2008年10月9日木曜日

世界科学大賞受賞 盛岡・鍼灸師の岡本さん

(岩手日報 10月3日)

長年東洋医学を研究している盛岡市の鍼灸師岡本修一さん(61)は、
スウェーデンアカデミー(D・H・サムエルソン総裁)が主催する
本年度の世界科学大賞で、健康医学部門の大賞を受賞。

電気針を使った骨折治療の実績と理論が高く評価。
健康医学部門の受賞は国内3人目、東北では初。
岡本さんは、「東洋医学を応用した治療が認められ、本当にうれしい」

15年前に始めた岡本さんの研究は、
骨折部分に電気針で適度な電流を与えることで、
血液中のイオンカルシウムを誘導し、
骨化形成の働きを活発にする―という治療法。

昨年、アイスホッケーで頸部骨折し、自力での回復は無理と診断された
高校生に、同法の治療を実施。約2カ月で完治。
岡本さんによると、同治療法で完治させた患者は相当数に上る。

岡本さんは6月、臨床経過や電圧、電流の波形などをまとめ、
東京都の日本文化振興会(伏見博明総裁)を通じて、
スウェーデンアカデミーに論文を提出。
針きゅう治療の発展に寄与し、多くの患者に役立てられると認められた。

同賞は毎年、国際的に顕著な業績を残した人に贈られる。
論文や実績を基に同アカデミーが決定。

岡本さんは、八戸市出身。
京都市の大学で針きゅうを学び、1971年、プロ野球・阪神タイガースに
専属トレーナーとして入団。掛布や田尾ら選手の治療に当たった。

85年から盛岡市に移り、開業。
県内外から多くの高校球児や国体選手、難病患者らが訪れ、
治療を受けている。

これまでに日本文化振興会の社会文化功労賞、
米国アガペー大の東洋医学博士号などを受けている。

日本文化振興会の鬼塚修二国際文化総局長は、
「細部にわたる長年の研究に敬意を表したい」
岡本さんは、「これからが課題。多くの患者の治療に役立てたい」

◆スウェーデンアカデミーとは

1786年に設立されたスウェーデンの学士院。
文学者や歴史家、法学者など18人の終身会員で構成され、
ノーベル文学賞の選考委員会も兼ねる。首都ストックホルムに事務所。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081003_16

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