(2010年12月2日 共同通信社)
細菌が増殖する際などに働く酵素「RNAポリメラーゼ」の働きを
抑える分子の詳しい形状を、横山茂之東京大教授(構造生物学)らが
明らかにし、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表。
横山教授は、「効果が高く、耐性のできにくい抗菌剤の開発が期待」
RNAポリメラーゼは、カニのはさみのような形をし、
DNAの鎖を挟みつつ、そこにRNAの"部品"を取り込み、
DNAの遺伝情報を基にRNAを組み立てる。
細菌の体をつくるタンパク質は、できたRNAを基に合成。
横山教授らが調べた分子は、RNAポリメラーゼにくっつき、
RNAの合成を中断したり、終了させたりする時に働く。
くっついた状態を、大型放射光施設「スプリング8」などで調べた結果、
分子はくさびのような形で、RNAの部品の取り込み口を
しっかりとふさいだ上、組み立てを行う部位に突き刺さっていた。
従来の抗菌剤は、組み立て部位の周りに小さな分子がくっつき、
"邪魔"をする程度であるため、細菌が突然変異などで
少し形を変えても、効き目は弱まる。
今回の分子は、「かなり念入りに、がっちりとガードしている」(横山教授)、
似たような分子を人工的につくれば、
強力な抗菌剤ができる可能性もある。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/2/129158/
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