(サイエンスポータル 2010年12月2日)
宇宙航空研究開発機構と東京都小笠原村は、
超高速インターネット衛星「きずな」を使用した遠隔医療実証実験を行った。
約1000km離れた小笠原村診療所と東京都立広尾病院を
衛星回線で結び、急を要する患者が小笠原村で発生した場合、
診断から治療に至る連携作業がどの程度可能かどうか、
確かめるのが狙い。
小笠原村診療所から、患者の放射線画像・エコー映像や
外傷状況のハイビジョン映像を伝送し、
これを見た広尾病院の医師が初期救急対応の助言や
緊急性・治療の優先度を判断したり、本土へ搬送できないような
重症患者に対し、頭蓋内出血による脳の圧迫を回避するため、
頭蓋骨に穴を開け、血腫を外に出して減圧するといった
救命救急処置を、小笠原診療所の医師に指示、指導も。
小笠原村診療所と広尾病院の間の既存回線は、
毎秒64キロビットしかないが、「きずな」を使用することで、
合計毎秒24メガビット、3チャンネルの各種データを伝送できる。
実証実験では、放射線画像なども見ることができる
ハイビジョンテレビ会議で、小笠原村診療所と広尾病院の医師とが
治療方針を議論、検討することも行われた。
実証実験に参加した小笠原村診療所の医師からは、
「専門外の処置で、リアルタイムに実技指導が受けられるのは助かる」、
広尾病院の医師から、「映像が非常に鮮明で、
放射線画像のフィルムによる診断や技術指導を行うことが十分可能」、
「エコーや内視鏡の映像を、現地と同じ画質で見ることができるため、
現地での処置の可能性が広がる」など、それぞれ評価する声が聞かれた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012021.html
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