2007年9月21日金曜日

救急患者約2割は未遂 自殺予防を考える/1

(毎日新聞社 2007年9月11日)

「あなたの抱える悩みを一緒に考えていきましょう」

横浜市立大病院高度救命救急センターの精神科医、山田朋樹さんは
2年前、自殺未遂者に語りかけた。
車の中で排ガス自殺を図り、意識もうろうの状態で
センターに運ばれてきた中年男性だ。
この言葉が男性を救った。「あの一言で頑張ろうと思いました」。
気力を取り戻した男性は、多額の借金を整理して再び仕事に就いたという。

全国の救命救急センターに搬送される患者の10-20%は、自殺未遂者。
同病院は03年から、搬送されて来た未遂者を、
精神科医がケアする取り組みを始めた。

山田さんは、「命を救う場面から介在すると、患者との信頼関係が築きやすい。
何度も話すうちに自殺をしようとした本当の理由が見えてくることもある」。

うつ病など精神疾患への対応にとどまらず、
借金や家族関係などの問題もソーシャルワーカーらと共同で解決策を探っている。

自殺予防総合対策センター(東京都小平市)の
松本俊彦・自殺実態分析室長らの調査では、
自傷行為をして精神科を受診した患者の19%が、
受診後1年以内に大量服薬による自殺を図っていた。
海外では、自傷経験者がその後9年間で自殺するリスクは、
経験がない人の400-700倍に達するという。

国の自殺未遂者への対策は緒に就いたばかり。
05年度から5年計画で、全国15病院の救急医療施設に搬送された
自殺未遂者を精神科医らがケアし、その自殺予防効果を検証する。
しかし、施策化されるとしても、それは研究の終了後になる。

同大医学部の河西千秋准教授は、
「環境さえ整えば、どの病院でも精神科医によるケアはすぐに実施できる」
と意識改革を訴える。

山田さんがセンターの常勤となった05年度、144人が自殺未遂で搬送。
しかし、退院後の自殺者は2人、未遂者は3人。
自殺予防の効果はあったと評価できる数字だ。
心を癒やす精神科医が救急現場で命を救っている。

政府は今年、世界自殺予防デーの10日から1週間を自殺予防週間と定めた。
98年以降9年連続で、年間3万人以上が自殺している日本。
この異常事態を解決するため、何が必要かを考える。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=54512


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自殺する理由はさまざまです。
しかし、本当に死ぬしか道はなかったのか???
家族や友人、社会が一人ひとりを支えている、ということを
もっともっと実感して欲しいです。
私たちは生かされている身。
こうして支え合って生きていることを、
感謝しながら生きていきたいですね。

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