(読売 11月20日)
高齢者との交流で、子どもたちの思考力を高めている
新潟県小千谷市立千田小学校では、
ほかにどのような指導をしているのだろうか?
3~6年生の教室を訪れると、どの教室にも大きな字で
模造紙にまとめた表「考えを深める手立て」が、はり出されていた。
「〈1〉じゅんじょを考える(まず…つぎに…なぜなら)」、
「〈4〉くらべる(○○は△△より…。○○は△△にくらべて…)」など13項目。
子どもたちは、いつでも表を見ながら発言したり、文章を書いたりできる。
「このような学習は国語で行うが、4年ほど前から
『総合』でも積極的に指導。
多くの子が、自分の意見をきちんと表現できるようになった」、
目黒栄一教頭(51)。
同小では、ほかにも、「考えるためのツール」と名付けた
様々な図解方法を導入、情報の整理に活用。
「おいしく安全な1等米を作るポイントは何か」をテーマにした5年生の授業。
2人1組での話し合いでは、農家から聞いた情報や自分の考えを
付せん紙に書き、似たような意見や関係がある情報を線でつないで整理。
あるペアでは、「雑草を抜く」、「害虫から守る」、「農薬を使わない」
などの情報が複数出た。
話し合い、「雑草」と「害虫」、「農薬」は関係があると考え、線でつないだ。
「雑草には害虫が寄って来る。
人手が足りれば、なるべく除草剤を使わない」などとまとめた。
「虫を殺さない」、「愛情」といった少数意見など、
自分と異なる考えに気づくこともできた。
「子どもたちの意見や発見が、教師の想定を超えることもある。
そこが面白い。
その点で、この方法は、子ども一人一人の考えを目で見ることができる」
教師が構想した学習の流れにとらわれ、
児童の思いや考えが二の次になり、形だけの授業になっていないか――
そんな教師たちの反省が出発点。
今では、子どもたちの考えを深める総合学習の方法を確立し、
教科の授業でも積極的に活用。
テーマや学習方法が学校に委ねられている総合学習。
学校全体でどう子どもを教育するのか、
教師たちが知恵を絞った成果は、確実に表れている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101120-OYT8T00172.htm
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