(毎日 11月27日)
がんや動脈硬化、老化などの原因と言われる
活性酸素を減らす物質が体内で作られるメカニズムを、
熊本大学大学院医学薬学研究部の赤池孝章教授らのグループが明らかに。
研究が進めば、がんの予防・治療などへの応用につながりそう。
英科学誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー」11月号に紹介。
赤池教授らは、体内で作られ、血管拡張などの働きを持つ
「環状グアノシン1リン酸(cGMP)」という物質が、一酸化窒素と結び付くと、
ニトロ化環状グアノシン1リン酸(8ーニトロcGMP)
という新しい物質になることを発見。
この物質も血管拡張の働きを持つが、
その効果はcGMPの約100倍に達した。
さらに、8ーニトロcGMPが細胞内のある種のたんぱく質と結びつくと、
活性酸素を減らす酵素をたくさん作り出す。
活性酸素は、たばこやアルコール、油の取り過ぎなどで
多く発生するといわれ、動脈硬化やがんなどの原因の一つ。
98年には、cGMPの働きを明らかにした米国の研究者ら3人が
ノーベル医学・生理学賞を受賞しているが、
8ーニトロcGMPの存在や、その働きまではわかっていなかった。
東北大学大学院医学系研究科の下川宏明教授(循環器病態学)は、
赤池教授らの研究について、
「ガンや動脈硬化などの、新しい治療法の開発に結びつく可能性があり、
非常に素晴らしい研究だ」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20071127k0000m040162000c.html
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