2010年10月14日木曜日

脊髄損傷マウスの治療に成功した奈良先端科学技術大学院大教授の中島欽一さん

(2010年10月6日 共同通信社)

神経幹細胞と、てんかん薬を使って神経を再生させ、
脊髄を損傷したマウスを歩けるまでに回復させることに成功。
米医学誌に発表。

研究成果が報道されると、脊髄損傷患者やその家族から、
いつ実用化されるのかと問い合わせが相次いだ。
中には、「私を実験台にして、治療を試してほしい」との悲痛な訴えも。

マウスでは成功したものの、人間で応用するには、課題が山積み。
「患者さんのつらい気持ちは分かるが、私にできるのは基礎研究まで。
臨床応用は、医師らにお願いするしかない」と、歯がゆい心境を明かす。

下半身がまひしたマウスが歩いた、と報告を受けたとき、
「しっかり証明しなければ」と思った。
欧米の一流科学誌には、「データがきれいすぎる」と信じてもらえず、
突き返されたことも。
論文が掲載されたのは、実験成功から約4年後。

九州大入学時の専攻は、化学。
身近に感じた生物学に興味を抱き、ハブ毒の研究で博士号を取った。
大阪大や熊本大で、免疫学や神経発生学を研究し、
米国留学から帰国した2004年、36歳で奈良先端大の教授に。

「やりたいことをやっていたら、結果が出た」と謙遜するが、
努力はしてきた、との自負がある。
研究員時代、早朝から深夜まで実験に没頭。

研究テーマは、脊髄損傷にとどまらない。
生物は、分からないことがいっぱいあるから、おもしろい」。
学生のころから続けるサーフィンが趣味の43歳。
熊本市出身。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/6/126554/

部活新時代(6)夢追い クラブも選択肢

(読売 10月1日)

「パスミスに気をつけろ」。
照明のともった横浜市中区の大鳥中学のグラウンドに、
サッカーボールを追いかける子どもたちの元気な声が響きわたる。

同市を中心に活動するスポーツクラブ
「横浜スポーツ&カルチャークラブ(YSCC)」の中学生ら約40人。

YSCCは、地域に根ざした多世代型のスポーツクラブ。
創立は1986年、もともとはサッカークラブだったが、
2006年、地域総合型クラブへ移行。
幼稚園児から高齢者まで約800人が、テニス、バドミントンなど
様々なスポーツを楽しんでいる。

サッカーをする中学生は約75人。
1年生は、リフティングなど基礎をメーンに、3年生になると、
戦術など応用主体のメニューを組む。
指導にあたるのは、サッカー経験の豊富な3人のコーチ。
「きめの細かい指導は、クラブならではのもの」、
理事長の吉野次郎さん(45)。

学校の部活だと、指導者は教員異動があると代わってしまう。
指導の目も届きにくく、1年は球拾いというケースも少なくないが、
クラブならそういうことはない。

「夢はJリーガー。だから技術をしっかり磨きたい」、
1年の杉山義君(13)の自宅は、東京都町田市。
週5回の練習に、電車とバスを乗り継いで1時間半以上かけて通ってくる。

父の雅晴さん(37)も、夢を応援する。
義君の通う中学のサッカー部について、以前、選手が足りずに
他部から人集めしたこともあるなど、
あまり盛んでない実情を知ったことも後押しに。

日本クラブユースサッカー連盟によると、クラブチームに加入する
中学生は2010年度、5万373人、00年度の2万1661人から倍増。

同連盟の真田幸明理事長(50)は、
「Jリーグができ、プロへの道が開けたため」と背景を説明。

日本中学校体育連盟の菊山直幸事務局長(61)は、部活について、
「学校教育の一環として、友だち作りの方法や集団生活のルールを
習得できる」と意義を強調。
「プロを目指したクラブで、夢破れて部活に戻る子もいる」

YSCCの吉野理事長は、グラウンドを借りている同中で、
今年から週1回、部活のサッカー部をボランティアで指導。
技術指導のできる顧問が、教員異動でいなくなったため。
新しい顧問の藤田恵輔教諭(23)は、
クラブと部活が補い合い、共存するのが大切。
選択肢があることが、子どもたちにとって良いことなのだから

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101001-OYT8T00171.htm

世界初の単構造結晶 岩泉・氷渡洞の鍾乳石

(岩手日報 10月7日)

岩泉町安家の氷渡洞(総延長約6000m以上)で、
昨年確認された立方体の鍾乳石ケイブ・キューブ(1辺は5~8mm)が、
世界初の単結晶構造のケイブ・キューブであることが分かった。

NPO法人日本洞穴探検協会と独立行政法人産業技術総合研究所が、
共同で詳細な解明を進めている。
今回の発見は、鍾乳石の形成過程を解き明かす貴重な資料として注目。

新発見のケイブ・キューブと確認したのは、
同研究所の丸井敦尚地下水研究グループ長(52)。
研究は、約1年前からスタート。
キューブの一部を切り取り、顕微鏡で内部構造を調べたところ、
炭酸カルシウムからなる方解石の単結晶構造であることが分かった。

これまで報告されていたケイブ・キューブは、
炭酸カルシウム素材だが、砂粒など結晶化の種を核に持つ層状構造。
個々のキューブは球形で、成長により隣接したキューブと
摩擦を起こすことで、立方体になるとされている。

今回のケイブ・キューブは、そのような核を内包しておらず、
はじめから立方体だったとみられ、構造は大きく異なる。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101007_3

2010年10月13日水曜日

途上国の子供の命の保護に取り組むユニセフ東京事務所長の平林国彦さん

(2010年10月1日 共同通信社)

筑波大での博士課程の修了間近、心臓外科医として
一歩を踏み出そうとしていた1994年、
ふとしたきっかけで見た1枚の写真が、人生を変えた。
その写真が、今もオフィスの壁に掛かる。

「ハゲワシと少女」。
飢餓が深刻化するスーダンで、飢えのために歩けなくなり、
うずくまる少女を見詰めるハゲワシ。
後にピュリツァー賞を受賞し、世界的な注目を集める
この写真に、大きな衝撃を受けた。

「神の手を持つといわれる心臓外科医でも、1年間に救える人の数は
せいぜい300人。
発展途上国の貧困問題に取り組めば、何万の子供の命が救える

以来、ボリビア、コロンビアなど、多くの国で病院の技術指導に従事、
紛争中のレバノンや米軍進攻直後のアフガニスタンでの
勤務経験も持つ。
4月、国連児童基金(ユニセフ)東京事務所代表に就任。

「ボリビアの病院に運ばれてくる子供は、栄養失調や病気で
手遅れの子ばかり。何をしていいかすら分からなかった」

途上国の乳幼児の死亡率は依然として高く、先進国との格差は大きい。
「この巨大な不公平を見過ごすことは、正義をないがしろにすること」

日本の政府開発援助(ODA)は、減少が続き、途上国の貧困問題への
社会の関心も高くはない。
「財産を失うことは恐ろしい。
今の日本にとって一番恐ろしいのは、長く大切にしてきた正義を失うこと」、
あくまでも「正義」にこだわる。
長野県出身、52歳。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/1/126354/

部活新時代(5)複数種目で「得意」発見

(読売 9月30日)

運動場の片隅で、腰にタグを付けた子どもたちが走り回っている。
「やったー」と、無邪気な歓声が上がる。
熊本市中心部にある市立一新小学校。
「総合運動部」の活動を見守る2人の大人は、同小の教員。

総合運動部とは、楽しみながら運動の機会と量が確保できるよう、
複数の種目を行う部活のこと。
少子化による部員減やニーズの多様化を背景に、
2000年、中央教育審議会が提案。
同市では、03年から市教委が導入を推進、
現在は小学校92校中25校で、活動が行われている。

一新小の総合運動部は、4~6年生の男女約30人が所属。
活動は週2回、種目は学期ごとに変え、1学期は各種ボール運動、
2学期は腰のタグを取り合う「タグラグビー」、3学期はマット運動。
この日は、タグラグビーの前段として、ジャンケンなどを
取り入れた運動を1時間行った。

同小の運動系の部活は、学校主催では同部だけ。
このほか、学外者が指導・運営に当たる野球やサッカーなどの
クラブチームがあるが、総合運動部担当の後藤敬光教諭(47)は、
「総合運動部は、『勝利至上主義』ではなく、授業でもないから、
怒ったり難しい説明をしたりもしない」
クラブチームとは活動目的が違うため、選手の取り合いもない。

「主将」は置かず、6年生が下級生を指導するのは準備運動ぐらい。
緩やかな上下関係の中で、団体行動の基本を身に着けさせるため。
6年生のNさん(11)は、「学年に関係なく遊べるのが一番楽しい」

親の評判も上々。
5年生の娘を通わせる藤本美佐子さん(41)は、
「野球でバットなど使えば、ケガが心配。
学校の先生が指導し、適度な運動で暗くなる前に
帰宅させられるから安心」

文部科学省の09年度「全国体力・運動能力、運動習慣調査
(全国体力テスト)」では、体育の授業を含めた1日の運動時間が
60分未満の児童は、男子で10・5%、女子は22・6%、
体力と密接な相関関係があることが確認。
東京都教委も今年度、「1日60分運動」に向けた総合運動部の
モデル校3校を、初めて指定。

活動場所や指導教員の確保という課題も、浮き彫りに。
桐蔭横浜大学の園山和夫教授(保健体育科教育学)は、
「多種目に取り組ませるのは、得意な運動を見つける意味で有意義。
地域の人材や施設を活用した運営を検討していくべき」

◆全国体力テスト

子どもの体力低下の深刻化を受け、小5、中2の全児童・生徒を
対象に、2008年度から毎年実施。
握力、ボール投げ、反復横とび、50m走など、
8種目の総合で点数を出す。
都道府県別データも公表。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100930-OYT8T00239.htm

三陸海岸、範囲拡張へ 環境省が見直し方針

(岩手日報 10月5日)

環境省は、国立・国定公園の指定状況を、
39年ぶりに全国規模で見直した結果、
アマミノクロウサギといった固有種が生息する奄美群島(鹿児島)を
含む6カ所の新規指定など、自然保護のために
全国18カ所の新規指定・拡張が必要と発表。

生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向け、
政府の積極姿勢をアピールする狙い。
指定されると、開発が規制されるため、今後10年かけ
地元自治体や土地所有者らと調整し、区域を指定。

環境省は、重要な生態系などを保全する観点から、
全国の335地域をピックアップ。
①国立・国定公園に含まれず、保護体制ができていない、
②貴重な固有種が集中している―
などを基準として絞り込んだ。
候補地の具体的な範囲や面積は、地元と協議して確定させるため、
明示しなかった。

東北では、青森県から本県、宮城県に連なる三陸海岸
(陸中海岸国立公園、南三陸金華山国定公園)が、
国立公園拡張の候補地として公表。

現在、気仙沼市から久慈市までの陸中海岸国立公園の
久慈市以北の拡張に向け、洋野町や青森県八戸市の種差海岸などを
中心に今後、調査を進める。
調査の時期や拡張の規模などについて、まだ決まっていない。

県自然保護課は、「国立公園に指定されれば、
自然保護の取り組みがこれまでよりもやりやすくなる。
開発が制限されるため、地元の理解を得ながら進めていくことが必要」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101005_11

2010年10月12日火曜日

南ア、最悪のサイ密猟被害 アジアの漢方薬需要で急増

(2010年10月1日 共同通信社)

夜間にヘリコプターから、サイを射殺。
チェーンソーを使い、数分で角を切断し逃亡-。

南アフリカでサイの密猟が急増、今年は既に過去最悪の被害を記録。
角を漢方薬の原料として珍重する中国や東南アジアでの需要増が
背景にあるとされ、保護活動家らは、
「国際的な組織犯罪」として、関係国に対策を求めている。

「密猟者を見つけたら、撃ち殺してやりたい」
ヨハネスブルク郊外で、約1200haの動物保護区を運営する
エド・ヘーンさん(69)が、怒りをあらわにした。

5月29日朝、スタッフが保護区で、大人と子供のシロサイが
殺されているのを発見。
大人の方は、角を2本とも切り取られていた。
約20年前、個人で保護区を開いてから初の密猟被害。
サイを殺すための薬物が、銃で撃ち込まれた痕跡があった。
目撃情報はないが、過去の摘発例から、
ヘリを使って犯行を重ねる密猟組織の仕業であるのは明白。

南ア国立公園当局によると、2007年に13頭だったサイの密猟被害は、
08年は83頭、09年は122頭と急増、
今年は9月23日までに既に210頭が犠牲。

密猟組織の標的は、警備を強化した国立公園から
小規模な個人の保護区に移行。
別の保護区で殺されたサイの子供3頭を引き取り、
育てているヘーンさんは、自費で警備員を増やした。

サイの角は、アジアでは1kg、数百万円で取引。
世界自然保護基金(WWF)などによると、中国のほか、
経済成長で中間所得層が増えたタイなどで、需要が増加。
「角ががんに効く」という風説が広まったベトナムも、巨大市場化。

08年、在南アのベトナム大使館前で、ベトナム人外交官が、
角を違法取引している様子をテレビ局に撮影、本国に召還された。

WWFで、アフリカのサイ問題を担当するジョセフ・オコリ氏や
専門家の多くは、「角に医療効果がないことは、科学的に証明済みだ

食肉目的の狩りなど、いったん大幅に減った南アのサイは、
地道な保護活動の結果、増加傾向に転じ、
現在はシロサイとクロサイを合わせて推定2万4700頭が生息。
世界の生息数の8割。
密猟が続けば、再び減少に転じる恐れがある。

捜査当局は9月下旬、南ア北東部で密猟を重ねていたとして、
男女11人を逮捕。
逮捕者には、野生動物の保護活動に携わっていた獣医師2人や、
サファリ観光会社経営者も含まれ、南ア社会に衝撃を与えた。

ヘーンさんは、「関係国が協調し、国境管理を強化することが重要」
「密猟される前に、角に毒を注入しておき、薬として使えなくすればいい。
サイの健康には影響しない」と、持論をまくしたてた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/1/126353/

部活新時代(4)神楽“競演”継承へ一歩

(読売 9月29日)

広島県北西部の山あいにある、北広島町。
町役場近くの集会所の舞台に、
きらびやかな神楽の装束に身を包んだ高校生たちが集った。

参加した県内4校の中で、ひときわ異彩を放ったのが、
県立加計高校芸北分校の神楽部。

長さ13mの巨大な大蛇を、ダイナミックに操る「八岐大蛇」を
30分かけて演じると、400人の地元ファンから大きな歓声。

分校のある芸北地方は、全国有数の神楽どころ。
舞手の派手な衣装と速いテンポが特徴で、100超の神楽団が活動。
生徒数80人の同分校の神楽部は、最も長い62年の伝統を誇り、
現在は男女24人が所属。
伝統芸能の継承だけでなく、祭礼などで年間約20回の公演をこなす。

少子化の影響で、全国の伝統芸能の担い手は減少の一途。
全国高校文化連盟の調査によると、全国の高校で伝統芸能を扱う部活は、
2009年度の144校から、今年度は131校と1割も減った。

同分校では、部活の「2部制」を導入し、部員を確保。
バレーボールやスキー、卓球など七つの「第1部活」への参加が
全生徒への“義務”。
神楽部は「第2部活」で、第1の練習が終わった午後6時から
1時間半、毎日けいこに励む。

部員のうち、半数超の13人が3年生。
「八岐大蛇」には、8体の大蛇を演じる8人のほか、笛や太鼓など
総勢16人が必要なため、3年生は卒業間際まで公演に参加。

部長の田枝浩太さん(17)は、幼い頃から日常的に神楽に触れてきた。
「自分にとって、神楽は子守歌。
今、神楽を楽しめるのも、地域で支えてくれているおかげ。
将来は地域の神楽団に入り、後輩を指導したい」

分校統廃合も取りざたされる中、小田均分校長(55)は、
「分校が存続できるのは、神楽部のおかげでも。
都市部で地域の結びつきが希薄になる中、
その象徴として残していかなければ」と、決意を新たに。

公演を主催したNPO法人・広島神楽芸術研究所の
増田恵二事務局長(52)は、「若い人同士が刺激し合う機会に
なるようにと、県内の高校生を集めて初めて開催。
担い手が地域に根付くように、就職先の確保や常設公演場の
設置も検討すべきだ」

競演後、同NPOには参加校の部員から、1通の手紙が届いた。
〈他の高校と一緒に舞う機会があれば、と思っていたが、
願いがかないました。
精進して、他の高校に負けない部になりたい〉。
伝統を競う試みが、継承の一歩となり始めている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100929-OYT8T00232.htm

岩手凝縮、雑穀パン 盛岡農高と一戸の業者が開発

(岩手日報 10月1日)

滝沢村の盛岡農高(千葉祐悦校長)の食品科学科パン研究班と、
一戸町の一野辺製パン(一野辺克彦社長)が、
共同開発した雑穀パンの新商品発表会が開かれた。
四つの新商品は、1日から県内150店舗で、110~120円で販売。

関係者や生徒約50人が出席。
生徒らが、軽米町産雑穀や県産米粉、同校の飼育牛の牛乳など、
県産食材を原料にしたパンの開発過程を紹介。

新商品は、「雑穀アンのあんパン」、「ミルミルミルクパン」、
「盛農牛乳ぱん」、「豆と芋のごろごろサンド」の4種類。
試食会も行われ、参加者は「もちもちしている」、「ほどよい甘さ」、
「腹持ちがよさそう」などと感想。

同校3年の沢口遥佳さんは、「雑穀生産者の力になりたい、
という意見を尊重してもらい、幸せ。
雑穀パンで笑顔の輪を広げたい

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101001_5

2010年10月11日月曜日

部活新時代(3)応援の輪 ネットで拡大

(読売 9月25日)

〈空想の世界の中で描いていた「筑紫高校の校歌斉唱」。
これを現実の世界で見ることができ、すばらしい幸福感を味わいました。〉

福岡県立筑紫高校の野球部を応援するサイトの掲示板に、
試合を見た46歳のOBから書き込み。
入学した31年前に野球部はなく、机にユニホームの落書きをしては
野球部創設を夢見た、とつづられていた。

創部9年目の今夏、県大会で初のベスト16進出を果たした同高野球部。
大会の季節になると、卒業生のほかにも、
近所の人やファンから応援の書き込みが多数。

塩崎健司監督(52)は、掲示板の文章を部員たちに読み上げた。
「『これだけの人に注目されているのだから、勝たなくては』という、
いい意味での緊張感が選手たちを奮い立たせた」

応援する人と野球部の橋渡しをするこのサイトは、
「部活ガンバドットコム」。
福岡県内の中学校・高校にある運動部の試合結果や日程を掲載。
高校102校の野球部と48校のサッカー部は、
個別の掲示板も開設し、それを見た人が感想を書き込める。
運営費は、地元企業からの協賛金でまかなっている。

06年、サイトを立ち上げ、管理人を務める元中学校教諭の
森省三さん(49)は、「部活の主役である子どもたちが、
『頑張ろう』と思えるような応援ネットワークを築きたかった

部活動は生徒、保護者、教師の間で完結しない。
その周囲では、卒業生や住民ら多くの人たちが見守っており、
試合の観戦に来たり、結果の知らせを待ち望んだりしている。
部活を紹介する各校のサイトには、手間がかかるため、
長い間更新されていないものもあり、
情報が十分に発信されていないのが現状。

部活ガンバに掲載する情報は、森さんが自ら取材に駆け回るほか、
教員時代に築いた学校の人脈を生かし、様々な方法で入手。
試合の時、会場から森さんのもとに、途中経過の連絡が次々に入り、
すぐにサイトに反映。
福岡県高等学校体育連盟など、加盟競技団体の試合結果を載せている。

「ネットにつきものの匿名による中傷の書き込みはゼロではないが、
ほとんどは協力的な書き込み。
昔のように、子どもの面倒を見たがる大人たちを、
部活ガンバを通して増やしていきたい」と、森さんは意気込む。

サイトの月間閲覧数は約510万件、開設当初のおよそ50倍。
部活ファンの輪を、ネットが着実に広げている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100925-OYT8T00228.htm

ノーベル平和賞:中国の劉暁波氏に…服役中の民主活動家

(毎日 10月8日)

ノルウェーのノーベル賞委員会は、
「長年にわたり、非暴力の手法を使い、中国で人権問題で
闘い続けてきた」、中国の民主活動家で作家の劉暁波氏(54)に、
10年ノーベル平和賞を授与。

同委は、事実上の世界第2の経済大国となった中国が、
人権問題でも国際社会で責任ある役割を果たすよう、強く求めた。
中国政府は、劉氏への授与決定を伝える衛星放送を一時遮断、
外務省が「(劉氏は)犯罪者で、授賞は平和賞を冒とくしている」との
談話を発表するなど、強く反発。

◇中国反発「賞を冒とく」

劉氏は08年12月、中国共産党の一党独裁を批判する
「08憲章」を起草した中心人物。
08年拘束、今年2月、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の刑が確定、
服役している。
89年6月、天安門事件でも学生を支持して投獄。

同委は授賞理由について、中国では「言論、出版、集会、結社、
抗議活動の権利が極めて限定されている」
20年以上にわたり活動を続けた劉氏を、
「人権運動の第一人者」と高く評価。

劉氏が、自身の懲役刑について、「中国の憲法、基本的人権の
双方に違反している」と主張。

ヤーグラン委員長は、「反体制派への授賞は反発を招くと、
中国から警告を受けていた」と明らかにし、
「中国がより民主的な国になるために、他の人が言えないことを、
我々は言わなければならない」、
人権と平和を最重視する考えを強調。

同委員会は昨年、就任直後で実績のないオバマ米大統領に
授与したことが議論に。

◇米大統領「歓迎」

オバマ大統領は、授賞決定を「歓迎する」との声明を発表、
中国政府に同氏の即時釈放を求めた。
声明では劉氏を、人権と民主主義など「普遍的な価値観を広める
雄弁で勇気ある人物」と称賛。
中国の「政治改革が(経済成長に)追い付いていないことを想起させる」

◇劉暁波◇

1955年、中国吉林省生まれ。
北京師範大講師だった88年に渡米、民主派の在米中国人組織
「中国民主団結連盟」のアピール、「中国大学生に告げる公開書簡」の
起草に加わった。

89年、中国の民主化運動を知って帰国。
同年6月、天安門広場でハンストを行うなど一連の運動に加わり、
天安門事件後に拘束。
事件後、学生指導者らの多くが出国したのに対し、国内にとどまり、
民主化を求め続け、90年以降、断続的に身柄を拘束。
現在、遼寧省の刑務所で服役。

◇08憲章◇

08年12月10日付(発表は9日)、中国の作家ら303人が
連名で出した中国の民主化を求める宣言文。
中国共産党の一党独裁体制の廃止や三権分立、集会の自由など、
人権状況の改善などを求めている。
劉暁波氏ら作家や弁護士、学者らの著名人が実名で発表。
多くの著名人が、中国共産党の統治を公然と批判したのは異例。
国内外で大きな反響を呼び、インターネット上では約1万人が署名。
劉氏は、発表の前日に拘束。

http://mainichi.jp/select/world/news/20101009k0000m040010000c.html

インタビュー・環境戦略を語る:住友信託銀行・大久保哲夫常務執行役員

(毎日 10月4日)

環境問題を、信託の機能を使って解決する
「エコ・トラステューション」を掲げる住友信託銀行。

名古屋市で開かれる、生物多様性条約第10回締約国会議
(COP10)に向けても、独自の活動に取り組み、国内の議論をけん引。
大久保哲夫常務執行役員に聞いた。

--エコ・トラステューションの柱として、「環境不動産」を掲げる。

◆オフィスビルなどは、エネルギー消費が多い半面、
省エネが進んでいない分野。
不動産が中核業務の信託銀行として、4月、
「環境不動産推進課」を新設。

ビルの省エネや周辺の生態系配慮などについて、
費用対効果の面からビルオーナーに提案するコンサルティング業務や、
化学物質などで汚染された土地を買収して再生する
ファンドの運営支援に取り組んでいる。

東京都が4月に導入した大規模事業所間の排出量取引制度でも、
規制対象の事業所への提案に力を入れている。

--国内では、環境不動産の普及がなかなか進まない。

環境に配慮した不動産が、市場で高く評価される状況を作る必要。
当社は、07年から「サステナブル不動産研究会」を主催、
国や自治体、建築・不動産業界、投資家やNPOなどと
環境不動産市場の形成に向けて議論を進めている。

--COP10にも深くかかわっている。

◆ドイツで08年に開かれたCOP9で、世界の33社と
「ビジネスと生物多様性イニシアチブ」のリーダーシップ宣言に署名。
生物多様性に配慮した経営を行う企業へ投資する、
世界初のファンドの開発のほか、支店でも植林や絶滅危惧種の飼育に
取り組んでいる。

日本が議長国であるCOP10の成功に向けて、COP9の直後、
生物多様性問題の国際的な研究リポート
「生態系と生物多様性の経済学」を翻訳、
日本で幅広く読んでもらえるようにした。

生物多様性を経済の問題としてとらえ、
政策的に議論する土壌づくりに貢献。

--社会的責任投資(SRI)の拡大にどう取り組みくむか?

◆アナン国連事務総長(当時)が06年、投資対象を選ぶ際、
「環境、社会、企業統治(ESG)」を重視する
「責任投資原則(PRI)」を提唱。

PRIの署名機関は800を超え、資産運用残高は20兆ドル
(約1680兆円)に上る。
金融危機後、資産運用業界ではESGを顧みない企業を
投資対象から外す動きも出ているが、
日本でPRIに署名しているのは14機関、
資産運用残高も5000億円程度。

当社は、今年発足したPRIの日本ネットワークの共同議長を務め、
SRIの新商品開発など、市場拡大に貢献していく考え。
==============
◇おおくぼ・てつお

80年東大法卒、住友信託銀行入行。
受託資産企画部長、執行役員業務部長などを経て、
08年6月から現職。54歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/10/04/20101004ddm008020026000c.html

肥満のツケは年間40万円に 米調査

(CNN 2010.09.22)

肥満人口が3分の1以上を占める米国で、
肥満は健康に悪いだけでなく、家計にも重くのしかかる、
という調査結果が発表。

ジョージワシントン大学のアビ・ドール教授(経済・健康政策)らは、
肥満に伴う医療費負担と医療費以外の負担について調べた。

その結果、年間経費は女性の場合、最大で4879ドル(約42万円)、
男性は2646ドル(約22万円)に上る。

内訳は、医療費以外では賃金や生産性の低下、
病欠に伴う収入の目減りや余分なガソリン代が大部分を占めた。
医療費は入院、通院、緊急治療費、往診代、処方薬など。

男女の差が大きいのは、主に賃金が原因。
共同研究者のクリスティーン・ファーガソン教授は、
「男性は、太り過ぎや肥満でも賃金には響かないが、
肥満の女性は、収入が大幅に低くなる確率がはるかに高い」

肥満になると、衣類や食事代もかさみ、大型の自動車や家具が必要。
こうした経費について、信頼できるデータがなかったため、
今回の調査対象から外したが、相当な額に上るはずだとドール教授。

健康のため、家計のため、やはり(肥満の人は)痩せた方が良さそう。
ファーガソン教授は、「少しずつでも痩せれば、健康への影響だけでなく、
ほかの経費負担も減らせるかもしれない」

http://www.cnn.co.jp/fringe/30000293.html

2010年10月10日日曜日

部活新時代(2)低くなった男女の壁

(読売 9月24日)

「ハルちゃん!!」と声をかけ、男子部員がパスをする。
私立同志社香里高校のラグビー部の練習。
ボールを受けるのは、部員57人中、唯一の女子部員である
2年生の堀内春香さん(16)。

身長1m52と小柄な堀内さんは、中学2年生の頃から、
地域の女子クラブチームでラグビーを続けてきた。
練習は日曜日のみで、「毎日できる部活動で力をつけたい」と、
高校でラグビー部を選んだ。
「女子だけの練習とは比べものにならないほど運動量が多く、
自分にプラスになる」と笑顔。

清鶴敏也監督(49)は、「最初は女子を入れるのに不安があった」
体格差があり、一歩間違えれば大けがをする危険性がある。
熱意に負けて入部は許したものの、試合出場は認めず、
練習中も堀内さんへのタックルは禁じている。

男子部員は部室で着替えるが、堀内さんは更衣室。
男子と別行動になり、練習後は1人で帰宅する日も少なくない。
後に続く女子部員はおらず、女子ラグビー部創設への道のりは遠い。

日本ラグビーフットボール協会によると、
中学・高校での女子ラグビーは、部活動の段階には至っていない。
「男子の球技」との印象が浸透し、部をつくるだけの人が集まらない。

2016年リオデジャネイロ五輪で、男女ともに
7人制ラグビーが正式競技になる。
同協会は、これを好機ととらえ、「学校に女子ラグビー部があれば、
女子生徒がラグビーに触れる機会が増える」、
全国の中学校や高校に対し、部の創設を働きかける考え。

女子部員の多い競技で、男子が活躍できる場もある。
私立長崎玉成高校のハンドベル部は、部員21人中、男子が2人。
教会などで奏でるハンドベルには、繊細なイメージがあるが、
部が使用するベルは、重い物で4kg近く。
それを振るのに、男子の腕力が生きてくる。

「いい音は、余力がないと出ない。
オール女子より、男子もいた方が優しい音が出る。
男女で一緒に演奏できるのは、非常にいいこと」、
顧問の上戸綾子教諭(55)。

シンクロナイズド・スイミングやチアダンスでも、男子が表現する時代に。
部活動における男女の壁は、低くなりつつある。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100924-OYT8T00179.htm

クローズアップ2010:ノーベル化学賞に日本人2氏 お家芸、カップリング

(毎日 10月7日)

医薬品や次世代照明と期待される有機EL
(エレクトロルミネッセンス)など、私たちの生活を支える
数々の製品を生み出す原動力となる化学反応を考案した、
鈴木章・北海道大名誉教授(80)と
根岸英一・米パデュー大特別教授(75)を含む3氏に、
ノーベル化学賞。

化学反応を促す仲介役(触媒)に金属を利用し、不可能と思われていた
有機化合物を自在に結びつけ、新たな性質を持つ物質を
次々と生み出した。
社会に大きく貢献した「縁の下の力持ち」ともいえる発見、
日本の有機化学の層の厚さを示した。

◇60年代から発見次々

世の中にある100あまりの元素を組み合わせ、
有用な物質を作り出すためには、
化学反応によって元素や化合物同士を結合させることが必要。
炭素が骨格となっている有機化合物を、結合させることは難しい。

今回の受賞対象となった有機合成反応は、
有機化合物を効率よくつなぎ合わせたり、
分離させることを可能にする技術。

3氏の受賞対象となったパラジウムなどを触媒に使った化学反応
「クロスカップリング」は、二つの有機化合物を自在にくっつける
「のり」といえ、有機合成に新たな時代を築いた。

この分野は、日本が世界を先導してきた「お家芸」。
70年代、多くの日本人研究者が、パラジウムやニッケルなどの
金属を触媒に用いたカップリングの研究に傾注。

きっかけは、玉尾皓平・理化学研究所基幹研究所長(67)らが、
72年発表したニッケルを触媒に使ったクロスカップリング。
その後、望まない副生成物ができるのを抑えるなど、改良が重ねられ、
日本人研究者の名前を冠した化学反応が次々と生まれた。

今回受賞したリチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)の
化学反応も、研究者の世界で「溝呂木・ヘック反応」とも呼ばれる。
「溝呂木」は、故・溝呂木勉・東京工大元教官のことで、
溝呂木さんがヘック名誉教授の1年前に発見した反応。

玉尾さんの発見にヒントを与えた山本明夫・東京工大名誉教授
(有機金属化学)は、「当時の日本の研究室は、
資金や機材などが潤沢ではなかったが、
有機化学の研究者の層が大変厚かった。
最初にやったという点で、玉尾さんが入ってもよかったが、
3人の組み合わせは、応用に対する価値をより重視したように思う」

小林修・東京大教授(有機合成化学)は、
「これらの発見は、歴史が古く、世界中でいろいろな分野で使われる。
その点が高く評価されたのだろう」

玉尾さんは、「日本人研究者お二人は、いろいろな金属が
触媒として使えることや、幅広い条件で使える反応を作り出したことが
評価されたのだろう。
日本の若い研究者に、勇気と元気と希望を与えた」

3氏の受賞理由となったパラジウムを触媒に使う有機合成反応は、
現代の産業利用の中心。
その礎を築いたのは、辻二郎・東京工大名誉教授(83)。

辻さんは60年代、世界で最初に炭素同士の結合の触媒に
パラジウムを使った。
パラジウムは希少な金属のため、最近は鉄を触媒に使う
クロスカップリングの研究が進み、日本人研究者も熱心に取り組んでいる。
小西玄一・東京工大准教授は、
「まだ鉄はパラジウムの域には達していないが、
今後の発展に期待したい」

◇医薬品から液晶まで、生活密着の基礎技術

鈴木さんと根岸さんが、新たに開発した化学反応
(クロスカップリング)は、医薬品や農薬などの製造に幅広く活用。

医薬品では、強力な血圧降下剤「バルサルタン」や、
農薬では「ボスカリド」の合成などに大規模に用いられている。
近年、巨大プラントで、この反応を使って大量生産。
鈴木カップリングを使った医薬品だけでも、
年間1兆円近くの売り上げがある。

医薬品では、病気の原因となるたんぱく質の働きを抑えたり、
促進する化合物探しが、新薬開発の鍵を握る。
現在、多くの製薬会社は、研究の最初の段階で、この反応を使い、
化合物の一部を取り換えるなどして、薬として有用かどうか評価する
作業を繰り返している。

今回の手法の開発を受け、90年代以降、機械的に
さまざまなタイプの化合物を一括して作る技術が発達、
飛躍的に大量の化合物を作り出すことが可能になり、
新薬候補となる物質が広がった。

この反応に使う試薬を販売する専門のベンチャー企業が出現、
産業分野にも変革をもたらした。

電子産業に与えた影響も大きい。
電卓の液晶パネルに使われる化合物の
「ペンチルシアノビフェニール」や、有機ELの材料の製造にも大きく寄与。

東京大の佐藤健太郎・特任助教(有機化学)は、
「資源の少ない日本では、こうした新技術の開発が生命線。
鈴木、根岸両氏が編み出した手法は、こうした製品の製造を
下支えする重要な基礎技術になっている」
==============
◆日本人の名前がついた主な有機合成反応◆
(年は最初の論文の発表年、下は発見にかかわった日本人)

▽辻・トロスト反応 1965年
 辻二郎・東京工大名誉教授
▽溝呂木・へック反応 1971年
 溝呂木勉・東京工大元教官
▽熊田・玉尾・コリューカップリング 1972年
 熊田誠・京都大名誉教授
 玉尾皓平・理化学研究所基幹研究所所長
▽薗頭・萩原クロスカップリング 1975年
 薗頭健吉・大阪市立大名誉教授
 萩原信衛・大阪大名誉教授
▽右田・小杉・スティルカップリング 1977年
 右田俊彦・群馬大名誉教授
 小杉正紀・群馬大名誉教授
▽根岸クロスカップリング 1977年
 根岸英一・米パデュー大特別教授
▽野崎・桧山・岸カップリング反応 1977年
 野崎一・京都大名誉教授
 桧山為次郎・中央大教授
 岸義人・ハーバード大名誉教授
▽鈴木カップリング 1979年
 鈴木章・北海道大名誉教授
 宮浦憲夫・北海道大特任教授
▽桧山クロスカップリング 1988年
 桧山為次郎・中央大教授

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/10/07/20101007ddm003040061000c.html

細胞のセンサー機構解明 がんやアトピーに関与

(2010年9月30日 共同通信社)

細胞表面にあるセンサータンパク質が、周りにあるタンパク質の
信号を受け取り、細胞内に周囲の情報を伝える仕組みを、
大阪大と横浜市立大のチームが明らかにし、
29日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載。

体内での信号のやりとりは、神経などの形成のほか、
がんや自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎などの病気の進行に関与。
信号を遮断すれば、免疫の働きを抑え自己免疫疾患の治療に
つながり、信号を強くすればアトピー性皮膚炎を抑えられる。

チームは、マウスの信号タンパク質「セマフォリン」と
細胞表面のセンサー「プレキシン」の結晶構造を、
大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)などで解析。

通常は、細胞表面でくっついている2個のプレキシンが、
近くに来たセマフォリンを間に挟み込み、細胞内に情報を伝える。

大阪大蛋白質研究所の高木淳一教授は、
「信号授受の様子を、原子レベルで明らかにできた。
信号の働きを調節する薬を、コンピューターで
デザインできるかもしれない」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/30/126244/

レアアース不要のハイブリッド自動車用モータ開発

(サイエンスポータル 2010年9月30日)

産出国が限られているレアアース(希土類元素)を使わない
ハイブリッド自動車用モータを、
新エネルギー・産業技術総合開発機構と、
北海道大学大学院情報科学研究科の小笠原悟司教授、
竹本真紹准教授が開発。

ハイブリッド自動車や電気自動車には現在、レアアースを利用した
磁石モータが使われている。
安いフェライト磁石を使ったモータでは、高出力が得られない。

新しく開発されたモータは、フェライト磁石の磁力を弱め、
高い回転力が得られない原因となっているロータディスク
(炭素鋼などの磁性体で構成する円盤状の部材)を
取り外した構造が特徴。

フェライト磁石と圧粉鉄心を、非磁性の支持部材に交互に
組み込むことで、レアアースを使わないフェライト磁石でも、
高出力を出すことを可能。

試作したモータの性能試験の結果、
従来のハイブリッド用希土類磁石モータと同サイズで
同等の高出力(51.5kw)を発生できることが確認。

レアアースは、中国が世界の産出量の90%以上を占めるなど、
産出地域が非常に限られている。
安定調達に不安があるレアアースを使わずにすむモータの開発成果は、
激しさを増す次世代自動車開発における
日本の産業競争力向上につながる。

この研究開発成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の
次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発の一環。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1009/1009301.html

2010年10月9日土曜日

部活新時代(1)走って鍛えて 書道熱演

(読売 9月23日)

「もっと力強く書いて!」
墨汁で手足を真っ黒にした女子高生が、
縦4m、横6mの巨大な紙に大きな筆を振り下ろす。

愛媛県四国中央市の県立三島高校の教室。
軽快な曲が流れる中、書道部の女性部員11人が、
1週間後に地元で開かれる「書道パフォーマンス甲子園」
向けて、練習に励んでいた。

同甲子園は、「紙のまち」として知られる同市で、
書道ブームに乗った街おこしとして始まった。

同甲子園を描いた映画『書道ガールズ!!』の公開で、
認知度が一気に高まり、3回目となる今年の参加希望校は、
前年(4県5校)の4倍近く(11府県18校)に急増。
初めて、書類審査も行われた。

パフォーマンスのおかげで、魅力を多くの人に知ってもらえた」、
映画のモデルにもなった同高で、書道部顧問を務める
阿部秀信教諭(33)。
かつては部員集めに苦労したが、
今は毎年数人の入部希望者がいる。

練習は、運動部顔負け。
筆を握る前、2km走に腕立て伏せ、腹筋、スクワットなど
トレーニングは欠かさない。
パフォーマンスに使う重さ10kgを超える筆を、
自在に操るには、体力も求められる。

「作品を書く様子を、人前にさらす必要はない」などの批判も。
部長で3年の近藤友希さん(17)は、
「書道の楽しさが伝わり、書道を始める若い人が増えればいい」

7月31日、同市立体育館で行われた本番。
部員たちは、そろいのはかま姿で登場。
惜しくも3位に終わったが、約3000人の観客たちは
地元校の健闘をたたえた。

暗い、地味と言われがちだった文化系の部活に今、活気がある。
90年代から00年代にかけ、「~甲子園」と銘打つ
文化系の大会が相次いで登場した影響。
高知県などが、92年に始めたまんが甲子園から、
ディベート、版画、短歌まで。
いずれも高校生たちが一つの会場に集まり、審査員の前で
作品の制作や発表のパフォーマンスを競う。

全国高校文化連盟会長の藤原正義・岩手県立盛岡第四高校長(60)は、
球児だけでなく、文化系の活動に励む高校生たちにも
注目が集まるのはすばらしいこと。
パフォーマンスは、表現力の向上につながり、
社会に出ても必ず役に立つ」

学力や体力、道徳意識の低下を背景に、部活が注目。
中学と高校の新しい学習指導要領にも、
その意義などが初めて明記。
時には地域も巻き込み、様々に変容しながら
展開する実態を追った。

◆書道パフォーマンス甲子園

高校生が、文字の美しさや表現力を競う大会として、
2008年に始まった。
1チーム最大12人が音楽に合わせ、
特大用紙(縦4m、横6m以内)に自由に書く。
制限時間は6分。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100923-OYT8T00236.htm

ノーベル賞:炭素新素材開発の2氏に物理学賞

(毎日 10月6日)

10年のノーベル物理学賞を、炭素の新素材「グラフェン」を開発した
英マンチェスター大のアンドレ・ガイム教授(51)=オランダ国籍=と
コンスタンチン・ノボセロフ教授(36)=英、ロシア国籍=に授与。

グラフェンは、炭素が六角形につながったシート状の新素材で、
厚みが原子1個分しかない。
現在知られている素材の中で、最も薄くて強く、銅と同程度の
電気伝導性があり、熱伝導性も最も高い。

ガイム氏らは04年、炭素の蜂の巣構造が何層も重なり、
鉛筆の芯の材料として使われている「グラファイト」(黒鉛)に、
粘着テープを張ってははがす作業を繰り返して薄片をはがし、
原子1個の厚みの層(グラフェン)を分離することに成功。

ごく薄い構造を持ったグラフェンは、「驚異の物質」として、
物理学や材料科学の分野で注目、
太陽電池や液晶ディスプレー、従来のシリコン製を上回る性能の
半導体への応用が期待。

ガイム氏は00年、カエルを生きたまま磁力で浮かせる実験で、
「イグ・ノーベル賞」(物理学賞)を受賞。

◇同じ分野、大変残念--「カーボンナノチューブ」飯島氏

炭素の新素材では、炭素原子がサッカーボール状になった
「フラーレン」を発見した英米の3氏が、96年のノーベル化学賞を受賞、
グラフェンはそれに続く受賞。

日本では、グラフェンが円筒形に丸まった
「カーボンナノチューブ(CNT)」を、91年に発見した
飯島澄男・NEC特別主席研究員(71)らの受賞が期待。

飯島氏は、「同じような分野なので、大変残念。
一緒に受賞ならいいなと思っていたが、置いていかれちゃった。
理論的にリードしてきた安藤恒也・東工大教授が
共同受賞でないのも、合点がいかない」と悔しさ。

CNTの量産技術を開発した遠藤守信・信州大教授は、
「新素材として非常に強いインパクトがあったことが、
早期の受賞につながったのではないか」と分析。

フラーレンを研究する篠原久典・名古屋大教授は、
「CNTは、発見から十数年が経過した。
今後、本当にいい応用例が出れば、
飯島さんが受賞する可能性は十分にあると思う」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/10/06/20101006ddm002040054000c.html

食物アレルギー仕組み解明 マウス実験、治療に道

(2010年9月30日 共同通信社)

本来、異物である食べ物が体内に入っても、
免疫機構が攻撃を仕掛けない「経口免疫寛容」の仕組みを、
マウスの実験で明らかにしたと、
理化学研究所の佐藤克明チームリーダーらが、
30日付の米科学誌ブラッド電子版に発表。

生きるのに必要な食べ物を、異物と判断してしまうと、
食物アレルギーを引き起こし、命にかかわることも。
佐藤さんは、「アレルギー治療につながる成果」。

佐藤さんらは、食べ物が吸収される腸の粘膜では、
免疫細胞の一種「樹状細胞」の表面に、「B7H1」と「B7DC」という
2種類の分子が顔を出し、免疫を抑制するT細胞を作り、
異物を攻撃する抗体の生産を抑えるなど、
重要な役割を果たしていることを突き止めた。

普通のマウスに、あらかじめアレルギー物質のタンパク質を
食べさせると、1週間後に同じタンパク質を皮下注射した場合に
できた抗体の量は、事前に食べさせなかったマウスの約20%に減り、
経口免疫寛容が成立することを確認。

遺伝子操作で、この2種類の分子をなくしたマウスで
同様の実験をすると、抗体は70~80%できた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/30/126263/

保育・幼稚園、保護者一体の園児総合支援システム実践

(サイエンスポータル 2010年9月29日)

子育てに関する研究成果を保育園、幼稚園などの実際の現場で、
実践する園児総合支援システムの実装プログラムがスタート。

科学技術振興機構 社会技術研究開発センターが、
新規の研究開発成果実装支援プログラムとして発足、
安梅勅江・筑波大学人間総合研究科教授らが、
12年間かけて子供たちの発達状況を追跡調査した
コホート研究成果が基礎に。

少子高齢化や核家族化の進行、地縁の崩壊といった
日本社会の急激な変化で、子どもの生育環境も大きく様変わり。
子育てに対する不安を持つ、親や問題行動をとる子供たちに対する
科学的根拠に基づいた支援を求める声も強い。

安梅教授らのコホート研究により、保育園に預けるか否かよりも、
親が自信を持ち、しっかり子どもと向き合って育児をすることが、
子どもの健やかな育ちに大きく影響することなどが分かってきた。

新プログラムは、研究者と全国の保育園、幼稚園、子ども園が
ソーシャルネットワークサービスを介して情報交換し、発達評価、
育児環境評価、保育環境評価などの支援ツールと
支援設計活用ツールをシステム化。

ウェブを活用し、これらの支援ツールを見やすく、汎用性の高い形で
保育園、幼稚園、子ども園と保護者に提供し、
保護者が携帯電話から子どもの情報を得ることもできるようにする。

安梅教授は、乳幼児期から質の高い保育と教育を行うことの重要性と、
保護者を孤立させない地域に根差した
「子育て支援ネットワーク」の必要を従来から唱えている。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1009/1009291.html

2010年10月8日金曜日

途上国との関係模索 日本企業、リスクも重視 「生物多様性会議」「新たな争奪戦―遺伝資源」

(2010年9月28日 共同通信社)

植物や微生物といった、遺伝資源を求める日本企業が、
発展途上国との関係を模索。

医薬品や健康食品などの開発に道を開き、
莫大な利益を生む遺伝資源。
一方、「原産国側からの利益配分の要求が過剰だと、
企業は経営上、大きなリスクを抱える」(製薬大手)側面も。

カルピスは、07年、モンゴルで乳酸菌や酵母の採集を試みた。
遊牧民のテント式住居「ゲル」を研究員が訪ね歩き、
20日間程度で馬乳酒などから約240株を集めた。

現地に派遣された発酵応用研究所の安田源太郎主任は、
「製品化には至らなかったが、日本にはない微生物を入手できた」

海外での遺伝資源の採取に、慎重な日本企業は多い。
「現地で得た利益を、どのように分配するか。
調整は一企業だけでは難しい」(安田氏)ことも一因。

アステラス製薬は、マレーシアの熱帯雨林で微生物を採取。
新薬開発につなげる狙いだが、遺伝資源に絡む知的財産の法律が
整備されている国でのみ、採取活動をするのが同社の方針。
渡辺裕二知的財産部長は、「予想していなかった多額の利益配分を
要求されると、企業はとんでもないリスクを抱えることに。
利益も大切だが、リスク回避はもっと大切」

鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)への感染で、
多くの死者が出たインドネシア
ワクチン開発に必要なウイルス検体の「所有権」を主張し、
世界保健機関(WHO)への提供を拒んでいた。
検体からできたワクチンを、先進国が高額で販売することへの
反発が背景にある。

阪大微生物病研究会は、インドネシアの製薬企業に、
ワクチン製造技術の提供を欧米の企業に比べ、低額で始めた。
同研究会の合田英雄常務理事は、
「もしワクチン開発に遅れがでれば、取り返しがつかない」

医療関係者は、「インドネシアが自国でワクチンを製造できれば、
かたくなな態度も軟化するかもしれない」と期待。

産学連携で遺伝資源の問題に取り組むバイオインダストリー協会の
炭田精造生物資源総合研究所長は、
「生物資源を得て、商品開発に至っても、すべて金銭で
(原産国に)還元するのは現実的には厳しい」
「途上国の求める技術提供などを地道に続けて、
双方が得をする仕組みを構築するしかない」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/28/126120/

インサイド:次代の針路 第3部 子どもの体力/5止

(毎日 9月25日)

千葉県佐倉市で、総合型地域スポーツクラブを運営する
NPO法人「ニッポンランナーズ」は毎週土曜日、
小学生向けの「土曜スポーツ探検隊」(土スポ)を開催。

土スポが始まったのは、02年6月。
学習指導要領の改定で、学校が完全週5日制になった時期と重なる。
「隊長」を務める北晃チーフコーチ(29)は、
「絶対的な運動量を確保し、アスリートの基盤作りができればと考えた」
と狙い。

最も重視しているのは、一つの競技に特化させないこと。
現在、参加者は約70人、年間で15を超える運動種目に取り組む。
子どもたちを、プレゴールデンエージ(小学1~3年生)、
ゴールデンエージ(同4~6年生)の年代に分け、
4月にはランニング、一輪車などで体幹部分を鍛える。
それが終わると、器械体操などで姿勢を保つ能力を、
夏ごろにはレスリングやカバディでフットワークを磨く。
最後には野球、ゴルフ、剣道などで、
自分の力を道具に伝えることを学習する。

それぞれの競技の元日本代表などゲストコーチを招くこともあるが、
主眼は技術を磨くことではなく、年間を通していろんな角度から
運動神経を刺激すること。

北チーフコーチは、「もっとも運動神経が発達するこの時期に、
さまざまな体の動かし方やその楽しさを覚えておけば、
後のスポーツ活動にも必ず生きる」と強調。

日本において、子どものスポーツ振興は、約50年前の1962年、
日本体育協会の50周年事業として創設された
日本スポーツ少年団が軸。
昨年度の登録数は、3万6138団体にも及ぶ。

そのほとんどが野球やサッカー、バスケットボール、剣道などの
単一競技を教える団体であり、複数の競技を行う「複合タイプ」は
4487団体と、全体の12%に過ぎない。

山梨大教育人間科学部の中村和彦准教授は、
運動する、しないの二極化と同時に、運動する子どもの中でも、
特定のスポーツしかできない子が増えている。
子どもの体力低下は、日本特有の問題ではないが、
海外はすでに取り組みを始めている」と指摘。

米国では、09年から小学生以下の全国・ブロック大会を禁止、
小学生時代は競技スポーツ、競争主義に偏らないように取り組み、
日本の少年団に当たるクラブは、3種目以上の競技が必須。

オーストラリアでは、政府が子どもたちの放課後の運動プログラムを
提供する取り組みを始めている。
競技の技術力向上を図るのは中学生以降で、
小学生の時は運動機会の増加と、さまざまな運動形態を
体験することに重点を置いている。

競技者としてスポーツを続けるためには、
いつかは一つの競技を選択する。
土スポの第1期生で、女子7人制ラグビー日本代表の
川野杏吏(18)は、「小学生時代に複数の競技を経験したことで、
対応力や柔軟性がついたと思う

時々、土スポや自分が通っていたラグビースクールで
子どもたちを指導しているが、新しい動きを吸収する能力は
土スポの生徒の方がたけている。
「体の動かし方を知っているというアドバンテージは大きい」と川野。
子どもたちが、複数競技に取り組む効果を身をもって実感している様子。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20100925ddm035050003000c.html

ノーベル賞:医学生理学賞に、英のエドワーズ氏 体外受精を開発

(毎日 10月5日)

スウェーデンのカロリンスカ研究所は、
10年のノーベル医学生理学賞を、英ケンブリッジ大名誉教授の
ロバート・エドワーズ博士(85)に授与。

エドワーズ博士は、生殖補助医療(不妊治療)の体外受精技術を開発、
世界初の体外受精児を誕生。
世界のカップルの10組に1組以上が不妊と言われ、
この技術で子を持つ道が開けた。

授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、
賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億2800万円)が贈られる。

エドワーズ博士は1950年代、ウサギの卵子を試験管内で
精子と受精させる技術をヒトに応用することを着想。
69年、ヒトの卵子を試験管内で初めて受精させることに成功。
産婦人科医のパトリック・ステプトー氏(88年死去)と連携、
採卵技術を改良し、78年7月25日、
世界初の体外受精による女児、ルイーズ・ブラウンさんを誕生。

この技術の普及により、400万人近くの赤ちゃんが誕生。
日本産科婦人科学会によると、国内でも年間約2万人が生まれ、
累計で約20万人。
カロリンスカ研究所は、「彼の研究は、現代医学の発展の中で
一里塚となっている」とたたえた。

この技術によって、当事者以外の女性から卵子提供を受けて
出産したり、自分の卵子を使って他人に出産してもらう
代理出産が可能になり、倫理的な問題も提起。

◇不妊治療に道

日本初の体外受精(83年)に携わった
星合昊・近畿大教授(産婦人科)は、博士の業績を
「人の卵子と精子の受精を、初めて直接観察できるようにした。
それが不妊治療の技術開発につながった」

大型動物で、世界初の体外受精に成功した入谷明・近畿大教授は、
「ある時、『君はノーベル賞に値する研究者だ』と言うと、
『ありがたいが、人の体外受精は倫理的問題があると言われた。
それでひっかかる面があるのかも』と話していた」
「世界中の不妊カップルが、彼らの技術の恩恵を受けるようになった」
==============
◇体外受精

卵子を卵巣から取り出し、培養液の中で精子と受精させ、
その受精卵を子宮に戻して妊娠させる不妊治療。
排卵時に合わせ、精子を特殊な器具で直接子宮内に入れる
不妊治療は、「人工授精」と呼ばれる。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/10/05/20101005ddm002040169000c.html

ネットワークづくり急務 高次脳機能障害で県内

(岩手日報 9月30日)

雫石町のいわてリハビリテーションセンター(高橋明理事長)が
08、09年度に行った、高次脳機能障害者に関する
「市町村の相談状況調査」で、市町村担当者の65%が
医療機関など、関係機関との「連携がない」ことが分かった。

専門機関でのリハビリなど、適切な支援につながらないことが懸念、
関係者は「ネットワークづくりが急務」と訴える。

調査は同センターが、08、09年度に県内35市町村を対象に実施。
32市町村が回答した。

医療機関や福祉施設などとの連携について、
21市町村(65・6%)が「ない」と回答。
「ある」と答えた11市町村(34・4%)を大きく上回った。

高次脳機能障害は、交通事故や脳出血などで、
脳が損傷したことで記憶や言語障害、感情の
コントロールが効かないなどの症状が出る。

外見では判断しにくいため、本人や周囲も障害に気付きにくく、
症状から周囲に誤解を与える場合もある。

リハビリで、日常生活に必要な力を高めることもできるため、
相談を受ける市町村の窓口と専門的な治療などをする
医療機関との連携が不可欠。

盛岡市のNPO法人いわて脳外傷友の会イーハトーヴの
堀間幸子代表は、「リハビリや社会復帰に向け、
適切な情報を得られていない当事者や家族もいる。
関係機関のネットワークを強化し、どこでも相談と支援が受けられる
体制づくりが必要

県障害保健福祉課の朽木正彦総括課長は、
「市町村担当者を対象とした研修の充実を図るとともに、
県民に対しても、障害への理解が広がるよう啓発していく」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100930_15

2010年10月7日木曜日

「赤ワインの認知症予防効果」メカニズムを解明

(2010年9月29日 読売新聞)

名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授(56)と
原田直明准教授(43)らのグループが、赤ワインに含まれる
植物成分のポリフェノールが、学習機能や記憶をつかさどる
脳の海馬を活性化するメカニズムを突き止めた。

認知症の予防や改善につながる研究結果で、
近く研究論文が米化学誌に掲載。

1日にワイングラス2杯程度(250~500ml)を飲むと、
認知症に効果があることは従来、別の研究者の実験で知られていたが、
メカニズムは解明されていなかった。

岡嶋教授らのグループは、マウスの知覚神経を培養、
ポリフェノールを加える実験をしたところ、
脳の海馬を刺激する物質「CGRP」の放出量が増加。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/29/126185/

心の病、自宅訪問で支援 全都道府県に専門家チーム 厚労省、自殺対策も

(2010年9月27日 共同通信社)

うつ病など、精神疾患を抱えた人の自宅を訪問し支援するため、
厚生労働省は11年度、精神科医や看護師らでつくる
専門家チームを、医療機関に設置するモデル事業を、
全都道府県で始める。

受診や相談をためらう間に重症化するのを防ぐのが目的で、
自殺防止につなげる狙いも。
患者の家族は、「社会とのつながりを回復する第一歩になる」と歓迎。

精神疾患があっても、偏見を気にして病院に行かなかったり、
途中で治療をやめたりして症状が悪化する人が少なくない。

国内の自殺者数は、12年連続で年間3万人を超え、
うち約3割は、うつ病などの精神疾患が原因。
担当者は、「病院で患者を待つ従来の医療では、
十分に対応できていなかった」

チームは、精神科医や看護師、作業療法士、精神保健福祉士など
数人で構成。
家族らからの依頼を受け、自宅を訪れて家族や本人と話し合い、
通院治療などにつなげていく。

チームづくりは、各地の医療機関に委託。
厚労省は、11年度予算の概算要求の特別枠で、16億円を計上、
当面は各都道府県に1、2チーム程度になる見通し。

「当事者が周囲の人を傷付け、自殺に至る場合もあり、
家族だけでは支えきれない」
東京都精神障害者家族会連合会の野村忠良会長(67)は、
「夢のようにありがたい話。
一人一人に合った支援を丁寧に探ってほしい」と期待。

岡山県精神科医療センターの中島豊爾理事長(64)は、
「将来的には、人口10万人に1チームが理想。
チームを生かすためには、心の問題を抱えた人を
地域で支える体制づくりも重要」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/27/126059/

インサイド:次代の針路 第3部 子どもの体力/4

(毎日 9月24日)

横浜市青葉区の市立つつじが丘小学校。
日焼けした青年が、職員玄関から入ってくるのを、
子どもたちは目ざとく見つけた。
「あっ、近さんだ!」。
たちまち輪の中にうもれたのは、横浜市体育協会の近佑治さん(28)。
週に一度、35分間の昼休みを使って、子どもたちに遊びを教えている
「遊びのお兄さん」。
この日は、「ダブルダッチ」と呼ばれる2本組みの縄跳びと、
軟らかいフライングディスクを使ったゲーム「ドッヂビー」を教えた。

4年生の笹木美来さんは、「縄跳び、最初は全然跳べなかった。
今は(連続で)16回も跳べるの。すごくためになる」と目を輝かせた。
近さんのほか、ボランティアの保護者と上級生が指導に当たり、
基本的に教諭はかかわらない。

ボランティアの一人、西川一江さん(43)は、
「子どもを狙った犯罪も多く、外で遊ばせるのは抵抗がある。
(ここでは)子どもたちの様子も見られるし、何より安全なのでありがたい」
外で遊ばせない傾向は、体力低下と密接にかかわる。

06年、改定された国のスポーツ振興基本計画には、
目標として「子どもの体力向上」が加わった。
横浜市の場合、05年度の全国体力・運動能力調査をみると、
同市の小学生が全国平均を上回ったのは96項目中、
4年男子の握力など5項目だけ。
市体協の職員は頭を抱えた。

市内を視察して気づいたのが、休み時間に閑散としている
学校のグラウンド。
大阪教育大付属池田小学校で起きた無差別殺傷事件(01年)以降、
教諭の目が届きにくい休み時間は、グラウンド使用に
消極的になっている実態が浮かび上がった。
その中で生まれたアイデアが、休み時間に体協職員が
遊びを教える「出前授業」だった。

市体協では、07年度から3年間で延べ134校、
1908回の出前授業を実施。
永嶺隆司・地域スポーツ支援担当課長は、
「放課後や休日は参加率が低く、体育の時間は先生たちの領域。
休み時間は子どもたち全員がそろっており、
(授業と放課後の)すき間を狙った」と自信を深める。

学校まで出向いて、子どもたちに遊びを教える活動は、
まだなじみが薄い。
安全上の理由で、外部の人間の立ち入りを拒んだり、
「学校のことは教師がやる」と、市体協の活動に難色を示す学校も。

つつじが丘小の小正和彦校長は、
「学校外のリソース(資源)を活用することは重要。
子どもにとって、親でもなく教師でもない大人とかかわることは
刺激につながる」と理解を示す。

小正校長は、児童の体力低下を「二極化」ととらえている。
「意識の高い家庭では、野球や水泳などをさせ、体力も充実。
一方、(放課後の生活を)子どもに任せっきりの家庭では、
テレビゲームなどに走りがちだ」と指摘。
その結果、平均値として体力が低下していると憂える。

「子どもたちは本来、集団で遊ぶことが好き。
集団での遊びは、体を動かさない子どもたちを引っ張り出す効果もある」
と小正校長。
近さんも、「体を動かすことは楽しい、と思ってもらいたい」と期待。

休み時間を活用した“遊び指導”。
運動の「きっかけ」づくりを狙った地道な活動が続く。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20100924ddm035050139000c.html

ネバネバ菌が鉄道網…日本人にイグ・ノーベル賞

(2010年10月1日 読売新聞)

愉快な科学研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が、
ハーバード大で行われ、単細胞生物の粘菌が最適な鉄道網を
設計できることを見つけた中垣俊之はこだて未来大教授らの
チームが、「交通計画賞」を受賞。

中垣教授らは、粘菌に迷路を解かせる研究で、
2008年にも「認知科学賞」を受賞。

ネバネバの粘菌の集合体は、エサを求めて細長く伸びる。
迷路のゴールにエサを置けば、粘菌は入り口から出口まで
最短距離でつなぐほか、都市に当たる場所にエサを配置すると、
粘菌はエサの間に、鉄道網とそっくりの効率的なネットワークを形成。

このほか、「靴の外側に靴下をはけば、凍結路での転倒頻度が低下する」
研究が「物理学賞」、「従業員をランダムに昇進させると
組織の効率が上がる数学的証明」が「経営賞」を受賞。
メキシコ湾で原油流出事故を起こした英石油大手BPには
「油と水は混じらないという古い定説を否定した」として
「化学賞」が与えられた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/10/1/126334/

2010年10月6日水曜日

日本音楽療法学会学術大会 音楽療法のあり方探る

(2010年9月26日 毎日新聞社)


国内の音楽療法のあり方を探る
「第10回日本音楽療法学会学術大会」
鳩山由紀夫前首相の妻幸さんや音楽評論家らが座談会を行った。

テーマは、「いのちに寄り添い、こころをつなぐ・音楽療法の原点と課題」
阪神大震災の被災地では、音楽が被災者の大きな心の支えと
なったことから、県は独自に音楽療法士の養成を進めている。

井戸敏三知事は、療法士の養成方法を説明した上で、
「震災時に『立ち上がろう、復興しよう』という
思いにさせていったのは、音楽だった」

鳩山さんは、ニューヨークで出会った自閉症の子どもと
一緒に踊ったエピソードを紹介。
「素直な気持ちで入っていくと、一つの世界になれる。
音楽は、人の心を開ける」と笑顔。

同学会の日野原重明理事長は、
「音楽療法士をボランティアではなく、国家資格として
法制化していきたい。
そのため、国民に音楽の必要性をもっと理解してもらいたい」


http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/27/126049/

年間死者15万5千人減少 肥満対策で、OECD推計

(2010年9月24日 共同通信社)

経済協力開発機構(OECD)は、学校で規則正しい食生活を
教えたり、医師が個人カウンセリングをしたりするなどの
総合的な肥満対策を講じれば、
日本では慢性疾患による死者を、年間15万5千人減らせるとした
報告書「肥満と予防の経済学」を発表。

対策の費用は、国民1人当たり年間19ドル(約1600円)。
カロリーの高い食事の普及や運動量の減少など、
OECD加盟の多くの国で、肥満の割合が増えていることを踏まえ、
報告書を初めて作成。

肥満対策により、主要な慢性疾患にかかる医療費の総額を
約1%削減できると分析。

詳細な分析を希望した日本、イギリス、イタリア、カナダ、メキシコの
5カ国について、世界保健機関(WHO)と共同で、
肥満対策の効果で、今後100年間で慢性疾患による死者数が
どのくらい減少するかを推計。

その結果、イタリアが年平均7万5千人、イギリスが7万人、
メキシコが5万5千人、カナダが4万人で、日本の減少数が最も多い。

日本の成人に占める肥満の割合は約3%と、
OECD加盟国で最低水準だが、報告書を執筆した
OECDのエコノミスト、フランコ・サッシ氏は、
日本は高齢化率が高く、慢性疾患を抱える人の割合も多いため、
肥満対策の効果が大きくなる」と分析。

報告書は10月、OECDの保健担当相会合で議論される予定。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/24/125972/

唾液で疲れ測定 ヘルペスウイルスの量に注目、1年以内に実用化へ

(2010年9月24日 毎日新聞社)

だるい、眠い、体が重い--。
日本人の6割が感じている疲れは、痛みや発熱と同様、
体の異常を知らせるアラーム。

これまで客観的に測る物差しがなかったが、
最近新たな測定法が開発されつつある。
その一つが、唾液中にいるウイルス量を調べるというもので、
1年以内に実用化できそう。

会社員の女性(32)は、昨年の育児休暇中に味わった
悔しい思いが忘れられない。

昼夜を問わない乳児の世話で、へとへとに疲れていたが、
「仕事を休んで家にいるんじゃないか」と、
夫は家事も育児もほとんど手伝ってくれなかった。
「いくら『疲れた』と口で言っても、説得力がなくて困った。
『これだけ疲れているから手伝って』と、数値で示せる材料が欲しかった」

疲れは、これまで客観的な指標がなく、どのくらい疲れているのか、
自己申告に頼るしかなかった。

東京慈恵会医科大の近藤一博教授(ウイルス学)は、
疲れと疲労感は違う。
疲労感は、報酬や達成感などで吹き飛んでしまうこともあるが、
疲れは、体を休めないととれない」

自己申告では、主観的な「疲労感」は測定できるが、
その人の本当の心身の「疲れ」はなかなか分からなかった。

近藤教授らのグループは、疲れると唇にヘルペスという
水疱ができるのをヒントに、ウイルスを使った新たな疲労の
測定検査を開発。

唇のヘルペスは、ヘルペスウイルスの一種が引き起こす。
このウイルスの仲間は、通常体内に潜伏し、疲労が蓄積するなど
宿主の体が危機的な状況になると、別の体に移動しようとして
再活性化し、口の中に集まってくる性質を持っている。

近藤教授らは、この仲間の中でも、ほぼ100%の日本人が
乳幼児期に感染し、突発性発疹を引き起こす
HHV6とHHV7の唾液の中の量を測っている。

HHV6は一時的な疲労、HHV7は慢性疲労の測定に適している。
検査では、4cm弱の円筒形のコットンを約3分間、
かまずに口に含んで唾液を吸収させ、専用容器に入れる。
近藤教授の研究室では、唾液中からウイルスDNAを分離、
量を調べている。

近藤教授らが、定時の仕事をしている事務職の20人と、
1日5時間以上残業している営業や研究職の40人の唾液で
ウイルスの量を測ったところ、定時の人では唾液1ml中のHHV6が
平均500個、HHV7は平均5000個、
残業が多い人では、どちらも10倍以上検出。
残業が多い人ほど、ウイルス量も多かった。

これまでの調査では、若手のサラリーマンや工事現場で働く
作業員は、どちらかというとHHV6が高い傾向、
年配の管理職の会社員は、HHV7が高い人が多かった。
近藤教授は、「疲れは、すべての病気のきっかけになる、
といっても過言ではない」

HHV6が高い人は、一時的な体の疲れなので、1日ゆっくり休むこと、
HHV7が高い人は、疲れが常態化しているので、
生活そのものを見直した方がいいとアドバイス。

現在、HHV6とHHV7を使った検査を受けられるクリニックの
開設準備が東京都内で進み、1年以内には一般人も
検査を利用できるようになる(自由診療)。

疲労に関する国内の調査では、文部科学省研究班が04年、
大阪府内に住む1万人(有効回答2742人)を対象に実施、
56%「現在疲れている」、39%「疲れが半年以上続いている」。

厚生労働省は09年、客観的な疲労の評価法と診断指針の作成を
目指す研究班を発足。
HHVをはじめ、自律神経のバランスや、血液中の活性酸素の
割合などを測定する検査を組み合わせ、
新たな疲労の診断方法の確立を進めている。

班長の倉恒弘彦・関西福祉科学大教授は、
「内科では、体温や血圧、血液中の白血球の数などで診断するが、
疲れにはこういう指標がなかった。
疲れを評価する複合的な物差しが出来上がれば、
その人にとって、何が最も適切な治療なのかもわかる。
全国のどの病院でも、適切な疲労の診断ができるようにしたい」

11年度にも、研究結果をまとめる予定。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/24/125991/

インサイド:次代の針路 第3部 子どもの体力/3

(毎日 9月23日)

小学校の体育の現場で近年、「ソフト化」が進んでいる。
授業に接触プレーのない競技が導入され、
ハードルやバレーボールなどで軟らかい素材の用具が普及。
文部科学省の掲げる「やさしい体育」が浸透。

新競技の代表例には、タグラグビーがある。
ボールを前に投げずにパスをつなぎ、トライを奪うのは
本家と同じだが、接触プレーは反則。
タックルの代わりに、腰につけたタグ(帯)を奪い合う。
小学校で、来年度に導入される新学習指導要領でも推奨。

秩父宮ラグビー場近くの港区立青山小学校では昨年から、
タグラグビーを授業に取り入れた。
5年生の赤池美穂さんは、「ボールの形が、いつもと違うのが面白い」と
不規則に弾む楕円球の魅力に引かれた。
後藤美咲さんも、「けがが少ない」と、女子でも安心して楽しんでいる様子。

タグラグビーの普及は、競技のすそ野拡大を目指す
競技団体の思いとも合致。
日本ラグビー協会は、19年国内初のW杯開催を控え、
ラグビー文化の醸成が課題。

日本協会で、普及育成を担当する永井康隆さん(34)は、
「タグラグビーが入り口となり、競技人口増加につながれば」と期待。
学校でのタグラグビー教室に加え、先生などを対象とした
指導者養成講座の開催に力を注ぐ。

用具のソフト化も顕著。
東京都港区立三光小学校では、バーがウレタン素材で
軟らかいハードルを購入。

従来は、転倒してけがの多かったハードルの安全性は格段に高まった。
体が触れると、軟らかいバーの中央が左右に割れる
「フレキハードル」を開発したニシ・スポーツによると、
昨年の小学校向け商品の販売数は、07年の6・8倍に急増。

同小では、ソフトバレーボールも取り入れ、
児童からは「突き指が減った」との声も。
スポンジなどで、加工した軟らかい跳び箱を使う学校もある。

文科省が掲げる「やさしい体育」とは、運動が苦手な子どもたちの
用具への恐怖心を取り除き、競技のルールを簡単にするもの。
未経験のスポーツを導入して、経験差による優劣を減らし、
活躍の場を広げる狙いもあり、
タグラグビーは鬼ごっこの延長の感覚で、体を動かす入り口だ。

現在の子どもは、危険を回避する力が育っていないとの指摘。
ドッジボールが、顔に飛んできても避けられず、
まばたきができなくて目を痛めたケースも。

三光小の小鹿原賢校長は、「少子化で、子どもは昔よりも
大事にされる傾向があり、体が弱くなったと実感。
つまずいた時、とっさに手が出ず、柱に額をぶつけた子もいた」

青山小の曽根節子校長は、「高学年では痛さを経験したり、
技術の向上などに挑戦する気持ちを育てることも大切」

国もこうした現状は把握し、文科省企画・体育課の
白旗和也教科調査官は、「体育が甘やかされた状態になる
可能性もあり、失敗を恐れないことが危険にもつながる」、
行き過ぎたソフト化には警鐘を鳴らす。

子どもが運動になじむ入り口としては、有効なソフト化。
それをどう体力向上につなげていくか?
一かゼロかの選択ではないだけに、個々の発達段階に合わせた
バランスが求められる。

http://mainichi.jp/enta/sports/archive/news/2010/09/23/20100923ddm035050148000c.html

2010年10月5日火曜日

目覚め維持の仕組み解明 不眠症の治療に期待

(2010年9月22日 共同通信社)

目覚めている状態を維持するのに、脳内の神経タンパク質
「オレキシン」がどう作用するかのメカニズムを解明、
自然科学研究機構生理学研究所の山中章弘准教授(神経生理学)
らの研究グループが、22日付の米科学誌
「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」で発表。
不眠症治療への応用が期待。

山中准教授らは、マウスの実験で、脳の視床下部にある神経細胞が、
オレキシン放出後、再びオレキシンを受け取るサイクルを
繰り返していることを発見。
神経細胞が、互いにオレキシンを受け渡しあうなどして活性化を続け、
目覚めた状態を維持していることも分かった。

オレキシンが、睡眠と目覚めに関係しているのは知られていたが、
仕組みには不明点が多かった。

山中准教授によると、この放出と受容のサイクルを途切れさせる
脳の別の機能が働くと、人間は眠くなるが、
不眠症の患者は機能が阻害されている。

昼間に、過度の眠気に襲われるナルコレプシーという睡眠障害の場合、
サイクルがうまく働いていない可能性がある。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/22/125926/

インサイド:次代の針路 第3部 子どもの体力/2

(毎日 9月22日)

熊本市の住宅地の中にある公園。
気温30度以上の暑さが残る夕方、40歳代の男性が熱心に、
小学2年生の男子に、鉄棒の逆上がりを教えていた。

「もっと強く棒を握って」、「棒を握る手の間を広くした方がいいよ」
一見、親子のように見える会話だが、
実は2人は、体育の家庭教師と教え子という関係。

「ナガタスポーツ家庭教師サービス」を開業した永田淳一さん(42)。
以前は、事務職員をしながら地元の高校で、
野球部やソフトボール部の監督を務めていたが、
県教育委員会への異動で、子どもを指導する機会がなくなり、
05年に会社を設立。

現在、教えているのは約30人。
内容に決まったものはなく、子どもの要望に合わせる。
夏休み前になると、水泳指導が増え、運動会前はかけっこ、
鉄棒やキャッチボールなどを指導することも。
マンツーマン指導なら、60分間で2500円、
90分間で3000円という料金設定。

熊本県は、09年度の文部科学省の全国体力・運動能力調査
(体力テスト)で、握力やソフトボール投げなど8種目の体力合計点が、
男子では全国平均54・19を上回る55・25で、
全国でも上位に位置づけた。

永田さんは、「こういう地方でも、遊ぶ場所が少なくなっている。
ゲームなどの誘惑は、全国どこでも変わらない」と危機感。
当初は、ビジネスが成り立つか不安もあったが、
運動のできない子どもたちが多いことを実感。

体育の家庭教師は、90年代に東京など都市圏で始まった。
当初は、私立の幼稚園や小中学校の受験対策としてだったが、
次第に勉強の家庭教師のように、一般家庭に広まった。
インターネットの普及で、情報が入手しやすくなり、
最近は増える一方。
東京近郊だけでも、20社以上の業者がある。

世田谷、杉並両区で、体育の家庭教師を派遣する
「トライ&サポート」は、開業から3年間で、会員数が短期も含めて
150人に達しようとしている。

社長の海老沢美由紀さん(36)は、「親、兄弟、先生、
近所のお兄さん、お姉さん。
体育の家庭教師は、その子によっていろいろな代役をしている」

高校まで剣道の経験があり、教師を目指して体育大に通った。
イベント会社に勤めていたが、子どもたちに教える夢をかなえるため、転身。

巡り合った子どもたちは、さまざまだった。
自転車を使った学校行事を前に、自転車に乗れるようになりたいと、
駆け込んできた高校生。
スイミングクラブの昇級試験のため、水泳の補習に来る小学生、
やはり運動会前は、かけっこの需要が増える。

海老沢さんは、「できないのではなくて、教えられていない子が多い。
だからと言って、小学生にいきなりトレーニング形式で
教えようとしても、拒否してしまう。
あくまでも、遊びの延長の中でやらないと通用しない

かつて、鉄棒や自転車、キャッチボールなどは、
親や兄弟姉妹、友達との遊びの中で覚えてきた。
現代では、その遊びが消えようとしている。
広場が少なくなり、塾通いに追われて時間がない。

遊びに必要と言われている「空間」、「時間」、「仲間」の「3間」。
体育の家庭教師は、失われたものの一部を取り戻す産業になっている。

http://mainichi.jp/enta/sports/archive/news/2010/09/22/20100922ddm035050091000c.html

セメントを透明な金属にする夢さらに前進

(サイエンスポータル 2010年9月27日)


液晶ディスプレイなどに欠かせない、透明な金属の代わりに
なり得る、セメントに似た化合物(12CaO・7Al2O3)が、
金属のように電気をよく通す理由を、
東北大学と東京工業大学の研究チームが解明。


石灰とアルミナという、ありふれた物質の化合物である
12CaO・7Al2O3が、電気を通しかつ透明な金属になり、
超電導材料にもなることを、細野秀雄・東京工業大学教授らが
02~07年にかけて発見、国内外で大きな関心を呼んだ。


細野教授らによる世界の研究者の常識を覆す成果は、
0.5nmという微細な「カゴ」の中に、特別な工夫によって
多数の電子を入れることで実現。

今回、細野教授と東北大学原子分子材料科学高等研究機構の
相馬清吾助教、高橋隆教授らは、光電子分光という手法により、
結晶の外に抜き出した電子のエネルギー状態を調べ、
12CaO・7Al2O3の「カゴ内電子」の直接観測に、初めて成功。

セメントと同様の化合物が、透明な金属さらには超電導体となる
メカニズムが、予測されていた通り、「カゴ内電子」によることを確認。

透明な金属は、液晶ディスプレイやテレビなどに欠かせない材料だが、
現在は海外から輸入しているインジウムという
希少金属に頼っている。

細野教授らのこれまでの研究成果は、ありふれた元素から成る
材料でも、ナノ・テクにより新しい機能を発現できる可能性を
示したとして、昨年スタートした最先端研究開発支援プログラム
30課題の一つに選ばれている。

今回の金属化メカニズムの解明により、12CaO・7Al2O3を
モデルケースとした新材料開発が、さらに進展していくことが期待。

今回の成果は、最先端研究開発支援プログラム
「新超電導および関連機能物質の探索と産業用超電導線材の応用」
(中心研究者:細野秀雄教授)、科学技術振興機構の
戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)
「物質現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術」研究領域
(研究総括:田中通義 東北大学 名誉教授)の研究課題
「バルク敏感スピン分解超高分解能光電子分光装置の開発」
(研究代表者:高橋隆教授)によって得られた。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1009/1009271.html

台湾に本県観光PRへ 「どんど晴れ」人気追い風

(岩手日報 9月27日)

台湾で、今月放送が始まった本県舞台のドラマ「どんど晴れ」の
高視聴率を追い風に、県と盛岡市、盛岡商工会議所(永野勝美会頭)
などは、ドラマを活用した台湾の観光客誘致キャンペーンに乗り出す。

来月、谷藤裕明市長と永野会頭らが現地を訪れ、
ドラマの舞台盛岡をアピール。

韓国ドラマ「アイリス」の効果で、観光客が急増した秋田県のようにと、
関係者は「どんど晴れ効果」に期待。

「どんど晴れ」は、2007年に放送されたNHKの連続ドラマで、
台湾での番組名は「旅館之嫁」。

1日から、ケーブルテレビ局の日本番組専門チャンネルで放送が始まり、
同チャンネルで、常に視聴率5位以内の人気番組。

今後3年間に、最高6回繰り返し放送される予定で、
本県の自然や街並みが長期間、台湾のお茶の間に流れる。

これを好機と、永野会頭と谷藤市長ら関係者約10人は、
来月18日から4日間、台湾を訪れ、現地メディアや旅行代理店の
関係者らに、「旅館之嫁の舞台盛岡」をPR。
ロケ地巡りマップの中国語版を制作するなど、受け入れ態勢も整える。

台湾は09年度、本県を訪れた外国人観光客約9万人のうち、
約5万2千人を占める「お得意さま」。

谷藤市長は、「ドラマの舞台となった盛岡の美しい自然と
豊かな人情をアピールしたい」、
永野会頭も、「どんど晴れを縁に日台交流を一層盛んにしたい」

県などは、11月5~8日に台北市で開催される
台北国際旅行博覧会にブースを出展。
こちらも、「旅館之嫁の舞台岩手」を前面に打ち出し、
約20万人が見込まれる来場者に、八幡平の雪の回廊、
小岩井農場の一本桜、温泉旅館への宿泊などを組み合わせた
旅行プランを、アピールする方向で検討。

台北市内を走る路線バスの車体に、
「旅館之嫁の舞台」などと記した本県観光のラッピング広告を展開。

秋田県では、同県が舞台となった韓国ドラマ「アイリス」の
ロケ地などを訪れる観光客が急増。
宿泊費など、直接的な経済効果だけで2億5千万円を超える。

台湾の法人が持つ「旅館之嫁」の商標使用など、
今後解決すべき課題はあるが、盛岡広域振興局産業振興課の
伊藤等特命課長は、「台湾は中国本土への情報、
流行の発信源となっており、波及効果が期待できる。
必ず成功させたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100927_7

2010年10月4日月曜日

浜松で「心の健康」調査 在日ブラジル人、3割が「抑うつ状態」

(2010年9月24日 毎日新聞社)

浜松市精神保健福祉センターは、市内に外国人登録している
ブラジル人の「心の健康」を調べた結果をまとめた。

回答者の約3割が、悩みやストレスにより「抑うつ状態」と判定、
同センターは、「経済的な不安や生活習慣の違いなどの
複合的な問題が強いストレスになっている」
在日ブラジル人に限って、メンタルヘルスを調べたのは全国で初めて。

調査は、アンケート形式で昨年12月から今年2月にかけて行った。
16歳以上のブラジル人のうち、5000人を無作為抽出して
調査用紙を郵送。

4085人に用紙が届き、男性378人、女性343人の計721人
(回収率17・6%)から回答。

回答結果から、「抑うつ状態」と判定した割合は28・7%。
自殺を考えたことがあるとの回答は、8・6%。

過去1年間に悩みを抱いたり、ストレスを感じたと答えた約6割の人に、
その原因を複数回答で尋ねたところ、
収入減などの「経済問題」が43・6%で最多。
「家庭問題」26・6%、仕事先での人間関係など「勤務問題」26・4%、
「健康問題」13・7%--などと続いた。

同センターは、「ブラジル人が、母国語で相談を受けられる施設を
増やすなどの対策を講じる必要がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/24/125989/

インサイド:次代の針路 第3部 子どもの体力/1

(毎日 9月21日)

夏休みが終わり、小中学校では秋の運動会シーズン。
小学校卒業までの少年期は、スポーツの基本的動きや技術を
身につけるのに、最も適した「ゴールデンエージ」と呼ばれている。

日本では、その年代の運動能力低下が叫ばれ続けている。
そこに何の原因があり、どんな取り組みが進められているのか?
子どもの体力向上に焦点を当てた。

◇競技団体も向上に本腰

味の素ナショナルトレーニングセンターに、男女約10人が集まった。
女子サッカーやバスケットボール、男子ハンドボールの
元日本代表選手も含まれる。
大人たちがボールを投げたり、けったりして遊んでいた。

◆指導者養成へ講習会

国内のボール競技の団体でつくる
日本トップリーグ連携機構(JTL)が主催した、
「ボールであそぼうマイスター」の講習会。

「ボールであそぼう」は、JTLが昨年、子ども向けに作製した
DVDのタイトル。
NHKの番組「からだであそぼ」を手がけた
山梨大教育人間科学部の中村和彦准教授が中心、
ボールを投げるなどの基礎、パスなど連係プレー、
普段はできない体の動きを、遊びの中で習得してもらおうというもの。

講習会は、指導者(マイスター)を養成するもので、
2年間で46人が認定。
マイスターたちは、全国のイベントなどで、
子どもたちにボール遊びを教える。

JTLの平野祐司事務局長は、
「我々の直接的な仕事ではないかもしれないが、
体力向上とともに、ボールに向いてくれる子どもを増やすことが大事」

文部科学省が行った、09年度の体力・運動能力調査では、
小学5年生(10~11歳)の男子の50m走の全国平均は9秒37。
85年度と比べ、0秒32遅い。
ソフトボール投げでは、男子が25・41mと約4・5m短い。

85年前後は、コンビニエンスストアやテレビゲームの出現で、
生活環境が大きく変化した時期。
それまでの、子どもたちの遊びは、野球や缶けり、ゴム跳びなどの
体を使ったものが中心、現在の主流はテレビゲーム、カードゲーム。

体を動かさなくなったことが、体力の低下に。
中村准教授は、「体力そのものより、動きを習得していない子が多い

◆運動しない小学生

中村准教授は、07年、小学生以下の「走る」、「跳ぶ」、「投げる」、
「捕球する」など、7つの動きをビデオで撮影、
動きの発達度を5段階で分けて数値化する調査。

投げる動作では、発達段階に応じて、
(1)足を使わない手投げ、
(2)体のひねりが加わる、
(3)投げる時に手と同じ側の足を出す、
(4)手と反対側の足を出す、
(5)振りかぶって投げる--と分類。

85年、中村准教授が撮影した同年代の子どもと比較すると、
85年は、(3)が最も多かったのに対し、
07年では(1)と(2)が全体の7割と、未熟さの傾向が出た。

7つの動作の平均ポイントでは、07年の幼稚園年長(5~6歳)は
85年の年少(3~4歳)並みと、2歳程度運動レベルが下がる。

走る動作を分析すると、07年の小学5年生が
85年の幼稚園年長とほぼ同レベルという驚くべき結果。

体力の低下だけでなく、正確な動きができないから、
体力テストの数字も上がらない。
それを裏付ける構図だった。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の調査によれば、
11歳の子どもが下校後に週に2回、30分以上の運動をする割合は、
男子でオーストラリア、ドイツ、フランスが8割超、
日本はわずか37%、調査した20カ国の中で最低。

中村准教授は、「日本は、世界で最も運動していない小学生がいる
国ということを認識することが、体力向上の第一歩になる」と警告。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/09/21/20100921ddm035050107000c.html

携帯電源用燃料電池に期待の素材開発

(サイエンスポータル 2010年9月21日)

リチウムバッテリーに代わる小型燃料電池開発につながると
期待される新素材を物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の研究チームが開発。

トラベルサ・エンリコ・グループリーダーらが作製に成功したのは、
イットリウム添加ジルコン酸バリウムの薄膜。

イットリウム添加ジルコン酸バリウムは、
小型固体酸化物燃料電池の素材として注目、
多結晶材料として焼結性が悪く、電池の性能を左右する
プロトン伝導率が低い、という難点を抱えていた。

エンリコ・グループリーダーらは、パルスレーザー堆積法を
用いることにより、結晶粒界のない薄膜の作成に成功、
携帯電源用として不可欠な低温(350℃以下)でも、
これまでに開発された固体酸化物燃料電池用電解質の中で
最高の性能(プロトン伝導率)を持つことを確認。

ノート型パソコン、携帯電話など、携帯電源用として
期待が大きい小型固体酸化物燃料電池は、環境に優しく、
かつ効率的にエネルギーを生産できる利点を持つ。

充放電サイクルを必要とせず、リチウムバッテリーよりも
エネルギー密度が大きい。
リチウムバッテリーに代わる小型固体酸化物燃料電池の開発に、
新たな展望を切り拓く可能性を持つ研究成果。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1009/1009211.html

森の生態系守ろう 盛岡で東北地環研が再生事業

(岩手日報 9月26日)

自然環境の調査研究に取り組む東北地域環境計画研究会
(会長・由井正敏県立大名誉教授)は、民有林で森林再生事業
「小動物が棲む森林づくり」を実施。

同地域付近で、生息が確認されている国の天然記念物・イヌワシの
すみよい環境をつくるための取り組みで、
参加者は、林業の仕事や自然環境の保護に理解を深めた。

同会メンバーや動植物の保全活動などを学ぶ
イオンチアーズクラブの子どもたちら、合計約70人が参加。

盛岡市の農林業吉田俊和さん(82)が所有するスギ林(約1ha)に移動、
切り出した木材で、イヌワシの餌となる野ウサギの隠れ家を作った。

参加者たちは、幅約1mに切り分けたスギを積み上げ、
野ウサギが入れるよう、30cmほどのすき間をつくって
枝木をかぶせ、隠れ家を完成。

吉田知世さん(津志田小5年)と泉山萌さん(岩手大付属小6年)は、
「木を切るのが思ったよりも大変だった。
野ウサギ以外にも、いろんな動物がすみやすくなるといい」と期待。

間伐は、山林の地表まで、太陽光が届くよう一定幅を決めて
伐採する「列状間伐」という手法で実施。

切り出した木材を、農耕馬で運ぶ馬搬作業も披露。
盛岡周辺では、昭和初めころまで林業に馬が使われ、
参加者は間近で伝統の技術を学んだ。

この取り組みは、今年で13回目。
イヌワシなど猛禽類の生息環境維持を目指し、県内の山林で実施。

本年度は、2006年から県が導入している
「いわての森林づくり県民税」を活用した
「県民参加の森林づくり促進事業」として採択。

由井会長は、「動植物の繁殖は、山林の環境整備と関連。
事業の結果を分析し、他地域での取り組みにも生かしたい」
同事業は、12月まで毎月1回開かれる。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100926_10

2010年10月3日日曜日

善玉コレステロール量の調整…京大などメカニズム解明

(2010年9月21日 読売新聞)

体内で善玉コレステロール(HDL)の量が調整される
メカニズムの一端を、京都大、神戸市立医療センターなどの
チームが解明。
動脈硬化の危険性を減らす治療につながる成果、
21日の米科学アカデミー紀要電子版。

京大の尾野亘講師らは、コレステロールの代謝を制御する
たんぱく質が増えると一緒に増え、遺伝子の働きを調節している
「miR―33a」という分子に着目。

この物質を作れないよう、遺伝子操作したマウスでは、
血中のHDLが雄で22%、雌で39%増えたことから、
この物質は、HDLが作られるのを邪魔する働きがあると推察。

人の細胞で調べると、この物質は、細胞の中にあるコレステロールが
外へ出て行くのを妨げ、細胞外でHDLが合成されるのを抑える。

尾野講師は、「この物質の働きを抑える薬剤を開発すれば、
HDLが増えると期待できる。
悪玉コレステロールを下げる治療薬と同時に使えば効果的」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/21/125878/

インサイド:米大リーグ ビジネス最新事情/5止 新球場建設、重荷にも

(毎日 9月18日)

新球場を手に入れて、集客を飛躍的に伸ばすツインズとは対照的に、
今年最も観客を減らしているのは、ニューヨークに本拠を置くメッツ。

1試合平均約3万3000人の観客数は、
昨年より6100人も少ない。

メッツは昨年、新球場「シティ・フィールド」(4万1800人収容)を
開設したばかり。
2年目で、早くも新球場効果がはげ落ちた。
新球場建設に伴う債務の返済は、緒についたところ。

メッツは今年、高額シートを除き、
チケット料金を平均13%引き下げているだけに、
観客数の減少は経営的に痛い。

シティ・フィールドは、大手金融機関のシティグループが、
大リーグ史上最高額の20年契約、
総額4億ドル(340億円)で命名権を購入。

契約締結後に起きた金融危機で、シティは巨額の公的資金の
投入を受け、「『納税者球場』と改名すべきだ」と
批判を浴びたことも微妙に影を落とす。

◆集客効果続かず

物珍しさだけで、観客を新球場に呼び込むことができるのは、
2年が限界だ」、ハーバード大ビジネススクールの
スティーブン・グレイザー名誉教授。
景気後退も重なって、その“ハネムーン”期間はさらに短くなりそう。

新球場の建設ブームが続く大リーグでは、
この20年弱で20の新球場が完成、建設中のものが1カ所、
構想段階のものが2カ所。
多くは老朽化による建て替えが目的ではなく、
スイートルームや高額シートを増設するなど、
もうかる球場に変えることが狙い。

目先の利益だけでなく、球団の資産価値の上昇を促し、
転売時のもうけも「確約」してくれる。
建設コストの半分以上を、地元自治体が負担してくれるとあれば、
好意に甘えない手はない。
命名権販売や新球場の増収効果で、自己負担はさらに低く抑えられる。

◆資金不足で弱体化

球団の思惑ほど、新球場効果は長続きしない。
チケット料金や飲食物の価格が、一斉に値上がりするのが常、
球団は新球場への投資が足かせとなり、
選手年俸に資金を振り向ける余裕がなくなる。
チームの低迷を招く要因となり、
結果的に客足が遠のく悪循環に陥る。

球場建設だけに重きを置く姿勢は誤り。
ファンは、強いチームを望んでいる。
うちは収益確保と戦力増強の二兎を追う」。

新球場をオープンさせた効果で、少なくとも5000万ドル
(42億5000万円)の増収が見込まれる
ツインズのデーブ・セントピーター社長。
言葉通り、ツインズは今年3月、早速手を打った。

捕手マウアーと8年間、総額1億8400万ドル
(約156億4000万円)の球団史上最高額で、
契約延長にサイン。

マウアーは、地元セントポール出身。
ア・リーグの首位打者を3度獲得、昨年は同リーグMVP選出。
ツインズは、これまで貧乏球団の悲哀で、
サイ・ヤング賞投手のサンタナ(現メッツ)、
主軸ハンター(現エンゼルス)ら有力選手を
次々に放出してきた歴史があり、大きな方針転換。

セントピーター社長は、「選手年俸を(現在の8300万ドル=
約70億5500万円=から)1億ドル(約85億円)以上に増やせる」
ツインズは今、ア・リーグ中地区で首位をひた走る。

対照的に、メッツはナ・リーグ東地区4位に低迷。
新球場を造るだけで、もうかった時代は完全に終わりを告げた。

http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/archive/news/2010/09/18/20100918ddm035050008000c.html

地域主体で高齢社会対応を 新研究開発プログラムスタート

(サイエンスポータル 2010年9月17日)

世界でも例を見ない速さで到来した高齢社会に対応するため、
科学技術振興機構 社会技術研究開発センターが、
新たな研究開発プログラム
「コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン」を立ち上げた。

新プログラムの研究開発課題として、
「在宅医療を推進する地域診断標準ツールの開発」
(研究代表者:太田 秀樹・医療法人 アスムス理事長)、
「新たな高齢者の健康特性に配慮した生活指標の開発」
(同鈴木 隆雄・国立長寿医療研究センター研究所長)、
「ICTを活用した生活支援型コミュニティづくり」
(同小川 晃子・岩手県立大学社会福祉学部・地域連携本部教授)、
「セカンドライフの就労モデル開発研究」
(辻 哲夫・東京大学高齢社会総合研究機構教授)の5つが決まった。

在宅医療に関する研究開発課題では、
在宅医療が普及している自治体と遅れている自治体を比較し、
よりよい普及の仕方を客観・科学的に明らかにし、
全国への在宅医療の普及を図る。

高齢者の生活指標に関する課題では、
新たな社会生活への対応能力、ボランティアらの社会参加など、
今後の団塊の世代を中心とした活力ある高齢社会に向けての
新たな「活動能力指標」の開発と普及を目指す。

高齢社会の対応として、岩手県では、高齢者の安否と見守り情報を
家庭用電話機から発信する先駆的な取り組みが行われている。

「ICTを活用した生活支援型コミュニティづくり」では、
岩手県の取り組みを基盤として、認知レベルに応じた
安否発信方策を検討し、地域特性を生かした多様な
見守りサブセンターや休日・夜間センターの設置など、
地域の互助機能を組織化することにより、
高齢者の異変への対応や生活支援をコミュニティで行う方策を
開発、検証する。

セカンドライフの就労モデルについて、千葉県柏市で、東京大学、
柏市、UR都市機構、地域住民が一体となって、
「農」、「食」、「支援」の3つの側面から、
生きがい就労ビジネスモデルを創造し、今後特に高齢化が急速に進む
都市近郊地域におけるセカンドライフモデルづくりを目指す。

プログラム全体を領域する秋山 弘子・東京大学
高齢社会総合研究機構 特任教授は、
「日本は、世界の最長寿国で、2030年には65歳以上の人口が
総人口の3分の1になる。
世界のどの国も経験したことのない超高齢社会の課題に挑戦し、
世界に先駆けてモデルを創っていくことが急務」

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1009/1009171.html

不滅の法灯ともす真心 平泉・中尊寺へ菜種油奉納

(岩手日報 9月24日)

平泉町の「平泉なのはな会」(千葉正吾会長)は、
中尊寺「不滅の法灯」の燃料として、同会が栽培した菜種から
搾った菜種油約70Lを中尊寺に奉納。

菜の花栽培を通じて、中尊寺と町民がきずなを深め、
世界遺産登録の機運を高めようと始まったまちづくりの火は、
平和のともしびとして、未来永劫ともされる。

奉納は、本殿で行われ同会会員や町民有志ら13人が出席。
千葉会長が、「私たちが、心を込めて育てた菜種を搾った油。
不滅の法灯の燃料としてお使いください」と、
会員の関宮治良さんが、菜種油が入ったつぼを山田俊和貫首に手渡した。

山田貫首は、「不滅の法灯は、世に明るいともしびをかかげてきた。
燃料を献納いただきありがたい」と感謝。

「不滅の法灯」は、最澄が京都の天台宗総本山・比叡山延暦寺に
ともして以来、約1200年間ともされている。

1958年、中尊寺が天台宗東北大本山の称号を
与えられた際に分灯された。

同会は昨秋、同町の休耕田約23アールを整備し、種まき。
一関市で、菜種油を製造販売するデクノボンズ
(小野寺伸吾代表取締役)の指導で、完全無農薬栽培の
良質な菜種を収穫し、9月に搾油。

70Lは、法灯の燃料約4カ月分に相当。
菜種栽培は、来年以降も続ける予定。
畑は、JR東北線や主要道路からも見える位置に整備。

千葉会長は、「平泉を訪れた人に、菜の花の景観を楽しんでもらいたい。
それが世界遺産登録の後押しにつながってほしい」と願う。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100924_9

2010年10月2日土曜日

インサイド:米大リーグ ビジネス最新事情/4 大きな富生む「新球場」

(毎日 9月17日)

ツインズの新球場「ターゲット・フィールド」の開幕試合(4月12日)は、
祝賀ムード一色に包まれた。

4機のF16戦闘機がごう音とともに飛来し、
フィールドを覆い隠さんほどの巨大な星条旗も登場。
本拠地ミネアポリスでの50年目のシーズンに当たることを記念、
選手は灰白色に縦じまの1961年当時のユニホームを着用。

「誇らしく、(無事に開幕を迎えたことに)安堵し、そして興奮を覚えた」
デーブ・セントピーター社長は、あの日の高揚感が忘れられない。

◆自治体公費を活用

新球場は、3万9504人収容。
5層の観客席と球場をぐるりと囲む、開放型のコンコースが特徴。
「雨水の再利用や省エネの照明設備を設置するなど、
世界で最も環境に配慮したスポーツ施設」、セントピーター社長。

総工費は、5億4500万ドル(約463億2500万円)。
3分の2は、地元自治体の公費で賄われた。
新球場建設は、ツインズの16年越しの悲願。

東京ドームのモデルとしても知られる以前の本拠地メトロドームは、
地元公益法人の所有。
米NFLのバイキングズなどの本拠地も兼ねていた。
スイートルームは、数室を試合日ごとにばら売りすることしかできず、
球場内の看板広告も、球団の収入になるのは外野フェンスだけ。
飲食物販売の収入も、州政府などと分け合う必要があり、
収入の手足が縛られていた。

球場は、アメフット仕様で野球観戦には向かず、
人工芝と屋根付きのドームも、「時代遅れ」と不人気。
集客は低迷し、慢性的な赤字に陥っていた。

ツインズの新球場構想は、遅々として進まなかった。
地元自治体が資金支援策をまとめるたび、
30回近くも議会や住民投票で否決・先送りされた。

しびれを切らしたセントピーター社長は、
「球団の移転も検討していた」。
05年、公益法人に対して、「ツインズは、メトロドームの契約に
長期間縛られる義務はない」と提訴。
“脅し”が効いたのか、06年春、ミネソタ州議会がゴーサイン。

◆一夜で「金持ちに」

新球場効果はすさまじい。
地元紙は08年、「年4000万~5000万ドル
(約34億~約42億5000万円)の増収が見込める」と報じた。

それまでのツインズの総収入は、約1億6000万ドル(約136億円)、
いきなり3割近くも増える計算。
スイートルームの販売、年800万~1500万ドル
(約6億8000万~約12億7500万円)と言われる
命名権販売による収入の上積みに加え、
目新しさから観客が増え、チケット収入や
飲食物・グッズ売り上げの増加も期待。

不況の影響が懸念されたが、「取り越し苦労に終わった」
(スティーブ・スミス副社長)。
真新しい新球場を一目見ようと、前年より1試合平均で
1万人以上多い、3万9700人が連日詰めかけている。
チケット料金は今年、高額シートを除いて4割以上値上げ、
実際の増収効果が試算を大きく上回ることは確実。

長年、貧乏球団に甘んじてきたツインズが、
一夜にして金持ち球団の仲間入りを果たした。

大リーグでは、92年にオリオールズが赤レンガ造りの
カムデンヤーズを建設して以来、新球場ブームが続いている。
平均すると、建設資金の5割強は公費で賄われた。

自治体の資金支援策を引き出し、新球場を造る手法は、
球団がさらなる富を得る錬金術となっている。

http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/news/20100917ddm035050134000c.html

脳卒中:まひの手、回復に新手法 動作想像→脳に刺激--慶応大チーム開発

(毎日 9月27日)

脳卒中の後遺症で、長期間まひした手の機能を改善させる手法を、
慶応大の里宇明元・教授と牛場潤一講師らのチームが開発。

スポーツのイメージトレーニングのように、手を動かすことを想像し、
脳に刺激を与える訓練を繰り返すことで、筋肉の働きを誘発。
チームは、新しいリハビリ法になるとみて、
実用化を目指した臨床試験に着手。

国内の脳卒中患者は約150万人と推定、まひが残る人が多い。
現在のリハビリでは、比較的軽度のまひを電気刺激などで
回復させる方法がある。
数年間も動かなくなった完全まひの患者では、
まひしていない方の手足を鍛えるしかなく、事実上治療を断念。

チームは、手を動かす際に出る脳波が現れると、
手首に装着した電動装具が動くシステムを構築。

まひした患者の場合、最初は動かすことのできる人と異なる波形に。
コンピューター画面を通して違いを確認しながら、
手を動かすイメージを繰り返し、正しい脳波が現れると、
電動装具が手を強制的に動かす。

システムを使い、5年間も左手がまひしていた女性が、
1日1時間の訓練を週5回続けたところ、2週間後、
積み木のような器具をつかんで持ち上げられるようになった。

当初、筋肉を動かすための電気信号がほとんど出ていなかったが、
システムなしでも検出されるようになり、
脳の命令を手に伝える回路が新しく形成された。
同様の効果は、他の患者でも確認。

脳と機械をつなぎ、情報を出し入れする技術は、
「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」と呼ばれ、
各国で研究が進むが、体の機能回復を実証したのは世界で初めて。
里宇教授は、「どの症状の患者に効果的なのか、症例を重ね、
数年のうちに、手のまひの治療法の一つとして確立したい」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/09/27/20100927dde041040038000c.html

インタビュー・環境戦略を語る:ソニー・中鉢良治副会長

(毎日 9月27日)

ソニーは、2050年に製品の生産から廃棄に至るまでの全過程で、
環境負荷ゼロを目指す「Road to Zero」を掲げるなど、
グループを挙げて、環境問題に取り組んでいる。
中鉢良治副会長に環境戦略を聞いた。

--環境問題に取り組む基本理念は。

企業活動を行う上で、必須の条件ととらえている。
リーマン・ショック後、従来型の大量生産、大量消費による
経済成長に疑問符がつき、資源も有限であることが強く意識。
電気やエネルギーがなくなるかもしれないという地球規模の課題を、
ソニーの持つ技術や製品で解決していくことが使命。

--50年に環境負荷ゼロという高い目標を掲げている。

CO2排出量、新たな採掘資源の使用量、有害化学物質の削減、
生物多様性保全の、四つの視点から取り組んでいく。
実現に向け、15年度に製品1台あたりの消費電力を、
08年度比30%削減、事業所の廃棄物リサイクル率99%以上などの
中期目標を定めた。

ソニーは、環境に関する国際標準規格「ISO14001」を、
02年世界すべての製造事業所で取得するなど、社員の意識も高く、
「環境問題に取り組むからには、業界の先頭を切ってやりたい」と
考えている社員も多い。
全力を尽くして、一日でも早く達成することが社会からの要請。

--取り組みには、取引先の協力が不可欠。

◆01年、欧州向けゲーム機の周辺機器から、
規制レベルを超えるカドミウムが検出され、
出荷停止や部品交換を余儀なくされた。
これを機に導入したのが、「グリーンパートナー環境品質認定制度」。

ソニーが独自に策定した化学物質管理基準に基づき、
部品・原材料の化学物質測定や取引先企業の訪問監査を行い、
合格した企業のみから調達する、という厳しい制度。

導入当初は、取引先から反対意見が相次いだ。
「SONY」マークのついた製品の安全を請け負うのは、
メーカーとして当然。
測定機を世界中の事業所に配置し、監査員を育成して、
取引先の理解と協力を得ることができた。
今では、約1500グループの企業とグリーンパートナーとして取引。

--今後は、どのような活動を推進していくか?

◆15年度の中期目標を達成することが必要、
やはり一番大切なのは、ソニーの顔である製品。
2月、再生プラスチックを使ったノートパソコン「バイオW」を発売して、
大きな反響をいただいた。
ソニーの得意とする技術力で、省エネ性能や省資源を追求した
製品を開発し、社会や地域、お客様と対話しながら活動を推進していきたい。
=============
◇ちゅうばち・りょうじ

東北大大学院工学研究科博士課程修了。77年ソニー入社。
上席常務、副社長などを経て05年に社長。
09年4月から現職。宮城県出身。63歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/09/27/20100927ddm008020019000c.html

桑エキス化粧品開発 北上の企業、抗加齢効果に着目

(岩手日報 9月23日)

北上市の人材派遣業イースト(菊池和也社長)は、
桑の葉エキス入りせっけんなど3種類の化粧品を開発、発売。

桑を生かした地域おこしが進む同市更木地区などの県産の葉を使用。
桑の健康効果が注目を集める中、
「北上発のブランド品を目指したい」と期待。

発売する化粧品は、
せっけん(10g)、化粧水(20ml)、美容液(10ml)のセット商品。
個別の販売は、11月上旬からを予定。

桑の葉は、桑茶製造を手掛ける更木ふるさと興社から購入。
化粧品には、抽出した桑の葉エキスや美容成分を配合。
藤沢町の化粧品工場に製造を委託。

桑は、抗加齢などに効果があるとされ、健康効果が注目
商品開発には、桑の研究を進める
鈴木幸一岩手大農学部教授が協力。

鈴木教授は、「『不老長寿の妙薬』の桑から食品以外の物が完成し、
桑産業の第2ステージに入った。
地元で始めたことにも意味がある」と強調。

主に人材派遣業を手掛けてきた同社は、
「業務を通した社会貢献」を掲げて新事業に参入。
菊池社長は、「桑を活用した地域おこしに少しでも、
貢献できればうれしい。
徹底的に(加齢による衰えを防ぐ目的の)エイジングケアを
追求した商品で、多くの人に使ってもらいたい」と願う。

セット商品は、1万組を限定販売し、税込み2100円。
更木桑茶の取扱店舗でも販売。
問い合わせ、予約申し込みはイースト(0120・65・4480)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100923_8

2010年10月1日金曜日

インサイド:米大リーグ ビジネス最新事情/3 チケットに電子マネー

(毎日 9月16日)

「ビール1杯」。
男性客が差し出したのは、お札ではなくチケット。
店員がバーコード部分に読み取り機を近付けると、「ピッ」。
それで勘定は終わった。

アスレチックスが今年売り出した「ジャンボ・チケッツ」は、
チケットのバーコードに電子マネーが付与され、
球場内の売店やグッズ売り場で金券のように使用できる。

3階席(通常の試合で12ドル)、一塁側2階内野席(同36ドル)、
内野最前列(90ドル)の3種類が販売、
3階席で6ドル(約510円)分、内野席では10ドル(約850円)分の
クレジットが付く。

昨年まで、3階席は食べ放題付きのチケットで35ドル(約2980円)。
料金が3分の1に下がり、ホットドッグを1本買えるだけの
クレジットが付くとあって、人気は上々。

内野最前列の最上席は、ほぼ完売状態。
観戦条件の悪い3階席と、高値で売りたい内野席が
思惑通りの売れ行きを示し、球団は笑いが止まらない。

◆IT使い付加価値

ジャンボ・チケッツは、ITの「落とし子」。
クーポン券の束を観客に渡す代わりに、ジャンボ・チケッツなら
バーコードにデータ入力をするだけで済み、
球団は余分なコストも手間もかけずに、
チケットに付加価値を与えられる。
観客の側も、金券代わりなので使い勝手がいい。

ジム・レイヒー営業担当副社長は、「購買心をくすぐって、
クレジット額以上の買い物をしてくれる」とホクホク顔。
アスレチックスは来年、対象座席を広げることを検討。

ジャイアンツも今年、よく似た「スプラッシュ・ティックス」を売り出し。
前売り券購入時、オプションとして、この電子マネーを
購入するかどうか、客自身が選ぶ。
全券種に対応し、10ドルのチャージで12ドル(約1020円)分の
買い物ができるのが特徴。
増額特典はないが、試合当日、売店でもチャージできる。

08年秋のリーマン・ショックを受けて昨季、
3階席のシーズンチケット料金を値下げする代わり、
1試合5ドル(約425円)分のクレジットを付与したのが始まり。

この戦略が成功を収め、今年はシーズンチケットに限らず、
対象を全券種に広げた。
ギフトカードとチケットを組み合わせたようなもの。
従業員や顧客サービスとして、企業・団体向けによく売れている」、
ラス・スタンリー・チケット販売担当副社長。

◆「携帯」かざし入場

チケットそのものの電子化も進む。
iPhoneやブラックベリーなどの携帯電話を使って
チケット購入できるのは、アスレチックス、ジャイアンツ、
レッドソックス、カブスなど計13球団。

うち9球団は、携帯電話向けにQRコード付きの
テキストメッセージを配信することで、
携帯電話がチケットになるサービスを提供。
近い将来、全球団でサービス体制が整えられる。

シーズンチケット保有者向けのサービスとして、
使わないチケットを、オンライン上で友人や慈善団体に譲渡したり、
再販市場で売買することも、すでに一般的。
年々、進化を遂げるITが大リーグビジネスをも変えている。

http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/news/20100916ddm035050131000c.html

インタビュー・環境戦略を語る:インターネットイニシアティブ・鈴木幸一社長

(毎日 9月20日)

主に、法人向けインターネット接続やネットワーク構築などを
手がけるIT大手、インターネットイニシアティブ(IIJ)。

日本のプロバイダー(接続業者)の草分けとして、
ネット技術の進展をけん引してきた同社の鈴木幸一社長に、
ITが環境に与える影響や同社の環境戦略を聞いた。

--ITが環境に与える影響をどう考えるか?

◆IT・ネット産業は、電気がないと動かない。
通信速度が速くなるに従って、莫大なエネルギーが必要になり、
巨大なサーバー(高性能コンピューター)は、
1台で20世帯分の電力を消費。

ITは、使い方によっては総エネルギーコストの削減に。
企業などがサーバーを共有化する
クラウド・コンピューティングはその一例。

--具体的には?

クラウドは、サーバーやシステムを共同利用しようというもの。
企業や自治体などが個別にそれらを持つよりも、
トータルのエネルギー消費をはるかに減らせる。
使う側は、自前で設備を持たずに済むのでコストは削減でき、
技術革新にも付いていきやすい。
環境対応の面から、どんどん導入してほしいが、
国内ではあまり進んでいない。

--なぜか?

クラウド技術を使えば、どんなメリットがあるかを十分に
理解している経営者がまだ少ない。
システムのことはコンピューター会社に任せ切り、
という企業が多いのでは。
自治体では、地元業者や職員の雇用減少につながるとの
懸念がネックになっている。

--IIJでは、環境負荷低減にどう取り組んでいるか?

◆最も電力を消費するのが、多数のサーバーが集積する
データセンター(DC)。
DCの運用コストの約4割は電気代、
コスト削減のためにも、省エネ対応は必須。
IIJは、電機メーカーなどと共同で今年2月、国内で初めて、
サーバーを外気で効率良く冷却するコンテナ型DCの運用実験を始めた。
従来のDCより、消費電力を40%削減でき、
CO2年間排出量は4000トン削減できる。

DCは商用化を決め、今月から松江市で設置工事を始めた。
購入するサーバーやコンピューターなどを選ぶ際、
エネルギー効率の良さも基準。
省エネタイプの機器は、高くても長期的に電気代も削減できる。

--課題は?

◆ITは、環境負荷低減に大きく貢献できる技術だが、
社会全体がITを活用するという方向に完全に転換できないうちは、
無駄なエネルギーを使う。
米国の役所は、電子化が徹底。
日本は、一部は電子化しているが、職員による作業も残る。
思い切った転換が必要。
==============
◇すずき・こういち

早大卒。日本能率協会などを経て、
92年インターネットイニシアティブ企画(現インターネットイニシアティブ)設立。
94年4月から現職。神奈川県出身。64歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/09/20/20100920ddm008020025000c.html

受動喫煙:死者は毎年6800人…厚労省研究班推計

(毎日 9月28日)

受動喫煙が原因で、肺がんや心臓病で死亡する成人は、
国内で毎年約6800人に上るとの推計値を、
厚生労働省研究班が発表。

女性が約4600人と被害が大きく、半数以上の約3600人は
職場での受動喫煙とみられる。

望月友美子・国立がん研究センタープロジェクトリーダーは、
「年間の労災認定死が約1000例であることを考えると、
甚大な被害だ。
行政と事業者は、労働者の健康を守る責任を認識すべき」

◇「半数は職場で」

研究班は、05年実施された受動喫煙状況に関する調査を基に、
たばこを吸わない成人約7600万人のうち、
女性(約4800万人)の約30%と男性(約2800万人)の約6%は家庭で、
女性の約20%と男性の約30%は職場で、
それぞれ受動喫煙にさらされていると推定(重複あり)。

受動喫煙により、肺がんや虚血性心疾患などの病気になる
危険性が1.2~1.3倍になることが、
国際機関や同センターの疫学調査により明らかで、
受動喫煙によって増えるリスクから、死者数を推計。

その結果、肺がんで死亡した女性(年間約1万8000人)の約8%と
男性(同約4万9000人)の約1%、虚血性心疾患の女性
(同約3万4000人)の約9%と男性(同約4万2000人)の約4%の、
計約6800人は、受動喫煙が原因と判断。

◇受動喫煙◇

健康増進法は、「室内かそれに準ずる環境で、
他人のたばこの煙を吸わされること」と定義。

喫煙者がフィルターを通して吸った「主流煙」よりも、
たばこの先端から立ち上る「副流煙」に、
より多くの有害物質が含まれる。

健康被害を防ぐため、厚生労働省は、飲食店やホテル、百貨店など
多くの人が利用する公共的な施設に対し、
建物内での全面禁煙実施を求める通知。
神奈川県は4月、全国初となる受動喫煙防止条例を施行。

http://mainichi.jp/select/science/news/20100928k0000e040046000c.html

2010年9月30日木曜日

グリーンツーリズム旅行者数が最多 県内09年度

(岩手日報 9月14日)
 
県は、09年度の本県へのグリーンツーリズム旅行者数を発表。
旅行者数は、約440万人(前年度比5%増)、
02年度の統計開始以来最多で、岩手・宮城内陸地震などの影響で
減少した08年度から回復。

グリーンツーリズムが広く知られるようになり、
教育旅行などに取り入れるケースが増えていることや、
県や市町村などがPRに力を入れていることが、誘客につながっている。

旅行内容の内訳では、農林漁業体験施設が7万3千人(同33%増)、
農家レストランが76万9千人(同6%増)と伸びた。

修学旅行などの体験型教育旅行も受け入れの柱となっており、
人数は3万2363人(同7・9%減)にとどまったが、
学校数は419校(同11・7%増)。

地域別では、北海道、宮城、東京、大阪の学校が多い。
公共施設やホテル・民宿などを使わない農林漁業者宅への民泊も、
延べ1957戸で8939人(同19・4%増)を受け入れた。

本県のグリーンツーリズム受け入れは、
03年度の約291万人から右肩上がりだったが、
08年度は地震などの影響で、前年度比3・2%減の418万人に減少。

県は、グリーンツーリズム支援として、
受け入れ態勢強化を目的としたキャラバンや、
首都圏でのイベントなどを行っている。

県農業振興課の今野徹主査は、「第一に地域活性化と、
次のステップとしてアグリビジネスへの発展が期待。
関係機関が連携して、魅力あるメニューの開発に力を入れたい」

教育旅行の受け入れが盛んな久慈市の、
いわてやまがた民泊研究会の岩脇ヨシエ副会長(57)は、
「じかに自然と触れられることが、魅力ではないか。
こちらも農村の暮らしをありのまま伝えるよう心掛けている」と
人気の要因を語る。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100914_9

インサイド:米大リーグ ビジネス最新事情/2 生き残りへ低価格化

(毎日 9月15日)

高年俸の選手にお金をかけられない貧乏球団が、
プレーオフの常連となった秘密を解き明かしたベストセラー
「マネー・ボール」。

主人公のビリー・ビーン・ゼネラルマネジャー(GM)が、
今も役を務めるアスレチックスは、人口40万人の港湾都市
オークランドに本拠地を置く。
ベイブリッジを挟んで隣接するのは、人気球団ジャイアンツを擁する
大都市サンフランシスコ。
この立地条件が、ビジネス上の重しとなり、
低価格路線を余儀なくされてきた。
商圏が小さいうえ、ファンの中心は裕福ではない労働者層だから。

◆厳しい不況風

08年秋、リーマン・ショック以降の不況風は、
アスレチックスのような貧乏球団には暴風のように感じられた。
「地域経済は土砂降り。
球場に足を運んでもらうには、あらゆる料金を低く抑える以外にない」
ジム・レイヒー営業担当副社長が言うように、
球団は一段と低価格路線を推し進めた。

昨年、4枚の2階席チケットに4人分のホットドッグ、飲み物、
ピーナツが付いた「ファミリーパック」を、金曜の試合限定で売り出した。
料金は計50ドル(約4250円)、正価より100ドル(約8500円)もお得。
水曜の試合限定で、かねて好評だった2ドル(約170円)のチケットと
1ドルのホットドッグをセットにした「ダブルプレー・チケット」の
対象座席を、9000席に倍増。

今年は、大半の火曜日の試合で、17ドル(約1450円)の駐車場代を無料。
冠スポンサーを付けることで、経営への打撃を和らげている。

基本となるチケット料金も、2年連続で据え置き、
一部の座席は値下げ。
シーズンチケットも、今年10%値下げ。
対岸のジャイアンツが変動価格制度を本格導入し、
事実上の値上げに転じたのとは対照的。

スイートルームの料金にも、手を付けた。
本拠地コロシアムは、築45年目と老朽化、
米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のレイダーズと共用、
アメフット仕様になっている。
フィールドをぐるりと囲むように設計された150室のスイートルームは、
どれも定員18人(基本1500ドル)で、
「セールスがしにくい」(レイヒー副社長)。

思い切って定員を「6人以上」に改め、提供する飲食物の品数を絞って
料金設定を1人99ドル(約8400円)にした。

◆差別化に知恵絞る

低価格と同時に力を入れるのが、ファンサービス。
年5回開催する花火ショーは、他球団のそれとは一味違う。
試合終了後、観客全員をフィールド内に招き入れ、
音楽を流しながら行う。
昨年から、地元で有名な女性パーソナリティーを
ゲームの進行役に指名し、イニングの合間に
観客との掛け合いで楽しませる。

飼い犬と一緒に野球観戦する「ドッグデー(犬の日)」を、
大リーグで初めて設けたのもアスレチックス。
選手が、ファンに飲み物を注ぐチャリティーイベントも開催、
親しみやすさを前面に打ち出し、ジャイアンツとの差別化を図る。

アスレチックスと同様、地方都市を足場とし、成績も振るわない
ダイヤモンドバックスやパイレーツなどの貧乏球団は、
どこも低価格路線を鮮明。

カブスなどの裕福な人気球団は、景気後退不安が和らいだ今年、
相次いでチケット料金の値上げに踏み切った。
不況が招いた路線の違いにより、
貧富の差はますます広がっている。

http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/news/20100915ddm035050115000c.html

毎日朝食取る人は「幸福」実感…健康や家族重視

(2010年9月17日 読売新聞)

朝食を毎日取る習慣がある人ほど、自分を「幸福」と感じていることが、
東北大加齢医学研究所の川島隆太教授らのアンケート調査。

調査は、20~60歳代で仕事を持つ男女各500人の計1000人に、
インターネットを通じ、朝食習慣、何を幸せと感じるか、
生活や仕事の満足度などを質問。

経済面や健康状態、家族関係などから、
現在の「幸せ度」を100点満点で尋ねたところ、
毎日朝食を取る人(637人)は平均67・9点。
週2日以下の人(156人)は同59点と差が開いた。

「毎日」の人は、経済面よりも健康状態を重視する傾向があり、
家族と過ごしている時に、幸せを感じる割合も高かった。

総合的な生活の充実度を自己採点すると、
「毎日」は65・4点、「週2日以下」の53・8点を大きく上回った。
「毎日」は、趣味や余暇の満足度でも、
「週2日以下」に比べ、10点以上高かった。

仕事についての調査では、朝食習慣による効率や勤務態度の
自己評価に大きな差はなかったが、転職希望者が、
「毎日」の36・4%、「週2日以下」は57・1%と突出して高かった。

朝食内容では、幸せ度が高い人ほど、
果物や野菜をよく食べる傾向。

同研究所は、「朝食をきちんと取る人は規則正しい生活を送り、
時間を効率的に使っているため、自己評価が高いのでは」と分析。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/17/125769/

2010年9月29日水曜日

毎朝ご飯食べている、大学生の55.8% 農水省岩手事務所調査

(2010年9月14日 毎日新聞社)

県内の学生の55・8%が、毎日朝ご飯を食べている--。

こんな実態が、農林水産省・岩手農政事務所が実施した
朝食に関する意識調査で分かった。
20~30代の若年層では、朝食の欠食率が高くなる傾向があり、
同事務所は「割合の高さに驚いている」。

調査は今年5~7月、米の消費拡大の基礎資料とするため行った。
県内の大学、短大など計11校で協力を求め、
学生と職員844人(全学生の約4%)から回答を得た。

結果によると、朝食を食べる割合は、毎日が55・8%、
週5、6日も29・2%。
月1、2回か全く食べないのはわずか3%。

朝食の主食は、ご飯が75・3%と最多、パンは18・8%。
朝食に対する考え方について、
「健康のために重要」と答えたのは72・5%、
「朝食を毎日食べたい」としたのは71・7%。

同事務所消費流通課の三橋芳弘課長は、
「米の生産が盛んな県内だけに、
食生活が守られているためではないか」と推測。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/14/125560/

インサイド:米大リーグ ビジネス最新事情/1 入場料変動制で増収

(毎日 9月14日)

62億ドル(約5270億円)--。
「100年に1度」と言われた不況をものともせず、
米大リーグの総収入は昨年、過去最高を更新。
原動力となったのは、革新的なチケットの販売手法や、
各地で建設が相次ぐ新球場の経済効果。
今なお発展を続ける大リーグビジネスの最新事情をリポート。

航空券のように、日替わりで料金が上下する変動価格制度。
昨年、大リーグで初めて外野席の一部に導入したジャイアンツが
今年、対象を4万1500の全席に拡大。
球団にどの程度収入増をもたらすのか、またもたらさないのか?
ファンは、いつチケットを購入すれば割安なのか?
他球団だけでなく、ファンの目も日々の値動きに注がれている。

チケット料金は、前年のシーズン終わりに決める--。
それが今までの大リーグの常識。
「半年~1年先の経済状況やチーム成績を予測するなんて不可能。
不景気でチケットが売れないかもしれないし、
優勝争いに加わって再販市場で高値で取引されているかも」
ラス・スタンリー・チケット販売担当副社長は、
需給関係で日々価格が変わる『ダイナミック・プライシング』は、
理にかなっている

◆50セント~1ドルの幅で

料金を上げ下げする「変数」となるのは先発予想投手、
対戦相手のチーム成績、記録達成の可能性、天気予報、
チケットの売れ行き、花火ショーや首振り人形のプレゼントなど、
プロモーションの中身。

開幕約2カ月前の2月1日に基準価格を発表、
その後、スタンリー副社長を中心とするチケット販売担当者が
毎朝会議を開き、新たな情報を考慮しながら、
50セント~1ドル(約42~約85円)の幅で料金を変動。

外野の2000席で、試験的に導入した昨年は、年間延べ2万4000席、
金額ベースで50万ドル(約4250万円)を上積み。
今年、8月末現在で観客数、チケット収入のいずれも
前年比5~7%押し上げている。

最も高騰したのは、6月下旬のレッドソックス戦の
バックネットに近い内野席。
基準価格で135ドル(約1万1500円)、
最終的には225ドル(約1万9000円)の値が付いた。

最安は、開幕直後のパイレーツとの3連戦の左翼外野席で、
基準価格と同じ5ドル(約425円)。

大リーグの球団は99年以降、季節や曜日、対戦相手などから
需要を予測し、チケット料金に反映させる手法を開発。

ジャイアンツは、シーズンチケット購入者が使用しないチケットを
ネット上で売買できる再販市場を、00年にプロスポーツ界で初めて
開設するなど、野心的な試みで知られている。

日本でも、楽天が09年から、需要に応じて5段階の料金設定をする
「フレックスプライス」を導入、徐々に普及しつつある。

「昨日の試合に勝ったか負けたかが、
(需要を左右する)最大のインパクトのはずだ」(スタンリー副社長)。
その意味で、ジャイアンツの変動価格制度は、究極の需要予測。

◆真の目的は販促

球団に多大な収入増をもたらしたダイナミック・プライシングだが、
本当の狙いは、チケットを高値で売り付けることではなく、
シーズンチケットの販売を促すこと。
その証拠に、ジャイアンツは全座席の7割で、
基準価格を昨年の料金よりも引き下げた。

「この1年間の値動きを見ていれば、早く購入するほど
料金は安いことが分かる。
割引特典のあるシーズンチケットは、さらに安い」、スタンリー副社長。
現在65%のシーズンチケットの比率を、
来年には75%に引き上げる目標。

彼は、新しい料金制度に関する情報をレッドソックス、フィリーズ、
ヤンキースなどの他球団と共有。

ジャイアンツが導入したチケットの再販市場は、
リーグの枠を超え、全米のスポーツリーグに広がった。
「変動価格制度も、13年までには全球団が追随する」
スタンリー副社長は自信を持って、そう断言。

http://mainichi.jp/enta/sports/baseball/archive/news/2010/09/14/20100914ddm035050053000c.html

健康マイレージ開始 がん検診受診率向上へ 茨城・つくば市

(2010年9月17日 毎日新聞社)

市民の健康づくりを支援し、がん検診などの受診率を上げようと、
つくば市は、がん検診の受診やスポーツ大会への参加など、
四つの要件を達成した市民に記念品を贈る
「つくば健康マイレージ」をスタート。

市健康増進課や市内の保健センターなどで来月1日から、
記入カードを配布する。
達成者には、抽選で景品が当たるチャンスもあり、
市は「疾病の早期発見や生活習慣病の予防につなげたい」

求められる要件は、(1)健康診断(人間ドックも可)、
(2)がん検診、(3)市などが主催するスポーツ大会や講演会など
健康関連イベントへの参加、(4)定期的な運動や禁煙など
健康的な個人目標--の4分野について、
今年2月16日から1年間に達成すること。

市が配布するカードに、参加日時や場所などを自己申告で記入。
対象は20歳以上のつくば市民、
39歳以下の男性は市のがん検診の対象でないため、がん検診を除く。

記念品は、5月にオープンした多目的体育施設
「つくばウェルネスパーク」のチケットなど健康関連品で、
市健康増進課は「働き盛りの人に健康づくりを促す観点から、
抽選は20-30代に当たりやすいよう工夫をしたい」

問い合わせは、同課(電話029・883・1111内線1310)

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/17/125754/

2010年9月28日火曜日

100歳以上、4万4449人 岩手県は524人に増加

(岩手日報 9月15日)

今年の100歳以上の高齢者は、全国で過去最多の4万4449人に。
厚生労働省が、「敬老の日」を前に住民票を基に調べた。

昨年より4050人多く、40年連続の増加。
都道府県別の人口10万人当たりの100歳以上は、
昨年2位の島根県が74・37人で1位。

1973年以降37年連続で1位だった沖縄県は、66・71人で2位。
最も少ないのは、埼玉県で18・75人。

島根県の担当者は、「人口が減ったため、相対的にお年寄りの
割合が増えたのではないか」、
沖縄県は、「新たに100歳になる人が昨年に比べ少なかった」

高齢者不明問題を受け、厚労省は本年度中に100歳になる人の
所在確認を実施。
2万3218人を確認、不明も10人いた。

高齢者数は、9月1日時点の住民票を基に、
9月15日で100歳以上となる人数をまとめた。
不明の10人は除かれ、厚労省は「自治体が住民票の削除を
進めているが、進ちょく状況が分からないので、
不明者が含まれている可能性は否定できない」

国内最高齢は、佐賀県基山町の長谷川チヨノさん、
1896(明治29)年11月20日生まれの113歳。
男性は、昨年と同じ京都府京丹後市の木村次郎右衛門さん、
1897(明治30)年4月19日生まれの113歳。

調査が始まった1963年に、100歳以上は153人、
1998年に1万人を突破、2003年に2万人、昨年に4万人を超えた。
今年は男性5869人、女性3万8580人、女性が86・8%。

岩手県の100歳以上の高齢者は524人(男性67人、女性457人)、
昨年を24人上回り過去最高。
人口10万人当たりの100歳以上の人数は、39・10人。

最高齢は、二戸市の玉川スマさんで111歳。
男性の最高齢は、花巻市の高橋吉助さんで106歳。

本年度100歳となる高齢者234人は、市町村職員らによる
本人への面会、入院・入所中の病院や施設への確認などで、
全員の所在が確認。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100915_4

血液作る細胞の司令塔 京大、再生医療に応用も

(2010年9月17日 共同通信社)

赤血球や白血球のもとになる造血幹細胞の維持や
増殖を調節する司令塔の役割を果たす細胞を、
京都大の長沢丘司教授(免疫学)らのチームが突き止め、
16日付の米科学誌イミュニティーに発表。

造血幹細胞を維持するための細胞(ニッチ)の正体は、
免疫学では長年の謎。

長沢教授は、「司令塔役の細胞を取り出して培養することができれば、
造血幹細胞を増殖するなど、再生医療や、薬の開発に
役立てられる可能性がある」

造血幹細胞が増殖するには、CXCL12と呼ばれる
タンパク質が必要で、チームは造血幹細胞が
このタンパク質を多く出す「CAR細胞」の突起部分に付着し、
未分化な状態で維持されていることに着目。

実験でマウスのCAR細胞を取り除くと、
造血幹細胞の分化が進み、2日間で造血幹細胞が約半分まで減少。
赤血球やリンパ球も大きく減ったため、
この細胞が造血幹細胞の増殖や免疫細胞を作る
司令塔となっている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/17/125734/

政府・IT戦略本部/「どこでもMY病院」実現へ作業班

(2010年9月17日 Japan Medicine(じほう))

政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部
(IT戦略本部)は、「新成長戦略」に盛り込まれた
「どこでもMY病院」構想などの実現に向け、
「医療情報化に関するタスクフォース」
(主査=小倉真治・岐阜大大学院教授)を設置。

具体事例のヒアリングや省庁での検討状況などについて
聞き取りを行い、来年2月には方向性を取りまとめる。

◆新成長戦略の具体化検討 識者7人で構成

IT戦略本部は、「新たな情報通信技術戦略」で、
「地域の絆の再生」として、過去の診療情報に基づいた医療を
全国で受けられる「どこでもMY病院」構想などの
医療の情報化策を明記。

これらは、新成長戦略にも盛り込まれた。
タスクフォースは、学識経験者ら7人で構成し、新成長戦略に
盛り込まれた医療情報化策について、調査・検討を行う。
検討結果は、各省庁の副大臣級で組織する企画委員会に報告。

主に議論、調査を行うのは、
・「どこでもMY病院」(自己医療・健康情報活用サービス)構想の実現、
・シームレスな地域連携医療の実現、
・レセプト情報などの活用による医療の効率化、
・医療情報データベースの活用による医薬品等安全対策の推進、
の4項目。

「どこでもMY病院」構想の具体的な検討課題には、
<1>医療・健康情報の帰属と取り扱い、
<2>自己医療・健康情報活用サービスの運営主体、
<3>医療・健康情報の電子化方策、
<4>医療機関から個人への電子情報の提供形態、
<5>情報に応じた適切なセキュリティーレベル。

新成長戦略では、「2010年度中に結論を得る」とし、議論を急ぐ。

◆地域医療支援病院を中心に IT連携も

「シームレスな地域連携医療の実現」は、
情報通信技術を活用した地域連携クリティカルパスの策定や、
医療施設から介護施設までのデータ共用を可能にする体制を
各地に構築することが目的。

地域医療支援病院を中心に、ITを活用した連携体制を組む。
対象疾病は、生活習慣病などを想定。

検討項目として、
<1>2次医療圏を基本とした地域連携ネットワークで
取り組む対象疾病、
<2>在宅での医療と介護の共有すべき情報、
<3>2次医療圏を超えた地域連携ネットワーク、
<4>遠隔医療の推進に関する進捗状況、
<5>死亡時画像診断(Ai)の推進に関する進捗状況。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/17/125795/

2010年9月27日月曜日

スポーツクラブが盛岡で始動 小学生の体力向上図る

(岩手日報 9月12日)

盛岡市内の小学3、4年生を対象にした
「もりおかこどもスポーツクラブ」(市教委主催)は、
厨川小体育館でスタート。

子どもたちの体力低下に歯止めをかける取り組みとして、
本年度から初めて開催。
同市体育協会の指導員や各種目の専門家を講師に、
さまざまなスポーツを通じて発達過程にある児童の体力や
運動能力の向上を図る。

児童34人が参加。
初回は、市体育協会の豊沢博幸指導員を講師に、
動きの速さや正しい体の使い方を身に付けるトレーニングに取り組んだ。

児童は、後ろを向きながらのスキップやあおむけの状態で、
手足を使って移動する「四つ足歩き」など、ユニークな運動に挑戦。
悪戦苦闘しながらも、約1時間のメニューを元気いっぱいにこなした。

北厨川小4年の高橋凱城さんは、
「普段使っていないところを動かしている感じがする。
他の種目をやるのも楽しみ」と、笑顔で汗をぬぐった。

もりおかこどもスポーツクラブは、市が進める
「市次世代体力・運動能力向上プロジェクト」事業の一環。

市内の運動施設などを会場に週1回、来年2月まで全20回の内容で、
ハンドボールやスケート、ボルダリングなど、
5種目のスポーツやトレーニングに取り組む。

市教委では、当初20人前後の参加を想定、
市内の小学校に募集したところ、214人から応募。
抽選で約70人を選出し、2コースに分けて実施。

市教委事務局スポーツ振興課の佐藤大治課長は、
「いろいろなスポーツを経験し、楽しみながら体力向上に努めてほしい。
本年度の成果を検証し、来年度以降の事業拡大や
内容の充実などを検討したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100912_12

学習院の夏合宿(3)自転車 支え励まし230キロ

(読売 9月22日)

抜けるように青い空と白い雲の下、
草原を自転車で軽やかに駆け抜ける。
市街地に入ると、自転車の中国人から「ニイハオ」と声がかかり、
手を振ってあいさつを返す。

中国・内モンゴル自治区で行われた合宿
「学習院グリーン元気プロジェクト」。
後半は、同自治区のフフホト市周辺を6日間かけて、
自転車とバスで1周した。

植林ボランティアに汗を流した通遼市から、飛行機で約1時間。
経済発展が著しい大都市・フフホトは、高層ビルの建設ラッシュ。
市街地を離れると、景色は一変。
山、畑、土色の家、荒涼たる茶色の大地、風車、緑の草原……。
田舎の光景が広がる中、体力に応じてグループに分かれた
学生たちは、周辺の計231・5kmを自転車で走破。

サイクリングは、1日数時間。
30分ほど走って、休憩をとる。
平らな道や緩やかな下り坂は、羊や馬を眺めながらの
爽快な運転だったが、大変だったのが急な上り坂。
「かなりつらい時もあったが、必死に頑張っている仲間に
離されまいと坂を上った」、大学4年田中すみれさん(22)。
大学2年小峰千弘さん(20)は、
「初めはばらばらだったが、だんだん声をかけあい、
励まし合うようになった」

サイクリングの途中、トイレがなく、野天で用を足したりすることも。
夜は、風呂がないゲルにも宿泊するなど、
日本とは全く異なる衛生状態を体験。
「便器は、汚物に埋もれ、水も流れない。においもひどい。
見たこともない汚さに、衝撃を受けた」、
大学3年の宍戸彩奈さん(21)。

大学2年小沢裕樹さん(19)は帰国後、環境問題に関する
検定の勉強を始めた。
「環境の重要さ、特に水の大切さを痛感した。
帰国後、もったいなくて朝のシャワーを浴びていない」

学生の成長に、手応えを感じた学習院は、
植林ボランティアとサイクリングを組み合わせたこの夏合宿を、
来年度から正式な授業に切り替える予定。
環境問題に関する事前授業も実施し、
よりじっくりと取り組んでもらう。

合宿の発案者で毎回、引率役を務める上田隆穂経済学部長(56)は、
快適な日本の生活から、思ってもみなかった世界に放り込まれ、
過酷な作業、不便な生活、考え方の違いを知ることで、
支え合いを学び、たくましい若者に育っていく。
こうした効果が、夏合宿には期待できる」

◆ゲル

モンゴル高原の遊牧民が住む移動式住居。
直径数メートルの円形で、放射状の屋根がある。
中国語では、パオと呼ぶ。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100922-OYT8T00219.htm

京都大学 品川セミナー 「免疫の不思議-なぜ免疫の病気は先進国で増えているのだろう-」

(2010年9月16日 読売新聞)

◆再生医科学研究所 坂口志文所長

再生医療は、壊れた臓器を再生し、治療につなげることだが、
免疫が自分の体を攻撃する病気では、
何をターゲットにするかが重要。

1型糖尿病は、インスリンを作る膵臓の細胞がリンパ球によって破壊。
膵臓細胞を再生しても、すぐそばからリンパ球が壊すわけだから、
ターゲットにすべきは膵臓ではなく、リンパ球。
関節リウマチも同じで、変形した骨や軟骨をいくら再生しても、
根本的な治療にはならない。

リンパ球とは、体内を網の目に走るリンパ管や血液中を流れる
免疫細胞で、二つに大別。
一つは胸腺で作られるT細胞、もう一つは骨髄で作られるB細胞。

病原体から体を守ってくれるが、自分の体を壊す自己免疫病を
起こしたり、花粉に反応して炎症を起こす花粉アレルギーの原因に。
人の腸には、腸内細菌がたくさんいて通常は共存するが、
免疫が細菌に反応して腸炎を起こし、毎日下痢になる病気も。

自己免疫病には、糖尿病や関節リウマチのほか、
脳神経が壊れる多発性硬化症や、甲状腺が侵される甲状腺炎と
バセドー病など、いろんな病気がある。

重要なのは、人口の約5%が何らかの自己免疫病に
かかっているほど、頻度が高い。

モナリザの指をよく見ると、関節リウマチのように関節が腫れている。
ルノワールは、関節リウマチがひどく、指が変形し、
筆が握れないため、包帯で指に巻き付けて描いていた。
こういう病気は、決してまれではない。

◆自己免疫病のカギ握る「制御性T細胞」

免疫は、なぜ自分の体に反応せず、どういう状況で自分と反応して
病気になるのか?

現在の免疫学には、三つの考え方が。
一つは、自分に反応するリンパ球が出てきても、すぐに壊されて排除。
二つ目は、自分を認識するリンパ球はいるが、反応しないように不活化。
三つ目は、誰の体にも自分に反応するリンパ球がいるが、
悪いことをしないよう、別のリンパ球が抑えているという考え方。

最近は、三つ目の考え方が注目。
ある時は、自分に反応して悪いことをするかも知れないが、
自分の体から生じた"自分もどき"のがんをやっつけるなら、
そういうリンパ球もいた方がいい。
あまりに悪いことをするなら抑えるが、体にいい行いをすれば
抑えるのを緩める、というバランスをうまく保っている。

三つ目の説を証明するため、自分に反応して病気を起こす
リンパ球を抑え込む「制御性T細胞」を取り除くと、
自己免疫病が起きるはずだと考え、マウス実験を始めた。

すると、甲状腺炎や胃炎、1型糖尿病、炎症性腸疾患、
関節リウマチといった病気が実際に起きる。
制御性T細胞を補えば、いろんな自己免疫病を抑えられる。

病気の原因を考える際、制御性T細胞と、自分の体を攻撃する
「自己反応性T細胞」のバランスが重要。

健康な人も自己免疫病を起こすリンパ球を持っているが、
うまくコントロール。
遺伝的、環境的な影響でバランスが崩れると、自己免疫病が起きる。
バランスを是正すれば、自己免疫病の治療や予防が可能。

制御性T細胞の重要性を示す証拠になったのは、
自己免疫病、アレルギー、炎症性腸疾患がすべて現れる
「IPEX症候群」という希少疾患。
「Foxp3」という、たった一つの遺伝子異常で起きる。

この遺伝子は、制御性T細胞で特異的に働き、
変異が制御性T細胞の機能異常を引き起こす。
マウスのリンパ球に、この遺伝子を組み込むと、
制御性T細胞に変えられ、遺伝子治療への応用も可能。

◆先進国で増える自己免疫病

先進国では、感染症が減少する一方、
自己免疫病やアレルギーの増加がみられる。

フランス免疫学者による02年の報告で、はしか、おたふく風邪、
結核、A型肝炎といった感染症は減っているが、
自己免疫病の1型糖尿病や多発性硬化症のほか、
ぜんそく、アレルギーも増えている。
特に、スウェーデンやノルウェーは傾向がはっきり。

日本でも、最近は花粉症になる子どもが多いが、
私が子どもの頃、花粉症の同級生はいなかった。

こうした逆相関は何を意味するのか?
衛生的な先進国で、免疫病が起きやすくなる現象は、
「衛生仮説」と言われる。

筋肉を使わなければ細くなるのと同じで、
制御性T細胞の力だって弱まってくるのだろう。

ひと昔の子どもたちは、しょっちゅう風邪をひいて青っ鼻を垂れ、
小学校前までにほとんどの感染症にかかっていたが、
こういう状況はある意味では重要なことかも。
今は、ちょっと風邪をひくとすぐに抗生物質を飲むが、
これが本当にいいのかどうかは難しい問題。

我々の体は、石器時代の環境に合うようにできているのでは?
今や衛生的な環境になったが、体そのものは石器時代から
そんなに変わったわけではない。

◆がんと免疫

自分の体から生じたがん細胞に反応するリンパ球の半数は、
異常な細胞ではなく、正常な細胞を認識して攻撃。

がんに対する免疫反応は、自己免疫反応の一部だ、
という考え方が成り立つ。

制御性T細胞は、自己免疫病が起きないようにするが、
同時にがんに対する免疫も抑えている。

マウスに、がんを植え付ける実験で、
正常マウスでは、がんがどんどん大きくなって死んでしまったが、
制御性T細胞を除いたマウスでは、がんが小さくなった。

制御性T細胞は通常、リンパ節に約10%含まれ、
がんの中には多数存在。
がん攻撃するリンパ球以上に、抑えるリンパ球が集まり、
うまくがんを攻撃できない。
制御性T細胞を壊す抗体を投与すると、攻撃するリンパ球が増えた。

自己免疫病の理解は、自分もどきのがんに対する治療につながる。
がん細胞は自分もどきなので、正常な自分の組織も
若干壊れる強い免疫反応がないと、免疫だけでがんを治すのは無理。
「肉を切らせて骨を断つ」ということ。

◆臓器移植と免疫

臓器移植も、免疫と深いかかわり。
自分でない臓器を入れるため、免疫が排除する拒絶反応が問題。

白いマウスに、黒いマウスの皮膚を移植すると、1か月以内にすべて拒絶。
白いマウスの制御性T細胞を投与すると、ほとんどのマウスに
拒絶反応が起きなくなった。
他者の臓器を排除しようとする、免疫細胞の働きを抑えた。

免疫抑制剤を使わなくても、制御性T細胞を増やせば、
臓器が拒絶されなくなる。

人でも、免疫抑制剤を使わずに臓器移植がうまくいった症例も。
今の医療では、免疫抑制剤を使うのが標準だが、副作用がある。
免疫をすべて抑えるため、感染症が起きたり、長期間使っていると、
がんが生じたりする。

今後は、制御性T細胞を増やすことで、免疫抑制剤を使わなくても、
拒絶反応を起こさない移植が可能になると期待。

◆Q&A

Q:制御性T細胞は、自己と非自己をどうやって認識するのか?

A:まさに今、世界中で競い合いながら、その機構を解明しようとしている。
約20の仮説が提唱、ここ2、3年のうちに解決する。

Q:制御性T細胞を増やしたり減らしたりする方法は?

A:決定的な方法はないが、次世代の免疫抑制剤と言われ
製薬会社などが開発を進めている。

Q:自己免疫病と先天的な因子との関連はどれほどか?

A:がんも自己免疫病も、遺伝的因子と環境因子のどちらも重要。
どんな人でも、数多くの病の原因を持っているが、
それらを表に出さないようにできるはず。

◆さかぐち・しもん

1976年京都大医学部卒。米ジョンズ・ホプキンス大客員研究員、
米スクリプス研究所助教授などを経て、
99年京大再生医科学研究所教授、2007年から同研究所長。
同年から大阪大招請教授も務める。専門は免疫学。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/16/125710/

2010年9月26日日曜日

プロレスで古里元気に 一関・厳美出身の佐々木さん

(岩手日報 9月10日)

一関市出身のプロレスラー佐々木貴さん(35)は、
昨年秋に自ら旗揚げした「プロレスリングFREEDOMS」の
一関大会を初開催。

08年、岩手・宮城内陸地震を機に、古里への思いを一層強くし、
「多くの人を一関に呼び盛り上げたい」と意気込む。
レスラーの道に大反対した母光枝さん(61)も、
今は心強い応援団となり、当日はおにぎりを握り駆け付ける。

一関大会は、市総合体育館ユードームで開かれる。
奥州市前沢区出身の石川修司さん(34)や
ザ・グレート・サスケさんも登場。

佐々木さんは、昨年まで所属していた団体が活動休止し、
フリーダムスを設立。
同団体の東北での興行は、今回が初めて。

大学在学中に、総合格闘技とプロレスを始めた。
レスラーとしてプロデビューし、14年目。
小さなころからの夢だったが、父一男さん(64)と母光枝さんは、
「大学に入ったのだから、会社員や公務員になってほしかった。
大反対だった」と振り返る。

一関での興行は、岩手・宮城内陸地震がきっかけ。
実家周辺の被害も大きく、頻繁に帰郷し、倒れた墓石を直した。
避難所にも顔を出し、苦境に耐える友人知人の様子を
目の当たりにした。

本寺小で児童会長、本寺中、一関二高時代に生徒会長も務め、
責任感が強い佐々木さん。
「古里のために、何かできないか?」
自問自答を繰り返し、「プロレスしかない」と決めた。
地震の年の12月、同市内でチャリティープロレスを開催。

今回の一関大会は、佐々木さんにとって3度目の地元マット。
光枝さんは、過去2度とも選手やスタッフにおにぎりを握った。
「反対していたのに、おかしいよね。
今度は、60個は握ろう」とほほ笑む。

午後2時半開場、試合開始は同3時で6試合予定。
問い合わせは、一関PRセンター(0191・25・4920)、
FREEDOMS(03・3353・5985)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100910_4

学習院の夏合宿(2)内モンゴルの現実に驚く

(読売 9月18日)

「かわいい~」、「まじっすか」という言葉が飛びかい、
メールアドレスを交換し、一緒に記念写真を撮る。
腕相撲で力比べをし、「きっとまた会おうね」と抱き合う。

中国・内モンゴル自治区で行われた合宿
「学習院グリーン元気プロジェクト」は、
現地の学生との交流も大きな目的。

フフホト市では、フフホト民族学院の学生が民族衣装で
歓迎してくれたが、特に親交を深めたのは、
植林ボランティアなどで5日間行動を共にした、
通遼市の内蒙古民族大学で、日本語を専攻する学生15人。

大学3年大須賀友里さん(21)は、
「暑い中、植林作業でバケツリレーや苗運びを一緒にやって
汗を流し、仲間意識が芽生えた。
言葉はあまり通じなくても、協力して何かをなし遂げることで、
人と人はつながれる」

民族大学2年の王暁玲さん(19)も、
「一緒に作業をしてみて、日本人は確かにまじめと感心した。
作業はつらくても、みんな同じだったので楽しかった」

双方の学生たちは、植林だけでなく、食事も同じ場所で食べ、
折り紙やおみやげを交換した。
毎夜のように、交流会や町歩きを一緒に楽しむうち、
お互いの暮らしぶりや夢も語り合うようになった。

「日本のアニメ『ナルト』が好き。
日本の文化、いろんなことを知りたい」と、
民族大学2年の王暁慧さん(20)。
同3年孔勝濤さんは、「中国も日本も、今の若者はインターネットで
ゲームに夢中。就職が難しい、少子化などの状況は、あまり変わらない」

「センベーノ(こんにちは)」、「バイルラー(ありがとう)」など、
せっかく覚えた片言のモンゴル語が、あまり通じない現実に驚く場面も。
内モンゴル自治区では、戦後に増えた漢民族が大半を占め、
モンゴル民族は少数派。
今回参加した民族大学の学生も、モンゴル族は2人。
現地で初めて知った、自治区の現実。

プロジェクトリーダーを務めた大学4年林英明さん(22)は、
帰国後、内蒙古民族大学の学生と連絡をとるとともに、
中国語の勉強を始めた。
林さんは、「内モンゴルの学生が日本語を学び、
日本の文化を知りたいと積極的に話しかけてくれたことも、
交流が深くなった要因の一つ」と分析、
「体力的にも精神的にも、私たちよりたくましい彼らのことを
もっと知りたい」

同世代で共通する部分、違う部分を知る驚きが、
国を超えた理解につながっていく。

◆内モンゴル自治区

中国の北部に位置する自治区。1947年成立。
現在、漢族が大半を占め、ほかにモンゴル族、満州族らが住む。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100918-OYT8T00248.htm

がん死滅させる免疫細胞 臍帯血から、治療法開発に

(2010年9月16日 共同通信社)

トのへその緒にある臍帯血をもとに作製した免疫細胞が、
がん細胞の中に入り込んで内部から細胞を死滅させたと、
林原生物化学研究所(岡山市)が発表。

こうした現象が確認されたのは、世界で初めて。
新たながん治療法の開発が期待。

この免疫細胞は2006年、同研究所が発見し、
「HOZOT(ホゾティ)」と名付けた。

研究で、ヒトのがん細胞とHOZOTをまぜたところ、
HOZOTががん細胞に近づき、侵入。
その後、約2~4時間で徐々にHOZOTが死滅し始め、
同時にがん細胞の生存率も低下。

死滅したHOZOTから、細胞を死に至らせる物質が漏れ、
がん細胞の構造を壊すのが原因とみられる。
正常な細胞には侵入しなかった。

同研究所の竹内誠人主任研究員は、
「がん患者の血液で、HOZOTと同様の働きを持つ細胞を作りだし、
治療につなげたい」
5~6年後をめどに、臨床研究を始めたい。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/9/16/125669/