(2011年6月27日 共同通信社)
東日本大震災で被害の大きかった岩手、宮城両県で、
精神科医らによる「心のケアチーム」の相談支援や診察を受けた
被災者が、少なくとも延べ1万4111人に。
津波で家族や家、職を失い、不眠や不安、いら立ちを訴えた人が
多数を占め、被災者の精神的サポートの必要性があらためて浮き彫り。
避難生活の長期化で、心のバランスを崩す人が出る一方、
仮設住宅入居で孤独感を抱く人も。
専門医らの対応には限界があり、被災地で治療に当たっている
心療内科医は、「今後は、精神面を支える地域のつながり、
周囲の支援が大切になる」
心のケアチームは、精神科医や看護師、精神保健福祉士らが
数人単位で組織し、厚生労働省に登録。
被災地の要請に基づき、これまでに54チームが派遣、
避難所や被災住宅を巡回、心身に不調を来した住民の相談を受け、診察。
被災した自治体で、独自に組織されたケアチームも巡回。
宮城県精神保健福祉センターによると、政令市の仙台市を除く
県内では、3月17日から活動を開始。
中心市街地が壊滅的な被害を受けた気仙沼市や南三陸町を
抱えていることもあり、支援をした被災者は5月27日現在で延べ8318人。
最も多かった症状は「不眠・睡眠障害」で、1891人。
「不安・恐怖」954人、「イライラ」を訴えた被災者も369人。
「抑うつ気分」278人、「無気力」126人と多かった。
「食欲不振」、「アルコール問題」の相談も数多く寄せられた。
沿岸部の被害が大きかった仙台市では、3月14日からケアチームが
活動を始め、6月11日までに診察などをした被災者は延べ2310人。
岩手県は、3月18日~4月30日に、延べ3483人、
5月以降の数字は集計中のため、人数はさらに膨らむ見通し。
福島県でもこれまでに11チームが入っているが、
担当者は「まだ活動実績がまとまっていない」
※心のケアチーム
地震や津波などの被災地で、災害のストレスによって心身に不調を来した
住民や、受診先がなくなった精神障害患者への対応をする医療チーム。
精神科医や看護師、保健師、精神保健福祉士などの専門家が、
数人単位で避難所や被災住宅、在宅患者を巡回。
継続的な診療を要する場合、地域の医療機関を紹介し、
必要な時には投薬も行う。
東日本大震災では、厚生労働省が災害対策基本法に基づき54チーム、
計2450人を岩手、宮城、福島3県に派遣。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/6/27/138481/
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