(毎日 4月28日)
関西にある私立大学の人工芝グラウンドは、メーカーの予測が外れ、
施工からわずか3年足らずでダメに。
最大の原因は、使い過ぎだ。
本来ならば、はがして張り替える代わりに、
旧タイプの上に新タイプの人工芝を載せた。オーバーレイ工法という。
耐用年数が過ぎた人工芝は大抵、産業廃棄物として処分。
サッカー場の場合、撤去処理費用として約1000万円かかるという。
オーバーレイ工法によって費用は浮いた。
だが、そのメーカーの担当者は、「何度もできるわけではなく、
問題を先延ばしにしているだけ。根本的な解決にはなっていない」。
劣化はしても、消滅しない人工芝。
将来、どんなに品質や性能が向上しても、この点だけは、
自然の産物である天然芝を超えられない。
撤去処理問題が、「一番の懸案事項」であることはメーカーも認識。
衝撃を吸収する充てん物(目砂やゴムチップ)を、
ポリエチレン素材の人工芝と分離してリサイクルに回すことが検討。
開発に着手しているメーカーもあるが、問題はコスト。
あるメーカーは、「リサイクルできる原料をどれだけ使うか。
お金をかければリサイクルは可能だが、製品に反映され、ユーザーに負担が。
どの製品でも、最近はリサイクルが言われている。
メーカーとしては『できません』とは言えない」。
来年開催の大分国体でラグビー会場となるグラウンドは現在、
天然芝から人工芝への工事中。
天然芝の場合、維持費が年間約800万円。
人工芝の施工費は、2面(約2万2000平方メートル)で約2億5000万円。
大分県由布市の国体推進室は、「安全性や耐久性のほか、
環境への配慮など総合的に判断した。
その際、張り替えをどうするかという話は出なかった。
使用規定を作ったり、管理をよくしたりして、できるだけ長く持たせたい」。
人工芝のリサイクルについて、自治体などユーザー側の意識はまだ高くない。
だが、今後、張り替え需要が出てくるにつれて
社会問題化する可能性は十分、ある。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/archive/news/2007/20070428ddm035070019000c.html
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