2009年7月17日金曜日

親の15%が幼児にサプリ 6割、栄養補給が目的 過剰摂取「有害の恐れ」

(2009年7月6日 共同通信社)

幼稚園や保育所に通わせている保護者の15%が、
ビタミンなど特定の成分を濃縮した健康食品のサプリメントを、
子どもに与えていることが、国立健康・栄養研究所の調査で分かった。

保護者の6割は、「栄養補給」が利用目的と回答。
食生活に何らかの改善が必要と感じて、サプリに頼る実態が浮かんだ。

研究所は、幼児への有効性や安全性など検証したデータは乏しいとし、
「身体に必要な成分でも、安易に与え続けると過剰摂取につながり、
幼児に有害な作用が出る恐れがある」と注意喚起。

調査は、2007年5~9月、青森、山形、茨城、栃木、埼玉、千葉、香川の
7県の幼稚園や保育所計21カ所で実施。
子どもの年齢は6歳まで、保護者2125人のうち1533人から回答。

結果によると、口の中で溶ける錠剤や粉末、カプセルなどのサプリを、
15%に当たる228人が子どものため利用。

利用者のうち、68%の154人が、「ビタミンやミネラルのみ与えている」
32%の74人は、「そのほかも利用」、
33人は、脳の発達に良いなどと宣伝されるドコサヘキサエン酸(DHA)を
含有する魚油系のサプリを利用。
次いでプロテイン、キシリトールが各7人、ハーブが6人。

利用目的(複数回答)では、「栄養補給」が140人で最多。
「健康増進」58人、「病気予防」42人、「体質改善」27人。
106人が、「たまに利用」と回答。
「以前に利用」が90人、「毎日利用」は32人。

使い始めた時期で最も多かったのは、
ビタミンやミネラルは3歳からが59人、
DHAなどそのほかのサプリは1歳からが19人。
購入商品は、「幼児用サプリ」が多いが、成人用を使っているケースも。

▽サプリメント

ビタミンのほか鉄、カルシウムといったミネラルや、
特定成分を濃縮した錠剤やカプセルなどの総称、医薬品ではない。
健康食品の一つで、スポーツやダイエット、滋養強壮など
さまざまな分野の商品があり、子ども用から高齢者向けまで。
1996年度以降、医薬品の範囲見直しに伴い、
ビタミンなどの栄養素は錠剤などの形状で販売できるよう規制緩和、
流通量が増えている。

コンビニやインターネットで買え、市場が拡大したサプリメント。
商品の宣伝や表示をめぐっては、「1週間でやせる」といった
誇大広告が増加傾向にある。

サプリを含む健康食品分野は大手の食品、製薬会社のほか
中小メーカーも参入、市場規模は7千億円超。

医薬品でないため、効果や効能を表示できないが、
「体脂肪が減る」、「がんに効く」、「身長が伸びる」と宣伝する商品も。
ネット上では、子ども向けも「集中力や学力UP」などと紹介。

表示や販売手法をめぐり、国民生活センターには昨年だけで、
約1300件の相談や苦情が寄せられ、誇大広告は増加傾向。
公正取引委員会も、体臭を消すとの効果に根拠がないとし、
7社に排除命令を出した。

日本健康・栄養食品協会は、成分や表示を
審査、認定する制度を設置。
全体的な基準はなく、厚生労働省の専門検討会は昨年、
製造業者らで統一の基準を定めるよう求めた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/6/103712/

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