2007年12月29日土曜日

アレルギー反応を制御する重要分子「STIM1」を発見

(理化学研究所 12月3日)

鼻がむずむずして、くしゃみが止まらない。
体中がかゆくて、ついつい引っかいてしまう。
花粉症やアレルギー喘息、食物アレルギーなどと、
日本人の約3割もの人々が、この症状に悩まされ、
アレルギーはいまや国民的病気に

アレルギーには、のど、鼻、腸管等の粘液表面にいる肥満細胞が関与。
アレルギーを引き起こす原因物質の抗原が最初に体内に入り込むと、
この抗原に特異的に反応する抗体IgEが作られ、
肥満細胞のIgE受容体と結合した状態になります(感作)。
そして、再び抗原が侵入すると肥満細胞表面のIgEは抗原と結合し、
肥満細胞を活性化させて化学物質を大量に含んだ顆粒を放出したり、
炎症性サイトカインを生み出したりします。

これらの化学物質が、発疹、かゆみなどのアレルギー反応を引き起こします。
肥満細胞からの顆粒放出には、細胞質内のカルシウム濃度が関係すると
されていましたが、そのメカニスムは不明。

理研免疫・アレルギー科学総合研究センター分化制御研究グループは、
この顆粒放出には、細胞外から細胞質内にカルシウムを流入させる
働きをもつタンパク質「STIM1」が必須であることを明らかに。

実際、STIM1の発現を低下させたマウスでは、アレルギー反応が抑制。
STIM1が関与する新たなアレルギー発症の分子メカニズムが
発見されたことで、STIM1をターゲットとするこれまでにない
治療法が開発できると期待。

http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/071203/

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