
「ALS/MNDサポートセンターさくら会」が、
NECや首都大学東京の協力を得て開催。
昨年、都内の福祉施設で初めて開催、今回はより多くの人に
興味を持ってもらおうと、「ITのメッカ」秋葉原で開催。
気軽に外出することが難しいALS患者にとって、
パソコンやインターネットは、「外の世界」との重要な窓口。
筋肉の機能低下が進むと、マウスなどを使って
パソコンを操作することも困難。
こうした人々のため、画面上に映し出された50音表の上を、
カーソルで一文字ずつなぞって、文章を書くソフトなども開発。
ITパラリンピックでは、ALSや全身の筋力が次第に衰えていく
筋ジストロフィーの患者らが、それぞれの「使い術」を紹介。
指先の微細な動きや、足の上下運動でマウスをクリックする
装置を使い、ネット上で会話をしたり、ホームページを作成。
当日は、ALS患者で、テレビ番組「クイズダービー」で
人気だった学習院大名誉教授の篠沢秀夫さん(76)らも
ゲストとして参加。
関西地方のALS患者と会場を、ネットでつなげてのやりとりも行われ、
会場の様子は、さくら会のホームページでライブ中継。
最新ソフトや機器を紹介する企業ブースも設置。
さくら会の今井啓二さん(55)は、
「イベントを公共の場で行うことで、病気への認知度も
高まるとともに、患者にとっても生きる希望につながる」
午後1時から、秋葉原ダイビル(外神田1)12階の
首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス。無料。
ネット中継、「ALS/MNDサポートセンターさくら会」HP、
「ITパラリンピック」へ進む。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/17/117578/
体の筋肉が徐々に動かなくなる難病、
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者らが、
パソコンや最新の電子機器の使い方を実演する
「ITパラリンピック」が、秋葉原で開かれる。
障害者をサポートするITの「使い術」を、広く紹介するのが狙い。
日本ALS協会副会長の橋本操さん(57)は、
「かすかに動く身体で、世界を大きく動かす。
ITはそのための道具で、使わないと損」
橋本さんが理事長を務めるNPO法人
「ALS/MNDサポートセンターさくら会」が、
NECや首都大学東京の協力を得て開催。
昨年、都内の福祉施設で初めて開催、今回はより多くの人に
興味を持ってもらおうと、「ITのメッカ」秋葉原で開催。
気軽に外出することが難しいALS患者にとって、
パソコンやインターネットは、「外の世界」との重要な窓口。
筋肉の機能低下が進むと、マウスなどを使って
パソコンを操作することも困難。
こうした人々のため、画面上に映し出された50音表の上を、
カーソルで一文字ずつなぞって、文章を書くソフトなども開発。
ITパラリンピックでは、ALSや全身の筋力が次第に衰えていく
筋ジストロフィーの患者らが、それぞれの「使い術」を紹介。
指先の微細な動きや、足の上下運動でマウスをクリックする
装置を使い、ネット上で会話をしたり、ホームページを作成。
当日は、ALS患者で、テレビ番組「クイズダービー」で
人気だった学習院大名誉教授の篠沢秀夫さん(76)らも
ゲストとして参加。
関西地方のALS患者と会場を、ネットでつなげてのやりとりも行われ、
会場の様子は、さくら会のホームページでライブ中継。
最新ソフトや機器を紹介する企業ブースも設置。
さくら会の今井啓二さん(55)は、
「イベントを公共の場で行うことで、病気への認知度も
高まるとともに、患者にとっても生きる希望につながる」
午後1時から、秋葉原ダイビル(外神田1)12階の
首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス。無料。
ネット中継、「ALS/MNDサポートセンターさくら会」HP、
「ITパラリンピック」へ進む。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/17/117578/
ロジカルシンキング(9)わかりやすいメッセージ〜表現を具体的に、つながりにも留意
(日経 3月2日)
説明内容を、より説得力のあるものにする「メッセージ」に着目。
メッセージとは、自分の伝えたい内容が凝縮されたもの。
ピラミッドストラクチャーのメーンメッセージに該当。
メッセージは、説明内容の核となる。
いくらロジックが組み立てられていても、
メッセージが分かりにくければ、受け手には
何が言いたいのか伝わらない。
メッセージを作る際、注意すべきことが2点。
1つは、文で表現するということ。
メッセージは、自分の主張であり、項目や見出しではなく、
主語(メッセージの主体)と述語を組み合わせた文にすべき。
もう1つは、1つのメッセージで伝えることは、原則1つだけ。
言いたいことをたくさん詰め込むと、結局何を伝えたいのか、
分からなくなってしまう。
ロジックを組み立てていくと、あれもこれも含んだ
冗長なメッセージになりがち。
冗長な文では、要点が一目で分かりにくく、メッセージとして不適切。
逆に、細部をそぎ落としすぎ、一般論レベルでとどまってしまうと、
漠然とした内容に。
冗長でなく、かつ一般論レベルでもないメッセージに
磨き上げることが必要。
メッセージを磨き上げるときに注意したいのが、表現の具体性。
あいまいな表現は間違いではないが、焦点が絞れていない。
読む人によって、メッセージのとらえ方が変わる。
「見直す」、「検討する」などの語句には、何を見直したり、
検討したりするのかを明記する必要。
「差別化」、「付加価値」といった幅広い意味を持つ言葉にも同様。
こうした言葉を使うとき、何を意味するのかをできるだけ
具体的にする。
メッセージの「つながり」にも注目。
文と文の接続関係に注意しないと、結局、何が言いたいのか
分からなくなる。
冗長なメッセージを例にとれば、「不足し」、「共有もされず」
という部分。
不足しているから共有されていない、という原因と結果の
つながりなのか、両者は並列の関係なのか、よく分からない。
「結局、自分は何を言いたいのか」を突き詰めながら、
つながりを分かりやすくする必要。
ロジックを組み立ててメッセージを磨き上げると、
説明内容はより説得力のあるものになる。
そこまでの域に達するのは、非常に難しい。
説明内容を何度となく見直して、修正を重ねていく姿勢。
修正には、ピラミッドストラクチャーが有効。
ピラミッドストラクチャーを使えば、説明内容のロジックを
確認しながら、メッセージを磨き上げていく。
これが、説明内容を分かりやすくする近道。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100302.html
説明内容を、より説得力のあるものにする「メッセージ」に着目。
メッセージとは、自分の伝えたい内容が凝縮されたもの。
ピラミッドストラクチャーのメーンメッセージに該当。
メッセージは、説明内容の核となる。
いくらロジックが組み立てられていても、
メッセージが分かりにくければ、受け手には
何が言いたいのか伝わらない。
メッセージを作る際、注意すべきことが2点。
1つは、文で表現するということ。
メッセージは、自分の主張であり、項目や見出しではなく、
主語(メッセージの主体)と述語を組み合わせた文にすべき。
もう1つは、1つのメッセージで伝えることは、原則1つだけ。
言いたいことをたくさん詰め込むと、結局何を伝えたいのか、
分からなくなってしまう。
ロジックを組み立てていくと、あれもこれも含んだ
冗長なメッセージになりがち。
冗長な文では、要点が一目で分かりにくく、メッセージとして不適切。
逆に、細部をそぎ落としすぎ、一般論レベルでとどまってしまうと、
漠然とした内容に。
冗長でなく、かつ一般論レベルでもないメッセージに
磨き上げることが必要。
メッセージを磨き上げるときに注意したいのが、表現の具体性。
あいまいな表現は間違いではないが、焦点が絞れていない。
読む人によって、メッセージのとらえ方が変わる。
「見直す」、「検討する」などの語句には、何を見直したり、
検討したりするのかを明記する必要。
「差別化」、「付加価値」といった幅広い意味を持つ言葉にも同様。
こうした言葉を使うとき、何を意味するのかをできるだけ
具体的にする。
メッセージの「つながり」にも注目。
文と文の接続関係に注意しないと、結局、何が言いたいのか
分からなくなる。
冗長なメッセージを例にとれば、「不足し」、「共有もされず」
という部分。
不足しているから共有されていない、という原因と結果の
つながりなのか、両者は並列の関係なのか、よく分からない。
「結局、自分は何を言いたいのか」を突き詰めながら、
つながりを分かりやすくする必要。
ロジックを組み立ててメッセージを磨き上げると、
説明内容はより説得力のあるものになる。
そこまでの域に達するのは、非常に難しい。
説明内容を何度となく見直して、修正を重ねていく姿勢。
修正には、ピラミッドストラクチャーが有効。
ピラミッドストラクチャーを使えば、説明内容のロジックを
確認しながら、メッセージを磨き上げていく。
これが、説明内容を分かりやすくする近道。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100302.html
2010年3月26日金曜日
ナノテクで光るスーパー中小企業
(日経 2010-03-16)
医薬品や化粧品分野向けの超微粒化装置の開発で、
大手企業も一目置く会社が、大阪府和泉市に。
産業機械メーカーのエム・テクニック(榎村真一社長)。
同社の最新装置で作る微粒子の直径は、最小で数nm。
この分野で、限界とされていた10nmの壁を超えた。
年商25億円規模の中小企業、ナノテクという特殊分野で
飛び抜けた技術をもつことで、大手にも引けを取らない存在感。
「粒子を細かくすると、溶けにくい薬も溶けやすくなり、
意外な性質を発揮する」
榎村社長は、ナノテクにこだわる理由。
微粒子にすれば、物質一定量あたりの表面積が広がり、
溶解度や吸収性などが変化。
医薬品開発。
「溶けやすくすることで、これまでにない新薬の開発につながる」
「ULREA(アルリア)」は、直径数ナノメートルの超微粒子を
製造できるのが特徴。
他社の従来機では、作れる粒子の直径は数10~100nmが限度、
エム・テクニックの装置を使えば、ひと回り小さくできる。
装置の構造は、円盤状の上下2枚のディスクで構成。
下側のディスクが高速回転し、上から圧力を加えて抑える
固定式のディスクとのすき間に、微粒子の原料となる液体を流し込む。
すき間の寸法は、1~30um。
ディスクの回転に合わせ、かき回される液体に別の原料液を加え、
両方の液体が化学反応を起こし、
微粒子となって装置から出てくる仕組み。
ディスクの回転の速さとディスク間の圧力を変え、
液体の反応時間を調整し、微粒子の大きさを自由に設定。
他社の従来機は、高圧状態の炉の中で、原料の液体に含まれる
粒子を衝突させ、粒子を砕くが、
この方法だと粒子の直径は、「数100~10nmが限界」。
違いは、「粒子を砕くのではなく、化学反応を使って
超微粒子を生成する点」(榎村社長)。
粒子の大きさを均一にできる利点、高圧にする設備などが不要、
装置の小型化に。
同社の技術に注目するのは、製薬会社だけではない。
プリンターのトナー、液晶テレビ用部材、電子部品の材料など、
デジタル素材分野でも、微粒子の研究に関心を寄せる。
プラントメーカーの設計者だった榎村社長は、
1988年、27歳で起業。
円盤式のディスクを使った独自の微粒化装置の開発を続けてきた。
微粒化装置の研究成果を論文にまとめ、東京理科大で博士号取得。
4人の社員が、仕事と両立しながら大学院で学ぶ。
大手企業から出資の話を持ちかけられても、
「研究の自由度がなくなる」と断った。
ナノテク粒子の製造装置では、特定の業界向けでなく、
応用のすそ野が広い分野を視野に入れている。
企業規模は小さくても、対等な立場で技術開発に取り組め、強みを発揮。
今後の稼ぎ頭と位置づける新型機「アルリア」の価格は、2000万円。
年間100台の販売が当面の目標。
2010年12月期、35億円程度の売り上げを見込む。
アルリアの研究開発に力を入れたため、
ここ2年間は売り上げが落ちこんだが、
「新型機で盛り返し、11年中の上場を目指したい」。
「ナノテク」と言うと、中小企業にとっては取り組みが難しい
最先端分野のように聞こえる。
エム・テクニックは、“一芸”にこだわり、独自のノウハウを
磨き抜いたことで、技術の壁を超えた。
大手が手掛けない技術のレイヤー(層)を、
「スーパー中小企業」が発掘・補完し、優れた製品を世に送り出す。
エレクトロニクスや化学、医薬品などは、
多層的な技術の積み重ねが欠かせない分野。
エム・テクニックのような企業の存在は、ものづくりで
日本が強みを持ち続ける1つの象徴といえるのでは。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon100315.html
医薬品や化粧品分野向けの超微粒化装置の開発で、
大手企業も一目置く会社が、大阪府和泉市に。
産業機械メーカーのエム・テクニック(榎村真一社長)。
同社の最新装置で作る微粒子の直径は、最小で数nm。
この分野で、限界とされていた10nmの壁を超えた。
年商25億円規模の中小企業、ナノテクという特殊分野で
飛び抜けた技術をもつことで、大手にも引けを取らない存在感。
「粒子を細かくすると、溶けにくい薬も溶けやすくなり、
意外な性質を発揮する」
榎村社長は、ナノテクにこだわる理由。
微粒子にすれば、物質一定量あたりの表面積が広がり、
溶解度や吸収性などが変化。
医薬品開発。
「溶けやすくすることで、これまでにない新薬の開発につながる」
「ULREA(アルリア)」は、直径数ナノメートルの超微粒子を
製造できるのが特徴。
他社の従来機では、作れる粒子の直径は数10~100nmが限度、
エム・テクニックの装置を使えば、ひと回り小さくできる。
装置の構造は、円盤状の上下2枚のディスクで構成。
下側のディスクが高速回転し、上から圧力を加えて抑える
固定式のディスクとのすき間に、微粒子の原料となる液体を流し込む。
すき間の寸法は、1~30um。
ディスクの回転に合わせ、かき回される液体に別の原料液を加え、
両方の液体が化学反応を起こし、
微粒子となって装置から出てくる仕組み。
ディスクの回転の速さとディスク間の圧力を変え、
液体の反応時間を調整し、微粒子の大きさを自由に設定。
他社の従来機は、高圧状態の炉の中で、原料の液体に含まれる
粒子を衝突させ、粒子を砕くが、
この方法だと粒子の直径は、「数100~10nmが限界」。
違いは、「粒子を砕くのではなく、化学反応を使って
超微粒子を生成する点」(榎村社長)。
粒子の大きさを均一にできる利点、高圧にする設備などが不要、
装置の小型化に。
同社の技術に注目するのは、製薬会社だけではない。
プリンターのトナー、液晶テレビ用部材、電子部品の材料など、
デジタル素材分野でも、微粒子の研究に関心を寄せる。
プラントメーカーの設計者だった榎村社長は、
1988年、27歳で起業。
円盤式のディスクを使った独自の微粒化装置の開発を続けてきた。
微粒化装置の研究成果を論文にまとめ、東京理科大で博士号取得。
4人の社員が、仕事と両立しながら大学院で学ぶ。
大手企業から出資の話を持ちかけられても、
「研究の自由度がなくなる」と断った。
ナノテク粒子の製造装置では、特定の業界向けでなく、
応用のすそ野が広い分野を視野に入れている。
企業規模は小さくても、対等な立場で技術開発に取り組め、強みを発揮。
今後の稼ぎ頭と位置づける新型機「アルリア」の価格は、2000万円。
年間100台の販売が当面の目標。
2010年12月期、35億円程度の売り上げを見込む。
アルリアの研究開発に力を入れたため、
ここ2年間は売り上げが落ちこんだが、
「新型機で盛り返し、11年中の上場を目指したい」。
「ナノテク」と言うと、中小企業にとっては取り組みが難しい
最先端分野のように聞こえる。
エム・テクニックは、“一芸”にこだわり、独自のノウハウを
磨き抜いたことで、技術の壁を超えた。
大手が手掛けない技術のレイヤー(層)を、
「スーパー中小企業」が発掘・補完し、優れた製品を世に送り出す。
エレクトロニクスや化学、医薬品などは、
多層的な技術の積み重ねが欠かせない分野。
エム・テクニックのような企業の存在は、ものづくりで
日本が強みを持ち続ける1つの象徴といえるのでは。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon100315.html
新しい波/334 女子サッカーの育成/1
(毎日 3月6日)
北京五輪で4位に入賞し、「なでしこジャパン」の愛称で
一気に知名度を上げたサッカーの女子日本代表。
国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは現在6位、
11年女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会の優勝を目標。
世界の頂点を見据える一方、女子サッカーの土壌は、
発展途上の状態にとどまっている。
日本サッカー協会は、女子が男子チームに入ることを
禁じてはいない。
小学生なら、ある程度は同等にプレーできるだろう。
中学生になると、体力差も出てくる。
にもかかわらず、大半の中学校に女子サッカー部はない。
東京都内ですら、公立中学では皆無に等しく、
プレーの場はクラブチームか一部の私立中学に限られる。
もしくは、男子のサッカー部に入るしかない。
日本協会の08年統計によると、登録している女子選手は、
▽小学生=1万4487人
▽中学生=6303人
▽高校生=8302人
▽一般=6902人--と
中学年代の落ち込みが顕著で、小学年代の半分以下。
日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)の浦和レッズレディースに
所属するFW松田典子(23)も、苦境を味わった一人。
小学3年から地元の女子チームでサッカーを始めたが、
進学した中学、高校にはサッカー部がなく、テニス部を選んだ。
「同じチームの同年代の子も、ほとんどやめてしまった」
松田の場合、高校3年の時、小学校時代の恩師と再会し、
恩師が主宰する東京都内のクラブチームでサッカーを再開。
早大に進学後、浦和の前身・さいたまレイナスFCに入団、
昨年から、金融機関に勤務しながらプレーを続けることができたが、
「ずっとサッカーを続けていた選手に比べると、
技術的な差は大きい」
「私たちのプレーを見て、サッカーをやりたいという
女の子が増えてくれるように頑張りたい」と
松田は言葉に力を込める。
そのためにも、底辺の環境整備が急務。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100306ddm035050091000c.html
北京五輪で4位に入賞し、「なでしこジャパン」の愛称で
一気に知名度を上げたサッカーの女子日本代表。
国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは現在6位、
11年女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会の優勝を目標。
世界の頂点を見据える一方、女子サッカーの土壌は、
発展途上の状態にとどまっている。
日本サッカー協会は、女子が男子チームに入ることを
禁じてはいない。
小学生なら、ある程度は同等にプレーできるだろう。
中学生になると、体力差も出てくる。
にもかかわらず、大半の中学校に女子サッカー部はない。
東京都内ですら、公立中学では皆無に等しく、
プレーの場はクラブチームか一部の私立中学に限られる。
もしくは、男子のサッカー部に入るしかない。
日本協会の08年統計によると、登録している女子選手は、
▽小学生=1万4487人
▽中学生=6303人
▽高校生=8302人
▽一般=6902人--と
中学年代の落ち込みが顕著で、小学年代の半分以下。
日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)の浦和レッズレディースに
所属するFW松田典子(23)も、苦境を味わった一人。
小学3年から地元の女子チームでサッカーを始めたが、
進学した中学、高校にはサッカー部がなく、テニス部を選んだ。
「同じチームの同年代の子も、ほとんどやめてしまった」
松田の場合、高校3年の時、小学校時代の恩師と再会し、
恩師が主宰する東京都内のクラブチームでサッカーを再開。
早大に進学後、浦和の前身・さいたまレイナスFCに入団、
昨年から、金融機関に勤務しながらプレーを続けることができたが、
「ずっとサッカーを続けていた選手に比べると、
技術的な差は大きい」
「私たちのプレーを見て、サッカーをやりたいという
女の子が増えてくれるように頑張りたい」と
松田は言葉に力を込める。
そのためにも、底辺の環境整備が急務。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20100306ddm035050091000c.html
睡眠障害の自殺危険28倍、飲酒3倍…厚労省調査
(2010年3月16日 読売新聞)
睡眠障害や飲酒行動に問題がある人は、
自殺する危険性が通常よりそれぞれ28倍、3倍も高い、
厚生労働省研究班(研究代表者=加我牧子・国立精神・
神経センター精神保健研究所長)の調査で明らか。
研究班は、2007~09年、自殺した76人(15~78歳)の
生前の様子について、遺族から聞き取り調査を実施(複数回答)。
うち49人について、一般人145人と比較検討。
その結果、睡眠障害などのほか、うつ病などの気分障害は
通常より6倍、死に関する発言をした人は同4倍、
不注意や無謀な行為のあった人は同35倍も、
自殺の危険性が高かった。
国内での年間自殺者は、1998年以来12年連続で
3万人を超えている。
研究班でデータ分析にあたった松本俊彦・同研究所室長は、
「自殺のサインを見逃さないよう、国民への啓発活動が必要。
かかりつけ医や精神科医の診断能力の向上も求められる」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/17/117571/
睡眠障害や飲酒行動に問題がある人は、
自殺する危険性が通常よりそれぞれ28倍、3倍も高い、
厚生労働省研究班(研究代表者=加我牧子・国立精神・
神経センター精神保健研究所長)の調査で明らか。
研究班は、2007~09年、自殺した76人(15~78歳)の
生前の様子について、遺族から聞き取り調査を実施(複数回答)。
うち49人について、一般人145人と比較検討。
その結果、睡眠障害などのほか、うつ病などの気分障害は
通常より6倍、死に関する発言をした人は同4倍、
不注意や無謀な行為のあった人は同35倍も、
自殺の危険性が高かった。
国内での年間自殺者は、1998年以来12年連続で
3万人を超えている。
研究班でデータ分析にあたった松本俊彦・同研究所室長は、
「自殺のサインを見逃さないよう、国民への啓発活動が必要。
かかりつけ医や精神科医の診断能力の向上も求められる」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/17/117571/
リクルートMSの藤江マネジャー、「ゆとり世代、職場で価値観の共有を」
(日経 3月3日)
今年4月、小中学時代にゆとりや個性を重視した教育を受けた、
「ゆとり世代」の大卒新入社員が企業に入社。
企業の採用現場などでは、これまでと異なる価値観や
言動に戸惑う声が広がっている。
若手社員の教育に詳しいリクルートマネジメント
ソリューションズ(MS)の藤江嘉彦マネジャーに、
実態と対策を聞いた。
——ゆとり世代の特徴は?
「『納得しないと動かない』、『すぐ正解を求める』といった特徴。
本人にとって意味があり、やりたいと思えば力を発揮する。
賢く、素直ともいわれる。
こうした傾向は、2006年春ごろから目立ってきた。
上司や先輩ら、異なる世代と付き合うのが苦手。
ゆとり教育だけでなく、家庭での育てられ方や入社するまで、
年上にしかられたり、ほめられたりする経験が減っていることも
影響しているのかもしれない」
「インターネットの普及で、情報や仕事のやり方は
調べれば分かると考えている。
今は、多くの業務がマニュアル化され、一見仕事ができる。
現場では、『自分で考えない』と嘆く上司が多い。
半面、若手は『言われたことをやるのが仕事』と考え、ギャップがある」
——いつの世も上司は「若い連中は・・・」と愚痴るし、
世代間の価値観のギャップは過去にもあった。
「『会社組織に入って、仕事で成果を上げる』という価値観は、
これまで世代を超えて共通だったが、ゆとり世代は上下関係や
社会的な経験が従来より不足。
今後は、価値観が異なる社員に活躍してもらうための
人材マネジメントが欠かせない。
企業が大切にしている理念や価値観に、
どのようにして共感してもらうかが重要」
——どのように教育すればよいのか?
「仕事の目的を、意識させることが重要。
ある会社で、新入社員に顧客リストを渡し、アポイントを取るように
指示したら、夕方になっても電話をしていなかった。
理由を尋ねると、『1件1件電話するのは非効率なので』。
上司は頭にきたが、この場合、事前に絞り込まれたリストであることや、
新規開拓のためにアポ取りが必要なことを説明していれば、
納得して電話しただろう」
「事実に基づいて、振り返ることも重要。
価値観が違うと、議論しても平行線になる。
顧客からクレームを受けた若手社員の対応がまずく、
顧客をさらに怒らせてしまったケースが。
その若手社員は、『顧客が悪い』と言い訳。
この場合、ただしかっても効果がない。
クレーム内容やどういう受け答えをしたか、
ひとつひとつ事実関係を聞き出し、どこが悪かったか指摘」
——従来より、時間や手間がかかりそうだ。
「育成に、時間がかかるようになった。
05年、新卒を大量採用するまで、企業は長い間
新卒採用を絞っていた。
企業内で、若手を育成する風土が失われていたことも。
今の企業の職場は非常に忙しく、マネジャーや育成担当者が
つきっきりで、新入社員を育てる余裕がない。
職場全体で、新入社員をフォローする風土づくりがポイント」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100302.html
今年4月、小中学時代にゆとりや個性を重視した教育を受けた、
「ゆとり世代」の大卒新入社員が企業に入社。
企業の採用現場などでは、これまでと異なる価値観や
言動に戸惑う声が広がっている。
若手社員の教育に詳しいリクルートマネジメント
ソリューションズ(MS)の藤江嘉彦マネジャーに、
実態と対策を聞いた。
——ゆとり世代の特徴は?
「『納得しないと動かない』、『すぐ正解を求める』といった特徴。
本人にとって意味があり、やりたいと思えば力を発揮する。
賢く、素直ともいわれる。
こうした傾向は、2006年春ごろから目立ってきた。
上司や先輩ら、異なる世代と付き合うのが苦手。
ゆとり教育だけでなく、家庭での育てられ方や入社するまで、
年上にしかられたり、ほめられたりする経験が減っていることも
影響しているのかもしれない」
「インターネットの普及で、情報や仕事のやり方は
調べれば分かると考えている。
今は、多くの業務がマニュアル化され、一見仕事ができる。
現場では、『自分で考えない』と嘆く上司が多い。
半面、若手は『言われたことをやるのが仕事』と考え、ギャップがある」
——いつの世も上司は「若い連中は・・・」と愚痴るし、
世代間の価値観のギャップは過去にもあった。
「『会社組織に入って、仕事で成果を上げる』という価値観は、
これまで世代を超えて共通だったが、ゆとり世代は上下関係や
社会的な経験が従来より不足。
今後は、価値観が異なる社員に活躍してもらうための
人材マネジメントが欠かせない。
企業が大切にしている理念や価値観に、
どのようにして共感してもらうかが重要」
——どのように教育すればよいのか?
「仕事の目的を、意識させることが重要。
ある会社で、新入社員に顧客リストを渡し、アポイントを取るように
指示したら、夕方になっても電話をしていなかった。
理由を尋ねると、『1件1件電話するのは非効率なので』。
上司は頭にきたが、この場合、事前に絞り込まれたリストであることや、
新規開拓のためにアポ取りが必要なことを説明していれば、
納得して電話しただろう」
「事実に基づいて、振り返ることも重要。
価値観が違うと、議論しても平行線になる。
顧客からクレームを受けた若手社員の対応がまずく、
顧客をさらに怒らせてしまったケースが。
その若手社員は、『顧客が悪い』と言い訳。
この場合、ただしかっても効果がない。
クレーム内容やどういう受け答えをしたか、
ひとつひとつ事実関係を聞き出し、どこが悪かったか指摘」
——従来より、時間や手間がかかりそうだ。
「育成に、時間がかかるようになった。
05年、新卒を大量採用するまで、企業は長い間
新卒採用を絞っていた。
企業内で、若手を育成する風土が失われていたことも。
今の企業の職場は非常に忙しく、マネジャーや育成担当者が
つきっきりで、新入社員を育てる余裕がない。
職場全体で、新入社員をフォローする風土づくりがポイント」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100302.html
2010年3月25日木曜日
豊田社長とゴーン社長の気になる「密談」
(日経 2010-03-15)
政財界の要人が一堂に会す
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)。
人口1万人のスキーリゾート地が格好の「密室」となる
1月のこの1週間は、世界中の企業トップにとっては密会の場にも。
自動車業界も、今年は日米欧の大手首脳が多数集い、
親しげに言葉を交わす光景。
トヨタ自動車の豊田章男社長が、ある首脳に言葉をかけられたのも、
そんなダボスでの午後。
「こんな時期に、弱みにつけ込もうなんて思っていませんから」
カルロス・ゴーン・日産自動車社長。
話題は当然のように、トヨタの米国でのリコール問題。
ゴーン社長としては、「真っ正面から話題に切り込むことで、
あえて重苦しい空気が漂うのを避けようとしたのが半分。
トヨタ問題に対する日産の姿勢を、暗に伝えようとしたのが半分」
ゴーン社長は、こうも言っていた。
「あれは、トヨタだけの問題じゃない。
日産やルノーにも教訓が多いし、突きつけられた問題は同じ。
だれかがこの場に乗じて、トヨタの顧客を奪ってやろうなどと
考えるのが、そもそもおかしい」
2月の米新車販売の実績をみると、トヨタは大手メーカーで
1人負けを強いられている。
他のメーカーの動き方はこの1カ月、2つに割れた。
日産などは、インセンティブと呼ばれる値引き販売には
あまり手をださなかった。
GMとフォード・モーターは、トヨタ車からの乗り換えを決めた
顧客に対し、1000ドル(約9万円)を値引きするキャンペーンを
大々的に実施し、シェア奪回を目指した。
競争だから仕方はない。
追い込まれている企業としては、当然かもしれない。
GMは、連邦破産法の活用で、有担保債務が大幅に軽減、
年金・医療費負担も減ってはいる。
経営危機の間に失われた顧客の数は、世界で数百万人、
それを取り戻すには何かきっかけをつくらないといけない。
同社再建には、米政府が低利融資やデット・エクイティー・スワップで
1兆円を超す資金をつぎ込み、失敗したらオバマ政権の出口戦略
そのものに影響が出る。
GMにとっては、なりふり構っていられない状態。
日産は、2010年3月期の営業利益が2900億円と、
当初の予想より1700億円も上の水準に行く。
新興国市場、特に中国大手と組んだ同国での合弁事業が好調、
米国市場への依存度は、逆に低下傾向。
ゴーン社長が、豊田社長に余裕の表情を見せたのも、
そうした経営状態を反映。
だが、こんな風にも考えられないか。
ハイブリッド車技術が弱い日産は、ハイブリッドの次をにらみ、
電気自動車へと一気にカジを切った。
年末には、トヨタに先んじて専用車「リーフ」の量産も開始。
トヨタの出方は、日産の命運を左右する可能性がある。
トヨタは、まだ電気自動車で明確な戦略を打ち出していない。
あらゆる先端技術で、蓄積が大きいトヨタの一挙手一投足は、
世界の自動車メーカーの命運をも左右。
リコール問題を克服し、電気自動車への戦略を明確にする時、
日産はインフラを含めた技術の標準化で
世界をリードしていけるのか?
そのカギを握っているのは、トヨタを合わせ、日本連合で
協力していけるのかどうか。
次世代技術を巡る思惑が、多分に絡んでいるとされるトヨタ問題。
米国はトヨタの勢いをそぎたいと考え、日本勢は困った時にこそ
良好な関係を築きたい——。
ダボスの社交の場は、そんな一端を浮き彫りにしていた。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100312.html
政財界の要人が一堂に会す
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)。
人口1万人のスキーリゾート地が格好の「密室」となる
1月のこの1週間は、世界中の企業トップにとっては密会の場にも。
自動車業界も、今年は日米欧の大手首脳が多数集い、
親しげに言葉を交わす光景。
トヨタ自動車の豊田章男社長が、ある首脳に言葉をかけられたのも、
そんなダボスでの午後。
「こんな時期に、弱みにつけ込もうなんて思っていませんから」
カルロス・ゴーン・日産自動車社長。
話題は当然のように、トヨタの米国でのリコール問題。
ゴーン社長としては、「真っ正面から話題に切り込むことで、
あえて重苦しい空気が漂うのを避けようとしたのが半分。
トヨタ問題に対する日産の姿勢を、暗に伝えようとしたのが半分」
ゴーン社長は、こうも言っていた。
「あれは、トヨタだけの問題じゃない。
日産やルノーにも教訓が多いし、突きつけられた問題は同じ。
だれかがこの場に乗じて、トヨタの顧客を奪ってやろうなどと
考えるのが、そもそもおかしい」
2月の米新車販売の実績をみると、トヨタは大手メーカーで
1人負けを強いられている。
他のメーカーの動き方はこの1カ月、2つに割れた。
日産などは、インセンティブと呼ばれる値引き販売には
あまり手をださなかった。
GMとフォード・モーターは、トヨタ車からの乗り換えを決めた
顧客に対し、1000ドル(約9万円)を値引きするキャンペーンを
大々的に実施し、シェア奪回を目指した。
競争だから仕方はない。
追い込まれている企業としては、当然かもしれない。
GMは、連邦破産法の活用で、有担保債務が大幅に軽減、
年金・医療費負担も減ってはいる。
経営危機の間に失われた顧客の数は、世界で数百万人、
それを取り戻すには何かきっかけをつくらないといけない。
同社再建には、米政府が低利融資やデット・エクイティー・スワップで
1兆円を超す資金をつぎ込み、失敗したらオバマ政権の出口戦略
そのものに影響が出る。
GMにとっては、なりふり構っていられない状態。
日産は、2010年3月期の営業利益が2900億円と、
当初の予想より1700億円も上の水準に行く。
新興国市場、特に中国大手と組んだ同国での合弁事業が好調、
米国市場への依存度は、逆に低下傾向。
ゴーン社長が、豊田社長に余裕の表情を見せたのも、
そうした経営状態を反映。
だが、こんな風にも考えられないか。
ハイブリッド車技術が弱い日産は、ハイブリッドの次をにらみ、
電気自動車へと一気にカジを切った。
年末には、トヨタに先んじて専用車「リーフ」の量産も開始。
トヨタの出方は、日産の命運を左右する可能性がある。
トヨタは、まだ電気自動車で明確な戦略を打ち出していない。
あらゆる先端技術で、蓄積が大きいトヨタの一挙手一投足は、
世界の自動車メーカーの命運をも左右。
リコール問題を克服し、電気自動車への戦略を明確にする時、
日産はインフラを含めた技術の標準化で
世界をリードしていけるのか?
そのカギを握っているのは、トヨタを合わせ、日本連合で
協力していけるのかどうか。
次世代技術を巡る思惑が、多分に絡んでいるとされるトヨタ問題。
米国はトヨタの勢いをそぎたいと考え、日本勢は困った時にこそ
良好な関係を築きたい——。
ダボスの社交の場は、そんな一端を浮き彫りにしていた。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100312.html
日本語を学ぶ(7)効果乏しい国の支援
(読売 3月13日)
今後、日本語はどう教えられていくのか?
「石油会社と言う時、私たちの多くは『せきゅ』と発音。
学習者が、『せきゅ』と聞き取って書くことで、
ネイティブの私たちは初めて自分の発音を知る」
東京・高田馬場の千駄ヶ谷日本語教育研究所。
日本語教師養成講座で、部長講師の小山紀子さん(45)の話を
十数人の受講生が熱心に聞いていた。
「海外関連の仕事をしていたので、興味を持って」と
受講生の一人。
日本語教師として働く場合、養成講座(420時間)の修了、
日本語教育能力検定試験合格、大学での日本語教育課程修了の
いずれかが一般的な採用条件。
2008年度の文化庁の調べによると、国内の日本語教師
約3万1000人のうち、半数の約1万6000人がボランティア、
約1万1000人が非常勤講師、比較的安定した待遇の
常勤講師は約4000人にすぎない。
地域での日本語学習は、ボランティア頼みだが、
「教える場所、金、時間、人材、知識」の不足で悲鳴を上げている。
さいたま市浦和区の国際交流基金日本語国際センター。
カザフスタン、ケニア、インドなど29か国から来日、
半年間の研修を受けていた外国人の日本語教師44人の
歓送会が行われた。
研修は、母国で半年以上の教師経験を持つ人たちが、
日本語教育法を改めて学ぶもので、
これまで71か国の1000人以上が受けてきた。
モロッコから来ていた男性アディル・エル・ハッダウィさん(32)は、
「モロッコでも、日本語はブーム。
実際に来日して、清潔さ、時刻表通りに電車が来るきちょうめんさなど、
日本の文化も知ることができた。
帰国していろいろ伝えられる」
日本のアニメーション人気もあって、海外では日本語学習熱が
高まっており、133か国・地域で約298万人が日本語を学ぶ。
教える側の日本語教師は、約4万4000人。
同基金でも、海外22か所を拠点に日本語教育を展開。
田尻英三・龍谷大学教授(63)(日本語教育)は、
「文部科学省から厚生労働省まで、様々な官庁が
外国人の日本語学習支援策を打ち出しているが、
断片的、対症療法的で、効果的とは言い難い」
教える側の条件整備、待遇改善も課題だが、
自国語の普及体制を積極的に整える
欧州や中国などに、後れをとりつつある。
日本語教育学会は、国の研究・開発機関として
「国立日本語教育研究所(仮称)」を提唱。
会長で、名古屋外国語大学教授の尾崎明人さん(64)は、
「日本語教育の能力評価、人材育成などに総合的に取り組むと
同時に、外国人が日本語を学ぶ重要性に広く気づいてもらう必要」
日本語教育の将来をどう導くのか、
国としての方向性が問われている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100313-OYT8T00346.htm
今後、日本語はどう教えられていくのか?
「石油会社と言う時、私たちの多くは『せきゅ』と発音。
学習者が、『せきゅ』と聞き取って書くことで、
ネイティブの私たちは初めて自分の発音を知る」
東京・高田馬場の千駄ヶ谷日本語教育研究所。
日本語教師養成講座で、部長講師の小山紀子さん(45)の話を
十数人の受講生が熱心に聞いていた。
「海外関連の仕事をしていたので、興味を持って」と
受講生の一人。
日本語教師として働く場合、養成講座(420時間)の修了、
日本語教育能力検定試験合格、大学での日本語教育課程修了の
いずれかが一般的な採用条件。
2008年度の文化庁の調べによると、国内の日本語教師
約3万1000人のうち、半数の約1万6000人がボランティア、
約1万1000人が非常勤講師、比較的安定した待遇の
常勤講師は約4000人にすぎない。
地域での日本語学習は、ボランティア頼みだが、
「教える場所、金、時間、人材、知識」の不足で悲鳴を上げている。
さいたま市浦和区の国際交流基金日本語国際センター。
カザフスタン、ケニア、インドなど29か国から来日、
半年間の研修を受けていた外国人の日本語教師44人の
歓送会が行われた。
研修は、母国で半年以上の教師経験を持つ人たちが、
日本語教育法を改めて学ぶもので、
これまで71か国の1000人以上が受けてきた。
モロッコから来ていた男性アディル・エル・ハッダウィさん(32)は、
「モロッコでも、日本語はブーム。
実際に来日して、清潔さ、時刻表通りに電車が来るきちょうめんさなど、
日本の文化も知ることができた。
帰国していろいろ伝えられる」
日本のアニメーション人気もあって、海外では日本語学習熱が
高まっており、133か国・地域で約298万人が日本語を学ぶ。
教える側の日本語教師は、約4万4000人。
同基金でも、海外22か所を拠点に日本語教育を展開。
田尻英三・龍谷大学教授(63)(日本語教育)は、
「文部科学省から厚生労働省まで、様々な官庁が
外国人の日本語学習支援策を打ち出しているが、
断片的、対症療法的で、効果的とは言い難い」
教える側の条件整備、待遇改善も課題だが、
自国語の普及体制を積極的に整える
欧州や中国などに、後れをとりつつある。
日本語教育学会は、国の研究・開発機関として
「国立日本語教育研究所(仮称)」を提唱。
会長で、名古屋外国語大学教授の尾崎明人さん(64)は、
「日本語教育の能力評価、人材育成などに総合的に取り組むと
同時に、外国人が日本語を学ぶ重要性に広く気づいてもらう必要」
日本語教育の将来をどう導くのか、
国としての方向性が問われている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100313-OYT8T00346.htm
まちの魅力が地価に反映 医療、観光で下げ止まり
(2010年3月19日 共同通信社)
2010年の公示地価で、下落幅が2年連続で拡大した
地方圏だが、医療関係施設の誘致や、景観整備など、
まちの魅力づくりへの取り組みが地価に反映、
下落を食い止めている地域も。
品川駅から東海道新幹線で約40分、
三島駅近くにある静岡県長泉町。
首都圏への通勤者も多いこの町は02年、県と協力して
「静岡がんセンター」を設置。
周辺で、医療研究施設の拡充や、バイオベンチャー育成など
健康を目玉にしたまちづくりを進める。
町の人口は、02年から4千人以上増え、現在は約4万人。
町は、「飲食店などが増え、活気が生まれた」と、
三島駅近くの6調査地点のうち2地点が0・8%上昇、
4地点が横ばいを維持。
鳥取県境港市では、地元出身の漫画家、水木しげるさんの
「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪の像が並ぶ
「水木しげるロード」が人気。
目抜き通りの商店街は、地価下落が沈静化し、
横ばいとなった地点も出た。
松山市は、道後温泉近くの商店の店構えを和風に統一。
屋外看板を撤去するなど、景観向上に努めた。
「観光客が増え、宿泊者数も順調に伸びている」
(道後温泉旅館協同組合)、
「四国の他県から移住する人も増加傾向」(松山市)など
効果は大きく、温泉付近の1地点の地価は横ばい。
ほかの地点でも、下げ止まり傾向。
ただ人口増でマンション建設が相次ぎ、景観を悪化させるのでは、
と住民から懸念の声。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/19/117703/
2010年の公示地価で、下落幅が2年連続で拡大した
地方圏だが、医療関係施設の誘致や、景観整備など、
まちの魅力づくりへの取り組みが地価に反映、
下落を食い止めている地域も。
品川駅から東海道新幹線で約40分、
三島駅近くにある静岡県長泉町。
首都圏への通勤者も多いこの町は02年、県と協力して
「静岡がんセンター」を設置。
周辺で、医療研究施設の拡充や、バイオベンチャー育成など
健康を目玉にしたまちづくりを進める。
町の人口は、02年から4千人以上増え、現在は約4万人。
町は、「飲食店などが増え、活気が生まれた」と、
三島駅近くの6調査地点のうち2地点が0・8%上昇、
4地点が横ばいを維持。
鳥取県境港市では、地元出身の漫画家、水木しげるさんの
「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪の像が並ぶ
「水木しげるロード」が人気。
目抜き通りの商店街は、地価下落が沈静化し、
横ばいとなった地点も出た。
松山市は、道後温泉近くの商店の店構えを和風に統一。
屋外看板を撤去するなど、景観向上に努めた。
「観光客が増え、宿泊者数も順調に伸びている」
(道後温泉旅館協同組合)、
「四国の他県から移住する人も増加傾向」(松山市)など
効果は大きく、温泉付近の1地点の地価は横ばい。
ほかの地点でも、下げ止まり傾向。
ただ人口増でマンション建設が相次ぎ、景観を悪化させるのでは、
と住民から懸念の声。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/19/117703/
日本イーライリリーの藤本・医学科学本部長「糖尿病、中枢神経系で新薬を相次ぎ開発」
(日経 3月10日)
日本の製薬会社が新薬不足で苦戦するなか、
豊富な新薬候補品(パイプライン)を抱える外資系製薬会社が
日本での存在感を増している。
米製薬大手の日本法人、日本イーライリリーも、
2009年の売上高が19%増の1092億9500万円となるなど、
伸びが際立っている。
どのような新薬を日本市場に投入し、シェア拡大を狙うのか?
研究開発戦略を担う、藤本利夫・医学科学本部長に聞いた。
——どの分野で新薬開発に力を入れるのか?
「当社が強みとする糖尿病や中枢神経系分野を中心に、
積極的に新薬開発を進めていく。
現在、日本で2型糖尿病の治療に使う『エキセナチド』の
承認を申請中。
皮下注射タイプで1日に2回、投与して使う。
体内の血糖値に応じて作用し、高血糖のときだけ
膵臓でのインスリン分泌を促す。
けいれんなどが起きる低血糖状態になりにくいのが特長で、
『GLP—1受容体作動薬』と呼ばれるタイプの作用方法の新薬」
「海外では、100万人以上の患者の治療に使われ、
実績を重ねている。
エキセナチドは1週間に1回、投与すれば済むように
薬効を徐々に発揮するように改良した新タイプも現在、
日本で開発最終段階に相当する第3相臨床試験(治験)を実施。
投与回数を減らせるので、患者の負担が軽くなる。
今後の第3相治験の結果を踏まえ、
日本でも承認申請するかどうか検討していきたい」
——統合失調症薬「ジプレキサ」など、中枢神経系の薬にも強い。
「ジプレキサは、日本で2009年に前年比7%増の
435億円(薬価ベース)の売り上げ。
ジプレキサは躁、うつ状態になる『双極性障害』の治療にも
使えるように、日本で開発を進めている。
双極性障害のうち、躁状態を対象とした適応症追加を承認申請中。
うつ状態についても現在、日本で第3相治験を実施中で、
適応症拡大を目指している」
——日本では、エーザイの「アリセプト」しかない
アルツハイマー型認知症治療薬についても、新薬を開発中。
「アルツハイマー薬では、2種類の薬が開発最終段階の
第3相治験まで進んできた。
『LY450139(開発番号)』は、錠剤の飲み薬。
化学合成などで製造する従来型の低分子化合物で、
認知症の症状の進行を抑制。
もう一つは、『LY2062430(同)』という静脈注射の薬。
人の免疫の仕組みを活用した抗体医薬品と呼ばれるバイオ製剤。
アルツハイマーの発症に関係するとみられている
アミロイドベータという物質にくっつき、取り除く。
有効性については、治験で調べている段階だが、
沈着したアミロイドベータに作用し、減らすことができる
可能性もあると期待」
——製薬各社が新しい薬を生み出すのに苦しむなか、
なぜ新薬候補品を次々に開発できるのか?
「研究者やバイオベンチャー企業などと積極的に連携する
『オープンイノベーション』の考え方が功を奏している。
研究開発では、複数の医薬品開発業務受託機関(CRO)と提携、
各国の大学などとも協力関係にある。
たくさんの候補品を集めつつ、新薬として十分な安全性や
有効性を持ち、成功できるかどうかをグローバルで判断する
『コーラス』と呼ぶ独自の組織を持っている。
新薬の研究開発状況や承認基準などに詳しい約30人のベテランで
構成され、コーラスで素早く判断することで、成功確率を高めている」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100309.html
日本の製薬会社が新薬不足で苦戦するなか、
豊富な新薬候補品(パイプライン)を抱える外資系製薬会社が
日本での存在感を増している。
米製薬大手の日本法人、日本イーライリリーも、
2009年の売上高が19%増の1092億9500万円となるなど、
伸びが際立っている。
どのような新薬を日本市場に投入し、シェア拡大を狙うのか?
研究開発戦略を担う、藤本利夫・医学科学本部長に聞いた。
——どの分野で新薬開発に力を入れるのか?
「当社が強みとする糖尿病や中枢神経系分野を中心に、
積極的に新薬開発を進めていく。
現在、日本で2型糖尿病の治療に使う『エキセナチド』の
承認を申請中。
皮下注射タイプで1日に2回、投与して使う。
体内の血糖値に応じて作用し、高血糖のときだけ
膵臓でのインスリン分泌を促す。
けいれんなどが起きる低血糖状態になりにくいのが特長で、
『GLP—1受容体作動薬』と呼ばれるタイプの作用方法の新薬」
「海外では、100万人以上の患者の治療に使われ、
実績を重ねている。
エキセナチドは1週間に1回、投与すれば済むように
薬効を徐々に発揮するように改良した新タイプも現在、
日本で開発最終段階に相当する第3相臨床試験(治験)を実施。
投与回数を減らせるので、患者の負担が軽くなる。
今後の第3相治験の結果を踏まえ、
日本でも承認申請するかどうか検討していきたい」
——統合失調症薬「ジプレキサ」など、中枢神経系の薬にも強い。
「ジプレキサは、日本で2009年に前年比7%増の
435億円(薬価ベース)の売り上げ。
ジプレキサは躁、うつ状態になる『双極性障害』の治療にも
使えるように、日本で開発を進めている。
双極性障害のうち、躁状態を対象とした適応症追加を承認申請中。
うつ状態についても現在、日本で第3相治験を実施中で、
適応症拡大を目指している」
——日本では、エーザイの「アリセプト」しかない
アルツハイマー型認知症治療薬についても、新薬を開発中。
「アルツハイマー薬では、2種類の薬が開発最終段階の
第3相治験まで進んできた。
『LY450139(開発番号)』は、錠剤の飲み薬。
化学合成などで製造する従来型の低分子化合物で、
認知症の症状の進行を抑制。
もう一つは、『LY2062430(同)』という静脈注射の薬。
人の免疫の仕組みを活用した抗体医薬品と呼ばれるバイオ製剤。
アルツハイマーの発症に関係するとみられている
アミロイドベータという物質にくっつき、取り除く。
有効性については、治験で調べている段階だが、
沈着したアミロイドベータに作用し、減らすことができる
可能性もあると期待」
——製薬各社が新しい薬を生み出すのに苦しむなか、
なぜ新薬候補品を次々に開発できるのか?
「研究者やバイオベンチャー企業などと積極的に連携する
『オープンイノベーション』の考え方が功を奏している。
研究開発では、複数の医薬品開発業務受託機関(CRO)と提携、
各国の大学などとも協力関係にある。
たくさんの候補品を集めつつ、新薬として十分な安全性や
有効性を持ち、成功できるかどうかをグローバルで判断する
『コーラス』と呼ぶ独自の組織を持っている。
新薬の研究開発状況や承認基準などに詳しい約30人のベテランで
構成され、コーラスで素早く判断することで、成功確率を高めている」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100309.html
2010年3月24日水曜日
三菱ケミカルが描く「新炭素社会」
(日経 2010-03-08)
「『低炭素社会』、『脱・炭素社会』という日本語は間違っている」−−。
三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長。
このコラムの否定にもつながりかねない発言だが、
彼の言い分はこうだ。
「化学産業は、炭素を加工して付加価値の高い製品を作り出す、
いわば“練炭術”。
リチウムイオン電池も太陽電池も炭素繊維も、
温暖化ガス排出削減につながるイノベーションは、
すべて炭素を使った技術。
英語では、『Low carbon society』などとは言わない。
『新炭素社会』と言うべきでは」
三菱ケミカルは、傘下の三菱化学を中心に、
石油化学事業に依存した事業構造から、
環境・エネルギーなど新事業に経営資源をシフト。
小林社長が目指す「新炭素社会」の三種の神器は、
「太陽電池」、「固体照明」、「リチウムイオン電池」
太陽電池では、後発の三菱化学だが、次世代の本命とされる
「有機薄膜太陽電池」の実用化に、メドを付けた。
有機薄膜とは、軽量で折り曲げが可能、
衣服や自動車の車体に張って使える。
現在主流の太陽電池の原料であるシリコンを使わず、
炭素や窒素など、安価な有機材料を原料に使うので、
将来の製造コストがシリコン系の10分の1程度。
光エネルギーを電気に変える変換効率の理論上の限界が
36%と、シリコン系の29%より高い。
三菱化学は、東京大学と共同で、
変換効率で世界最高レベルの7.4%を達成。
電池の寿命も、10年以上を実現。
光を受けて電子を放出する有機材料と、「フラーレン」と呼ぶ
球状炭素分子を電極で挟んだ構造。
2010年度中に、実用化レベルの10%の変換効率を目指し、
12年度にも商品化する計画。
これまでの世界最高は、住友化学の6.5%。
実用化に向けて開発競争が加速。
三菱化学は、有機薄膜太陽電池の実用化を待たずに昨年、
太陽電池事業に参入。
他社からシリコン系太陽電池を調達し、発電システムの設計や
施工まで手がけるシステム・インテグレーター事業。
4月から、アモルファスシリコン太陽電池を組み込んだ
屋上の防水シートや外壁用のアルミ建材も販売。
「本命の薄膜太陽電池が出てくるまで、様々な用途を開拓する」と
星島時太郎執行役員は狙い。
15年度、500億円の売り上げ目標を掲げる。
個体照明は、LED(発光ダイオード)照明と
有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)照明という、
2つのキーデバイスを持つ二正面作戦で展開。
高効率の白色LED素子を武器に、今春から欧米で
照明器具事業に参入。
有機EL照明は、基礎技術を持つパイオニアに出資し、
共同開発で11年中の量産を目指す。
リチウムイオン電池は、正極材、負極材、セパレーター、電解液
という4つの主要材料を持つ世界唯一の企業であることを強みに、
環境車向けの電池開発を加速。
「低炭素」、「脱・炭素」という言葉は、地球温暖化ガスの象徴である
CO2排出削減や化石燃料への依存脱却をうたったもの。
人間の体にも、自然界のほとんどの物質にも、炭素は含まれ、
日々の生活や文明の進化には必要不可欠な元素。
小林社長の「脱・炭素という言葉への違和感」を紹介。
これからは、炭素をうまく活用する知恵が
地球温暖化にストップをかける技術や事業を生み出し、
強い企業を作り上げるのだろう。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100305.html
「『低炭素社会』、『脱・炭素社会』という日本語は間違っている」−−。
三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長。
このコラムの否定にもつながりかねない発言だが、
彼の言い分はこうだ。
「化学産業は、炭素を加工して付加価値の高い製品を作り出す、
いわば“練炭術”。
リチウムイオン電池も太陽電池も炭素繊維も、
温暖化ガス排出削減につながるイノベーションは、
すべて炭素を使った技術。
英語では、『Low carbon society』などとは言わない。
『新炭素社会』と言うべきでは」
三菱ケミカルは、傘下の三菱化学を中心に、
石油化学事業に依存した事業構造から、
環境・エネルギーなど新事業に経営資源をシフト。
小林社長が目指す「新炭素社会」の三種の神器は、
「太陽電池」、「固体照明」、「リチウムイオン電池」
太陽電池では、後発の三菱化学だが、次世代の本命とされる
「有機薄膜太陽電池」の実用化に、メドを付けた。
有機薄膜とは、軽量で折り曲げが可能、
衣服や自動車の車体に張って使える。
現在主流の太陽電池の原料であるシリコンを使わず、
炭素や窒素など、安価な有機材料を原料に使うので、
将来の製造コストがシリコン系の10分の1程度。
光エネルギーを電気に変える変換効率の理論上の限界が
36%と、シリコン系の29%より高い。
三菱化学は、東京大学と共同で、
変換効率で世界最高レベルの7.4%を達成。
電池の寿命も、10年以上を実現。
光を受けて電子を放出する有機材料と、「フラーレン」と呼ぶ
球状炭素分子を電極で挟んだ構造。
2010年度中に、実用化レベルの10%の変換効率を目指し、
12年度にも商品化する計画。
これまでの世界最高は、住友化学の6.5%。
実用化に向けて開発競争が加速。
三菱化学は、有機薄膜太陽電池の実用化を待たずに昨年、
太陽電池事業に参入。
他社からシリコン系太陽電池を調達し、発電システムの設計や
施工まで手がけるシステム・インテグレーター事業。
4月から、アモルファスシリコン太陽電池を組み込んだ
屋上の防水シートや外壁用のアルミ建材も販売。
「本命の薄膜太陽電池が出てくるまで、様々な用途を開拓する」と
星島時太郎執行役員は狙い。
15年度、500億円の売り上げ目標を掲げる。
個体照明は、LED(発光ダイオード)照明と
有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)照明という、
2つのキーデバイスを持つ二正面作戦で展開。
高効率の白色LED素子を武器に、今春から欧米で
照明器具事業に参入。
有機EL照明は、基礎技術を持つパイオニアに出資し、
共同開発で11年中の量産を目指す。
リチウムイオン電池は、正極材、負極材、セパレーター、電解液
という4つの主要材料を持つ世界唯一の企業であることを強みに、
環境車向けの電池開発を加速。
「低炭素」、「脱・炭素」という言葉は、地球温暖化ガスの象徴である
CO2排出削減や化石燃料への依存脱却をうたったもの。
人間の体にも、自然界のほとんどの物質にも、炭素は含まれ、
日々の生活や文明の進化には必要不可欠な元素。
小林社長の「脱・炭素という言葉への違和感」を紹介。
これからは、炭素をうまく活用する知恵が
地球温暖化にストップをかける技術や事業を生み出し、
強い企業を作り上げるのだろう。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan100305.html
日本語を学ぶ(6)高校生も80歳代も先生
(読売 3月11日)
外国人の少ない地域で、日本語学習の取り組みが粘り強く続く。
「子どもは耳がいいのよ。お母さんが『聞いてください』と、
『い』をはっきり言わないと、『切ってください』と間違えちゃうよ」
「『教えることができません』と『教えません』は、何が違うかな?」
秋田県藤里町の三世代交流館。
月2回の日本語の出張講義で訪れた北川裕子さん(60)が、
韓国と中国から国際結婚でやってきた女性2人に、
はきはきとした話し方で日本語を教える。
北川さんは、同町に隣接する能代市を拠点に、
同市内や近隣で日本語学習教室を開催する
「のしろ日本語学習会」の代表。
1997年、韓国から来日した農業佐々木幸子さん(63)は、
「最初の何年かは、家でおばあちゃんやだんなと
方言で会話するばかりで、上手なつもりだった。
ある時、『日本語が下手』と言われてショックで」
近くに学ぶ場もなく、北川さんに頼み込んで、2004年から
農作業や家事の合間に学習を始めた。
08年、日本語能力試験3級に合格。
地元の世界遺産・白神山地を訪れる韓国人観光客に、
簡単な通訳をするほど上達。
「まだまだ、がんばればもっと上手になるよ」と、北川さんは励ます。
秋田県の外国人登録者数は、中国人、韓国人、フィリピン人を中心に、
4405人(2008年末)で、全国で4番目に少ない外国人散在地域。
日本人の配偶者を持つ外国人が、約1割。
約20年前から、農村地域での「外国人花嫁」が増えた地域。
北川さんが能代市で、日本語を母語としない人を対象に
同学習会を始めたのは93年。
中国帰国者の学習支援にかかわったのがきっかけ。
中国やフィリピンなど、海外出身の主婦やその子どもら66人が登録。
北川さんのほか、高校生から80歳代まで、
地域住民約20人がボランティアで教えている。
地方での生活情報は、主に自治体の広報紙から得るため、
読み書きの基本が大事。
テキストに沿って、基本的な文法から学び、受講者には
日常会話レベルの日本語能力試験3級、
可能なら、同1級に合格するのを目標に学習。
盆踊り、花見、忘年会など地域住民を交えた行事を開き、
地域に溶け込めるよう努力。
県立高校放送部員として、一昨年春から同学習会の取材を行い、
その後ボランティアとして参加していた
3年生の伊藤ななせさん(18)は、
「最初は、外国の人が相手ということで緊張し、壁がありましたが、
活動するうちに、地域の同じ仲間なんだな、と感じる」
「高齢化の進む地域を支えてくれる、我々なんか及ばない
力を持つ人を育てる教室」と北川さん。
今後は、後継者育成が課題。
◆日本語能力試験
日本語を母語としない人を対象、財団法人日本国際教育支援協会
などが年2回開催、今年度第2回は国内で9万5000人、
海外で42万人が受験。
1~4級があり、大学受験には1級レベルが必要。
来年度から内容が一新され、レベルは5段階に変わる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100311-OYT8T00200.htm
外国人の少ない地域で、日本語学習の取り組みが粘り強く続く。
「子どもは耳がいいのよ。お母さんが『聞いてください』と、
『い』をはっきり言わないと、『切ってください』と間違えちゃうよ」
「『教えることができません』と『教えません』は、何が違うかな?」
秋田県藤里町の三世代交流館。
月2回の日本語の出張講義で訪れた北川裕子さん(60)が、
韓国と中国から国際結婚でやってきた女性2人に、
はきはきとした話し方で日本語を教える。
北川さんは、同町に隣接する能代市を拠点に、
同市内や近隣で日本語学習教室を開催する
「のしろ日本語学習会」の代表。
1997年、韓国から来日した農業佐々木幸子さん(63)は、
「最初の何年かは、家でおばあちゃんやだんなと
方言で会話するばかりで、上手なつもりだった。
ある時、『日本語が下手』と言われてショックで」
近くに学ぶ場もなく、北川さんに頼み込んで、2004年から
農作業や家事の合間に学習を始めた。
08年、日本語能力試験3級に合格。
地元の世界遺産・白神山地を訪れる韓国人観光客に、
簡単な通訳をするほど上達。
「まだまだ、がんばればもっと上手になるよ」と、北川さんは励ます。
秋田県の外国人登録者数は、中国人、韓国人、フィリピン人を中心に、
4405人(2008年末)で、全国で4番目に少ない外国人散在地域。
日本人の配偶者を持つ外国人が、約1割。
約20年前から、農村地域での「外国人花嫁」が増えた地域。
北川さんが能代市で、日本語を母語としない人を対象に
同学習会を始めたのは93年。
中国帰国者の学習支援にかかわったのがきっかけ。
中国やフィリピンなど、海外出身の主婦やその子どもら66人が登録。
北川さんのほか、高校生から80歳代まで、
地域住民約20人がボランティアで教えている。
地方での生活情報は、主に自治体の広報紙から得るため、
読み書きの基本が大事。
テキストに沿って、基本的な文法から学び、受講者には
日常会話レベルの日本語能力試験3級、
可能なら、同1級に合格するのを目標に学習。
盆踊り、花見、忘年会など地域住民を交えた行事を開き、
地域に溶け込めるよう努力。
県立高校放送部員として、一昨年春から同学習会の取材を行い、
その後ボランティアとして参加していた
3年生の伊藤ななせさん(18)は、
「最初は、外国の人が相手ということで緊張し、壁がありましたが、
活動するうちに、地域の同じ仲間なんだな、と感じる」
「高齢化の進む地域を支えてくれる、我々なんか及ばない
力を持つ人を育てる教室」と北川さん。
今後は、後継者育成が課題。
◆日本語能力試験
日本語を母語としない人を対象、財団法人日本国際教育支援協会
などが年2回開催、今年度第2回は国内で9万5000人、
海外で42万人が受験。
1~4級があり、大学受験には1級レベルが必要。
来年度から内容が一新され、レベルは5段階に変わる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100311-OYT8T00200.htm
無理な運動、ひざ痛のもと
(2010年3月19日 毎日新聞社)
ランニングや登山で、ひざを痛める若者や中高年が増えている。
体力を過信せず、運動後のケアを怠らないよう、
医師ら専門家は注意を呼びかけている。
東京マラソン直前、40代の男性が整形外科医院を訪ねた。
男性は、両ひざに故障を抱える市民ランナーで、
通院を始めて1年。
ベストタイムを1時間縮めようと、専属コーチを雇うほどの入れ込み。
痛みがひどいときは、消炎・鎮痛効果のある
ヒアルロン酸をひざに注射。
担当医は、「痛みが強い時は、走らない勇気を」と伝える。
運動が原因となるひざ痛は、関節内の潤滑液(関節液)が減って、
軟骨がすり減る変形性ひざ関節症のほか、
半月板や靱帯の損傷が代表例。
たまにしか汗をかかなくても、1回当たりの運動量が多いと、
ひざを壊しやすい。
健康商品を販売する「エスエスエルヘルスケアジャパン」が、
20歳以上の男女816人にインターネットで尋ねたところ、
「ジョギングを月に1回程度」という回答者の40・0%、
「月に1回未満」の43・3%がひざ痛を抱えていた。
運動具メーカー、ミズノの旗艦店「エスポートミズノ」。
連日、多くの市民ランナーが訪れ、ランニングシューズを求めるが、
競技者仕様の上級モデルを好む初心者が少なくない。
同店フロア長の市橋伸浩さん(37)は、
「競技者仕様の多くは、軽量で底が薄く、上級者が使えば
いいタイムが出る。
体力の備わっていない初心者が使うと、
地面からのショックを靴で吸収できず、ひざに負担が増す。
まさにけがのもと」と言い切る。
痛みをおして走りたいという客も多く、サポーターを勧めたり、
効果的なストレッチの方法をアドバイスしたり。
「デザインや価格が気に入らなくても、ランニングを長く
楽しんでいただくためには、けがを避けることが大事」
登山の場合、下り道でひざに違和感や痛みを覚えるケースが多い。
歩き方が悪いと、体重と担いだ荷物の重量が
一気に片方のひざにかかる。
日本整形外科学会認定のスポーツ医で、整形外科を開業する
服部和幸医師(44)は、「一度痛んだひざは、再び痛みやすい。
再発防止のため、大腿四頭筋という筋肉を鍛え、
ひざを安定させることが大切」と、
可能ならば、スクワットなど筋力トレーニングを勧める。
健康志向雑誌「ターザン」(マガジンハウス)の元編集長で、
編集制作会社経営の及川政治さん(55)も、
筋トレで両ひざ痛を克服。
20代後半から始まった痛みが、30代半ばで悪化。
整骨院で勧められた脚の筋トレに励んだところ、
40代になって痛みがなくなった。
「いまでもジムで脚を鍛えている。ひざを守るには一番いい」
ひざを痛めず、好きなスポーツを続けるにはどうしたらいいか?
東京医科歯科大大学院運動器外科学の宗田大教授(56)は、
「少しでも痛みを感じたら、自分には素質がないと思い、
運動をセーブすること。
特に、若いころ運動選手だった人は、体が思い通りに動いた
昔の記憶に引きずられる傾向がある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/19/117704/
ランニングや登山で、ひざを痛める若者や中高年が増えている。
体力を過信せず、運動後のケアを怠らないよう、
医師ら専門家は注意を呼びかけている。
東京マラソン直前、40代の男性が整形外科医院を訪ねた。
男性は、両ひざに故障を抱える市民ランナーで、
通院を始めて1年。
ベストタイムを1時間縮めようと、専属コーチを雇うほどの入れ込み。
痛みがひどいときは、消炎・鎮痛効果のある
ヒアルロン酸をひざに注射。
担当医は、「痛みが強い時は、走らない勇気を」と伝える。
運動が原因となるひざ痛は、関節内の潤滑液(関節液)が減って、
軟骨がすり減る変形性ひざ関節症のほか、
半月板や靱帯の損傷が代表例。
たまにしか汗をかかなくても、1回当たりの運動量が多いと、
ひざを壊しやすい。
健康商品を販売する「エスエスエルヘルスケアジャパン」が、
20歳以上の男女816人にインターネットで尋ねたところ、
「ジョギングを月に1回程度」という回答者の40・0%、
「月に1回未満」の43・3%がひざ痛を抱えていた。
運動具メーカー、ミズノの旗艦店「エスポートミズノ」。
連日、多くの市民ランナーが訪れ、ランニングシューズを求めるが、
競技者仕様の上級モデルを好む初心者が少なくない。
同店フロア長の市橋伸浩さん(37)は、
「競技者仕様の多くは、軽量で底が薄く、上級者が使えば
いいタイムが出る。
体力の備わっていない初心者が使うと、
地面からのショックを靴で吸収できず、ひざに負担が増す。
まさにけがのもと」と言い切る。
痛みをおして走りたいという客も多く、サポーターを勧めたり、
効果的なストレッチの方法をアドバイスしたり。
「デザインや価格が気に入らなくても、ランニングを長く
楽しんでいただくためには、けがを避けることが大事」
登山の場合、下り道でひざに違和感や痛みを覚えるケースが多い。
歩き方が悪いと、体重と担いだ荷物の重量が
一気に片方のひざにかかる。
日本整形外科学会認定のスポーツ医で、整形外科を開業する
服部和幸医師(44)は、「一度痛んだひざは、再び痛みやすい。
再発防止のため、大腿四頭筋という筋肉を鍛え、
ひざを安定させることが大切」と、
可能ならば、スクワットなど筋力トレーニングを勧める。
健康志向雑誌「ターザン」(マガジンハウス)の元編集長で、
編集制作会社経営の及川政治さん(55)も、
筋トレで両ひざ痛を克服。
20代後半から始まった痛みが、30代半ばで悪化。
整骨院で勧められた脚の筋トレに励んだところ、
40代になって痛みがなくなった。
「いまでもジムで脚を鍛えている。ひざを守るには一番いい」
ひざを痛めず、好きなスポーツを続けるにはどうしたらいいか?
東京医科歯科大大学院運動器外科学の宗田大教授(56)は、
「少しでも痛みを感じたら、自分には素質がないと思い、
運動をセーブすること。
特に、若いころ運動選手だった人は、体が思い通りに動いた
昔の記憶に引きずられる傾向がある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/19/117704/
成長細胞が"若返り" 精子形成で新機構解明
(2010年3月19日 共同通信社)
精巣内で精子に成長する幹細胞は、成長を始めた後も
再び幹細胞に戻って、自己複製する能力があることを、
自然科学研究機構基礎生物学研究所の吉田松生教授らが
マウス実験で解明、19日付米科学誌サイエンスに掲載。
精子幹細胞の成長は、一度始まると"若返り"できないとの
通説を覆す内容。
吉田教授は、「どういう条件で後戻りするか分かれば、
男性の不妊治療などにつながる可能性がある」
精子に成長する幹細胞は、精巣内にごくわずかしか存在しないが、
多数の精子が長期間、安定的につくり出されるのは、
今回のメカニズムが関与。
吉田教授らは、緑色蛍光タンパク質(GFP)を使い、
精巣内の細胞を生きたまま顕微鏡で観察する技術を開発。
幹細胞が成長を始め、鎖状につながって細胞分裂していく際、
一部の鎖がちぎれて成長段階を後戻りし、
再び自己複製しながら成長を続けることを確かめた。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/19/117713/
精巣内で精子に成長する幹細胞は、成長を始めた後も
再び幹細胞に戻って、自己複製する能力があることを、
自然科学研究機構基礎生物学研究所の吉田松生教授らが
マウス実験で解明、19日付米科学誌サイエンスに掲載。
精子幹細胞の成長は、一度始まると"若返り"できないとの
通説を覆す内容。
吉田教授は、「どういう条件で後戻りするか分かれば、
男性の不妊治療などにつながる可能性がある」
精子に成長する幹細胞は、精巣内にごくわずかしか存在しないが、
多数の精子が長期間、安定的につくり出されるのは、
今回のメカニズムが関与。
吉田教授らは、緑色蛍光タンパク質(GFP)を使い、
精巣内の細胞を生きたまま顕微鏡で観察する技術を開発。
幹細胞が成長を始め、鎖状につながって細胞分裂していく際、
一部の鎖がちぎれて成長段階を後戻りし、
再び自己複製しながら成長を続けることを確かめた。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/19/117713/
2010年3月23日火曜日
日本語を学ぶ(5)講師や費用 地域が援助
(読売 3月10日)
不十分な日本語で生活する外国人の学習を、
地域が一体となって支える。
愛知県豊田市の保見団地集会所に、ブラジル人と日本人ら
十数人が集まった。
初心者向けの会話クラスと、中級者向けの読み書きクラスがある
地域日本語教室。
読み書きクラスのこの日のテーマは、「出身地」。
地図や観光資料を持ち寄って、「海がたくさんあります」、
「サンパウロは空気があまり良くない」など和気あいあいと話した後、
受講者はその内容を紙に書き出した。
ブラジル人松田エリザベッチさん(54)は、会話は滑らかだったが、
書いてみると、濁点が抜けるミスを指摘。
「日系人の夫と日本に来て19年ですが、漢字やカタカナは難しい」
この教室を支えるのは、市、名古屋大学、自治会、企業などが
協働して進める「とよた日本語学習支援システム」。
トヨタ自動車が市に寄付した1億円を基に、2008年度、
学校を終え社会に出た同市在住・在勤の外国人らに、
生活上必要な日本語の習得を促すため、始まった。
同市は、外国人集住都市会議会員都市の一つで、
自動車産業などで働く外国人約1万5000人が住む。
大半が、1990年代に来日した日系人と家族で、
長年住んでも、日本語が不得手な場合が多い。
システムのコーディネーター土井佳彦さん(30)は、
「あまり会話せず働ける工場に、会社の送迎バスで通勤し、
買い物をする店ではポルトガル語が通じる、
日本語を話さなくても生活できる環境ができあがってしまった」
システムでは、まず、地域や企業内で日本語学習教室を
開設しようと考える人に対し、講師やボランティア派遣、
一部費用負担などを行う。
専門講師やボランティアの育成も支援。
日本語で何ができるかを7段階で判定する
「とよた日本語能力判定」も開発中。
既に一部が完成し、指導の参考にしたり、
学習費用免除の判定などに使ったりしている。
ウェブ上に、コンピューター教材「とよた日本語eラーニング」を公開。
「電話で休むと学校に伝える」、
「子どもがけがをしたと学校から連絡が来る」など学校、市役所、
病院の3場面で必要な会話を、ポルトガル語訳の字幕付き動画で紹介。
ひらがなやカタカナのほか、履歴書の書き方も自習できる。
こうした学習を通して、地域住民と外国人の接点が増え、
相互理解が徐々に進んでいる。
09年度、日本語教室を開いた企業から、
「簡単な日本語の会話も増え、人間関係もよくなってきた」
などの声も寄せられた。
ボランティアで教室を手伝う市内の無職増田和信さん(61)は、
「教えるだけでなく、楽しく交流でき、相手の国の文化・習慣を
教えてもらえるので面白い」
外国人が、日本語を学べばすむわけではない。
日本人も、相手から学んでいくことが求められている。
◆外国人集住都市会議
南米日系人を中心とする外国人住民が多数居住する都市が、
情報交換や課題解決のために2001年設立。
群馬県太田市、浜松市、岐阜県美濃加茂市、
三重県鈴鹿市など28市町が参加。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100310-OYT8T00181.htm
不十分な日本語で生活する外国人の学習を、
地域が一体となって支える。
愛知県豊田市の保見団地集会所に、ブラジル人と日本人ら
十数人が集まった。
初心者向けの会話クラスと、中級者向けの読み書きクラスがある
地域日本語教室。
読み書きクラスのこの日のテーマは、「出身地」。
地図や観光資料を持ち寄って、「海がたくさんあります」、
「サンパウロは空気があまり良くない」など和気あいあいと話した後、
受講者はその内容を紙に書き出した。
ブラジル人松田エリザベッチさん(54)は、会話は滑らかだったが、
書いてみると、濁点が抜けるミスを指摘。
「日系人の夫と日本に来て19年ですが、漢字やカタカナは難しい」
この教室を支えるのは、市、名古屋大学、自治会、企業などが
協働して進める「とよた日本語学習支援システム」。
トヨタ自動車が市に寄付した1億円を基に、2008年度、
学校を終え社会に出た同市在住・在勤の外国人らに、
生活上必要な日本語の習得を促すため、始まった。
同市は、外国人集住都市会議会員都市の一つで、
自動車産業などで働く外国人約1万5000人が住む。
大半が、1990年代に来日した日系人と家族で、
長年住んでも、日本語が不得手な場合が多い。
システムのコーディネーター土井佳彦さん(30)は、
「あまり会話せず働ける工場に、会社の送迎バスで通勤し、
買い物をする店ではポルトガル語が通じる、
日本語を話さなくても生活できる環境ができあがってしまった」
システムでは、まず、地域や企業内で日本語学習教室を
開設しようと考える人に対し、講師やボランティア派遣、
一部費用負担などを行う。
専門講師やボランティアの育成も支援。
日本語で何ができるかを7段階で判定する
「とよた日本語能力判定」も開発中。
既に一部が完成し、指導の参考にしたり、
学習費用免除の判定などに使ったりしている。
ウェブ上に、コンピューター教材「とよた日本語eラーニング」を公開。
「電話で休むと学校に伝える」、
「子どもがけがをしたと学校から連絡が来る」など学校、市役所、
病院の3場面で必要な会話を、ポルトガル語訳の字幕付き動画で紹介。
ひらがなやカタカナのほか、履歴書の書き方も自習できる。
こうした学習を通して、地域住民と外国人の接点が増え、
相互理解が徐々に進んでいる。
09年度、日本語教室を開いた企業から、
「簡単な日本語の会話も増え、人間関係もよくなってきた」
などの声も寄せられた。
ボランティアで教室を手伝う市内の無職増田和信さん(61)は、
「教えるだけでなく、楽しく交流でき、相手の国の文化・習慣を
教えてもらえるので面白い」
外国人が、日本語を学べばすむわけではない。
日本人も、相手から学んでいくことが求められている。
◆外国人集住都市会議
南米日系人を中心とする外国人住民が多数居住する都市が、
情報交換や課題解決のために2001年設立。
群馬県太田市、浜松市、岐阜県美濃加茂市、
三重県鈴鹿市など28市町が参加。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100310-OYT8T00181.htm
宇宙ヨットが拓く次世代探査技術
(日経 2010-03-05)
今年、太陽の光を帆に受けて進む「宇宙ヨット」の実験機が、
日米で相次いで打ち上げられる。
燃料を使わずに宇宙を航行する「宇宙ヨット」は、
それ自体が魅力的だが、次世代の宇宙探査機を見据えた
様々な新技術の実験が盛り込まれている。
「今回のプロジェクトで、一気に世界を2歩も3歩もリードできる」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)で、小型ソーラー電力セイル実証機
「IKAROS(イカロス)」のプロジェクトリーダーを務める森治助教。
イカロスは、金星探査機「あかつき」とともにH2Aロケットで、
種子島宇宙センターから5月18日に打ち上げ。
厚さ7.5umのポリイミド膜でできた差し渡し20mの正方形の帆を広げ、
太陽光の力で金星を目指す。
太陽光で探査機がきちんと航行できることを確かめる目的ももちろん、
「帆にはりつけた太陽電池のほうが狙い」。
火星よりずっと遠い木星などの探査機を念頭に置いている。
米国やロシアが、これまで木星より遠くへ行く探査機の電源として、
原子力電池を利用。
原子力電池は、出力を大きくできない。
燃料は少なくて済むが、多くの電力を使うイオンエンジンや
地球まで届く強力な通信機など、将来の探査機に搭載するため、
原子力電池に代わる大出力の電源が求められる。
太陽電池はその有力候補。
宇宙探査機には、これまでも太陽電池がよく利用されているが、
使う場所は地球軌道に近い場所に限られる。
太陽から木星までの距離は、地球までの約5倍。
太陽から届く光は、同じ面積なら25分の1に減り、
太陽電池で必要な電力を確保するには広い面積が必要。
従来の太陽電池パネルを使うと、重量が増えて打ち上げることも
困難になるが、大きな宇宙ヨットの帆に薄膜型の太陽電池を
はりつければ、必要な面積を確保できる。
イカロスは、太陽光で航行するだけでなく、帆にはりつけた
薄膜太陽電池が作る電力でイオンエンジンを動かす。
今回、既存の薄膜太陽電池をはりつけたが、
本格的な探査機に利用するときは帆に直接、薄膜太陽電池を
印刷し、一層軽量化することも可能。
帆の材料でも、新技術が盛り込まれている。
薄くて丈夫なポリイミド膜を使うのは同じだが、メーカーのカネカと
熱を加えるだけで接着できる膜を開発。
ポリイミド膜は、1枚で帆になるような大きなものではなく、
数多くの膜を接着剤ではりつけて大きな帆を作っていた。
この方法だと帆を作るとき、しわくちゃになりやすい。
接着剤に含まれるガスが宇宙でしみ出して装置に付着、
観測などの妨げになる懸念。
熱で接着すれば、こうした懸念がなく、長い間に接着部分が劣化して
帆がばらばらになる心配も減る。
イカロスでは、量産が間に合わず部分的な使用だが、
より大きな帆を作るため、量産技術の開発も進行中。
大きな帆を広げる技術も独自に開発。
支柱などを使わず、帆の頂点につけたおもりの遠心力で広げる方法。
4本の束にたたんで本体に巻き付けた帆をゆっくりと引き出し、
最後に束を開いて帆を広げる。
米国惑星協会が、今年末に打ち上げを予定している宇宙ヨット
「ライトセイル1」は支柱で広げるが、帆が大きくなると
支柱の重量が増えるため、大型の宇宙ヨットには向かない。
「帆を広げるのが一番難しい。
これが成功すれば、イカロスは成功」と森プロジェクトリーダー。
いくつもの新技術が盛り込まれたイカロスだが、
「計画当初は、もっと多くの試みを取り込もうと考えていた」
木星近くの低温でも着火しやすいエンジンや、
エンジンと共通の燃料を使う燃料電池もその1つ。
こうした新技術も、次のステップではとりこんでいきたい。
宇宙ヨットの概念は100年前からあり、米国が試みるなどしたが、
まだ成功していない。
イカロスが成功すれば、世界初の宇宙ヨットになる。
英国のSF作家、アーサー・C・クラークは、短編「太陽からの風」で、
地球の衛星軌道から月へ向かう宇宙のヨットレースを描いた。
将来、こうした宇宙ヨットレースが実現すれば、
イカロスはその先駆者として記憶されることに。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100304.html
今年、太陽の光を帆に受けて進む「宇宙ヨット」の実験機が、
日米で相次いで打ち上げられる。
燃料を使わずに宇宙を航行する「宇宙ヨット」は、
それ自体が魅力的だが、次世代の宇宙探査機を見据えた
様々な新技術の実験が盛り込まれている。
「今回のプロジェクトで、一気に世界を2歩も3歩もリードできる」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)で、小型ソーラー電力セイル実証機
「IKAROS(イカロス)」のプロジェクトリーダーを務める森治助教。
イカロスは、金星探査機「あかつき」とともにH2Aロケットで、
種子島宇宙センターから5月18日に打ち上げ。
厚さ7.5umのポリイミド膜でできた差し渡し20mの正方形の帆を広げ、
太陽光の力で金星を目指す。
太陽光で探査機がきちんと航行できることを確かめる目的ももちろん、
「帆にはりつけた太陽電池のほうが狙い」。
火星よりずっと遠い木星などの探査機を念頭に置いている。
米国やロシアが、これまで木星より遠くへ行く探査機の電源として、
原子力電池を利用。
原子力電池は、出力を大きくできない。
燃料は少なくて済むが、多くの電力を使うイオンエンジンや
地球まで届く強力な通信機など、将来の探査機に搭載するため、
原子力電池に代わる大出力の電源が求められる。
太陽電池はその有力候補。
宇宙探査機には、これまでも太陽電池がよく利用されているが、
使う場所は地球軌道に近い場所に限られる。
太陽から木星までの距離は、地球までの約5倍。
太陽から届く光は、同じ面積なら25分の1に減り、
太陽電池で必要な電力を確保するには広い面積が必要。
従来の太陽電池パネルを使うと、重量が増えて打ち上げることも
困難になるが、大きな宇宙ヨットの帆に薄膜型の太陽電池を
はりつければ、必要な面積を確保できる。
イカロスは、太陽光で航行するだけでなく、帆にはりつけた
薄膜太陽電池が作る電力でイオンエンジンを動かす。
今回、既存の薄膜太陽電池をはりつけたが、
本格的な探査機に利用するときは帆に直接、薄膜太陽電池を
印刷し、一層軽量化することも可能。
帆の材料でも、新技術が盛り込まれている。
薄くて丈夫なポリイミド膜を使うのは同じだが、メーカーのカネカと
熱を加えるだけで接着できる膜を開発。
ポリイミド膜は、1枚で帆になるような大きなものではなく、
数多くの膜を接着剤ではりつけて大きな帆を作っていた。
この方法だと帆を作るとき、しわくちゃになりやすい。
接着剤に含まれるガスが宇宙でしみ出して装置に付着、
観測などの妨げになる懸念。
熱で接着すれば、こうした懸念がなく、長い間に接着部分が劣化して
帆がばらばらになる心配も減る。
イカロスでは、量産が間に合わず部分的な使用だが、
より大きな帆を作るため、量産技術の開発も進行中。
大きな帆を広げる技術も独自に開発。
支柱などを使わず、帆の頂点につけたおもりの遠心力で広げる方法。
4本の束にたたんで本体に巻き付けた帆をゆっくりと引き出し、
最後に束を開いて帆を広げる。
米国惑星協会が、今年末に打ち上げを予定している宇宙ヨット
「ライトセイル1」は支柱で広げるが、帆が大きくなると
支柱の重量が増えるため、大型の宇宙ヨットには向かない。
「帆を広げるのが一番難しい。
これが成功すれば、イカロスは成功」と森プロジェクトリーダー。
いくつもの新技術が盛り込まれたイカロスだが、
「計画当初は、もっと多くの試みを取り込もうと考えていた」
木星近くの低温でも着火しやすいエンジンや、
エンジンと共通の燃料を使う燃料電池もその1つ。
こうした新技術も、次のステップではとりこんでいきたい。
宇宙ヨットの概念は100年前からあり、米国が試みるなどしたが、
まだ成功していない。
イカロスが成功すれば、世界初の宇宙ヨットになる。
英国のSF作家、アーサー・C・クラークは、短編「太陽からの風」で、
地球の衛星軌道から月へ向かう宇宙のヨットレースを描いた。
将来、こうした宇宙ヨットレースが実現すれば、
イカロスはその先駆者として記憶されることに。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100304.html
貧困の子どもたち 家計と健康の関連調査 1万世帯対象、4年間継続で
(2010年3月9日 毎日新聞社)
親の経済状況と子どもの健康の関連を調べる
初の大規模調査が、5月にも始まる。
関東地区の1万世帯を任意に抽出し、研究者らが
既往歴や食習慣などを4年間にわたって継続調査。
親から子どもへの貧困の連鎖が社会問題化する中、
経済格差の固定化を防ぐための政策提言に生かす。
高校生までの子どもを持つ関東在住の家庭1万世帯を
無作為に選び、調査員が家庭訪問。
所得などを確認した上で、親と子どもの既往歴、医療機関受診の頻度、
運動習慣、親の飲酒や喫煙--など、数十項目に答えてもらう。
4年間、同じ対象を継続調査し、「所得格差・貧困の経済分析」、
「社会疫学による健康格差のメカニズム分析」などのテーマで、
6班が多角的に分析。
承諾を得た家庭には、脳波の調査も予定、
家庭の経済状態が健康格差を生じさせるメカニズムを解明。
医学や経済学、社会学などの研究者ら約20人が数年前から、
貧困問題を学術的に分析する取り組みを進め、
昨夏、文部科学省の科学研究費補助金
(09-13年度で約15億円)を受ける。
米英やカナダなどでは、経済格差が子どもらの健康に影響を
及ぼしていることを示す結果。
研究の代表者、川上憲人・東大大学院教授(公衆衛生学)は、
「大規模な継続調査と疫学の手法で、貧困と健康格差の
因果関係を明らかにしたい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/9/117121/
親の経済状況と子どもの健康の関連を調べる
初の大規模調査が、5月にも始まる。
関東地区の1万世帯を任意に抽出し、研究者らが
既往歴や食習慣などを4年間にわたって継続調査。
親から子どもへの貧困の連鎖が社会問題化する中、
経済格差の固定化を防ぐための政策提言に生かす。
高校生までの子どもを持つ関東在住の家庭1万世帯を
無作為に選び、調査員が家庭訪問。
所得などを確認した上で、親と子どもの既往歴、医療機関受診の頻度、
運動習慣、親の飲酒や喫煙--など、数十項目に答えてもらう。
4年間、同じ対象を継続調査し、「所得格差・貧困の経済分析」、
「社会疫学による健康格差のメカニズム分析」などのテーマで、
6班が多角的に分析。
承諾を得た家庭には、脳波の調査も予定、
家庭の経済状態が健康格差を生じさせるメカニズムを解明。
医学や経済学、社会学などの研究者ら約20人が数年前から、
貧困問題を学術的に分析する取り組みを進め、
昨夏、文部科学省の科学研究費補助金
(09-13年度で約15億円)を受ける。
米英やカナダなどでは、経済格差が子どもらの健康に影響を
及ぼしていることを示す結果。
研究の代表者、川上憲人・東大大学院教授(公衆衛生学)は、
「大規模な継続調査と疫学の手法で、貧困と健康格差の
因果関係を明らかにしたい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/9/117121/
「血行促進」の効能を表記 種目別のノウハウに横ぐし 〈ヒットのヒント〉ゴールドウインの新井元マネージャー=コンプレッションアンダー事業グループ
(2010年3月10日 共同通信社)
身体にぴったりフィットする機能性アンダーウエアは、
多くのメーカーが販売、スポーツウエアとしてすっかり定着。
ゴールドウインが、昨年発売した「C3fit(シースリーフィット)」は、
タイツタイプの2品目が「血行を促進する」として、
このジャンルで初めて厚生労働省の一般医療機器の認定を取得。
今年3月までの販売目標を、昨年末に達成する好調な売れ行き。
「これまでテニス、登山、ランニングなど、さまざまな種目ごとに
技術や商品企画などのノウハウを培ってきた。
この資産に横ぐしを刺そうというのが、開発の原点だった」
どんなスポーツでも使えるものとなると、アンダーウエア。
後発メーカーだけに、「スポーツに使うだけでなく、
日常の立ち仕事で疲れにくく、海外旅行で飛行機に
長時間乗ったとき、脚がむくみにくいなど、
新しい機能を付け加えようと考えた」
血液の循環を高めるため、「足首に最も強く圧力をかけ、
心臓に向かって徐々に締め付ける力を弱めていく、
微妙なバランスが難しかった」
生地の工夫や立体的な縫製など、1年半にわたって試作を続けた。
肌触りにもこだわり、女性の肌着に使われる糸を素材に織り込んだ。
「狙い通り、他社製品に比べ女性のユーザーが多い」と手応え。
東京都出身。42歳。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/10/117159/
身体にぴったりフィットする機能性アンダーウエアは、
多くのメーカーが販売、スポーツウエアとしてすっかり定着。
ゴールドウインが、昨年発売した「C3fit(シースリーフィット)」は、
タイツタイプの2品目が「血行を促進する」として、
このジャンルで初めて厚生労働省の一般医療機器の認定を取得。
今年3月までの販売目標を、昨年末に達成する好調な売れ行き。
「これまでテニス、登山、ランニングなど、さまざまな種目ごとに
技術や商品企画などのノウハウを培ってきた。
この資産に横ぐしを刺そうというのが、開発の原点だった」
どんなスポーツでも使えるものとなると、アンダーウエア。
後発メーカーだけに、「スポーツに使うだけでなく、
日常の立ち仕事で疲れにくく、海外旅行で飛行機に
長時間乗ったとき、脚がむくみにくいなど、
新しい機能を付け加えようと考えた」
血液の循環を高めるため、「足首に最も強く圧力をかけ、
心臓に向かって徐々に締め付ける力を弱めていく、
微妙なバランスが難しかった」
生地の工夫や立体的な縫製など、1年半にわたって試作を続けた。
肌触りにもこだわり、女性の肌着に使われる糸を素材に織り込んだ。
「狙い通り、他社製品に比べ女性のユーザーが多い」と手応え。
東京都出身。42歳。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/10/117159/
2010年3月22日月曜日
メタボ健診、見直し提言 肥満でない人も循環器病に注意
(2010年3月16日 毎日新聞社)
メタボリックシンドローム対策として実施されている、
特定健診・保健指導(メタボ健診)で使う腹囲基準を検証している
厚生労働省研究班は、腹囲が基準未満でも、血圧や血糖値などが
高ければ、心筋梗塞など循環器疾患になる恐れが高いとの研究成果。
肥満ではない人への対策の必要性を、
最終報告書に盛り込む方針で、肥満対策中心の健診制度の
見直しにつながりそう。
◇死亡率低い「小太り」
メタボ健診は、循環器疾患になりやすい目安として、
内臓脂肪の蓄積による腹部肥満に注目。
腹囲や肥満を示す体格指数(BMI)が基準を下回れば、
原則として保健指導の対象にならない。
全国の40~74歳の計約3万1000人を対象とした
12種類の追跡調査から、循環器疾患の発症と腹囲の関係を
調べたところ、腹囲やBMIが基準未満でも、
血圧や血液検査値が高ければ、腹囲やBMIが基準以上の人と
ほぼ同じ程度に循環器疾患を発症するとの結果。
08年度から始まった健診の現場では、
「やせていても、生活習慣病の恐れのある人が見落とされる」
と、戸惑いの声。
研究班は、この結果を踏まえ、最終報告書に
「肥満ではない人への対策も必要」との提言。
同様のデータは他にもある。
大櫛陽一・東海大教授(医療統計学)が、
伊勢原市の40歳以上の住民計約2万2000人を
平均7年間追跡、BMIがメタボ健診の基準を少し超える
「小太り」(BMI25~27未満)の人の死亡率が最も低く、
「やせ」(BMI18・5未満)が最も高かった。
大櫛教授は、「日本人には、健康に影響を与える肥満は少なく、
世界的にもスリム。
統計を見ても、肥満の人の方が長寿であることが分かった」
◇腹囲測定、揺らぐ根拠
厚労省研究班の分析によると、腹囲測定自体の根拠も揺らいでいる。
男女ともに、腹囲のどの数値を基準にしても、
基準以上の腹囲の人が実際に循環器疾患になる危険性は
6割に満たなかった。
基準の数値にかかわらず、腹囲で危険性のある人を見分けられる
確率は、「ほぼ五分五分」。
女性は、発症の危険性と腹囲の関連が低く、
「女性は、腹囲を測定しないという議論も将来はありうる」
坂本亘・大阪大准教授(統計科学)は、
「公表されたデータを見ると、腹囲だけで発症の危険性が高い人を
見分けることは不可能。
腹囲を健診の必須項目とする根拠は薄い」
大島明・大阪府立成人病センターがん相談支援センター所長は、
「現在のメタボにのみ焦点を当てた健診を早急に見直し、
禁煙支援など他の要素も含めた国民の健康維持につながる
健診事業に切り替えるべきだ」
研究班は、「40~50代の働き盛り世代の男性は、
過去の世代に比べてメタボが多く、85cmを基準とする
腹囲測定に意味がありそうだ」と、現行制度の大幅変更には慎重。
「メタボ健診が、肥満への意識を高めた意義は大きい」とも評価、
現制度に非肥満者対策を加える形を想定。
厚労省は、「日本内科学会などによるメタボ診断基準の
検討結果などを踏まえ、制度の見直しを考えたい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/16/117498/
メタボリックシンドローム対策として実施されている、
特定健診・保健指導(メタボ健診)で使う腹囲基準を検証している
厚生労働省研究班は、腹囲が基準未満でも、血圧や血糖値などが
高ければ、心筋梗塞など循環器疾患になる恐れが高いとの研究成果。
肥満ではない人への対策の必要性を、
最終報告書に盛り込む方針で、肥満対策中心の健診制度の
見直しにつながりそう。
◇死亡率低い「小太り」
メタボ健診は、循環器疾患になりやすい目安として、
内臓脂肪の蓄積による腹部肥満に注目。
腹囲や肥満を示す体格指数(BMI)が基準を下回れば、
原則として保健指導の対象にならない。
全国の40~74歳の計約3万1000人を対象とした
12種類の追跡調査から、循環器疾患の発症と腹囲の関係を
調べたところ、腹囲やBMIが基準未満でも、
血圧や血液検査値が高ければ、腹囲やBMIが基準以上の人と
ほぼ同じ程度に循環器疾患を発症するとの結果。
08年度から始まった健診の現場では、
「やせていても、生活習慣病の恐れのある人が見落とされる」
と、戸惑いの声。
研究班は、この結果を踏まえ、最終報告書に
「肥満ではない人への対策も必要」との提言。
同様のデータは他にもある。
大櫛陽一・東海大教授(医療統計学)が、
伊勢原市の40歳以上の住民計約2万2000人を
平均7年間追跡、BMIがメタボ健診の基準を少し超える
「小太り」(BMI25~27未満)の人の死亡率が最も低く、
「やせ」(BMI18・5未満)が最も高かった。
大櫛教授は、「日本人には、健康に影響を与える肥満は少なく、
世界的にもスリム。
統計を見ても、肥満の人の方が長寿であることが分かった」
◇腹囲測定、揺らぐ根拠
厚労省研究班の分析によると、腹囲測定自体の根拠も揺らいでいる。
男女ともに、腹囲のどの数値を基準にしても、
基準以上の腹囲の人が実際に循環器疾患になる危険性は
6割に満たなかった。
基準の数値にかかわらず、腹囲で危険性のある人を見分けられる
確率は、「ほぼ五分五分」。
女性は、発症の危険性と腹囲の関連が低く、
「女性は、腹囲を測定しないという議論も将来はありうる」
坂本亘・大阪大准教授(統計科学)は、
「公表されたデータを見ると、腹囲だけで発症の危険性が高い人を
見分けることは不可能。
腹囲を健診の必須項目とする根拠は薄い」
大島明・大阪府立成人病センターがん相談支援センター所長は、
「現在のメタボにのみ焦点を当てた健診を早急に見直し、
禁煙支援など他の要素も含めた国民の健康維持につながる
健診事業に切り替えるべきだ」
研究班は、「40~50代の働き盛り世代の男性は、
過去の世代に比べてメタボが多く、85cmを基準とする
腹囲測定に意味がありそうだ」と、現行制度の大幅変更には慎重。
「メタボ健診が、肥満への意識を高めた意義は大きい」とも評価、
現制度に非肥満者対策を加える形を想定。
厚労省は、「日本内科学会などによるメタボ診断基準の
検討結果などを踏まえ、制度の見直しを考えたい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/16/117498/
日本語を学ぶ(4)高校の壁 突破へ手探り
(読売 3月9日)
日本で暮らし続けられるよう、高校進学・卒業に向けた支援が続く。
神奈川県立希望ヶ丘高校定時制1年生の家庭科。
住んでみたい部屋の間取りを、生徒たちが描き始めた。
日本人と一緒に、ベトナム人4人が学んでいる。
様子を見守るのは、「多文化教育コーディネーター」の長嶺倫子さん。
多文化教育コーディネーターは、県立高校で学ぶ外国人の生徒らに、
学校の実態に応じた支援を探る同県独自の制度。
2008年度から本格的に始まり、
今年度は全日制8校、定時制3校、通信制1校で導入。
県教育委員会と協働する民間団体
「多文化共生教育ネットワークかながわ」が派遣。
教員らと協力して、支援計画を提案。
長嶺さんは、もう1人のコーディネーターと共に、
週1回2時間ずつ、同校に通う。
昨年度は、個別指導や教師との話し合いを中心に、
母語での支援を充実させた日本語指導策を学校側に提案。
生徒の実情を知らなければと、授業中の教室にも入り込んだ。
「入学時、日本語の海の中で頑張るのが精いっぱいだった生徒が、
今年に入って『自分の力でやってみたい』、
『来年入学する後輩の面倒を見たい』と主体的、自立的な姿勢に
変わったのが印象的」と長嶺さん。
吉田美穂さん(44)は、「様々な悩みに応じた支援の実現で、
日本での将来に希望を持ってもらいたいが、県の助成は10年度まで。
継続できるかが課題」
外国人の生徒らにとって、入学試験で日本語の壁を突破すること
自体が難しい。
大阪府教委では、外国人生徒らが府立高校を受ける際、
試験問題へのルビふり、時間延長、作文での日本語以外使用可、
辞書の持ち込み可などの配慮を実施。
神奈川県も、県立高校入試で100人近くの外国人枠を設け、
類似の配慮を行う、国内では先進県。
問題は見えにくいところにある。
同県の入試の外国人枠は、「来日(通算)3年以内」との
条件付きだが、これだと救済できない生徒が少なからずいる。
ベトナム人や中国人、カンボジア人らを対象に、
日本語教室や生活相談などを行う民間団体
「多文化まちづくり工房」の早川秀樹さん(35)によると、
在日期間が長くても、しっかりした日本語を習得できず、
試験を通る力がついていない子どもは多い。
義務教育期間後に来日したため、日本の中学に入学できず、
受験機会自体が得られない子どもも。
「日本語が不十分なため、『どうせおれは駄目だ』と
進学をあきらめる子どもを見てきた」と早川さん。
法政大学の山田泉教授(59)(日本語教育、多文化教育)は、
「調理師や自動車整備士などの資格試験も、
高校卒業の学力を持っていることが前提の内容レベル。
今の状態では、外国につながる子どもたちの高校卒業は
大変難しく、社会参加の選択肢が狭くなっている」
◆義務教育期間
学校教育法により、満15歳になった年度末までの9年間と規定、
小中学校がこれにあたる。
この期間を過ぎた子どもは、中学に通えないことがある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100309-OYT8T00185.htm
日本で暮らし続けられるよう、高校進学・卒業に向けた支援が続く。
神奈川県立希望ヶ丘高校定時制1年生の家庭科。
住んでみたい部屋の間取りを、生徒たちが描き始めた。
日本人と一緒に、ベトナム人4人が学んでいる。
様子を見守るのは、「多文化教育コーディネーター」の長嶺倫子さん。
多文化教育コーディネーターは、県立高校で学ぶ外国人の生徒らに、
学校の実態に応じた支援を探る同県独自の制度。
2008年度から本格的に始まり、
今年度は全日制8校、定時制3校、通信制1校で導入。
県教育委員会と協働する民間団体
「多文化共生教育ネットワークかながわ」が派遣。
教員らと協力して、支援計画を提案。
長嶺さんは、もう1人のコーディネーターと共に、
週1回2時間ずつ、同校に通う。
昨年度は、個別指導や教師との話し合いを中心に、
母語での支援を充実させた日本語指導策を学校側に提案。
生徒の実情を知らなければと、授業中の教室にも入り込んだ。
「入学時、日本語の海の中で頑張るのが精いっぱいだった生徒が、
今年に入って『自分の力でやってみたい』、
『来年入学する後輩の面倒を見たい』と主体的、自立的な姿勢に
変わったのが印象的」と長嶺さん。
吉田美穂さん(44)は、「様々な悩みに応じた支援の実現で、
日本での将来に希望を持ってもらいたいが、県の助成は10年度まで。
継続できるかが課題」
外国人の生徒らにとって、入学試験で日本語の壁を突破すること
自体が難しい。
大阪府教委では、外国人生徒らが府立高校を受ける際、
試験問題へのルビふり、時間延長、作文での日本語以外使用可、
辞書の持ち込み可などの配慮を実施。
神奈川県も、県立高校入試で100人近くの外国人枠を設け、
類似の配慮を行う、国内では先進県。
問題は見えにくいところにある。
同県の入試の外国人枠は、「来日(通算)3年以内」との
条件付きだが、これだと救済できない生徒が少なからずいる。
ベトナム人や中国人、カンボジア人らを対象に、
日本語教室や生活相談などを行う民間団体
「多文化まちづくり工房」の早川秀樹さん(35)によると、
在日期間が長くても、しっかりした日本語を習得できず、
試験を通る力がついていない子どもは多い。
義務教育期間後に来日したため、日本の中学に入学できず、
受験機会自体が得られない子どもも。
「日本語が不十分なため、『どうせおれは駄目だ』と
進学をあきらめる子どもを見てきた」と早川さん。
法政大学の山田泉教授(59)(日本語教育、多文化教育)は、
「調理師や自動車整備士などの資格試験も、
高校卒業の学力を持っていることが前提の内容レベル。
今の状態では、外国につながる子どもたちの高校卒業は
大変難しく、社会参加の選択肢が狭くなっている」
◆義務教育期間
学校教育法により、満15歳になった年度末までの9年間と規定、
小中学校がこれにあたる。
この期間を過ぎた子どもは、中学に通えないことがある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100309-OYT8T00185.htm
iPS細胞から「腸」 臓器は初、奈良県立医大 治療法開発に期待
(2010年3月10日 共同通信社)
あらゆる組織や臓器の細胞になることができる、
iPS細胞から「腸」をつくることにマウスで成功したと、
奈良県立医大の中島祥介教授(消化器・総合外科学)ら。
日本再生医療学会で発表。
iPS細胞から臓器ができたのは世界初。
iPS細胞は、患者自身の細胞から作製して治療に利用できれば、
拒絶反応が回避でき、中島教授は、
「治療が難しい炎症性の腸疾患や、先天的な運動異常症などの
病態の解明、治療法の開発に役立つ」
中島教授らは、マウスのiPS細胞を液体中に浮かんだ状態で
6日間培養するなど、管状の腸のような組織をつくった。
この組織は、腸の中の食べ物を移動させるのに必要な
「蠕動運動」と呼ばれる収縮をし、粘膜や筋肉、神経細胞などが
腸と同じ層構造を持っており、「機能も形態も本物と同じ」
iPS細胞は、京都大の山中伸弥教授が開発。
病気になった臓器などを再生、修復する医療に有用と
世界的に期待。
※iPS細胞
神経や内臓、筋肉など、さまざまな組織に成長できる万能細胞。
皮膚など分化が進んだ体細胞に、特定の遺伝子操作をすると、
さまざまな組織に成長する能力を持たせることができる。
再生医療の切り札として期待されるが、
がん化するなどの懸念もあり、安全性の向上が課題。
2006年、京都大の山中伸弥教授がマウスで作製に成功。
◆国立成育医療センター研究所の阿久津英憲生殖技術研究室長
マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から蠕動運動をする腸は
できているが、腸に備わっている粘膜や神経なども、
iPS細胞からできたとすれば、腸の病気の研究の進展に貢献。
どこまで本来の生体に近い機能を持っているのか、
どれくらいの確率で分化するのか確認し、
医療での応用や創薬での利用を考えれば、
人の細胞でもできるかどうかを確かめる必要。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/10/117152/
あらゆる組織や臓器の細胞になることができる、
iPS細胞から「腸」をつくることにマウスで成功したと、
奈良県立医大の中島祥介教授(消化器・総合外科学)ら。
日本再生医療学会で発表。
iPS細胞から臓器ができたのは世界初。
iPS細胞は、患者自身の細胞から作製して治療に利用できれば、
拒絶反応が回避でき、中島教授は、
「治療が難しい炎症性の腸疾患や、先天的な運動異常症などの
病態の解明、治療法の開発に役立つ」
中島教授らは、マウスのiPS細胞を液体中に浮かんだ状態で
6日間培養するなど、管状の腸のような組織をつくった。
この組織は、腸の中の食べ物を移動させるのに必要な
「蠕動運動」と呼ばれる収縮をし、粘膜や筋肉、神経細胞などが
腸と同じ層構造を持っており、「機能も形態も本物と同じ」
iPS細胞は、京都大の山中伸弥教授が開発。
病気になった臓器などを再生、修復する医療に有用と
世界的に期待。
※iPS細胞
神経や内臓、筋肉など、さまざまな組織に成長できる万能細胞。
皮膚など分化が進んだ体細胞に、特定の遺伝子操作をすると、
さまざまな組織に成長する能力を持たせることができる。
再生医療の切り札として期待されるが、
がん化するなどの懸念もあり、安全性の向上が課題。
2006年、京都大の山中伸弥教授がマウスで作製に成功。
◆国立成育医療センター研究所の阿久津英憲生殖技術研究室長
マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から蠕動運動をする腸は
できているが、腸に備わっている粘膜や神経なども、
iPS細胞からできたとすれば、腸の病気の研究の進展に貢献。
どこまで本来の生体に近い機能を持っているのか、
どれくらいの確率で分化するのか確認し、
医療での応用や創薬での利用を考えれば、
人の細胞でもできるかどうかを確かめる必要。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/10/117152/
2010年3月21日日曜日
日本語を学ぶ(3)不就学打開へ 支援教室
(読売 3月6日)
学校に行っていない外国人の子どもを
支援する取り組みが始まっている。
「いらっしゃいませ」、「ハンバーガーはいくらですか?」、
「ひゃくえんです」――。
文部科学省が、全国で実施している外国人の子どもの
就学支援事業「虹の架け橋教室」。
委託先の一つで、群馬県玉村町にあるNPO法人
多言語教育研究所で、不就学や不登校になっている
ブラジル人やペルー人の子どもらを対象に、
日本語による学習指導が行われていた。
ハンバーガーショップの店員役とお客役に分かれ、
注文のやりとりを日本語で練習する子どもたち。
一組終わると、教師が商品の値段を変えていく。
「全部でいくらですか?」と、お客役の子ども。
店員役の子どもが急いで計算し、「さんひゃくさんじゅうえんです」。
ここで、スペイン語も話せる支援者が、
「さんびゃくさんじゅうえん、ね」と指摘。
時間割は社会だが、日本語と算数の勉強でもある。
教室では、科学、体育、料理など教科や掃除、片づけなども学ぶ。
日本に住む外国人の子どもは、日本人の子どもたちと同じ
地元の公私立学校か、授業が母国語で行われる外国人学校に通う。
外国人学校は、学費が月数万円はかかり、家計の悪化で
学費が払えなくなったり、学校自体が倒産したりで、
不就学になるケースが少なくない。
文科省が2005~06年度、滋賀県や神戸市など1県11市で行った
調査によると、外国人の子どもが不就学となる理由のトップは、
「学校に行くためのお金がないから」(15・6%)、
次いで「日本語がわからないから」(12・6%)。
景気が急速に悪化した08年以降、経済的な理由で
外国人学校に通えなくなった子どもたちが増加。
転校先の地元公立校にも、言葉や習慣の違いなどからなじめず、
不登校になるケースが目立っている。
多言語教育研究所に通うブラジル人のA君(13)は、
日本生まれで、小学校1年からブラジル人学校に通い、
5年生の途中で日本の小学校に転校、授業について行けず、
中学校1年で不登校に。
日常会話にさほど支障はないが、漢字は小2レベル。
「ここは楽しいよ。勉強も、給食も。たぶん、また学校に行ける」
1月に授業が始まったころ、まだみんな表情が硬かった。
同研究所コーディネーターの本堂晴生さん(64)は、
「学校に行かずに家にいると、両親も多くは共働きのため、
日中は誰ともしゃべらず、言葉の力が伸びない。
ここに来て友達や教師と、とりあえず母語でしゃべることで、
興味ややる気がよみがえってきている」
最近閉鎖したブラジル人学校に通っていた18人が、新たに加わった。
虹の架け橋教室の重要性は、さらに高まっている。
◆虹の架け橋教室
文部科学省委託の「定住外国人の子どもの就学支援事業」として、
昨年10月以降順次、各地で始まった。
現在、12県34か所で開催。
子ども1人あたり半年間、日本語や学習の支援を行い、
公立学校や外国人学校に通ってもらうことを目指す。
2012年3月末まで。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100306-OYT8T00172.htm
学校に行っていない外国人の子どもを
支援する取り組みが始まっている。
「いらっしゃいませ」、「ハンバーガーはいくらですか?」、
「ひゃくえんです」――。
文部科学省が、全国で実施している外国人の子どもの
就学支援事業「虹の架け橋教室」。
委託先の一つで、群馬県玉村町にあるNPO法人
多言語教育研究所で、不就学や不登校になっている
ブラジル人やペルー人の子どもらを対象に、
日本語による学習指導が行われていた。
ハンバーガーショップの店員役とお客役に分かれ、
注文のやりとりを日本語で練習する子どもたち。
一組終わると、教師が商品の値段を変えていく。
「全部でいくらですか?」と、お客役の子ども。
店員役の子どもが急いで計算し、「さんひゃくさんじゅうえんです」。
ここで、スペイン語も話せる支援者が、
「さんびゃくさんじゅうえん、ね」と指摘。
時間割は社会だが、日本語と算数の勉強でもある。
教室では、科学、体育、料理など教科や掃除、片づけなども学ぶ。
日本に住む外国人の子どもは、日本人の子どもたちと同じ
地元の公私立学校か、授業が母国語で行われる外国人学校に通う。
外国人学校は、学費が月数万円はかかり、家計の悪化で
学費が払えなくなったり、学校自体が倒産したりで、
不就学になるケースが少なくない。
文科省が2005~06年度、滋賀県や神戸市など1県11市で行った
調査によると、外国人の子どもが不就学となる理由のトップは、
「学校に行くためのお金がないから」(15・6%)、
次いで「日本語がわからないから」(12・6%)。
景気が急速に悪化した08年以降、経済的な理由で
外国人学校に通えなくなった子どもたちが増加。
転校先の地元公立校にも、言葉や習慣の違いなどからなじめず、
不登校になるケースが目立っている。
多言語教育研究所に通うブラジル人のA君(13)は、
日本生まれで、小学校1年からブラジル人学校に通い、
5年生の途中で日本の小学校に転校、授業について行けず、
中学校1年で不登校に。
日常会話にさほど支障はないが、漢字は小2レベル。
「ここは楽しいよ。勉強も、給食も。たぶん、また学校に行ける」
1月に授業が始まったころ、まだみんな表情が硬かった。
同研究所コーディネーターの本堂晴生さん(64)は、
「学校に行かずに家にいると、両親も多くは共働きのため、
日中は誰ともしゃべらず、言葉の力が伸びない。
ここに来て友達や教師と、とりあえず母語でしゃべることで、
興味ややる気がよみがえってきている」
最近閉鎖したブラジル人学校に通っていた18人が、新たに加わった。
虹の架け橋教室の重要性は、さらに高まっている。
◆虹の架け橋教室
文部科学省委託の「定住外国人の子どもの就学支援事業」として、
昨年10月以降順次、各地で始まった。
現在、12県34か所で開催。
子ども1人あたり半年間、日本語や学習の支援を行い、
公立学校や外国人学校に通ってもらうことを目指す。
2012年3月末まで。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100306-OYT8T00172.htm
またひとつアジアに技術が流出した
(日経 2010-03-02)
液晶、プラズマと異なる日本発の新型薄型ディスプレー技術が、
製造ノウハウも含め、台湾に流出する。
開発したベンチャーが資金調達できず、事業化を断念。
同社は、国内メーカーなどに出資を要請、
どこも支援に名乗りを上げなかったため。
昨年、台湾政府などに相談、動画表示に優れた性能に注目した
台湾メーカーが、技術資産の買収を即決。
新市場に挑戦することに臆病になっている国内の大手メーカーは、
もう頼りにならないと、ものづくりベンチャーの視線は
アジアに向かうしかないのか−−。
このベンチャーは、エフ・イー・テクノロジーズ(FET)。
電子を蛍光体に当てて発光させる電界放出型ディスプレー(FED)を
開発してきたソニーの技術者が、投資ファンドと組んで、2006年設立。
ソニーが、次世代薄型ディスプレーの事業化を、
有機ELに絞ったため、行き場所をなくした開発チームが
本社に直訴して起業した経緯。
FEDは、画素を作る最小単位ごとに電子を当てて映像を表現、
動きの速い動画像を鮮明に映し出し、高コントラスト比など
高画質を低電圧で実現。
液晶やプラズマが家庭用テレビなどの量産市場を開拓、
FEDはコストダウンや大画面化で液晶に劣るため、
高品質な画質を求めている放送局や画像クリエーター、
医療機器用モニターといった業務用ディスプレーとしての需要が期待。
FEDはキヤノン、東芝など大手も開発に取り組んでいたが、
根本技術である「表面伝導型」という電子放出源の特許を持つ
米企業とのライセンス供与が難航、事業化を挫折。
FETは、画素ムラを抑制するナノメートルサイズの
円すい状の突起物から電子が飛び出す独自技術を開発、
大手の苦戦を尻目にスピーディーな事業立ち上げ。
FETは、起業2年目の08年、プラズマパネルを生産していた
パイオニアの鹿児島工場の買収を表明、業界を驚かし、
09年、月1万枚(26型換算)規模で生産を開始、
年商250億円を目指すとの事業プランを発表、
「モノ作りベンチャー期待の星」として一躍脚光を浴びた。
このシナリオが狂ったのは、プラン表明直後に起きた米金融危機。
不況の波が日本に及び、100億円超とみられる
工場買収資金の出資をあてにしていた企業から相次ぎ見放され、
量産計画を断念。
09年、会社清算の手続きに入った。
経営陣は、「技術だけは何とか日本に残して、
日本発の新型薄型ディスプレーに日の目を見させたい」、
国内の電機メーカーなど新たなスポンサーを探していた。
だが、国内メーカーから色よい返事をもらえず、
FETは交渉先をアジアに広げた。
一番早く手をあげたのが、台湾の液晶大手メーカー、友達光電(AUO)。
AUOは、台湾内で既存の液晶パネル工場を活用、
年内にもFEDパネルの生産を始める見通し。
買収決断の背景には、技術や市場成長力への高い評価はもちろん、
FETの技術者と共同で事業展開することで、
初期から開発するコストが抑制され、
「(開発のための)時間を買う」ことができる「安い買い物」。
FETが試作品を公開してから、日本の放送局や映像機器メーカーなどが
相次ぎパネル採用を表明、これらの受注も獲得できるという、
したたかなそろばん勘定もうかがえる。
FET設立のため、ファンドを組成した先端技術投資会社、
テックゲートインベストメントの土居勝利代表は、
「金融危機後、国内から資金を集めるのが困難に。
ものづくりベンチャーへの投資は、製造設備など少なくみても
100億円が必要、事業化までに時間がかかる。
ネット系に比べ、投資対象としては敬遠されがち」
この間隙をついて、豊富な資金力を持つアジア勢が、
日本のベンチャーの技術資産買収に意欲、
背景には中国、韓国、台湾の新興ハイテクメーカーの
成長の原動力といわれる「ターンキー戦略」がある。
ターンキーとは、装置のカギを回して動かせば、
すぐに製品が出てくるという意味、
アジアの新興メーカーは株式公開で得た資金力を武器に、
製造ノウハウなど完成した技術を外部から導入、
高い投資効率で短期間に市場参入をなし遂げ、
日本企業の脅威。
技術開発を自社に頼る自前主義が強く、
経営の意思決定スピードが遅い日本企業にはまねできない芸当。
大手企業にはない独創技術を武器に、製造装置や材料開発に
取り組んできたものづくりべンチャーは従来、国内メーカーに
技術を売り込み、採用される成長シナリオを描いて頑張ってきた。
大手が、業績不振や再編で新規事業への挑戦に消極的、
こうした出口戦略が通用しにくい。
有望技術を持つベンチャーが生き残るため、
ターンキー経営を標榜するアジアメーカーにアプローチをする
流れは、もう止めようがない。
台湾政府が半導体、液晶に次ぐ新産業として、
LED(発光ダイオード)素子メーカー育成に乗り出して以来、
LED先進国の日本から製造技術を買いあさり、
台湾にLEDベンチャー設立ブームが起きた。
液晶テレビのバックライトや照明用に、白色素子で日本を追い抜き、
世界シェアトップの座をうかがう勢い。
ベンチャーの優れた技術の流出が、グローバル市場における
国内メーカーの競争力衰退の要因となった一例、
政府も経済団体も危機感は薄く、ものづくりベンチャー支援の
具体的な成長戦略を明確に描き出していない。
技術流出を防ぐナショナルプロジェクトの始動など、
対策を早急にとらなければ、半導体、液晶、太陽電池、
LEDと続く敗北の連鎖は止まらない。
日本のハイテク産業は、いま“ゆでカエル”現象になっている。
ゆっくり熱くなるお湯につかったカエルは、
油断しているうちにゆだってしまうとのたとえ。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon100301.html
液晶、プラズマと異なる日本発の新型薄型ディスプレー技術が、
製造ノウハウも含め、台湾に流出する。
開発したベンチャーが資金調達できず、事業化を断念。
同社は、国内メーカーなどに出資を要請、
どこも支援に名乗りを上げなかったため。
昨年、台湾政府などに相談、動画表示に優れた性能に注目した
台湾メーカーが、技術資産の買収を即決。
新市場に挑戦することに臆病になっている国内の大手メーカーは、
もう頼りにならないと、ものづくりベンチャーの視線は
アジアに向かうしかないのか−−。
このベンチャーは、エフ・イー・テクノロジーズ(FET)。
電子を蛍光体に当てて発光させる電界放出型ディスプレー(FED)を
開発してきたソニーの技術者が、投資ファンドと組んで、2006年設立。
ソニーが、次世代薄型ディスプレーの事業化を、
有機ELに絞ったため、行き場所をなくした開発チームが
本社に直訴して起業した経緯。
FEDは、画素を作る最小単位ごとに電子を当てて映像を表現、
動きの速い動画像を鮮明に映し出し、高コントラスト比など
高画質を低電圧で実現。
液晶やプラズマが家庭用テレビなどの量産市場を開拓、
FEDはコストダウンや大画面化で液晶に劣るため、
高品質な画質を求めている放送局や画像クリエーター、
医療機器用モニターといった業務用ディスプレーとしての需要が期待。
FEDはキヤノン、東芝など大手も開発に取り組んでいたが、
根本技術である「表面伝導型」という電子放出源の特許を持つ
米企業とのライセンス供与が難航、事業化を挫折。
FETは、画素ムラを抑制するナノメートルサイズの
円すい状の突起物から電子が飛び出す独自技術を開発、
大手の苦戦を尻目にスピーディーな事業立ち上げ。
FETは、起業2年目の08年、プラズマパネルを生産していた
パイオニアの鹿児島工場の買収を表明、業界を驚かし、
09年、月1万枚(26型換算)規模で生産を開始、
年商250億円を目指すとの事業プランを発表、
「モノ作りベンチャー期待の星」として一躍脚光を浴びた。
このシナリオが狂ったのは、プラン表明直後に起きた米金融危機。
不況の波が日本に及び、100億円超とみられる
工場買収資金の出資をあてにしていた企業から相次ぎ見放され、
量産計画を断念。
09年、会社清算の手続きに入った。
経営陣は、「技術だけは何とか日本に残して、
日本発の新型薄型ディスプレーに日の目を見させたい」、
国内の電機メーカーなど新たなスポンサーを探していた。
だが、国内メーカーから色よい返事をもらえず、
FETは交渉先をアジアに広げた。
一番早く手をあげたのが、台湾の液晶大手メーカー、友達光電(AUO)。
AUOは、台湾内で既存の液晶パネル工場を活用、
年内にもFEDパネルの生産を始める見通し。
買収決断の背景には、技術や市場成長力への高い評価はもちろん、
FETの技術者と共同で事業展開することで、
初期から開発するコストが抑制され、
「(開発のための)時間を買う」ことができる「安い買い物」。
FETが試作品を公開してから、日本の放送局や映像機器メーカーなどが
相次ぎパネル採用を表明、これらの受注も獲得できるという、
したたかなそろばん勘定もうかがえる。
FET設立のため、ファンドを組成した先端技術投資会社、
テックゲートインベストメントの土居勝利代表は、
「金融危機後、国内から資金を集めるのが困難に。
ものづくりベンチャーへの投資は、製造設備など少なくみても
100億円が必要、事業化までに時間がかかる。
ネット系に比べ、投資対象としては敬遠されがち」
この間隙をついて、豊富な資金力を持つアジア勢が、
日本のベンチャーの技術資産買収に意欲、
背景には中国、韓国、台湾の新興ハイテクメーカーの
成長の原動力といわれる「ターンキー戦略」がある。
ターンキーとは、装置のカギを回して動かせば、
すぐに製品が出てくるという意味、
アジアの新興メーカーは株式公開で得た資金力を武器に、
製造ノウハウなど完成した技術を外部から導入、
高い投資効率で短期間に市場参入をなし遂げ、
日本企業の脅威。
技術開発を自社に頼る自前主義が強く、
経営の意思決定スピードが遅い日本企業にはまねできない芸当。
大手企業にはない独創技術を武器に、製造装置や材料開発に
取り組んできたものづくりべンチャーは従来、国内メーカーに
技術を売り込み、採用される成長シナリオを描いて頑張ってきた。
大手が、業績不振や再編で新規事業への挑戦に消極的、
こうした出口戦略が通用しにくい。
有望技術を持つベンチャーが生き残るため、
ターンキー経営を標榜するアジアメーカーにアプローチをする
流れは、もう止めようがない。
台湾政府が半導体、液晶に次ぐ新産業として、
LED(発光ダイオード)素子メーカー育成に乗り出して以来、
LED先進国の日本から製造技術を買いあさり、
台湾にLEDベンチャー設立ブームが起きた。
液晶テレビのバックライトや照明用に、白色素子で日本を追い抜き、
世界シェアトップの座をうかがう勢い。
ベンチャーの優れた技術の流出が、グローバル市場における
国内メーカーの競争力衰退の要因となった一例、
政府も経済団体も危機感は薄く、ものづくりベンチャー支援の
具体的な成長戦略を明確に描き出していない。
技術流出を防ぐナショナルプロジェクトの始動など、
対策を早急にとらなければ、半導体、液晶、太陽電池、
LEDと続く敗北の連鎖は止まらない。
日本のハイテク産業は、いま“ゆでカエル”現象になっている。
ゆっくり熱くなるお湯につかったカエルは、
油断しているうちにゆだってしまうとのたとえ。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon100301.html
ロボットは実用前夜 医療ツーリズム出遅れ 「ニッポンの行方―成長戦略」
(2010年3月11日 共同通信社)
鳩山政権の成長戦略で、けん引役として期待される
「医療・介護・健康関連産業」
日本のお家芸、"ものづくり"での強みをいかして、
各種ロボットの実用化は進んでいるが、
メディカルツーリズム(医療観光)は、周辺国に比べ出遅れ。
動かなくなった脚を動かし、もう一度歩きたい-。
病気などで歩行が難しくなった人の願いをかなえる
装着型ロボットが、千葉市幕張で、
2300人の特別養護老人ホーム施設長らに披露。
紹介されたのは、大和ハウス工業(大阪市)がリース販売する
装着型ロボット「HAL」。
脚を動かそうとすると、皮膚につけたセンサーが脳から出る
生体電位信号を読み取り、モーターで動かしてくれる。
ちょうど「脚を持ち上げてくれるような感じ」に。
両脚で月額22万円からで、すでに病院など17施設が導入。
「自分の意思で脚を動かすことで、神経系全体に刺激を与え、
リハビリ効果を大きくする可能性がある」
(山海嘉之・筑波大大学院教授)ため、医療面での期待も高い。
日本ロボット工業会は、介護、福祉ロボットの市場規模を、
2030年に1兆4534億円と試算。
高齢化する世界市場も視野に入る。
大手企業では、パナソニックが昨年、ベッドから車いすに形を変える
介護支援ロボットを発表、薬剤師や看護師支援ロボット開発を進め、
トヨタ自動車も、10年代の早い時期に介護ロボットの販売開始を目指す。
「検査結果は問題ありませんが、少し体重が少ないですね」。
北里研究所病院。
人間ドックで、通訳を介して医師から説明を受けていたのは、
ロシア人のアンナ・バルスコワさん(27)。
バルスコワさんは、ロシアの旅行会社社員。
日本の経済産業省が始めた医療観光の実証事業に乗って、
視察で来日。
ドックの費用約8万円は全額自己負担だが、
「ロシアでは、人間ドックは診療科ごとで、数日かかる。
1日で全部済むのは快適」
事業に加わるJTB子会社の中野隆マーケット戦略部長は、
「検査で異常が見つかったときはどうするか、といった問題点を
整理したうえで、ツアー商品の販売に乗り出したい」
この分野では、日本は後発国。
先行するタイは、既に年間約120万人の患者を海外から受け入れ、
観光収入全体の10%を得ている。
シンガポールや韓国も、積極的に取り組んでおり、競争は激しい。
真野俊樹・多摩大教授(医療経営学)は、
「世界に比べ、日本の医療水準は高いと思われているが、
もう一概にはそういえない。
他国にない強みや明確な戦略を打ち出せなければ、成功は難しい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/11/117218/
鳩山政権の成長戦略で、けん引役として期待される
「医療・介護・健康関連産業」
日本のお家芸、"ものづくり"での強みをいかして、
各種ロボットの実用化は進んでいるが、
メディカルツーリズム(医療観光)は、周辺国に比べ出遅れ。
動かなくなった脚を動かし、もう一度歩きたい-。
病気などで歩行が難しくなった人の願いをかなえる
装着型ロボットが、千葉市幕張で、
2300人の特別養護老人ホーム施設長らに披露。
紹介されたのは、大和ハウス工業(大阪市)がリース販売する
装着型ロボット「HAL」。
脚を動かそうとすると、皮膚につけたセンサーが脳から出る
生体電位信号を読み取り、モーターで動かしてくれる。
ちょうど「脚を持ち上げてくれるような感じ」に。
両脚で月額22万円からで、すでに病院など17施設が導入。
「自分の意思で脚を動かすことで、神経系全体に刺激を与え、
リハビリ効果を大きくする可能性がある」
(山海嘉之・筑波大大学院教授)ため、医療面での期待も高い。
日本ロボット工業会は、介護、福祉ロボットの市場規模を、
2030年に1兆4534億円と試算。
高齢化する世界市場も視野に入る。
大手企業では、パナソニックが昨年、ベッドから車いすに形を変える
介護支援ロボットを発表、薬剤師や看護師支援ロボット開発を進め、
トヨタ自動車も、10年代の早い時期に介護ロボットの販売開始を目指す。
「検査結果は問題ありませんが、少し体重が少ないですね」。
北里研究所病院。
人間ドックで、通訳を介して医師から説明を受けていたのは、
ロシア人のアンナ・バルスコワさん(27)。
バルスコワさんは、ロシアの旅行会社社員。
日本の経済産業省が始めた医療観光の実証事業に乗って、
視察で来日。
ドックの費用約8万円は全額自己負担だが、
「ロシアでは、人間ドックは診療科ごとで、数日かかる。
1日で全部済むのは快適」
事業に加わるJTB子会社の中野隆マーケット戦略部長は、
「検査で異常が見つかったときはどうするか、といった問題点を
整理したうえで、ツアー商品の販売に乗り出したい」
この分野では、日本は後発国。
先行するタイは、既に年間約120万人の患者を海外から受け入れ、
観光収入全体の10%を得ている。
シンガポールや韓国も、積極的に取り組んでおり、競争は激しい。
真野俊樹・多摩大教授(医療経営学)は、
「世界に比べ、日本の医療水準は高いと思われているが、
もう一概にはそういえない。
他国にない強みや明確な戦略を打ち出せなければ、成功は難しい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/11/117218/
2010年3月20日土曜日
日本語を学ぶ(2)「聞・話・読・書」の能力把握
(読売 3月4日)
子どもの日本語能力判定などを取り入れた
「鈴鹿モデル」が関心を集めている。
三重県鈴鹿市立牧田小学校の「いきいき教室」国語科に、
ブラジル人、ペルー人、フィリピン人の2年生児童8人。
同じ時間に、在籍学級で日本人児童らが受けている
国語の授業を離れた「取り出し」授業。
教師「『お気に入り』って何かな」、児童「一番好きなこと」、
教師「じゃあ、お気に入りのおもちゃは何かな、紙に書いてね」
大人は3人。
教員のほか、ポルトガル語を話す支援者、市教育委員会が
派遣する日本語教育コーディネーターの中川智子さん(32)が、
子どもたちの間を回り、わからない言葉につまずく
子どもがいればフォローする。
同市では、市立小・中学校に、日系人を中心に
外国人児童生徒607人、日本語指導を要する子ども340人が在籍。
日常会話に支障なく見えても、国語、算数などの授業に参加する
日本語力が足りずに伸び悩み、小学校高学年、
中学・高校でつまずく子どもは少なくない。
「授業に参加する力」を育てようと、
市教委は、早稲田大学日本語教育研究科の川上郁雄教授(56)の
支援を受け、昨年4月から、子ども向け日本語教育の
専門知識と実践経験を持つコーディネーターの派遣など、
様々な取り組みを始めている。
注目されるのは、日本語を母語としない者に対する
日本語教育の考え方であるJSLの一環として、
川上教授が考案した「JSLバンドスケール」を導入したこと。
「聞く・話す・読む・書く」の4技能に関する能力判定基準で、
小学校低学年、同中高学年、中学・高校ごとに、
7~8レベルの基準がある。
日本語でやりとりする様子から、「黙っている」、
「あいさつの言葉を使い始める」、
「長い説明になると、文がブツブツ切れる」などを把握。
同スケールを使って、牧田小で外国人児童の指導を担当する
山田雅子教諭(47)によると、「日本語は大丈夫そうだ」と
いったん取り出し授業への参加を中止した児童が、判定の結果、
「まだ在籍学級の授業についていけない」として戻ったケースも。
「景気の影響により、転校や帰国、再来日などで動く子どもも多く、
客観的に日本語能力を判定できるのは助かる」
川上教授は、「外国籍の子どもたちは学校間、自治体間、国家間を
移動し、その『学び』が分断される可能性が高い。
子たちの能力判定を、現場教員の経験任せにしてはいけない」
鈴鹿モデルでは、独自の日本語指導教材作成という成果も
表れ始めている。
旗振り役の水井健次教育長(65)は、
「将来は、日本の各地で外国人が増える。
鈴鹿は、よその町より『少し先』を経験しているわけで、
外国人が多いことを『強み』にしたい。
可能なことには、できる限り取り組んでいく」
◆JSL(Japanese as a Second Language)
日本語を母語としない子どもたちの日本語学習支援。
文部科学省によると、日本の公立小・中学校・高校などに通う
外国人児童生徒で、日本語指導が必要とされるのは
計2万8575人(2008年9月現在)。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100304-OYT8T00246.htm
子どもの日本語能力判定などを取り入れた
「鈴鹿モデル」が関心を集めている。
三重県鈴鹿市立牧田小学校の「いきいき教室」国語科に、
ブラジル人、ペルー人、フィリピン人の2年生児童8人。
同じ時間に、在籍学級で日本人児童らが受けている
国語の授業を離れた「取り出し」授業。
教師「『お気に入り』って何かな」、児童「一番好きなこと」、
教師「じゃあ、お気に入りのおもちゃは何かな、紙に書いてね」
大人は3人。
教員のほか、ポルトガル語を話す支援者、市教育委員会が
派遣する日本語教育コーディネーターの中川智子さん(32)が、
子どもたちの間を回り、わからない言葉につまずく
子どもがいればフォローする。
同市では、市立小・中学校に、日系人を中心に
外国人児童生徒607人、日本語指導を要する子ども340人が在籍。
日常会話に支障なく見えても、国語、算数などの授業に参加する
日本語力が足りずに伸び悩み、小学校高学年、
中学・高校でつまずく子どもは少なくない。
「授業に参加する力」を育てようと、
市教委は、早稲田大学日本語教育研究科の川上郁雄教授(56)の
支援を受け、昨年4月から、子ども向け日本語教育の
専門知識と実践経験を持つコーディネーターの派遣など、
様々な取り組みを始めている。
注目されるのは、日本語を母語としない者に対する
日本語教育の考え方であるJSLの一環として、
川上教授が考案した「JSLバンドスケール」を導入したこと。
「聞く・話す・読む・書く」の4技能に関する能力判定基準で、
小学校低学年、同中高学年、中学・高校ごとに、
7~8レベルの基準がある。
日本語でやりとりする様子から、「黙っている」、
「あいさつの言葉を使い始める」、
「長い説明になると、文がブツブツ切れる」などを把握。
同スケールを使って、牧田小で外国人児童の指導を担当する
山田雅子教諭(47)によると、「日本語は大丈夫そうだ」と
いったん取り出し授業への参加を中止した児童が、判定の結果、
「まだ在籍学級の授業についていけない」として戻ったケースも。
「景気の影響により、転校や帰国、再来日などで動く子どもも多く、
客観的に日本語能力を判定できるのは助かる」
川上教授は、「外国籍の子どもたちは学校間、自治体間、国家間を
移動し、その『学び』が分断される可能性が高い。
子たちの能力判定を、現場教員の経験任せにしてはいけない」
鈴鹿モデルでは、独自の日本語指導教材作成という成果も
表れ始めている。
旗振り役の水井健次教育長(65)は、
「将来は、日本の各地で外国人が増える。
鈴鹿は、よその町より『少し先』を経験しているわけで、
外国人が多いことを『強み』にしたい。
可能なことには、できる限り取り組んでいく」
◆JSL(Japanese as a Second Language)
日本語を母語としない子どもたちの日本語学習支援。
文部科学省によると、日本の公立小・中学校・高校などに通う
外国人児童生徒で、日本語指導が必要とされるのは
計2万8575人(2008年9月現在)。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100304-OYT8T00246.htm
加齢に伴い進行する歯周炎は、過剰な免疫反応が原因?
(日経ヘルス 3月11日)
加齢に伴って、歯周病の一つである歯周炎が増加する原因に、
過剰な免疫反応が関係している可能性がある。
花王は、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の
原宜興教授との共同研究の結果を発表。
21~64歳の健康な女性115人を対象、
歯周ポケットの深さや出血の有無、プラーク量といった口腔診査、
唾液中の歯周病関連細菌の量、血液中の歯周病関連細菌の
毒素に対する抗体の量を調べた。
結果、加齢とともに歯周炎が進行している人の割合が増える
傾向が認められ、歯周病関連細菌の量よりも、
歯周病関連細菌に対する抗体の量のほうが
歯周炎の進行の程度と関連が強く認められた。
加齢による歯周炎の進行には、免疫反応の影響があることが示唆。
長崎大学の原教授は、「歯周病を予防するには、
歯周炎が進行する歯周ポケットの深い部分にある
抗原の原因となる細菌を除去することに加え、
免疫反応をコントロールすることが重要」と考察。
http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20100311/106196/
加齢に伴って、歯周病の一つである歯周炎が増加する原因に、
過剰な免疫反応が関係している可能性がある。
花王は、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の
原宜興教授との共同研究の結果を発表。
21~64歳の健康な女性115人を対象、
歯周ポケットの深さや出血の有無、プラーク量といった口腔診査、
唾液中の歯周病関連細菌の量、血液中の歯周病関連細菌の
毒素に対する抗体の量を調べた。
結果、加齢とともに歯周炎が進行している人の割合が増える
傾向が認められ、歯周病関連細菌の量よりも、
歯周病関連細菌に対する抗体の量のほうが
歯周炎の進行の程度と関連が強く認められた。
加齢による歯周炎の進行には、免疫反応の影響があることが示唆。
長崎大学の原教授は、「歯周病を予防するには、
歯周炎が進行する歯周ポケットの深い部分にある
抗原の原因となる細菌を除去することに加え、
免疫反応をコントロールすることが重要」と考察。
http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20100311/106196/
空き店舗活用し実験店 一関・民間団体と東北学院大
(岩手日報 3月7日)
一関市の中心商店街活性化などを考える、
いちのせき元気力会議(千葉幸七委員長)と東北学院大は、
一関市大町の空き店舗を活用して、1日限りのアンテナショップを
実験的に開設し、市民らでにぎわった。
アンテナショップは、空き店舗3軒を使い、同市花泉町、東山町、
川崎町、千厩町、大東町の5地域のブースを設置。
農産物加工品や民芸品などが並んだ。
千葉委員長(68)は、「地元にも観光客にも喜ばれる品ぞろえとして、
地産地消の日用品と土産が商店街にあるといい。
広い一関のだれもが、商売をできる街になれば」と活動の意義。
アンテナショップは、同大が全国商店街支援センターの
「商店街と大学の連携による協働体制構築事業」の採択を受け、
市や大町商店街関係者らと連携し実施。
商店街と地元の自然、農業、工業、消費者がつながる
地産地消型商店街を目指し、昨年11月から準備を進めてきた。
これまで、地産地消の店「元気プラザ」の開設や講演会などの
活動も行ってきた。
同日は、「食と健康・福祉の元気まつり」と銘打って
アンテナショップのほか、商店街バリアフリー調査や
ベガルタ仙台による親子サッカー教室も開かれた。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100307_10
一関市の中心商店街活性化などを考える、
いちのせき元気力会議(千葉幸七委員長)と東北学院大は、
一関市大町の空き店舗を活用して、1日限りのアンテナショップを
実験的に開設し、市民らでにぎわった。
アンテナショップは、空き店舗3軒を使い、同市花泉町、東山町、
川崎町、千厩町、大東町の5地域のブースを設置。
農産物加工品や民芸品などが並んだ。
千葉委員長(68)は、「地元にも観光客にも喜ばれる品ぞろえとして、
地産地消の日用品と土産が商店街にあるといい。
広い一関のだれもが、商売をできる街になれば」と活動の意義。
アンテナショップは、同大が全国商店街支援センターの
「商店街と大学の連携による協働体制構築事業」の採択を受け、
市や大町商店街関係者らと連携し実施。
商店街と地元の自然、農業、工業、消費者がつながる
地産地消型商店街を目指し、昨年11月から準備を進めてきた。
これまで、地産地消の店「元気プラザ」の開設や講演会などの
活動も行ってきた。
同日は、「食と健康・福祉の元気まつり」と銘打って
アンテナショップのほか、商店街バリアフリー調査や
ベガルタ仙台による親子サッカー教室も開かれた。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100307_10
2010年3月19日金曜日
日本語を学ぶ(1)外国人の共生 言葉の壁高く
(読売 3月3日)
外国人との共生へ歩み始めた日本。
日本語教育の体制整備が急務だ。
飛沫感染、滲出液、吐瀉物……。
日本人講師が、漢字の書かれた紙を黒板に張った。
「この漢字の読みを書いてください」。
インドネシア人の男女が前に出て、次々に書いていく。
静岡県函南町の研修宿泊施設、富士箱根ランド。
経済連携協定(EPA)により、日本が2008年度に受け入れを
始めた、看護師・介護福祉士候補者インドネシア人2期生
361人の研修が行われた。
日本で正式に就労するには、看護師候補者は来日3年以内、
介護福祉士候補者は同4年目に、国家試験に合格することが条件。
初歩から始めた日本語の研修では、
専門用語など高度な内容にまで及んだ。
当初は、全体の9割が日本語初心者。
朝8時から夜9時までの缶詰め講義に、夜中までの自習体制のおかげで、
日常会話はほぼ問題ないレベルに。
昨年度は、1期生の看護師候補者104人中82人が
国家試験を受けたが、日本語という言葉の壁が立ちはだかり、
全員不合格。
全体の合格率は89・9%。
2期生で看護コースに参加していた女性、
シスカ・ヌルメナサリさん(25)は、「『骨折』など漢字が難しい。
音読みに訓読みもある。
母国で看護経験は2年あり、インドネシア語なら合格の自信はありますが、
日本語での受験にはもっと勉強しないと」と日本語習得の難しさ。
研修にあたった人材派遣・教育事業会社の担当者(49)は、
「国家試験独特の読解力習得が課題。
研修終了後は、個々のがんばりに期待するしかない」
「『認知症』と読めます、でも書くのはちょっと……
集中研修中は漢字で書けましたが」と頭をかくのは、
08年度来日の1期生男性、ディディ・スへディさん(25)。
母国の看護大学を卒業後、半年間の事前研修を経て、
昨年1月末から、奈良県天理市の老人保健施設「ならふくじゅ荘」で
研修生として働いている。
仕事は、週5日1日約7時間、入浴や排せつ、食事の介助など。
試験勉強は、仕事の前後の計2時間半。
国家試験を受けられるのは、2012年1月、1回きり。
同施設では、ディディさんら研修生がインターネット学習を週3回、
受けられるようにしたが、これだけでは試験合格は難しい、と
急きょ施設スタッフによる週2日の学習指導も加えた。
費用は、いずれも施設の持ち出し。
受け入れ責任者、岡田智幸さん(36)は、
「まず合格してもらいたい。日本を外国の人に助けてもらうのだから、
施設お任せでなく、国は長期的・継続的学習支援を」と訴える。
現場の声を受け、国も来年度以降、日本語学校通学の費用補助、
再度の集団研修開催など具体的支援に乗り出す。
安里和晃京都大学准教授(39)は、
「日本語能力や日本の医療事情に不案内な人材に対し、
国家資格取得という要件を課し、確実に取得してもらうプロセスが
欠如しているのは、人材の使い捨てと指摘されても仕方がない。
受け入れの展望を明確にした上で、支援体制を
整備しなければならない」
◆経済連携協定
物品やサービスの貿易以外に、人の移動や投資なども加え、
経済関係の強化を目指す協定。
09年度からフィリピン人候補者受け入れも始まり、計310人が来日。
27人は事前研修後、介護福祉専門学校で学ぶ「就学コース」に進む。
◇公的な日本語教育 不十分
外国人登録者数は、1969年以降年々増え、
2008年末で約222万人に及ぶ。
国内の日本語学習者は、約16万7000人(同年11月)。
入国後の公的な日本語教育は、義務教育を除くとほとんどなく、
長期滞在しても、日本語の読み書きができない外国人は少なくない。
文化審議会国語分科会日本語教育小委員会は、
来日したばかりの外国人を対象に、最低3か月(60時間)の
学習を想定した「『生活者としての外国人』のための
日本語教育の標準的なカリキュラム」を作成中。
ドイツでは、1年以上滞在してもドイツ語能力の低い移民らに、
600時間の語学教育を義務づけ。
文化審議会会長で日本語教育研究者の西原鈴子さん(68)は、
「日本語を母語としない人の割合は、いずれもっと高くなる。
そのときに混乱を招かないため、長期的な展望を持った
言語計画とシステムが求められる」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100303-OYT8T00192.htm
外国人との共生へ歩み始めた日本。
日本語教育の体制整備が急務だ。
飛沫感染、滲出液、吐瀉物……。
日本人講師が、漢字の書かれた紙を黒板に張った。
「この漢字の読みを書いてください」。
インドネシア人の男女が前に出て、次々に書いていく。
静岡県函南町の研修宿泊施設、富士箱根ランド。
経済連携協定(EPA)により、日本が2008年度に受け入れを
始めた、看護師・介護福祉士候補者インドネシア人2期生
361人の研修が行われた。
日本で正式に就労するには、看護師候補者は来日3年以内、
介護福祉士候補者は同4年目に、国家試験に合格することが条件。
初歩から始めた日本語の研修では、
専門用語など高度な内容にまで及んだ。
当初は、全体の9割が日本語初心者。
朝8時から夜9時までの缶詰め講義に、夜中までの自習体制のおかげで、
日常会話はほぼ問題ないレベルに。
昨年度は、1期生の看護師候補者104人中82人が
国家試験を受けたが、日本語という言葉の壁が立ちはだかり、
全員不合格。
全体の合格率は89・9%。
2期生で看護コースに参加していた女性、
シスカ・ヌルメナサリさん(25)は、「『骨折』など漢字が難しい。
音読みに訓読みもある。
母国で看護経験は2年あり、インドネシア語なら合格の自信はありますが、
日本語での受験にはもっと勉強しないと」と日本語習得の難しさ。
研修にあたった人材派遣・教育事業会社の担当者(49)は、
「国家試験独特の読解力習得が課題。
研修終了後は、個々のがんばりに期待するしかない」
「『認知症』と読めます、でも書くのはちょっと……
集中研修中は漢字で書けましたが」と頭をかくのは、
08年度来日の1期生男性、ディディ・スへディさん(25)。
母国の看護大学を卒業後、半年間の事前研修を経て、
昨年1月末から、奈良県天理市の老人保健施設「ならふくじゅ荘」で
研修生として働いている。
仕事は、週5日1日約7時間、入浴や排せつ、食事の介助など。
試験勉強は、仕事の前後の計2時間半。
国家試験を受けられるのは、2012年1月、1回きり。
同施設では、ディディさんら研修生がインターネット学習を週3回、
受けられるようにしたが、これだけでは試験合格は難しい、と
急きょ施設スタッフによる週2日の学習指導も加えた。
費用は、いずれも施設の持ち出し。
受け入れ責任者、岡田智幸さん(36)は、
「まず合格してもらいたい。日本を外国の人に助けてもらうのだから、
施設お任せでなく、国は長期的・継続的学習支援を」と訴える。
現場の声を受け、国も来年度以降、日本語学校通学の費用補助、
再度の集団研修開催など具体的支援に乗り出す。
安里和晃京都大学准教授(39)は、
「日本語能力や日本の医療事情に不案内な人材に対し、
国家資格取得という要件を課し、確実に取得してもらうプロセスが
欠如しているのは、人材の使い捨てと指摘されても仕方がない。
受け入れの展望を明確にした上で、支援体制を
整備しなければならない」
◆経済連携協定
物品やサービスの貿易以外に、人の移動や投資なども加え、
経済関係の強化を目指す協定。
09年度からフィリピン人候補者受け入れも始まり、計310人が来日。
27人は事前研修後、介護福祉専門学校で学ぶ「就学コース」に進む。
◇公的な日本語教育 不十分
外国人登録者数は、1969年以降年々増え、
2008年末で約222万人に及ぶ。
国内の日本語学習者は、約16万7000人(同年11月)。
入国後の公的な日本語教育は、義務教育を除くとほとんどなく、
長期滞在しても、日本語の読み書きができない外国人は少なくない。
文化審議会国語分科会日本語教育小委員会は、
来日したばかりの外国人を対象に、最低3か月(60時間)の
学習を想定した「『生活者としての外国人』のための
日本語教育の標準的なカリキュラム」を作成中。
ドイツでは、1年以上滞在してもドイツ語能力の低い移民らに、
600時間の語学教育を義務づけ。
文化審議会会長で日本語教育研究者の西原鈴子さん(68)は、
「日本語を母語としない人の割合は、いずれもっと高くなる。
そのときに混乱を招かないため、長期的な展望を持った
言語計画とシステムが求められる」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100303-OYT8T00192.htm
官民協力の水循環システム開発拠点建設
(サイエンスポータル 2010年3月8日)
世界的に需要が高まっている省エネ型水循環システムの技術開発、
運営実証、情報発信を目指し、拠点となる「ウォータープラザ」を
開設することで、新エネルギー・産業技術総合開発機構、
周南市と関連企業3社が合意し、覚書を取り交わした。
「ウォータープラザ」は、周南市徳山中央浄化センター近くに建設、
工場排水処理と下水再利用を統合した造水を行い、
国、自治体、企業が連携して持続的な水利用に
かかわる処理技術を開発。
日立プラントテクノロジーと東レが建設、日本ゼオンが
排水の供給と生産水の受け入れで協力。
水問題は、大きな地球規模の課題になっており、
都市の排水処理と再生水利用システムの需要は
ますます大きくなっている。
日本は、排水処理に必要な膜技術で世界をリード、
都市の水再利用が盛んだ。
世界的な需要を見込み、今後、運営までを含む
水循環システム全体の輸出が期待、
そのためには地方公共団体、メーカー、コンサルティング会社、
建設会社などの協力が必要。
http://scienceportal.jp/news/daily/1003/1003081.html
世界的に需要が高まっている省エネ型水循環システムの技術開発、
運営実証、情報発信を目指し、拠点となる「ウォータープラザ」を
開設することで、新エネルギー・産業技術総合開発機構、
周南市と関連企業3社が合意し、覚書を取り交わした。
「ウォータープラザ」は、周南市徳山中央浄化センター近くに建設、
工場排水処理と下水再利用を統合した造水を行い、
国、自治体、企業が連携して持続的な水利用に
かかわる処理技術を開発。
日立プラントテクノロジーと東レが建設、日本ゼオンが
排水の供給と生産水の受け入れで協力。
水問題は、大きな地球規模の課題になっており、
都市の排水処理と再生水利用システムの需要は
ますます大きくなっている。
日本は、排水処理に必要な膜技術で世界をリード、
都市の水再利用が盛んだ。
世界的な需要を見込み、今後、運営までを含む
水循環システム全体の輸出が期待、
そのためには地方公共団体、メーカー、コンサルティング会社、
建設会社などの協力が必要。
http://scienceportal.jp/news/daily/1003/1003081.html
職場の禁煙、やっと始動 受動喫煙防止
(2010年3月12日 毎日新聞社)
職場での受動喫煙の防止を議論してきた
厚生労働省の有識者検討会が先月、
「従業員の健康を守る観点から、原則禁煙を目指す」との
報告書骨子をまとめた。
「喫煙対策が難しい」とされる飲食店にも、
喫煙室の設置を求めるなど、労働安全衛生法の改正を含む
全面禁煙をにらんだ対策を提案。
世界保健機関(WHO)が求める屋内環境の
「スモークフリー(たばこの煙ゼロ)」に、
日本の職場もようやく本腰を入れることに。
産業医大の研究チームが昨年、喫煙可能なファミリーレストラン、
喫茶店、ホテルで働く従業員計9人に依頼、
勤務時間中に携帯型粉じん計をつけてもらった。
従業員が吸入する受動喫煙の濃度は、
禁煙区域から喫煙区域に移動すると増え、特に接客中は
喫煙区域内の平均値の最大7・7倍まで増加。
食べ物などを提供する際、テーブルに置かれた灰皿に
かがみこんだり、喫煙中の客が吐き出す煙を浴びることが原因。
「飲食店従業員の受動喫煙が高いことは予想されていたが、
これほど高いとは思わなかった」と、大和浩・同大教授(健康開発科学)。
飲食店など接客業の人が、勤務中にさらされる
たばこの煙の量が明らかになったのは初めて。
喫煙者が発するたばこの煙には、発がん性物質などが含まれる。
WHOは07年、「たばこ規制枠組み条約」(05年発効)に基づき、
「屋内の職場、公共の場所は100%禁煙に」との指針。
日本の現状の喫煙対策は、十分とはいえない。
07年、厚労省の労働者健康状況調査によると、
事業所全体を禁煙にしている割合は18・4%、
「職場で他者のたばこの煙を吸うことがある」と答えた人は56・4%。
顧客の喫煙の規制が難しい飲食店・宿泊業では、
喫煙対策に取り組んでいない割合が3割近い。
大和教授は、「諸外国では一般の職場だけでなく、
居酒屋やバーも含め全面禁煙。
日本も、顧客の視点だけではなく、働く従業員の
健康を守ることが急務だ」
社内の全面禁煙に取り組み、10年以上になる企業もある。
子ども向け教材メーカー「ジャクエツ」(敦賀市、従業員650人)は、
99年に「禁煙宣言」。
当時の従業員650人のうち、喫煙者は約350人、
禁煙することを宣言した社員に5万円の「健康祝い金」を贈ったり、
禁煙した社員の名前を新聞広告に載せるなど、禁煙を後押し。
禁煙を開始した99年度、422人いた病気の欠勤者が、
翌年は同287人に減り、現在も同様の傾向。
禁煙の呼びかけは、取引先の企業などにも広げた。
上野渉・同社取締役総務部長は、「以前は、喫煙のため
席を離れるなど、仕事の効率が損なわれることもあった。
実際は、禁煙したい人が多く、他社への呼びかけでも
抵抗は少なかった。
遠慮せずに声をかけることは、禁煙のきっかけを
提供することになる」
日本の職場の喫煙対策は、労働省(当時)が1992年に策定した
「快適職場指針」で、受動喫煙対策を「必要に応じて講じる」と
明記されたのが最初。
96年、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」が作られ、
03年、健康増進法施行を受け、事業者は全面禁煙や分煙に
取り組むことが望ましいと改正、喫煙室の設置などが始まった。
職場の喫煙対策を議論してきた厚労省検討会がまとめた
報告書骨子は、「職場のたばこの煙は、健康リスクの要因になる」
事業者に、全面禁煙導入などの対策を義務付けることを提言。
先月末、職場を含む公共の場全般でも原則禁煙を求める
厚労省健康局長通知。
望月友美子・国立がんセンター研究所たばこ政策研究
プロジェクトリーダーは、「成人の約2割を占める喫煙者のうち、
禁煙を希望する人は約8割。
吸い続けたい人は全体の4~5%、
受動喫煙の危険性の理解が広がれば、喫煙率はさらに下がり、
たばこをやめたいと思っている人も吸わない人も
守られる方向に対策が進むだろう」と期待。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/12/117303/
職場での受動喫煙の防止を議論してきた
厚生労働省の有識者検討会が先月、
「従業員の健康を守る観点から、原則禁煙を目指す」との
報告書骨子をまとめた。
「喫煙対策が難しい」とされる飲食店にも、
喫煙室の設置を求めるなど、労働安全衛生法の改正を含む
全面禁煙をにらんだ対策を提案。
世界保健機関(WHO)が求める屋内環境の
「スモークフリー(たばこの煙ゼロ)」に、
日本の職場もようやく本腰を入れることに。
産業医大の研究チームが昨年、喫煙可能なファミリーレストラン、
喫茶店、ホテルで働く従業員計9人に依頼、
勤務時間中に携帯型粉じん計をつけてもらった。
従業員が吸入する受動喫煙の濃度は、
禁煙区域から喫煙区域に移動すると増え、特に接客中は
喫煙区域内の平均値の最大7・7倍まで増加。
食べ物などを提供する際、テーブルに置かれた灰皿に
かがみこんだり、喫煙中の客が吐き出す煙を浴びることが原因。
「飲食店従業員の受動喫煙が高いことは予想されていたが、
これほど高いとは思わなかった」と、大和浩・同大教授(健康開発科学)。
飲食店など接客業の人が、勤務中にさらされる
たばこの煙の量が明らかになったのは初めて。
喫煙者が発するたばこの煙には、発がん性物質などが含まれる。
WHOは07年、「たばこ規制枠組み条約」(05年発効)に基づき、
「屋内の職場、公共の場所は100%禁煙に」との指針。
日本の現状の喫煙対策は、十分とはいえない。
07年、厚労省の労働者健康状況調査によると、
事業所全体を禁煙にしている割合は18・4%、
「職場で他者のたばこの煙を吸うことがある」と答えた人は56・4%。
顧客の喫煙の規制が難しい飲食店・宿泊業では、
喫煙対策に取り組んでいない割合が3割近い。
大和教授は、「諸外国では一般の職場だけでなく、
居酒屋やバーも含め全面禁煙。
日本も、顧客の視点だけではなく、働く従業員の
健康を守ることが急務だ」
社内の全面禁煙に取り組み、10年以上になる企業もある。
子ども向け教材メーカー「ジャクエツ」(敦賀市、従業員650人)は、
99年に「禁煙宣言」。
当時の従業員650人のうち、喫煙者は約350人、
禁煙することを宣言した社員に5万円の「健康祝い金」を贈ったり、
禁煙した社員の名前を新聞広告に載せるなど、禁煙を後押し。
禁煙を開始した99年度、422人いた病気の欠勤者が、
翌年は同287人に減り、現在も同様の傾向。
禁煙の呼びかけは、取引先の企業などにも広げた。
上野渉・同社取締役総務部長は、「以前は、喫煙のため
席を離れるなど、仕事の効率が損なわれることもあった。
実際は、禁煙したい人が多く、他社への呼びかけでも
抵抗は少なかった。
遠慮せずに声をかけることは、禁煙のきっかけを
提供することになる」
日本の職場の喫煙対策は、労働省(当時)が1992年に策定した
「快適職場指針」で、受動喫煙対策を「必要に応じて講じる」と
明記されたのが最初。
96年、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」が作られ、
03年、健康増進法施行を受け、事業者は全面禁煙や分煙に
取り組むことが望ましいと改正、喫煙室の設置などが始まった。
職場の喫煙対策を議論してきた厚労省検討会がまとめた
報告書骨子は、「職場のたばこの煙は、健康リスクの要因になる」
事業者に、全面禁煙導入などの対策を義務付けることを提言。
先月末、職場を含む公共の場全般でも原則禁煙を求める
厚労省健康局長通知。
望月友美子・国立がんセンター研究所たばこ政策研究
プロジェクトリーダーは、「成人の約2割を占める喫煙者のうち、
禁煙を希望する人は約8割。
吸い続けたい人は全体の4~5%、
受動喫煙の危険性の理解が広がれば、喫煙率はさらに下がり、
たばこをやめたいと思っている人も吸わない人も
守られる方向に対策が進むだろう」と期待。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/12/117303/
2010年3月18日木曜日
教育スタイル変える動画共有サイト公開
(サイエンスポータル 2010年3月9日)
国内20以上の大学の最先端のソフトウェア科学・ソフトウェア工学に
関する授業を閲覧できるだけでなく、動画、スライドを組み合わせた
コンテンツもつくれるポータルサイトを、
国立情報学研究所が一般公開。
動画共有サイト「edubase Portal」は、
動画とスライドを同期させたコンテンツとして作成することができる
世界最初のサイトで、「教材は創る」という新しい教育スタイルを
可能にする、と国立情報学研究所。
これまで、カメラで撮影後、専用のソフトウェアで編集をしないと、
動画とスライドを同期させたコンテンツ作成はできなかった。
同研究所は、「先端ソフトウェア工学に関するGrace
国際シンポジウム2010」で、「edubase Portal」を紹介。
文部科学省は、IT人材を育成するための教育拠点形成を支援する
プログラムを、2006年度から行い、8拠点、20を超える参加大学で
特色ある先進的教材の開発と、それを利用した人材育成活動が
進められている。
「edubase Portal」により、いつでもどこでも
最先端ソフトウェア科学・ソフトウェア工学を学ぶことができる。
http://scienceportal.jp/news/daily/1003/1003091.html
国内20以上の大学の最先端のソフトウェア科学・ソフトウェア工学に
関する授業を閲覧できるだけでなく、動画、スライドを組み合わせた
コンテンツもつくれるポータルサイトを、
国立情報学研究所が一般公開。
動画共有サイト「edubase Portal」は、
動画とスライドを同期させたコンテンツとして作成することができる
世界最初のサイトで、「教材は創る」という新しい教育スタイルを
可能にする、と国立情報学研究所。
これまで、カメラで撮影後、専用のソフトウェアで編集をしないと、
動画とスライドを同期させたコンテンツ作成はできなかった。
同研究所は、「先端ソフトウェア工学に関するGrace
国際シンポジウム2010」で、「edubase Portal」を紹介。
文部科学省は、IT人材を育成するための教育拠点形成を支援する
プログラムを、2006年度から行い、8拠点、20を超える参加大学で
特色ある先進的教材の開発と、それを利用した人材育成活動が
進められている。
「edubase Portal」により、いつでもどこでも
最先端ソフトウェア科学・ソフトウェア工学を学ぶことができる。
http://scienceportal.jp/news/daily/1003/1003091.html
"花粉症日本一"は静岡 気象情報会社の全国調査
(2010年3月8日 共同通信社)
花粉症発症者が最も多いのは静岡県、最も少ないのは鹿児島県。
気象情報会社「ウェザーニューズ」が実施した、
花粉症に関するアンケート。
調査は2月20~22日、同社の携帯サイト利用者に実施。
5万3946人の有効回答。
北海道は、シラカバ花粉で傾向が異なり、
沖縄県は、花粉の飛散が目立たないため除外。
「周りの人の何割が花粉症か」との質問で、
1割未満~10割の各割合の選択肢から選ぶ方式。
都府県別に平均すると、静岡県は38・16%、2位群馬県が38・04%。
山梨(37・32%)、栃木(36・91%)、三重(36・85%)。
鹿児島県は21・33%。
全国平均は、32・20%。
関東甲信と東海のすべての都県が全国平均を上回り、
九州は全県で平均を下回った。
過去5年の花粉総飛散量が多い都府県ほど、発症者が多い傾向。
過去5年と比べた今年の症状について、
花粉症とする人(3万7486人)のうち44%が「軽い」と回答。
「同じ」は41%、「重い」は15%。
同社は、今年の花粉飛散量は過去5年で最も少なく、
昨年の半分以下になるエリアが多いと予想。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/8/117034/
花粉症発症者が最も多いのは静岡県、最も少ないのは鹿児島県。
気象情報会社「ウェザーニューズ」が実施した、
花粉症に関するアンケート。
調査は2月20~22日、同社の携帯サイト利用者に実施。
5万3946人の有効回答。
北海道は、シラカバ花粉で傾向が異なり、
沖縄県は、花粉の飛散が目立たないため除外。
「周りの人の何割が花粉症か」との質問で、
1割未満~10割の各割合の選択肢から選ぶ方式。
都府県別に平均すると、静岡県は38・16%、2位群馬県が38・04%。
山梨(37・32%)、栃木(36・91%)、三重(36・85%)。
鹿児島県は21・33%。
全国平均は、32・20%。
関東甲信と東海のすべての都県が全国平均を上回り、
九州は全県で平均を下回った。
過去5年の花粉総飛散量が多い都府県ほど、発症者が多い傾向。
過去5年と比べた今年の症状について、
花粉症とする人(3万7486人)のうち44%が「軽い」と回答。
「同じ」は41%、「重い」は15%。
同社は、今年の花粉飛散量は過去5年で最も少なく、
昨年の半分以下になるエリアが多いと予想。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/8/117034/
魅力の地方都市、盛岡9位 ブルータス誌ランキング
(岩手日報 3月11日)
人気カルチャー誌「BRUTUS(ブルータス)」(マガジンハウス)で、
「魅力ある地方都市ランキング50」に、盛岡市が9位。
歴史的建造物が今も残り、文学や音楽スポットとして
文化をはぐくむ美しい街として評価。
同号は、日本の地方特集で、テーマは
「アンチTOKYO?クールLOCAL!」。
建築、音楽、アート、郷土料理など12ジャンルで、
同誌編集部が選んだ各都市の魅力あるスポットと、
建築評論家やライターら専門家が選んだスポットを点数化し、集計。
盛岡のページでは、同市開運橋のジャズ喫茶「開運橋のジョニー」
(照井顕店主)など、音楽を発信する都市として特集。
同市材木町の光原社や、三大めんなども紹介。
同ランキングの1位は福岡市、2位は京都市、3位は札幌市。
同誌編集部は、「地方には、独自ではぐくまれた文化がある。
盛岡は、カルチャー好きにとって魅力ある都市」
市ブランド推進課の坂田裕一課長は、
「盛岡ブランドとマッチした評価で、城下町の良さが
見直されているのではないか」と喜ぶ。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100311_12
人気カルチャー誌「BRUTUS(ブルータス)」(マガジンハウス)で、
「魅力ある地方都市ランキング50」に、盛岡市が9位。
歴史的建造物が今も残り、文学や音楽スポットとして
文化をはぐくむ美しい街として評価。
同号は、日本の地方特集で、テーマは
「アンチTOKYO?クールLOCAL!」。
建築、音楽、アート、郷土料理など12ジャンルで、
同誌編集部が選んだ各都市の魅力あるスポットと、
建築評論家やライターら専門家が選んだスポットを点数化し、集計。
盛岡のページでは、同市開運橋のジャズ喫茶「開運橋のジョニー」
(照井顕店主)など、音楽を発信する都市として特集。
同市材木町の光原社や、三大めんなども紹介。
同ランキングの1位は福岡市、2位は京都市、3位は札幌市。
同誌編集部は、「地方には、独自ではぐくまれた文化がある。
盛岡は、カルチャー好きにとって魅力ある都市」
市ブランド推進課の坂田裕一課長は、
「盛岡ブランドとマッチした評価で、城下町の良さが
見直されているのではないか」と喜ぶ。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100311_12
2010年3月17日水曜日
親と向き合う(7)常に子どもを中心に
(読売 3月2日)
保護者が学校に拳を振り上げる背景には、何があるのか?
「本人に伝える前、いきなり自宅に連絡され、
説明もなく0点と言われても、納得いかない」
京都府内に住む父親(46)は、中学3年の次男が通う
学校に駆け込み、担任に説明を求めた。
次男は学期末試験で、終了のベルが鳴ってから解答を書き直した。
それを試験官を通して知った担任から連絡があり、
「0点にします。後日、息子さんに伝えます」と伝えてきた。
怒りが収まらない父親に、担任は謝罪し、校長も交えて話し合った。
この結果、父親が腹を立てた理由は、進学を控えた大事な時期に、
当事者である息子を差し置いて対応した担任の姿勢。
点数については、学校側で再検討し、0点と決まったが、
父親は「ルール違反だから仕方ない」と受け止めた。
「担任からすれば、私はモンスターに映ったのかもしれないが、
そのまま黙っていたら、子どもが不幸になると思い、
あえて言った」と父親は振り返る。
都内で開かれた「先生が元気になる集い」。
弁護士や精神科医ら専門家からなる
「新・学校保護者関係研究会」(代表・小野田正利大阪大学教授)。
集まった現役教師たちが、それぞれの役割を演じた。
子どもを隣に座らせ、父親は机をたたき、どなる。
「うちの子は、卒業アルバムに1枚しか写っていない。
すぐに作り直せ!」
校長が、「申し訳ありません。少し時間をいただき、対応を考えます」、
父親は「息子にとっては一生の傷だ」――。
参加者の間では、「アルバム作りの時、名簿を見て枚数をチェックする」
と話題になり、人ごとではない題材。
迫真の演技で、役になりきった後の感想は様々。
保護者役は、「『作り替える』という言葉を引き出したかった」、
校長役は、「謝るところは謝って、何が出来るかを考えた」、
教頭役は、「学校の落ち度。校長に任せちゃおうと思った」
子ども役は、「大人たちに挟まれ、何を言っていいのか分からない感じ」
寸劇を企画した小野田教授は、
「教師は理屈で説明し、保護者は思いで要求する」
教師は、複数の1人として子どもを見る。
保護者は、1分の1、つまり我が子を見る。
そこに、ずれが生じるのは当然。
その間で、子どもが置き去りになることも多い。
「子どもを中心に据え、互いの思いを推し量ることが大切」と助言。
「組織を相手に怒るのは、それ相応の腹づもりが必要。
我慢をため込み、ある時点で怒りが噴き出る。
様々な保護者や地域住民と接点を持ち、怒りの背後を推し量れるのは、
やはり最後は学校。
教師に、親と向き合う気概と同僚との協調性があれば、
出口は見えてくる」と小野田教授。
保護者との関係で悩む教師、学校の対応に不満を抱く保護者……。
連載には、メール、ファクス、手紙で様々な反響が届いた。
共通するのは、「いい方向に変えたい」という前向きな思い。
子の幸せを願う気持ちは、親も教師も変わらない。
人とのつながりが希薄化し、世知辛いと言われる時代にあって、
かけがえのない関係を築ける宝の山が、学校にはある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100302-OYT8T00277.htm
保護者が学校に拳を振り上げる背景には、何があるのか?
「本人に伝える前、いきなり自宅に連絡され、
説明もなく0点と言われても、納得いかない」
京都府内に住む父親(46)は、中学3年の次男が通う
学校に駆け込み、担任に説明を求めた。
次男は学期末試験で、終了のベルが鳴ってから解答を書き直した。
それを試験官を通して知った担任から連絡があり、
「0点にします。後日、息子さんに伝えます」と伝えてきた。
怒りが収まらない父親に、担任は謝罪し、校長も交えて話し合った。
この結果、父親が腹を立てた理由は、進学を控えた大事な時期に、
当事者である息子を差し置いて対応した担任の姿勢。
点数については、学校側で再検討し、0点と決まったが、
父親は「ルール違反だから仕方ない」と受け止めた。
「担任からすれば、私はモンスターに映ったのかもしれないが、
そのまま黙っていたら、子どもが不幸になると思い、
あえて言った」と父親は振り返る。
都内で開かれた「先生が元気になる集い」。
弁護士や精神科医ら専門家からなる
「新・学校保護者関係研究会」(代表・小野田正利大阪大学教授)。
集まった現役教師たちが、それぞれの役割を演じた。
子どもを隣に座らせ、父親は机をたたき、どなる。
「うちの子は、卒業アルバムに1枚しか写っていない。
すぐに作り直せ!」
校長が、「申し訳ありません。少し時間をいただき、対応を考えます」、
父親は「息子にとっては一生の傷だ」――。
参加者の間では、「アルバム作りの時、名簿を見て枚数をチェックする」
と話題になり、人ごとではない題材。
迫真の演技で、役になりきった後の感想は様々。
保護者役は、「『作り替える』という言葉を引き出したかった」、
校長役は、「謝るところは謝って、何が出来るかを考えた」、
教頭役は、「学校の落ち度。校長に任せちゃおうと思った」
子ども役は、「大人たちに挟まれ、何を言っていいのか分からない感じ」
寸劇を企画した小野田教授は、
「教師は理屈で説明し、保護者は思いで要求する」
教師は、複数の1人として子どもを見る。
保護者は、1分の1、つまり我が子を見る。
そこに、ずれが生じるのは当然。
その間で、子どもが置き去りになることも多い。
「子どもを中心に据え、互いの思いを推し量ることが大切」と助言。
「組織を相手に怒るのは、それ相応の腹づもりが必要。
我慢をため込み、ある時点で怒りが噴き出る。
様々な保護者や地域住民と接点を持ち、怒りの背後を推し量れるのは、
やはり最後は学校。
教師に、親と向き合う気概と同僚との協調性があれば、
出口は見えてくる」と小野田教授。
保護者との関係で悩む教師、学校の対応に不満を抱く保護者……。
連載には、メール、ファクス、手紙で様々な反響が届いた。
共通するのは、「いい方向に変えたい」という前向きな思い。
子の幸せを願う気持ちは、親も教師も変わらない。
人とのつながりが希薄化し、世知辛いと言われる時代にあって、
かけがえのない関係を築ける宝の山が、学校にはある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100302-OYT8T00277.htm
「漢方」「はり」治療データ蓄積を 厚労省研究班が提言、専任担当部署設置も
(2010年2月26日 毎日新聞社)
漢方や鍼灸の今後のあり方について、
厚生労働省の研究班(班長、黒岩祐治・国際医療福祉大教授)が
提言をまとめ、長妻昭厚労相に提出。
治療効果のデータ収集や人材育成、
原料の国内栽培の推進などを提案。
個別化医療を実現するために、患者の症状や診断、
治療結果を収集・蓄積しデータベース化を進めることを提案。
漢方薬については、現在は8割以上を中国からの輸入に頼っている
生薬原料を、25年までに自給率を50%に高めることを目標、
休耕地や植物工場を活用した生薬原料の栽培、
漢方の正しい知識の普及--などを提言。
鍼灸については、研修の充実で鍼灸師の専門性を
高めることを盛り込んだ。
漢方や鍼灸などの伝統医療は、中国や韓国の主導で
国際的なルールづくりの動きが出ている。
提言では、日本も専任の担当部署をつくり、
政府主導で対応することも求めた。
渡辺賢治・慶応大漢方医学センター長は、
「中国や韓国は、国際会議に国の担当者が来ているのに対し、
日本は学会レベルで対応しており、限界がある」
漢方をめぐって、昨年の政府の事業仕分けで、
漢方薬を保険診療から外す案が出るなど、
専門医の間には危機意識が強い。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/26/116603/
漢方や鍼灸の今後のあり方について、
厚生労働省の研究班(班長、黒岩祐治・国際医療福祉大教授)が
提言をまとめ、長妻昭厚労相に提出。
治療効果のデータ収集や人材育成、
原料の国内栽培の推進などを提案。
個別化医療を実現するために、患者の症状や診断、
治療結果を収集・蓄積しデータベース化を進めることを提案。
漢方薬については、現在は8割以上を中国からの輸入に頼っている
生薬原料を、25年までに自給率を50%に高めることを目標、
休耕地や植物工場を活用した生薬原料の栽培、
漢方の正しい知識の普及--などを提言。
鍼灸については、研修の充実で鍼灸師の専門性を
高めることを盛り込んだ。
漢方や鍼灸などの伝統医療は、中国や韓国の主導で
国際的なルールづくりの動きが出ている。
提言では、日本も専任の担当部署をつくり、
政府主導で対応することも求めた。
渡辺賢治・慶応大漢方医学センター長は、
「中国や韓国は、国際会議に国の担当者が来ているのに対し、
日本は学会レベルで対応しており、限界がある」
漢方をめぐって、昨年の政府の事業仕分けで、
漢方薬を保険診療から外す案が出るなど、
専門医の間には危機意識が強い。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/26/116603/
富士大生の利用料減免 花巻市が文化、スポーツ施設
(岩手日報 3月13日)
花巻市は、富士大の学生を対象に、市内の文化・観光、
スポーツ施設の利用料を減免。
両者が昨年締結した、相互友好協力協定に基づく対応。
市は、市全体を大学の「キャンパス」と位置付け、
より地域に根差した学習・研究活動や日常生活を学生に送ってもらう。
減免対象の施設は、宮沢賢治記念館、南部杜氏伝承館などの
文化・観光12施設、鉛温泉スキー場などスポーツ5施設の
計17施設、適用は土・日曜日と祝日、長期休業期間。
すべての文化・観光施設とスポーツ施設のうち、
プール2施設は無料、同スキー場は500円(リフト1日券)、
石鳥谷アイスアリーナは400円で利用。
東和B&G海洋センターは、最初の1時間が無料。
学生が施設への入場時、学生証を提示すると減免。
施設利用とは別に、市の図書館を学生が、大学図書館を
一般市民が利用しやすくするため、相互のホームページにリンク先を表示。
同大の学生数は、約1千人。
同大学生支援部の井手俊一部長代理は、
「ゼミなどで文化施設を訪れる時があり、市の配慮は助かる。
大学図書館の一般利用も増え、今後は大学のスポーツ施設の開放も
積極的に考えたい」と歓迎。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100313_11
花巻市は、富士大の学生を対象に、市内の文化・観光、
スポーツ施設の利用料を減免。
両者が昨年締結した、相互友好協力協定に基づく対応。
市は、市全体を大学の「キャンパス」と位置付け、
より地域に根差した学習・研究活動や日常生活を学生に送ってもらう。
減免対象の施設は、宮沢賢治記念館、南部杜氏伝承館などの
文化・観光12施設、鉛温泉スキー場などスポーツ5施設の
計17施設、適用は土・日曜日と祝日、長期休業期間。
すべての文化・観光施設とスポーツ施設のうち、
プール2施設は無料、同スキー場は500円(リフト1日券)、
石鳥谷アイスアリーナは400円で利用。
東和B&G海洋センターは、最初の1時間が無料。
学生が施設への入場時、学生証を提示すると減免。
施設利用とは別に、市の図書館を学生が、大学図書館を
一般市民が利用しやすくするため、相互のホームページにリンク先を表示。
同大の学生数は、約1千人。
同大学生支援部の井手俊一部長代理は、
「ゼミなどで文化施設を訪れる時があり、市の配慮は助かる。
大学図書館の一般利用も増え、今後は大学のスポーツ施設の開放も
積極的に考えたい」と歓迎。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100313_11
2010年3月16日火曜日
親と向き合う(6)情報共有 トラブル防ぐ
(読売 2月27日)
学校と家庭が情報を共有し、理解を深めている。
「ありのままの学校」を見てもらおうと、
名古屋市立城山中学校は毎年、教員と保護者が連携、
「城中NAVI」と題したガイドブックを発行。
A4判75ページ、生徒会の仕組み、学校運営予算、
学校評価の結果など、各教科の学習目標、通知表の見方まで
学校の情報を満載し、全生徒の家庭に配っている。
発行が始まったのは、2005年。
「新しい学校づくりには、情報の共有が大切」と、
教員が提案して実現。
保護者や生徒へのアンケート調査や、保護者を交えた
編集会議で要望を把握し、掲載内容を毎年見直し。
2010年度版には、新型インフルエンザの対応を加える予定。
保護者への連絡事項は、その都度、教諭が配る
学級だよりなどで伝えることが多い。
プリントが、かばんや机の中に入ったままになったり、
散逸して必要な時に取り出せなかったり。
冊子にすることで、必要な情報が届かず、
トラブルに発展することを防げる。
編集にかかわるPTA役員の和泉早苗さん(44)は、
「NAVIを読んで、もっと知りたいと思うことがあれば、
授業参観などで学校に来て、先生とコミュニケーションを
とりながら情報を取ることも大切」
保護者が学校に抱く疑問を解消し、教師も対応力を学べる
ホームページがある。
教育関連の編集プロダクション「コンテクスト」が開設する
「ティーチャーズ・オンライン 先生のミカタウェブ」
(http://www.teachers-online.jp/)
学級だよりの文例を、季節や学年ごとにそろえた。
専門家の助言を受け、事例を基につくったゲームでは、
選択肢を選びながら、保護者対応のポイントをつかめる。
同社社長の佐藤明彦さん(37)は、
「理想は、隣に座る先生に聞くのが一番だが、
教員採用が一時期滞った影響で、エネルギーのある
キャリア10年ぐらいの先生が少なく、若手が孤立。
そうした先生たちに、少しでも役立ててもらえれば」
もう一つの目的は、学校を知ってもらい、
教員の負担を軽くすること。
新人教師は、授業をよく休む。
背景に、初任者研修があるのだが、事情が分からない保護者は、
「あの先生は何をやっているんだ」という話。
意外と知られていない「学校の謎」を解き明かしている。
監修した日本大学の佐藤晴雄教授(社会教育学)は、
「学校と家庭の認識のズレを放っておくと、クレームにつながる。
学校の姿を外にさらすことで、風通しがよくなり、苦情も少なくなる」
学校支援ボランティアの活用も、その手段の一つ。
学校、家庭、地域が互いを知り、誤解を防ぐ土壌を作ることが、
円滑な学校運営を促す。
◆学校支援ボランティア
学校運営に役立つ知識や経験を持ち、教育や校務の手助けをする人。
ボランティア希望者を登録し、目的にあった人に依頼する方法など。
地域との協働で、「開かれた学校」の推進につながり、
各地で取り組みが進んでいる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100227-OYT8T00265.htm
学校と家庭が情報を共有し、理解を深めている。
「ありのままの学校」を見てもらおうと、
名古屋市立城山中学校は毎年、教員と保護者が連携、
「城中NAVI」と題したガイドブックを発行。
A4判75ページ、生徒会の仕組み、学校運営予算、
学校評価の結果など、各教科の学習目標、通知表の見方まで
学校の情報を満載し、全生徒の家庭に配っている。
発行が始まったのは、2005年。
「新しい学校づくりには、情報の共有が大切」と、
教員が提案して実現。
保護者や生徒へのアンケート調査や、保護者を交えた
編集会議で要望を把握し、掲載内容を毎年見直し。
2010年度版には、新型インフルエンザの対応を加える予定。
保護者への連絡事項は、その都度、教諭が配る
学級だよりなどで伝えることが多い。
プリントが、かばんや机の中に入ったままになったり、
散逸して必要な時に取り出せなかったり。
冊子にすることで、必要な情報が届かず、
トラブルに発展することを防げる。
編集にかかわるPTA役員の和泉早苗さん(44)は、
「NAVIを読んで、もっと知りたいと思うことがあれば、
授業参観などで学校に来て、先生とコミュニケーションを
とりながら情報を取ることも大切」
保護者が学校に抱く疑問を解消し、教師も対応力を学べる
ホームページがある。
教育関連の編集プロダクション「コンテクスト」が開設する
「ティーチャーズ・オンライン 先生のミカタウェブ」
(http://www.teachers-online.jp/)
学級だよりの文例を、季節や学年ごとにそろえた。
専門家の助言を受け、事例を基につくったゲームでは、
選択肢を選びながら、保護者対応のポイントをつかめる。
同社社長の佐藤明彦さん(37)は、
「理想は、隣に座る先生に聞くのが一番だが、
教員採用が一時期滞った影響で、エネルギーのある
キャリア10年ぐらいの先生が少なく、若手が孤立。
そうした先生たちに、少しでも役立ててもらえれば」
もう一つの目的は、学校を知ってもらい、
教員の負担を軽くすること。
新人教師は、授業をよく休む。
背景に、初任者研修があるのだが、事情が分からない保護者は、
「あの先生は何をやっているんだ」という話。
意外と知られていない「学校の謎」を解き明かしている。
監修した日本大学の佐藤晴雄教授(社会教育学)は、
「学校と家庭の認識のズレを放っておくと、クレームにつながる。
学校の姿を外にさらすことで、風通しがよくなり、苦情も少なくなる」
学校支援ボランティアの活用も、その手段の一つ。
学校、家庭、地域が互いを知り、誤解を防ぐ土壌を作ることが、
円滑な学校運営を促す。
◆学校支援ボランティア
学校運営に役立つ知識や経験を持ち、教育や校務の手助けをする人。
ボランティア希望者を登録し、目的にあった人に依頼する方法など。
地域との協働で、「開かれた学校」の推進につながり、
各地で取り組みが進んでいる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100227-OYT8T00265.htm
富士登山、低酸素にご用心 中高年、ベテランでも負担 高血圧も、鹿屋体育大調査
(2010年3月5日 共同通信社)
富士山の中高年登山者は、ベテランでも歩行中や山頂付近での
睡眠中に、通常なら救急医療で酸素吸入が必要なレベルの
極度の低酸素状態になり、血圧も上がることが、
鹿屋体育大の山本正嘉教授(運動生理学)らの調査。
山本教授は、「登山未経験者や普段運動していない人だと、
より大きな負担がかかり、事故の引き金になる恐れがある」、
一気に登頂せず、途中で1泊した方が負担を軽減できる。
調査は昨年8月、登山経験15年以上の58~69歳の
男女計7人を対象、2泊3日の行程で実施。
標高約2400mの5合目・富士宮口から、約7時間かけて登頂、
旧富士山測候所に宿泊。
2日目、約3時間かけて山頂噴火口を1周する「お鉢巡り」、
3日目、約3時間かけて下山。
この間、体内の酸素量の指標となる「動脈血酸素飽和度」(SpO2)、
心拍数、血圧などを測定。
スタート時のSpO2は、7人の平均が約93%、
酸素が薄い山頂に近づくにつれ低下。
3700mを超えた歩行中と山頂での睡眠時は、平均60%台。
登山は、徐々に酸素が減るので体が慣れていくが、
平地だと90%を下回ると、救急医療で酸素吸入が必要なレベル。
低酸素状態となることで、心拍数と血圧も上昇。
山頂での最高血圧は、平均で高血圧と定義される140以上。
◆富士登山者の遭難
2005年夏、富士山8合目まで登った登山者は約20万人、
08年夏は約30万人、昨年夏は約29万2千人。
昨年1年間に扱った遭難は、41件で7人死亡、21人負傷。
足を滑らせたことによる転倒が10件と最多、
疲労や高山病によるものもあり、多くは不十分な装備や
体力不足が原因。
山梨県側では昨年、7件の事故、3人死亡、4人負傷。
昨年12月、元F1レーサー片山右京さんら3人が遭難、
片山さんに同行した2人が死亡。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/5/116962/
富士山の中高年登山者は、ベテランでも歩行中や山頂付近での
睡眠中に、通常なら救急医療で酸素吸入が必要なレベルの
極度の低酸素状態になり、血圧も上がることが、
鹿屋体育大の山本正嘉教授(運動生理学)らの調査。
山本教授は、「登山未経験者や普段運動していない人だと、
より大きな負担がかかり、事故の引き金になる恐れがある」、
一気に登頂せず、途中で1泊した方が負担を軽減できる。
調査は昨年8月、登山経験15年以上の58~69歳の
男女計7人を対象、2泊3日の行程で実施。
標高約2400mの5合目・富士宮口から、約7時間かけて登頂、
旧富士山測候所に宿泊。
2日目、約3時間かけて山頂噴火口を1周する「お鉢巡り」、
3日目、約3時間かけて下山。
この間、体内の酸素量の指標となる「動脈血酸素飽和度」(SpO2)、
心拍数、血圧などを測定。
スタート時のSpO2は、7人の平均が約93%、
酸素が薄い山頂に近づくにつれ低下。
3700mを超えた歩行中と山頂での睡眠時は、平均60%台。
登山は、徐々に酸素が減るので体が慣れていくが、
平地だと90%を下回ると、救急医療で酸素吸入が必要なレベル。
低酸素状態となることで、心拍数と血圧も上昇。
山頂での最高血圧は、平均で高血圧と定義される140以上。
◆富士登山者の遭難
2005年夏、富士山8合目まで登った登山者は約20万人、
08年夏は約30万人、昨年夏は約29万2千人。
昨年1年間に扱った遭難は、41件で7人死亡、21人負傷。
足を滑らせたことによる転倒が10件と最多、
疲労や高山病によるものもあり、多くは不十分な装備や
体力不足が原因。
山梨県側では昨年、7件の事故、3人死亡、4人負傷。
昨年12月、元F1レーサー片山右京さんら3人が遭難、
片山さんに同行した2人が死亡。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/5/116962/
冷え万病のもと、防ぐ 生活環境、ストレス影響 免疫力低下も
(2010年3月5日 毎日新聞社)
暖かくなったり、寒さが戻ったり--。
季節の変わり目のこの時期、体調を崩していませんか。
とくに厄介なのが、体の「冷え」。
冷暖房で体温調整がうまくとれない上、ストレスも多い。
冷えは免疫力を弱め、万病のもと。
布団に入っても足が冷たくて眠れない。
悩みがつきない冷えを防ぐには、どうしたらいいのか?
50年前の日本人の平均体温は36・9度だったが、
現在は36度前後まで低くなった。
東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニック所長の
川嶋朗さんは指摘。
「日本人の平熱は、この50年で確実に0・5度以上は低い。
6度以下の低体温の人も少なくない」
背景には、現代文明がある。
エアコンの普及で体温調節機能が衰え、
冷蔵庫で冷やされたものを年中飲む。
体は、いやでも冷える。
ストレス社会の影響も大きい。
ストレスで交感神経が緊張し、心臓の動きが速くなり、
血圧が上がり体温も高くなる。
過度になると、血管が収縮したまま戻りにくくなり、
血の巡りが悪くなり、冷えにつながる。
体全体の3分の1の熱をつかさどる筋肉の量が、
運動不足で減っていることも要因の一つ。
血行改善を図る「血めぐり研究会」(花王などの5社協賛)が、
20-40歳代の男女650人に、「冷え」についてのネット調査、
7割が冷えを自覚。
冷えを感じている人は、「肩こり」、「疲れ・だるさ」、「足のむくみ」、
「風邪のひきやすさ」、「頭痛」、「便秘・下痢」について、
感じていない人よりも15ポイント以上強く症状。
「冷え」は、体全体の働きも鈍くする。
新陳代謝に重要な酵素が活発に動く温度は37-40度、
1度下がるだけで、働きが半減するものも。
免疫力も、1度下がることで3割減少。
肝臓、腎臓のトラブル、糖尿病、高脂血症などにつながり、
脳内の伝達物質もスムーズに運ばれなくなり、
うつ病や自律神経失調症などにも関係。
「冷えは、あらゆる病気の入り口。
いかに体を温めるかが、現代人にとって大切」と川嶋さん。
冷えは、朝、起きがけに布団の中で脇の下に手を入れ、
これよりも冷えている個所があるかどうか--で大体分かる。
チェックリストで、一つでもあてはまるものがあるなら注意。
………………………………………………………
◇規則正しい生活、対策の基本に
東洋医学では、「命あるものすべて温かい」と言われ、
冷えは体の不調のもと。
「アキュラ鍼灸院」院長の徐大兼さんによると、予防の基本は、
(1)規則正しい生活、
(2)十分な睡眠、
(3)バランスのとれた食事、
(4)適度な運動、
(5)ストレスを緩和する生活
◆お灸・マッサージ
お灸は、患部そのものを温め冷えを取り、痛みもやわらげ、
治りを早くする。
ツボを刺激し、冷え症を改善することができる。
◆入浴
シャワーではなく、湯船につかろう。
半身浴もおすすめ、ぬるめのお湯に20-30分ゆっくりつかる。
上半身が冷えるので、バスタオルをかけたり、
入浴前に浴室全体を暖めておく。
入浴後、手早く身支度を整え、体を冷やさない。
◆ぬか袋
就寝中に体が冷えてしまうという人におすすめ。
ぬか袋は、自分の体の線に沿って形が変わるので、フィット。
【作り方】木綿の布(32cm×20cm)を袋状に縫う。
古米130g、ぬか100g、粗塩35g、ローリエの葉1枚を入れる。
袋の口を縫い合わせ、電子レンジで2、3分温め、
冷えている部分に当てる。
再度温める場合、半日以上たってから。
◆食事
季節感のある和食をベースに、バランスを整えた食事。
1回の食事に、五味(酸・苦・甘・辛・塩)、
五色(赤・青・黄・白・黒)をそろえるように心がける。
体を冷やす食べ物(ビール、冷たい飲み物、アイスクリームなど)は
なるべく避け、水分の取り過ぎにも注意。
「孫は優しい(マメ類、ゴマやナッツ類、ワカメ、ヤサイ、サカナ、
シイタケのキノコ類、イモ類)」
………………………………………………………
◆「冷え」チェックリスト
□手足が常に冷えている
□時折、頭痛がある
□顔色が悪い
□冷房が苦手
□目の下にクマができる
□少しの運動で息が切れる
□夜、熟睡できない
□夜中、トイレで目を覚ます
□低血圧
□体温が36度以下
□肩こり、腰痛、ひざ痛、下痢気味、便秘気味、疲れやすいなど
症状が一つでもある
□いらいら。集中力がない
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/5/116955/
暖かくなったり、寒さが戻ったり--。
季節の変わり目のこの時期、体調を崩していませんか。
とくに厄介なのが、体の「冷え」。
冷暖房で体温調整がうまくとれない上、ストレスも多い。
冷えは免疫力を弱め、万病のもと。
布団に入っても足が冷たくて眠れない。
悩みがつきない冷えを防ぐには、どうしたらいいのか?
50年前の日本人の平均体温は36・9度だったが、
現在は36度前後まで低くなった。
東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニック所長の
川嶋朗さんは指摘。
「日本人の平熱は、この50年で確実に0・5度以上は低い。
6度以下の低体温の人も少なくない」
背景には、現代文明がある。
エアコンの普及で体温調節機能が衰え、
冷蔵庫で冷やされたものを年中飲む。
体は、いやでも冷える。
ストレス社会の影響も大きい。
ストレスで交感神経が緊張し、心臓の動きが速くなり、
血圧が上がり体温も高くなる。
過度になると、血管が収縮したまま戻りにくくなり、
血の巡りが悪くなり、冷えにつながる。
体全体の3分の1の熱をつかさどる筋肉の量が、
運動不足で減っていることも要因の一つ。
血行改善を図る「血めぐり研究会」(花王などの5社協賛)が、
20-40歳代の男女650人に、「冷え」についてのネット調査、
7割が冷えを自覚。
冷えを感じている人は、「肩こり」、「疲れ・だるさ」、「足のむくみ」、
「風邪のひきやすさ」、「頭痛」、「便秘・下痢」について、
感じていない人よりも15ポイント以上強く症状。
「冷え」は、体全体の働きも鈍くする。
新陳代謝に重要な酵素が活発に動く温度は37-40度、
1度下がるだけで、働きが半減するものも。
免疫力も、1度下がることで3割減少。
肝臓、腎臓のトラブル、糖尿病、高脂血症などにつながり、
脳内の伝達物質もスムーズに運ばれなくなり、
うつ病や自律神経失調症などにも関係。
「冷えは、あらゆる病気の入り口。
いかに体を温めるかが、現代人にとって大切」と川嶋さん。
冷えは、朝、起きがけに布団の中で脇の下に手を入れ、
これよりも冷えている個所があるかどうか--で大体分かる。
チェックリストで、一つでもあてはまるものがあるなら注意。
………………………………………………………
◇規則正しい生活、対策の基本に
東洋医学では、「命あるものすべて温かい」と言われ、
冷えは体の不調のもと。
「アキュラ鍼灸院」院長の徐大兼さんによると、予防の基本は、
(1)規則正しい生活、
(2)十分な睡眠、
(3)バランスのとれた食事、
(4)適度な運動、
(5)ストレスを緩和する生活
◆お灸・マッサージ
お灸は、患部そのものを温め冷えを取り、痛みもやわらげ、
治りを早くする。
ツボを刺激し、冷え症を改善することができる。
◆入浴
シャワーではなく、湯船につかろう。
半身浴もおすすめ、ぬるめのお湯に20-30分ゆっくりつかる。
上半身が冷えるので、バスタオルをかけたり、
入浴前に浴室全体を暖めておく。
入浴後、手早く身支度を整え、体を冷やさない。
◆ぬか袋
就寝中に体が冷えてしまうという人におすすめ。
ぬか袋は、自分の体の線に沿って形が変わるので、フィット。
【作り方】木綿の布(32cm×20cm)を袋状に縫う。
古米130g、ぬか100g、粗塩35g、ローリエの葉1枚を入れる。
袋の口を縫い合わせ、電子レンジで2、3分温め、
冷えている部分に当てる。
再度温める場合、半日以上たってから。
◆食事
季節感のある和食をベースに、バランスを整えた食事。
1回の食事に、五味(酸・苦・甘・辛・塩)、
五色(赤・青・黄・白・黒)をそろえるように心がける。
体を冷やす食べ物(ビール、冷たい飲み物、アイスクリームなど)は
なるべく避け、水分の取り過ぎにも注意。
「孫は優しい(マメ類、ゴマやナッツ類、ワカメ、ヤサイ、サカナ、
シイタケのキノコ類、イモ類)」
………………………………………………………
◆「冷え」チェックリスト
□手足が常に冷えている
□時折、頭痛がある
□顔色が悪い
□冷房が苦手
□目の下にクマができる
□少しの運動で息が切れる
□夜、熟睡できない
□夜中、トイレで目を覚ます
□低血圧
□体温が36度以下
□肩こり、腰痛、ひざ痛、下痢気味、便秘気味、疲れやすいなど
症状が一つでもある
□いらいら。集中力がない
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/5/116955/
2010年3月15日月曜日
ドライマウス:生活変え改善 増える「口の筋力低下」原因 よくかむことが重要
(毎日 2月26日)
口が乾く「ドライマウス」(口腔乾燥症)。
クッキーが食べられない、世間話ができないなど、
放置すれば日常生活に支障をきたす。
背後にはさまざまな原因があるが、飲み薬の種類や生活習慣を
変えることで改善するケースも多い。
ドライマウスに悩む人は、潜在患者を含め人口の25%程度。
鶴見大歯学部付属病院は02年、
国内初の「ドライマウス外来」開設。
以来、3600人の患者を診療。
中高年の女性が中心だが、最近は10代の患者も。
診断は、問診に加えて唾液量を測る。
ガムをかんで唾液腺を刺激しても、10分間の唾液が
10CC以下だと、唾液腺の異常を疑う。
難病に指定されている自己免疫疾患の一つで、
涙や唾液などの分泌障害を起こす「シェーグレン症候群」。
多摩市の建部良子さん(77)は06年、大好きなご飯がまずくなり、
食事の量が激減して10キロ近くやせた。
唾液量が減ったことが原因と判明、シェーグレン症候群と診断。
根治は難しいが、適切な対処で日常生活を送っている。
唾液分泌を促す薬を毎日飲み、うがいや水分補給を欠かさない。
夜は、専用のマウスピースをつけるなどして口内を保湿。
「食事も、水分が多いものを選べば楽しめるし、
視覚障害者のための朗読ボランティアも続けられた」
病気ではないのに、「口が乾く」と訴える患者の方が多い。
同病院の斎藤一郎院長によると、受診者の7割近くが、唾液腺は正常。
こうした人たちで最も多いのは、薬によるドライマウス。
抗うつ薬や睡眠導入剤、高血圧の薬、花粉症対策の
抗ヒスタミン剤などに、口が乾く副作用がある。
支障がない範囲で服用量を減らしたり、
別の薬に変えるなどの対策で改善。
ストレスが原因になるケースも少なくない。
唾液腺は、自律神経の影響を受け、緊張すると口がカラカラになるのは、
交感神経が唾液腺の働きを抑えるため。
職場環境や人間関係、家族の介護といったストレスに
さらされ続けることで、唾液分泌が減る。
「最近特に増えているのが、口のまわりの筋力低下」(斎藤院長)。
高齢者に加え、軟らかいものばかり食べて育った子供たちは、
筋肉が発達しないため、日ごろから口が開きがち。
猫背など姿勢が悪い人や、鼻が詰まっている人も口呼吸になりやすく、
唾液分泌が正常でも、口内が乾燥してしまう。
ドライマウスにならない生活とは?
「正しく、よくかむこと。
かむことで筋肉が鍛えられ、唾液分泌も活発になる」と斎藤院長。
根菜類など、かみごたえのあるメニューを心がけ、
よくかんでゆっくり食べることで、唾液中の消化酵素が働く。
唾液は、口内を清潔に保つため、分泌が不十分だと
虫歯や歯周病のほか、口臭の原因にも。
高齢者では、細菌が肺まで入り込み、肺炎を起こしやすくなる。
口のまわりの筋肉を鍛える手軽な方法も。
「いー」と言いながら口を横に広げた後、
「うー」と言いながら口をとがらせるしぐさを繰り返す。
舌を上あごにつけて、はじかせるように「タン、タン」と鳴らす
運動は、舌の筋肉を鍛える。
舌が上あごにきちんと収納され、口も自然に閉じてくる。
斎藤院長が主宰する「ドライマウス研究会」は、
「ドライマウスは歯科医が診る」を掲げる。
全国の歯科医や歯科衛生士ら約3000人の会員が加入、
主要大学病院の歯科や口腔外科がドライマウス外来を併設したり、
クリニックでも相談に乗っている。
研究会のホームページ(http://www.drymouth-society.com/)
==============
◆こんな人は相談を
・口の中が、いつもネバネバしている
・クッキーなど、パサパサしたものが食べにくい
・口が常に乾いていて、会話をするのがおっくう
・食べ物をのみ込むのがつらい
・入れ歯がすぐに落ちてしまう
・舌がひび割れて痛い
・こうした状態が3カ月以上続いている
◆ドライマウスを防ぐには
・お茶や水で水分を補う
・室内が乾きすぎないよう加湿する
・食事はよくかむ。前歯より奥歯でかむ方が唾液は出やすい
・ガムやあめ、すっぱい食べ物で唾液腺を刺激する
・交感神経が優位になるたばこはやめる
・過度の飲酒も体の水分を奪い、乾く原因に
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/26/20100226ddm013100161000c.html
口が乾く「ドライマウス」(口腔乾燥症)。
クッキーが食べられない、世間話ができないなど、
放置すれば日常生活に支障をきたす。
背後にはさまざまな原因があるが、飲み薬の種類や生活習慣を
変えることで改善するケースも多い。
ドライマウスに悩む人は、潜在患者を含め人口の25%程度。
鶴見大歯学部付属病院は02年、
国内初の「ドライマウス外来」開設。
以来、3600人の患者を診療。
中高年の女性が中心だが、最近は10代の患者も。
診断は、問診に加えて唾液量を測る。
ガムをかんで唾液腺を刺激しても、10分間の唾液が
10CC以下だと、唾液腺の異常を疑う。
難病に指定されている自己免疫疾患の一つで、
涙や唾液などの分泌障害を起こす「シェーグレン症候群」。
多摩市の建部良子さん(77)は06年、大好きなご飯がまずくなり、
食事の量が激減して10キロ近くやせた。
唾液量が減ったことが原因と判明、シェーグレン症候群と診断。
根治は難しいが、適切な対処で日常生活を送っている。
唾液分泌を促す薬を毎日飲み、うがいや水分補給を欠かさない。
夜は、専用のマウスピースをつけるなどして口内を保湿。
「食事も、水分が多いものを選べば楽しめるし、
視覚障害者のための朗読ボランティアも続けられた」
病気ではないのに、「口が乾く」と訴える患者の方が多い。
同病院の斎藤一郎院長によると、受診者の7割近くが、唾液腺は正常。
こうした人たちで最も多いのは、薬によるドライマウス。
抗うつ薬や睡眠導入剤、高血圧の薬、花粉症対策の
抗ヒスタミン剤などに、口が乾く副作用がある。
支障がない範囲で服用量を減らしたり、
別の薬に変えるなどの対策で改善。
ストレスが原因になるケースも少なくない。
唾液腺は、自律神経の影響を受け、緊張すると口がカラカラになるのは、
交感神経が唾液腺の働きを抑えるため。
職場環境や人間関係、家族の介護といったストレスに
さらされ続けることで、唾液分泌が減る。
「最近特に増えているのが、口のまわりの筋力低下」(斎藤院長)。
高齢者に加え、軟らかいものばかり食べて育った子供たちは、
筋肉が発達しないため、日ごろから口が開きがち。
猫背など姿勢が悪い人や、鼻が詰まっている人も口呼吸になりやすく、
唾液分泌が正常でも、口内が乾燥してしまう。
ドライマウスにならない生活とは?
「正しく、よくかむこと。
かむことで筋肉が鍛えられ、唾液分泌も活発になる」と斎藤院長。
根菜類など、かみごたえのあるメニューを心がけ、
よくかんでゆっくり食べることで、唾液中の消化酵素が働く。
唾液は、口内を清潔に保つため、分泌が不十分だと
虫歯や歯周病のほか、口臭の原因にも。
高齢者では、細菌が肺まで入り込み、肺炎を起こしやすくなる。
口のまわりの筋肉を鍛える手軽な方法も。
「いー」と言いながら口を横に広げた後、
「うー」と言いながら口をとがらせるしぐさを繰り返す。
舌を上あごにつけて、はじかせるように「タン、タン」と鳴らす
運動は、舌の筋肉を鍛える。
舌が上あごにきちんと収納され、口も自然に閉じてくる。
斎藤院長が主宰する「ドライマウス研究会」は、
「ドライマウスは歯科医が診る」を掲げる。
全国の歯科医や歯科衛生士ら約3000人の会員が加入、
主要大学病院の歯科や口腔外科がドライマウス外来を併設したり、
クリニックでも相談に乗っている。
研究会のホームページ(http://www.drymouth-society.com/)
==============
◆こんな人は相談を
・口の中が、いつもネバネバしている
・クッキーなど、パサパサしたものが食べにくい
・口が常に乾いていて、会話をするのがおっくう
・食べ物をのみ込むのがつらい
・入れ歯がすぐに落ちてしまう
・舌がひび割れて痛い
・こうした状態が3カ月以上続いている
◆ドライマウスを防ぐには
・お茶や水で水分を補う
・室内が乾きすぎないよう加湿する
・食事はよくかむ。前歯より奥歯でかむ方が唾液は出やすい
・ガムやあめ、すっぱい食べ物で唾液腺を刺激する
・交感神経が優位になるたばこはやめる
・過度の飲酒も体の水分を奪い、乾く原因に
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/26/20100226ddm013100161000c.html
親と向き合う(5)対応力学び 真意酌む
(読売 2月25日)
危機管理の手法を、保護者対応に生かす。
「A君と違う部屋に変えてもらえませんか」
修学旅行を間近に控えたある日、B君の父親が学校に駆け込んだ。
素行が悪いと評判のA君と同室になり、部屋割りの変更を求めた。
「子ども同士で決めたことなので」と、担任教師。
「変えてくれるのですか」と尋ねる親に向かって、「ですからー」。
親が、「校長に代わってもらえますか!」と声を張り上げると、
素っ気なく答えた。「校長はいません」――。
八王子実践高校での講習会の一場面。
講師で招かれた「学校リスクマネジメント推進機構」の
宮下賢路代表が、保護者を演じた。
「悪い教師」になりきった同校教員は、あえて言葉を遮ったり
責任逃れをしたりするよう、事前に指示。
宮下代表は、危機管理のコンサルタント業務に携わった経験を
生かし、全国の幼稚園から大学まで幅広く初期対応の研修を開催。
クレーム対応の基本について、
〈1〉誠実に謝る、〈2〉話を聴く、〈3〉言い訳をしない――を掲げ、
「まず、相手の感情を抑えることが大切」
典型的な例が、電車が遅れた時のアナウンス。
原因が鉄道会社にあるのか分からなくても、
「迷惑をかけた事実」を認めて謝罪し、利用者の怒りを抑える。
重大事故の発生確率を示す「ハインリッヒの法則」を引き合いに出し、
「保護者との対応でも、言い訳や問題の放置など、
クレームにつながりやすい小さなミスを減らすことが重要」
他業種で当然のことが、なぜ、学校では難しいのか?
「権威ある存在に見られてきた先生は、謝るのに慣れていない。
一方で、親の意識は高まっている。
学校に託すのは、お金よりも重要な子ども。
企業の商品やサービスと比べ、求める真剣さが違うのに、
世の中の流れに学校がついていけない場合が多い」と宮下代表。
「となりのクレーマー」などの著書がある関根眞一さん(59)は、
大手百貨店の元社員。
「お客様相談室」で、数多くの苦情に対応してきた経験から、
昨年7月、「日本苦情白書」を刊行。
教育、行政、福祉、病院、金融などの8業種の計5059人を
対象に実施した全国調査をまとめた。
苦情の原因について、「こちらの配慮不足」と答えた割合は、
8業種の平均が50%、教育では31%と最も低かった。
相手の「勘違い」、「いちゃもん」の合計は、8業種中、最高の43%。
保護者の苦情を、最初から無理難題と受け止めやすい
学校の傾向が浮き彫りに。
関根さんは、「教員は言葉を発する職業で、
相手の真意を読み取るのが苦手。
対応力を学び、相手に胸襟を開けば、保護者の声が
『なるほど』と聞こえるのでは」
まず耳を傾けることで、苦情が無理難題ではなくなる。
◆ハインリッヒの法則
1件の重大事故の背景には、29件の軽い事故と、
事故には至らない300件の小さなミスがあるとする、
安全工学上の経験則。
医療や航空などの分野では、軽微なミスを集めた
「ヒヤリ・ハット事例」を分析、事故やトラブルの防止に役立てている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100225-OYT8T00232.htm
危機管理の手法を、保護者対応に生かす。
「A君と違う部屋に変えてもらえませんか」
修学旅行を間近に控えたある日、B君の父親が学校に駆け込んだ。
素行が悪いと評判のA君と同室になり、部屋割りの変更を求めた。
「子ども同士で決めたことなので」と、担任教師。
「変えてくれるのですか」と尋ねる親に向かって、「ですからー」。
親が、「校長に代わってもらえますか!」と声を張り上げると、
素っ気なく答えた。「校長はいません」――。
八王子実践高校での講習会の一場面。
講師で招かれた「学校リスクマネジメント推進機構」の
宮下賢路代表が、保護者を演じた。
「悪い教師」になりきった同校教員は、あえて言葉を遮ったり
責任逃れをしたりするよう、事前に指示。
宮下代表は、危機管理のコンサルタント業務に携わった経験を
生かし、全国の幼稚園から大学まで幅広く初期対応の研修を開催。
クレーム対応の基本について、
〈1〉誠実に謝る、〈2〉話を聴く、〈3〉言い訳をしない――を掲げ、
「まず、相手の感情を抑えることが大切」
典型的な例が、電車が遅れた時のアナウンス。
原因が鉄道会社にあるのか分からなくても、
「迷惑をかけた事実」を認めて謝罪し、利用者の怒りを抑える。
重大事故の発生確率を示す「ハインリッヒの法則」を引き合いに出し、
「保護者との対応でも、言い訳や問題の放置など、
クレームにつながりやすい小さなミスを減らすことが重要」
他業種で当然のことが、なぜ、学校では難しいのか?
「権威ある存在に見られてきた先生は、謝るのに慣れていない。
一方で、親の意識は高まっている。
学校に託すのは、お金よりも重要な子ども。
企業の商品やサービスと比べ、求める真剣さが違うのに、
世の中の流れに学校がついていけない場合が多い」と宮下代表。
「となりのクレーマー」などの著書がある関根眞一さん(59)は、
大手百貨店の元社員。
「お客様相談室」で、数多くの苦情に対応してきた経験から、
昨年7月、「日本苦情白書」を刊行。
教育、行政、福祉、病院、金融などの8業種の計5059人を
対象に実施した全国調査をまとめた。
苦情の原因について、「こちらの配慮不足」と答えた割合は、
8業種の平均が50%、教育では31%と最も低かった。
相手の「勘違い」、「いちゃもん」の合計は、8業種中、最高の43%。
保護者の苦情を、最初から無理難題と受け止めやすい
学校の傾向が浮き彫りに。
関根さんは、「教員は言葉を発する職業で、
相手の真意を読み取るのが苦手。
対応力を学び、相手に胸襟を開けば、保護者の声が
『なるほど』と聞こえるのでは」
まず耳を傾けることで、苦情が無理難題ではなくなる。
◆ハインリッヒの法則
1件の重大事故の背景には、29件の軽い事故と、
事故には至らない300件の小さなミスがあるとする、
安全工学上の経験則。
医療や航空などの分野では、軽微なミスを集めた
「ヒヤリ・ハット事例」を分析、事故やトラブルの防止に役立てている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100225-OYT8T00232.htm
野口研究室、20年前は物置 元商社マン、整備に奔走
(2010年3月8日 共同通信社)
ガーナの首都アクラに入った皇太子さまが、
訪問される予定の「野口英世記念研究室」。
現在、奥の展示室に野口ゆかりの手紙や顕微鏡などが並んでいるが、
総合商社「丸紅」の元アクラ支店長岩田芳晴さん(72)は、
約20年前のことを感慨深く思い出している。
ガーナで、黄熱病の研究中に死亡した細菌学者、野口英世が
研究者人生の大半を過ごした米ニューヨークにも、
駐在経験がある岩田さん。
1987年秋、アクラに着任するとすぐ、コレブ病院に残る
野口の研究室を訪ねた。
ごくありふれた実習室。
奥の小部屋は、薬品の瓶や掃除道具が雑然と並び、
「物置のようだった」
間もなく、野口の助手をしていたというウィリアムズさんと出会い、
"物置"は、野口が好きな葉巻を吸いながら、研究データを
整理していた個室だったと知る。
「ここでよく、プロフェッサー・ノグチに葉巻をもらって一緒に吸った。
『結核が怖いので、栄養を取る』と、バナナと牛乳を毎日欠かさず、
地元の若者には努力することの大切さを説いていた」と
ウィリアムズさんは思い出話をしてくれた。
「博士の部屋を何とかしなければ」。
ガーナ日本人会の会長も務めた岩田さんは、
日本大使館の協力を受け、建物を所有するガーナ保健省を説得。
政府開発援助(ODA)を増やしていた日本の存在感も後押し、
改修の許可を取り付けた。
岩田さんは、一時帰国の際、野口英世記念会から資料を
提供してもらい、92年2月、展示室としてオープン。
訪問前の記者会見で、「博士がアフリカ、世界の医療活動に
果たそうとした思いをしのびたい」と述べた皇太子さま。
岩田さんは、「80年前はクーラーもなく、環境はもっと厳しかった。
ニューヨークから覚悟を決めてガーナに飛び込み、
黄熱病という人類的な課題に取り組んだ野口博士の研究者魂を
感じ取っていただければ」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/8/117051/
ガーナの首都アクラに入った皇太子さまが、
訪問される予定の「野口英世記念研究室」。
現在、奥の展示室に野口ゆかりの手紙や顕微鏡などが並んでいるが、
総合商社「丸紅」の元アクラ支店長岩田芳晴さん(72)は、
約20年前のことを感慨深く思い出している。
ガーナで、黄熱病の研究中に死亡した細菌学者、野口英世が
研究者人生の大半を過ごした米ニューヨークにも、
駐在経験がある岩田さん。
1987年秋、アクラに着任するとすぐ、コレブ病院に残る
野口の研究室を訪ねた。
ごくありふれた実習室。
奥の小部屋は、薬品の瓶や掃除道具が雑然と並び、
「物置のようだった」
間もなく、野口の助手をしていたというウィリアムズさんと出会い、
"物置"は、野口が好きな葉巻を吸いながら、研究データを
整理していた個室だったと知る。
「ここでよく、プロフェッサー・ノグチに葉巻をもらって一緒に吸った。
『結核が怖いので、栄養を取る』と、バナナと牛乳を毎日欠かさず、
地元の若者には努力することの大切さを説いていた」と
ウィリアムズさんは思い出話をしてくれた。
「博士の部屋を何とかしなければ」。
ガーナ日本人会の会長も務めた岩田さんは、
日本大使館の協力を受け、建物を所有するガーナ保健省を説得。
政府開発援助(ODA)を増やしていた日本の存在感も後押し、
改修の許可を取り付けた。
岩田さんは、一時帰国の際、野口英世記念会から資料を
提供してもらい、92年2月、展示室としてオープン。
訪問前の記者会見で、「博士がアフリカ、世界の医療活動に
果たそうとした思いをしのびたい」と述べた皇太子さま。
岩田さんは、「80年前はクーラーもなく、環境はもっと厳しかった。
ニューヨークから覚悟を決めてガーナに飛び込み、
黄熱病という人類的な課題に取り組んだ野口博士の研究者魂を
感じ取っていただければ」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/8/117051/
2010年3月14日日曜日
理系白書’10:挑戦のとき/23 東大大学院疾患生命工学センター・西山伸宏さん
(毎日 2月23日)
がんによく効く薬があっても、患部へ届かなければ
治療に役立たない。
普通の薬は、飲んだり、注射するなどの方法で投与され、
全身に散らばるため、患部に届く量が少なかったり、
他の部位で副作用を起こすことがある。
薬を患部に直接運ぶ「乗り物」があれば、確実に届いて
治療効果は上がり、副作用も減らせる。
そんな夢を実現する技術が、
「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」
西山さんは、大学に入学したころ、この研究を知った。
「がんを克服できるかもしれない。
やみくもに薬剤を探すのではなく、自分で設計し、工夫し、
戦略的に『乗り物』を作り出せる可能性がある」
4年になると、迷わずDDSの研究室に入った。
最初に取り組んだのが、抗がん剤「シスプラチン」を包み込む
直径数十nmという極小カプセルの設計。
シスプラチンは、膀胱、前立腺、卵巣など幅広いがんに効く。
腎臓などへの副作用が強い。
血液中では壊れにくく、患部に届くと内部の薬を放出する
カプセルを目指した。
「実験では、目的の場所で薬が働かずにマウスが死に、
原因を調べて設計を変え、再び試す、ということを繰り返した。
『何とかうまくいってくれ』と祈るような気持ちだった」と振り返る。
それでもうまくいかず、気づいたら上野動物園でサル山を
眺めていたこともある。
不安はあまりなかった。
「DDSは、実験によって薬が目的通りに運ばれない
原因が見えてくる。
その問題を改善すれば、必ずより良いものができると分かっていた」
シスプラチンのDDS技術は、博士課程のとき論文になり、
人への臨床応用も始まった。
学生時代の研究が、人の治療につながろうとしている。
取り組む研究の重みを感じる。
小さいころ、絵を描くことが好きだった。
優れた絵画は、時代を超えて人々に感動を与える。
西山さんは、「研究論文も、単なるデータだけではなく、
研究の発想など、研究者の個性が息づいている。
優秀な論文は世代を超えて読まれ、社会に影響を与える作品。
自分も、そんな『作品』を持ちたいと思った」
シスプラチンの研究以降、人工ウイルスの作成、遺伝子解析を
導入した薬剤の機能分析など、さまざまな論文を発表。
昨年、若手研究者を対象とした日本DDS学会の
第1回奨励賞を受賞。
「医学の発見を、社会に役立つ技術として普及させ、
多くの患者が平等に享受できるようにするのが、私たちの役目。
医と工の橋渡し役になりたい」
医療分野に飛び込んだ工学博士の一人として、
「ものづくり」へのこだわりは、だれにも負けない。
==============
◇にしやま・のぶひろ
74年、和歌山市生まれ。
東京理科大基礎工学部卒、東京大工学系研究科博士課程修了。
米ユタ大などを経て、09年から現職。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/23/20100223ddm016040116000c.html
がんによく効く薬があっても、患部へ届かなければ
治療に役立たない。
普通の薬は、飲んだり、注射するなどの方法で投与され、
全身に散らばるため、患部に届く量が少なかったり、
他の部位で副作用を起こすことがある。
薬を患部に直接運ぶ「乗り物」があれば、確実に届いて
治療効果は上がり、副作用も減らせる。
そんな夢を実現する技術が、
「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」
西山さんは、大学に入学したころ、この研究を知った。
「がんを克服できるかもしれない。
やみくもに薬剤を探すのではなく、自分で設計し、工夫し、
戦略的に『乗り物』を作り出せる可能性がある」
4年になると、迷わずDDSの研究室に入った。
最初に取り組んだのが、抗がん剤「シスプラチン」を包み込む
直径数十nmという極小カプセルの設計。
シスプラチンは、膀胱、前立腺、卵巣など幅広いがんに効く。
腎臓などへの副作用が強い。
血液中では壊れにくく、患部に届くと内部の薬を放出する
カプセルを目指した。
「実験では、目的の場所で薬が働かずにマウスが死に、
原因を調べて設計を変え、再び試す、ということを繰り返した。
『何とかうまくいってくれ』と祈るような気持ちだった」と振り返る。
それでもうまくいかず、気づいたら上野動物園でサル山を
眺めていたこともある。
不安はあまりなかった。
「DDSは、実験によって薬が目的通りに運ばれない
原因が見えてくる。
その問題を改善すれば、必ずより良いものができると分かっていた」
シスプラチンのDDS技術は、博士課程のとき論文になり、
人への臨床応用も始まった。
学生時代の研究が、人の治療につながろうとしている。
取り組む研究の重みを感じる。
小さいころ、絵を描くことが好きだった。
優れた絵画は、時代を超えて人々に感動を与える。
西山さんは、「研究論文も、単なるデータだけではなく、
研究の発想など、研究者の個性が息づいている。
優秀な論文は世代を超えて読まれ、社会に影響を与える作品。
自分も、そんな『作品』を持ちたいと思った」
シスプラチンの研究以降、人工ウイルスの作成、遺伝子解析を
導入した薬剤の機能分析など、さまざまな論文を発表。
昨年、若手研究者を対象とした日本DDS学会の
第1回奨励賞を受賞。
「医学の発見を、社会に役立つ技術として普及させ、
多くの患者が平等に享受できるようにするのが、私たちの役目。
医と工の橋渡し役になりたい」
医療分野に飛び込んだ工学博士の一人として、
「ものづくり」へのこだわりは、だれにも負けない。
==============
◇にしやま・のぶひろ
74年、和歌山市生まれ。
東京理科大基礎工学部卒、東京大工学系研究科博士課程修了。
米ユタ大などを経て、09年から現職。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/23/20100223ddm016040116000c.html
親と向き合う(4)難題解決 専門家が支援
(読売 2月24日)
学校での解決が難しい問題への対応を、様々な専門家が支援。
京都市教育相談総合センターの会議室に、
弁護士や医師、臨床心理士らが集まった。
「保護者に電話をかける時間は設定できないんですか」、
「無理な要求でも、子どものために先生はギリギリでやっていた」、
「それは否定しないが、逆に問題を大きくするのでは」
学校での解決が難しい保護者とのトラブルを、専門家を入れて話し合う、
京都市の学校問題解決支援チームの定例会議の場面。
この日は継続1件、新規1件を議論。
休憩を挟まず、予定の2時間を30分も過ぎる白熱ぶり。
チームは、2007年8月に発足。
保護者を含めた専門委員5人と、事務局職員ら常任委員9人。
これまでに取り上げた事例は23件。
親や子どもの状況と心理をつかむため、
家族構成図も示して、丁寧に事実を確認。
ある中学校で、生徒がけがをしたケース。
その親は、「教員がけがをさせた」と言い、半年余りで学校側に
計約100回の抗議をする一方、警察に被害届を提出。
「服が破れたから弁償しろ」とも要求。
生徒は不登校になる。
チームの弁護士は、学校に出向いて事実を調べた。
保護者が面会を拒絶する中、学校側は生徒の学習機会を
保障するため、家庭訪問を繰り返し、補習に生徒を呼んだ。
事件にはならず、学校内では、「卒業にあたり、服ぐらい
弁償してもいいのでは」という声もあったが、
チームは「法的に線を引いたケース。それはふさわしくない」と助言。
収束までに1年かかった。
チーム統括の桶谷守・京都市教育相談総合センター所長は、
「専門家の助言で、教職員が自信を持って保護者対応ができ、
子どもが安心して学べる環境ができる」と狙いを説明。
とはいえ、強制力がないため、解決に時間を要し、
解決に至った事例も23件中5件と、全体の2割。
クレームを繰り返す保護者から、突然、弁護士を通して書面が届き、
動揺してしまう教職員も少なくない。
こうした現場に対応するため、東京都港区には、
業務委託先の弁護士団体から、法律的なアドバイスを受けられる
「学校法律相談制度」がある。
制度開始から8か月後の08年2月、区教委は、区立幼稚園と
小中学校の教職員373人に意識調査をした。
ほぼ全員が、「利用したい」、「助かる」と好意的だった一方、
法的な解決以外でクレーム対応に必要なものを尋ねたところ、
「保護者との信頼関係」が最も多かった。
区教委は、「法律相談はあくまで、知識として欠けているところを
補うもの」と位置づけ、問題が発生した時、
学校自らが対応を考える姿勢は変わらない。
保護者と教師との橋渡し役に、第三者が出てくるのは最後の手段。
日頃から互いに信頼を積み重ねておけば、
まったく無縁の存在にもなる。
◆学校問題解決支援チーム
教育改革を掲げた安倍首相(当時)の諮問機関「教育再生会議」が、
第2次報告(2007年6月)で各教委に設置するよう唱えた。
長崎と沖縄の県教委のほか、新潟、横浜、成田、鈴鹿、豊中、
北九州の各市教委などにある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100224-OYT8T00255.htm
学校での解決が難しい問題への対応を、様々な専門家が支援。
京都市教育相談総合センターの会議室に、
弁護士や医師、臨床心理士らが集まった。
「保護者に電話をかける時間は設定できないんですか」、
「無理な要求でも、子どものために先生はギリギリでやっていた」、
「それは否定しないが、逆に問題を大きくするのでは」
学校での解決が難しい保護者とのトラブルを、専門家を入れて話し合う、
京都市の学校問題解決支援チームの定例会議の場面。
この日は継続1件、新規1件を議論。
休憩を挟まず、予定の2時間を30分も過ぎる白熱ぶり。
チームは、2007年8月に発足。
保護者を含めた専門委員5人と、事務局職員ら常任委員9人。
これまでに取り上げた事例は23件。
親や子どもの状況と心理をつかむため、
家族構成図も示して、丁寧に事実を確認。
ある中学校で、生徒がけがをしたケース。
その親は、「教員がけがをさせた」と言い、半年余りで学校側に
計約100回の抗議をする一方、警察に被害届を提出。
「服が破れたから弁償しろ」とも要求。
生徒は不登校になる。
チームの弁護士は、学校に出向いて事実を調べた。
保護者が面会を拒絶する中、学校側は生徒の学習機会を
保障するため、家庭訪問を繰り返し、補習に生徒を呼んだ。
事件にはならず、学校内では、「卒業にあたり、服ぐらい
弁償してもいいのでは」という声もあったが、
チームは「法的に線を引いたケース。それはふさわしくない」と助言。
収束までに1年かかった。
チーム統括の桶谷守・京都市教育相談総合センター所長は、
「専門家の助言で、教職員が自信を持って保護者対応ができ、
子どもが安心して学べる環境ができる」と狙いを説明。
とはいえ、強制力がないため、解決に時間を要し、
解決に至った事例も23件中5件と、全体の2割。
クレームを繰り返す保護者から、突然、弁護士を通して書面が届き、
動揺してしまう教職員も少なくない。
こうした現場に対応するため、東京都港区には、
業務委託先の弁護士団体から、法律的なアドバイスを受けられる
「学校法律相談制度」がある。
制度開始から8か月後の08年2月、区教委は、区立幼稚園と
小中学校の教職員373人に意識調査をした。
ほぼ全員が、「利用したい」、「助かる」と好意的だった一方、
法的な解決以外でクレーム対応に必要なものを尋ねたところ、
「保護者との信頼関係」が最も多かった。
区教委は、「法律相談はあくまで、知識として欠けているところを
補うもの」と位置づけ、問題が発生した時、
学校自らが対応を考える姿勢は変わらない。
保護者と教師との橋渡し役に、第三者が出てくるのは最後の手段。
日頃から互いに信頼を積み重ねておけば、
まったく無縁の存在にもなる。
◆学校問題解決支援チーム
教育改革を掲げた安倍首相(当時)の諮問機関「教育再生会議」が、
第2次報告(2007年6月)で各教委に設置するよう唱えた。
長崎と沖縄の県教委のほか、新潟、横浜、成田、鈴鹿、豊中、
北九州の各市教委などにある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100224-OYT8T00255.htm
野口賞シンポジウムに出席 ガーナ訪問の皇太子さま
(2010年3月10日 共同通信社)
ガーナを公式訪問中の皇太子さまは、
「野口英世アフリカ賞」の記念シンポジウムに出席。
あいさつに立った皇太子さまは、感染症研究の重要性などへの
認識がアフリカで深まっていることを指摘、
「アフリカの感染症と闘っている医学研究者や医学従事者の
皆さんが、あらためてそれぞれの活動に励まれることを
心より期待しております」
同賞は、アフリカでの医学研究や医療活動に功績があった人に贈られ、
2008年の第1回受賞者、ケニアの保健問題専門家
ミリアム・ウェレさんら2人がシンポで記念講演。
皇太子さまは、シンポに続いて市内のラ墓地を訪れ、
ガーナでの活動中に亡くなった清水洋一さんら
青年海外協力隊員4人の慰霊碑に供花。
アクラから約100キロ離れた世界最大級の人造湖・ボルタ湖にある
「アコソンボダム」を、大統領別荘のバルコニーから視察。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/10/117146/
ガーナを公式訪問中の皇太子さまは、
「野口英世アフリカ賞」の記念シンポジウムに出席。
あいさつに立った皇太子さまは、感染症研究の重要性などへの
認識がアフリカで深まっていることを指摘、
「アフリカの感染症と闘っている医学研究者や医学従事者の
皆さんが、あらためてそれぞれの活動に励まれることを
心より期待しております」
同賞は、アフリカでの医学研究や医療活動に功績があった人に贈られ、
2008年の第1回受賞者、ケニアの保健問題専門家
ミリアム・ウェレさんら2人がシンポで記念講演。
皇太子さまは、シンポに続いて市内のラ墓地を訪れ、
ガーナでの活動中に亡くなった清水洋一さんら
青年海外協力隊員4人の慰霊碑に供花。
アクラから約100キロ離れた世界最大級の人造湖・ボルタ湖にある
「アコソンボダム」を、大統領別荘のバルコニーから視察。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/10/117146/
2010年3月13日土曜日
レーザー:誕生50年、広がる用途 20世紀の大発明、最新の研究は
(毎日 2月23日)
CDやDVDなどでのデータ読み取り・書き込みや、
工業製品の溶接、医療機器まで、幅広く活用されているレーザー。
今年で、誕生50年を迎える。
応用範囲の広さから、「20世紀最大の発明」とも言われ、
新しい分野に用途は広がりつつある。
私たちの生活に欠かせない存在となったレーザーの仕組みや歴史、
最新の研究を紹介。
レーザーは1958年、米コロンビア大にいた
チャールズ・タウンズ氏が理論を発表。
60年、米国のセオドア・メイマン氏が、
ルビーを使ったレーザーを発明。
タウンズ氏は64年、ノーベル物理学賞を受賞。
◆従来と違う人工光
レーザーは、電球などの普通の光と大きく異なる性質を持つ。
普通の光は、さまざまな波長の光が混ざり合ってでき、
伝わる方向もばらばらで、四方八方へ広がっていく。
レーザーは、波長が一定で、波の山と谷がそろっているため、
一定方向へほぼまっすぐに伝わることが特徴。
タウンズ氏と共同研究をした経験のある
霜田光一・東京大名誉教授は、
「従来の光とは、まったく異なる光と言っていい」
なぜ、このような光が作れるのか?
レーザーが、アインシュタインの考え出した「誘導放出」という
原理に基づいた人工の光。
電気的に高エネルギー状態にされた原子は、
低エネルギー状態に戻る時、ある振動数の光の粒子を放出。
この粒子が、別の原子を刺激して同じ振動数の粒子を放出。
これを誘導放出。
この繰り返しによってできた多数の粒子からなる光は、
波長や伝わる方向がそろっている。
発明以来、誘導放出を起こす物質を変えることで、
強度や波長の異なるさまざまなレーザーが開発・実用化。
用途は、二つに分かれる。
一つは、レーザーをエネルギー密度の高い熱源として利用する使い方。
金属を、細かくきれいな断面で加工できる溶接機や、
医療用レーザーメスなどが該当。
もう一つは、まっすぐ遠くまで伝わる性質を生かした用途。
光ファイバーを使った光通信、スクリーン上の好きな場所を示せる
レーザーポインターなど。
◆X線の性質持たせる
まっすぐ伝わるレーザーの性質と、物の中をすり抜けて
内部まで届くX線の性質を持った「新しい光」の開発を、
理化学研究所が進めている。
兵庫県佐用町の大型放射光施設「スプリング8」の脇に
建設中の「X線自由電子レーザー」
X線レーザーは従来もあったが、波長の長いものしかなく、
小さな物質を見ることができなかった。
X線自由電子レーザーは、波長が0・1nm、
さまざまな物質の原子と原子の間の距離に近いため、
原子レベルで物を見ることができる。
電子の速度を自由に変えられるため、非常に短い時間しか
瞬かない光を作ることができるのが特徴。
これまでの手法で観察できなかった、瞬時に動く小さな物でも
見られるようになる。
新しい薬の開発につながる膜たんぱく質の1分子の動きの観察や、
化学反応を原子レベルで観察し、効率をより高める研究などに活用。
天文学や新素材開発などに役立つ可能性も。
施設は、円周が1・5キロのスプリング8ほどではないが、大がかり。
約400mの加速器に、電子を通してほぼ光速まで加速。
次に、強い磁力を与えてX線を放出。
施設は、全長700m。
X線と光速に近い電子の相互作用によって、
非常に波長の短いX線レーザーが生まれる。
今年秋には完成、来春までにはレーザーを稼働できる見通し。
理研放射光科学総合研究センターの石川哲也センター長は、
「さまざまな使い道があり、各分野で今までにない
サイエンスを切り開けるのではないか。
いろいろな分野の研究者に使ってもらいたい」
◆核融合で強力な熱源
強力な熱源として利用しようというのが、レーザー核融合。
大阪大レーザーエネルギー学研究センターでは、
10ペタ(1兆の1万倍)ワットという高強度レーザーを、
昨年3月に開発。
レーザーが当たる瞬間のエネルギーは、中国全土を照らす
太陽光を、畳半畳に集めた場合に相当するとてつもない強さ。
レーザーを、核融合原料の重水素と三重水素に照射。
核融合反応によって、ヘリウムと中性子が生成する5000万度の
高温を作り出す計画。
阪大では、5000万度を作り出す実験を今秋にも予定。
疇地宏センター長は、「レーザー核融合の研究は、
40年近い歴史があるが、ようやく初めて点火するところまで来た」
レーザー核融合を巡っては、米国のローレンス・リバモア研究所が
同時期に点火実験を計画、阪大では同研究所とも連携しながら
実用化を目指す。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/23/20100223ddm016040110000c.html
CDやDVDなどでのデータ読み取り・書き込みや、
工業製品の溶接、医療機器まで、幅広く活用されているレーザー。
今年で、誕生50年を迎える。
応用範囲の広さから、「20世紀最大の発明」とも言われ、
新しい分野に用途は広がりつつある。
私たちの生活に欠かせない存在となったレーザーの仕組みや歴史、
最新の研究を紹介。
レーザーは1958年、米コロンビア大にいた
チャールズ・タウンズ氏が理論を発表。
60年、米国のセオドア・メイマン氏が、
ルビーを使ったレーザーを発明。
タウンズ氏は64年、ノーベル物理学賞を受賞。
◆従来と違う人工光
レーザーは、電球などの普通の光と大きく異なる性質を持つ。
普通の光は、さまざまな波長の光が混ざり合ってでき、
伝わる方向もばらばらで、四方八方へ広がっていく。
レーザーは、波長が一定で、波の山と谷がそろっているため、
一定方向へほぼまっすぐに伝わることが特徴。
タウンズ氏と共同研究をした経験のある
霜田光一・東京大名誉教授は、
「従来の光とは、まったく異なる光と言っていい」
なぜ、このような光が作れるのか?
レーザーが、アインシュタインの考え出した「誘導放出」という
原理に基づいた人工の光。
電気的に高エネルギー状態にされた原子は、
低エネルギー状態に戻る時、ある振動数の光の粒子を放出。
この粒子が、別の原子を刺激して同じ振動数の粒子を放出。
これを誘導放出。
この繰り返しによってできた多数の粒子からなる光は、
波長や伝わる方向がそろっている。
発明以来、誘導放出を起こす物質を変えることで、
強度や波長の異なるさまざまなレーザーが開発・実用化。
用途は、二つに分かれる。
一つは、レーザーをエネルギー密度の高い熱源として利用する使い方。
金属を、細かくきれいな断面で加工できる溶接機や、
医療用レーザーメスなどが該当。
もう一つは、まっすぐ遠くまで伝わる性質を生かした用途。
光ファイバーを使った光通信、スクリーン上の好きな場所を示せる
レーザーポインターなど。
◆X線の性質持たせる
まっすぐ伝わるレーザーの性質と、物の中をすり抜けて
内部まで届くX線の性質を持った「新しい光」の開発を、
理化学研究所が進めている。
兵庫県佐用町の大型放射光施設「スプリング8」の脇に
建設中の「X線自由電子レーザー」
X線レーザーは従来もあったが、波長の長いものしかなく、
小さな物質を見ることができなかった。
X線自由電子レーザーは、波長が0・1nm、
さまざまな物質の原子と原子の間の距離に近いため、
原子レベルで物を見ることができる。
電子の速度を自由に変えられるため、非常に短い時間しか
瞬かない光を作ることができるのが特徴。
これまでの手法で観察できなかった、瞬時に動く小さな物でも
見られるようになる。
新しい薬の開発につながる膜たんぱく質の1分子の動きの観察や、
化学反応を原子レベルで観察し、効率をより高める研究などに活用。
天文学や新素材開発などに役立つ可能性も。
施設は、円周が1・5キロのスプリング8ほどではないが、大がかり。
約400mの加速器に、電子を通してほぼ光速まで加速。
次に、強い磁力を与えてX線を放出。
施設は、全長700m。
X線と光速に近い電子の相互作用によって、
非常に波長の短いX線レーザーが生まれる。
今年秋には完成、来春までにはレーザーを稼働できる見通し。
理研放射光科学総合研究センターの石川哲也センター長は、
「さまざまな使い道があり、各分野で今までにない
サイエンスを切り開けるのではないか。
いろいろな分野の研究者に使ってもらいたい」
◆核融合で強力な熱源
強力な熱源として利用しようというのが、レーザー核融合。
大阪大レーザーエネルギー学研究センターでは、
10ペタ(1兆の1万倍)ワットという高強度レーザーを、
昨年3月に開発。
レーザーが当たる瞬間のエネルギーは、中国全土を照らす
太陽光を、畳半畳に集めた場合に相当するとてつもない強さ。
レーザーを、核融合原料の重水素と三重水素に照射。
核融合反応によって、ヘリウムと中性子が生成する5000万度の
高温を作り出す計画。
阪大では、5000万度を作り出す実験を今秋にも予定。
疇地宏センター長は、「レーザー核融合の研究は、
40年近い歴史があるが、ようやく初めて点火するところまで来た」
レーザー核融合を巡っては、米国のローレンス・リバモア研究所が
同時期に点火実験を計画、阪大では同研究所とも連携しながら
実用化を目指す。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/23/20100223ddm016040110000c.html
インタビュー・環境戦略を語る:ガルーダ・インドネシア航空、ファイク・ファーミさん
(毎日 3月1日)
ガルーダ・インドネシア航空は、航空機の運航で排出する
CO2を相殺するため、植樹などカーボンオフセットに取り組む。
日本・韓国・中国・アメリカ地区総支配人のファイク・ファーミさんは、
「ご搭乗ごとに1本の植樹」と気軽さを強調し、
乗客と一体となった環境保全を展開。
--インドネシアでの植樹活動の支援など、
カーボンオフセットに取り組んでいる。
◆国際的な環境保全団体の世界自然保護基金(WWF)
インドネシアなどと協力し、大規模な火災で森林が焼失した
カリマンタン島のセバンガウ国立公園で、植樹活動をした。
07年から約3年間、「ご搭乗のお客様お一人様につき、
1本の木を植えよう」を合言葉に、国立公園内の約250haで、
約10万本の植樹に協力。
国立公園は、世界でも有数のオランウータンの生息地。
--ジャワ島のジョクジャカルタの植樹は、環境保全の他に目的が。
◆王室の方の主宰する財団による、
「ジャワ鎮守の森-植樹村落開発」を支援、
一角の「ガルーダの森」に、約5万本のマホガニーや
カシューナッツなどの植樹を予定。
エコツアーの料金に2000円上乗せで、
自分の名前が付いた木を植樹できる。
日本から、これまでに約80グループがツアーに参加。
年内にも開催予定。
植樹による環境保全だけでなく、養蚕など地場産業の育成を目指す。
手工芸品の機内販売など、幅広い目的の活動に携われてうれしい。
--環境保全は欠かせない?
◆日本の皆さんは、インドネシアというと、まずリゾート地のバリ島を
思い浮かべるのでは。
半面、地球温暖化対策を進め、火災や違法伐採などによる
森林破壊を食い止める必要。
インドネシアは、1万7000の島で構成される群島国、
バリ以外の魅力を知っていただくためにも、環境保全は欠かせない。
--両国は、日本からの地球温暖化対策支援の円借款など、
結び付きを深めている。
◆両国は、経済連携協定(EPA)を結び、観光だけでなく、
ビジネスなど幅広い分野で相互補完関係を築こうとしている。
環境保全も同じで、インドネシアが日本の最先端の
省エネ技術導入を目指す一方、日本は天然ガスなど
資源確保で、インドネシアを必要。
私たちは、日本のお客様を大切に考えている。
サービス向上のため、春から日本人乗務員が登場する予定。
スムーズに入国できるよう、成田出発の便は、
機内で入国やビザの取得手続きができるサービスを2月に導入。
==============
◇ファイク・ファーミ
ガジャマダ大学卒、95年ガルーダ・インドネシア航空入社。
08年7月、日本・韓国・中国・アメリカ地区総支配人。42歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/03/01/20100301ddm008020023000c.html
ガルーダ・インドネシア航空は、航空機の運航で排出する
CO2を相殺するため、植樹などカーボンオフセットに取り組む。
日本・韓国・中国・アメリカ地区総支配人のファイク・ファーミさんは、
「ご搭乗ごとに1本の植樹」と気軽さを強調し、
乗客と一体となった環境保全を展開。
--インドネシアでの植樹活動の支援など、
カーボンオフセットに取り組んでいる。
◆国際的な環境保全団体の世界自然保護基金(WWF)
インドネシアなどと協力し、大規模な火災で森林が焼失した
カリマンタン島のセバンガウ国立公園で、植樹活動をした。
07年から約3年間、「ご搭乗のお客様お一人様につき、
1本の木を植えよう」を合言葉に、国立公園内の約250haで、
約10万本の植樹に協力。
国立公園は、世界でも有数のオランウータンの生息地。
--ジャワ島のジョクジャカルタの植樹は、環境保全の他に目的が。
◆王室の方の主宰する財団による、
「ジャワ鎮守の森-植樹村落開発」を支援、
一角の「ガルーダの森」に、約5万本のマホガニーや
カシューナッツなどの植樹を予定。
エコツアーの料金に2000円上乗せで、
自分の名前が付いた木を植樹できる。
日本から、これまでに約80グループがツアーに参加。
年内にも開催予定。
植樹による環境保全だけでなく、養蚕など地場産業の育成を目指す。
手工芸品の機内販売など、幅広い目的の活動に携われてうれしい。
--環境保全は欠かせない?
◆日本の皆さんは、インドネシアというと、まずリゾート地のバリ島を
思い浮かべるのでは。
半面、地球温暖化対策を進め、火災や違法伐採などによる
森林破壊を食い止める必要。
インドネシアは、1万7000の島で構成される群島国、
バリ以外の魅力を知っていただくためにも、環境保全は欠かせない。
--両国は、日本からの地球温暖化対策支援の円借款など、
結び付きを深めている。
◆両国は、経済連携協定(EPA)を結び、観光だけでなく、
ビジネスなど幅広い分野で相互補完関係を築こうとしている。
環境保全も同じで、インドネシアが日本の最先端の
省エネ技術導入を目指す一方、日本は天然ガスなど
資源確保で、インドネシアを必要。
私たちは、日本のお客様を大切に考えている。
サービス向上のため、春から日本人乗務員が登場する予定。
スムーズに入国できるよう、成田出発の便は、
機内で入国やビザの取得手続きができるサービスを2月に導入。
==============
◇ファイク・ファーミ
ガジャマダ大学卒、95年ガルーダ・インドネシア航空入社。
08年7月、日本・韓国・中国・アメリカ地区総支配人。42歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/03/01/20100301ddm008020023000c.html
親と向き合う(3)安心与える言動磨く
(読売 2月23日)
教育委員会が、保護者対応力の向上に乗り出した。
電話が鳴ったら、近くの人がすぐ出る。
3鈴以内で出られなかったら、「お待たせしました」の一言を添える。
東京都教委がまとめた、「学校問題解決のための手引」。
7万部を刷り、公立の幼稚園と小中高・養護学校の全教職員に配る。
要望や苦情の聴き方、事務室と職員室の連携など、
保護者との初期対応に重点を置いた。
「相手の声に耳を傾け、その背景にある事情を把握する姿勢が前提」
(都教委)だが、学校だけでの解決が難しい
「解決困難ケース」の対処法も説明。
きっかけは、2008年、都内の全2418の公立学校・幼稚園を
対象に実施した調査。
保護者から、理不尽な要求を繰り返し受けるなどの
解決困難ケースについて、07年度の発生件数を尋ねたところ、
「ある」と回答したのは約1割。
その半分以上が、学校の初期対応が原因でこじれていた。
いじめを受けた児童の保護者から相談を受けた際、
担任が「お宅のお子さんにも問題がある」と話したところ、
ファクスやメールで、執拗な抗議を受け続けた学校も。
全体から見れば、深刻化する事例はわずかだが、
都教委は、「保護者からの不満や苦情には、
貴重な提案や相談も含まれる。
保護者と協力して子どもを育むには、すべての学校現場で、
初期対応力の向上が欠かせない」との姿勢。
08年度、大阪市教委も教職員向けの手引書をつくった。
以前は、保護者対応で迷った学校から、すぐに市教委に
連絡が入ることが多かったが、手引書に対応の流れを図式化し、
関係先の電話番号も載せたところ、市教委への電話は減った。
指導部の岡田和子・総括指導主事は、
「教師が一冊持つことで、現場が主体的になり、
簡単な事例であれば、学校で解決するようになった」
「少々お待ち下さいませ」
壁に背中を向けて並んだスーツ姿の若者たちが、
腰から上半身を15度傾け、軽いおじぎをした。
「恐れ入りますが」、「あいにくでございますが」
相手の心を和ませる「クッション言葉」も飛び交う。
小中学校で担任を務める教職5年以内の若手24人を対象に、
埼玉県と北本市の両教委が企画した研修会。
県内の百貨店で、社員教育を担当する「接遇のプロ」が講師役。
市教委では、「学校は世間の常識と溝があると言われ、
それが原因で保護者との信頼関係を損ねることも。
学校で最初に保護者と接する担任も、初期対応を学ばなければ」
受講した男性教諭(29)は、「保護者からの苦情で、混乱してしまい、
うまく対応できなかったことがある。
信頼なくして出来ない仕事。
まずは、安心を与える言動を日頃から心がけたい」
教師一人一人の意識が、少しずつ変わっている。
◆解決困難ケース
保護者の行為・状態として、長期間にわたり頻繁に
手紙やメールを送りつけたり、一つの要求が通ると
次の要求をしたりするケースのほか、
インターネットやビラなどの媒体による中傷、
国や教育委員会の巻き込み、医学的な治療が優先される
心の問題などがある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100223-OYT8T00243.htm
教育委員会が、保護者対応力の向上に乗り出した。
電話が鳴ったら、近くの人がすぐ出る。
3鈴以内で出られなかったら、「お待たせしました」の一言を添える。
東京都教委がまとめた、「学校問題解決のための手引」。
7万部を刷り、公立の幼稚園と小中高・養護学校の全教職員に配る。
要望や苦情の聴き方、事務室と職員室の連携など、
保護者との初期対応に重点を置いた。
「相手の声に耳を傾け、その背景にある事情を把握する姿勢が前提」
(都教委)だが、学校だけでの解決が難しい
「解決困難ケース」の対処法も説明。
きっかけは、2008年、都内の全2418の公立学校・幼稚園を
対象に実施した調査。
保護者から、理不尽な要求を繰り返し受けるなどの
解決困難ケースについて、07年度の発生件数を尋ねたところ、
「ある」と回答したのは約1割。
その半分以上が、学校の初期対応が原因でこじれていた。
いじめを受けた児童の保護者から相談を受けた際、
担任が「お宅のお子さんにも問題がある」と話したところ、
ファクスやメールで、執拗な抗議を受け続けた学校も。
全体から見れば、深刻化する事例はわずかだが、
都教委は、「保護者からの不満や苦情には、
貴重な提案や相談も含まれる。
保護者と協力して子どもを育むには、すべての学校現場で、
初期対応力の向上が欠かせない」との姿勢。
08年度、大阪市教委も教職員向けの手引書をつくった。
以前は、保護者対応で迷った学校から、すぐに市教委に
連絡が入ることが多かったが、手引書に対応の流れを図式化し、
関係先の電話番号も載せたところ、市教委への電話は減った。
指導部の岡田和子・総括指導主事は、
「教師が一冊持つことで、現場が主体的になり、
簡単な事例であれば、学校で解決するようになった」
「少々お待ち下さいませ」
壁に背中を向けて並んだスーツ姿の若者たちが、
腰から上半身を15度傾け、軽いおじぎをした。
「恐れ入りますが」、「あいにくでございますが」
相手の心を和ませる「クッション言葉」も飛び交う。
小中学校で担任を務める教職5年以内の若手24人を対象に、
埼玉県と北本市の両教委が企画した研修会。
県内の百貨店で、社員教育を担当する「接遇のプロ」が講師役。
市教委では、「学校は世間の常識と溝があると言われ、
それが原因で保護者との信頼関係を損ねることも。
学校で最初に保護者と接する担任も、初期対応を学ばなければ」
受講した男性教諭(29)は、「保護者からの苦情で、混乱してしまい、
うまく対応できなかったことがある。
信頼なくして出来ない仕事。
まずは、安心を与える言動を日頃から心がけたい」
教師一人一人の意識が、少しずつ変わっている。
◆解決困難ケース
保護者の行為・状態として、長期間にわたり頻繁に
手紙やメールを送りつけたり、一つの要求が通ると
次の要求をしたりするケースのほか、
インターネットやビラなどの媒体による中傷、
国や教育委員会の巻き込み、医学的な治療が優先される
心の問題などがある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100223-OYT8T00243.htm
2010年3月12日金曜日
ロジカルシンキング(8)論理的な説明技術〜主張と根拠 積み重ねる
(日経 2月23日)
今回から、相手を説得するのに不可欠な論理的な説明技術の
体得の仕方について解説。
自分の主張を相手に理解してもらうには、
「説明内容」、「受け手」、「伝える手段」の三つを考慮。
説明内容で、一番重要なのはわかりやすさ。
わかりやすく説明するには、伝える内容がしっかりした
ロジック(論理)で構成されていること、
明確なメッセージで表現されていること。
論理的な説明というと、自分の主張をロジカルに
組み立てさえすればよいと考えがち。
本来の目的は、論理的な説明をすることではなく、相手を説得すること。
説得する相手、つまり受け手を考慮した説明が欠かせない。
受け手の感情や知識レベルなどを勘案しながら、
どのような伝え方をすればよいのかを決定。
説明するとき、紙の資料を使うのか、口頭だけなのか、
伝える手段を考える。
時間をどれくらい使えるのかにも注意。
伝える手段は、自分に都合よくそろっているわけではない。
限られた条件で、いかに活用できるかを考える。
説明内容を作り上げるためのポイント。
ロジックを組み立てるツールに、「ピラミッドストラクチャー」。
米国の有力コンサルティング会社、マッキンゼーに所属していた
バーバラ・ミント氏が体系化。
自分の主張が、どのような論理展開になっているかを、
ピラミッドのように図式化。
「複数の根拠をもとに、主張が組み立てられる」という考え方を
ベースに、主張と根拠を積み重ね。
ピラミッドの頂上に、「メーンメッセージ(主張)」を置く。
2番目の階層に、メーンメッセージを補足する「キーメッセージ」。
下の階層にある情報を、「サポート情報」。
キーメッセージの根拠となる。
メーンメッセージである「職場内で必要最低限の
コミュニケーションしかとられていない」の下に、
3つのキーメッセージが並んでいる。
キーメッセージの下には、サポート情報がある。
相手が納得するまで、サポート情報を用意しなければならない。
ロジックを組み立てる場合、まず自分の言いたいことがあって、
その根拠を補っていく「トップダウン的なアプローチ」と、
関連しそうな事実を積み上げていきながら完成させていく
「ボトムアップ的なアプローチ」の2つ。
注意すべきは、主張とサポート情報との整合性をとること。
注意しても、メッセージと関係のない情報が入っていたり、
メッセージの一部しかサポートできていない情報があったりする。
同じ階層にある情報やメッセージの抽象度をそろえること。
中央が、「重要顧客との商談状況に関する情報が共有されなかった」
となっていたら、他のキーメッセージとは具体性が異なる。
これでは、説明を聞いた相手は違和感を覚える。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100223.html
今回から、相手を説得するのに不可欠な論理的な説明技術の
体得の仕方について解説。
自分の主張を相手に理解してもらうには、
「説明内容」、「受け手」、「伝える手段」の三つを考慮。
説明内容で、一番重要なのはわかりやすさ。
わかりやすく説明するには、伝える内容がしっかりした
ロジック(論理)で構成されていること、
明確なメッセージで表現されていること。
論理的な説明というと、自分の主張をロジカルに
組み立てさえすればよいと考えがち。
本来の目的は、論理的な説明をすることではなく、相手を説得すること。
説得する相手、つまり受け手を考慮した説明が欠かせない。
受け手の感情や知識レベルなどを勘案しながら、
どのような伝え方をすればよいのかを決定。
説明するとき、紙の資料を使うのか、口頭だけなのか、
伝える手段を考える。
時間をどれくらい使えるのかにも注意。
伝える手段は、自分に都合よくそろっているわけではない。
限られた条件で、いかに活用できるかを考える。
説明内容を作り上げるためのポイント。
ロジックを組み立てるツールに、「ピラミッドストラクチャー」。
米国の有力コンサルティング会社、マッキンゼーに所属していた
バーバラ・ミント氏が体系化。
自分の主張が、どのような論理展開になっているかを、
ピラミッドのように図式化。
「複数の根拠をもとに、主張が組み立てられる」という考え方を
ベースに、主張と根拠を積み重ね。
ピラミッドの頂上に、「メーンメッセージ(主張)」を置く。
2番目の階層に、メーンメッセージを補足する「キーメッセージ」。
下の階層にある情報を、「サポート情報」。
キーメッセージの根拠となる。
メーンメッセージである「職場内で必要最低限の
コミュニケーションしかとられていない」の下に、
3つのキーメッセージが並んでいる。
キーメッセージの下には、サポート情報がある。
相手が納得するまで、サポート情報を用意しなければならない。
ロジックを組み立てる場合、まず自分の言いたいことがあって、
その根拠を補っていく「トップダウン的なアプローチ」と、
関連しそうな事実を積み上げていきながら完成させていく
「ボトムアップ的なアプローチ」の2つ。
注意すべきは、主張とサポート情報との整合性をとること。
注意しても、メッセージと関係のない情報が入っていたり、
メッセージの一部しかサポートできていない情報があったりする。
同じ階層にある情報やメッセージの抽象度をそろえること。
中央が、「重要顧客との商談状況に関する情報が共有されなかった」
となっていたら、他のキーメッセージとは具体性が異なる。
これでは、説明を聞いた相手は違和感を覚える。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100223.html
科学技術予算:編成過程、様変わり 総合科学技術会議の存在大きく
(毎日 3月2日)
日本の科学技術政策が、転換期を迎えている。
その象徴が、司令塔となる総合科学技術会議
(議長・鳩山由紀夫首相)の改革。
昨秋の政権交代以後、会議の運営が大幅に変わり、
新政権全体の改革案を試行する役割も担う。
「事業仕分け」で注目を集めた科学技術予算も、
編成プロセスの大幅改変が進行中。
「予算編成のあり方を変える画期的な話」
総合科学技術会議本会議を、鳩山首相はそう締めくくった。
「画期的」とは、同会議が策定を進める
「科学・技術重要施策アクション・プラン(AP)」のこと。
◆限られていた影響力
政策の中身は、予算の配分で決まる。
次年度の予算は、通常8月に、各省庁が財務省に概算要求を提出。
同省の査定を経て、年末に政府原案が作られ、
年明けの通常国会に提出。
その中で、科学技術予算は、同会議が科学者の視点で
編成に関与するのが大きな特徴。
これまでの自民党政権では、実際の影響力は限られていた。
同会議は従来、1月「科学技術政策上の当面の重要課題」、
6月「資源配分方針」を策定。
どんな事業に予算をつけるかを示すものだが、
いずれも同会議が単独で作り、予算を組む省庁との連携はなし。
秋に、概算要求を事後評価する「優先度判定」を行うが、
要求の各項目をランク付けするだけで、
同会議独自の政策提案は望むべくもなかった。
◆概算要求に先回り
「受け身」のスタンスを逆転し、科学技術予算編成の主導権を
同会議に移す取り組みがAP。
具体的には、各省庁が概算要求を仕込み始める春~初夏、
先回りして「取り組むべき政策」を示す。
「予算を増額したい政策」を名指しし、予算確保を求めたり、
省庁間で重複する政策の排除も行う。
作成には各省庁も参加し、概算要求はAPに沿って作る。
11年度予算のAPは、環境、健康関連の課題解決型研究と
競争的資金制度改革の3点に絞って作成中。
AP新設の背景を、科学技術担当の津村啓介内閣府政務官は、
「(科学者、産業界代表からなる)有識者議員から、
『専門家として科学技術予算に責任を持つ立場なのに、
編成に関与できていない』との不満、問題提起があった」
有識者議員の相澤益男・元東京工大学長は、
「政権交代以降、政務官と有識者議員の情報交換が急増し、
議論を政策として実現する道筋ができた。APはその成果」
◆財務省も協力要請
予算編成への関与の強化につれ、心配されたのは財務省の反応。
1月、同会議は財務省の大串博志政務官と担当主計官を呼び、
初の意見交換を行った。
「各省から要求が出た後にゼロにするのは難しい。
要求の段階から、総合科学技術会議を含む皆で議論したい」、
「重点テーマに、各省が同じような予算要求をする。
順位付けなどに知恵を貸してほしい」
財務省から出たのは、意外にも同会議の協力を求める声。
議員からは、「画期的な情報交換」との声。
APが示した省庁横断、重複排除、トップダウン型の予算編成は、
民主党政権が昨秋打ち出した「予算編成改革」の柱。
元々、省庁横断型で、「各省より一段高い立場」にある同会議は、
改革のモデルケースとして絶好の舞台。
この取り組みの成否は、政権全体の改革の行方を占う。
http://mainichi.jp/select/science/news/20100302ddm016040133000c.html
日本の科学技術政策が、転換期を迎えている。
その象徴が、司令塔となる総合科学技術会議
(議長・鳩山由紀夫首相)の改革。
昨秋の政権交代以後、会議の運営が大幅に変わり、
新政権全体の改革案を試行する役割も担う。
「事業仕分け」で注目を集めた科学技術予算も、
編成プロセスの大幅改変が進行中。
「予算編成のあり方を変える画期的な話」
総合科学技術会議本会議を、鳩山首相はそう締めくくった。
「画期的」とは、同会議が策定を進める
「科学・技術重要施策アクション・プラン(AP)」のこと。
◆限られていた影響力
政策の中身は、予算の配分で決まる。
次年度の予算は、通常8月に、各省庁が財務省に概算要求を提出。
同省の査定を経て、年末に政府原案が作られ、
年明けの通常国会に提出。
その中で、科学技術予算は、同会議が科学者の視点で
編成に関与するのが大きな特徴。
これまでの自民党政権では、実際の影響力は限られていた。
同会議は従来、1月「科学技術政策上の当面の重要課題」、
6月「資源配分方針」を策定。
どんな事業に予算をつけるかを示すものだが、
いずれも同会議が単独で作り、予算を組む省庁との連携はなし。
秋に、概算要求を事後評価する「優先度判定」を行うが、
要求の各項目をランク付けするだけで、
同会議独自の政策提案は望むべくもなかった。
◆概算要求に先回り
「受け身」のスタンスを逆転し、科学技術予算編成の主導権を
同会議に移す取り組みがAP。
具体的には、各省庁が概算要求を仕込み始める春~初夏、
先回りして「取り組むべき政策」を示す。
「予算を増額したい政策」を名指しし、予算確保を求めたり、
省庁間で重複する政策の排除も行う。
作成には各省庁も参加し、概算要求はAPに沿って作る。
11年度予算のAPは、環境、健康関連の課題解決型研究と
競争的資金制度改革の3点に絞って作成中。
AP新設の背景を、科学技術担当の津村啓介内閣府政務官は、
「(科学者、産業界代表からなる)有識者議員から、
『専門家として科学技術予算に責任を持つ立場なのに、
編成に関与できていない』との不満、問題提起があった」
有識者議員の相澤益男・元東京工大学長は、
「政権交代以降、政務官と有識者議員の情報交換が急増し、
議論を政策として実現する道筋ができた。APはその成果」
◆財務省も協力要請
予算編成への関与の強化につれ、心配されたのは財務省の反応。
1月、同会議は財務省の大串博志政務官と担当主計官を呼び、
初の意見交換を行った。
「各省から要求が出た後にゼロにするのは難しい。
要求の段階から、総合科学技術会議を含む皆で議論したい」、
「重点テーマに、各省が同じような予算要求をする。
順位付けなどに知恵を貸してほしい」
財務省から出たのは、意外にも同会議の協力を求める声。
議員からは、「画期的な情報交換」との声。
APが示した省庁横断、重複排除、トップダウン型の予算編成は、
民主党政権が昨秋打ち出した「予算編成改革」の柱。
元々、省庁横断型で、「各省より一段高い立場」にある同会議は、
改革のモデルケースとして絶好の舞台。
この取り組みの成否は、政権全体の改革の行方を占う。
http://mainichi.jp/select/science/news/20100302ddm016040133000c.html
親と向き合う(2)「苦情は宝」発想変え対応
(読売 2月20日)
保護者対応の悩みを抱えこまないよう、学校全体で工夫。
東海地方の公立高校の男性教諭(37)は、
保護者とのトラブルを抱えたことが何度かある。
特にひどかったのが、希望大学への推薦入学に成績が足りない
3年生の母親から、調査書の書き換えを求められたケース。
即座に断ったが、しばらくすると、昼夜、土日を問わず
携帯に電話が入るようになった。
「調査書を改ざんすることぐらい簡単でしょ」と強い口調で迫られた。
電話は数日間で収まったが、この間、誰にも相談できなかった。
「1年間、問題なく終えるのが当たり前とされる世界。
保護者トラブルが起きれば教員のミスとされ、
話すのは恥という気持ちがある。
当然、対応がこじれても、周りに相談しづらい」と明かす。
東京都教職員互助会運営の三楽病院では、
保護者とのトラブルを抱えて受診する教師が増えている。
精神神経科の真金薫子部長によると、いい教育を目指すあまり、
親の要求に応えようと頑張り過ぎ、ギリギリまで
心の病に気づかないケースが多い。
特に、異動1年目や新任の教師が陥りやすい。
「同僚との会話が少なくなったり、書類の締め切りが
間に合わなくなったりと、ささいな変化を見逃さないこと」と真金部長。
「何でも遠慮せずに話せる雰囲気を、普段から職場に
作っておくことが大切」
「早退は、子供ひとりで帰さない」、
「跳び箱は、マットを敷き指導する」、
「学校の保護者以外にも挨拶を」……。
東京都東村山市立大岱小学校の職員室の壁には、
30の個条書きで埋まった模造紙が張られている。
保護者から来るどんな苦情でも書き出し、
学校全体で受け止める仕組み。
提案した西留安雄校長(60)は、
「保護者から指摘されて当然のことを、一学級の問題として
とらえてはいけない。
視覚化して全員が共有することで、苦情が宝になることもある」
数年前まで、親のクレームが少なくなかった。
発想を転換した。
「うちの子は漢字を覚えない。しっかりと指導してほしい」と
要望が来れば、独自の漢字検定を作り、学校全体で競わせた。
児童のノートの書き方指導に注文があれば、
きれいなノートを表彰する大会を企画。
若手の指導・育成にも力を入れる。
職員会議の時間をなるべく削って、指導役のベテラン教師が
若手教師に寄り添い、気づいたことを話し合える環境をつくった。
西留校長は、「忙しいことを理由に、変えようとしない学校もあるが、
子どもの願いに応えるという教師の初心に戻れば、
学校はいくらでも変えられる」と強調する。
◆心の病
教師の場合、強いストレスから気分が落ち込んだり、
やる気が出なくなったりする適応障害になることが多い。
2008年度、病気休職した公立小中高校などの教職員
8578人のうち、精神性疾患が原因で休んだのは
63%の5400人、その割合は年々高まっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100220-OYT8T00279.htm
保護者対応の悩みを抱えこまないよう、学校全体で工夫。
東海地方の公立高校の男性教諭(37)は、
保護者とのトラブルを抱えたことが何度かある。
特にひどかったのが、希望大学への推薦入学に成績が足りない
3年生の母親から、調査書の書き換えを求められたケース。
即座に断ったが、しばらくすると、昼夜、土日を問わず
携帯に電話が入るようになった。
「調査書を改ざんすることぐらい簡単でしょ」と強い口調で迫られた。
電話は数日間で収まったが、この間、誰にも相談できなかった。
「1年間、問題なく終えるのが当たり前とされる世界。
保護者トラブルが起きれば教員のミスとされ、
話すのは恥という気持ちがある。
当然、対応がこじれても、周りに相談しづらい」と明かす。
東京都教職員互助会運営の三楽病院では、
保護者とのトラブルを抱えて受診する教師が増えている。
精神神経科の真金薫子部長によると、いい教育を目指すあまり、
親の要求に応えようと頑張り過ぎ、ギリギリまで
心の病に気づかないケースが多い。
特に、異動1年目や新任の教師が陥りやすい。
「同僚との会話が少なくなったり、書類の締め切りが
間に合わなくなったりと、ささいな変化を見逃さないこと」と真金部長。
「何でも遠慮せずに話せる雰囲気を、普段から職場に
作っておくことが大切」
「早退は、子供ひとりで帰さない」、
「跳び箱は、マットを敷き指導する」、
「学校の保護者以外にも挨拶を」……。
東京都東村山市立大岱小学校の職員室の壁には、
30の個条書きで埋まった模造紙が張られている。
保護者から来るどんな苦情でも書き出し、
学校全体で受け止める仕組み。
提案した西留安雄校長(60)は、
「保護者から指摘されて当然のことを、一学級の問題として
とらえてはいけない。
視覚化して全員が共有することで、苦情が宝になることもある」
数年前まで、親のクレームが少なくなかった。
発想を転換した。
「うちの子は漢字を覚えない。しっかりと指導してほしい」と
要望が来れば、独自の漢字検定を作り、学校全体で競わせた。
児童のノートの書き方指導に注文があれば、
きれいなノートを表彰する大会を企画。
若手の指導・育成にも力を入れる。
職員会議の時間をなるべく削って、指導役のベテラン教師が
若手教師に寄り添い、気づいたことを話し合える環境をつくった。
西留校長は、「忙しいことを理由に、変えようとしない学校もあるが、
子どもの願いに応えるという教師の初心に戻れば、
学校はいくらでも変えられる」と強調する。
◆心の病
教師の場合、強いストレスから気分が落ち込んだり、
やる気が出なくなったりする適応障害になることが多い。
2008年度、病気休職した公立小中高校などの教職員
8578人のうち、精神性疾患が原因で休んだのは
63%の5400人、その割合は年々高まっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100220-OYT8T00279.htm
2010年3月11日木曜日
セイコークロックの福室幸一取締役「『時刻を知る』以外の付加価値を」
(日経 3月1日)
セイコーホールディングス子会社で、掛け時計や置き時計を
手掛けるセイコークロックが、新たな製品開発の方針。
単に「時刻を知る」だけではない魅力を加え、
買い替えや買い増し需要を喚起。
携帯電話の普及で、加速する市場の縮小を食い止めようとしている。
商品企画を担当する福室幸一取締役に、具体策を聞いた。
——掛け・置き時計の市場動向は?
「国内は縮小している。
ほとんどの家庭には、すでに掛け時計も置き時計もあり、
壊れなければ買い替えない。
若い人は、携帯電話のアラーム機能を目覚まし時計の代わりに使う。
時刻を知ることに困っている人はもういない。
だからこそ、プラスの魅力を打ち出さなければいけない」
——プラスの魅力とは?
「1984年、発売した『ピラミッドトーク』が象徴的な商品。
一見、時計にはみえないが、先端を押すと音声で教えてくれる。
便利さよりも、楽しさで受けたのだと思う。
標準電波を受信して、時刻を合わせる機能などを加え、
昨年末に25年ぶりに復活」
「防災用の置き時計。
中途半端にラジオを聞けるだけにするのではなく、
手動の発電機、懐中電灯、携帯電話のコネクターなど
『フル装備』に仕上げた。
昨年末、海をイメージした動画を壁や天井に映し出す
ドーム形の時計を、タカラトミーと共同で開発。
買ってもらうため、従来のクロックの枠にとらわれない
ものづくりが重要」
——時計に娯楽の要素を加えるなら、販路も変える必要がある。
「それも課題のひとつ。
セイコーは、時計店や百貨店の販路が強いが、
これらの製品が売れる場所は別にある。
広告宣伝の手法も、考えなくてはいけない。
ウェブを使えば、費用をかけなくても効率的に伝えられるのでは。
どう顧客と接点をつくっていくかを検討」
——今期も、クロック事業は営業赤字の見通し。
製品の魅力向上に合わせて、どう収益を改善していくのか?
「リーマン・ショック以降、100万円を超す高級機種の売れ行きが
激減し、利益を得にくくなった。
効率化を進めるため、機種数を絞り込んでいる。
国内外で別々だった低価格帯のブランドも、
これから5年ほどかけて1つにまとめていく」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100226.html
セイコーホールディングス子会社で、掛け時計や置き時計を
手掛けるセイコークロックが、新たな製品開発の方針。
単に「時刻を知る」だけではない魅力を加え、
買い替えや買い増し需要を喚起。
携帯電話の普及で、加速する市場の縮小を食い止めようとしている。
商品企画を担当する福室幸一取締役に、具体策を聞いた。
——掛け・置き時計の市場動向は?
「国内は縮小している。
ほとんどの家庭には、すでに掛け時計も置き時計もあり、
壊れなければ買い替えない。
若い人は、携帯電話のアラーム機能を目覚まし時計の代わりに使う。
時刻を知ることに困っている人はもういない。
だからこそ、プラスの魅力を打ち出さなければいけない」
——プラスの魅力とは?
「1984年、発売した『ピラミッドトーク』が象徴的な商品。
一見、時計にはみえないが、先端を押すと音声で教えてくれる。
便利さよりも、楽しさで受けたのだと思う。
標準電波を受信して、時刻を合わせる機能などを加え、
昨年末に25年ぶりに復活」
「防災用の置き時計。
中途半端にラジオを聞けるだけにするのではなく、
手動の発電機、懐中電灯、携帯電話のコネクターなど
『フル装備』に仕上げた。
昨年末、海をイメージした動画を壁や天井に映し出す
ドーム形の時計を、タカラトミーと共同で開発。
買ってもらうため、従来のクロックの枠にとらわれない
ものづくりが重要」
——時計に娯楽の要素を加えるなら、販路も変える必要がある。
「それも課題のひとつ。
セイコーは、時計店や百貨店の販路が強いが、
これらの製品が売れる場所は別にある。
広告宣伝の手法も、考えなくてはいけない。
ウェブを使えば、費用をかけなくても効率的に伝えられるのでは。
どう顧客と接点をつくっていくかを検討」
——今期も、クロック事業は営業赤字の見通し。
製品の魅力向上に合わせて、どう収益を改善していくのか?
「リーマン・ショック以降、100万円を超す高級機種の売れ行きが
激減し、利益を得にくくなった。
効率化を進めるため、機種数を絞り込んでいる。
国内外で別々だった低価格帯のブランドも、
これから5年ほどかけて1つにまとめていく」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100226.html
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