2008年9月8日月曜日

中心市街地再生へ始動 国認定の盛岡市基本計画

(岩手日報 9月3日)

盛岡市の中心市街地活性化基本計画は、
国の認定を受けて、2012年度まで
5年間の取り組みがスタート。
国の支援を得て、計画面積218ヘクタールで64事業を展開し、
衰退が進む中心市街地の再生を目指す。
総事業費は約230億円。
一方、同市は郊外で盛南開発を推進しており、
相乗効果を出すには互いの役割の明確化が必要。盛岡のまちづくりビジョンをどう描くか、官民協働の取り組みが求められている。

同計画は7月、補助率のかさ上げなどにつながる国の認定を受けた。
道路整備など市関連の42事業と、中ノ橋通1丁目の盛岡バスセンターや
中三百貨店の建て替え、大通3丁目の商業ビル建設など
民間の22事業を行う。

認定までの道のりは険しかった。
問題は、1994年度から続く盛南開発
(約313・5ヘクタール、事業費784億円)との整合性。

中心市街地の衰退は、盛南開発に伴って進出した
大型店の影響も否定できない。
郊外と中心市街地の開発を同時進行する同市の計画は、
互いに効果を打ち消し合う恐れもある。

同市などは関係省庁と粘り強く交渉を重ね、
「中心市街地、盛南地区とも、それぞれの地域特性を生かして機能分担し、
連続的な都心形成を図る」として認定を勝ち取った。

同市商工課の時舘公親商業係長は、
「盛南は車交通を中心とし、産業拠点を含むまちづくりを図る。
中心市街地は、高齢者でも歩いて回れる、盛岡の歴史や文化が
感じられるまちを目指す」。

しかし、個々の事業についてはそれぞれ国に計画を示して補助申請し、
認められなければならない。

盛岡バスセンター再開発に携わる盛岡まちづくり会社の玉山哲社長は、
「中心市街地が目指す方向性とマッチした開発とする必要があり、
官民一体で地域の長期ビジョンを描くことが大切。
今後2年間に、どの程度議論を深められるかが計画の成否を分ける」。

盛南開発連絡協議会の菅原吉男会長は、
「限られた予算の中で、相反する2つの開発を同時に行うのは困難が伴う。
盛南と中心市街地の連続性が保たれるよう、特に配慮してほしい」。
谷藤裕明市長は、「皆で知恵を出し合い、中心市街地と郊外が
相乗効果を出して共存するモデルケースを目指したい」。

中心市街地活性化基本計画とは 盛岡市中心部の約218ヘクタールを指定。
「にぎわいあふれる中心市街地」「訪れたくなる中心市街地」を目標に、
64事業を行う。

12年度末までに、中心市街地の小売年間販売額869億3900万円
(07年度816億5900万円)、1日当たり歩行者・自転車通行量5万1千人
(同5万260人)、年間観光客入り込み数372万人(同365万人)の実現。

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