(毎日 6月1日)
国のスポーツ政策の土台となるスポーツ基本法案が31日、
衆議院へ提出。
超党派の国会議員で構成する「スポーツ議員連盟」
(会長・麻生太郎元首相)がまとめた法案に、
スポーツ庁設置に反対するみんなの党を除く各党が同意し、
各党を代表する議員計17人の連名となった。
スポーツ基本法案は、61年制定のスポーツ振興法を、
50年ぶりに全面改定するもので、前文には
「スポーツ立国の実現を目指す国家戦略」として、
スポーツの推進を位置づけた。
地域スポーツの振興と競技スポーツの強化の両面を、
国の責務と明記し、地方公共団体やスポーツ団体、学校、
民間事業者なども連携し役割を果たすよう定めている。
障害者スポーツも対象に含め、
付則でスポーツ庁設置を検討することも記した。
法案提出後に会見したスポーツ議連の奥村展三幹事長(民主)は、
「スポーツが、文化と同じように扱われ振興するよう、
基本法をベースにスポーツ界全体で盛り上げることが大事」
と意義を強調。
遠藤利明幹事長代理(自民)は、
「国が責任を持ってやると明記したのは大きい。
財政、税制などいろんな形でスポーツを支援できる」
法案は過去に2度、自民、公明両党が提出したが、
一昨年は衆院解散のため廃案。
昨年は継続審議となり、今回の新たな法案の提出に伴い取り下げられた。
民主党などが修正を加えた今回は、3度目の提出。
今国会での成立を目指すが、政局の影響で審議が
順調に行われるかも懸念。
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◇新省庁設置に厳しい目
スポーツの基本理念や国などの責務が明記されたスポーツ基本法案。
その中で、付則という形にとどまったのが「スポーツ庁」の設置。
議論の中で、多く出てきたのが、同じ文部科学省管轄の文化庁との違い。
文化庁は、1968年に設置され、
「文化芸術振興基本法」も10年前に制定。
11年度予算でも、スポーツ関係の約230億円に比べ、
文化庁予算は1000億円を超える。
このため、「早くスポーツ庁を設置して、文化庁並みの予算を」
という声は強かった。
厚生労働省の管轄下にある障害者スポーツなども、
横断的に統括できることを利点に挙げる意見は根強い。
奥村展三・スポーツ議連幹事長は、
「省庁間に縦割りの部分があるが、それらを一体化させるためにも、
スポーツ庁を作りたい」
だが、一筋縄にはいかない。
行政改革がうたわれる中で、新省庁の設置には厳しい目も。
唯一、みんなの党が法案に反対したのもそのため。
現在は、震災復興が最優先され、たとえスポーツ庁ができても、
予算の拡充は容易ではない。
3度目の提出となる今回は、共産や社民など計8会派が
共同提案に名を連ね、法案成立の道筋は整った。
ここにきて、自民党などが内閣不信任決議案の提出を検討。
そのタイミング次第では、他の法案審議がストップする可能性もあり、
前途には不透明な部分も残されている。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2011/06/01/20110601ddm035050009000c.html
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