(MDMedscape Medical News 9月17日)
米国内科学会(ACP)は、
2型糖尿病患者のヘモグロビンA1c目標値に関する指針を発表。
『Annals of Internal Medicine』9月18日号に掲載。
ACPのAmir Qaseem, MHAとACP臨床的有効性評価分科会の委員らは
「この指針は、他団体のガイドラインから抽出抜粋したもので、
現在あるガイドラインの長所と短所を評価した上で作成」。
「様々なガイドラインの評価では、
Appraisal of Guidelines, Research and Evaluation in Europe(AGREE)
評価ツールを使用した」。
ガイドラインでは、ヘモグロビンA1c目標値を推奨しているかどうかに加え、
ヘモグロビンA1c目標値の選択でも異なる。
米国家庭医学会のガイドラインを除くすべてのガイドラインが、
目標ヘモグロビンA1cを明記。
目標値として、7%前後のヘモグロビンA1cを推奨していたが、
微小血管及び大血管合併症のリスク、寿命、併存疾患の状況など
個々の患者の因子に基づいてヘモグロビンA1c目標値を
調整することを推奨したガイドラインも。
特殊な患者の場合、ヘモグロビンA1c目標値を個別に設定する点では、
レビューしたすべてのガイドラインが一致。
ACP委員会は、現在あるガイドラインを検討後、3つの声明を発表。
声明1:糖尿病の微小血管合併症を予防するため、
血糖コントロール目標値は可能な限り低く設定すること。
ただし、過剰な有害事象リスクや、許容できない負担を患者に与えない。
治療目標を立てる前に、血糖コントロール値のリスクと利益を話し合う。
ヘモグロビンA1c 7%未満が妥当であるが、すべてに適用されるわけではない。
高齢または虚弱患者、コントロールによる有害事象のリスクが高い患者、
併存疾患から実質上余命が短い患者に対しては、
ヘモグロビンA1c目標値を7%以上にしなければならない場合も。
微小血管合併症のリスクが高い患者では、
より厳しい目標値の設定が必要。
声明2:糖尿病合併症のリスク、併存疾患、寿命、患者の好みを
個別に評価した上で、特定のヘモグロビンA1c目標値を決定する。
声明3:ACP委員会は、特に重大な併存疾患を有する患者における
最適な血糖コントロール値の評価研究を実施することが好ましい。
「特に別の併存疾患を持つ患者では、
様々な血糖コントロール値の利益と害を把握することがまだ難しい」
「血糖コントロールはもちろん重要であるが、
血圧および脂質の管理も糖尿病合併症の予防に不可欠。
さらなる研究によって、年齢の異なる患者や併存疾患を有する患者、
実際の診療でよくある代表的患者集団の最適な血糖コントロール値が
明らかになれば、またひとつ糖尿病管理の重要な指針が増えることに」。
Ann Intern Med. 2007;147:417-422.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=55883
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