2007年9月1日土曜日

成人ぜんそくの機構解明 兵庫医大、免疫が悪玉化

(共同通信社 2007年8月28日)

成人に多い難治性ぜんそくは、
かぜなどによるのどの炎症で免疫細胞の一種が悪玉化し、
特殊なアレルギー反応が起きるのが原因とする研究結果を、
兵庫医大の中西憲司教授(免疫学)らが発表。

小児ぜんそくは、カビやダニなどが原因で起きることが多いが、
成人ぜんそくは自分の体が作り出す炎症関連物質が悪さをしているらしい。
「この物質の働きを弱められれば、深刻な症状の軽減につながる」。

佐賀大、大阪大との共同研究。
中西教授は、マウスののどに毒素を入れて炎症を起こし、反応を分析。
炎症部位から出る物質が、リンパ球の一種に働きかけて
異常な免疫反応を起こし、呼吸困難や気管支炎を招くことを突き止めた。

こうした免疫反応は、繰り返し起きてぜんそく症状が悪化するが、
この物質を抑えると症状が治まることも確認。

「成人ぜんそくが慢性化する仕組みが解明できた。
大型動物でも実験したい」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=53296

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ぜんそくは、慢性的な病気です。
免疫システムに異常が来たしていることは確かですが、
どのようなメカニズムでぜんそくが起こるのかは、
明らかにされていませんでした。

スポーツ選手では、ウィンタースポーツを行っている選手に
ぜんそくの発症が多いようです。
ぜんそくの機能が解明されれば、
スポーツ選手のぜんそく予防にも役立つと思います。

2007年8月31日金曜日

理研:左右の神経なぜ混線 防ぐたんぱく質解明 突然変異マウスで

(毎日新聞 2007年8月29日)

左右の神経の混線を防ぐ仕組みを、
理化学研究所の岩里琢治・副チームリーダーらが突き止めた。

神経細胞の先端部分のたんぱく質が、
運動機能をつかさどる脊椎内で逆方向への延伸を食い止めていた。
両手が一緒に動いてしまう先天性疾患の原因解明や
再生医療研究に役立つという。

左右の足を一緒に動かし、ウサギのように跳びはねて歩く
突然変異マウスを偶然見つけ、「ミッフィー」と名付けた。

通常、マウスやヒトは左半身の動きを右側の脳、右半身を左側の脳が制御。
左右の大脳皮質から伸びた神経は、脊椎の手前で交差し、
左右反対側に伸びて筋肉を動かす末梢神経とつながっている。

脊椎内は、「正中線」という境界線で左右に区切られており、
境界線には神経の「進入禁止」標識の役割を果たす膜たんぱく質がある。
神経細胞の先端が正中線にぶつかると、神経は境界線を越えない仕組み。

しかし、「ミッフィー」を調べると、
脊椎内の神経の多くが左右の境界線を越えて混線していた。
遺伝子解析の結果、「αキメリン」というたんぱく質をつくる遺伝子が壊れていた。
研究チームは、αキメリンが境界線を越えて神経が伸びないようにする
役割を果たしていることを、培養細胞などの実験で明らかに。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070829ddm016040038000c.html

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神経がなぜ左右に分かれ、しかも混線せずに整列されているのか?
そのカギが見つかりましたね。
マウスでは、遺伝子疾患として認められましたが、
人でもこのような混線した状態、疾患は見られるのでしょうか?
神経系の発生、修復に関する知見は、
再生医学にとっても必要な情報です。
私は昔、よくウサギのように飛び跳ねていたものです。
頭の中もよく混線しますが・・・。

2007年8月29日水曜日

アメフット:関学大がNFLと提携し選手育成

(毎日新聞 2007年8月24日)


関学大アメリカンフットボール部は、
米国プロフットボールリーグ(NFL)と提携し、
「NFL選手育成プログラム」を実施すると発表。
既に立命大、日大が同様の提携を結んでおり、国内では3校目。

将来の日本人NFL選手を育てるのが目的で、
将来性の高い同部所属の学生4人を選び、
NFLコーチのクリニックや英語の専門講義を受ける。
今年度から実施。

http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/feature/news/20070825k0000m050037000c.html


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これはいいニュースですね。
日本のアメフトのレベルを上げるには、NFLと提携するのがいい。
レベルの高い練習、試合をしなければ、強くはなれない。
国際経験を積めるというのも、学生にとって貴重な財産に。
サッカーでは、プロチームと学生チームの交流が盛んです。

しかし、野球ではいまだにプロとアマの交流を阻む壁がありますね。
国内外問わず、プロ・アマ問わず、
交流する機会を多く作るための環境を整えることが、
協会トップがすべき本来の仕事だと思いますが・・・。

2007年8月28日火曜日

こんな目覚めはしたくない! 進化しすぎてるアラーム・クロック


(ミセス・マキの“アメリカ家電”そりゃナイス! 8月9日)
最近の目覚まし時計は、いろいろなアイデア商品が出ています。
追いかけて止めなければならない逃げ回る時計や、
部屋の中を飛行するプロペラをキャッチしないと鳴りやまない、というものまで……。

ベッド脇のテーブルに置いても、高さ1メートルまでなら壊れることなく、
ジャンプして床を逃げ回ることが可能なんだそう。
部屋中をあっちこっち行きながら、またアラームを鳴らします。
なんと、3メートル上空まで飛行することができるそう。
アラーム音を止めるただひとつの方法は、
このプロペラを捕まえて時計本体に戻すことなのです。

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こんな目覚まし時計があったら、
朝っぱらから格闘しなければなりませんね。
健康にいいかも??
逆にストレスがたまってしまいそうですが・・・。
ちなみに、私は寝起きがいいので、
目覚ましが鳴ればすぐに起きます。
その後、また寝ちゃいますが・・・。

大畑、左アキレスけん断裂=W杯絶望-ラグビー

(時事通信 8月26日)

ラグビー日本代表のWTB大畑大介(神戸製鋼)が25日、
イタリア・トレビゾで行われたポルトガル代表との調整試合で
左アキレスけん断裂の大けがを負い、
9月7日に開幕するワールドカップ(W杯)の出場は絶望となった。

大畑は、1月に右アキレスけんを断裂したが、順調な回復を見せ、
7月から日本代表に復帰していた。
大畑は、テストマッチで世界最多の通算69トライを記録したトライゲッター。
W杯は、1999年大会と2003年大会に連続出場。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070826-00000012-jij-spo

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いや~、このニュースは残念です。
大畑選手は、今の日本代表のなかでも唯一の花形選手。
ラグビーのワールドカップが9月に始まるというのに、
日本のマスコミはまったくといっていいほど取り上げない。
だから、せめて大畑選手がいて活躍してくれれば、
また彼の持つ世界最多のトライ数を更新してくれれば、
少しでも注目されることになるのでは、と思っていたが・・・。
選手にケガは付きもの、とはいえ直前でのリタイアは残念です。

ま、残りの選手たちが発奮して、
初戦のオーストラリア戦に健闘して、
フィージー、カナダに勝って、
ウェールズにはまぐれでも奇跡でもいいから勝って、
決勝トーナメントに進んでほしいです!!!

2007年8月27日月曜日

文科省:概算要求方針固める 3年で小中教員2万1千人増

(毎日新聞 2007年8月23日)

文部科学省は、来年度から3年間で、
小中学校の教職員を約2万1000人増員する人事計画をまとめた。
教職員の待遇改善が狙いで、
初年度は管理職を補佐する主幹教諭の配置など計約7100人を要求。

教職員の人件費にあたる「義務教育費国庫負担金」は、
対前年度比298億円増の1兆6957億円を要求。

安倍晋三首相は、教育再生を政権の最重要課題に掲げ、
同省の教育再生関連予算は安倍政権の目玉予算に。
行政改革推進法で教員の定数減を求められている中で、
参院選で敗北して求心力を失いつつある安倍首相が、
教員増を盛り込む教育予算を実現できるかが注目。

同省は新年度予算の概算要求で、
「子どもと向き合う時間の拡充および教員の適切な処遇」として、
義務教育費国庫負担金のほか、非常勤講師の配置(77億円)や
事務作業の外部委託(205億円)の新規事業も盛り込む。

義務教育費国庫負担金の内訳は、
▽主幹教諭や事務職員の配置(167億円)
▽メリハリある教員給与体系の実現(89億円)など。

約7100人の増員計画は、主幹教諭(約3600人)、
▽習熟度別少人数指導の充実(約1900人)
▽事務負担の軽減(485人)
▽栄養教諭(約150人)など。

文科省によると、小中学校の教員数は現在、約70万人。
伊吹文明文科相はこれまで、「教師が多忙であることは
(国会の)各公聴会、参考人の話でも出ている。
これをどう緩和してあげるかだ」などと
教職員の待遇改善の必要性を強調。

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20070823k0000m010144000c.html

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教師が多忙である、ということはよく聞く話です。
でも、それは学習面以外のところに時間を割かれているからでは。
特に、生活指導と部活動の負担が大きい。
いじめによる自殺や夜遊びする生徒がいるので、
生活指導はある程度必要。
しかし、教師だけで解決できる問題ではない。
もっと学校をオープンにして、
地域の人たちと協力し合う体制を整えることが大事。
なぜなら、生徒の生活領域は地域内がほとんどなのだから。
部活動も、ほぼ毎日練習するような部もある。
これでは、生徒も先生も新たな知識を得ようという活力が生まれない。
教員数、予算を増やすのはいいが、
教育現場をもっと分析し、解決策を明確に示すことが大事。
本来、これは教育委員会の仕事のはずだが・・・。

2007年8月26日日曜日

がん抑制遺伝子p53:がん細胞殺す“スイッチ” たんぱく質特定

(毎日新聞 2007年8月24日)

がん抑制遺伝子の一つ「p53」が、
異常をきたした細胞を自殺に導く際に不可欠なたんぱく質を、
千葉大医学部や大鵬薬品工業などの研究チームが特定。

肺がんや大腸がんなど約半数の種類のがんで、
p53が正常に働いていないことが分かっている。
このたんぱく質の機能を詳しく調べれば、正常な細胞には影響を与えず、
がん細胞だけを自殺させる新薬の開発につながる可能性が。
がん発症のメカニズムの解明にもつながる成果に。

p53は、人間のあらゆる細胞にあるが、通常はあまり働かず眠った状態。
DNAが損傷を受けると細胞に異常が起きるが、
その細胞ではp53が活性化され、細胞を自殺に導く指令を出したり、
増殖を止めて損傷修復の時間をかせぐなど、
異常な細胞が増えるのを防いでいる。
しかし、正常に働かない場合がある理由は、謎???

田中知明・千葉大助教(分子腫瘍学)らは、
細胞の中で遺伝子が働く際、DNAと特定のたんぱく質が
「クロマチン」と呼ばれる複合体を作ることに着目。
肺がん細胞のクロマチンを分析し、p53と結合する分子を調べた結果、
CSE1」というたんぱく質を発見。

肺がん、大腸がん、乳がんの細胞を使った実験で、
p53とCSE1が結合しないと細胞の自殺が起こらないことを確認。
「CSE1は、細胞の生死を左右するスイッチ的な役割を持つたんぱく質。
新しいタイプの薬の開発につながる可能性がある」。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070824dde001040051000c.html

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p53の役割はある程度分かっていましたが、
アポトーシス(細胞の自殺)を起こすには、CSE1と結合する必要がある。
アポトーシスのメカニズムはまだまだ分かっていません。
がん化を防ぐためには、
アポトーシスを起こして異常な細胞を除去させる必要があります。
アポトーシスのオン・オフを制御することができれば、
がん治療に効果的かもしれませんね。
私の場合は、おなかに蓄積した脂肪が
アポトーシスを起こしてくれるとうれしいですね?!

2007年8月24日金曜日

国際情報五輪:三重の高3・片岡さん、2年連続金メダル

(毎日新聞 2007年8月22日)

クロアチアで開かれた国際情報オリンピックで、
三重県の高田高3年、片岡俊基さんが2年連続で金メダルを受賞。
片岡さんは、今年7月に開かれた国際数学オリンピックでも金メダルを獲得。

このほか、灘高3年、吉田雄紀さんが銀メダル、
筑波大付属駒場高2年、松元叡一さんが銅メダルを獲得。
大会は今月15~22日に開かれ、77カ国から高校生など285人が参加。
コンピューターを使ったプログラム作成能力などを競った。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20070823k0000m040089000c.html

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これは素晴らしい偉業ですね!!
スポーツではなく、学術レベルを競うオリンピック。
別に国別対抗というわけではないが、
やはり日本人が好成績を収めるとうれしいですね。
高校生が、このような競技会にもっと参加してほしいです。
受験勉強では、学問の面白さを十分に味わうことはできないから。
まあ、私の場合は競技会に参加する以前のレベルですがね?!

岩手、県を挙げて自殺防止 自殺率全国2位

(毎日 2007年8月12日)

06年の県内自殺率は、34・2人(対人口10万人)で
秋田に次いで全国2位。
9月は「自殺防止月間」でもあり、関係者の自殺対策の取り組みにも力が入る。

自殺率が高い久慈地域では今年度、久慈地方振興局が
「こころのヘルスアップサポーター」(仮称)を250人養成。
地域でうつの知識を身に着け、うつ症状に悩む人の存在に気付き、
適切な相談窓口などにつなぐのが目的。

養成の対象は、地域の事情に詳しい民生児童委員や保健推進員。
管内各市町村の保健師が講師となり、うつについての養成講座を開く。
うつの疑いに気付いたサポーターは、市町村の保健師に連絡し、
治療が必要な場合は専門医の診察などにつなげていくという。
また療養中の場合は見守り、地域で孤立しない環境をつくる。

県は昨年、官民の関係団体で構成する県自殺予防対策推進協議会を設置。
各分野で取り組む具体的な行動計画を、
自殺対策アクションプランにまとめた。
今年度は、全保健所に自殺対策専用の相談窓口を設置する方針。

また、自殺率の高い久慈や二戸のほか、北上、一関の4保健所管内で
住民検診などの際に、質問表でうつ状態をチェックする
「うつスクリーニング」を実施する予定。

自殺防止月間は、政府の自殺予防週間(9月10-16日)に合わせて
県が独自に設定したもの。
うつや自殺について考えるフォーラムを、
9月30日午前10時から盛岡市の岩手教育会館大ホールで開く。

奥州市の市民劇団、「演劇集団 空想工房」が
自殺を考える男性を描いた「星のしずく」を上演するほか、
自殺で家族を失った遺族らによるパネルディスカッション、
どこでも誰でもできる話の聞き方などの実践報告などを行う。

県障害保健福祉課の朽木正彦療育精神担当課長は、
「遺族は、『自殺で死んだ』と周囲に言えない。
周囲もどう声をかけていいか分からない。
どんな思いでいるのかをまずみんなが知る必要がある」。

社会福祉法人「盛岡いのちの電話」が、
相談の電話を受けるボランティアを募集。
盛岡いのちの電話は、91年1月に開局。
年中無休で、正午~午後9時(日曜日は午後6時まで)電話を受け付け。
件数は、開局後から毎年増加し、
97年は4853件だったが、06年は1万135件と倍増。
現在約70人のボランティアが3時間交代で、電話を受けているが、
一人当たりの負担がかなり大きくなっていることなどから募集。
 
応募者には、9月7日~11月24日までの全11回の
公開講座や体験学習などの研修を受けた後、ボランティアとして活動。
公開講座の受講料は全部で1万円。
場所は、主に盛岡市本町通の岩手カトリックセンター。
原則23-60歳くらいの男女40人を募集。
ボランティアを希望していなくても、1講座1000円で誰でも参加可。
問い合わせ 019・652・4162。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52279

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自殺は、一人の人生が単に終わった、ということではない。
家族や親友、その人に関わったすべての人に衝撃を与え、喪失感を与える。
事故や病気で亡くなった場合には、
その人の人生について、いのちについてしみじみと考え、感じることができる。
でも自殺の場合は、その人の人生がつまらないものに。
すべてが虚しく感じてしまいます。
生きたいと思っても、生きつづけることができない人は世界中にたくさんいます。
自分勝手な思い込みで死に逃げるのではなく、
社会に貢献して自分の人生を豊かにすることを考えてほしいです。

2007年8月23日木曜日

体内時計の鍵となる新たな遺伝子を発見!

(nature asia-pacific、西村尚子サイエンスライター)

理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター システムバイオロジー研究チーム 
上田泰己チームリーダー(TL)

徹夜や時差のある国への旅行によって、
1日の生活リズムが大きく狂ってしまうのは、
私たちの体内に24時間周期でリズムを刻む時計があるから。

体内時計は、「時計遺伝子」と総称される複数の遺伝子によって
機能すると考えられているが、
上田TLらのグループは、ショウジョウバエを使って、
その鍵となりうる新たな遺伝子を発見。

体内時計は、バクテリアからショウジョウバエ、マウス、ヒトに至るまで
多くの生物種にあり、24時間周期の生体リズムを作り出している。
ヒトでは、睡眠や覚醒などに関与し、さまざまな生理機能に影響を与えている。
これまでに、ほ乳類では約20の時計遺伝子候補が同定され、
そのうち朝、昼、晩にそれぞれ発現する3つの遺伝子のある配列(制御配列)が
体内時計の中核を担っているとの説が有力。

上田TLらは、ショウジョウバエの頭部において
24時間周期のリズムで発現している遺伝子を200個突き止め、
そのうち137遺伝子についての変異体を作り出した。
次に、RNAi技術(in vivo RNAi)を用いて、
脳内の時計組織(24時間周期を制御する神経細胞群)における
それぞれの遺伝子の発現を抑制して解析したところ、
5つの遺伝子が時計遺伝子の候補に。
そのなかで、体内時計への影響が最も大きかったcwo遺伝子
「チップ・オン・チップ」を用いて解析した結果、
この遺伝子が自分自身や他の時計遺伝子を制御していることが明らかに。

cwo遺伝子の「cwo」は、「Clockwork Orange(時計じかけのオレンジ)」の略。
この遺伝子に、「オレンジドメイン」とよばれる配列が含まれていたことから、
アンソニー・バージェスによる原作をスタンリー・キュービックが監督した
『時計じかけのオレンジ』という映画にちなんで、
遺伝子にも同じ名前が付けられたという。

「cwo遺伝子は、ヒト体内時計に関与するDec1、Dec2、Hes5遺伝子と似た配列。
ほ乳類のDec1、Dec2遺伝子は、体内時計の中枢(視交差上核)で
約24時間ごとに発現し、時計遺伝子の転写を抑制する」と上田TL。

体内時計の研究の歴史は古く、始まりは植物の概日リズムの認識。
1960年代には、体内時計の特徴が生理学的な実験で定量的に測定。
1980年代に入ると、分子生物学的な手法によって
体内時計システムを構成するさまざまな分子を明らかに。

「現在は、これまでの成果から定量的な性質をボトムアップに理解し、
体内時計システムの設計原理を分子レベルで解明する段階」。
cwo遺伝子の発見は、その重要な鍵に。

ハエは、「活発に活動する時間帯」と「あまり活動しない時間帯」が
周期的に現れる行動リズムをもつが、
cwo遺伝子の変異体ショウジョウバエでは、
24時間周期が約26時間に伸びたり、周期性が完全になくなったりした。
ヒトでも、体内時計の乱れによると思われるリズム障害が報告。
「cwo遺伝子に相当するヒトの遺伝子が、
リズム障害の診断や治療標的の候補にもなりうる」。

23億年程前に誕生したとされるシアノバクテリアにも体内時計があり、
体内時計の起源はきわめて古い。
「生命は、約24時間周期の地球の自転サイクルに影響を受けて、
進化の過程で体内時計を獲得したのだろう。
動物、シアノバクテリア、植物のそれぞれの体内時計をつくるために
機能する遺伝子群はそれぞれ異なっている。
おそらく、進化の過程で何度も、新たな時計が発明されたのだろう」。

ヒトは夜になるとなぜ眠くなるのか?
誰もが抱く素朴な疑問に答えが見つかる日は遠くないようだ。

http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=39

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体内時計の研究は、とても興味深いですね。
人間の生活リズムが徐々に夜型に変わりつつあります。
生物学的な生活リズムと、社会学的な生活リズムに
「ずれ」が生じています。
果たして、この「ずれ」はたいした問題ではないのか、
それとも深刻な問題となるのか?
そういう問題提起の意味でも、健康を考えるためにも、
このような研究で多くの知見を生み出してほしいです。
ちなみに、私は欧米に行った時に時差ぼけにはなりません。
生活リズムが合うようです。
日本での生活リズムが崩れているせいですが・・・

2007年8月19日日曜日

奥州市、医学生奨学金創設へ 応募者確保に不安も

(毎日新聞社 2007年8月17日)

深刻な医師不足に手を打とうと、奥州市は総合水沢病院など
市立医療機関で将来働いてくれる医学生に奨学金を支給する
独自の制度を設けることを決めた。


04年度に県が「市町村医師養成就学制度」を創設した後に、
市町村が独自に医学生の奨学金制度を作るのは初めて。

一方、県の奨学金制度も定員割れが起きており、
制度を設けても奨学生を集めるのは容易ではないとの指摘も。
 
総合水沢病院(水沢区)やまごころ病院(胆沢区)で、
将来医師として働く意思がある医学部生に月20万円の奨学金を支給。
奨学金を受け取った年数だけこれらの医療機関で働いてもらい、
別の病院で働く場合は奨学金は返してもらう。

私立大医学部の入学時には、一時金760万円を支給。
一時金は、就労義務3年分と計算する。
一時金も含め、医学部6年間全額支給を受けると、
支給額は1人2200万円。

奥州市の小野寺孝喜・健康福祉部長は、
「総合水沢病院に1人医師が増えると、
医業収入は最大で年間1億5000万円増が見込める。
医師養成にかける費用として十分見合う」。

同病院は、00年に医師が26人いたが、現在は15人。
「産科を目指す奨学生が現れれば、
将来は総合水沢病院に産科を復活することもありうる」。

しかし、奨学金を創設しても応募があるかは別だ。
県には、医学生向け奨学金制度が3種あり、
定員は計25人だが、今年の受給生は18人だけ。
特に市町村医師養成就学制度は、10人募集に対し、受給生は4人。


県医療国保課の金田学・医療担当課長は、
「病院の規模や臨床例の豊富さで、医学生は働く病院を選ぶ傾向にあり、
それに合った奨学制度を選ぶ。
県も、来年度から奨学生の枠を25人から45人に増やすので、
奨学制度のかち合いもあり、厳しいものもあるのではないか」。


http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52615

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医師不足となったそもそもの原因は、
医学部の定員を減らしたことと、医師の権限丸抱えがある。
医療の細分化、専門化が進んだために、
相対的に医師の数が不足してしまった(特に、小児科、産婦人科)。
また、看護師や薬剤師など他のスタッフにも可能な
医療行為(カウンセリング含め)を、まだ医師だけで行っている。
医師の仕事量はますます増えています。
奨学金を給付することも大事ですが、
医療環境を整えることが根本的な解決になると思います。

2007年8月18日土曜日

やっぱりマスク必要 北京五輪の大気汚染対策

(共同通信社 2007年8月15日)

外出の際はマスクを-。
来年の北京五輪に向け大気汚染が心配されている中、
日本オリンピック委員会(JOC)情報医科学委員会は、
北京市内の約10カ所で汚染物質の濃度などを測定。
杉田正明委員は、「汚染は明らかで無視できない。
しっかりした対策が必要」と注意を呼びかけた。

計測したのは、粉じんや二酸化炭素(CO2)など約10項目。
場所や物質によっては、日本の3倍近く数値が悪いものも。
それでも計器にマスクをかぶせたところ、
「確実に(汚染物質を防ぐ)効果があった」(杉田委員)とし、
外出の際のマスク着用や、汚染源となる車の交通量が少ない時間帯を選んで
練習するなどの対策が必要とした。

杉田委員は、「大気汚染は慣れることは不可能。
10分程度外にいただけでも目や鼻、のどに影響が出るケースもある」。
北京五輪組織委員会は、「マスクなどは全く必要ない」としているが、
杉田委員は、「マスクやうがい薬などをセットにした"北京キット"を
選手団に用意することも考えたい」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52445

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中国の大気汚染は、とても深刻です。
気管を一度おかしくすると、治るまでに長い時間必要な場合も。
喘息や気管支炎を発症してしまう場合もあります。
選手のコンディションを整えるには、
しっかりとした対策をとることが第一です。
中国の環境問題は、オリンピックにも大きく影響していますね。

2007年8月17日金曜日

コーンバーグ親子:2代でノーベル賞…あふれる好奇心、大発見生む

(毎日新聞 2007年8月8日)

独創的な研究とは何か?才能を育てる秘訣とは--。

東京大で開かれたシンポジウムで、
2代でノーベル賞を受賞した米のコーンバーグ親子、
父親のアーサー(89)と長男ロジャー(60)、次男トム(58)の3氏が、
これまでの研究成果を振り返り、科学への情熱や信念を語った。

今も現役でポリリン酸について研究するアーサー氏は、
自身の業績や建築家の三男ケン氏を含む息子たちの経歴を紹介し、
「社会の緊急的な課題を解決するような大きな発見は、
自然の不思議を知りたいという好奇心から生まれるものだ。
産業的な価値が生じるのは偶然にすぎない。
その研究に実用性があることを条件に研究費を提供するのは、
間違いであり、ナンセンスだ」。

ロジャー氏も、「人生で何かを発見するということは、ぞくぞくするような体験」。

質疑応答では、家庭環境や子育てに関する質問が相次いだ。
アーサー氏は、「一度として子どもたちに科学を押しつけようとは思わなかった。
ただ、自分の仕事を認めてほしいとは願っていた。
私がちょうどやりたいと思っていた分野の研究を、
子どもたちがやってくれたときは、本当にうれしかった。
子どもがやることを尊敬し、尊重することが大事だ」。

一方、家族の「お茶の間での会話」を聞かれたロジャー氏は、
「科学の話はあまりしない。皆さんの家族とどこも違いませんよ」。

「父親が偉大であることのプレッシャー」について、
「全く感じなかった。ただ、(研究上の)問題を解決したいという気持ちや、
これでいいのだろうかという不安はあった」。

トム氏は、「3人は研究について互いに影響し合っているか」という問いに
「科学が素晴らしいのは、自分で方法を決められるところ。
非常に個性的かつ創造的な仕事だ。
兄のやり方を見て意見も聞くが、私とはかなり異なる」。

==============
■コーンバーグ親子の略歴(敬称略)

◇父アーサー

59年にDNA合成酵素の発見でノーベル医学生理学賞受賞。
早石修・京都大名誉教授ら、著名な日本人研究者を育てた。
米スタンフォード大名誉教授

◇長男ロジャー

DNAに刻まれた遺伝情報の転写やたんぱく質合成の研究で昨年、
ノーベル化学賞受賞。親子での受賞は史上7組目。
同大教授

◇次男トム

ジュリアード音楽院でチェロの演奏家を目指した後、研究者に転身。
発生生物学などの分野で業績をあげる。
米カリフォルニア大サンフランシスコ校教授

◇三男ケン

研究所専門の建築家。世界各地の研究施設を手がける。
日本では沖縄科学技術大学院大学(仮称)のデザインを担当

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070808ddm016040020000c.html

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親子でノーベル賞受賞、という素晴しい業績をあげたコーンバーグ親子。
少なからず親の影響を子は受けるもの。
きっかけは家庭環境にあるが、
その種を果実として結実させたのは本人の努力が大きい。
私も両親の影響を受けて、今の道に進んでいることは確か。
必ずしも順調ではないですが・・・。
あとは私自身の努力によって、どんな花を、果実をつけるか??
自分なりの花を咲かせたいですねえ~。

2007年8月16日木曜日

糖尿病・代謝症候群センター(仮称)創設に意欲 国立国際医療センター・笹月総長

(じほう 2007年8月8日)

国立国際医療センター(IMCJ)の笹月健彦総長は、
厚生労働省の「糖尿病等の生活習慣病対策の推進に関する検討会」で、
IMCJ内に、「糖尿病・代謝症候群センター(仮称)」を創設予定。
2008年度の厚労省予算の概算要求に盛り込むよう要請するという。

また厚労省は、4つの国立の専門機関が生活習慣病対策の拠点としての
役割を担うなどの論点案を示した。

厚労省が提示した論点案では、
個人の特徴に応じた予防・治療(テーラーメード予防・治療)の研究開発と普及を
行うための拠点づくりが求められると指摘。

具体的には、各地域の生活習慣病対策を支援するために、
国立国際医療センター、国立循環器病センター、国立保健医療科学院、
国立健康・栄養研究所が一体となり、生活習慣病対策の拠点を担う。


笹月総長は、IMCJ内に設置した
「国立国際医療センターのミッションに関する検討委員会」が
今年6月にまとめた中間報告を報告。

国の糖尿病対策の拠点となり、医師の研修などを行う
「糖尿病・代謝症候群センター(仮称)」の創設を提言。


笹月総長は、「センターをバックに総合病院をサポートしていくのがわれわれの希望だ」
と、センター創設に意欲をみせた。


糖尿病対策の拠点を担うため、糖尿病・代謝症候群センターの設置を
08年度概算要求に盛り込むよう求めていくという。

構想では、「診療部門」「情報提供・研修部門」「臨床開発研究部門」の設置を検討。
このうち情報提供・研修部門では、
専門家向けに診療情報を発信する機能に加え、
地域の中核病院で診療を行っている医師に対する研修を行いたい意向。


IMCJは08年度のセンター創設を視野に、今年10月にはIMCJ内にある
「内分泌代謝科」を格上げして、「糖尿病・代謝診療部」を設置し準備を進める。
まずIMCJ内で糖尿病診療の質を高めることや、
医師への効果的な研修方法の研究を行うという。

一方、厚労省の論点案では、糖尿病対策の各地域での推進方策として、
日本医師会と日本糖尿病学会、日本糖尿病協会で組織する
「日本糖尿病対策推進会議」を活用することが有効と提案。

各地域の専門機関だけで診療を行うよりも、
初期診療から専門的な診療まで数多くの医療機関での対応が必要。
推進会議の活用は、政府の新健康フロンティア戦略や、
08年4月からスタートする新たな医療計画の作成指針にも明記。


http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52014


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このような組織の創設はとても大事です。
糖尿病に関するあらゆる情報をいかに活用するか、
そのためにも情報を収集し、有効な情報を共有することが大切。
そこから、糖尿病に対するさまざまな対策、治療法や予防法を
広く示すことが可能に。
「質の高い」医療を目指すためにも、ぜひ活用されて欲しいです。

2007年8月15日水曜日

エタノール:増産目指し、稲わら原料に実証試験 農水省

(毎日新聞 2007年8月9日)


農林水産省は、食料生産と競合しない形でのバイオエタノール増産を目指し、
稲わらを原料に使った実証試験に着手。
08年度予算の概算要求に30億円程度を盛り込む。


稲わらなど草本系セルロース(繊維質)でのバイオエタノール製造としては
「世界に先駆けた試み」(環境バイオマス政策課)と位置づけ。

実用化されているバイオエタノール生産は、
原料のほとんどがトウモロコシ、サトウキビなど植物の食べられる部分。
米国やブラジルのエタノール増産で食料供給に悪影響が出始めたことから、
草本系、木質系のセルロースなど食用でない原料を使う技術が注目。

セルロースからエタノールを作るには、
いったん糖に分解しなければならないため、
トウモロコシなどに比べ技術的に難しいとされる。
各国で開発競争が起きており、国内ではホンダなどが微生物を使って
稲わらを効率的にエタノールに変える技術を開発。

同省の実証実験は、こうした実験レベルの成果を一歩進め、実用化に近づける。
公募などで全国数カ所をモデル地域に設定し、
稲わらの収集からエタノール生産、自動車での利用まで一貫した技術の確立を目指す。
製造コストも検証する。
稲わらは飼料などとして3割程度しか利用されていないことから、
エタノール原料として有効活用を図る。

2030年までに、年600万キロリットルの国産バイオ燃料を生産するとした
同省の目標に対しては、食料生産への影響を懸念する声も。
食料に頼らない技術を実証することで懸念を払拭し、
日本型の増産構想をアピールしたい考え。

同省が主導した政府の「工程表」では、大半を稲わら、木材など
新しい原料でまかなうとしている。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070809k0000m020142000c.html


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バイオ燃料の開発は、日本にとって非常に重要です。
もちろん、すぐに化石燃料に取って代わる訳ではないですが、
太陽光はじめ、さまざまなエネルギーを用いることが可能であれば、
たとえ原油の価格が高騰したとしても、
生活環境に与える影響を最小限にすることができます。
さらに、稲を原料にできれば、
今の減反政策などによる農業の衰退を改善させる一つのきっかけに。
日本のバイオ技術は、世界一です。
この技術力を生かして、エネルギー対策を解決してほしいです。

2007年8月13日月曜日

サンゴ:海水温上昇で大規模「白化」 大量死の恐れ--沖縄・石垣島

(毎日 8月10日)

北半球で最大・最古のアオサンゴなど、
世界でも貴重なサンゴ礁が広がる沖縄県・石垣島の白保海域で、
大規模なサンゴの白化現象が起きていることが、
世界自然保護基金(WWF)サンゴ礁保護研究センターの調査で分かった。

7月の海水温が高かったことなどが原因で、このまま高水温が続けば、
白保周辺でサンゴの大量死が起きた98年の被害を上回る恐れが強いという。

白化は、サンゴと共生している藻類の褐虫藻が逃げ出し、
サンゴが白っぽく見える現象で、海水温が高まると起きやすい。
長期間続くと、サンゴは褐虫藻が光合成で作り出した栄養分を
得られなくなり、死んでしまう。

同センターが、白保の28地点を潜水調査し、
ほぼ全域でサンゴの白化を確認。
白化は、ミドリイシで90%以上、キクメイシやコモンサンゴで50~70%など、
この海域のサンゴ約120種のほぼすべてで起きていた。
今年7月は、海水温が30度以上を記録した積算時間が415時間と
例年の4倍以上で、白化が広がったらしい。

東京大の茅根創准教授(サンゴ礁学)は、
「98年は、白保のサンゴの半数以上が死んだ。
今回は、当時は影響の出なかったアオサンゴの白化も進んでおり、
98年の被害を上回る可能性が高い」。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070810ddm012040091000c.html

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温暖化の象徴的なニュースですね。
このような事態が続けば、いずれ沖縄にサンゴが消えてしまうでしょう。
陸上だけでなく、海洋にまで温暖化の影響が見られるのであれば、
いずれ日本全体が熱帯性、亜熱帯性に属するようになります。
生態系が大きく変わることで、私たちの生活様式にも大きく影響されます。
状況を把握しつつ、短期的、長期的な対策をとる必要があります。
環境が一度変わってしまえば、再び戻るには多くの年月が必要となります。
国際的な取り組みとして、日本がリーダーシップを発揮することを期待します。

ファンタジー小説「虹色ほたる」1万部突破!!

(東海新報 8月12日)

大船渡市大船渡町の川口雅幸さん(35)のファンタジー小説
「虹色ほたる~最後の夏休み~」(アルファポリス社)が、
全国的に人気が広がり、大手書店などでも大量陳列して推薦するなど、
注目を集めている。

先月三十日の発売開始後、十日間で発行一万部を突破。
現在までにすでに四回増刷。
自然と人々の優しさ、温かさなどがふんだんに描かれており、
多数の読者から「感動した」の声が次々と寄せられるなど、大反響。
川口さんは、「多くの人に読んでもらい、“あのころ”を思い起こしてほしい」。

川口さんは、時計や宝飾、メガネを取り扱う(株)時光堂の店長。
数年前に仲間同士のインターネット掲示板に、
連載の物語を書き始めたところ、これが大好評。
夢を大きく掲げて自身の小説系ホームページを平成17年に立ち上げ、
二作品目となる「虹色ほたる」の連載を開始。
16カ月間、連載を続け、翌年秋に完結。
主人公は、父を交通事故で亡くした小学六年生の男の子。

書き終えた時点で「本にしたい」と意欲がわき、
ア社が運営するサイト「ドリームブッククラブ」に縮小版にして投稿。
ネット読者が評価し、ポイント制で“採点”するもので、
人気が高ければ出版につながる。
「虹色…」は多くの注目を集め、次々とポイントを獲得。

ネット読者から「“今を生きる”ことを、もう諦めたりしません」(入院中の少女)、
「懐かしく愛おしい。あのころに帰りたい」(30歳代男性)など大好評。
同社が着目し、「是非、出版したい」との打診があり、昨年冬に出版が決まった。

大手書店なども注目。
このうち、推薦した本がベストセラーになるなど東京都内の大手書店の
“カリスマ店員”と呼ばれる人たちが、「虹色…」を発売前から推薦。
大量に注文し、一冊ごとに手書きの推薦文を入れて山積みで陳列するほど。

関西の大手書店では「虹色ほたるフェア」も企画し、
関東方面でもPR活動が行われるなど、全国的な広がりに。
本県でもラジオ放送などで取り上げられる予定。

ア社では、「描かれている美しい日本の自然風景は、
著者が生まれ育った岩手の風景が大きく影響」とし、
「この夏一押しの作品」とアピール。

「小さいころの思い出を基本に、次々とイメージがわき、
自分自身も入り込んで書いた物語」と川口さん。
全国的な広がりに喜びの表情を見せながら、
「夢はアニメ化や映画化。地域の活性化にも」。

http://www.tohkaishimpo.com/

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彼の作品がこんなにも反響があるとは!!
友だちとして、とっても嬉しいです。
いろんな人たちに読んでもらいたいですね。
めざせ、○○賞?!

2007年8月12日日曜日

戦争、スポーツで技術革新 転ばない義足、米軍が支給

(共同通信社 2007年8月6日)


「光が見える-再生への助走」「人工ボディー」<2>

義肢は、戦争とともに発達した。
曲がるひざや足首、物をつかめる手...。
近年は、パラリンピックをきっかけに障害者スポーツが普及し、
全力で走れる義足など特殊な義肢も広まっている。

義肢を必要とする理由はさまざま。
先天的な障害や事故に加え、海外では地雷を踏んで足を失う人が後を絶たない。
作業のオートメーション化が進み労働災害は減ったが、
糖尿病による手足の切断は増えている。

労災保険や障害者手帳など国の支援で、義肢購入の金銭負担は少ない。
残存部の筋肉の微電流を感知して物を握れる義手や、
負担を減らすため歩き方の癖を記憶するコンピューター付きの脚のほか、
シリコーンで密着性を高めてずれにくい義足も保険の範囲内。
一方、厚労省の認可を得ていない最新鋭の義肢や装飾用は、全額自己負担。


米軍がイラク戦争で足を失った兵士に支給した
ドイツ・オットーボック社製のマイクロプロセッサー付きひざ関節は、1つ約250万円するが、
よろめくとセンサーが感知して、油圧で転倒を防ぐよう自動的に動くという。

残存機能や状況によるが、できないことはないとされる義肢。
現在、唯一難しいのが交互に階段を上る機能という。
体に義肢を埋め込んで元通りに動けるようになる日も遠くないかもしれない。


http://www.m3.com/news/news.jsp?articleLang=ja&articleId=51888&categoryId=&sourceType=GENERAL


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私たちの身体は、いつ、いかなる時に失われるかは分かりません。
でも、このような技術が発達することで、
せめて日常生活に支障なく過ごせることがでるならば、
活動の領域が狭まることによるストレス、喪失感は軽減されます。
それにしても、どんなに科学が発達しても、
身体のような動きをするものを創りあげることは難しいですね。

本 「虹色ほたる~永遠の夏休み~」


これは、なかなか面白いですよ!!

小学6年生といえば、
子供の純真な想いとちょっと背伸びをしたくなる気持ちが入り混じって、
ついはしゃぎすぎたり、すぐに傷ついたり、うまく気持ちを伝えられなかったりする。
とっても多感な時ですね。

主人公のユウタが、友だちのケンゾーや妹分のさえと一緒に行動することで、
変わり行くふるさとに対する思いを深めています。

ホタルがとても象徴的ですね。

楽しい夏休みはあっという間に過ぎ去っていくし、
仲良くなった友だちともいずれ別れなければならない。
一期一会、ということばがピッタリですね。

だからこそ、今のこの時間を大切にする、光輝こうとする。
とても気に入りました。

ちなみに、著者の川口雅幸氏は私の旧友です。
面白くて、人と違ったことが好きで、ちょっとだけ(?)誠実なヤツです。
今後、もっともっと作品を出し続けて欲しいですね。

2007年8月11日土曜日

ブルーコーンのトルティーヤは健康によい

(WebMD 7月30日)


タコス店のトルティーヤが、少しカラフルになるかもしれない。

タコスの皮やトルティーヤチップスに含まれる栄養成分に注目すると、
ブルーコーン(粒が青いトウモロコシ)が最も優れることを示すという。

トルティーヤの本場であるメキシコの研究者らは、
ブルーコーンのトルティーヤにはホワイトコーン(粒が白いトウモロコシ)の
トルティーヤよりも蛋白質が20%多く含まれることを明らかに。
また、ブルーコーンのトルティーヤは澱粉が少なく、glycemic index(GI)も低いため、
食事療法中の人や糖尿病患者にとって朗報であると考えられる。

GIが低い食品の場合、糖質が血液中に取り込まれるスピードが遅く、
安定したエネルギー源となるため、より健康的であると考えられる。

一方、GIが高い食品に含まれる糖質は、血糖値およびエネルギー供給レベルの
急上昇を引き起こしやすいと考えられる。

Centro de Desarrole de Productos Bioticos del IPN(メキシコ、モレロス)の
Juan Pablo Hernandez-Uribeらは、
トルティーヤの青色はブルーコーンに含まれるアントシアニンによるものであり、
ベリー類や赤ワインにみられる健康成分と同じである、と。

この研究は、ブルーコーンおよびホワイトコーンのトルティーヤに含まれる
化学成分組成を分析したものであり、
『Journal of the Science of Food and Agriculture』に掲載。

この結果、ホワイトコーンのトルティーヤには平均で全澱粉成分の約75%が含まれたが、
ブルーコーンのトルティーヤでは68%であったことが示された。

また、いずれのトルティーヤにおいても、新鮮な場合に比べ、
難消化性澱粉は貯蔵期間の経過に伴って増加したが、
ブルーコーンのトルティーヤに含まれる難消化性または非消化性澱粉の含量は、
ホワイトコーンよりも低かった。
ブルーコーンのトルティーヤはGIが低く、このGIは時間の経過に伴い変化しなかったが、
ホワイトコーンのトルティーヤはGIが高く、このGIは貯蔵に伴い上昇した。

Hernández-Uribe, J. Journal of the Science of Food and Agriculture. News release, Society of Chemical Industry.


http://www.m3.com/news/news.jsp?articleLang=ja&articleId=51861&categoryId=580&sourceType=SPECIALTY

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これはなかなか面白い研究ですね。
今後、このように食品の成分を細かく調べることで、
その食品の付加価値が高まってきます。
健康にいい食品が求められているので、
このようなデータは重要ですね。
もちろん、単一の食品ばかり摂っているだけでは健康にはなりませんが。