2010年5月5日水曜日

スポーツ立国第1部 支援(5)toto 振興財源の期待「大」

(読売 4月28日)

スポーツを支援しているのは、国や企業だけではない。
“第3の柱”が、スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)。
事業仕分けを受け、JOCなどへの今年度補助金が削減される中、
totoの存在感が増している。

最高6億円が当たる「BIG」を中心に、totoの業績は堅調で、
昨年度の売上額は約785億円。
運営する日本スポーツ振興センター理事の石野利和は、
「国費と並ぶスポーツ財源として、
totoの果たす役割は大きくなっている」

文部科学省にいた石野が、toto担当総括官に就任時、
累積赤字は約264億円に膨れあがり、存続の危機。
「これがダメなら、つぶれるかも」との思いで導入したBIG。
これが当たった。
2008年度、過去最高の約897億円を売り上げ、
ようやく軌道に乗った。

同センターは今月、今年度の助成事業に、
過去最高の約103億円分を割り当てた。
約14億円を、トップ選手や指導者への助成に回した。
この結果、昨年度の382人から586人へと、
支援を受ける人たちが大幅に増えた。

地域の拠点となる「総合型地域スポーツクラブ」の自立支援、
活動基盤強化事業には、過去最高の約22億円を配分。
専従でクラブを運営する人材を雇う経費(1人=月22万円)への
助成を拡充。

スポーツの振興が進んでいるとは言えない。
競技団体や地方自治体からの要求額が財源を下回り、
使い切れない現象が起きている。
昨年度の繰越金は10億円。
今年度の財源は160億円を見込むが、まだ64億円が残り、
追加募集が行われる。

totoの財源を求める声が少ないのは、助成率に問題。
事業計画の2割から9割まで助成金が出るが、
残りは、競技団体などが用意する必要。
事業収入が少ないマイナー競技の団体では、
“自己資金”を集められないケースも。
元Jリーガーで参院議員の友近聡朗としろうは、
地方や競技団体は、自主財源を用意する体力がない。
もっと助成率を上げるべきだ」と訴える。

立国戦略の中間報告が、今夏にもまとまる。
第3の柱となるtotoが有効に活用されなければ、
日本スポーツ界の青写真は描けない。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100430_01.htm

慶大SFC20年(2)AOの元祖 胸張る評価

(読売 4月23日)

「サーフィン好きで、書道の師範免許もあります」
日焼けした若い女性は、まず特技をアピール、
「東京の新宿に新しくできた高層ビルに感動して、
建築家になりたいと思いました」と受験の動機を話し始めた。

「民族間紛争で、大きな犠牲を出したアフリカのルワンダに、
友好のシンボルとして摩天楼を造りたい」という
夢の実現までの道筋を語ったのは7分間。

予備校「早稲田塾」が開いた、AO・推薦入試特別講座保護者会。
講座の中心は、SFC(慶応大学湘南藤沢キャンパス)対策。
環境情報学部に進んだ鈴木葉月さんが、
入試でのプレゼンテーション(口頭発表)を再現。

SFCは1990年、面接を重視するAO入試を日本で初めて導入、
毎年、総合政策、環境情報両学部で定員(各425)の
2割前後を入学。

約2000字で、入学後の学習計画まで記す
志望理由書が一番の難題。
提出書類を元にした30分の面接では、任意のプレゼン後、
複数の教員が「そんなことができるのか」、
「どんな意味があるのか」、
「なぜあなたがそれをしなければいけないのか」と、
たたみかけるように質問を浴びせる。

慶大OBでスタッフを固めた講座は、自分の言葉で
志望理由書が書けるよう、ゼミ形式で徹底して話し合う。
まず、自分を知る。
どんな研究をして、どう社会とかかわるか。
独創性が問われる。
将来展望が具体的でないと、面接時に何も言えなくなる」
保護者会でも、こんなゲキが飛んだ。

私立鴎友学園女子中学高校では、SFCが誕生した頃から、
その志望理由書を原型にした小論文指導。
「たまたまSFCに連絡を取ったら、受験生一人ひとりを
よく覚えていてくれた。
AOで、細かく見ていることがよくわかった」と吉野明教頭(59)。

10年前、全校的に取り組み、高校2年の終わりから
春休みにかけ、志望校に関係なく全員に書かせる。
「何も書けずに泣き出す子もいるが、
最後は『やってよかった』と言ってくれる」。
今春、86%が「学問で進路を選んだ」と回答、
「親に言われて」はほぼ皆無。

SFC内部では、教員から「可能なら全員をAOで取りたい」という声。
「他大学との違いは、大学の教育内容との連動だ」と職員が胸を張る。
入学後の学業成績や塾長賞などの顕彰実績も、
高評価を後押し。

AO入試を実施する大学が急増し、その評判は芳しくないが、
元祖の評価はすこぶる高い。

◆AO入試

2008年度、全大学の7割近い498校が導入。
形式的審査で合格させ、学力不足が問題視される大学も少なくない。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100424-OYT8T00223.htm

貧困国のエイズ新規感染、大半は麻薬使用者 専門家が調査報告

(2010年4月27日 共同通信社)

エイズ予防などに取り組む非営利団体
「国際健康被害軽減学会(IHRA)」のゲリー・スティムソン理事
らの専門家は、麻薬使用者が注射器の使い回しをやめることなどで、
エイズウイルス感染をかなり防止できるにもかかわらず、
多くの貧困国でこうした対策が取られておらず、
エイズウイルスの新規感染者の大半が
麻薬使用者で占められているとの調査報告を発表。

報告書によると、エイズウイルスの新規感染者に占める
麻薬使用者の割合は、最も高いバングラデシュでは90%、
ロシアでは66%、インドネシアでは50%。

国連などは、エイズウイルスのまん延を減少させるため、
麻薬使用者が注射器を交換したり、合成鎮痛薬メタドンを
代替薬物に使用するなど、「麻薬使用者への危害軽減」の
方策を講じるよう提唱。

こうした対策には、32億ドルの資金が必要とみられ、
実際に使われた資金は20分の1、約100の貧困国では
こうした措置が講じられてないため、
麻薬使用者を中心にエイズの感染が拡大。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/27/119550/

岩手発の技術、宇宙へ 盛岡の製造会社のフィルター

(岩手日報 4月24日)

電子回路設計製造のアールエフテストラボ
(盛岡市、森沢茂紀代表取締役)が開発した
「バンドパスフィルター」が、5月18日に
種子島宇宙センターから打ち上げられるH2Aロケットの
小型人工衛星2基に搭載。

衛星が地球に向けて、実験データを送信する無線機内で使われる。
宇宙航空産業は、ものづくりで最高峰の技能が求められる分野。
同社の製品が高い評価を受けて、無線機メーカーに採用、
岩手発の技術が宇宙空間へと旅立つ。

バンドパスフィルターは、必要な範囲の周波数の電波だけを通す装置。
ラジオや携帯電話をはじめ、無線機には必ず使われている。

同社は、人工衛星のマイクロ波無線機を受注した
埼玉県と福岡県の2社から依頼を受け、フィルター製作に着手。
宇宙空間から地球まで、省電力による通信を実現するため、
信号のロスが極めて少ない製品の開発に成功。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100424_3

2010年5月4日火曜日

有人宇宙活動でアピールしてほしいことは?

(サイエンスポータル 2010年4月27日)

山崎直子宇宙飛行士らが搭乗した米スペースシャトル
「ディスカバリー」による13日間の活動について、
航空宇宙研究開発機構(JAXA)が、宇宙開発委員会に報告。

今回の主な任務は、「多目的補給モジュールを
国際宇宙ステーション(ISS)結合部に取り付ける」、「搭載物資の移送」、
船外活動による「アンモニアタンク、レートジャイロ・アセンブリの交換」、
「『きぼう』からの微小粒子捕獲実験装置・材料曝露実験装置の回収」

山崎宇宙飛行士が担当した主な任務は、シャトルロボットアームに
取り付けたセンサ付きブームの操作による「ディスカバリー」機体の
損傷点検、多目的補給モジュールのISSへの移設と物資移送。

ISSの日本実験棟「きぼう」では、どんな実験が行われたのか?
「宇宙放射線と微小重力に長期間さらされた神経細胞が受ける
影響について、遺伝子のレベルで詳細な情報を得る」、

「筋肉タンパク質(Cbl-b)に注目、新規筋萎縮メカニズムを
明らかにすることで、宇宙飛行士だけでなく、
老化や寝たきりによる筋萎縮へ応用する」、

「宇宙飛行士に付着している微生物、特に真菌(カビ)の変化を
調べることで、今後の宇宙飛行士の健康管理に役立てる」、

「『きぼう』船内の宇宙放射線量を計測する」といった説明。

真菌の変化を調べた試料と宇宙放射線量を計測した機器は、
ディスカバリーによって持ち帰られた。
今後、地上でさらに詳しい解析が進められる。

これだけ読んで、大事なことをやっている、とピンとくる
普通の国民は少ないのでは。

日経新聞26日朝刊「レビュー&プレビュー」面に、
「宇宙実験日本の果実は 医学データ蓄積/新材料生まれず」
という記事。

この18年間、スペースシャトルに搭乗した日本人宇宙飛行士たちの
活動を振り返り、「医学関連の研究は、宇宙酔いを防ぐ薬の種類や
量などの知識を蓄えるのに役立った。
弱った骨や筋肉を、地球帰還後に鍛え直す方法の研究も進んだ」と、
具体的成果を挙げている。

「ただ、それ以外の科学実験は、掛け声倒れが目立つ。
成果が米サイエンス、英ネイチャーなど有名科学雑誌に
掲載された例は少ない。
宇宙での結晶成長実験などから、エレクトロニクスや自動車などの
分野で、広く使われる優れた材料が生まれた話は聞かない」

日本の有人宇宙活動も、よくぞここまで来た。
シャトルの機体と搭乗宇宙飛行士乗員全員の命を失った
2度の大事故を乗り越えて…。
そう考える人たちは、日本で有人宇宙活動を推進してきた人たちに多い。
シャトル計画とISS計画に、日本が参加しなかったなら、
有人活動の経験は全く得られなかった、という思いもまた強い。

問題は、どれだけ多くの国民が同じように思っているかでは。
前原誠司・宇宙開発担当相は、ディスカバリー帰還に際し、
「山崎宇宙飛行士が、野口聡一宇宙飛行士を含む
各国の宇宙飛行士と協力し、予定されたミッションを成功裏に
遂行されたことは、わが国としての責務を果たし、
多くの方々に感銘を与えた。
地上との交信で、日本古来の文化である俳句や琴を披露、
国民の皆様に宇宙を身近に感じていただく上で意義深い。
今後、国際宇宙ステーションにおけるさまざまな活動が、
国際協力を一層進め、大きな成果をもたらすことを期待」

「きぼう」内での実験など科学的、技術的な具体的活動には
触れていない。
「日本人宇宙飛行士たちのおかげで、
宇宙は十分身近に感じられるようになった。
有人宇宙活動は、何のためにやるかをアピールしてほしい
そんな声が、宇宙開発を応援する人たちから出てきそうな気もする。

http://scienceportal.jp/news/review/1004/1004271.html

慶大SFC20年(1)未来の交流拠点「創造塾」

(読売 4月23日)

普段着の若者が一人、また一人、
東京・代々木の会議室のドアをノックする。

20~30分おきに十数人。
慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の学生たち。
大学から、バスと電車で約1時間半。
学生たちは、会議室を訪ねるようにとしか指示を受けていない。
部屋では、外国人の集団が英語で話し続け、
どう割って入ろうか、立ち尽くす学生も珍しくなかった。

SFCが試みる、グローバルリーダーシッププログラムの一環。
学生たちは、2~3月にかけ、地元企業の研修施設に泊まり込み、
人材育成にかかわる本城慎之介さん(37)(2期生、元楽天副社長)ら
から指導を受け、中国・上海から来日した高校生の世話係も務めた。

SFCは、開設20周年を記念してキャンパスを拡張、
24時間滞在型の教育研究施設「未来創造塾」を作る。
500人以上が宿泊でき、学生が先輩や教員、卒業生、
海外も含めた研究者などと交流できる場。
プログラムに参加した学生は、この際の世話役になる想定。

2年前、来日した米国初の女性連邦最高裁判事
サンドラ・オコーナーさんと、学生が交流。
総合政策学部の古谷知之・准教授(37)(3期生)らが、
米英の有力大を視察。
代々木での「異文化体験プログラム」の試みは、
英オックスフォード大などを参考。
新年度から、新入生向けに本格プログラムを始め、
時期を見て、指導役も切り替えていく。

SFCには4年前まで、学業・生活両面で、先輩や教員が
新入生の面倒を見るアドバイザリーグループの仕組みがあった。
学内では、「教員と学生の関係が、以前ほど密でなくなった」という声。
先輩が後輩を先導するのは、慶応義塾の創設者、福沢諭吉が
唱えた「半学半教」の精神に通じるという自負も。
「後輩がどう育つかが、自分たちにかかっていると思うと、誇りに思える」
とプログラムに参加した学生の一人。

創造塾は、用地を確保したものの、
建物の建設費のめどは立っていない。
世界的な金融危機で、学校法人慶応義塾が巨額の赤字。
「それなら、予定地にテントを張って始めてもいい」、
国領二郎・総合政策学部長(50)。
その言葉から、新たな“塾”への熱意が伝わってくる。

慶大SFCは、1990年の開設以来、文理融合の学際的教育や
最先端の情報教育を進め、面接を重視したAO入試を
最初に導入するなど、大学改革の先頭を走ってきた。
卒業生は、学部だけで1万6000人超。
SFCを通して、これからの大学のカタチを考えたい。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100423-OYT8T00232.htm

看護職員、過酷な労働環境 薬の常用6割、切迫流産3割 医労連調査

(2010年4月27日 毎日新聞社)

病院や診療所などで働く看護職員の約7割が慢性疲労を訴え、
鎮痛剤や睡眠剤など何らかの薬を常用している割合は
約6割に上り、妊娠者のうち3人に1人は流産の前兆である
切迫流産を経験していたことが、
日本医療労働組合連合会(医労連)の調査で分かった。

医労連は、「慢性的な人手不足による過重労働が原因。
不当なサービス残業も横行、法令順守を関係機関に徹底させたい」

09年11月~10年1月に看護師、准看護師、保健師、助産師の
4職種を対象にアンケートを実施、約2万7000人から回答。
「疲れが翌日に残る」など、慢性疲労の症状を訴える人は73・5%、
20年前の調査から7ポイント増加。

疲れやストレスなどから薬を常用する割合は、
多い順に鎮痛剤(29%)、ビタミン剤(19%)、胃腸薬(17・6%)。
睡眠剤(6・9%)、安定剤(4・3%)の常用者も。
「常用してない」は40・5%。

06年4月以降、妊娠した約3500人のうち、34・3%が
切迫流産を経験、20年前より10ポイント増。
07年、全国労働組合総連合が一般事務職員を対象に行った
調査時の17・1%を大きく上回った。
逆に、「順調」との回答は8ポイント減って、22・4%。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/27/119537/

支えます農への志 宮古・新規就農補助事業スタート

(岩手日報 4月24日)

宮古市が、2010年度からスタートした
新規就農対策事業の第1号として、
同市板屋の吉浜孝明さん(28)が、上山則夫さん(49)方で研修。
担い手の確保を目指す同事業は、研修者と受け入れ農家に、
それぞれ市単独で研修費などを補助。
市は、「農業振興へ制度を、どんどん活用してほしい」と呼び掛け。

吉浜さんは同市出身で、酪農学園大卒業後、
養豚会社勤務やスイスでの野菜栽培研修を経て、
昨年6月から上山さん方で研修中。
今年4月、市の事業を活用し、
今後2年間、農業技術や経営を学ぶ予定。

吉浜さんの実家は、農家ではないが、「野外で働き、野菜が日々
成長するのを見て、収穫できるのが楽しい」と、地元で就農を希望。
「地域に合った技術を研修したい」と、
野菜の栽培方法を学んでいる。

研修を受け入れた上山さんは、農協を退職後、専業農家となり、
トマトやピーマンのハウス栽培や露地での野菜栽培などを展開。
自身も、青年海外協力隊員としてパラグアイで農業指導、
岩手大など主催のいわてアグリフロンティアスクールを修了、
アグリ管理士となっている。

上山さんは、「農家も、体が動くうちに新規就農者を育てれば、
地域の農業が盛り上がる」
吉浜さんに、「マニュアル的にやっては、失敗することがある。
観察をしっかりしよう」、
「農業は、産業として伸びる可能性がある。
遊休農地も多く、若い人にはどんどん挑戦してほしい」

同市は、10年度から新規就農を希望する研修者に月額5万円、
家賃の半額を上限2万円で、2年以内補助する支援事業をスタート。
受け入れ農家や農業法人にも、月額3万円を補助。
就農時にも、施設整備などに補助。

市農業課の佐藤広昭課長は、
「地産地消、食の安全への関心の高まりなど、
農業は重要性を増している。
農業の振興へ、新規就農者らを支援していきたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100424_9

2010年5月3日月曜日

スポーツ立国 第1部 支援(4)脱・縦割りへ 「庁」新設構想

(読売 4月28日)

トップ選手の練習拠点である、
味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)の使用を断られた
金メダリストがいる。

パラリンピック競泳日本代表として5大会に出場し、
金5個を含む21個のメダルを取った河合純一。

2008年北京五輪の前。
五輪選手が使わない期間、河合はNTCでの合宿を関係者に要望。
しかし、回答は「ノー」。

河合が、NTCの使用を断られた理由は、
「五輪を担当する文部科学省が作った施設だから、
厚生労働省が担当するパラリンピックの選手は使えない」

最終的には、特例で使用を認められたが、
今後について、両省の話し合いは進んでいない。
河合は訴える。
「特別扱いでなく、ずっと使えるようにしてほしい。
役所の都合で、選手が不利益を被るのはおかしい

河合の例は、各省でバラバラに行われてきた
国のスポーツ支援を象徴。
スポーツというと、学校体育を担う文科省が思い浮かぶ。
実際には、他の役所も深くかかわっている。

競技場などの整備と運営は国土交通省が担当、
用具などのメーカーは経済産業省が監督。
障害者スポーツは厚労省、
宝くじによるスポーツへの助成は総務省――

まさに縦割り行政の典型的な例。
現状では、一貫した政策が行われず、
予算の無駄遣いと言われても仕方がない。

3月に行われた「スポーツ立国戦略」の第1回ヒアリングで、
プロ野球・ヤクルト前監督の古田敦也が力説。
「スポーツ庁を作ったらいい。
行政の力が伝わりやすくなる」

さらに刺激的な発言が続く。
「文科省の隅で扱われているうちは、大きくならない。
スポーツの価値を高めるには、外に出て庁になるのが一番早い」

古田だけでない。
選手や競技団体もスポーツ基本法をもとに、
バラバラの政策をまとめる新しい役所の必要性を訴える。

過去にも、同じような例はある。
1968年、文部省(当時)から“独立”した文化庁。
各省庁の部局が統廃合されていた時期にもかかわらず、
芸術活動の振興や文化財の保護などの重要性が認められた。

当時、スポーツより少なかった文化芸術の今年度予算は
約1020億円、スポーツの約4・5倍に膨らんでいる。
国の支援を望むトップ選手が、スポーツ庁構想に
目を輝かせるのも無理はない。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100428_01.htm

「野球ひじ」予防、早期発見を 医師らがケア組織

(2010年4月27日 毎日新聞社)

成長期の子どもが、投げ過ぎなどでひじを痛める「野球ひじ」の
予防や早期発見につなげようと、県内の整形外科医や
理学療法士ら約90人が、「野球障害ケア新潟ネットワーク」を発足。

県内の野球団体で構成する県野球協議会にも加盟。
小学生から還暦野球チームまで、
試合や会合に出向いてはメディカルチェックを行う。

野球ひじは、主に投げ過ぎで起こるひじの関節障害。
成長期の小中学生に多く、重症化するとひじを曲げ伸ばしできなくなり、
手術が必要に。
後遺症が残り、投手はおろか野球を続けられなくなることも。
「診察室で泣き崩れる子どもを、何人も見てきた。
異常を早く発見し、投げ過ぎ予防のルールを作らないと」

新潟リハビリテーション病院長で、整形外科医の山本智章医師(50)は、
同ネットを発足させた狙い。

整形外科医と理学療法士らのチームが、
少年野球チームの試合や会合に出張。
仮設テントを設けるなどして、肩やひじを超音波や触診・問診で検査。

県内の主要野球団体が入っている県野球協議会に加盟し、
県内各地でメディカルチェックを普及させたい考え。

野球ひじになり、手術する小学生は、県内だけで年間10~20人。
「小学生で、ひじにメスを入れなければならないのはなぜなのか」、
山本医師が03年、野球経験のある医師ら10人と
野球の障害予防チームを結成したのが発端。

新潟市内の少年野球チームを中心に、メディカルチェックを重ね、
球児の1割前後が野球ひじになっていることが分かった。

球児たちのフォームの高解析カメラによる動作分析も始め、
下半身や体幹を使わず、上半身に頼ったフォームが
障害を生じやすいことも確認。
ひじや肩に負担をかけない投球フォームのアドバイスもしてきたが、
野球の指導内容にかかわるため、
浸透には指導者の理解が欠かせない。

日本臨床スポーツ医学会は、投げ過ぎを防ぐため、
1日の全力投球数は小学生で50球以内、中学生で70球以内が
望ましいなどと提言。

実際は、認知が進んでいないのが現状、
山本医師は、「いかに野球関係者と連携していくかが大事」
野球障害は、全国共通の問題。
幅広いデータ蓄積と分析を進めようと、他県の医師らと協力し、
メディカルチェックを全国共通の内容で行う取り組みにも乗り出している。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/27/119568/

オルニチン 健康な肌、サポートも 筋肉増強効果にも期待

(2010年4月24日 毎日新聞社)

シジミに多く含まれるアミノ酸の一種、オルニチン。
前回(4月10日)では、主に肝臓の働きを改善し、
疲労回復効果があることを紹介。
今回は、美容やスポーツの分野でも注目されつつある。

■美容で注目

オルニチンのサプリメント(健康補助食品)が、
日本の市場で目立ち始めたのは、6~7年前。
継続して使用する消費者の間から、「何となく肌や体の調子がいい」
といった声。
微生物による発酵で、オルニチンを商品化している
協和発酵バイオは、肌への影響について調べた。

ボランティアの成人14人を2群に分け、
一方にオルニチン(1日あたり800mg)、もう一方に偽サプリメント
(プラセボ)を3週間摂取、肌の体感効果を比較。

その結果、オルニチンの摂取グループはプラセボ群に比べ、
「顔のしわや肌荒れが改善した」、
「顔にはりが出てきた」などの効果を感じる度合いが
高いことが分かった。

どんなメカニズムなのか?
海外の研究報告によると、マウスにオルニチンを与えて
肌のコラーゲンを測定、コラーゲンの合成を促している。
オルニチンは、体内でコラーゲンの原料の一つである
アミノ酸(プロリン)に変わる。
コラーゲン遺伝子の発現が、オルニチンで増大することも発表。

研究報告から、協和発酵バイオ・ヘルスケア商品開発センターの
酒井康・学術研究企画室マネジャーは、
「オルニチンの摂取が、コラーゲンの原料を供給し、
細胞レベルで合成能を高めることで、コラーゲン合成を促すのでは」

コラーゲンは、肌の弾力性を保つたんぱく質の一種。
コラーゲンの合成に、オルニチンがどこまで関与しているのか、
今後の研究が楽しみ。

■スポーツでも活躍

米国では、オルニチンのサプリメントは筋肉を増強したり、
脂肪の燃焼を促す目的でも使われている。

こんな試験がある。
平均年齢41歳の男女17人を2群に分け、一方にオルニチン、
もう一方にプラセボを8日間摂取、自転車をこぐ運動負荷試験を実施後、
血液中のアンモニア濃度を比較。

その結果、オルニチンを摂取した群の方が、
運動後のアンモニア上昇を低く抑えられた。
自転車を一定時間全力でこぐ運動能力の比較でも、
摂取群の方が運動能力の低下が抑えられ、
オルニチンが持久力を高めていることを示唆。

アンモニアは、筋肉やエネルギーを使うと発生し、
疲労物質のひとつ。
激しい運動後、血液中のアンモニア濃度が高くなるが、
オルニチンの摂取でアンモニアが尿素に解毒、
疲労物質の生成が少なくなるのでは。

運動をしながらオルニチンを摂取すると、体脂肪率が減り、
筋肉が増える、という研究報告(米国のニュートリション・リサーチなど)。

日本国内では、オルニチンを加えた即席みそ汁や飲料、
コラーゲンとオルニチンを含む美容ドリンクなど、
さまざまな商品が登場。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/26/119435/

本県が全国最多 グリーンツーリズムのモデル地域

(岩手日報 4月25日)

国が、児童生徒向けグリーンツーリズムのモデル地域を
採択する「子ども農山漁村交流プロジェクト」で、
本県のモデル地域数が8市町村と、全国最多。

本年度は奥州市、雫石町、洋野町が新たに選ばれた。
農家らが主体となって、いち早く農村体験や民泊受け入れに取り組み、
豊かな自然や人の温かさが、都市部の学校にとって大きな魅力。
継続的な交流も生まれ、地域活性化に一役買っている。

奥州市には23、24日、宮城県富谷町・富谷二中の2年生91人が
課外学習で訪問。
同市胆沢区の農家20戸が、民泊を受け入れた。

農業玉山幸芳さん(55)方では、生徒5人がまき割りなどを体験。
北林大樹君は、「何もかも初めて経験することばかりで、感動した」

玉山さんの妻恵子さんも、「生徒が民泊で、変わる姿がうれしい。
その後、旅行に来てくれる生徒もいて、
わたしたちも元気をもらえる」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100425_3

2010年5月2日日曜日

スポーツ立国 第1部 支援(3)強化と普及「地域」主役に

(読売 4月25日)

これから日本スポーツ界を支えるのは、だれなのか?
そのキーワードは「地域」――。

2008年北京五輪陸上男子400mリレーで、銅メダルを手にした
朝原宣治は、引退後も走っている。
今年4月、兵庫県西宮市で陸上クラブを発足。
集まったのは、小学生から大学生までの約120人。
トップレベルの指導者による一貫指導は、選手にとって魅力的。

目指すのは、かつて留学したドイツの地域クラブ。
練習拠点だった「シュツットガルト」は、サッカーで有名だが、
陸上やハンドボール部もある。
「学校の外で、こんなにスポーツが盛んなんだ」と驚いた。

スタジアムや体育館が開放され、トップ選手のほか、
子供からお年寄りまで、誰もがスポーツを楽しんでいた。
クラブの対抗戦ともなれば、家族で声援を送る。
「スポーツが身近にあるから、ドイツは五輪でも強い」
強化と普及が、表裏一体となっているスポーツ大国の底力を感じた。
「違う」と、朝原は思う。

日本の場合、子供がスポーツに触れる場は学校。
問題は少なくない。
少子化が進む中、学校単位でチームを組むため、
団体競技ができないケースが増えている。

小学校、中学校、高校、大学と学ぶ場が移ると、
指導者も変わり、選手は一貫した指導が受けられない。
卒業後、企業の支援を受けられないと、引退に追い込まれてしまう。
朝原は、「選手が環境に振り回されている」
「政府がイニシアチブを取って、選手がずっとスポーツに親しめる
ネットワークを作ってほしい」と願っているが、
待っていても何も変わらない。

まずはできることから、と発足させたクラブ。
「ここから、世界に羽ばたく選手を育てたい」
これからも、朝原は走り続ける。

今の環境を改善するため、
スポーツ基本法の成立が求められている。
日本スポーツ界の“憲法”となる存在。
文部科学省が検討している法案に、「スポーツ権」が書き込まれる。
「すべての人がスポーツを楽しむ権利」――

これを守るため、地域のクラブを中心に、
国がスポーツの強化と普及に力を入れることになる。
「法律の裏付けがあれば、しっかり予算を付けられる」と文科省幹部。
5回目のヒアリングが終わり、来年の通常国会に法案を提出する
準備が進んでいる。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100425_01.htm

「医療ビザ」の新設検討 アジアの富裕層を治療 政府、成長戦略に反映

(2010年4月27日 共同通信社)

政府は、日本で長期治療を希望する外国人のため、
「医療滞在ビザ」を新設する方向。
日本に長期間滞在し、高水準の医療を受ける
中国やアジア地域などの富裕層を増やし、
医療ビジネスの拡大につなげる。
6月、閣議決定する成長戦略に反映させる。

国家戦略室が、成長戦略をめぐる意見聴取で、
外務省と厚生労働省が医療ビザの創設に
前向きな考えを示した。
内閣府の津村啓介政務官(国家戦略室担当)は、
「医療は、成長戦略の大きなテーマ。
医療ビザ創設を、成長戦略に盛り込みたい」

現行制度では、日本で治療を受ける外国人は、
最長90日間滞在できる観光用などの短期ビザで入国。
長期入院する場合、滞在期間の延長手続きが必要。
延長が認められないケースもあり、外国人が日本で
治療を受けるのをためらう要因に。

津村政務官は、治療を受ける外国人が滞在を延長する
手続きを簡素化したり、現行制度よりも滞在期間を長くする形で
医療ビザを設ける考えを示した。
具体策は外務、法務、厚労省などで検討を急ぐ。

政府は、成長戦略の重点分野の一つに医療を挙げている。
厚労省は、海外の医療保険を、日本の医療機関で
利用できるようにすることも提案。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/27/119527/

iPSの今〈1〉「初期化」遺伝子増やす?減らす?

(2010年4月26日 読売新聞)

神経や心筋など、様々な細胞に変化できる
人のiPS細胞(新型万能細胞)。
世界中が注目した、山中伸弥・京都大教授の作製発表から2年半。
今月、京大に国内初の専門研究機関「iPS細胞研究所」が発足。
「どうやって万能性を獲得したのか」、
「どんな遺伝子が働いているのか」など、未解明な部分も多いが、
激しい国際競争を経て、その姿が少しずつ見えてきた。

人の体は、約250種類の体細胞からできているが、
どれも元々は1個の受精卵から変化。
iPS細胞は、すでに皮膚などに変化している体細胞を、
時計の針を戻すように、様々な細胞に変化する前の受精卵に
近い状態に戻す「初期化」を、強制的に行って作った。
受精卵のように、いろんな細胞に変化できる。

では、どんな体細胞も初期化をして、iPS細胞を作れるのか?
山中教授が最初に用いたのは、皮膚。
変化前の比較的未熟な細胞がまじっていた可能性もあるため、
初期化しやすく、研究者の間では、
「他に、どんな細胞が使えるのか」に興味。

マウス実験などで肝臓や胃、骨髄、神経などで
iPS細胞ができるという報告が相次いだ。
研究競争の決定打となったのは、それ以上変化できない
終末分化と呼ばれる状態の成熟したBリンパ球の成功。
京大の長船健二准教授は、
「これで、どんな細胞からもiPS細胞が作れることが分かり、
生物学的な結論が出た」

材料として最適なものは、まだわかっていない。
iPS細胞は、がんになる恐れがあるうえ、
1個作るのに大量の細胞が必要で、効率の悪さも課題。
マウス実験では、胃の細胞を使えば、皮膚や肝臓より
がん化を大幅に抑えられる。
同じ皮膚でも、紫外線にさらされる頭皮と腹部の皮膚とでは、
遺伝子の傷や変異の程度が異なり、
作製効率や安全性に差が出るとも考えられている。

長船准教授は、「さい帯血は、遺伝子の変異や傷が
ほとんどないので適している」
「人での作製にも成功しているさい帯血や親知らずの歯の細胞など、
入手しやすい医療廃棄物を利用して、バンクを作るのが実用的」

簡単に採取できる髪の毛や血液から、iPS細胞ができたとの報告。
作製自体が困難なうえ、効率も極めて悪い。
1本の髪からできれば理想的だが、
今のところ現実的な選択肢ではなさそう。

山中教授は、「山中4因子」と呼ばれる4種類の遺伝子を、
レトロウイルスを運び役にし、体細胞に入れて初期化に成功。
がん遺伝子c-Mycを含むなど、安全面の問題も。

そこで、遺伝子の種類をいかに減らすか、研究が急速に進んだ。
昨年2月、独マックスプランク分子医薬研究所のグループが
Oct3/4という遺伝子だけで初期化に成功、
マウスのiPS細胞を作製。
米ハーバード大などのグループは、4因子のうち
1-2遺伝子の代わりにバルプロ酸などの化合物を用いて作製、
効率を高めることにも成功。

山中4因子は、もともと細胞内にあるので、
細胞によっては、四つのうちの幾つかが活発に働いているため、
その遺伝子を入れなくても初期化できるとみられていた。
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの
丹羽仁史チームリーダーも、「多くの研究は、四つのうち、
いずれかの遺伝子がよく働いている細胞を用いている」

丹羽さんは、様々な組織の細胞になる胚性幹細胞(ES細胞)で、
変化する前の未分化な状態を保つ遺伝子や、
変化にかかわる遺伝子のネットワークの解明を進めてきた。

これまでの研究成果から、丹羽さんは、初期化には
10種類ほどの遺伝子が連動していると考えている。
山中4因子は、初期化を引き起こすぎりぎりの数で、
現在のiPS細胞の質や作製効率は不安定。
「むしろ入れる遺伝子の種類を多くすることで、
より確実に、高品質なものを作れるのではないか」と丹羽さんは分析。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/26/119486/

南部鉄瓶いざ上海万博へ 県、5月1日から共同出展

(岩手日報 4月26日)

県、中国上海市の茶販売業者・上海大可堂、プーアル市の
3者が共同出展する上海万博は5月1日、上海市で開幕。

プーアル茶と茶湯に適した伝統工芸品の南部鉄瓶を、
セットで世界に発信。
これに先立ち、達増知事は27日から訪中、
プーアル市と友好協定を締結。
急成長する中国市場で、県産品の販路拡大、観光客誘致に。

万博は、10月31日までの184日間。
3者共同ブースは、6月30日までの61日間展開。
328ヘクタールの万博会場のうち、
総芸ホール・エントランスロビー(面積70平方メートル)に出展。

出展するのは、県南部鉄器協同組合連合会の会員企業が
製造した鉄瓶、ティーポット合わせて75点。
出品企業の一つ、岩鋳(盛岡市)の福村勲専務は、
「茶に適した良質な湯を沸かすことができる南部鉄瓶は、
富裕層の間で知名度が上がっている」と意気込む。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100426_3

2010年5月1日土曜日

スポーツ立国 第1部 支援(2)選手強化 企業依存の限界

(読売 4月23日)

2月のバンクーバー五輪スピードスケート男子500m、
銀の長島圭一郎と銅の加藤条治が表彰台に。
その2人を支え続けたのは、長野県下諏訪町にある
「日本電産サンキョー」。

「欲しいものがあったら、何でも言え」
廃部の危機に立たされた7年前、会長に就任した永守重信
スケート部の存続を決め、世界で勝つための
環境整備に乗り出した。
専属トレーナーを雇い、コーチも増員。
トリノ五輪の時、移動用にビジネスクラスの航空券を用意。
五輪メダルの報奨金制度も設けた。
バンクーバーの銀は1000万円、銅は600万円。
半額は会社が負担、残りは永守のポケットマネーで賄った。

そこまでして支援するのはなぜか?
永守は言い切る。
「このままでは、日本の冬季競技はダメになる。
誰かがこだわらんといかん」

こんな恵まれた環境は、今の日本スポーツ界では例外。
長引く不況は、スポーツ界を支える企業の力を奪っている。
昨年12月、社会人野球の日産自動車が50年の歴史に幕を下ろした。
日本一を決める都市対抗を2度も制し、
多くのプロ選手を輩出した名門も、休部に。
野球部員26人は、全員が正社員。
14人がユニホームを脱ぎ、スーツ姿の生活を選んだ。

選手の強化を企業が担う――
日本の特長である、「実業団」の仕組みは崩れつつある。
「景気が良くなり、野球部が復活する日が来ると信じている」
最後の監督となった久保恭久は願う。

企業チームの休・廃部は、野球だけではない。
スポーツマーケティング企業のアイシーティースポーツによると、
1992年~2009年の間、約320の企業チームが消滅。
野村総合研究所上級コンサルタントの三崎冨査雄は、
「企業は、コストのかかる団体競技から撤退する傾向にある」

企業の支援形態も変わった。
選手の雇用を、正社員から契約社員の扱いに変更したり、
チームを持たずに大会の運営に資金を提供するだけになったり。

文部科学省は昨年、実業団のような形でスポーツを支援する
企業の税制優遇を検討。
「文化や芸術もあるのに、なぜスポーツだけか」という
論議がネックとなり、実現は難しい。
日本スポーツ界は土台から、大きく揺れ始めている。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100423_01.htm

親と向き合う・2(4)すれ違い 減らす工夫

(読売 4月22日)

連載に寄せられた読者の声に、
保護者と教師を隔てる溝の正体が見えてくる。

先生は、聖職という座にあぐらをかいている」と批判、
石川県の小学生の母親(38)。
長女が4年生だった昨年、学校で男子からちょっかいを出され、
何度かあざを作ってきた。
心配して、連絡帳でベテランの担任に相談したら、
「たまたまです」、「気にし過ぎです」との返事ばかり。
母親は、「もっと愛情を持って接してほしい」と訴えた。

昨年4月、小学4年になった長男の担任が新人だったという
長野県内の母親(45)。
熱心な先生だったが、保護者から厳しい要求を受けていた。
子どもを教える難しい職業に、大学卒業直後から
一人前であることを求めるのは間違っていると思った」

教師の置かれた状況に、理解を示す声も。
10年前、小学校のPTA会長を務めた宇都宮市の
長谷川道夫さん(57)は、親から担任に強い要望があった場合、
その内容をPTA総会で紹介。
多数の支持があれば、学校の課題とした。
問題が起きた時、『担任―保護者』の図式に持っていかない。
そうすることで、担任に考えるゆとりが生まれた

保護者は、なぜ、自分たちと教師との間に意識のずれを感じるのか。
その疑問に、切り込む研究がある。

親の意識について、親の苦情を四つに分類する
日本大学の佐藤晴雄教授(社会教育学)は、
モンスター・ペアレントの要求のように、実現性も正当性も低い
要求を、「イチャモン系」と定義。
この要望を当然とする親の行動を分析したところ、
「あまり学校を訪問せず、学校のことを理解していない傾向が強い」
という姿が浮かんだ。

教員の意識面から、保護者との関係づくりを探る大阪大学の
小野田正利教授(教育制度学)が、
「先生と呼ばれて、尊敬されていると思う意識が大きいほど、
自らの非を認めたがらず、トラブルに動揺しやすい」と分析。

小野田教授は、学校そのものにも改善の余地はあると指摘。
教科指導や学級運営など、膨大な仕事を日常的にさばきながら、
1年目にする初任者研修。
「子どもと向き合う中で、問題は見えてくる。
2年目からの方がいいのでは」と提案。

すれ違いを減らすためのカギが、少しずつ明らかになっている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100422-OYT8T00198.htm

脳内ホルモン「オキシトシン」重度知的障害の自閉症に効果 金沢大発表

(2010年4月24日 毎日新聞社)

脳内ホルモンの一種「オキシトシン」の投与で、
重度の知的障害のある自閉症患者の症状が改善したと、
金沢大・子どものこころ発達研究センターが発表。
主治医の棟居俊夫・特任准教授は、
「知的障害のある患者で、効果が確認された例は初めて」

オキシトシンは、出産時に大量に分泌され、
子宮や乳腺の収縮などに作用、陣痛促進剤などとして使わている。
他者を認識したり、愛着を感じる機能に関係するとの
研究結果も最近出され、知能の高い自閉症の
アスペルガー症候群で、効果が実証。

同センターに通院する20代の男性患者の両親が、
08年、オキシトシンの点鼻薬を輸入し、数カ月服用したところ、
(1)主治医の目を見て話す、
(2)対話で笑顔を浮かべる、
(3)IQテストが受けられるようになる--など症状が改善。
10カ月間投与し、改善状態の持続も確認。

男性は、3歳で自閉症と診断、服用前は他者と目を合わせず、
質問におうむ返しの反応しかできなかった。

これまで、重度の知的障害がある自閉症患者への
オキシトシン投与例がなく、今後、どのような患者に
効果があるかを見極め、必要な投与期間や量、対象年齢などを
突き止めるのが課題。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/26/119440/

花巻で大規模和牛肥育 宮城の農業生産法人

(岩手日報 4月27日)

花巻市と宮城県石巻市の農業生産法人うしちゃんファーム
(資本金1千万円、佐藤賀一社長)は、
同社が花巻市東和町で、大規模な和牛肥育事業を本格展開。

今秋、同町東晴山に畜舎を増築し、県内有数の肥育規模となる
計1150頭の飼養を計画。
県産子牛を積極導入、将来的に最大50人規模の新規採用を見込む。
地域の農業振興や畜産分野の就職先が少ない中での
雇用効果が期待。

大石満雄市長、佐藤社長らが記者会見。
同社は昨年12月、同町東晴山地内の民間の遊休畜舎(3棟)、
草地など計15万8千平方メートルを取得。
「岩手新花巻楽園」の事業所名で、
肥育事業(250頭規模)を始めている。

今回、規模を拡大して本格的に事業展開するため、
計900頭を飼養する畜舎2棟(計6615平方メートル)を増築。
新畜舎は、10月の完成、来春の全面稼働を予定、
肥育規模は計1150頭まで増強。
総事業費は約5億円。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100427_3

2010年4月30日金曜日

スポーツ立国 第1部 支援(1)選手環境 世界に見劣り

(読売 4月21日)

日本スポーツ界が、変革を迫られている。
長引く不況の影響で、企業のスポーツ離れが進み、
野球など一部の競技を除き、国際競技力は低迷。
バンクーバー五輪では、メダル争いでライバルの韓国に
大きく水をあけられた。
再び世界で輝くため、民間から国による強化へと進む日本スポーツ界。
その針路を探る。

“韓国ショック”――
バンクーバー五輪で、韓国が14個のメダルを獲得したのに対し、
日本は約3分の1の5個。
国の手厚い支援を受けて躍進したライバルの姿に、
五輪選手団長を務めた橋本聖子は、危機感を口にした。
「このままでは世界で取り残される」

スポーツ大国の支援を見ると、選手への強化費支給と
練習環境の整備、という2本柱が整っている。
日本は、両方とも心細い。
2008年北京五輪陸上男子400メートルリレーで、
銅メダルを獲得した朝原宣治は、
「日本には、一貫したスポーツ政策がない」

学校のクラブ活動の中で走り始めた朝原。
高校で陸上部に入り、大学3年の時に100mの日本新記録。
その後、選手としての自分を支えたのは、国ではなく、企業。
大阪ガスに入社後、5年間のドイツ留学を許された。

外国人指導者の下で競技力を磨いた朝原は、
スポーツが置かれた環境の違いを感じた。
練習拠点のスポーツクラブには、天然芝のグラウンドが広がり、
国や州の資格を持ったプロのコーチやスタッフがそろっていた。
「選手が、簡単に指導者を交代できるのに驚いた」
恵まれているのは、トップ選手だけではない。
「小学生から80歳代のお年寄りまで、
誰もがスポーツを楽しむ環境があった」と訴える。

朝原がトップ選手へと成長する過程で、国の支援は少なかった。
JOC強化指定選手になった時、年間で約200万~300万円を
受け取るぐらい、大学や企業のグラウンドを走り続けるしかなかった。

朝原が引退する約1年前、トップ選手の練習拠点がようやく誕生。
文部科学省が、370億円をかけて整備した、
ナショナルトレーニングセンター(NTC)。
屋根付きのトラックが完備され、栄養士などサポート体制も充実。

橋本は、「利用料がかかるなど、まだまだ使い勝手が悪い」
日本でNTCを使う場合、利用料は競技団体が負担するが、
韓国では代表選手の使用は無料。
1日数千円の手当が支給されるなど、
日本よりも「選手に優しい」環境が整っている。

「スポーツを文化として根付かせたい」との思いから、
橋本は政治家に転身。
以来15年。
その願いは、まだ実現していない。
悔しいのは、16年東京五輪招致の失敗。
東京の基本理念は素晴らしかったが、世論の支持率は56%止まり。
招致失敗の知らせを聞いた瞬間、
「国民の理解が得られなかった」と無念で涙があふれた。

昨年行われた政府の事業仕分けでは、財政難に苦しむ中、
税金を投入してまで五輪のメダルが必要なのか、と問われた。
結局、メダル獲得数が伸び悩むJOCへの補助金は、4%も削減。

国から競技団体に渡される金額をみると、
今年度の国の予算約92兆円のうち、JOCへの補助金は約26億円。
わずか0・003%。
「日本人は、五輪で日本選手の活躍を期待するが、
それを支える環境にはあまりにも無関心」と橋本。
国民の理解が深まった時、スポーツ立国への道が見えてくる。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100421_01.htm

親と向き合う・2(3)「苦情は宝」若手育てる

(読売 4月21日)

始業前の午前8時過ぎ、東京都東村山市立大岱小学校
職員室内に、教員たちの声が響きわたる。
「集金袋は教卓に置かない」、
「集金は、その場で中を確認する」――。

毎週水曜日に開く、若手向けの研修会。
教職6年目までの教員が朝の5分間、仕事の基本を点検。
春先は、集金の機会が多く、回収のトラブルを防ぐことを確認。

この研修に活用するのが、同校がまとめたOJT(職場内訓練)ノート。
作成を指揮した西留安雄校長(60)は、OJTのアルファベットの
頭文字から、「大岱常識手帳」と名付けた。
教員が身につけるべき常識について、「社会人・学校人」、「学級経営」など
11章に分けて、全736項目を掲載。

同校は、「苦情は宝」を合言葉に教員を育てる。
2月に掲載したシリーズ「親と向き合う」では、
保護者からの指摘を列記し、職員室に張り出す実践を紹介。
手帳には、これらの内容も盛り込んだ。

例えば、運動会。
「アンカーには、ゼッケン・たすきを掛けさせる」とある。
リレーの最終走者が目印をつけていないと、観戦する保護者や
地域住民の多くにとって、勝敗の結果が分かりづらい。
そんな苦情がベースにある。

「手帳にある項目の半分ぐらいは、保護者から指摘されたこと。
意外と、学校が気づいていないことが多く、それらを視覚化し、
共有するのが大事」と西留校長。

校長自身、過去に苦い経験がある。
別の学校で校長だった10年ほど前、保護者から苦情が。
あまり言い分を聞かず、部下の教員を守ろうとする気持ちから、
「学校としてはこうですよ」と答えていた。
やがて気づいた。
「理にかなった指摘もあるかもしれないのに、学校優位の考えで、
保護者に責任を押しつけていたのでは」

4月に教職に就いた永井佑樹教諭(22)は、
「常識手帳を活用し、社会人のマナーや謙虚さを身につけていきたい」
西留校長は、「過去の失敗を、若い教員にはさせたくない。
誰からも信頼される、プロフェッショナルな教師を育てていきます」
手帳に載せる項目は、必要に応じて追加する。

「学校の常識は、世間の非常識」と言われる。
その言葉を打ち消そうと、現場が一丸となって変わろうとしている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100421-OYT8T00347.htm

自殺対策で連携強化 仙台弁護士会と医師会

(2010年4月22日 共同通信社)

多重債務やリストラなどが理由とみられる自殺が増えている
ことを受け、仙台弁護士会は宮城県医師会と連携して、
防止対策に乗り出した。

弁護士が医師から、自殺との関連が深いうつ病など
精神疾患の基礎知識を学ぶほか、共同で自治体に提言。

宮城県の2009年の自殺者数は658人(暫定値)。
弁護士の間では、「債務整理の相談に来た会社経営者の
様子がおかしいと思ったが何もできず、自殺してしまった」、
「法廷で尋問した相手が自殺し、後でうつだったと聞いた。
どう聞けばよかったか」など、切実な悩みが広がり、
医療の専門家である医師に協力を求める声。

3月中旬、東北大大学院医学科の教授が、
うつの基本知識などを伝える講演会を開き、
同弁護士会所属の弁護士約330人中、100人近くが参加。

教授が、「最初から、精神科を受診するように言うのは難しい。
うつには不眠など、必ず別の身体症状があるので、
まずはそちらを治そうと通院を勧めて」とアドバイス。

今後、弁護士会と医師会はシンポジウムや相談会を共同して
開催することも検討、情報交換をさらに進めていく。
弁護士会で連携を担当する土井浩之弁護士は、
「弁護士と医師は専門家同士、通じるものがあるはず。
弁護士と医師が、気軽に"つなげ合う"関係になれば」と期待。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/22/119358/

採掘スタートは「未定」国内需要減の影響濃く 太平洋セの袰下山開発環境アセスは年度内完了へ

(東海新報 4月24日)

住田町上有住の袰下山(ほろしやま587)への新規鉱山開発
計画している太平洋セメント㈱大船渡工場(相良安廣工場長)は、
環境アセスメント評価書の前段階となる準備書の縦覧を、
5月中旬から始め、周辺4地域での住民説明会を開始。
手続きが順調に進めば、本年度内にアセスメントが完了する見通し。
計画公表当初は、平成年度ごろとしていた採掘開始時期について、
近年の国内セメント需要激減などから、「現時点では未定」。

同工場では現在、大船渡市2カ所と住田町1カ所の計3カ所に
鉱山を設けている。
近年のセメント原料採掘は、年220万トン、
残鉱量はおよそ10年程度との見通し、
100年規模の採掘ができ、鉱量が見込まれる袰下山開発を計画。

国内セメント需要が、平成2年のピーク時8628万トンに比べ、
昨年はほぼ半減の4470万トン、落ち込みが顕著に。
同社は、3工場の閉鎖や738人の人員削減などを展開中。

袰下山の出鉱開始は計画公表当初、26年度ごろとの見通し。
開始時期は不透明な状況となったものの、環境アセスメントについては
本年度内完了を目指して進めている。

初回の説明会は、坂本自治公民館で開かれ、住民20人が出席。
あいさつに立った藤井茂樹大船渡工場業務部長は、
「環境アセスメントは年度内完了予定だが、
セメント需要減に対応する見直しを全社的に進め、
以降のスケジュールは現時点では未定としかいえず、心苦しい状況」

環境アセスメントは、県環境影響評価条例に基づくもので、
事業者が環境に及ぼす影響を事前に調査、予測、評価し、
その結果を公表して意見を聴き、
環境に配慮した事業計画を作成する仕組み。

同工場では、第1段階となる環境影響評価方法書縦覧を
一昨年に終え、今回の準備書では、この環境影響評価結果に
基づく水質や生態系、景観の保全騒音粉じん対策などについての
考え方をまとめた。

出席住民から、「狭い沢があるので、洪水調整池からの放流量に
気を配ってほしい」、「井戸水への影響はどの程度になるか」など、
開発期や操業後の水質についての意見や質問が聞かれた。

住民説明会は、大型連休明けにかけて下有住新切、上有住両向、
同恵山の3地域でも開催。
準備書縦覧は、5月中旬から1カ月間大船渡工場などで予定、
同月中の説明会開催も計画。

http://www.tohkaishimpo.com/

2010年4月29日木曜日

食物アレルギー、幼児の14% 10年前から倍増 「食生活の変化一因」

(2010年4月23日 毎日新聞社)

東京都が、3歳児を対象に実施しているアレルギー疾患に
関する調査で、食物アレルギーに罹患したことのある
子どもの割合が、09年は14・4%、99年の7・1%から倍増。
厚生労働省によると、未就学児の大規模な定点調査で、
食物アレルギーの増加傾向が裏付けられたのは初めて。

調査は、99年から5年ごとに行い、10月の3歳児健診で
保護者に調査票を配布。
昨年は、7247人を対象に、ぜんそくや食物アレルギー、
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状について尋ね、
2912人(40・2%)から回答。

3歳までに、何らかのアレルギー疾患と診断された子どもは、
99年36・8%、04年36・7%、09年38・8%--と横ばい。
食物アレルギーと診断された子どもは、99年が7・1%、
04年は8・5%、この5年で急増。
原因食物は、卵が83・9%で最多。
牛乳36・3%、小麦12・9%が続いた。

今回は、都内の認可・認証保育所と幼稚園を対象にした
調査も初めて実施。
配慮が必要な食物アレルギーの子どもがいる施設は、68・1%に。
過去3年に急性のアレルギー反応を起こした
子どもがいた施設も、12%に。

東京都アレルギー性疾患対策検討委員の
松井猛彦・荏原病院小児科部長は、「原因は単純ではないが、
添加物や加工食品の増加など、食生活の変化も一因。
昔は食べなかった食品が食べられるようになったことや、
離乳食の開始の早期化なども考えられる」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/23/119400/

W杯でエイズ拡大懸念 売春合法化求める声も

(2010年4月21日 共同通信社)

サッカーのW杯が開幕する南アフリカは、
世界で最もエイズウイルス(HIV)感染率が高い国の一つ。
W杯期間中、推定約45万人の外国人が訪れると見込まれ、
無防備な売春が横行し、エイズ感染が外国人訪問客らに
広がる懸念が指摘。

地元の非政府組織(NGO)は、「売春婦に対する感染防止の
啓発活動を徹底させるため、売春を合法化し、
地下に潜らせないようにすべきだ」と主張。

南アのHIV感染者数は、推定約570万人、世界最多。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、感染率(15~49歳)は
約18%に達し、売春婦に限れば、感染率は約50%。

W杯期間中、近隣諸国や東欧などからも、
約4万人の売春婦がやって来ると予測。

売春婦の権利向上や教育支援を行うNGO「SWEAT」
(本部・ケープタウン)のダイアン・マサウェさんは、
「売春が違法のため、売春婦はこっそり仕事をしなければならないし、
エイズ感染防止に向けた教育や治療も受けられない」
売春を合法化すれば、感染防止の取り組みが可能だと主張。

SWEATは、合法化に向け国会議員へのロビー活動を展開中。
宗教団体などからの反対も根強く、W杯までの合法化は
簡単ではなさそう。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/21/119296/

がん転移させる酵素、脳の成長担う…大阪バイオサイエンス研が解明

(2010年4月21日 読売新聞)

がんの転移にかかわる酵素が、脳を成長させたり
修復したりする働きを担っていることを、
大阪バイオサイエンス研究所の榎本和生・研究部長らが
ショウジョウバエを使った研究で明らかに。
20日付の米科学誌ディベロップメンタル・セルに発表。

幼児期の脳は、音や光に反応して神経回路の再編を繰り返し、
複雑なネットワークを作り上げる。

榎本さんらは、この再編が起こらない突然変異の
ショウジョウバエを発見。
細胞を取り巻く物質を溶かす「Mmp」という
酵素を作れないことを突き止めた。
この酵素は、神経線維が通るべき場所を作り、
ネットワークを完成させていた。

人間のMmpは、がん細胞が病巣から飛び出して、
別の場所へ転移する際に働く。
てんかん発作や血流の低下で、脳がダメージを受けた時にも、
Mmpが検出されていたが、役割は不明。
榎本さんは、「脳のMmpの異常は、精神疾患などにつながると
考えられ、詳しく調べれば診断や予防に役立つ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/21/119307/

経験や知識、学校に新風 特別選考の3高校教員

(岩手日報 4月23日)

スポーツ分野で、優れた実績のある人や社会人経験者らを
対象にした、県教委の「特別選考枠」で採用された3人の高校教員は、
4月から新たな教師人生のスタート。
豊かな経験や高度な専門知識を生かした指導を行い、
学校現場に清新な風を吹き込んでいる。

◆楽しい物理伝える 藤井教諭(盛岡一)

盛岡一高で物理を教える藤井俊介教諭(33)=兵庫県出身=は、
東京工業大大学院理工学研究科で、宇宙物理学を専門に学び、
2009年に博士号を取得。
芝浦工業大の特別任用講師を1年間務め、
「専門の物理を生かした仕事をしたい」と制度を利用。

「生徒は、苦しいだけじゃ伸びない。
物理の授業を楽しむには、『なぜ』と問い続けること」、
藤井教諭は授業中、生徒たちに何度も「なんでや」と問いかける。

千葉研二校長は、「医師を志望する生徒が多いが、
人類の平和のためには学問を追究する人も必要。
最先端の学問の面白さを伝えてほしい」

◆船員養成情熱注ぐ 千野教諭(宮古水産)

千野和史教諭(32)=山梨県出身=は、三重県の実習船「しろちどり」の
指導教官を8年間務め、宮古水産高に赴任。
前任地では、高校生と共にカツオの一本釣り実習で、
2カ月間マリアナ沖へ航海し、船員の心構えを教えた。

宮古水産高は、日本でも一番の伝統校。
あこがれの学校で、船員養成にチャレンジしてみたい」、
新天地での意気込みを語る。

同校では、船舶のエンジン関係の指導に当たり、
担任する学年が実習船に乗船する際、共に航海に赴く。
「自分が培った経験を基に、船での仕事がいかに素晴らしいかを
分かってもらいたい」と船員養成へ情熱を燃やす。

◆母校で陸上部指導 高橋教諭(盛岡南)

盛岡南高に赴任した高橋徳江教諭(33)は、同校卒業生。
在学時、陸上競技・やり投げで国体2連覇、
高総体優勝を果たした実績を持つ。
いろいろな人との縁のおかげで、母校で指導ができる。
感謝の気持ちを持って、生徒たちと歩みたい

横浜市の中学教員として、特別支援学級などを担当したが、
「岩手と陸上部指導への思いが、頭から離れなかった」、
固い決意で試験を受けた。

教科は保健体育で、1年5組の担任、陸上競技部顧問を務める。
「生徒が夢に向かって、本気を出すきっかけをつくりたい」と初志を貫く。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100423_14

2010年4月28日水曜日

柔道整復師:誰もが悩む慢性的な痛み 治癒力、高めよ /兵庫

(2010年4月20日 毎日新聞社)

人類共通の悩みの一つが、慢性的な痛み。
肩こり、腰痛、手足などの痛みやむくみ……。
その痛みは、何年も続くことが多い。
こうした痛みに立ち向かう柔道整復師の覚野寛也さん(31)は、
「人間には本来、自然に治癒する能力がある。
治癒力を高めれば、痛みから解放される」と力説。
治癒力を高める術とは----。

覚野さんが柔道整復師を志したのは、高校時代。
中学、高校で柔道に熱中。
高校時代、山梨県で開かれた高校総体に県代表として
柔道60キロ級に出場した実力の持ち主、
「手に職をつけ、痛みに悩んでいる人を助けたい」と
高校卒業と同時に、柔道整復師を養成する3年制の専門学校へ。

柔道整復師の国家資格を得て、山口県で修業を5年半積み、
1日に40-50人の体と心をほぐしてきた。
この間も柔道を続け、山口県代表に選ばれ、富山国体に出場。
その語り口はソフトで、柔道の猛者というイメージからほど遠い。

覚野さんは、「慢性的な肩こり、腰痛などはリンパ、血液の流れが
低下し、代謝が落ちたサイン。
リンパや血液の流れを統括しているのが、筋肉。
全身の筋肉が硬くなると、血液などの流れが低下。
全身の筋肉をほぐすと、流れが戻る」

肩こりなどの痛みは、病気になる一歩手前を知らせる未病の状態。
それを痛みとして伝えている。
慢性的な痛みを、治らない持病と思い込んであきらめてしまう。
そんな人が多い。
私は、そんな方を一人でも助けたい」

慢性的な痛みを抱える人の多くが、何年も同じ症状を訴える。
例えば、肩こり。
肩のマッサージを受けると、その場では、痛みは緩和されるが、
後日、再び肩こりが再発。そしてマッサージ……。

覚野さんは、「痛みと緩和を繰り返す人は、
マッサージなどの受け方に問題。
人間には、治癒力がある。
全身の血行が良くなれば、治癒力も高まり、肩こりも緩んでくる。
肩こりは、深い部分と関連している。体全体を見なければ」

覚野さんは、興味深い例を話す。
「心身とも健康ならば、老化は穏やかに進む。
同じ70歳でも、若く見えたり、年齢以上に見えたりする。
理由は、血液の健康状態。
血液は、健康の土台で、細胞に元気を与える。
血液の流れをマッサージなどで促し、本来の状態にすることで、
老化現象を遅らせることができる」

問い合わせは、ロイヤルマイスター(078・331・5075)。
プロ、アマのスポーツ選手のコンディションづくり、
ケアなどの相談にも応じている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119257/

鈴木寛・文科副大臣 「高度な看護師」の必要性を訴える

(2010年4月21日 Japan Medicine(じほう))

再来年度、亀田医療大学(仮称)の開学を目指す
千葉県鴨川市の学校法人鉄蕉館(亀田省吾理事長)は、
「地域における医療者育成」をテーマとしたシンポジウムを開いた。

同大学は、看護学部単独でスタートを切る予定、
講演した鈴木寛・文部科学副大臣は、
高度な看護師を養成することは、「国家的命題」だと強調。
メディカルツーリズムの観点から、鴨川市が海外の患者を
受け入れる上で、最適の地であるとの認識を示した。

鈴木副大臣は、国内の医師や看護師が不足しているとの考えを示し、
「(医師が足りない中で)医者に言われた通り、
的確に処置をする高度な看護師が必要。
(現在の)看護師と医者の間ぐらいの、技だけで言えば
医者を凌駕するような『スーパー看護師』を養成するのが、
この国の国家的命題」

学校法人鉄蕉館を支える亀田メディカルセンターには、
看護師を育成する能力や教育人材がそろっているとし、
「モデルケースをやってもらいたい」と期待感。

鈴木副大臣は、亀田メディカルセンターが国際的な病院品質基準
JCIを取得したことや、成田空港からのアクセスの利便さを挙げ、
鴨川市が、メディカルツーリズムの最適な受け入れ地になる。

亀田医療大学は、2012年4月の開設を目指している。
統合される市立鴨川中学校の跡地が、市から無償貸与され、
定員80人の看護学部を設置する予定。
総工費は、16億円程度を見込む。
すでに運営している亀田医療技術専門学校は、そのまま存続。

亀田理事長は、「亀田メディカルセンターにとっても、
看護師の充足は最重要課題。
地域が幸せであるためにも、医療者の育成は欠かせない。
(新設大学では)幅広い形での医療者育成を考えている」と抱負。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/21/119287/

脳トレ、効果に疑問…英で1万人実験

(2010年4月21日 読売新聞)

コンピューターを利用した脳トレーニング(脳トレ)は、
健康な人の思考力や記憶などの認知機能を高める効果は
期待できないことが、ロンドン大学などの1万人以上を
対象にした実験で分かった。

脳トレは、世界的ブームになっているが、
大規模な検証はほとんどなかった。
英科学誌ネイチャーで21日発表。

18~60歳の健康な1万1430人を、三グループに分け、
英国で販売しているコンピューターゲームをもとにした脳トレを、
1日10分、週3日以上、6週間続けてもらい効果を調べた。

最初のグループは、積み木崩しなどを使った論理的思考力や
問題解決能力を高めるゲーム、
もう一つのグループは、ジグソーパズルなどを使った
短期記憶や視空間認知力を高めるゲームをした。
残り一つは、脳トレとは無関係のゲームを行った。

その結果、脳トレを続けたグループでは、ゲームの成績は向上したが、
論理的思考力や短期記憶を調べた認知テストの成績は
ほとんど向上せず、3グループ間で差がなかった。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/21/119313/

初挑戦で最高位に 大船渡高出身の西村さん、ブルクハルト国際音楽コンピアノ部門で第1位

(東海新報 4月24日)

有能な演奏家の発掘をめざす
「第7回ブルクハルト国際音楽コンクール」のピアノ部門で、
大船渡高校出身の西村元希さん(23)が最高位の第1位に。

昨年、東京の音大を卒業した西村さんは、各種オーディションや
ピアノコンクールで、多数の入賞歴を誇る新進気鋭のピアニスト。
現在、東京を拠点に活動、夏には県内で開かれるコンサートに
〝凱旋出演〟する予定。

同コンクールは、ピアノ、声楽、歌劇、室内楽、管弦楽の作品を
作曲し、クラシック音楽界に貢献したスイスの作曲家、
ウィリー・ブルクハルトの功績を記念し、平成18年から開催。
有能な演奏家を発掘・育成し、音楽文化の発展向上に
寄与することを目的に、ピアノ・弦楽器・管楽器・声楽・室内楽の
5部門で実施。

第7回コンクールのピアノ部門には、全国から43人が出場。
8分以内の自由曲演奏による予選を経て、32人が
昨年10月30、31日に行われた本選に進み、
12分以内の自由曲で演奏技術や表現力を競った。

ピアノ部門は、過去6回のコンクールで2回しか第1位受賞者が
出ていないというレベルの高さ。
今回も第2位、第5位が「該当者なし」となるなど、
出場者の実力が厳しく審査。

西村さんは本選で、リストの「ハンガリー狂詩曲第12番嬰ハ短調」を演奏。
前打音を強調した力強い主題やテンポの遅い即興風の主題などで
構成された楽曲を、緩急自在の巧みな鍵盤さばきで華麗に弾きこなし、
同コンクール初挑戦で、見事第1位を獲得。

今月10日、東京都のムーブ町屋コンサートホールで、
表彰式と入賞者による演奏会が行われ、西村さんはショパンの
「英雄ポロネーズ」など2曲を披露。

西村さんは、花巻市生まれ。
音楽好きの母親の勧めもあり、同市内の自宅近くにあった
ヤマハ音楽教室で、6歳からピアノを始めた。

小学5年生の時、父親の実家のある三陸町越喜来に転居し、
以後、大船渡高校を卒業するまでの間、同市の教室に通い続けた。
この間、ショパン国際コンクールで最優秀演奏賞を受賞、
小澤征爾氏ら著名指揮者との協演を重ねている
有森博氏(東京芸大准教授)、末松茂敏氏(フェリス女学院講師)らに
師事し、個人レッスンを受け、腕を磨いた。

高校卒業後、東京音楽大学ピアノ科に入学、
鈴木恭代さんに師事。
在学中、専攻実技選抜演奏会や卒業試験上位者による
ピアノ卒業演奏会に出演、岩手県芸術祭ピアノ部門で
第60回記念賞(特別賞)を受賞するなど、才能を開花。

卒業後、東京芸術国際協会主催の第45回新人オーディションで、
奨励賞を受賞。
昨年行われた第10回ローゼンストック国際ピアノコンクールでは
審査員賞を受けている。

岩手県内各地で開催されたヤマハ音楽教室などの発表会に、
ゲストとして多数出演。
現在、東京を拠点に活動中、楽器店などのコンサートに
ソロ、ジョイントで出演。

今回の第1位獲得について西村さんは、
「非常に光栄なこと。1位の栄誉に恥じないよう今後も精進し、
岩手にもクラシック音楽を広げていきたい」

西村さんが〝凱旋出演〟する東京音楽大学岩手支部
第8回コンサートは、7月16日(金)に盛岡市民文化ホールで。
8月22日(日)、奥州市文化会館Zホールで有森氏と共演する
コンサートも予定、県内クラシックファンの注目を集めそう。

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2010年4月27日火曜日

「医療は連携」実践教育

(2010年4月20日 読売新聞)

医療の高度化に伴い、様々な専門職が連携して診療にあたる
「チーム医療」の必要性が高まっている。
医学生のうちから、チームで医療を行う大切さや技術を学ぶ
取り組みを見た。

「ヤバいよ……。どんどん患者が重症化してる!」
「看護師役の俺たちじゃ診察できないし、医師役はどこに行ったんだ?」
日本医科大の大教室。
感染防御用のマスクやガウンに身を包んだ医学生二十数人が
走り回っていた。

この日行われたのは、学生が医師役1人、看護師役2人、
看護助手役1人の計4人でチームを作り、病棟を担当する体験型授業。
強毒性の新型インフルエンザが、世界的に大流行する
「パンデミック」が起きたと想定。
同大医療管理学教室の秋山健一助教を中心に、
米 ピッツバーグ大で感染症危機管理教育として導入された
演習をもとに、日本の事情に合ったプログラムを開発、
今年初めて実施。

「感染症への対応という、医療の基本を身につけるとともに、
チーム医療の大切さを理解してもらうのが狙い。
体験型授業では、学生が身をもってその重要性を学ぶことができる」

授業の仕組みはこうだ。
大教室を病院に見立て、「病棟」、「集中治療室」、
「ナースステー ション」、「霊安室」などのスペースに区切る。
病棟スペースには、幾つもイスを並べ、
その上に人の上半身を描いた厚紙を置く。
胸ポケットの部分に、教員が「医師の診察」、「食事」など
患者の状態や必要な処置を記した札を入れていく。
学生は、患者と同じ札をナースステーションに取りに行き、
胸にある札に重ねると、処置が終了。
すると、新たな札が入れられて、患者の状態は刻々と変化していく。

この日は、「点滴」が足りなくなったり、「集中治療室」が満床と、
学生は大苦戦。
死亡診断など、医師にしかできない処置が多いため、
他職種の手が空いていても対応できない患者がたまり、
重症化させる例が目立った。

15分間の演習後、各チームが対策を検討。
「医師は、医師にしかできないことに専念する」、
「『嘔吐』など、看護助手にできる札が出たら声掛けをする」など、
役割分担やコミュニケーションに工夫が図られ、
後半はスムーズに対応できるチームが増えた。
授業後のアンケート(2、3年生約200人)でも、
「他職種とのチームワークの重要性を実感した」と回答する
学生が最も多かった。

チーム医療の教育に取り組む動きは、他にもある。
文部科学省、「がんプロフェッショナル養成プラン」事業では、
全国94の医療系大学が参加。
がんの専門医や専門看護師などの養成を目指し、
大学院で、多職種連携の実践型教育を始めている。

「日本ではスローガンばかりで、教育手法の開発が不十分」、
各国の医学教育に詳しい長谷川敏彦・同大教授は指摘。
米国ではここ数年、膨大な知識を詰め込むだけでは
実地医療に役立たないとして、学生が主体的に参加し、
考えられる模擬訓練型の教育プログラムの開発・導入が盛ん。

長谷川教授は、「チーム医療を推進するには、
多職種の医療スタッフが連携し、患者と一緒に問題を考え、
解決していくという医療の姿を明確にする必要もある

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119261/

採血せずに尿素測定…岡山理大教授ら開発

(2010年4月20日 読売新聞)

医療機器メーカー・協和ファインテック(岡山市東区、橋本明典社長)
は、透析治療を受けている患者の排液中にある尿素を、
リアルタイムに測定する装置を、
岡山理科大の中川益生教授らと共同で開発。

透析治療では、効果を確認するため、一般的に患者から
透析前と透析後に採血を行うが、同装置を使えば、
採血なしでも効果が分かり、患者の負担軽減にもつながる。

中川教授らと、3年前から共同研究を始めた。
尿素が、塩素や臭素などからできた特殊な試薬で化学発光する
原理を応用し、装置を透析機に接続。
排液と試薬を反応させ、発する光を電気信号に変換し、
尿素の濃度を測定する。

透析治療中に尿素濃度が下がったことが分かり、
治療の効果が確認できる。
透析時間を短縮することも可能。
測定は、最小2分間隔。
同社は、薬事法による医療機器としての承認を受け、
3年後をめどに製品化する方針。

尿素が試薬に反応しての発光は、50分の1秒という短時間で終わり、
装置が光を正確にとらえるためにも、安定して発光させる
技術の開発が課題。
中川教授は、試薬をタイミング良く排液に混ぜるシステムを
開発することで、課題を解決した。

同社は、「透析機も作っており、今後、測定装置を広めて、
医療機器事業を拡充したい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119258/

街に活気、市日幕開け 奥州・江刺の蔵町モール

(岩手日報 4月22日)

奥州市江刺区の「えさし蔵まち水曜市」
(奥州商工会議所江刺支所主催)は、同区中町と南大通りの間の
歩行者専用道路「蔵町モール」(約100m)で始まった。
新鮮な野菜や総菜などが店頭に並び、
多くの来場者で活気にあふれた。

水曜市には農家をはじめ、沿岸の海産物販売、衣類、日用品などの
販売業者ら32個人・業者が登録。
初日は、約30店が出店、オープニングイベントとして
ティッシュペーパーの先着プレゼントや、
もちの無料振る舞いが行われ、盛り上がった。

同区岩谷堂の菊地クリさん(85)は、「野菜、もち米、花など購入した。
みんなの顔を見ながら、会話するのが楽しい」と
今年の幕開けを喜んだ。

水曜市は、2002年にスタート。
今年は、11月24日まで計32回を予定。
時間は、4~9月が午後1時から同5時まで、
10、11月が午後1時から同4時まで。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100422_7

宇宙に「声」届いた!吉浜小児童が参加 野口飛行士との交信イベント

(東海新報 4月24日)

国際宇宙ステーションに長期滞在している
宇宙飛行士・野口聡一さんとの交信イベントが22日夜、
大船渡市民文化会館・リアスホールで行われた。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の施設があった
吉浜小学校の5、6年生18人が、テレビ会議システムを使って会話。
多くの市民らが見学に訪れ、宇宙を身近に感じていた。

交信イベントに参加したのは、「銀河連邦共和国」に加盟している
大船渡市をはじめ、北海道大樹町、秋田県能代市、
神奈川県相模原市、長野県佐久市、鹿児島県肝付町の
計6市町の子どもたちと各首長。
今回のイベントは、新たに気球観測所が整備された
大樹町の加盟を記念し、JAXAなどが主催。

JAXAは一昨年まで、三陸町吉浜にあった気球観測所で
各種実験を行ってきた。
閉所後も、宇宙科学の普及活動などについて
大船渡市と連携を進めることにしており、同市は、
「サンリクオオフナト共和国」として、現在も銀河連邦に加盟。

国際宇宙ステーションに滞在している野口宇宙飛行士と6共和国は、
専用回線で結ばれた。
リアスホールでは、吉浜小学校の5、6年生児童18人と
甘竹勝郎市長らが参加。
大ホールは、一般住民の見学用にも開放、
親子連れら約100人が詰めかけた。

テレビ会議システムのカメラを前に、吉浜小の子どもたちは
やや緊張した表情を見せていたが、宇宙ステーションにいる
野口さんの姿がスクリーンに映され、6会場全員による
あいさつの声が野口さんに届くと、歓声が上がった。

交信中は、各会場の子どもたちが順番に質問。
吉浜小を代表し、6年生の赤坂亜美さんは、
「宇宙に行って、素晴らしいと感じたことは何ですか」と問いかけ、
野口さんは、「本当に地球は美しい。
地球は、毎日生きている素晴らしい生命体だな、と感じました

6年生の東玲人君は、「宇宙に絶対に持っていってはいけない
飲食物はありますか」と質問。
野口さんは、国際宇宙ステーションに持ち込んだ刺身や
お好み焼きなどを見せた上で、「炭酸飲料は広がっちゃうのでダメ」

野口さんは、「あと1カ月ほど滞在します。
地上に帰ったら、何らかの形で皆さんとお話ししたいですね」、
再会に期待を寄せた。
野口さんとの親近感を深めた児童は、交信が終わるまで
手を振り続け、国際宇宙ステーションでの任務にエールを送っていた。

http://www.tohkaishimpo.com/

2010年4月26日月曜日

Muse細胞:第3の多能性幹細胞、皮膚から発見 がん化恐れ低く

(2010年4月20日 毎日新聞社)

大人の皮膚や骨髄の中に、さまざまな細胞になる能力を持つ
多能性幹細胞があることを、東北大と京都大などの
研究チームが発見。分離・培養も成功。

胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)に続く
多能性幹細胞の可能性があると、「Muse(ミューズ)細胞」と命名。
既知の2種類に比べ、増殖率は劣るが、がん化の恐れは低く、
医療への応用が期待。
成果は、19日付の米科学アカデミー紀要に発表。

研究チームは、ヒトの骨髄や皮膚に含まれる細胞中に、
ごくまれに現れるES細胞に似た細胞に着目。
濃縮・培養すると、神経や筋肉、肝臓などの細胞に分化。
無限に増えるES細胞やiPS細胞と違い、2週間ほどで増殖が止まった。

マウスの損傷した皮膚や筋肉、肝臓に投与すると、
それぞれの組織の細胞になった。
精巣に移植すると、ES細胞では8週間後に腫瘍ができたが、
Muse細胞は半年たっても腫瘍化しなかった。

研究チームの出沢真理・東北大教授(幹細胞生物学)は、
「元々、生体内にあり、安全性が高い可能性がある。
自分の細胞を移植する、といった医療に応用できるのではないか

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119255/

トランス脂肪酸:消費者庁が含有量表示へ指針

(2010年4月19日 毎日新聞社)

マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸が、
心臓疾患などのリスク要因として注目。
消費者庁が、その情報開示のガイドラインづくりに乗り出した。
たんぱく質、炭水化物など、基本的な栄養成分の表示さえ
義務化されていない。
その段階でなぜ、トランス脂肪酸だけが優先されるのか?
「まずは栄養成分の表示を」という声。

トランス脂肪酸は、マーガリンのほか、菓子パン、クッキー、ドーナツ、
ケーキ類などに多く含まれる。
サクサクした食感が出るメリット。
欧米では、とり過ぎると悪玉コレステロールが増え、動脈硬化など
心臓疾患のリスクが高くなるとの報告。
03年、WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)の
合同専門家会議が示した目安。
「1日の総エネルギー摂取量に占めるトランス脂肪酸の比率を、1%未満に」

日本人の摂取量はどの程度か?
食品安全委員会によると、1日平均摂取量は国民健康・栄養調査の
食品摂取量から推定0・7g、総エネルギーに占める比率は0・3%。
米国では、1日平均摂取量が5・8g、同比率は2・65%、
注意目安の1%未満を超えている。
EUでも、日本人より摂取量は多い。

福島瑞穂消費者担当相は今夏をめどに、食品中に含まれる
トランス脂肪酸の含有量を、企業に自主開示させる
ガイドラインづくりをする方針。
消費者団体や専門家から、疑問の声が出始めた。

日本生活協同組合連合会(約500生協加盟)の
鬼武一夫・安全政策推進室長は、「トランス脂肪酸表示は、
生協連の中でも優先度は高くない。
欧米では当たり前の栄養成分表示こそが重要

心臓疾患のリスクを高める要因は、バターや肉類などに多い
飽和脂肪酸やコレステロール、塩分、アルコールの取り過ぎ、
喫煙、高血圧、肥満など。
トランス脂肪酸は一要因に過ぎない。
日本では脂肪、炭水化物、たんぱく質、食塩、食物繊維など、
基本的な栄養成分の表示すら義務化されていない。

畝山智香子・国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第3室長は、
消費者庁主催の公聴会で、「日本では、トランス脂肪酸の摂取が
心臓疾患の死亡を増やしているデータはない。
塩分の取り過ぎや高血圧に気をつけることの方が重要

トランス脂肪酸の含有量だけを開示させると、
別の健康リスクが生じる可能性が。
パーム油が原料のショートニングを使えば、トランス脂肪酸は減る。
飽和脂肪酸が増えてしまい、健康へのリスクは高くなる。

川端輝江・女子栄養大教授は、「日本人は、飽和脂肪酸の
取り過ぎの方が問題」と指摘、「摂取量の少ないトランス脂肪酸の
含有量を開示しても、健康増進にはほとんど寄与しない」

日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の
蒲生恵美・食生活研究会代表は、「トランス脂肪酸だけを悪者にすると、
『これさえ控えれば大丈夫』と消費者をミスリードしかねない」と懸念、
「食品の栄養成分を、総合的に判断できるような表示が
優先されるべきだ」
……………………………………………………………………
◇トランス脂肪酸

植物油は常温で液体だが、水素を加えると、
マーガリンのように固体になる。
そのプロセスで生成される。
牛乳やバターなど天然の乳製品にも含まれるが、企業の技術開発で
含有量は減っている。
家庭用マーガリンでは100g当たり平均含有量は1・8g、
4年前に比べ約4分の1(日本マーガリン工業会調べ)。
ミスタードーナツでも、ドーナツ1個あたり約0・2g、
3年前に比べ8割近くも減らしている。
……………………………………………………………………
■主な食品中のトランス脂肪酸含有量 (100gあたりの量。単位g)

食品        平均      最小~ 最大
ショートニング  13.6     1.15~31.2
マーガリン     7.00    0.36~13.5
クリーム類     3.02    0.01~12.5
バター        1.95    1.71~ 2.21
ビスケット類    1.80    0.04~ 7.28
マヨネーズ     1.24    0.49~ 1.65
チーズ        0.83    0.48~ 1.46
ケーキ類      0.71    0.26~ 2.17
菓子パン      0.20    0.15~ 0.34
※クリーム類は、クリームや乳を原料とする加工食品や
コーヒー用のクリーミングパウダーなど

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/19/119182/

免疫学者、エッセイストの多田富雄氏が死去

(2010年4月21日 読売新聞)

世界的な免疫学者で、エッセイストとしても知られた
多田富雄さんが21日、前立腺がんで死去。76歳。

偲ぶ会は6月18日午後6時30分、東京会館。
喪主は妻、式江さん。

茨城県生まれ。千葉大医学部で学んだ。
免疫の仕組みで重要な働きをするサプレッサー(抑制)T細胞を発見、
1971年の国際免疫学会で発表、ノーベル賞級の業績と評価。
国際免疫学会連合会会長などを歴任。
84年、文化功労者。

免疫学を土台に、独自の生命論、文化・社会論を展開、
文筆業でも活躍した。
93年、「免疫の意味論」で大佛次郎賞、
2000年、「独酌余滴」で日本エッセイスト・クラブ賞を受けた。

01年、脳梗塞で倒れ、右半身まひとなったが、
左手だけでパソコンを操り、多数の著作を刊行。
08年、闘病の日々を描いた「寡黙なる巨人」で、小林秀雄賞。
新作能の作者としても知られ、相対性理論を題材とした
「一石仙人」などを発表。

06年、リハビリテーション医療に日数制限を設けた医療保険の
診療報酬改定に抗議、制限撤廃を求める44万人分の署名を
厚生労働省に提出。
最晩年まで、社会に積極的に働きかける姿勢は変わらなかった。

◆解剖学者、養老孟司さんの話

「自然科学は一種の美的感覚だが、多田さんは文章でも日常生活でも、
美しいものに対する感性が優れていた。
彼の文章は、冗舌な現代には珍しい、削り込んだ言葉の表現。
能の美しさに引かれたのも、同じ感性から。
病気をしていなければ、もっと活躍できた人だった」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/22/119354/

スポーツ立国戦略:ヒアリング終了 地域振興にも配慮

(毎日 4月20日)

長期的な国のスポーツ施策の方向性を示す
「スポーツ立国戦略」を策定するため、文部科学省が実施した、
5回に及ぶスポーツ関係者からのヒアリングが終了。

民主党に政権交代後、初めての予算編成は
トップスポーツ重視の色合いが濃かったが、
今回のヒアリングでは、地域スポーツに配慮する方向性も垣間見えた。

10年度予算では、チーム「ニッポン」マルチサポート事業に、
前年度の6倍近い約18億8400万円が計上、
国際競技力向上を目的とする事業が優先された形。
もともと民主党は、09年「政策集インデックス」で、
地域スポーツを重視する方針。

鈴木寛副文科相は、ヒアリングの席で
「すそ野が広がれば、トップは強くなる。
トップが強くなれば、すそ野は広がる」として、
元トップ選手が地域の総合型スポーツクラブの指導者となれる
体制づくりの必要性などを指摘。

出席者からも、「受け皿がなければ、安心してトップを目指せない」
(北京五輪陸上銅メダリスト、朝原宣治氏)、
現役引退後のセカンドキャリアの充実を求める声が相次いだ。

トップの強化に関して、バンクーバー五輪で、
韓国がスケート競技を集中的に強化して躍進したことを受け、
鈴木副文科相が、「韓国は(強化する競技の)『選択と集中』を
やっているという話を聞く」

JOCの市原則之専務理事は、「育てる部分も必要」と
理解を求めたが、文科省は既にこの3月、幹部が韓国を視察。
メダルが有望な競技を重視する方針を打ち出す可能性も。

文科省は、来年度予算に反映させるため、
今夏までにスポーツ立国戦略の方向性を打ち出す予定。
スポーツ振興における国の役割を定める「スポーツ基本法」や、
スポーツ行政を一元化するために設置が検討されている
スポーツ庁の在り方も検討。

◇ヒアリングの主な出席者

朝原宣治・08年北京五輪陸上銅メダリスト
平尾誠二・元ラグビー日本代表監督
古田敦也・前プロ野球・ヤクルト監督
山下泰裕・84年ロサンゼルス五輪柔道金メダリスト
岡部哲也・92年アルベールビル五輪スキーアルペン代表
河合純一・96年アトランタ、00年シドニー、04年アテネパラリンピック競泳金メダリスト
市原則之・日本オリンピック委員会専務理事
岡崎助一・日本体育協会専務理事
梅村和伸・全国高体連専務理事
飯田稔・全国体育系大学学長・学部長会会長
伍藤忠春・日本障害者スポーツ協会副会長

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20100421k0000m050081000c.html

2010年4月25日日曜日

研究費1千万円→市民講座を年1回 研究者に義務化?案

(朝日 2010年4月19日)

国から1千万円の研究費をもらったら、年1回、子どもや市民に
自分の研究をわかりやすく説明する――
来年度以降、研究者がこんな必要に迫られる可能性。

政府の総合科学技術会議の調査会で、
2011年度から始まる科学技術基本計画の素案が示され、
「1千万円以上の研究費を得た研究者には、
小中学校や市民講座でのレクチャーなどの
科学・技術コミュニケーション活動への貢献を求める」との文言。

発表する研究論文には、一般向けにもわかりやすい
数百字程度の説明を添付することも求める。

内閣府の津村啓介政務官(科学技術担当)は、
「これから研究費を交付する方に、お願いすることを考えている」、
具体的な制度の検討に入った。

内閣府によると、英国では一部の研究費で1年に1回、
一般向けに内容を説明することを求めている。

総合科学技術会議の地方開催で傍聴者から、
こうした制度の導入の必要性が指摘、検討するきっかけに。

文部科学省の科学研究費補助金だけでも、
年5万人の研究代表者に平均300万円支給、
データベースによると、1千万円以上の支給が採択された研究が
年間1万件前後あり、対象は相当数に上りそう。

昨年の事業仕分けで、科学事業に厳しい判定が相次ぎ、
科学界からは反発を招いた。
津村政務官は、「科学者と国民のコミュニケーション不足を痛感」、
「民主党の科学政策が見えないとの批判があるが、
面白いアイデアはすぐに実行に移している」とアピール。

http://www.asahi.com/science/update/0419/TKY201004190202.html

遺伝資源:開発利益どう配分? 途上国と先進国の根深い対立

(毎日 4月19日)

医薬品や化粧品、食品は、私たちが生活するのに
欠かせない存在だが、その多くは「遺伝資源」と呼ばれる
動植物や微生物などを利用して開発。
そこで浮上した課題が、企業などが遺伝資源を使って
利益を得た際、提供側に利益をどう公平に配分するか。

各国は、その枠組みとなる議定書を、10月に名古屋市で
開かれる国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)
採択することを目指す。
遺伝資源を提供する途上国と、科学技術を生かして
遺伝資源を利用する先進国の対立は根深い。
「名古屋議定書」の行方は不透明。

この問題をめぐる交渉は、01年「ABS(遺伝資源へのアクセスと
公平な利益配分)作業部会」が設置されて本格化。
9回目となる作業部会は、コロンビアで3月22~28日に開かれ、
各国の政府代表や非政府組織(NGO)など約500人が出席。

直前には、「遺伝資源を提供する国に、利益が確実に
配分されるよう、締約国は国内法を整備する」、
「法的拘束力のある議定書の採択を目指す」などとした
議定書素案が各国に提示。
交渉の進展が期待されたが、対立解消の兆しはなかった。

途上国は、先進国に遺伝資源の出所の明記など、
原産国から持ち出された遺伝資源が最終的に製品化されるまでを
追跡できる仕組みが必要と主張。
先進国は、出所の開示は議定書の規定ではなく、
個別契約による柔軟な対応を提案。
提供国側の国内法整備と透明性確保を求めた。
多くの途上国は、法的整備が進んでいない。

遺伝資源から得られる利益についても、途上国はその対象を、
微生物が作り出した化合物に手を加えた「派生物」に拡大するよう
訴えたが、先進国は「個々の契約で対応すべきだ」と対立。

26日、南アフリカ代表が仕切り直しを求めて席を立ち、交渉が中断。
議定書の原案だった文書には、「議定書の原案は交渉しておらず、
今後も各国が修正する」との注釈を付けて閉幕。
この作業部会は、COP10前の最後の交渉の場として設定。
このままでは、COP10で議定書採択の見通しが立たなくなるため、
6月に再開することで、何とか議論継続が決まった。

交渉を見守ったバイオインダストリー協会の
炭田精造・生物資源総合研究所長は、
「途上国と先進国の隔たりは、依然大きい。
COP10は、困難な交渉となる」

遺伝資源をめぐる対立の歴史は長い。
条約が発効する93年以前、遺伝資源を利用するための
国際ルールはなく、誰でも自由に利用できた。

遺伝資源探索企業「ニムラ・ジェネティック・ソリューションズ」(東京)の
二村聡社長は94年、マレーシアで開かれた
国際シンポジウムでの出来事が忘れられない。

米国の研究者が、抗がん剤を植物から探す共同研究を、
東南アジアと実施していると成果を発表した直後、
バイオパイレーツだ」と非難。
バイオは生物、パイレーツは海賊を意味する英語。

02年、ABSの手続きの大枠を定めた自主的指針
「ボン・ガイドライン」ができたが、途上国は法的拘束力のある
枠組みが必要と主張。

「先進国は、我々の資源を使って収益を上げている」と途上国は強調、
先進国も、「この分野では、途上国に利益を還元しにくい事情がある」
医薬品の場合、開発に十数年要することも珍しくなく、
成功しないことすらある。
遺伝資源の利用に厳しい制限がかかると、資源開発自体が進まず、
先進国は、「途上国への利益配分もできなくなる」と理解を求める。

今回の作業部会で、途上国は議定書の適用時期について、
生物多様性条約発効前までさかのぼるよう主張。
アフリカの一部から、「大航海時代(15~17世紀)まで
さかのぼってほしい」との声。

二村さんは、「植民地支配を受けた途上国が、資源を収奪された、
という思いが根強く、今も変わっていない。
歴史的な背景を理解する必要がある」と解説。

◇独立行政法人通じた連携強化 「相手国との信頼が大切」

現在、国内の企業や研究機関は、どのように遺伝資源を探索し、
途上国との連携をどう強化しているのか?

飲料メーカー「カルピス」は07年、モンゴルの遊牧民族の
約40家庭を訪れ、伝統食品の発酵乳などを集めた。
発酵乳の味を作り出す乳酸菌と酵母を取り出すのが狙い。
分離した乳酸菌118種、酵母111種はすべて既知だったが、
同じ種でもたんぱく質の分解力などに違いのあることが分かり、
将来の新商品開発に役立つと期待。

この調査は、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」
が公募した官民共同プロジェクトの一つ、
モンゴルとの事前交渉は、独立行政法人
「製品評価技術基盤機構(NITE)」が担当。

カルピス健康・機能性食品開発研究所の安田源太郎主任は、
企業が事前交渉すれば、膨大なお金と時間がかかる。
今回は、応募から実施まで半年足らずで済んだ

NITEが、モンゴルの研究機関と結んだ契約によると、
遺伝資源の所有権はモンゴル側にある。
発酵乳の収集やそこから乳酸菌などを取り出す「分離」という
技術力の育成に協力する。
遺伝資源は、NITEとモンゴルの研究機関で保管し、
カルピスは1年契約で借りて研究。
今回の利用料は1株500円、NITEを通してモンゴルに支払われる。
将来、カルピスが商業利用した場合、
売り上げの一部をモンゴルに支払う。

NITEは、ボン・ガイドラインができた02年以降、
モンゴルだけでなく、インドネシアやベトナムなど資源国と、
微生物資源の保全と持続的利用に関する覚書を交わした。
現地の研究機関と共同研究契約を結び、
微生物の収集・保全に取り組んでいる。
集めた微生物約1万9000株は保管され、年間契約を結んだ
日本企業に提供。
安藤勝彦・参事官は、「地道に信頼関係を築くことが大切」

財団法人「バイオインダストリー協会」と経済産業省は、
途上国と協力が円滑に進むよう、ボン・ガイドラインに基づいた
「遺伝資源へのアクセス手引」を作成。
独自に、海外の遺伝資源取得に取り組む国内企業や大学などの
相談窓口も設けている。
==============
<遺伝資源をめぐる動き>
92年 5月 生物多様性条約採択
93年12月 条約発効
02年 4月 COP6でABS指針「ボン・ガイドライン」を採択
     8月 環境・開発サミットで、新たなABSの枠組み交渉開始を決定
06年 3月 COP8でCOP10までに枠組みの結論を出すと決定
10年 3月 作業部会で議定書原案を協議
     6月 再開作業部会
    10月 COP10
*COPは条約締約国会議、それに続く数字は開催回を指す
==============
◇生物多様性条約

生物多様性の保全と持続可能な利用を目指し、92年に採択。
気候変動枠組み条約とともに、「双子の条約」と呼ばれる。
現在の締約国は、193カ国・地域。
米国は、遺伝資源の利用に規定を設けることはバイオ産業への
影響が大きいなどとし、批准していない。

◇ボン・ガイドライン

「遺伝資源へのアクセスと公平な利益配分(ABS)」の手続きの
大枠を定めた自主的指針。
企業などが遺伝資源を持ち出す場合、先住民や地域社会に
事前同意をとることや、公平な利益配分をするための
基本的な考え方や奨励手続きを規定。

http://mainichi.jp/select/science/news/20100419ddm016040008000c.html

目指せ「世界ジオパーク」各地で取り組み活発化

(読売 4月19日)

地球の成り立ちを知るうえで貴重な地形などを保護し、
自然公園として活用する「世界ジオパーク」を目指す
動きが活発化。

室戸(高知)など8地域が、国内で初認定を受けた
昨年の糸魚川(新潟)などに続こうと準備を進め、
秩父(埼玉)など、20地域で推進協議会が発足するなどの
動きが出ている。

これまで、国内で世界ジオパークに認定されたのは、
大断層で知られる糸魚川と、地殻変動の跡が観察できる
洞爺湖・有珠山(北海道)、火砕流の猛威を伝える
島原半島(長崎)の3地域。
認定証の授与が、マレーシアで行われた。

これに続くと期待されているのが、
室戸や山陰海岸(京都、兵庫、鳥取)、阿蘇(熊本)など、
「日本ジオパーク」の認定を受けた8地域。

日本初の認定でジオパークが知られるようになり、
世界遺産のように観光客誘致にもつながるとの期待から、
活動に弾みがついている。

室戸では、地震隆起の跡や太古の地層があることを
知ってもらおうと、案内板を整備。
今年度に海岸部の遊歩道を整備するなど、
積極的な姿勢を示し、「世界」で認定を受けようと
取り組みを加速させる。

「日本ジオパーク」認定機関の日本ジオパーク委員会などによると、
秩父、下仁田(群馬)、磐梯山(福島)など、少なくとも20地域も
「世界認定」を目指し、推進協議会や研究会をつくるなど。

秋田県八峰町は、白神山地が「世界自然遺産」になっているが、
世界ジオパークの認定も目指す。

町の担当者は、「『世界』の冠が二つそろえば、
世界レベルの自然公園と肩を並べることができ、
観光客誘致に弾みがつく」

認定のための審査は、地質や地形の価値に加え、
地域が普及・教育活動をいかに活発に進めているかが、
重要なポイント。

糸魚川では、市が大断層「フォッサマグナ」を、
観光や学校教育に活用する取り組みを進めてきた点が高く評価。
日本ジオパーク委員会事務局の渡辺真人さんは、
「各都道府県で、最低1地域は日本ジオパークに認定されるよう、
地域を支援していく」

◇世界ジオパーク

貴重な地形や地層が残る地域を、国際的に認定した地質遺産公園。
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の支援する
「世界ジオパークネットワーク」(パリ)が認定。
19か国の64地域が登録。
普及活動が少ないと、認定取り消しも。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100418-OYT1T00327.htm

若年性パーキンソン病:ミトコンドリアの異常蓄積が原因

(2010年4月20日 毎日新聞社)

20-30代で発症する神経難病「若年性パーキンソン病」が
起きる原因を、東京都臨床医学総合研究所の
田中啓二所長代行と松田憲之研究員らが突き止めた。

二つの遺伝子が働かず、細胞内の小器官「ミトコンドリア」の
不良品が蓄積することで発症している可能性が高い。
19日付の米科学誌ジャーナル・オブ・セル・バイオロジーに発表。

国内のパーキンソン病の患者は約15万人。
大半は高齢になって発症するが、若くして発症する
若年性パーキンソン病もある。
研究チームは、若年性パーキンソン病の特徴を持つマウスから
採取した細胞と、正常マウスで遺伝子などの働きを比較。

その結果、正常マウスでは、ミトコンドリアに異常が起きると、
2種類の遺伝子が関連して働き、異常ミトコンドリアが分解。
病気マウスの細胞では、遺伝子が働かず、
異常ミトコンドリアが細胞内に蓄積。

これらの2遺伝子が異常になると、若年性パーキンソン病が
起きることが知られているが、具体的な働きは分かっていなかった。

高齢患者の発症と若年性は症状が似ているため、
発症原因には共通性があると考えられている。
松田さんは、「二つの遺伝子が、ミトコンドリアの品質管理に
不可欠であることが分かった。
この発見が、パーキンソン病全般の新たな治療法につながってほしい」

J Cell Biol. 2010 Apr 19;189(2):211-21.
PINK1 stabilized by mitochondrial depolarization recruits Parkin to damaged mitochondria and activates latent Parkin for mitophagy.

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119224/

2010年4月24日土曜日

インタビュー・環境戦略を語る:ザ・ボディショップ ソフィー・ギャスペルマンCEO

(毎日 4月19日)

世界64カ国に2500店舗を展開する英国の化粧品専門店
「ザ・ボディショップ」の企業理念は、環境保護。
天然原料を安定調達するため、貧困地域の農家と
公正な価格で取引し、生産方法も支援するなど、
独自の取り組みを展開。
日本出店20周年を記念して来日した
ザ・ボディショップインターナショナルの
ソフィー・ギャスペルマンCEOに聞いた。

--環境保護に取り組む理由は?

◆1976年創業時から、環境保護に目を向けてきた。
創業者の故アニータ・ロディックは、ビジネスと社会的貢献を
両立させるべきだ、という強い信念。
化粧品の開発過程で行われていた動物実験の反対など、
当時の業界では画期的なコンセプトを掲げた。
89年、森林伐採防止を訴えるキャンペーンを実施、
店頭で署名を集めてブラジル大使館に届けた。
01年、グリーンピースとともに、風力や太陽光など
再生可能エネルギーの使用を訴え、160万人の署名を集め、
国際会議に提出。
環境保護への取り組みは、企業のDNAであり、ブランドの強みに。

--原料の調達で、独自の仕組みを採用。

◆昨年発売した香水の原料に使用しているアルコールは、
南米エクアドルで収穫されたサトウキビからしぼっているが、
単に原料として購入するのではなく、生産方法にも深く関与。
農家には、化学肥料を使わず、収穫を手作業でやってもらっている。
水処理システムや教育設備の導入のお手伝いも。

--なぜか?

教育や情報の不足のため、化学肥料を乱用し、
過剰に森林伐採して、環境汚染を招くことも。
こうした事態を防ぐため、当社は、支援を必要とする貧困地域と
公正な価格で、持続性ある取引関係を築いている。
「コミュニティートレード」と呼び、20カ国・2万5000以上の
生産者から原料を直接購入。
全原料の1割以上をこうした取引で調達し、店頭に並ぶ製品の
約7割に、何らかの形で配合。

--容器も再生可能な素材。

◆もともと店頭で空容器を回収したり、詰め替えできる製品の
販売をしたりしてきたが、日本で自治体のリサイクル体制が
整ってきたことから、容器に再生プラスチックを使うことに
力点を置いている。
配合率は、03年には30%、08年は100%の商品も投入。

--今後の目標は?

倉庫や事務所、店舗のCO2排出量を、15年に09年比で
半減させる目標を検討。
エネルギー効率の高い電球を導入したり、再生エネルギーを
使うことなどで高い目標に挑戦したい。
==============
◇Sophie Gasperment

85年、化粧品の世界最大手、仏ロレアルに入社。
英国子会社CEOを経て、08年6月から現職。45歳。
日本での経営は、イオンの子会社が行っている。

http://mainichi.jp/select/science/news/20100419ddm008020027000c.html

親と向き合う・2(2)「複数担任」で負担軽減

(読売 4月17日)

担任が黒板にチョークを走らせていると、
後ろから話し声が聞こえてきた。
横から目を配る副担任が、「話を聴きましょう」と注意。
群馬県太田市立宝泉中学校では昨年度から、
1年の全クラスで複数担任制を試みている。

背景には、中学校に入学して学校生活になじめない
「中1ギャップ」がある。
保護者対応にも手間がかかり、現場の仕事は複雑化。
学年主任だった斎藤守正教諭(46)は、
「何か、教員が支え合う仕組みがないかを考えた」

県の支援で、教員が1人加配されたこともあり、
1年の4学級すべてで2人担任が実現。
中堅・ベテランと若手がペアを組み、朝の会や帰りの会などの
学級活動では、共に教室に入った。
給食の時間は、受け持ちでないクラスにも行き、
学年全体で情報を共有。

昨春、新規採用教員として副担任に入った本間健介教諭(26)は、
「最初は不安だったが、担任と一枚岩になって
クラスを見ることができた。
1人で思い悩むことはなく、学級運営の勉強にもなった」

東京都新宿区には、校長経験者が若手教員の相談に乗る
授業改善推進員の制度がある。
区教委の非常勤職員として、年に数回、区立の小中学校を訪れ、
1~4年目の若手に授業や学級運営について助言。
新人には、家庭訪問での親との接し方など、初歩的な質問にも答える。

2006年5月、区立小学校の新人女性教諭が、
保護者対応などに悩んで自殺。
周りの教員も忙しく、女性が相談できる環境は十分でなかった。
同年4月、推進員制度は始まっていたが、活動は6月頃から。
この教訓もあり、翌年度からは4月中に1度は新人の様子を見ている。

新年度、区立小学校に配属され、初めて教壇に立つ新人は12人。
9人が担任に就いた。
彼らを見守る推進員の前沢紘一さん(65)は、
「最初は分からなくて当然。
職場になじめるように支えていきたい」

自殺した女性教諭がいた小学校のように、1学年1学級の
小規模校では、担任の日々の負担が大きく、
その支援をどうするかも課題。
教員が、1人で悩まずに済む環境づくりの模索は続く。

◆中1ギャップ

中学校に入学した新1年生が、小学校との環境や授業の変化に
戸惑い、様々な問題を起こすこと。
不登校やいじめに発展することも。
命名した新潟県教委は2006年度から、中学1年の学級を対象に
複数担任制の支援を開始。
今年度は8校が導入。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100417-OYT8T00205.htm

中国の富裕層呼び込め! 福島県、医療観光PR

(2010年4月19日 共同通信社)

福島県は、医療サービスと観光を組み合わせた
「医療観光」のモニターツアーを企画、
招待された中国上海市の一行が、郡山市の病院で
最新のがん検診を体験。
健康意識が高まっている中国の富裕層を、県内に呼び込む狙い、
県は参加者らの意見を参考に商品化を後押し。

ツアーは、15日から3泊4日の日程、
上海市の医療や経済界、旅行会社などから7人が参加。
検診のほか、推定千年以上の樹齢を誇る福島県三春町の
「滝桜」や、会津若松市の若松城(鶴ケ城)観光などを盛り込んだ。

16日の検診は、郡山市の総合南東北病院の関連施設で行われ、
一行のうち3人が約5時間にわたり、がんの早期発見に有効とされる
陽電子放射断層撮影装置(PET)や
磁気共鳴画像装置(MRI)検査などを受けた。

会社経営の40代女性は、検診後「非常に満足した。
院内も五つ星ホテルのようにきれい」と笑顔。
立ち会った上海市の浦南医院医師も、
「日本のように、ゆったり検診を受けられるのはとても良い」

県によると、総合南東北病院と浦南医院は提携、
今回の検査結果は帰国後、中国人医師が説明する。
治療が必要な場合でも、スムーズに処置できる。

県観光交流課の担当者は、「期待半分、不安半分だが、
中国の人を満足させられるようなツアーにしたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/19/119165/

日本、医療の満足度15% 世界22カ国で最低レベル

(2010年4月16日 共同通信社)

日米中など先進、新興22カ国を対象にした医療制度に関する
満足度調査で、手ごろで良質な医療を受けられると答えた
日本人は15%、22カ国中最低レベル。

ロイターは、日本は国民皆保険制度があり、
長寿社会を誇っているとしつつも、
「高齢者の医療保険の財源確保で苦労している」と指摘。

自国の医療制度に満足している人の割合が高いのは、
スウェーデン(75%)とカナダ(約70%)、
英国では55%が「満足」と回答。
韓国、ロシアなどの満足の割合は30%以下。

国民皆保険制度が未導入で、オバマ大統領による
医療保険制度改革の議論で国論が二分した米国は、
回答者の51%が手ごろな医療を受けられると回答。

調査対象は、計約2万3千人。
世論調査会社IPSOSとロイターが、昨年11月から1月にかけ、
インターネットを使い実施。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/16/119063/

2010年4月23日金曜日

親と向き合う・2(1)要望の裏に「悩み」あり

(読売 4月16日)

都立葛飾特別支援学校の卒業式。
卒業証書を受け取る秀男さん(18)(仮名)の姿を見つめながら、
父親(52)は感慨深げに振り返った。
「信頼できる担任に出会えて、本当に良かった」

秀男さんの父親は、中程度の知的障害がある秀男さんの生後、
間もなく離婚し、男手一つで育ててきた。
「息子の自立には、より健常者に近い教育を」との思いから、
小中学校は普通学級に通わせた。

おのずと、求める内容は増えた。
宿題の出し方から授業の進め方まで、学校や教育委員会に出した
要望書は数知れない。
秀男さんは、中学卒業後は特別支援学校に進んだが、
今度は、息子にとって授業のレベルが低いなどの理由で、
クラス替えを求めた。

「担任は、『私は頑張っています』と言うだけ」と父親。
不信感は募るばかり。

秀男さんが2年に進級し、担任が変わったことが転機。
新たに担任になった久保田浩司教諭(44)は、
前任者からの引き継ぎで、秀男さんに要求の多い
父親がいることは知っていた。
「思いの丈を聴き、要望の裏にある悩みを見極めよう」と考えた。

父親の考えが、何ページも書かれた日々の連絡帳。
面談には、通常の4倍、約2時間かけたことも。
やがて見えてきたのは、息子の教育への重圧で、
心労が積もり積もった姿。
「無理をせず、共に歩みましょう」と声を掛けた。

昨年12月、連絡帳に「疲れました。
息子と心中するかもしれません」とSOS。
久保田教諭は、すぐに区役所に相談、
子どもを預ける保護施設を見つけた。

久保田教諭は、「きちんと話を聞き、難しい要求は周りに相談する。
その土台がしっかりしていれば、保護者との信頼関係は築ける」

学校に対する要求が多い親の問題は、
「モンスター・ペアレント」として、過激さが注目された段階を過ぎ、
真意を読み取り、解決策を模索する新たな段階を迎えた。
研究も少しずつ始まって、日本大学の佐藤晴雄教授(社会教育学)は、
苦情を「正当系」、「学校依存系」、「わが子中心系」、「イチャモン系」に
分け、分析を試みている。

4月は、教師が子どもや保護者と関係を築く上で大切な時期。
年度末に掲載されたシリーズ「親と向き合う」に寄せられた
情報や感想をもとに、現場の実践を再考する。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100416-OYT8T00258.htm

化学授業、工夫に光 水沢高教頭の高橋さんに有功賞

(岩手日報 4月14日)

奥州市水沢高の教頭兼主任指導教諭、高橋匡之さん(58)は、
日本化学会による2009年度の化学教育有功賞を受賞。

全国から化学教育に功績のあった5人の教諭が受賞、
本県では4人目となる栄誉。
研究会設立や工夫した教材開発など、
生徒の関心を高める長年の授業実践が認められた。

高橋さんは、県教委が06年度、指導力ある教諭に新設、
指導担当教頭の一人。
工夫した実験による授業が有名で、全国放送のテレビ番組に
出演したことも。

高橋さんは、小規模校に勤務していた1979年、
一人での学習指導に限界を感じ、県内の化学教師に呼び掛け、
研究会「岩手化学サークル」を設立。

活動を記録した「化学通信」は100号を発行、
県内外の教諭と情報交換を進めた。

2000年から、実験教材に関する「化学教材研究会」を年2回開催。
若手教諭も積極的に参加し、研さんの場として定着。

実験のほか、教材も工夫。
独自のテキストには、「ハーバー・ボッシュ法」、
「阿弖流為と黄金文化」など、化学史の背景と解説をまとめた
読み物を掲載し、生徒の関心を引きつける。

「教科書には1行しかない法則や事象の中にある、
化学者の血のにじむ努力を知ってほしい」
生徒の感想を掲載する教科通信も、長年続ける。

「実験に感動した生徒の言葉に、教師も刺激を受け、
授業を工夫する。
生徒と教師のキャッチボールで、学習意欲と授業の質が高まる」、
「これからも生徒に化学の面白さを伝え、
今以上にいい授業をしたい」と意欲を新たにしている。

授賞式は、3月27日に大阪府の近畿大で行われた。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100414_11

脳神経形成の仕組み解明 タンパク質複合体が鍵

(2010年4月16日 共同通信社)

大人の成熟した脳で、神経回路が形成、維持されるのに、
2種類のタンパク質の複合体が重要な役割を果たしていることを、
マウスの実験で解明したと、
慶応大の柚崎通介教授(神経生理学)らが
16日付の米科学誌サイエンスに発表。

この複合体は、小脳で神経細胞の接着や成熟を促すことを確認。
小脳の病気による運動障害の、新たな治療法開発に
つながるのではないか。

人間の脳は、1千億個を超える神経細胞が結合し、
神経回路をつくっている。
細胞と細胞のつなぎ目である「シナプス」は、発達に伴って形成され、
大人になってからも学習によって改変されるが、
大人の脳でシナプスがどのように形成、維持されるかは
よく分かっていなかった。

柚崎教授らは、大人のマウスを使った実験で、
小脳にある顆粒細胞とプルキンエ細胞という2種類の
神経細胞の間で、「Cbln1」と「GluD2」という2種類の
タンパク質が複合体を形成し、細胞と細胞の間で
「のり」のように働いて接着を促していることを突き止めた。

これらに似たタンパク質は、記憶や学習に関係する
海馬や大脳皮質にもあり、柚崎教授は、
「将来は、認知症や精神神経疾患の治療法開発にも
役立つのではないか」

Science. 2010 Apr 16;328(5976):363-8.
Cbln1 is a ligand for an orphan glutamate receptor delta2, a bidirectional synapse organizer.

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/16/119052/

インサイド:次代の針路 第1部 多様化するU18の現場/1

(毎日 4月20日)

日本スポーツの次代を担う底辺層が揺れている。

優秀な選手の養成に力が注がれる一方、
少子化や指導者不足でスポーツの場は減っている。
教育価値の軽視や学力低下、燃え尽き、ドロップアウトといった
問題も叫ばれる。
若者のスポーツは、どんな針路を取るべきか?
第1部は、多様化するU18(18歳以下)世代の現場に迫った。

◇模索続ける英才教育

2年前の夏、2人の女子中学生は寮を抜け出し、
新大阪から新幹線に飛び乗った。
親元を離れ、大阪でバレーボールの英才教育を受けていた
彼女たちは、厳しい練習や孤独な環境で心身ともに疲れ、
実家に帰ろうと決意し、東京へ向かった。

これに気づいた女子マネジャーから携帯電話に連絡があり、
東京駅で待つよう指示。
追いかけてきたマネジャーに3時間説得、寮に戻ったが、
もやもやした気持ちはしばらく消えなかった。

「『もう一回頑張ってみよう』、『やっぱり無理かも』の繰り返し。
学校から寮に戻ればすぐに練習があるし、
中学から寮まで歩いて帰る5分間が重く感じた」
その後も2人はバレーを続け、今春、強豪高校に入学。

2人は、日本バレーボール協会が05年、
大阪・貝塚のナショナルトレーニングセンターに開校した
アカデミーの生徒。

寮や練習場は、1964年東京五輪で金メダルを獲得した
「東洋の魔女」の選手が所属した旧日紡貝塚の工場跡地。

日本協会は長年、地道な底辺拡大から有望選手の発掘を
目指してきたが、世界のレベルは上がり、日本は低迷。
お家芸復活には、低年齢からの英才教育が必要と判断、
女子の強化に着手した。

寮で生活しながら、近くの公立中学に通う日々。
現在は、1~3年の計15人が1日約5時間の練習を積む。
これまで計42人が入り、4人が退校。
開校から5年。
順調に成長した生徒もいる。

入校までバレー未経験だった清水真衣(17)=京都橘高3年=は
3月、全日本高校選抜でプレー。
交流試合で、軽快にブロックを決めた清水は、
「貝塚に行かなければ、高校選抜でプレーする選手にはなれなかった」
清水の上の学年では、企業チームに入ったり、
体育大学に進んだ選手がいる。

アカデミーは、中学生が対象、卒業生の大半が強豪の高校へ進む。
日本代表につながる一貫指導は難しい。

日本協会の成田明彦・強化事業本部長は、
「Vリーグのジュニアや中高一貫の強豪校もあり、
長身の有望選手もなかなかアカデミーに来ない」
試合経験が少なく、高校選抜の強化関係者から、
「『金の卵』の純粋培養で、ひ弱さも感じる」との声も。

今後、アカデミーでは国立スポーツ科学センター(JISS)の
協力を得て、手の骨の長さを分析、将来背が伸びる可能性の高い
「未完の大器」を探す。

足の大きさや親の身長、スポーツ歴など、競技力以外の指標で
選考してきたが、選手の発掘法がエスカレートしてきた感も。

日本サッカー協会(JFA)も06年、「エリート教育」を掲げ、
福島県のJヴィレッジに「JFAアカデミー福島」を開校
寮生活を送り、近隣の公立中学、高校に通いながら、
6年間の一貫指導を受ける。

1期生の幸野志有人(16)は、才能を評価され、
3月にFC東京に入団。
アカデミー出身者初のプロとなった。

アカデミーの島田信幸・男子ダイレクターは、
「身に着けた技術や知識を活用して集団の先頭に立ち、
社会に貢献できる人が真のエリート」
バレーと同様、親元を離れた思春期の若者を育てるのは
簡単ではない。

「彼らはさまざまな不安を抱えている。
大切なのは、周りの大人がささいな信号でも見落とさないこと」
競技者の育成と人間としての成長。
そのはざまで、スポーツの英才教育は模索を続ける。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2010/04/20/20100420ddm035050004000c.html

2010年4月22日木曜日

繭にアンチエイジ成分 鈴木・岩手大教授らが確認

(岩手日報 4月16日)

岩手大農学部応用昆虫学研究室の研究グループと、
絹タンパク製品を開発製造している「ながすな繭」
(京都府、堀井和輝社長)は、カイコの繭を形成する
タンパク質の一つフィブロインから製造した
食用シルクパウダーに、記憶力回復や毛質改善などの
アンチエイジング(抗加齢化)効果があることをマウス実験で確認。
研究グループによると、動物実験で効果が確認されるのは国内初。

岩手大の研究グループは、鈴木幸一教授(63)、
山本圭一郎学術研究員(30)ら。
山本研究員らは、マウスに高濃度の糖を8週間投与し老化後、
1~2%のシルクパウダー水溶液を5週間飲ませ、水泳訓練を実施。
白濁した水を張った直径1mの円形プールで、
周辺の記憶を頼りに足場となる台へ到達する時間を調べた。

訓練3日目、シルクパウダーを摂取したグループは、
平均20秒で台に到着、糖を与えない正常なマウスや
老化マウスは同30秒要した。

台を取り除くと、正常なマウスは1回の水泳で平均4・5回、
台のあった場所を横切ったのに対し、
老化マウスは同2・2回。
シルクパウダーを飲み続けたマウスは同4・7回、
正常なマウス並みの記憶力の回復がうかがえた。
体毛も摩擦が少なく、キューティクルが正常なマウスと同程度に改善。

研究成果は、長野県上田市で開かれた日本蚕糸学会で発表。
山本研究員は、「実際に老化させたマウスで、
効果が確認できた意義は大きい。
今後は、メカニズムの解明が課題」

岩手大とながすな繭は、毛質や記憶力を改善する食品として
特許を出願。
同社は、近くシルクパウダーを錠剤にして機能性食品として
商品化を予定。
120錠入り6900円(税込み)で販売。

堀井社長は、「フィブロインの機能性とともに、
アンチエイジング効果が実証された。
シルクが、人間の健康に役立つことで、
昆虫産業の発展につなげたい

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100416_12

ダイエット効果の人気のサプリ、αリポ酸で低血糖症

(2010年4月16日 読売新聞)

ダイエットや老化防止に効果があるとして、広く使われている
サプリメント「αリポ酸」で、震えや動悸を引き起こす
「自発性低血糖症」を招くケースが相次いでいる。

厚生労働省研究班(主任研究者・内潟安子東京女子医大
糖尿病センター教授)がまとめた全国調査、2007年から
3年間で、少なくとも17件起きた。

自発性低血糖症は、血糖値を下げる薬を使っている
わけではないのに、低血糖になる。
重症になると、昏睡状態に陥る。

原因は様々だが、特定の白血球の型を持つ人が、
SH基と呼ばれる構造を持つ薬やサプリメントを服用すると、
発症しやすい。
αリポ酸にも、SH基がある。

この白血球の型を持つのは、日本人の約8%、
SH基のある薬やサプリメントによって、自発性低血糖症が
起きた患者は、9割以上がこの白血球の型を持っていた。

研究班によると、全国の主要病院207施設で、
07年から3年間に自発性低血糖症と診断された患者187人のうち、
サプリメントとの関連が報告されたのは19人、うち17人がαリポ酸。
摂取した量や期間は不明、服用を始めてから一、二か月で
震えや動悸などの症状が出て、受診するケースが多い。

内潟教授は、「サプリメントは健康増進をうたっているが、
使い方によって、薬と同じような副作用が起こる恐れ。
異常が起きたらすぐ服用をやめ、受診の際、
どんなサプリメントを服用しているか、医師に必ず伝えてほしい」

◆αリポ酸

ビタミンのように、体内で代謝を助ける働きを持つ補酵素の一つ。
もともとは医薬品、2004年の基準改正でサプリメントとして売られる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/16/119097/

多様な性、悩む子に理解を…教職員向け手引書を奈教組が作成

(2010年4月15日 読売新聞)

性同一性障害や同性愛など、
性的少数者(セクシュアルマイノリティー)としての悩みや課題を
抱える子どもたちへの理解を深めようと、
奈良教職員組合(竹平均執行委員長)は、
教職員向けの手引書をまとめた。

同様の手引書の作成は全国でも初めて、
体と心の性が一致しない「トランスジェンダー」など、
多様な性に対する偏見をなくす取り組みとして注目。

看護師や大学教員らでつくる市民グループ「性と生を考える会」
(中田ひとみ代表)からの要請をきっかけに、
性的少数者の意見も踏まえ、1年半をかけて同会と共同で作成。

セクシュアル・マイノリティサポートブック」(A4判、19ページ)
として、2700部作成、県内の公立学校や幼稚園、組合員に配布。

手引書では、教員側の心構えとして、
「どのクラスにも、セクシュアル・マイノリティの子どもがいる、
という前提で接し、授業する」など、ポイントを記載。

学校での対応策として、
▽男女カップルを前提とする伝え方をしない
▽性的少数者に偏見を持つような言葉を使わないよう指導する
▽性に関する人権に取り組むクラブ活動などの設置--などを紹介。

体の性で分けられることに苦痛を感じるケースでの配慮も指摘
制服やトイレ、宿泊での部屋割り、水泳の授業、身体測定などでの
個別の対応や検討を示した。

同性愛者の青年の手記も掲載し、
「この社会にも、いろんな人が生きている。
誰もが、自分とは違う。
同性愛者に出会ったことがないと思っている皆さん、
僕たちはここにいます」とつづられている。

同組合執行委員の福嶋明美・女性部長は、
「親にも先生にも、友達にも言えずに悩んでいるケースもあると思う。
先生が知識をもつことで、子どもが相談しやすくなれば

希望者には1部100円(送料別)で送付。
問い合わせは、同組合(0742・64・1020)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/15/119013/

2010年4月21日水曜日

再造林で岩泉町と提携 NPO法人クリーン・プリント

(岩手日報 4月17日)

東京のNPO法人クリーン・プリント(阿部野耕一理事長)は、
岩泉町と森林支援活動の提携を結んだ。
今後約40年間、同町内の森林で再造林事業を支援。
積極的な森林政策を展開する同町と連携、
持続的な環境保全活動の輪を広げる。

調印式で、阿部野理事長と伊達勝身町長が署名を交わした。
活動計画によると、同町上有芸地区の町有林(2ヘクタール)で、
同法人がスギの植栽から伐採まで、約40年間の活動を支援。

同法人が負担する事業費は、200万円。
メンバーらが刈り払いなどの作業を行い、
町も作業やイベントなどを支援。

同法人は、印刷・デザイン業界の有志が印刷物の無駄な紙を減らし、
CO2削減に貢献することを目的に、2008年8月設立。
環境に優しい印刷を象徴する「クリーン・プリント」マークの
普及などを行っている。

植林事業を検討する中、適切に管理された森林を認定する
森林管理協議会(FSC、本部ドイツ)の森林認証に取り組むなど、
積極的な森林政策を行っている同町に着目、支援を決めた。

阿部野理事長は、「下草刈りなど、山に親しむ活動をイベントとして行い、
息の長い事業にする」、
伊達町長は、「森林には、新しい価値が生まれている。
その存在意義を、子どもたちに教えていきたい」

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e201004/e1004171.html

特定看護師 より広範囲の医療行為を行う看護師… 医療ナビ

(2010年4月15日 毎日新聞社)

国立病院機構敷地内に、東京医療保健大の大学院が誕生。
5年以上の臨床経験を持つ、看護師21人が入学。

患者の状態に応じて総合的に判断・診断できる、
医療行為に踏み込んだ検査や治療を実践、
医師と協力してチーム医療を推進--
などの能力を持つ看護師を育てる。

病気のなりたちから薬理学、診察・診断学までを学ぶ。
隣接する同機構東京医療センターなどで、
医師の指導のもと、実践教育を積む。

矢崎義雄・同機構理事長は、
「看護師は、医師より患者に目線が近く、患者をよく見て判断できる。
高齢化が進む中、看護師が診療に入った方が、医療の質が上がる」
医師の卒後臨床研修並みの態勢で臨む。

厚生労働省の検討会は、看護師の役割を拡大する新資格
「特定看護師」(仮称)の導入を提言する報告書。

導入されれば、簡単な傷の縫合や患者の状態に応じた
薬の選択や使用など、広範囲の医療行為ができる。

厚労省は、保健師助産師看護師法(保助看法)の改正も視野に。
導入については、「特定看護師の業務独占になり、
チーム医療を行う地域医療の現場が混乱する」(日本医師会)など
反対意見も。

医師不足が深刻な現場から、医師と看護師らが協力する中、
看護師らの役割が広がることへの期待感が高い。

日本周産期・新生児医学会(名取道也理事長)は、
新生児仮死など緊急時には、医師の管理のもと、訓練を受けた
看護師や助産師が気管内吸引などの蘇生を行えること、
医療施設に限定し、助産師が定期検査の発注、出産時に膣の出入り口を
切る会陰切開や縫合などをできるよう、求める要望書を提出。

同学会では、質の高い新生児蘇生技術を普及させようと、
全国で医師や看護師、助産師らを対象に講習会を開催、認定も。

医療現場では、医師以外は行えないのが実情。
副幹事長の久保隆彦・国立成育医療研究センター産科医長は、
「分娩施設は減少しているのに、リスクの高いお産は増えている。
新生児仮死は、重い後遺症の原因となるが、
医師が到着するまで蘇生を行えないのでは、貴重な時間を失う」

日本外科学会など、11学会は連名で、
「米国では、日本より外科系医師数が少ないのに、
手術件数は多い。
日本のような過重労働も、問題になっていない。
最大の要因は、医師と看護師の中間レベルの職種の充実」、
特定看護師の早期導入を求めている。

厚労省は、10年度からモデル校を指定、養成を試行、
特定看護師ができる医療行為を明確にする方針。
こうした動きに先行し、東京医療保健大を含む
一部の大学院が養成を始めた。

昨年度から、糖尿病など慢性疾患管理ができる看護師を養成する
国際医療福祉大大学院の湯沢八江教授(看護管理)は、
「日本の看護師の基礎教育は、米国などと比べ、
医学がきちんと教えられていない。
養成大学は今後増えるが、そこを考慮しないと、
名前だけの特定看護師が出てくる可能性が」
………………………………………………………………………
◇看護師の業務

保助看法では、「療養上の世話または診療の補助」であり、
「医師の指示がある場合、医療行為ができる」。
高度な医学的判断や技術が必要な医療行為は、
「診療の補助」の範囲を超え、医師が自ら行うべきで、
看護師は行えないと解釈。

両者の役割分担は、過去にも議論になり、
厚労省は02年に静脈注射、07年に薬の投与量調節など、
看護師ができる「診療の補助」に含まれるとする通知。
それ以外の医療行為については明確にしておらず、
現場の判断に任されてきた。

海外では、診療できる看護師資格の導入が広がっている。
医師不足の議論と相まって日本でも、能力のある看護師を
活用しようと、業務拡大の検討が始まった。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/15/119036/

東京大が9年連続トップ 論文引用回数、米社集計

(2010年4月14日 共同通信社)

学術情報を扱う米国のトムソン・ロイターは、
1999~2009年の11年間を対象に、日本の研究機関の論文が
引用された回数のランキングを発表、
トップは、02年の発表開始から9年連続で東京大。

世界の約4300機関の中では、昨年と同じ11位。
世界1位は、米ハーバード大。

国内2位は京都大(世界31位)、3位は大阪大(同37位)、
4位は東北大(同65位)、5位は科学技術振興機構(同67位)。
政府系研究機関の被引用数の伸びが目立つ。

22の分野別では、免疫学で大阪大、薬理学・毒物学で東大が
それぞれ世界5位と、初めてトップ5入り。

世界5位までに入ったのは、物理学の東大(2位)、
材料科学の東北大(3位)と産業技術総合研究所(4位)、
生物学・生化学の東大(3位)、化学の京都大(4位)と東大(5位)。

学術論文の統計データベースから、
著者が記した所属機関名に基づき集計。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/14/118947/

2010年4月20日火曜日

全国学力テスト(10)お茶の水女子大 耳塚寛明副学長に聞く

(読売 4月15日)

今回の連載では、主に学校現場が、全国学力テスト(学テ)で
得た結果を、どのように学習指導に役立てているかを報告。

今年度から抽出方式に切り替わるため、参加しない学校では、
その検証と改善のサイクルが途切れてしまう。
4回目の実施が20日に迫る中、学テが果たしてきた意義や課題、
今後の展望などを、学テの設計や検証にかかわった
耳塚寛明・お茶の水女子大学副学長(教育社会学)に聞いた。

「ほとんどの学校が学テの結果を受け止め、
それぞれの方法で、学力向上に生かしたことは高く評価したい」

教育の世界は、結果がどうであれ、
その過程で努力していれば、称賛されがち。
学テの導入で、成果に基づく評価とデータによる
検証の流れができた意義は大きい。

都道府県間の学力格差が縮小している反面、
同じ都道府県内でも、学校間格差は大きいことがわかった。
背後に、高所得の家庭の子どもほど、学力が高い関係があることも、
耳塚副学長らが国の委託で行った研究で明らかに。
そうした検証結果を、国や自治体は教育施策に生かさなかった。

「正答率が低迷している学校に、ヒト・モノ・カネを優先的に投じ、
子どもの学力を保障するべきなのに、
学校の序列化を懸念するあまりデータを伏せ、
議論も起こさなかった。
『低迷は、学習指導が問題』とし、学校の尻をたたくだけの
自治体が多かった。
学テを評価するとしたら、50点」と、批判。

全員調査から抽出調査に変わると、
学校別データがそろわなくなる。
学校間格差を縮小する、チャンスの喪失を意味する。

「抽出方式への移行は、国の予算節約が優先した結果。
何のために行うのか、目的について議論を深めず、
見切り発車した今年度の学テは、中途半端に終わる可能性が強い」

抽出方式になった今回の学テに、抽出から漏れた学校の
約6割が自主参加することについて、
「正直、驚いた。
参加を望む地域住民の声が後押しした結果といえる」

今後の学テの在り方については、
「5年に1度、全員調査を実施したらどうか。
高校で行うことや、実施教科を増やすことも考えては。
都道府県も、独自にテストを実施すべきだ」などの考え。

4年目を迎え、ますます注目を浴びる学テ。
望ましい姿について、教育関係者だけに任せず、
広く議論することが求められるようだ。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100415-OYT8T00310.htm

ボールがつなぐ支援の輪 JFA特任理事・北沢豪 (上)

(日経 2010/4/13)

ソニーと国連開発計画(UNDP)、国際協力機構(JICA)が
共同で開いた記者会見。

JICAのオフィシャルサポーターとして同席した、
サッカーの元日本代表、日本サッカー協会(JFA)特任理事の
北沢豪は、静かに喜びをかみしめていた。

「これまでやってきたことが積み重なって、
点から線になった気がする。小さくても、幸せを感じますね」

サッカー・W杯南アフリカ大会の期間中、カメルーンの3都市、
ガーナの9都市で、パブリックビューイングを行う。
北沢も、その計画の一員として現地に飛ぶことに。

ただの上映会ではない。
会場では、エイズ予防のための寸劇やカウンセリング、検査も実施。
この手の硬い集会に、なかなか人が集まりにくいが、
W杯がライブで見られるとなれば、話は別。

両国とも、テレビ普及率は20%台前半と低い。
200インチ大画面の力を借りて、計20試合の上映で、
1万3000人の集客と1800人の検査を目指す。

JICAの押山和範アフリカ部長は、
「アフリカでは、エイズという病気があることすら知られていない。
認知のさせ方には、それぞれの地域に合ったやり方がある。
アフリカでは、サッカーと組み合わせるのが有効」

北沢は、下見を兼ねて3月にカメルーンを訪ねた。
「100%の国民がサッカー好きというか、ボールがあると、
人がどっと集まってくる。
日本とW杯で対戦することも知っていた。
サッカーに関しては、本当に誇り高い。
欧州にサッカーを教わったというより、
自分たちが欧州のサッカーを発展させた、
というプライドをびしびし感じた」

今回のプロジェクトに、耐久性に優れた“アフリカの大地仕様”
特製ボールの配布が含まれることも、うれしい。

2001年、カンボジアを手始めに、
「アジアの子供たちにボールを届けるプロジェクト」
ずっと携わってきた。
様々な名目で、これまでに15カ国を計22回訪ね、
アフリカではザンビアとセネガル、南アフリカ、カメルーンを訪れた。

なぜ、ボールを届けることにこだわるのか?
現地の人たちに、本当に喜ばれるから。
新品である必要もない。
むしろ使っていた子供の名前が書いてあるようなボールの方が、
どういう経緯でここに来たか説明できるし、
受け取る側も何かを感じてくれる。
ボールと一緒に込められたメッセージも届けられる。
翌年、同じ場所に行ってボールがしっかり管理されているのを見ると、
気持ちや意味も伝わったんだなあと、うれしくなる」

10年続けるうちに、支援の輪は広がった。
「アジア、南米、アフリカの子供たちと交流してきて、
今回W杯がアフリカで開かれるのも、何かの縁に思える。
W杯が、アフリカの人々に大きな夢を与えるのは間違いない。
一人ひとりの感動がつながって、それが国を動かす力になり、
アフリカ全体の発展につながってくれたら」

北沢にとって、ボールはただのモノではない。
人と人をつなぐ、力の起点そのものなのである。

http://www.nikkei.com/sports/column/article/g=96958A96889DE2E7E4E7E0E4E7E2E3E1E2E6E0E2E3E28781E2E2E2E2;p=9694E0EBE2E3E0E2E3E2E1EBE3E1

気仙観光に新拠点 大船渡に10日体験館オープン

(岩手日報 4月10日)

気仙地域を中心とした体験型観光の拠点施設を目指す
「三陸まるごと体験館」(熊谷満恵館長)が、
大船渡市三陸町越喜来にオープン。
空き事務所を活用し、地元の農業・漁業関係者らが開設、運営。
同地域を訪れる体験型ツアーが人気を集めており、
新たな魅力を掘り起こす拠点として期待。

運営するのは、グリーンツーリズムを受け入れる
地元住民ら約20人。
約20畳分の施設内には、炉端焼きができる
気仙杉の手作りテーブル5卓を用意。
炉端焼きのほか、しゃぶしゃぶ、ホタテ・カキ・アワビの殻むき、
船釣り、ブルーベリー摘み・ジャムづくり―などの体験を受け付け。

手作り菓子や海産物、木酢液などの即売コーナーも設置。
ホタテ、カキ、イカ(各150円)を50枚ずつ用意し、
10日午前10時からもちつきも行う。

三陸鉄道や同恋し浜駅、越喜来地区のカキ納屋などを訪れる
体験ツアーが人気を集め、施設はそれらの拠点機能を狙う。
普段は、地元住民の茶屋としても開放。
熊谷館長は、「三陸に多くの魅力が詰まっていると、発信したい。
地元の人も、地域の誇りを見直すきっかけとなる施設にしたい」

営業時間は午前9時~午後4時。月曜休み。
体験は、3日前までの予約が必要。
問い合わせ、予約は同館(090・6253・2273)。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100410_9

脳の老人斑なくてもアルツハイマー病発症 大阪市大などマウス実証

(2010年4月13日 毎日新聞社)

アルツハイマー病の特徴の一つとされる脳の
「老人斑(アミロイド斑)」がなくても、
アルツハイマー病の症状が起きることを、
大阪市立大などの研究チームがマウスで実証。
老人斑を抑制するだけでは、有効な予防や治療にならない可能性。
米神経科学会誌(電子版)に掲載。

老人斑は、アミロイドベータ(Aβ)というたんぱく質が
繊維状につながったもの、アルツハイマー病の原因の一つ。
実際の患者の症状の重さと老人斑の数が比例しなかったり、
老人斑がなくても発症するケースがヒトで報告。

富山貴美・大阪市立大准教授(脳神経科学)らは、
患者の脳では老人斑だけでなく、Aβの分子が数個~数十個
集まった「重合体」も蓄積されていることに着目。

重合体はできるが、老人斑はできない遺伝子改変マウスを作製。
8カ月ごろから、Aβの重合体が目立って増えた。
記憶中枢である海馬では、神経細胞が減少し、
平均寿命に近い24カ月(ヒトの80歳程度)では、
普通のマウスの半分近くに。

プール内の休憩場所を覚えさせる記憶テストでも、
8カ月の遺伝子改変マウスは、同月齢の普通のマウスが
1週間程度で覚える課題をこなせなかった。
チームはこうした症状から、老人斑のないマウスも
アルツハイマー病を発症したと結論。

J Neurosci. 2010 Apr 7;30(14):4845-56.
A mouse model of amyloid {beta} oligomers: their contribution to synaptic alteration, abnormal tau phosphorylation, glial activation, and neuronal loss in vivo.

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/13/118928/

2010年4月19日月曜日

全国学力テスト(9)成績 学校別に統計分析

(読売 4月14日)

「分析の結果、御校は算数で底上げが進んでいます」、
「我々の取り組みがデータで確認され、手応えを感じます」

東京都板橋区立A小を訪れた区教委の
溝畑直樹・指導主事(45)と校長との間で交わされた。

溝畑さんが持参したのは、過去3回の全国学力テスト(学テ)
におけるA小の正答率を、区教委が独自分析したグラフ。
「箱ひげ図」と呼ばれ、正答率上位・中上位・中下位・下位の
層別に、推移が分かるようになっている。

基礎を問う「算数A」では、2009年度は08年度に比べ、
下側の「ひげ」が上方向に縮んだが、これは、下位層の学力が
底上げされたという証し。
この時期、習熟度別授業を徹底するなど、
算数が苦手な児童に対する指導を強めたことが報われた。

文部科学省が、同区に伝えてきた過去3回の学テの成績によると、
区全体では、いつも小学校は全国平均をやや上回り、
中学校はやや下回るなど、見かけ上は大きな変化はなかった。
中には、平均的な学力を持つ子が多く集まる学校もあれば、
上位者と下位者の学力差が大きい学校も。

「平均点を比較するだけでは、板橋区の問題点が見えなかった。
学校ごとの分析が必要だった」、
区教委の中川修一・指導室長(52)。

中川室長は、区の教育委員で計量経済学が専門の
今井英彦・武蔵大学教授(52)に統計分析を依頼。
この結果、小中計76校の箱ひげ図が次々と作られた。
各校は、渡された分析結果を踏まえ、
10年度の学力向上推進プランを策定。

区教委は、「学テだけでは、一人一人がどこでつまずいたかが
分からない」、小5は国算の2教科、中2は英国数の3教科で、
基礎学力の定着を調べる独自の「学習ふりかえり調査」を、
昨年から導入。
結果は、「個人票」に記録して本人に渡し、つまずきの内容と
克服に向けた方法を提示。
各校は、放課後の補習の際や冬休みの宿題などとして、
子どもたちに区作成の教材に取り組ませている。

中川室長は、「個人票により、その子にあったフィードバック学習が
効率的に進められる」

今年度のふりかえり調査は、学テ直後の25日に実施。
学テの長所や短所を踏まえた独自の分析や学力調査が、
学力向上につながっている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100414-OYT8T00181.htm

科学技術理解促し大臣賞 岩手大の研究者グループ

(岩手日報 4月10日)

2010年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞)、
岩手大「環境と水」研究者グループ
(代表・平野紀夫農学部准教授)が選ばれた。
児童生徒を対象にした体験学習プログラムが評価、
理解増進部門での受賞。
13日、東京都内で表彰式。

グループのメンバーは、平野代表のほか
梶原昌五教育学部准教授、北爪英一人文社会科学部教授、
清水健司工学部教授、吉田純・前技術部農学系技術室副技術室長。

体験学習プログラムは、「環境と水」をテーマに、
01年から毎年実施。
小、中、高校生が2日間、フィールドワークを伴う
実験を手掛けている。
NPOや国立研究機関からの外部講師を招いての講演も企画、
視野を深める。

実験は、河川の上流、下流、わき水、井戸水それぞれの水を
採取して、大腸菌の多さを調べたり、
せっけんと合成洗剤の生物への影響を比較したりと、
身近な環境に目を向けさせる。
顕微鏡などの器具は、同大の施設を利用。

独立行政法人国立青少年教育振興機構の
「子どもゆめ基金」の助成を得て実施。
これまでの9回、350人以上が参加。

活動が高く評価されたことに、平野代表は、
「21世紀は環境問題が重要になると考え、
子どもたちに教えようと有志でスタートさせた。
子どもたちは、とても意欲的に実験。
今後も継続していきたい」と喜びをかみしめる。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100410_6

世界一の都市、ニューヨーク首位 北京とベルリン躍進

(CNN 4月11日)

世界を制するのは、どの都市だろうか?
経済活動、政治力、知的基盤、住み心地の、
4つの尺度を基に計測したランキングが発表。

英不動産コンサルティング会社、ナイト・フランクが発表した
世界の都市ランキングでは、ニューヨーク、ロンドン、東京の
3都市が、4つの尺度すべてで上位に。

総合首位は、ニューヨーク。
昨年首位だったロンドンは2位に転じた。

2010年調査で首位は入れ替わったが、ニューヨーク、ロンドン、
パリ、東京の上位4都市が、どの尺度をとっても、
他の都市より際立って高い状況に変わりはなく、
5位のロサンゼルスとの差はかなり大きい。

4つの尺度で、飛躍的な発展を遂げた都市といえば、
北京とベルリンの2都市。
ベルリンは、生活レベルの高さが支えとなり、
昨年の13位から8位に浮上。上昇幅は最大。
生活レベルの尺度だけでみれば、パリに次いで世界2位。
生活レベルは、公共サービスの充実度や治安、
政治的・個人的自由度、文化、気候などを基に評価。

順位の上昇幅が2番目に大きかったのは北京、
昨年の12位から9位。
北京の上昇に寄与したのは、政治力。
北京の政治力は、昨年の7位から4位に上昇、
ロンドン、パリ、東京を上回った。

上位10都市(ナイト・フランク調べ)
 1位:ニューヨーク
 2位:ロンドン
 3位:パリ
 4位:東京
 5位:ロサンゼルス
 6位:ブリュッセル
 7位:シンガポール
 8位:ベルリン
 9位:北京
10位:トロント

http://www.cnn.co.jp/fringe/AIC201004110016.html

「健康大国」へ需要創出 消費税、段階的に引き上げ 経団連の成長戦略案

(2010年4月12日 共同通信社)

日本経団連が検討している成長戦略案の全容。
医療・介護サービスを成長産業にする「健康大国戦略」など、
重点6分野の需要創出策を提示。

年金、医療などへの不安を解消し内需拡大に導くため、
2011年度から消費税を2%ずつ段階的に引き上げ、
少なくとも10%程度にすることや、財政再建のための
「歳入歳出改革法(仮称)」の立案を求めた。

政府も、菅直人副総理兼財務相を中心に成長戦略を練っており、
産業界の意見も影響を与える可能性。

鳩山政権は、家計支援による景気浮揚を目指しているが、
経団連は中長期的な成長を実現するには、
企業の競争力を高めることが欠かせないと主張、
法人税の引き下げを求めた。

低所得者の負担軽減策として、生活必需品の消費税を
還付する制度づくりも盛り込んだ。

産業面では、健康大国、環境・エネルギー、アジア経済戦略、
観光・地域活性化、科学技術、雇用・人材育成の6分野を重視。
健康関連では、インターネットや衛星回線を使った遠隔医療の普及、
アジア各国との医薬品の共同開発、バリアフリー住宅の整備など。

環境対策では、時限的に補助金や減税を集中的に活用し、
環境重視の製品の普及を支援すべき。

労働力人口が減少するのに備え、規制緩和による保育サービスの
拡大など、女性が働きやすい環境をつくることも提案。

アジア地域でのインフラ整備の受注を官民一体で増やすことや、
拠点空港の機能強化を求めた。
貿易、投資自由化の協定を、さらに広げるべき。

※経団連の成長戦略

政府が、6月に経済成長戦略を策定するのを前に、
経済界としての意見をとりまとめた。
政府は、「名目3%、実質2%を上回る経済成長」を目指す方針。
経済界では、企業活動の活性化につながる政策をはじめ、
消費税引き上げや年金改革による財政健全化を
求める意見が強い。
経団連は、成長戦略に関連して、医療、介護サービス、
子育て支援、人材育成なども議論。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/12/118833/

2010年4月18日日曜日

「大人の寺子屋」意欲高く、日本書紀輪読で建国学ぶ

(東海新報 4月17日)

本増寺(木村勝行住職)壇信徒らが、大人の生涯学習の場
「大人の寺子屋」講座を立ち上げた。

今年は、平城遷都から1300年を迎える記念の年。
本家の「寺子屋」からも刺激を受けた参加者は、
日本書紀の輪読を通して建国の歴史を学び直そうと、
高い意欲で取り組んでいる。

講座では、『全現代語訳 日本書紀』(宇治谷孟著、講談社学術文庫)
をテキストに、日本書紀を輪読。
主幹は木村住職。

初の講座は、7日に盛町のリアスホールで開かれ、
約20人の市民が参加。
開講式では木村住職が、日本書紀をいま学ぶことの意義などを説明、
参加者同士も自己紹介。

「神武紀」をテーマにした今回は、時間が少なく輪読は省略し、
木村住職が用意した解説用レジュメで、
神日本磐余彦命(神武天皇)の東征から即位までを学んだ。
参加者が意見や解釈を述べる時間もあり、
戦前教育で初代から天皇の名をすべて暗記した人らは、
そのルーツを確認して思いを新たにした様子。

本増寺は、8年ほど前から、中学3年~高校3年生を
対象にした「寺子屋」を開催。
学習意欲の高い子どもたちに、英語や数学などを教えている。

「大人の寺子屋」は、寺の壇信徒ら有志が中心、
「先人たちの知恵を楽しく学ぶ〝楽習〟の場を設けたい」と
立ち上げられた。
時には、深夜までも寺で熱心に勉強していくという、
子どもたちの姿に感化された部分も。

木村住職は、「大人が勉強する姿勢を子どもに見せ、
何歳になっても勉強が大事だと教えてほしい」と訴える。

輪読という形式も、声に出して読むことでより
頭に入りやすくするだけでなく、理解力と表現力を高めることを
意識している。
時間に余裕がある次回以降は、前半を輪読と解説、
後半をフリートーク形式で解釈などを発表し合う。
今年は日本書紀を、来年は続日本紀を輪読し、
その歴史的背景や宗教観にも触れる。

平城京は西暦710年、奈良に誕生し、今年は1300年目。
日本書紀はわが国最古の正史とされ、720年に完成。

木村住職は、「平城京の完成で五畿七道、律令制度など
国家としての形ができた。
奈良だけでなく、今年は日本全体で建国の歴史を考えるべき年。
中国における史記のように、国家成立に正史は欠かせず、
日本書紀の持つ意味は大きい」

大人の寺子屋は、12月までの毎月第1水曜日、午後6時30分から
リアスホール会議室で開催。
詳細日程や講座の様子など、本増寺のホームページ
http://www.geocities.jp/honzoji/)。
問い合わせ、申し込みは同寺(℡26・3090)。

http://www.tohkaishimpo.com/

スポーツ発信、岩手元気に 「スタンダード」が復刊

(岩手日報 4月11日)

昨年4月休刊した本県を舞台とするスポーツ雑誌
「スタンダード」が、発行体制や編集スタッフを一新、15日復刊。
林裕編集長(49)は、「スポーツを通じて岩手を元気にしたい

復刊第1号はA4判、112ページのフルカラーで7千部を発行。
「岩手を一つにするのはスポーツだ」をテーマに、
プロ野球西武の雄星投手や、
いわてユースサッカーリーグU-18を特集。

企画「名将対談」では、盛岡商高サッカー部の斎藤重信監督と、
盛岡大付高野球部の関口清治監督が対談。
指導者同士のジャンルを超えた交流を目指す。

林編集長は、「読者に、実際試合へ足を運んでもらえる
きっかけになるよう情報提供していきたい」

スタンダードは、2007年9月創刊。
県内で約4千部を発行、経営難から休刊していた。

復刊の発行元は、山口北州印刷。
盛岡博報堂が企画、岩手日報社など県内メディア6社が協力。
隔月発行、定価700円。
県内の書店などで販売。
問い合わせは、スタンダード編集部(019・646・8111)。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100411_5

オルニチン 継続使用で肝機能改善 ストレス軽減にも有効

(2010年4月10日 毎日新聞社)

昔から、シジミは肝臓によいと言われてきた。
シジミには、オルニチンというアミノ酸が多く含まれる。
オルニチンが、肝臓の働きをよくすることが
いろいろな試験で分かってきた。
どんな効果が期待できるのか?

島根県に次ぐヤマトシジミの産地、青森県。
地場産業の育成を目指す、
県産業技術センター工業総合研究所の内沢秀光・環境技術部長らは、
シジミが肝臓によいと言われてきた根拠などを研究。
シジミにオルニチンが含まれていることは、以前から知られていたが、
どういう状態で多いのか、他の貝類との違いは知られていない。

10年以上にわたる研究の結果、同じ貝類でもハマグリやアサリ、
ホタテには、オルニチンはほとんど含まれていないと分かった。
内沢さんは、「昔の人の観察眼は鋭かった」と感心。

オルニチンは、シジミの身に含まれるが、煮出すと水に溶け出してくる。
シジミ汁なら、汁を吸うことでオルニチンを摂取できる。

水に溶けたシジミエキス(オルニチン含有)は、
肝臓の働きにどう影響するのか?
内沢さんらは、地元の病院の協力を得て試験を行った。

肝機能の異常を知る指標として、健康診断でおなじみの
γ-GTPやGOTなどがある。
その数値が高いと、肝臓の機能が正常でないことを示す。

内沢さんらは、γ-GTPが1000を超える41歳の男性に、
粉末シジミエキス入りカプセル6錠(計約1・2g、シジミ約50個分)を
20週間摂取。
その結果、摂取して4~6週間後にγ-GTPが半分の約600に下がり、
12週間後に376、20週間後には258まで下がった。

γ-GTPが281の38歳男性でも、12週間後に124、
20週間後に94に下がった。
同様の試験を計10人で行ったところ、γ-GTPが60以下の人には
あまり変化はなかったものの、150以上の人では数値が改善。
途中からオルニチンの量を倍の12カプセルにしても、
効果はあまり変わらなかった。

1日どれくらい摂取すればよいのか?
内沢さんは、「シジミエキスはあくまで食品なので、
どれくらいで効果があるとは言えない」と前置き、
「試験結果からは、1日約1・2gが一つの目安かもしれない」

不思議なことに、シジミを冷凍すると、オルニチンの量が
約5~8倍に増えることも分かった。
死んでしまうと増えないことから、生きているシジミは
環境の温度に応じて、オルニチンを増減させている。

オルニチンの効果が期待できるのは、肝機能の改善だけではない。
津田彰・久留米大学教授(心理学)らは、飲酒習慣があり
疲れ気味の勤労者42人を対象に、オルニチン(1日400mg)を
8週間摂取、偽食品(プラセボ)の摂取群と比較する試験を行った。

その結果、オルニチンの摂取グループは、血液に含まれる
抗コルチゾールホルモンが相対的に増えることが分かった。
疲れの度合いを点数化したスコア評価で、
朝の目覚めがすっきりし、落ち込みの気分が改善。
疲れの改善やストレスの軽減にも、オルニチンが有効なことを示唆。

飲酒した翌日に、疲労感が減っているかどうかを調べた試験も。
堀内正久・鹿児島大学大学院准教授(環境医学)らは、
酒を飲むと顔が赤くなるタイプの16人を、
オルニチン(1日1回1600mg)摂取群とプラセボ摂取群の
2群に分け、効果を比べた。

この調査では、オルニチンを1回摂取しただけでも、
翌日の疲労が軽くなるなどの体感効果が表れた。
結果は、動物実験でも裏付けられた。
堀内さんは、「オルニチンは肝臓の代謝機能を上げ、
脳のエネルギーである糖やケトン体の産生を高めることで、
脳の疲労感を軽減しているのではないか」
………………………………………………………………
◇オルニチン

食べものから摂取したオルニチンは、腸で吸収されて
肝臓などに運ばれ、アンモニアの解毒やエネルギーの生産、
たんぱく質の合成などに寄与。
アミノ酸の多くは、たんぱく質の材料となるが、オルニチンは、
「遊離アミノ酸」といって、たんぱく質を構成することなく、
血液に溶け込んだ形で体をめぐる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/12/118808/

ヒト染色体操作 新技術、がん原因解明に有効

(2010年4月12日 読売新聞)

県立成人病センター研究所(滋賀県守山市)は、
ヒトの染色体の組みかえを簡単に操作できる技術を開発、
米国科学雑誌オンライン版で発表。

研究所は、「染色体の異常で起こるがんなどの病気の
原因解明に役立つ可能性がある」

研究グループの植村宗弘氏(遺伝子研究部門)によると、
新技術はノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が発見した
蛍光たんぱく質を応用。

酵素の作用によって、2本の染色体が交差して組みかわる現象
「転座」が起こると、細胞が光って観察しやすくなり、
光る細胞の割合を測定すれば、転座の起きやすさが
遺伝子の場所や細胞の種類によって、
どう違うのかを調べることができる。

がん細胞では、染色体の異常が頻繁に起きているが、
構造異常の原因などはわかっておらず、
研究所は、「開発した技術を用いて、がんの新しい診断や
治療の開発につなげたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/12/118861/

社説 外国人看護師 締め出し試験の愚かさ

(2010年4月15日 毎日新聞社)

経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアとフィリピンから
来日している受験生が、初めて看護師国家試験に合格。
ただし、わずか3人。
両国の受験者は254人、合格率は1・2%。

日本人の合格者は、約9割に上る。
外国人受験生にとっての壁は、難解な漢字や専門用語。
本当に看護師の仕事に必要なのか?
わざと締め出そうとしているようにしか思えない。

関税を撤廃し、貿易の活性化を目指す枠組みが
自由貿易協定(FTA)で、これに投資や知的財産保護を加えた
幅広い自由化のルール作りをするのがEPA。

インドネシア人候補者は08年8月から、フィリピン人は
09年5月から受け入れ始め、これまでに看護師候補約360人、
介護福祉士候補約480人が来日。

看護師候補者は、半年間の日本語研修を経て、
病院で働きながら国家試験の勉強をする。
期限は、3年間で3回の受験機会に合格すれば、
日本で働き続けることができる。

試験は今年で2回目、昨年は82人全員が不合格。
第1陣は、来年の試験に不合格だと帰国しなければならない。
自国では看護師資格のある人々なのに。

試験問題の文中には、「誤嚥」、「臍動脈」、「塞栓」、「喉頭蓋」、
「喘鳴」、「落屑」などの難しい漢字がたくさん登場。

どうしても必要ならば仕方がないが、「眼瞼」は「まぶた」、
「褥瘡」は「床ずれ」に言い換えた方が患者もわかるし、
医療現場でも便利ではないか。
「創傷治癒遅延」は、「傷の治りが遅い」ではだめか。
「腹臥位」、「半坐位」、「仰臥位」、「砕石位」は、
診察や治療の際に患者に取ってもらう姿勢だが、
イラストを付けるとわかりやすくなる。

医学用語である「企図振戦」は、
intention tremorという英訳を付けてはどうか。
日本人の受験生も、こうした業界用語を習得する勉強に
時間を費やしているのだろうか。

患者とのコミュニケーションや医療事故を起こさないスキルの
獲得に励んだ方が有益ではないか。
患者や第三者の監視の目を立ち入らせないようにする
閉鎖性が、こういうところに表れるのではないか。

形式的な公平だけでなく、実質的な公平を実現しなければ
ならないことを「合理的配慮義務」という。
国連障害者権利条約などにある概念で、障害や宗教、
人種などによる目に見えない障壁を取り除くために用いられる。

看護師を目指す外国人に対する日本の国家試験は、
まったく合理的配慮に欠けている。

高齢化が急速に進んでいく一方、就労人口は減っていく。
外国人看護師にたくさん来てもらわなければ困るのに、
いったい何を考えているのか。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/15/119033/