2009年7月2日木曜日

高校生のための海洋生物科学シンポジウム開催 北里大と東大が連携

(東海新報 6月28日)

「海の未来をひらく」をテーマにした高校生のための
海洋生物科学シンポジウムが、大船渡市で開催。
海洋生物の生態や環境問題、食糧・創薬資源としての重要性など、
専門に研究している4人の学者が講演。
地元の生徒たちは、海の魅力と海洋生物の不思議に興味津々。
無限の可能性に思いをはせていた。

シンポジウムは、北里大学海洋生命科学部(緒方武比古学部長)と
東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センター(道田豊センター長)主催。
さんりく基金の共催、県、大船渡市、三陸鉄道、東海新報社などが後援。

これからの日本を担う高校生たちに、
海とそこに生きる多種多様な生物に深い関心を持ってもらおうと、
一昨年の釜石市、昨年の奥州市に次いで3回目の開催。
会場には大船渡高校の1、2年生、一般市民ら合わせて450人が参加。

今回のテーマは、「海の未来をひらく~環境修復から創薬まで~」
東大海洋研究所の津田敦准教授、北里大海洋生命科学部の
神保充准教授、北里大海洋バイオテクノロジー釜石研究所の
笠井宏朗部長補佐、北里大海洋生命科学部の難波信由准教授
の4人が、最先端の研究内容を紹介。

津田氏は、「動物プランクトンの行動を観察する」と題し、
エビやカニの仲間のプランクトンであるカイアシ類の生態や
交尾行動など興味深い話題を提供。
「観察する眼を持っていれば、つまらないことからいろいろなモノが見えてくる。
それが科学の面白さ」

「サンゴ共生のしくみと環境の影響」について講演した神保氏は、
サンゴ礁保全の問題解決の糸口として、
サンゴの持つレクチンというタンパク質に注目。
「レクチンの働きを解明することが、白化対策の一助になるかも」と提起。

笠井氏は、「海洋微生物を利用したバイオテクノロジー」、
医療健康分野や食糧分野、健康食品の開発、
微生物を使った環境浄化への取り組みなどを紹介。
「生物が持つ力を、人々の役に立てる技術にすることがバイオテクノロジー、
創薬の研究開発にもつなげたい」

難波氏は、「海藻・広がる海の未来」と題して講演。
「海藻は、海の森(藻場)をつくって二酸化炭素を削減、
バイオエタノールの原料としても注目。
海藻からわれわれの未来が見えてくる」、
食糧資源としての重要性と地球環境の修復に果たしうる役割を力説。

新沼佳乃子さん(大高2年)は、「プランクトンが、自分の意思で
動いていることに驚いた。生き物の姿や生態も興味深かった」
中村崇嗣くん(同)は、「サンゴの白化とレクチンの話が面白かった。
海に近いところに住んでいるのに、知らないことが多いので
もっと深く理解したい」と熱心に聴講。

会場の高校生からは、講師に質問も寄せられ、
関心の高さをうかがわせた。
緒方学部長は、「これからも、2つの大学と研究所が連携しながら、
さまざまな機会に、海の大切さ、不思議さ、面白さを情報発信したい」

http://www.tohkaishimpo.com/

夏のむくみは冬の冷えの予兆?70人の女子短大生を対象に調査

(日経ヘルス 6月25日)

夏に体がむくむと、冬、冷え性になりやすい――。
第60回日本東洋医学会学術総会(6月19~21日)で、
市立砺波総合病院東洋医学科医長の古谷陽一医師らのグループは、
冷えの前兆として現れる身体症状についての研究結果を発表。

この研究は、どんな身体症状が冷えに先行して現れるのかを調べた。
主な身体症状は、「腹が張る」、「腹がゴロゴロ鳴る」、「体がむくむ」、
「げっぷがでやすい」など50項目。
夏の「体がむくむ」症状と冬の冷えには関連があり、
冬に冷えの症状が現れた被験者は、夏に「体がむくむ」症状が出て、
秋以降もむくみの症状が継続。

夏に「体がむくむ」ことが、冬以降の冷えを予測する診断材料になり、
冷え性を発症するリスクファクターとなる可能性がある。

研究対象は、短期大学の女子学生77人(平均年齢20歳)。
夏(7月)と冬(11月)に1回ずつ、50項目の自覚症状
(寺澤 捷年:『症例から学ぶ和漢診療学 第2版』、医学書院)について
調査を行った。
夏と冬に、5日間ずつ「体が冷えている」度合いを11段階で毎日答え、
その平均値を「冷えの強さ」として記録。
5以上を冷え性と判定し、すでに夏に冷え性だった3人を分析から除いた。
記録不備で4人を除外。

その結果、70人中17人が冬に「冷え性」と判定され、
夏に「体がむくむ」症状が、冬の冷えと最も関連が深かった。
古谷医師は、「夏に体がむくむと、必ず冷え性になるわけではないが、
冷え性になりやすいといえる」

冬に冷えが現れた群と、そうでなかった群を比べると、
冷え性群は、身長と体重の値が低く、BMI(体格指数)には差がなかった。
古谷医師は、「『体がむくむ』のほか、『低身長』も、
冷え性のリスクファクターになる可能性がある」

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20090625/103553/

2009年7月1日水曜日

星空に学ぶ(4)若田さんと交信 大興奮

(読売 6月13日)

宇宙で生活する宇宙飛行士と交信する試みが、
子どもたちの好奇心に火をつける。

「皆さん、こんにちはー」。
沖縄県うるま市の石川会館ホールに、国際宇宙ステーションで
生活する宇宙飛行士の若田光一さん(45)の声が響いた。
前方スクリーンには、ふわりと浮く若田さんの姿。
無重力の宇宙を目の当たりにした800人の親子連れから、
一斉に歓声がわいた。

待ちに待った若田さんとの交信イベント。
数百人の希望者から、「直接交信の切符」を手にした
5人の小中学生が登壇。
衛星通信でステーションにつながったマイクを通じて、
若田さんに話しかけた。

「宇宙に行って、これまでの考え方が変わりましたか」
――美しい地球を守ろうとの思いを新たにしました。

「宇宙飛行士になるには、勉強した方が良いですか」
――一生懸命勉強して一生懸命遊ぶことが大切だよ。

丁寧に答える若田さんは、ステーションから家族に電話ができること、
シャワーや風呂はないことなどを紹介。
そのたび、子どもたちから驚きの声が漏れた。

「たのしい宇宙授業」と題して、交信イベントを企画、
実施したのは県内15人の小中学校教師たちで作る有志組織
「沖縄宇宙プロジェクト(WAO)」。
日本の宇宙機関である宇宙航空研究開発機構が、
教育目的でステーションとの交信機会を提供。
WAOは、4年前の発足時からいち早く応募。

交信はわずか15分間だが、子どもたちは強い刺激を受けた。
舞台で質問をした読谷村の小学5年、下里楓さん(10)は、
「たくさん聞きたいことがあったけど…もっと宇宙のことを知りたい」
と興奮冷めやらない様子。
母親の直美さん(40)は、「これをきっかけに、
もっと頑張って勉強してくれれば」と期待。

WAO代表のうるま市立伊波小理科教諭の喜友名一さん(48)は、
「宇宙の楽しさだけでなく、科学そのものを好きになってくれたと思う」

「たのしい宇宙授業」は10回目。
県内各地で、趣向を凝らした授業を開いてきた。
サッカーボールやピンポン球を太陽や地球、月にたとえて、
天体の大きさや天体間の距離感を実感してもらう授業。
ロケットが飛ぶ仕組みを、ストローを使った吹き矢実験で解説する授業。
ほかにも多彩なプログラムを実践。

WAOのメンバーの那覇市立泊小理科教諭、槙田正法さん(48)は、
「謎に包まれた宇宙や天文は、好奇心を刺激し、
もっと知りたいと思わせる最適の手段であることがわかった」

忙しい教師たちが、勤務時間後の夜や休日に、企画の準備に取り組む。
「宇宙が好きだし、教師同士の出会いもあるから」と口をそろえる。

子どもたちがさらに元気に賢くなってほしいという願いを込めた活動は、
大人たちも元気にしている。

◆国際宇宙ステーション

地上400キロ・メートルの宇宙空間で、日米露など15か国で
建設が進められている有人施設。2010年に完成予定。
完成すると、縦72メートル、横108メートルのサッカー場ほどの広さ。
現在、若田光一さんら日米露など6人の飛行士が滞在、
無重力を利用した生物実験や材料開発を進めている。
若田さんは6月中に、約3か月間の滞在を終えて地球に帰る予定。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090613-OYT8T00271.htm

三菱航空機の江川社長「MRJ、早期の海外受注獲得に手応え」

(日経 2009-06-18)

三菱航空機(名古屋市)の江川豪雄社長は、パリ航空ショーの会場で、
「欧米や東南アジアなどの顧客から手応えはある」、
同社が開発する国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」の
海外受注を早期に獲得できるとの見通し。

同社の商談ブースには、昨年の2倍近い顧客が訪れ、
燃費性能などを武器に、営業活動を活発化する考え。

MRJの受注は、今のところ全日本空輸からの25機のみ。
三菱航空機は、小型ジェット機の市場規模を今後20年間で5千機とみており、
1千機はMRJが獲得したい。

初日に、同社ブースを訪れた顧客は50組を超えるなど、
昨年の2倍近いペース増。
旅客機メーカーとしての三菱航空機の認知度が向上し、
「(従来機より2~3割は高い)燃費性能や座席スペースなど
ライバル社よりも大きく上回っている。
顧客もそれを理解し、興味を持ち、(MRJを発注しようと)熱意を感じる」

世界的な景気後退の影響について、
「旅客機数を減らす航空会社があるうえ、金融市場の不安から
資金調達が難しくなっている」と一定の打撃はある。
小型ジェット機は市場が伸びているうえ、将来的な需要も大きい。
「無理に安売りする気はない」との姿勢を維持。

現在の計画では2011年に初飛行、13年に1号機納入となるが、
「エンジニアを増やすなど、機体開発は順調に進んでいる」
修理やメンテナンスなどのアフターサービスは、
「(スウェーデンの航空機メーカーである)サーブなどと提携を交渉中」
MRJのスペックの詳細が決まる秋以降、正式に契約する計画。

「あくまで、三菱航空機が責任を持ってやる。
エンジニアの教育トレーニングや一部サービスを委託することもあるが、
中心は三菱航空機」、
アフターサービスを他社任せにせず、
高品質の自社サービス網を世界に構築する考え。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/_mono/_mo090617.html

岩手大教授に尾瀬賞 東北初、湿原保全の研究評価

(岩手日報 6月17日)

岩手大人文社会科学部の竹原明秀教授(50)は、
湿原に関する優れた学術研究を顕彰する第12回尾瀬賞
(財団法人尾瀬保護財団主催)を受賞。
東北では初めて。

竹原教授の研究内容は、「東北地方の湿原に発達する
植物群落の構造とその保全に関する研究」。
東北地方の18カ所の湿原を、25年間にわたり地道に調査研究、
その成果が各自治体の保護管理計画にも反映されていることが高く評価。

竹原教授は、植生科学や環境動態解析、環境保全学などが専門。
森林や湿原などに見られる植物や植物群落を、
生育環境や人間活動との関係を中心に研究、
さまざま地域で野外調査を進めている。

授賞式では、同財団の大沢正明理事長(群馬県知事)が
表彰状と賞金100万円の目録を手渡した。

竹原教授は、「機械ではなく、足を使った基礎研究に光が当たり、
とても感謝している。今後も研究に力を注ぎ、若い人材も育てていきたい」

同賞は、植生破壊などが懸念されている湿原の保護を進めるため、
1997年度に創設。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090617_4

安値案件にひた走る人材派遣の事情

(日経 2009-06-10)

4月の有効求人倍率(季節調整値)0.46倍。
求職者2人につき、仕事が1つしかない雇用環境のもと、
人材派遣市場も需要が急減。
派遣先企業から受け取る料金と派遣スタッフに支払う時給との差額、
「粗利」の拡大を追求するだけでは、事態打開は望めない。

派遣各社は、低料金の新規案件の獲得と、有力な派遣先からの
受注件数拡大に向けて動きを加速。

今年3月末、派遣契約の終了が相次いだ。
新年度スタートの需要がなく、仕事に就けない派遣スタッフが多数発生。
5月の大型連休明けの需要復活に期待したが、市場は凍り付いたまま。
パソナ、テンプスタッフ、リクルートスタッフィングなど、
大手派遣会社の受注は前年同期の5~6割減。

大手派遣会社が、事態打開のために乗り出したのが、
「従来は手を出さなかった安い仕事でもとる」営業。
派遣案件数の確保を優先する必要がある、との判断。

人材派遣の募集時時給は昨秋以降、急落。
3大都市圏の4月の平均時給は、前年同月比4.7%安の1459円。
10カ月連続で、前年同月を下回る。
事務系派遣は値下がりが目立ち、1412円と同5.8%下がった。

派遣会社は、安い時給の仕事を受注し、求人情報サイトに掲載。
好条件の仕事は掲載しなくても埋まるため、
募集時時給の下落に拍車をかける構図。

3月末でも契約が終了せず、更改された案件は、
「ほぼ横ばいを維持」(スタッフサービス)。
派遣先企業からも、経費削減を振りかざした
「強い値下げ要請は出なかった」(パソナ)。

その代わり、顧客企業による取引先派遣会社の集約。
これまでも顧客が派遣の発注窓口を、現場から購買担当に一本化、
変更した際、コスト削減に派遣会社数を減らす動きはあった。
今回、大手派遣会社が総合力を生かし、適正な人員配置なども含め
提案するなど、積極的に動いている点が異なる。

全国展開する企業が取引する派遣会社は、50~100社。
3社程度に絞り込むことが多く、
「2%程度のボリュームディスカウントが効く」(大手派遣会社)。

派遣市場では、新規受注の減少にブレーキがかかったが、
派遣の需要が反発するにはまだ時間がかかりそう。
華やかな宣伝広告で注目を集めた派遣業界に、
再び追い風が吹く日までは地歩固めの日々となりそう。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/shikyou/shi090608.html

熱中症危険度5段階で 携帯式の計測器開発

(2009年6月22日 共同通信社)

梅雨が明ければ、熱中症が猛威を振るう夏本番。
日本気象協会は、熱中症の危険度を5段階で知らせる
携帯式の「熱中症計」を開発。

気温と湿度を自動計測し、熱中症発症の可能性を示す指標値を算出。
「ほぼ安全」、「注意」、「警戒」、「厳重警戒」、「危険」の5ランクで、
ランプを点灯させて知らせる。

「危険」は、外出を避けるのが望ましいレベルで、
「厳重警戒」以上になるとブザーも鳴る。

大きさは縦6・5センチ、横4・5センチ、厚さ1・5センチ、重さ20グラムで、
子どもの手のひらにも乗るサイズ。
画面には、気温と湿度も表示。
1個1050円、協会の支社や支店で販売するほか、
ホームページでも注文を受け付け。

担当者は、「毎年多くの人が熱中症で病院に運ばれたり、
亡くなったりしており、対策は待ったなし。
気軽に持ち歩いて予防に役立ててほしい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/22/102588/

2009年6月30日火曜日

星空に学ぶ(3)学会発表、プロから刺激

(読売 6月11日)

高校生に学会発表の機会を与え、学習意欲を引き出す。

地球惑星科学分野では、国内最大級の学術組織
「日本地球惑星科学連合」の年次大会が開かれた。
約4000人の研究者が集結した会場の一画に、
約160人の高校生が研究をまとめたポスターを張り出し、
訪れた研究者を相手に発表する特別会場があった。

発表者の一人、大阪教育大学付属高校天王寺校舎の2年生、
山下真弓さん(17)の周りにも、研究者の人だかり。
「航空機事故と月齢の関係」を検証した珍しい研究が、
研究者の目にとまったようだが、次々と鋭い質問が。

「着眼点は良いが、データの統計処理はもっと工夫が必要」、
「事故数のデータに根拠があるの?」

はきはき答える山下さんだが、途中言葉に詰まる場面も。
それでも「研究者の方々が甘い部分を指摘してくれて、
ドキドキしたけどとてもためになった」と満足そうな表情。

同連合が、「高校生のポスター発表」を開催したのは
4年前の年次大会から。
同連合の担当者によると、レベルの高い専門学会で発表の場を提供し、
学習の強い動機付けにしてもらうのが狙い。

初回は22件の参加だったが年々応募が増え、
今回は48件とほぼ倍増。
研究のテーマも、太陽や流星、オーロラなどの天体観測から、
気象現象の観測、鉱物分析など多岐にわたる。
個人の研究から、大学や研究機関と共同で長期にわたって行った
「超高校級」の研究まで。

レベルの高さや幅の広さもさることながら、
山下さんを指導する岡本義雄・地学教諭(57)は、
「プロの研究者から生で意見を聞くことは、高校生の意欲を
さらに高める貴重な経験になる」と、高校側も高く評価。

日本天文学会も、2000年の大会から、
高校生のほか中学生も対象とする「ジュニアセッション」を催している。

天体観測は、中高校生でも望遠鏡さえあればできるので、
参加しやすいという特徴。
他の科学分野の学会には、なかなかできない取り組み」、
ジュニアセッション実行委員長の
吉田真・宇宙航空研究開発機構准教授(47)。
背後には、宇宙天文を「入り口」にすれば、
中高生に科学の面白さを感じてもらえるとの考え。

思惑通り、ジュニアセッションには毎回約300人もの生徒が参加、
大会でも最も大きい会場を用意。
生徒たちの自由な発想と、「楽しさ」を重視し、
発表内容の事前審査はしないことも、参加者が増える背景。

ただ、学会の本来の目的は、研究者に発表の場を提供すること。
日程を決める際、中高校生に十分に配慮できず、
試験や運動会が多い季節に開催されることも少なくない。
旅費も生徒持ちのことが多い。
関係者が調整して、研究者の卵たちを上手に育てたい。

◆日本地球惑星科学連合

太陽系や太陽系外の天体から、地球の大気・海洋・環境を研究する
国内35の関連学会が加盟。
2005年、各学会による任意団体として発足、
昨年12月に一般社団法人に衣替え。
研究者同士の研究交流の場としてだけでなく、
文部科学省の新学習指導要領や小中高の地学教育の在り方に対する
提言も積極的に行っている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090611-OYT8T00214.htm

クリニクラウン 活動広げる「病院の道化師」。子どもたちに

(2009年6月16日 毎日新聞社)

赤い鼻を付けた医師が小児病棟に入り、
笑いを振りまいて子どもたちを元気にする--。
米映画「パッチ・アダムス」(98年制作)に登場した
「病院の道化師」が日本でも活躍。

5年目を迎える日本クリニクラウン協会(本部・大阪市)の活動は、
国内14病院(08年度)に広がっている。

クリニクラウンは、病院を意味する「クリニック」と道化師を指す
「クラウン」を合わせた英語の造語。
優れた演じ手であると同時に、子どもとの接し方や児童心理、
保健衛生や病院の規則にも詳しいスペシャリスト。
日本語では「臨床道化師」と訳され、同協会は13人を認定。

闘病生活が長くなると、病室を訪れるのは白衣の医師や看護師、
親など大人ばかりで、子どもは自然に、
治療を受ける受け身の姿勢になりやすい。

クリニクラウンは、病室を定期的に訪問し、遊びなどを通して
子どもたちの成長を支えている。

同協会の塚原成幸事務局長は、「入院中、治療のための
さまざまな制限を受けている子どもたちが思い切り笑い、
主体的に遊ぶことができる環境作りが大切な役割」

大ちゃんとTOMO(トモ)さんの男女1組のクリニクラウンが、
水戸市の茨城県立こども病院を訪れた。
同協会は、2年前から月1回定期的に派遣。

病院スタッフと一人一人の病状や付き添いの親の状況などを
打ち合わせた後、長期入院している子どもたちの病棟に入った。
突然、近くの部屋の扉が開いて、「ピエロが来たー」という歓声が。
クリニクラウンは、4-5人の幼児からお尻にパンチを浴び、逃げ惑った。

病室から男の子が、窓ガラス越しにその様子を見つめていた。
恥ずかしがりやで病室から出たがらない子。
トモさんが注意深く病室に入ると、男の子は大喜び。
「外に出る」と言って病室を出ると、大ちゃんや他の子どもたちと
廊下でパレードを始めた。
祖母が、「さっきまで暗い顔をしていたのに、すごいですね」と感激。

病棟訪問後、クリニクラウンから一人一人の子どもの様子などが
病院側に報告。

病院スタッフで子どもたちの精神的負担を軽減し、発育を手助けする
専門職、チャイルド・ライフ・スペシャリストの松井基子さんは、
「お姉さんらしく振る舞っている子が、普段とは違う子どもらしい表情を
見せたり、日ごろはおとなしい子どもが自分から積極的に
行動を起こすこともある」とその効果に期待。

クリニクラウンの先進地オランダでは、国民的な理解が深い。
同国のクリニクラウン財団は、年間の寄付だけで10億円以上の予算、
約9割の小児医療施設を訪れている。

日本でも、クリニクラウンへの期待は広がっているが、
個人的寄付が集まりにくい。
自分の仕事を持ちながら活動をしているのが実態で、
継続して活動できる方法を模索している。

◇1年かけ養成、試験経て認定

クリニクラウンになるには、募集から認定まで約1年の養成期間が必要。
養成トレーニングでは、相手に恐怖感を与えないコミュニケーションや
適切な距離の取り方、即興的な動きなど病室での身体表現方法を学ぶ。

0-18歳と、幅広い年齢に即した子どもたちとのかかわり方や
子どもを取り巻く環境、保健衛生の基礎知識、残された家族のケアなど、
臨床現場に入るための講義を受ける。
病院での臨床研修を受けて経験を積み、最後に認定試験を受ける。

現在認定されている13人は、演劇やダンスなどの経験者や
医療・福祉関係者など。
問い合わせは、日本クリニクラウン協会(06・6575・5592)。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/16/102108/

免疫ブレーキ 筑波大教授らが解明 ワクチン増強応用も

(2009年6月16日 毎日新聞社)

一部の細菌などに対し、抗体を作りにくくしている
「免疫のブレーキ」と言える人体の仕組みを、
筑波大大学院人間総合科学研究科の本多伸一郎講師と
渋谷彰教授らが見つけた。

「ブレーキ」を一時的に外す薬を作れば、
ワクチン効果の増強などに応用できる。
15日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表。

細菌などが人体に入ると、体内のリンパ球が「IgG抗体」を作って攻撃。
表面を「多糖類」という物質で覆われた肺炎球菌などには、
IgG抗体ができにくく、ワクチンも効きにくい。
だが、理由は謎だった。

本多講師らは、働きがよく分からなかった別の種類の抗体
「IgM抗体」に注目。
リンパ球から、IgM抗体と結びつく受容体をなくしたマウスを、
遺伝子操作で作った。

マウスに肺炎球菌などと構造が似た化学物質を注射すると、
普通のマウスの約10倍のIgG抗体ができ、化学物質を攻撃。
12週間後に再び、同じ物質を注射すると、
IgG抗体の中でも攻撃力が強いものが、1度目の実験より約5割増。
こうした実験から、IgMが多糖類に覆われた菌などへの
IgG抗体の生産を抑えていると結論。

渋谷教授は、「IgMは、免疫が過剰に働きすぎて体を傷つけるのを
防いでいるのではないか。
ワクチン注射の際だけ、IgMの働きを止める薬を作れば
効果の増強につながるだろう」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/16/102095/

教職員「心の病」深刻 県内08年度

(岩手日報 6月19日)

県内の教職員で2008年度、精神疾患が原因で休職した人は71人
(前年度比1人増)で、過去最多。

公立学校共済組合岩手支部(支部長・法貴敬教育長)が実施した
「心の健康」アンケートでは、4人に1人が「健康でない」、
「あまり健康でない」と回答。
県教委は、「多忙化や同僚、児童・生徒、保護者らとの関係変化などが原因」
ととらえ、職場環境の改善、復帰支援など対策を強化。

病気休職の教職員は05年度が85人、精神疾患59人(県立学校21、小中38)、
06年度81人で同61人(19、42)、07年度120人で同70人(16、54)、
08年度115人で同71人(17、54)と、
全体の教職員数が年々減少している中、精神疾患は増加。

公立学校共済組合岩手支部の調査は、昨年夏に実施。
教職員1万2668人が対象で、9595人から回答。
「あまり健康でない」と答えたのは2226人、
「健康でない」は388人の計2614人(27・2%)。

原因は、業務量(48・4%)、同僚との人間関係(35・8%)、
児童・生徒や保護者、管理職との人間関係、生徒指導など。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090619_3

枯れた技術が有機ELで花開く

(日経 2009-06-16)

超薄型テレビのディスプレーとして注目を集める
有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルだが、
高価格がネックのテレビよりも、照明市場向けの需要が
一足先に開花しそうだ。

低消費電力で明るく、紫外線を出さないことが評価され、
環境対応製品への関心が高い欧州などで普及する可能性が高まってきた。
照明に最適な白色有機ELの量産競争で、大手メーカーを尻目に
先頭を走っているのが、操業開始して3年目の無名ベンチャー。
強さの秘密は、枯れた技術の徹底活用。

青森県六ケ所村に工場を構える東北デバイス
(花巻市、相馬平和社長)。
親会社の電子部品製造、エーエムエス(青森県中泊町)の
古川岩雄会長は、「働く場がなく、出稼ぎに行くしかない青森の人に
雇用の場を作るため、会社の体力があるうちに成長市場に挑み、
夢を実現したかった」

先端技術コンサルティング会社の技術指導とファンドの資金支援を受け、
白色有機EL開発部門を2005年、社外に切り出し、ベンチャーとして自立。
照明向けの白色有機ELを新規事業に選んだのは、
鮮明なカラー画像が求められ、量産が難しいテレビ用途より
性能要求のハードルが幾分低い白色の方が、
中小でも参入チャンスがあると見抜いた。

省エネ・環境対応型の照明市場で先行したLED(発光ダイオード)に対し、
白色有機ELは価格競争では負けるが、低温動作でパネル面全体が
発光する点や応答速度の早さで優位に立つ。

今後の需要拡大を期待して、パナソニック電工やNECライティング、
ロームなど大手や有機EL研究で有名な山形大学の城戸淳二教授が
指導する有機エレクトロニクス研究所(米沢市)など、
参入が相次ぐ見通し。

今後の競争激化は必至だが、実用化の目安である1万時間超の
寿命の製品を量産しているのは現在、東北デバイスだけ。
六ケ所村の工場は06年4月、世界初の量産工場として稼働。
昨年、約20億円を投じた第2号ラインも稼働、
2インチパネル換算で月100万枚量産できる。

大手に先駆けて量産を軌道に乗せることができた要因は、
「枯れた技術の水平思考」という製造哲学。
同社の赤星治副社長が、「ローテクの積み重ね」と明かすように、
先端技術と装置をはなから使う気がない。
従業員75人のうち、15人が大手半導体メーカーからの転身組で占め、
半導体工場でよく使われる膜封止、真空蒸着といった
既存の製造技術の活用にとことんこだわる。

赤星氏は、「月産100万枚の生産設備を大手が作ると、
100億円以上かかる」
投資額が大手の5分の1程度で済んだのは、
「有機ELから撤退した三洋電機関係会社から、装置を安く購入し、
旧世代の小型ガラス基板を使って、作業者が手で持ち運ぶようにして
高価な自動搬送装置の導入を最小限にとどめたり、
独自のケチケチ作戦を徹底追求した」

大手は、発光源の有機EL材料を2枚のガラス基板に挟む手法が
一般的だが、東北デバイスは膜封止を採用。
発光材料を薄膜でとじ込めるので、乾燥剤が不要になり、
従来1ミリメートルを超えていたパネルの厚さは0.3ミリメートルまで薄く、
材料コストも節約できた。

中小が大手に勝つ絶対条件のコストダウンは、妥協を許さない。
巨額の資金と人材を投じて最先端技術の開発に執着するが、
技術が先端過ぎて量産に手こずる大手の戦略に対する痛烈な皮肉。

同社は、これまで携帯電話のバックライトや照明大手のOEM
(相手先ブランドによる生産)供給など、特定顧客との取引が主体、
今年4月から一般企業からも受注することを決め、
エレクトロニクス商社4社と代理店契約。
顧客獲得競争で先手を打つ狙いだが、「安く作るノウハウの蓄積で
歩留まりは90%を達成、大手との競争に勝つ自信はある」(赤星氏)。

大手の参入といった試練はこれからだが、東北デバイスの
枯れた技術の水平思考戦略は、中小・ベンチャー企業が
モノ作りで生き残る1つのヒントに。

中国や韓国など、アジア勢の追い上げを受ける半導体、液晶、
プラズマなど先端技術分野だけでなく、自動車関連でも
日本メーカーの事業撤退や工場閉鎖が相次ぎ、日本列島至るところに
まだ十分使える製造装置がエンジニア付きであふれている。

ローテクでも、新たな使い道を探せば、おカネと時間を節約して
成長市場に参入できるのに、この好機にチャレンジする起業家が
なかなか現れない。
資金面や市場開拓に不安があって、ぐずぐずしているうちに、
アジアのベンチャーに宝の山をそっくり持ち去られてしまう。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon090605.html

2009年6月29日月曜日

太陽光をはるかにしのぐ太陽熱

(日経 2009-06-15)

家庭で利用できる再生可能エネルギーの最も身近なものは、
やはり太陽のエネルギーだろう。
家庭でガスや灯油が使われていなかった時代には、
厨房の煮炊きには薪や炭が使われ、お風呂を沸かす
(この言葉も現代では死語になったようだ、「お湯を張る」と
いった方が一般的)のも、芝や薪が使われていた。
この時代は、バイオマスという名の再生可能エネルギーが
家庭の主役だった。

毎秒、地球に降り注ぐ太陽エネルギーの総量は、
われわれが地球全体で消費する全エネルギーの18000倍と推計。
見方を変えると、われわれが1年かけて地球上で消費する
全エネルギー量を、わずか30分間で供給できる計算。
地球のすべての生命の源は、すべてこの太陽に依存している。
水力や風力も、太陽による水循環・風循環の結果だし、
石油や石炭といった化石燃料も、元をたどれば
太陽エネルギーが作り出したもの。

太陽エネルギーの利用の基本は、熱と光を利用すること。
光としての利用は、日中の明るさが第一だが、
近年、この光エネルギーを電気として取り出す太陽光発電システムが
世界中で爆発的な普及段階を迎えている。

一方、熱としての利用例は発電よりはるかに歴史が古く、
農業用水をあらかじめため池にためておき、
水温が太陽によって温められてから田畑に供給する例や、
温室としての利用などがある。
何より温水器としての利用は、住宅でも早くから普及していた技術。

太陽熱温水器は最もポピュラーな設備で、
古くから使われてきたものに、「くみ置き式」と呼ばれるもの。
1950年頃、すでに実用化され、農村部での普及は高かった。
汲み置き式は、保温性が良くなかったため、さめやすいという欠点。
自然循環式」と呼ばれ、集熱部と貯湯部に分かれ、
温められたお湯が貯湯タンクに貯められる方式が登場。

温水温度は、夏ではセ氏60~65度、冬でも同30~35度。
1980年頃、この方式が主流となり現在に至っている。

太陽エネルギーの有効活用という点から考え、
太陽光発電の転換効率に比べて、
太陽熱利用の熱利用効率の方が、実は数倍も大きい。
太陽のエネルギーの大きさは、条件の良いところでは、
1平方メートルあたり1キロワット。
年間の日照時間が約2000時間の東京では、
1平方メートルあたり年間2000キロワット。

これを太陽光発電に利用すると、発電効率は15~20%だが、
太陽熱として利用すると30~70%の効率で利用可能。
家庭での暖房・給湯用の熱利用量は、
石油換算で1世帯あたり年間740リットル、
太陽熱利用効率を50%とすると、面積8平方メートル程度の
太陽熱温水器を屋根に載せれば、太陽熱ですべてをまかなえる。
太陽エネルギーの熱利用が、もっともっと注目されても良いのでは。

◆なかがみ・ひでとし
1973年(昭48年)東大大学院工学系研究科修了、
住環境計画研究所を創設し所長。
慶大システムデザイン・マネジメント研究科教授のほか、
経済産業省の総合資源エネルギー調査会委員なども務める。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan090611.html

体内時刻、血液の代謝物質から計測 慶応大と理研、睡眠障害治療などに期待

(2009年6月16日 毎日新聞社)

血液から24時間周期で量が変化する471種の代謝物質を、
慶応大先端生命科学研究所(鶴岡市)と理化学研究所の
発生・再生科学総合研究センター(神戸市)が特定。

この代謝物質の量を測定することで、
マウスの「体内時計」の時刻が分かる。
人にも同様の仕組みがあるとみられ、体内時計の狂いが原因とされる
睡眠障害や時差ぼけなどの診断や治療につながる。

研究チームは、マウスの血液をさまざまな時刻に採取し、
約2500種の代謝物質を測定。
その中から、24時間周期で量が変わる471種を突き止めた。
その変動パターンを記録し重ね合わせることで、
代謝物質が示す時刻表を作った。

一定の時刻に血液から採取した代謝物質の量を測定し、
出来上がった時刻表と突き合わせることで、体内時刻を測定。
普通のマウスでは、体内時刻と実際の時刻との誤差は1時間以内。
電気の点灯時間を8時間早くして、時差ぼけにした
マウスの体内時刻を測定したところ、実際の時刻より8時間前の状態。

慶応大の曽我朋義教授(分析化学)は、
「体内時刻の測定が可能になることで、体内時計の狂いの修正や、
狂いから生じる病気の解決につながるのでは」
米国・科学アカデミー紀要の電子版に発表。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/16/102109/

ランコム、肌老化に関わる遺伝子を解析 加齢肌を若い肌に近づける新美容液を発売

(日経ヘルス 6月25日)

日本ロレアルのプレステージブランドであるランコムは、
肌老化に関わる遺伝子に着目した美容液「ジェニフィック」を発売。

新製品は、若い人の肌に多く存在するという、
肌ダメージの修復力が高いたんぱく質を作り出す遺伝子の働きを促し、
若々しいハリのある肌に導く。

肌には多くの遺伝子があり、その遺伝子から発するサインに従って、
たんぱく質の合成や再生などが行われる。
この遺伝子からのサインは、年を重ねるにしたがって変化する。

平均35歳と65歳の2つのグループを対象に遺伝子解析をしたところ、
対象の遺伝子4000個のうち、550個以上のサインが変化。
若年肌と加齢肌では、出るサインの種類が違う。

この差と肌の修復力の関係も見えてきた。
光による肌ダメージを受けた場合、若年肌は修復のため、
6時間後に遺伝子のサインの出現がピークを迎え、
加齢肌は30時間後にピークを迎える。
加齢肌では、再生を促す遺伝子から出るサインのタイミングが、
遅くなっている。

今回の新商品には、若い肌に多くみられる肌の遺伝子を出現させる、
セラミドと似た構造を持つ成分「フィトスフィンゴシン」と、
若い肌に多いたんぱく質の合成を促すビフィズス菌抽出エキスの
「ビオリサット」を配合。

新製品のモニターテストでは、25人の日本人女性に2カ月の間、
1日2回、商品を使用してもらったところ、
肌の老化に伴って減少する角質細胞(ケラチノサイト)の
接着力を高めるたんぱく質の発現率が26%アップ、
加齢とともに増えるたんぱく質の発現率が56%抑制。

価格は30ml、1万500円。
使うタイミングは、洗顔後、ローションをつける前。
その後に使用する化粧品の浸透や効果を促す
ブースター的な役割も期待できる。

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20090625/103554/

公園遊具:高齢者仕様に 介護予防へ「うんどう教室」、全国51カ所

(2009年6月19日 毎日新聞社)

子ども向けの遊具に代わり、高齢者の運動用に、
平均台や鉄棒などを設置する公園が増えている。
ボランティアなどを講師に迎えた運動教室も好評。
目標は、介護予防のための体力維持。
「5年後も今のまま」を合言葉に、
運動を習慣付けようという動きが広がっている。

大阪府の中央部、大阪、東大阪、八尾の3市にまたがる
府営久宝寺緑地。
高さ20センチの平均台や地面に足をつけたまま、
つかまることができる鉄棒などを設置した「健康広場」に、
毎月第2土曜日、50-80代の男女20-30人が集まる。
公園を管理する財団法人大阪府公園協会が開催している
「うんどう教室」。
同年配の指導員に従って、両手を広げながら「コ」の字形の
平均台の上を歩いたり、鉄棒にぶら下がって体をひねったり。
ゆっくりとした動きだが、約1時間の運動を終えると、
筋肉を使った実感が残る。

「うんどう教室」は、財団法人体力つくり指導協会
(03・5858・2200、http://www.tairyoku.or.jp)が93年から始めた。

田中喜代次・筑波大大学院教授(スポーツ医学)が監修した
専用の健康遊具と運動プログラムを使い、
講習を受けたボランティアの講師が指導に当たる。
高齢者の介護予防意識の高まりとともに、導入する自治体が増え、
現在22自治体51カ所の公園に広がっている。

運動は4種類。
転倒やふらつきを防止する運動や、肩こりを軽減する運動など、
高齢者が取り組みやすく、運動機能の維持につながるものを中心。
同協会の西城真人高齢者うんどう習慣化事業部長は、
「面倒がらずに習慣付けてもらえるよう、負荷が小さい運動ばかり」

種類も当初の13種類から、徐々に絞り込んだ。
名称を平仮名にしたのは、「筋力トレーニングなどの運動とは
違うイメージにしたかったから」

田中教授は、「指導員の講習では、高齢者の気持ちが
分かるかどうかも考える。
小学校と同じように、地域に常にある存在として定着してほしい」
………………………………………………………………………
◆家庭でできる運動法

「うんどう教室」のプログラムは、健康遊具のない家庭でも
継続できるよう考案。
教室参加者が使用する「健康ノート」から、
家庭でできる運動方法を紹介。
いずれも1セット3回が基本。

◇つまずかないうんどう
<1>壁や柱に向かって、足の幅一足分空けた場所に立ち、
一方の足を肩幅を目安に真後ろに引く
<2>壁や柱に手をつきひじを伸ばし、前のひざを曲げながら、
おへそを前に出すようにしていく
<3>後ろのふくらはぎが張ったところで止め、10数える。
足を踏み替えて同様に行う

◇かいだんうんどう
<1>少しひざを曲げ、太ももが硬くなる感じを確認する
<2>太ももを触り、硬さを保ったまま姿勢を正す
<3>さらにお尻の穴を締めるよう意識する。
お尻を触りながらやるとより効果的
<4>そのまま緊張を保ち10数える
<5>息を吐いて力を抜き、リラックスする

◇ふらつかないうんどう
<1>気を付けの姿勢で中指を下へ向かって力を入れて伸ばす
<2>胸を張り、背筋が緊張したことを確認したら、おなかをへこませ、
腹筋(下腹部)に力を入れる
<3>太もも・お尻にも力を入れる(かいだんうんどう参照)
<4>すべての部分の緊張を保ち、10数える
<5>息を吐いて力を抜き、リラックスする

◇全身のびのびうんどう
<1>両手を上げ片方の手で、もう一方の手の親指をつかむ
<2>ひじをしっかり伸ばして、一度真上に伸び上がるように意識し、
息をゆっくり吐きながら、親指を引くよう上体を横に曲げ、体の脇を伸ばす
<3>息を吸いながら上体を起こし、反対の親指に持ち替えて同様に行う。
2~3回繰り返す

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/19/102443/

2009年6月28日日曜日

小学館ネット・メディア・センターの小室GM「スマートフォン向けに注力」

(日経 6月16日)

若者の活字離れやインターネットの普及で、
出版の落ち込みに歯止めがかからない。
雑誌や書籍の販売収入や広告収入が減る中、
各社はデジタル事業に活路を探る。
小学館が、電子雑誌などの実験場とする「ネット・メディア・センター」
トップを務める小室登志和ゼネラルマネジャーに今後の戦略を聞いた。

——電子雑誌「SooK」などを試みてきた。現在の方向性は?

「2008年7月に就任し、小学館のコンテンツをどう生かすかという
試みを進めている。
一歩先行しているのは、携帯電話向けの電子コミック。
デジタルコンテンツで売り上げが好調なのは、
辞書などのレファレンス系。
朝日新聞社やECナビなどのネット百科事典『kotobank』にも、
コンテンツを提供」

「カシオなど電子辞書や携帯電話、iPhoneなど、
色々な端末で国語辞典や英和、和英の辞書を活用。
それらに次いで、実用系雑誌のコンテンツを活用したい。
週刊誌は、1週間で世の中から消えていってしまい、
ムックや単行本にまとめない限り、2度と手に入らない。
紙で再活用する以外に、デジタルで活用できないかと考えている」

——デジタル雑誌の収益モデルの現状は?

「まだ小学館はやっていないが、講談社は雑誌『クーリエ・ジャポン』を
iPhoneで展開し、主婦の友社や、マガジンハウスも販促に利用。
紙の雑誌をどう売るかという販促と、デジタルコンテンツとして
どうマルチユースできるか、を模索しているところ」

「メディアの特性として、パソコン上だとユーザーはお金を払ってくれない。
やはり携帯電話だろう。
これからスマートフォンが増えてくる。
携帯電話や、携帯型ゲーム機など向けに、どうコンテンツを
利用できるかに力点を置いて戦略を立てている」

——iPhone向けソフト販売の動向は?

「大辞泉を08年11月に発売し、今年4月にバージョン2に更新。
すしネタ図鑑や、キノコ図鑑もアップ。
英語トレーニングのソフトが、教育ジャンルで売り上げ2位になるなど好調。
アップルストアなら、流通コストもかからない。
ロングテールで、減っていくとはいえ1日十数本と売れ続ける。
これからアプリのリリースが増えていけば、『チリも積もれば……』で、
置いておくだけで売り上げが立つ」

「出版社の強みは、iPhoneでこんなアプリあったらいいな、と
小学館の出版目録を見ると、大抵あること。
80数年の歴史の中で、ネタ本としての出版物はある。
そのままアプリにはできない。
例えば、すしネタ図鑑で分かったのだが、書籍をそのままアプリにしても
ユーザーは満足してくれない。
iPhoneなりのデジタルの面白さがないとダメ」

——具体的にどう進化させるのか?

「四季のガイドブックなら、紙の書籍ならめくるだけだが、
デジタル機器なら、今いる場所から近くの店を探したり、
ガイド機能を付けたりしないと用を足さない。
ここ数年、紙の出版物の制作がデジタル化。
デジタルデータがあるため、転用が容易に」

ネット・メディア・センターは、出版局や編集局と一緒に
デジタルコンテンツを制作。
窓口であり、サポート役。
部員数は12人だが、業務が増えており、増員したい。
外部とコラボしないと、小学館だけでデジタル化をすべてやるのは難しい。
協業相手を探したり、契約を含めた営業をするスタッフも必要だし、
コンテンツが増えれば開発要員も必要。
携帯サイト運営会社と組むなど、我々にないものを持っているところと
協業していきたい」

——紙の書籍の販売不振に、デジタル書籍はどう影響を及ぼすか?

紙かデジタルか、という時代ではない。
今後は同時発売や、電子コミックのように、
紙にフィードバックする例が増えてくる。
雑誌コンテンツをどう生かすかは、どの出版社にとっても緊急の課題。
機器の特性をいかした電子雑誌の形を模索」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090615.html

県立大船渡病院 がん診療「緩和ケアチーム」編成

(東海新報 6月16日)

県立大船渡病院(八島良幸院長)は、がん医療の専門的な知識や
技術を有する医師や看護師で、「緩和ケアチーム」を編成、
がん治療と並行して緩和ケアに力を入れている。

今年4月、厚労省の地域がん診療連携拠点病院に指定、
14日は市民公開講座を開催、一般への緩和ケアの周知に努めた。

緩和ケアチームは、同病院の村上雅彦緩和医療科長、
道又利第一精神科長、武田彩緩和ケア認定看護師の3人で構成。

平成19年から活動を開始、それぞれの専門性を発揮し、
常に連携を取りながらがん治療患者に緩和ケアを提供。
緩和ケア体制も整った地域がん診療連携拠点病院として、
緩和ケアを知ってもらうための市民公開講座が開かれ、
市民や医療関係者82人が熱心に聴講。

道又第一精神科長が、緩和ケアのキーワードの「心・体・絆」や、
健康が揺らぐと、うつ状態にもなる。
告知を受けた時から、お手伝いするのが緩和ケアであることを知って
活用してほしい」

村上緩和医療科長は、質の高いがん医療を提供することを
目標に定めたがん対策基本法の内容や、
「男性の2人に1人、女性の3人に1人が、一生のうちにがんと診断、
死亡率の1位に。
緩和ケアは、患者のつらさを和らげ、その人らしく過ごすためのサポートで、
患者を支える家族にも対応して行うもの

同病院で緩和ケアを受けている陸前高田市広田町の
元教育委員・吉田政彦さん(81)が体験談。

胃と肺のがん手術を経験し、胆管部に腫瘍を抱えて、
現在は通院して緩和ケアを受け、
「がんのことで頭がいっぱいになった時、四方山話をして助言や励ましを
頂き、ケアチームの存在は心強くありがたかった」、
ケアチームとの信頼関係が治療に役立ったこと、
夫を支える妻の壽子さんも、「思いを委ねたところ、
救われて安息を得ることができた」と家族の心境を語った。

患者が使用するタオル帽子や各種がんのパンフレットが会場に展示、
大船渡病院ボランティア会の畑中幹子さんも、病院支援の輪を広げる
活動について紹介。

聴講した大船渡高校一年の佐藤寿子さん(16)は薬剤師志望で、
「緩和ケアがあることによって変わると思いました」と
医療の現状を学んでいた。

県内では、がん患者を支援する岩手ホスピスの会や、
市民レベルで緩和ケアを学ぶ動きが始まっている。
緩和ケアでは、患者本人の痛みや吐き気、不安、いらだちなど
身心のつさらや、家族が抱えるつらさを和らげるため、
初期の段階から治療と並行して行われる。

同病院では、各種がんのパンフレットを手に取ってもらうため、
各階のエレベーター付近に置いており、緩和ケアチームの村上医療科長は
「市民の方々と一緒に、緩和ケアを学んでいきたい」、
10月には医師対象の研修も実施する予定。

http://www.tohkaishimpo.com/

スポーツ21世紀:新しい波/305 toto好調の波紋/4

(毎日 6月13日)

疑問の始まりは、校庭の記念樹。
今年度、3小学校の校庭が人工芝化される東京都目黒区。
子どもを小学校に通わせる40歳の母親は、
「工事で学校のシンボルが切られると聞き、初めて関心を持った。
なぜ人工芝にするのか、納得できる説明もデータも示されないまま」

子どもの体にどんな影響があるのか?維持管理費はいくらか?
周辺環境や自然環境に悪影響はないのか?
4月、区側に説明を求める活動を行い、記念樹の伐採は見送られたが、
工事はこのほど始まった。

昨年度、過去最高の売り上げを記録したスポーツ振興くじ(toto)。
その助成事業に、今年度からグラウンドの人工芝化が加えられた。
くじを運営する日本スポーツ振興センターの担当者は、
「維持費の安さなどから需要がある」

目黒区教委の学校施設計画課も、
「雨が降った直後にも使えるなど、天然芝より使い勝手が良い」

人工芝化に対して、1件3000万円を上限に4分の3の事業費が
totoから助成。
しかし、3000万円で済む工事はほとんどなく、
超過分はその自治体の負担。

新たに天然芝化する場合、上限6000万円で5分の4の事業費が助成。
制度としては天然芝が優遇されているが、
目黒区のように、維持管理に手間がかからないという理由で
人工芝を選択する自治体も増えてきたようだ。

目黒区では、議会でも議論に。
工藤はる代区議(無所属)は、「区立学校の人工芝化は区長の公約だが、
一方的に話が進められ、住民や父母の一部からは理解を得られていない」
けがの少ない芝生の上でスポーツができ、街の緑化にもつながる目的で
進められてきた芝生化運動。

しかし、天然芝とは異なり、人工芝で足腰を痛めたり、
やけどをする例はプロ野球でも問題に。
天然芝に近い人工芝が開発されているとはいえ、
そのメリットには疑問視する声があるのも確か。

http://www.blogger.com/post-create.g?blogID=4989583565510097401

日本人由来の乳酸菌にストレス緩和作用カルピス、医学生を対象とした臨床試験で確認

(日経ヘルス 6月24日)

カルピスと徳島大学医学部は、日本人の腸内からとった
同社保有の乳酸菌、ラクトバチルスガセリCP2305株
(以下、ガセリCP2305株)の摂取により、
ストレス緩和作用が期待できることを、
医学生を対象にした臨床試験で確認。
第13回腸内細菌学会で発表。

徳島大学医学部に在籍する20歳前後の医学生24人を2群に分け、
二重盲検試験で実施。
試験期間は、心身に大きなストレス負荷がかかる
解剖実習期間中の4週間。
片方の群に、ガセリCP2305株を含む発酵乳を、
もう片方の群に、擬似発酵乳を毎日とってもらった。
摂取期間前後で、痛みなどの評価法としても用いられるVAS法で、
不安や不眠、食欲不振、胃もたれといった“ストレス症状”について調べた。
ストレスホルモンである唾液中のコルチゾール量なども測定。
便を採取して、培養法で腸内細菌叢の状態も調べ、比較した。

その結果、ガセリ菌摂取群では、コルチゾールの増加が有意に抑制。
“ストレス症状”については、摂取前後のスコアの差を比べ、
ガセリ菌摂取群は疑似発酵乳群に比べ、
「うつ症状」、「睡眠習慣」、「腹痛」のスコアが有意に改善、
「食欲不振」、「胃部不快感(胃もたれ)」、「不安」、「不眠」で改善傾向。
腸内細菌叢では、ガセリ菌摂取群で、善玉菌と呼ばれる
ラクトバチルス属が増加傾向にあり、大腸菌群は減少。

ガセリCP2305株が、なぜストレス緩和に働くのか?
詳しいメカニズムの解明はこれからだが、
同社健康・機能性食品開発研究所の藤原茂主席研究員は、
「ストレスによる腸内の軽微な炎症が抑えられ、
代謝産物など何らかの物質が作用し、
内分泌系や自律神経系に影響を与えている可能性が考えられる」

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20090624/103547/