(読売 2月10日)
中国で、70年以上前に作られた小学校の国語の教科書が注目。
シンプルな構成と牧歌的な挿絵が特徴で、
近年に再出版されて、人気が出た。
浮き彫りになったのは、現行の教科書への不満。
この教科書は、1932年に初版が発行された「開明国語教科書」。
出版社間の競争が激しかった当時にあって、40回余りも増刷。
上海の出版社が2005年、上下巻で再出版。
しばらく注目されなかったが、昨年、突如として人気が沸騰。
ネットでは、原価の10倍の260元(約3200円)で取引、
版元は10万セットの増刷を表明。
内容はどうか?
「先生、おはようございます」。
「皆さん、おはようございます」。
あるページには、こんな簡単な会話と、先生に向かってお辞儀する
生徒の挿絵しかない。
文章を手がけ、日本でも著作が出版された
作家・葉聖陶(1894~1988)は、
「教科書は児童文学でなければ、興味を持ってもらえない」
親類の勧めで読んだ遼寧省瀋陽の小学4年生、金泓吉君(10)は、
「学校の教材は、文章が長くて時々飽きるが、こちらは楽に読める」
「社会主義の現代化建設」に役立つ人材の養成を目指し、
「知識偏重」、「説教くさい」との批判がある現行の教科書に比べ、
親しみやすいようだ。
インターネットで調査したところ、教科書を修正すべきだとの回答は
6割を超え、小学校教育がますます功利的、画一的になっているとの
回答も8割以上。
批判に押されるように、政府は昨年12月、
小中学校で使う教材の見直しを指示したと発表。
ネットの影響力は、この国でも無視できないようだ。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/sekai/20110210-OYT8T00234.htm
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