(読売 3月2日)
「ヘッド・ショルダーズ・ニーズ・アンド・トウズ」。
児童役の小学校教員たちが、CDから流れる歌に合わせ、
身振りを交えて、体の部位を示す英語を繰り返す。
2月中旬の週末、小学校英語活動の研修会が、
神田外語学院で開かれ、6講座に計42人が参加。
受講した千葉県内の公立小学校教員の男性(44)は、
「授業づくりのアイデアをつかめれば、と参加した。
校内では、自分も含め英語をうまく使えない教師が多く、苦労している」
埼玉県内の公立小教員の女性(40)は、
「公的な研修だけでは、新年度から自信を持って授業を進めるには不十分。
研修制度を充実させてほしい」
神田外語大学児童英語教育研究センターの長田厚樹センター長(55)は、
「外国語活動の必修化を目前に控え、改めて不安や戸惑いを抱く
先生は多いのでは」と、教員たちが休日返上で研修に参加する背景を分析。
同大などで構成する神田外語グループは、
2007年から教員向けに、様々な小学校英語講座を開き、どれも大盛況。
当初は東京だけだったが、今では札幌から静岡まで、全国9会場で開催。
小学校教員の大半は、教員養成課程で英語指導教育を受けていない。
教科でない英語活動に教科書はなく、文部科学省が作成した
補助教材「英語ノート」があるだけ。
統一した授業内容が決まっているわけではない。
文科省は、今年度までの2年間で、教員1人あたり計30時間の
校内研修を行うよう求めてきた。
ベネッセ教育研究開発センターが昨年、実施した調査によると、
全国の公立小の5、6年生の学級担任らが、
09年度から10年度夏休みまでに受けた校内研修は、平均6・8時間。
「0時間」も、20・4%に。
英語活動の中心となるのは、「学級担任」が66・6%。
一時の外国語指導助手(ALT)に依存した授業から、
本来あるべき姿に戻っている。
担任の責任がますます重くなる中、
授業の準備は整っているというにはほど遠い。
◆小学校の外国語(英語)活動が、来月から5、6年で必修化。
準備不足や人材不足など、課題は少なくないが、
既に特色ある授業を展開している事例も。
各地の取り組みを紹介し、対応策を考える。
◆メモ
各校での研修は、都道府県、政令市、中核市の教育委員会主催の
研修を受けた「中核教員」が担い手となって行われる。
文科省が、全国の公立小学校を対象に実施した調査によると、
中核教員研修には2008、09両年度に各校から平均2人が参加、
たとえ1時間でも校内研修を実施した学校は、09年で78.9%。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110302-OYT8T00169.htm
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