2009年1月23日金曜日

ブリヂストンスポーツ河野久社長 「消耗品のボールで米ゴルフ市場攻略」

(日経 1月6日)

ブリヂストンスポーツが、米国市場の開拓に力を入れている。
日本では、米国発の金融危機の影響でゴルフ人口の減少が懸念されるが、
河野久社長によると、「米国のゴルフ市場は、日本ほど影響を受けていない」。
消耗品のボールを中心に生産体制を強化し、シェア拡大を目指す。
米国市場攻略の狙いなどを聞いた。

—米国向けでは、特にゴルフボールを増産している。

「2008年末、日本を含む全世界のゴルフボールの供給量を10%程度増やした。
その8割程度は米国向け。
米国市場の開拓には、4年前から開拓に取り組んできた。
試し打ちを通じ、自分に合ったボールを探してもらう『フィッティング』など
地道な営業の効果で、米国のゴルファーに日本のボールの品質の高さが
やっと認知されつつある。
米国部門の収支も、08年12月期には黒字化する見通しで攻勢を強める」

—米国のゴルフ市場には金融危機は影響していないのか。

「高額なゴルフクラブなどは、販売が伸び悩んでいるようだ。
市場全体で見ると、日本よりも影響は少ない。
米国では、ゴルフが文化として根付いており、5000円程度でプレーできる。
費用のかかる旅行をやめて、安いゴルフを楽しもうといった動きも出てくる。
クラブを買い控えているゴルファーでも、消耗品のボールなら買ってくれる」

—ゴルフの本場である米国メーカーの牙城をどう崩すのか。

「クラブの失速や経済環境の悪化で、現地メーカーは投資に
慎重になっているのではないか。
攻略するなら今しかない。
米国での弊社のゴルフボールのシェアは7-8%だが、
供給量を増やして『タイトリスト』、『キャロウェイ』といった
米国のトップブランドを追い上げたい」

—円高・ドル安の影響は。

「米国、マレーシア、中国にそれぞれボールの工場がある。
一部、日本の工場で生産し米国に輸出している製品もあるが、
ゴムなどの原材料は海外で調達している場合が多く、
円高は大きなマイナス要因にはならない」
「日本国内には、若い世代のゴルファーが非常に少なく、
市場が今後大きく伸びる可能性は少ない。
多少のリスクをとっても、米国を含めた海外に出て行くしかない

—米国以外の海外市場での展開は。

「中国や東南アジアのゴルフ人口はまだ数十万人で、日本の10分の1以下。
それでも普及期に入った時にすぐ対応できる体制を整えておくことが必要。
日本のボールの品質は、世界のメーカーと比べてもトップレベル。
きちんとアピールできれば、海外でのシェアを伸ばせるはず。
親会社のブリヂストンの技術力を生かし、
ボールの研究開発にもさらに力を入れていきたい」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090105.html

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