2008年1月5日土曜日

年末年始の体重増加に打ち勝つ方法

(WebMD 12月28日)

食べ物がそこらじゅうに溢れる年末年始。
まるで私たちを太らせようとするかのように、ご馳走続きに。
年末年始のご馳走で、減量計画をだめにしない方法がある。

どのようなきっかけで食べ過ぎてしまうのか、自覚することが一番いい方法。

食べ物と感情:年末年始の体重を増加に導く二重の要因

過食はシーズンによらず、食べ物の刺激というよりは感情に影響される。
ブラウン大学ウォーレン・アルパート・メディカルスクールの研究者
Heather Niemeierらは、ほとんどの過食の原因には心理的因子があり、
感情によって過食に走る人々は、減量および減量後の体重維持に
苦労する傾向にある。

「減量の成功は、感情と思考が環境的要因より大きな役割。
人間は、感情に反応して食べるのである。
年末年始は、いい感情も悪い感情も、すべて呼び起こされやすい」。
過去の年末年始の思い出に浸っている人、
延々と続く家族間の争いに直面しなければならない人、
あるいは1人で過ごす人、
そんな多くの人たちにとって、この時期は寂しい季節に。

モンテフィオーリ医療センターKatherine Mullerは、
「ある感情に対して食べるという行動で反応した場合、
その反応は再び繰り返される。
この反応関係は、長い間に何度も繰り返され強化されていくので、
一度出来上がったらなかなか壊れない」。

この時期は食べ物自体が感情の引き金になり、
もっと激しい感情の放出につながりやすいことを示した研究も。

ニューヨーク大学医療センター臨床心理学者Warren Hubermanは、
「音楽で記憶が呼び起こされるように、特定の食べ物も記憶を呼び起こす。
臭覚は、脳に直接つながる経路である。
特定の料理の匂いをかいだだけで、ある感情が誘発される」。

料理が自分の全記憶の中でどんな役割を果たしているか考えるようにすると、
その食べ物の誘惑に勝つことができるという。

Muller博士は、「その感情を持っていること、記憶を考えることはよい。
だが、楽しいとかつらいといった感情に結びついた食べ物を口にし、
当時を思い出したり、ごまかしたりしてはいけない」。

年末年始の体重増加を防ぐ計画を立てよう

なぜ食べてしまうのかを理解することはある程度の抑止策になるが、
誘惑にいかに対処するか、計画してご馳走に臨むことも重要。
食べないようにするだけで食欲を抑制しよう減量すると、
過食に対応策を自ら身につけた人に比べて過食のリスクが大きい。

ペンシルベニア大学臨床心理学准教授Judith Beckによると、
有効な対応策は、食欲の「フラッシュカード」を使ったポジティブな独り言。
Beck Solutionのひとつは、やせたいと思うもっともな理由を
すべてリストアップして、毎朝自分自身に読み聞かせる方法。
計画にないものを食べたくなった時、それを読み返せば、
食べ物をあきらめる行為が価値のあることだと常に思い出せる。
自らコンディションを整え、自分にとっての食事の意味について
考え方を変える必要がある」。

Muller博士は、この方法は「思考タイプの人」には効果があるだろう。
もっと衝動的な「見たらすぐ食べてしまう」タイプの人には、
「マインドフル・イーティング」という方法が一番よい。
「原始的な感情がある場所と過食はつながっているので、
無意識に食べ始めてしまう。
対応策のひとつは、注意深さを磨くこと。
その場で常に自分を振り返り、自分の手にあるもの、
お皿に載っているものに注意を向け、食べているものを意識するとよい」。

Huberman博士は、パーティーにはいくつ行ってもいいが、
それぞれ計画を立てていくことが大事。
「何皿食べるか制限してもいいし、各コースで食べる量を制限してもいい。
大好きな食べ物3つだけ食べる、と決める手もある。
重要なのは、食べる量に条件をつけ、その計画を必ず遂行すること」。

「食べ物を無理強いする人」に負けるな

太りやすいご馳走を勧めて否とは言わせない友人、家族、同僚。
「どんな理由であれ、こういう人たちは自分が勧めた食べ物を
人が食べるまで休日のお祝いは終わらないと信じている」。

一番簡単な解決方法は、ただ一言「けっこうです」と何度も何度も言うこと。
Huberman博士は、「これを“壊れたレコード法”と呼んでいる。
丁寧に断り続ければ、最終的には押し付けをやめるだろう。
無礼にする必要はないが、断固とした態度をとらなければならない」。

Beck博士は、自分自身のためになることを当然していいと思うべき。
「アレルギーや宗教的理由で食べ物を断っているのなら、
“けっこうです”と断るのをためらう必要はないので、それを貫き通すべき。
“要りません”と断るときは、そのような権利の感覚を持つこと。
なぜなら、自分の健康を守っているのだから」。

食べたくない理由の多くを説明する必要はない。
「ダイエット」という言葉を出す必要すらない。
「皿の上あるいは手の中にあるからといって、食べなければいけない義務はない」。

Warren Huberman, PhD, psychologist, surgical weight loss program, NYU Medical Center, New York City. Heather Niemeier, PhD, Weight Control & Diabetes Research Center, Miriam Hospital; the Warren Alpert Medical School, Brown University. Katherine Muller, PsyD, director, Cognitive Behavior Therapy Program, Montefiore Medical Center, New York. Judith Beck, clinical associate professor of psychology, University of Pennsylvania; director, Beck Institute for Cognitive Therapy, Philadelphia; author, The Beck Diet Solution. Niemeier, H., Obesity, October 2007; vol 15, no 10.
Lee, J., Behaviour Research and Therapy, October 2007; vol 45, Issue 10: pp 2334-2348.Reviewed on December 18, 2007

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=65239

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