(共同通信社 2008年10月27日)
約400年の歴史があるローマ法王庁科学アカデミー会員に選ばれた。
選出の手紙を受け取り、「クリスチャンでもないし、
最初は何かの間違いじゃないかと思ったほどびっくりした」。
バチカンで31日から開かれるシンポジウム
「宇宙と生命の進化」で会員就任のあいさつをする。
ガリレオ・ガリレイが最初の会員という、世界最古の学術団体。
会員は現在94人で、うち約30人がノーベル賞受賞者。
日本人は、野依良治理化学研究所理事長だけ。
専門は、進化生物学。
生物のゲノム(全遺伝情報)解読が急速に進み、
「解読が終わった生物は、ヒトから細菌まで約600種。
2年後には30倍になる見通しで、研究の"宝の山"がきた」。
膨大なデータを基に、生物進化の速度や系統樹などをいち早く示してきた。
「エイズウイルスの遺伝子変化が、ヒトより100万倍速いことを
1985年に初めて見つけた。ゲノムの視点で、進化を研究してきたことがよかった。
最近突き止めたのは、ヒトの脳の遺伝子は約半分が7、8億年前から続く
原始的動物の脳にもあることです」
ガリレオは、地動説を唱えて宗教裁判に付されアカデミーを追われた。
進化論も、キリスト教右派が異を唱えるなどしているが、
今回の選出は、進化論も科学として認めようとする
最近のローマ法王庁の柔軟な姿勢がうかがえる。
「進化学者の会員は、多分私が初めてではないか。大変な栄誉です」
海外出張で多忙だが、第一線の研究にこだわる。福岡県出身。57歳。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82053
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