2011年7月17日日曜日

生殖細胞の性決める遺伝子 ショウジョウバエで発見

(2011年7月8日 共同通信社)

生殖細胞が雄、雌どちらの性別になるかを決める遺伝子があることを、
自然科学研究機構基礎生物学研究所の小林悟教授(発生学)らの
研究チームがショウジョウバエを使った実験で発見、
米科学誌サイエンス(電子版)に8日付。

生殖細胞の性別が決まるメカニズムは明らかになっておらず、
生殖細胞そのものに性別を決める遺伝子があることを証明したのは初。

雄の生殖細胞は精子に、雌の生殖細胞は卵になる。
生殖細胞の性別はこれまで、体細胞から出るタンパク質の刺激を受けて
決まると考えられてきたが、体細胞の性別が変わっても
生殖細胞の性別が変わらない事例が多数あることから、
チームは、生殖細胞そのものに性別を決める遺伝子があると考えた。

生殖細胞が、精巣や卵巣になる「生殖巣」という袋に入ると、
体細胞の影響を受けるため、袋に入る前の「始原生殖細胞」に着目。
性別に関係しそうな遺伝子を選んで分析し、
卵(雌)を形成する細胞だけに、「Sxl」という遺伝子が
活性化していることを発見。

精子(雄)になる始原生殖細胞のSxl遺伝子を人為的に活性化させ、
雌の生殖巣に移植すると、卵となることを確認。
Sxl遺伝子が活性化していない始原生殖細胞を、
そのまま移植しても卵にならず、Sxl遺伝子が生殖細胞の性別決定に
関わっていると結論。

小林教授は、「他の動物における生殖細胞の性別を決める仕組みを
明らかにする第一歩」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/7/8/139113/

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