(2010年12月3日 毎日新聞社)
日が長くなることによる「春の到来」を知らせる動物体内の
ホルモンの働きを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと
近畿大が明らかにした。
日照時間の変化は、うつ病に似た症状の季節性情動障害や、
統合失調症などに関わるとされ、成果は病気の治療に
役立つ可能性がある。
米科学誌「カレントバイオロジー」(電子版)に3日、論文が掲載。
理研の上田泰己プロジェクトリーダーは08年、ウズラの下垂体の一部に
日が長くなると作られるホルモンがあり、
春に繁殖を活発にしていることを、名古屋大と共同で見つけた。
今回は、近大の升本宏平助教とともに、同じホルモンを持つマウスを、
1日の日照時間が8時間のグループと16時間のグループに分けて
2週間飼育。
その後、秋・冬に当たる8時間グループのマウスに対し、
夜になるはずの時間に光を当てて、ホルモンと関連した遺伝子の
有無や機能を調べた。
16時間グループでは、活発ではないある種の遺伝子が活性化されて
ホルモンを作る引き金になり、他の複数の遺伝子が
後押ししていることが分かった。
このホルモンは、ヒトにもあるとみられ、病気に関わっているらしい。
上田さんは、「日照時間を調節して遺伝子発現を抑えれば、
症状を緩和できるかもしれない」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129282/
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