(毎日新聞社 2008年12月5日)
「無床化は絶対に行わないこと」。
県医療局の新経営計画案を受け、入院ベッドを廃止する無床診療所化の
対象になった県立病院・地域診療センターがある地元6市町村の
首長、議長らが、達増拓也知事らに提言書を渡し、計画案に強く反対。
首長らは、突然の計画案公表に加え、04年2月に策定された
「県立病院改革プラン」で、県立病院が診療所化されてから、
長くてまだ2年半しか過ぎていないと反発。
06年4月に紫波、花泉を病院から入院ベッド19床の地域診療センターに
移行したのをはじめ、07年4月に大迫、伊保内を、今年4月に住田を
それぞれ診療所化したばかり。
住田町の多田欣一町長は、「4月の病床削減時、県は医療サービスは
維持すると言った。約束をほごにされた思いだ」
こうした批判を覚悟の上、県医療局は非公開で新経営計画案を検討。
来年度からの実施を急ぐ背景には、県立病院の厳しい財政事情がある。
新経営計画案や医療局などによると、国の医療費抑制政策のあおりを受け、
県立病院は02年度に医業収益が急減。
18億円の赤字を計上。
100億円以上確保していた内部留保残高は同年度、90億円台に転落。
翌03年度には、逆に累積欠損金が100億円を突破。
県医療局が立案したのが、改革プランだった。
施設規模の適正化や医療資源の集約化で、
単年度収支の均衡を目指した改革プランだったが、
黒字化できたのは05年度だけ。
相次ぐ診療報酬や薬価基準のマイナス改定などで、
06年度から再び赤字になり、07年度には内部留保残高が
37億6900万円まで落ち込んだ。
県医療局は、「現状のままでは数年後には枯渇する」
県立中央病院の望月泉副院長は、
「地域診療センターは、民間では考えられないほどコストを要している」
改革プランは、5病院の無床診療所化を掲げたが、
地元住民らは「地域から入院ベッドが失われる」と反対運動を展開。
それぞれ19病床を残し地域診療センターに移行することで妥協し、
結局は中途半端な経営形態だけが残った。
県医療局の細川孝夫次長は、「前回(改革プラン策定時)は、
地元の(ベッドを)残してくれという声を踏まえただけ」
この結果、5センターだけで07年度は7億2200万円の赤字を計上。
最大の要因は人件費。
紫波の場合、常勤医3人のほか、3交代で勤務する看護師が18人。
19病床の紫波では入院患者数よりも多い状況。
各地域診療センターの一般会計からの繰り入れを含む医業収益に対して
人件費の割合は、紫波116・1%、大迫115・8%、花泉132・7%、
九戸146・0%(07年度、08年度から診療所化の住田は除く)。
県医療局の根子忠美・経営改革監は、
「一般に自治体病院の場合、6割程度に抑えるのが望ましい」と
高コスト体質を認める。
九戸村の岩部茂村長は、「医師は不足しているのに、
看護師らスタッフはそろっている。
患者が減る分、赤字になるのは見えていたはず。
職員配置など柔軟に対応できなかったのか」と疑問を呈す。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=84404
2008年12月13日土曜日
山中教授が米バイオと協力 糖尿病治療の実現狙う
(共同通信社 2008年12月10日)
京都大の山中伸弥教授は、米バイオ企業ノボセル社と協力し、
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、
インスリン分泌能力を持つ膵臓の細胞をつくる研究を始めると発表。
安全な細胞を作製して、糖尿病患者に移植することができれば、
画期的な治療法につながると期待。
京大が、iPS細胞研究で海外企業と提携するのは初めて。
山中教授は、「互いの技術を融合し、糖尿病治療の可能性を探りたい」
京大によると、ノボセル社は人の胚性幹細胞(ES細胞)から
インスリンを分泌する膵島細胞をつくるのに成功。
動物への移植実験で、糖尿病の改善効果も確認した。
山中教授は最近、iPS細胞の実用化を促進するため、
積極的に海外と協力する方針を表明。
今回は、両者の狙いが一致。
ノボセル社は、1999年設立。本社は米カリフォルニア州。
幹細胞を使った慢性疾患の治療法開発や創薬事業を手掛ける。
島津製作所が基金を拠出する島津科学技術振興財団は、
科学計測の基礎的研究で成果を挙げた功労者を表彰する
2008年度の島津賞に、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した
京都大学の山中伸弥教授を選んだ。
賞金は300万円。
来年2月19日に京都市内で表彰式と、山中教授による記念講演を開催。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84749
京都大の山中伸弥教授は、米バイオ企業ノボセル社と協力し、
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、
インスリン分泌能力を持つ膵臓の細胞をつくる研究を始めると発表。
安全な細胞を作製して、糖尿病患者に移植することができれば、
画期的な治療法につながると期待。
京大が、iPS細胞研究で海外企業と提携するのは初めて。
山中教授は、「互いの技術を融合し、糖尿病治療の可能性を探りたい」
京大によると、ノボセル社は人の胚性幹細胞(ES細胞)から
インスリンを分泌する膵島細胞をつくるのに成功。
動物への移植実験で、糖尿病の改善効果も確認した。
山中教授は最近、iPS細胞の実用化を促進するため、
積極的に海外と協力する方針を表明。
今回は、両者の狙いが一致。
ノボセル社は、1999年設立。本社は米カリフォルニア州。
幹細胞を使った慢性疾患の治療法開発や創薬事業を手掛ける。
島津製作所が基金を拠出する島津科学技術振興財団は、
科学計測の基礎的研究で成果を挙げた功労者を表彰する
2008年度の島津賞に、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した
京都大学の山中伸弥教授を選んだ。
賞金は300万円。
来年2月19日に京都市内で表彰式と、山中教授による記念講演を開催。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84749
ホルモン低下が炎症起こす 徳島大、目の難病で解明
(共同通信社 2008年12月8日)
免疫異常で目の組織などに炎症が起きる難病の「シェーグレン症候群」が、
女性ホルモン低下に伴う特定のタンパク質の活性化によって
引き起こされるのを、徳島大の林良夫教授らのチームが解明。
この病気は、ドライアイや関節リウマチ、全身の疲労感などを伴い、
更年期の女性に多いのが特徴。
林教授は、「このタンパク質を薬などで抑えることができれば、
新たな治療法につながる可能性がある」
チームは、網膜のがんに関係する「RbAp」というタンパク質の一種に着目。
マウスを使った実験で、女性ホルモン濃度が低下すると、
RbApをつくる遺伝子が活性化し、過剰に働くとシェーグレン症候群に
似た症状が出るのを確かめた。
RbApは、涙腺などに細胞死を引き起こし、それが炎症反応をさらに
暴走させる悪循環を生んでいた。
林教授は、「更年期の女性が発症しやすいメカニズムがようやく分かった」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84545
免疫異常で目の組織などに炎症が起きる難病の「シェーグレン症候群」が、
女性ホルモン低下に伴う特定のタンパク質の活性化によって
引き起こされるのを、徳島大の林良夫教授らのチームが解明。
この病気は、ドライアイや関節リウマチ、全身の疲労感などを伴い、
更年期の女性に多いのが特徴。
林教授は、「このタンパク質を薬などで抑えることができれば、
新たな治療法につながる可能性がある」
チームは、網膜のがんに関係する「RbAp」というタンパク質の一種に着目。
マウスを使った実験で、女性ホルモン濃度が低下すると、
RbApをつくる遺伝子が活性化し、過剰に働くとシェーグレン症候群に
似た症状が出るのを確かめた。
RbApは、涙腺などに細胞死を引き起こし、それが炎症反応をさらに
暴走させる悪循環を生んでいた。
林教授は、「更年期の女性が発症しやすいメカニズムがようやく分かった」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84545
生きたがんだけ光らせる蛍光物質 治療効果の確認可能に 日米の研究チーム開発
(毎日新聞社 2008年12月8日)
生きたがん細胞だけを光らせる蛍光物質を、日米の研究チームが開発。
1ミリ以下のがんを見つけられるうえ、がん細胞が死ぬと光が消えるため、
治療効果を確認しながら手術や内視鏡治療ができる。
英科学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表。
開発したのは、浦野泰照・東京大准教授(薬学)、
小林久隆・米国立衛生研究所主任研究員ら。
生きた細胞内では、「リソソーム」という小器官が弱酸性、
死んだ細胞では中性になることに着目。
乳がん細胞に結びつきやすく、酸性のときだけ光る物質を開発。
マウスの肺に乳がんが転移したという条件を再現したうえで、
蛍光物質を注射すると、1ミリ以下の肺がんが検出され
内視鏡で切除することに成功。
がんを殺すエタノールをかけたところ、約30分後に光が弱まり、
がん細胞の死を確認。米国で臨床試験の準備に入った。
PET(陽電子放射断層撮影)など現在の画像検査では、
1センチ以下のがんを見つけることや、
抗がん剤投与後の効果をすぐに確認することは難しい。
浦野准教授は、「小さながんを見過ごさず、切除できるので
誰もが名医になれるだろう」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84579
生きたがん細胞だけを光らせる蛍光物質を、日米の研究チームが開発。
1ミリ以下のがんを見つけられるうえ、がん細胞が死ぬと光が消えるため、
治療効果を確認しながら手術や内視鏡治療ができる。
英科学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表。
開発したのは、浦野泰照・東京大准教授(薬学)、
小林久隆・米国立衛生研究所主任研究員ら。
生きた細胞内では、「リソソーム」という小器官が弱酸性、
死んだ細胞では中性になることに着目。
乳がん細胞に結びつきやすく、酸性のときだけ光る物質を開発。
マウスの肺に乳がんが転移したという条件を再現したうえで、
蛍光物質を注射すると、1ミリ以下の肺がんが検出され
内視鏡で切除することに成功。
がんを殺すエタノールをかけたところ、約30分後に光が弱まり、
がん細胞の死を確認。米国で臨床試験の準備に入った。
PET(陽電子放射断層撮影)など現在の画像検査では、
1センチ以下のがんを見つけることや、
抗がん剤投与後の効果をすぐに確認することは難しい。
浦野准教授は、「小さながんを見過ごさず、切除できるので
誰もが名医になれるだろう」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84579
「研究開発」誘致に本腰 県が条例拡充を検討
(岩手日報 12月8日)
県は、製造業の研究開発部門の誘致を一層促進するため、
知事が指定する特定区域で工場などを新設・増設する製造業に対して、
優遇措置を施す「特定区域産業活性化条例」を拡充する方向で検討。
景気悪化で、生産現場は縮小する産業界だが、
次世代を見据えた研究開発は不可欠。
首都圏に流出している県内の大学生らの雇用確保、地元定着率の向上にも
つながるだけに、条例拡充により「頭脳部門」の誘致に本腰を入れる。
同条例は、県と市町村が連携し、立地企業に対して不動産取得税免除、
法人事業税免除(3年)、不均一課税(2年)、固定資産税免除(3年)などの
優遇措置を施す制度。
▽投資規模や雇用人数などで決める大型補助(上限なし)
▽最大20億円の融資
▽行政手続きや人材確保、融資関係などのワンストップサービス
なども行い、総合的に企業を支援、地域の雇用確保、
経済活性化に結びつける。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081208_3
県は、製造業の研究開発部門の誘致を一層促進するため、
知事が指定する特定区域で工場などを新設・増設する製造業に対して、
優遇措置を施す「特定区域産業活性化条例」を拡充する方向で検討。
景気悪化で、生産現場は縮小する産業界だが、
次世代を見据えた研究開発は不可欠。
首都圏に流出している県内の大学生らの雇用確保、地元定着率の向上にも
つながるだけに、条例拡充により「頭脳部門」の誘致に本腰を入れる。
同条例は、県と市町村が連携し、立地企業に対して不動産取得税免除、
法人事業税免除(3年)、不均一課税(2年)、固定資産税免除(3年)などの
優遇措置を施す制度。
▽投資規模や雇用人数などで決める大型補助(上限なし)
▽最大20億円の融資
▽行政手続きや人材確保、融資関係などのワンストップサービス
なども行い、総合的に企業を支援、地域の雇用確保、
経済活性化に結びつける。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081208_3
地域が支える学校(7)独自基金 きずな強める
(読売 12月10日)
地域が、学校独自の教育活動を支える基金で奮闘している。
津市の新興住宅地にある市立南が丘小学校を会場にして開かれる
「南が丘ふれあいまつり」は3年目の昨夏、3000人が集まる大盛況に。
校区の世帯数に匹敵する人数。
大雨にたたられた今夏も、参加者は1500人を超えた。
同小には、「南が丘コミュニティ・ファンド」と呼ばれる基金がある。
町のシンボルに育ったまつりには毎年、この基金から10万円が助成。
ファンドは、地域住民が学校運営に参画するコミュニティスクールに
指定された2005年度から本格運用が始まった。
コミュニティスクールの協議機関である南が丘地域教育委員会
(法律では学校運営協議会)の委員長を務める会社員の辻林操さん(50)が、
ファンドの責任者も務めている。
ファンドの予算は、昨年度で128万円余り。
まつりへの助成のほか、70万円余りが、
学校の教育活動支援のために使われた。
5、6年を対象にして、秋に20講座ほど開講する選択教科の
外部講師の資料代などに7万9000円、全学年にほぼ週1コマ行う
英語科の授業の資料代に4万円といった具合。
学校要覧の印刷代、図書ボランティアの事務費、ボランティア保険などの
費用もまかなっている。
収入の7割はPTAから。
会費に上乗せする形で、1人月100円分を徴収。
残りは、寄付と、協力店を利用した場合の還元金。
地元を中心に、美容室、医院、飲食店、スポーツ用品店などが
協力店になっており、利用者がポイントカードや、押印したレシートを
事務局に届けると、売り上げの一部がファンドに入る。
ただ、事業所が点在する住宅街で、PRするスタッフも数人であるため、
今年度の協力店は7か所、寄付先を入れても24か所で、
スタート当初から伸びていない。
寄付の場合、景気にも左右される。
協力店になる利点をどうアピールするかも模索中。
昨年度から校長を務める中山佳之さん(54)は、
「地域のおかげで、教育内容が充実するのはありがたいし、
金額以上に、地域が学校に関心を持ってもらえる精神的な効果が大きい」
「充実させようとすればきりがないが、ソフト面での支援はほぼ満足のいく状態」
ファンドが地域のきずなを強めることに、ひと役買っているのは確かだろう。
◆少ない校長裁量予算
ベネッセコーポレーションによる2006年の調査では、
全国の市区町村教育長895人中、校長裁量予算があると答えたのは17.4%、
金額は50万円までで80%超、うち10万円までが32.1%。
公立小中学校長2345人の86.3%が予算不足と感じ、
学習活動の費用を増やしたいとする声が目立った。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081210-OYT8T00228.htm
地域が、学校独自の教育活動を支える基金で奮闘している。
津市の新興住宅地にある市立南が丘小学校を会場にして開かれる
「南が丘ふれあいまつり」は3年目の昨夏、3000人が集まる大盛況に。
校区の世帯数に匹敵する人数。
大雨にたたられた今夏も、参加者は1500人を超えた。
同小には、「南が丘コミュニティ・ファンド」と呼ばれる基金がある。
町のシンボルに育ったまつりには毎年、この基金から10万円が助成。
ファンドは、地域住民が学校運営に参画するコミュニティスクールに
指定された2005年度から本格運用が始まった。
コミュニティスクールの協議機関である南が丘地域教育委員会
(法律では学校運営協議会)の委員長を務める会社員の辻林操さん(50)が、
ファンドの責任者も務めている。
ファンドの予算は、昨年度で128万円余り。
まつりへの助成のほか、70万円余りが、
学校の教育活動支援のために使われた。
5、6年を対象にして、秋に20講座ほど開講する選択教科の
外部講師の資料代などに7万9000円、全学年にほぼ週1コマ行う
英語科の授業の資料代に4万円といった具合。
学校要覧の印刷代、図書ボランティアの事務費、ボランティア保険などの
費用もまかなっている。
収入の7割はPTAから。
会費に上乗せする形で、1人月100円分を徴収。
残りは、寄付と、協力店を利用した場合の還元金。
地元を中心に、美容室、医院、飲食店、スポーツ用品店などが
協力店になっており、利用者がポイントカードや、押印したレシートを
事務局に届けると、売り上げの一部がファンドに入る。
ただ、事業所が点在する住宅街で、PRするスタッフも数人であるため、
今年度の協力店は7か所、寄付先を入れても24か所で、
スタート当初から伸びていない。
寄付の場合、景気にも左右される。
協力店になる利点をどうアピールするかも模索中。
昨年度から校長を務める中山佳之さん(54)は、
「地域のおかげで、教育内容が充実するのはありがたいし、
金額以上に、地域が学校に関心を持ってもらえる精神的な効果が大きい」
「充実させようとすればきりがないが、ソフト面での支援はほぼ満足のいく状態」
ファンドが地域のきずなを強めることに、ひと役買っているのは確かだろう。
◆少ない校長裁量予算
ベネッセコーポレーションによる2006年の調査では、
全国の市区町村教育長895人中、校長裁量予算があると答えたのは17.4%、
金額は50万円までで80%超、うち10万円までが32.1%。
公立小中学校長2345人の86.3%が予算不足と感じ、
学習活動の費用を増やしたいとする声が目立った。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081210-OYT8T00228.htm
2008年12月12日金曜日
世界遺産の保護に日本も衛星観測で協力
(サイエンスポータル 2008年12月3日)
衛星からの観測データを、世界遺産の監視と保護に活用する
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の活動に、
宇宙航空研究開発機構が参加。
衛星データを活用する活動は、ユネスコと欧州宇宙機関(ESA)によって
始められ、現在フランス国立宇宙研究センター(CNES)、
ドイツ航空宇宙センター(DLR)、カナダ宇宙庁(CSA)、
米航空宇宙局(NASA)など、24の宇宙機関が参加。
宇宙航空研究開発機構は、2006年1月に打ち上げた
陸域観測技術衛星「だいち」により、内外の世界遺産を含む
地上の観測を続けている。
今回の取り決めでは、国内の自然遺産として世界遺産に登録されている
白神山地、屋久島、知床、アンコールワット(カンボジア)、
四川ジャイアントパンダ保護区(中国)、サガルマータ国立公園(ネパール)、
マナス野生生物保護地区(インド)などアジアの世界遺産、
ユネスコから要請のあったカラクムル遺跡(メキシコ)、
マチュピチュ遺跡(ペルー)など10カ所程度の世界遺産を
年2回程度観測し、画像をユネスコに提供。
世界遺産は、1972年にユネスコ総会で成立し75年に発効した
「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」により
登録された遺跡や地域で、その数は現在、
文化遺産679件、自然遺産174件、複合遺産25件。
日本の条約加盟は92年と遅れたこともあり、
登録件数は、文化遺産11件、自然遺産3件。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0812/0812031.html
衛星からの観測データを、世界遺産の監視と保護に活用する
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の活動に、
宇宙航空研究開発機構が参加。
衛星データを活用する活動は、ユネスコと欧州宇宙機関(ESA)によって
始められ、現在フランス国立宇宙研究センター(CNES)、
ドイツ航空宇宙センター(DLR)、カナダ宇宙庁(CSA)、
米航空宇宙局(NASA)など、24の宇宙機関が参加。
宇宙航空研究開発機構は、2006年1月に打ち上げた
陸域観測技術衛星「だいち」により、内外の世界遺産を含む
地上の観測を続けている。
今回の取り決めでは、国内の自然遺産として世界遺産に登録されている
白神山地、屋久島、知床、アンコールワット(カンボジア)、
四川ジャイアントパンダ保護区(中国)、サガルマータ国立公園(ネパール)、
マナス野生生物保護地区(インド)などアジアの世界遺産、
ユネスコから要請のあったカラクムル遺跡(メキシコ)、
マチュピチュ遺跡(ペルー)など10カ所程度の世界遺産を
年2回程度観測し、画像をユネスコに提供。
世界遺産は、1972年にユネスコ総会で成立し75年に発効した
「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」により
登録された遺跡や地域で、その数は現在、
文化遺産679件、自然遺産174件、複合遺産25件。
日本の条約加盟は92年と遅れたこともあり、
登録件数は、文化遺産11件、自然遺産3件。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0812/0812031.html
スキージャンプ即時解析へ 県立大グループ
(岩手日報 12月5日)
県立大ソフトウェア情報学部の村田嘉利教授らのグループは、
地磁気・加速度センサーをスキージャンプ選手に装着し、
飛び出す時の動作をデータ化するシステムの開発を進めている。
即時のデータ解析を通じ、踏みだす瞬間のポイントを把握するなど、
競技力向上につなげたい考え。
来年からは、ジャンプ台でのデータ取得を行い、2年以内の実用化を目指す。
研究しているのは、村田教授と佐藤永欣講師、及川正基さん(3年)の3人。
9月から研究を進め、模型などを使って実験。
センサーは、マッチ箱大。
選手のユニホームやヘルメットなどに装着し、回転や強さを計測。
パソコンに取り付けた受信器にデータを送り、三次元の動きをグラフに映し出す。
これまでは、ビデオカメラで撮影した「点」の動きを追うことで
解析する方法などがあったが、即時の解析は難しく、
複数のカメラが必要などの制約があった。
村田教授らが開発を進めるシステムは、
データを即時にパソコン上に表示することが可能。
一人の選手のジャンプを過去のデータと比べることや、
複数の選手との比較ができる。
今後は、実際のジャンプ台での計測を通して選手やコーチらの意見を聞き、
装着位置とデータとの関連を精査する。
将来的には、実際のフォームなどを写した画像とも
連動させたシステムを目指す。
村田教授は、「さまざまなスポーツの分野に広げていきたい」
県スキー連盟の山本進ジャンプ強化委員は、
「飛んだ直後に、アドバイスが可能になる。
よりよい指導ができるようになるのではないか」と歓迎。
アルベールビル冬季五輪複合団体で金メダルを獲得した三ケ田礼一さん
(県体育協会スポーツ特別指導員)は、
「スキージャンプは飛び出すところが勝負。
これまでは感覚的にやっていることが多かったが、
データとして選手にフィードバックできれば、選手強化につながるのではないか」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081205_16
県立大ソフトウェア情報学部の村田嘉利教授らのグループは、
地磁気・加速度センサーをスキージャンプ選手に装着し、
飛び出す時の動作をデータ化するシステムの開発を進めている。
即時のデータ解析を通じ、踏みだす瞬間のポイントを把握するなど、
競技力向上につなげたい考え。
来年からは、ジャンプ台でのデータ取得を行い、2年以内の実用化を目指す。
研究しているのは、村田教授と佐藤永欣講師、及川正基さん(3年)の3人。
9月から研究を進め、模型などを使って実験。
センサーは、マッチ箱大。
選手のユニホームやヘルメットなどに装着し、回転や強さを計測。
パソコンに取り付けた受信器にデータを送り、三次元の動きをグラフに映し出す。
これまでは、ビデオカメラで撮影した「点」の動きを追うことで
解析する方法などがあったが、即時の解析は難しく、
複数のカメラが必要などの制約があった。
村田教授らが開発を進めるシステムは、
データを即時にパソコン上に表示することが可能。
一人の選手のジャンプを過去のデータと比べることや、
複数の選手との比較ができる。
今後は、実際のジャンプ台での計測を通して選手やコーチらの意見を聞き、
装着位置とデータとの関連を精査する。
将来的には、実際のフォームなどを写した画像とも
連動させたシステムを目指す。
村田教授は、「さまざまなスポーツの分野に広げていきたい」
県スキー連盟の山本進ジャンプ強化委員は、
「飛んだ直後に、アドバイスが可能になる。
よりよい指導ができるようになるのではないか」と歓迎。
アルベールビル冬季五輪複合団体で金メダルを獲得した三ケ田礼一さん
(県体育協会スポーツ特別指導員)は、
「スキージャンプは飛び出すところが勝負。
これまでは感覚的にやっていることが多かったが、
データとして選手にフィードバックできれば、選手強化につながるのではないか」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081205_16
地元の反発 地域医療の危機 岩手・揺れる県立病院再編案/1
(毎日新聞社 2008年12月4日)
県立沼宮内病院など、6県立病院・地域診療センターで
入院ベッドがなくなる無床診療所化を柱にした
県医療局の新経営計画案が、地元自治体や住民の反発を招いている。
県は、全体で病床396床を削減する計画だが、
医療サービスの低下を懸念する声は強い。
一方、慢性的な医師不足や病院間の業務量の偏在、
約138億円の累積赤字(07年度末現在)を生み出すコスト高……と、
地域医療を取り巻く環境は厳しい。
一元的なサービスカットしか、道は残されていないのだろうか。
「県下にあまねく医療を」、と掲げる県立病院の理念と経営のはざまで
揺れる住民や現場の医師らの声を伝える。
◇がん対策20年「水の泡」 検診で医療費抑制--沼宮内病院
岩手町は、町民を対象に大腸がんや胃がんの無料検診を実施、
早期発見や医療費削減で成果を収める。
その中核を担うのが、県立沼宮内病院。
今回の突然の無床化案に、厚生労働省がん対策推進協議会委員でもある
町健康福祉課の仁昌寺幸子課長は、
「長年の取り組みが水の泡になる。国や県のがん対策にも反している」
同病院は05年度68・2%、06年度55・9%、07年度48・3%と、
3年連続で病床利用率が70%を下回り、
総務省の「公立病院改革ガイドライン」の基準に達しなかった。
そのため、計画案では現在60床ある病床が10年に無床化。
85年の町の循環器系がん検診受診率は、県平均50・5%に対して28・1%。
町はてこ入れしようと87年4月、沼宮内病院と町内の開業医で構成する
検診推進委員会を設置、89年には、がん検診の無料化を始めた。
90年、全国に先駆けて大腸がんの集団検診を開始。
06年度の受診率は県平均25・0%に対し、町は70・7%と大幅に上回った。
高い1次検診受診率を生かすため、町は病院と連携。町の保健師らが、
2次検査が必要な町民に精密検診を受けるよう個別に促す。
05年度には対象者のうち、精密検査を受けた割合が胃がんで90・3%と
県平均83・5%を超えた。
この結果、最多の03年度は31人、07年度も11人の早期がん患者を発見。
こうした取り組みは、医療費削減にもつながった。
町の03年度調査によると、患者1人あたりの年間医療費は
ポリープ段階だと32万円にとどまるが、早期がんで127万円、
進行がんだと278万円にも膨らむ。
早期発見によって、00年5月は2137万円だった町のがん関連医療費は、
07年5月には1300万円まで減少。
県医療局は、「がん検診は日帰りでも可能だ」と説明するが、
仁昌寺課長は「早期のポリープこそ、腸壁や胃壁を取って検査するため、
数日の入院が必要だ」と反論。
「病床稼働率70%以下という基準だけでなく、果たしている役割を見てほしい」
◇九戸は夜間・休日「無医村」
開業医が不在の九戸村。
現在19床ある九戸地域診療センターは、
計画案が実施されると来年度には無床化。
それに伴って夜間医師が不在になると、
「『午後5時』以降は無医村になる」(岩部茂村長)と危機感を示す。
過疎化を食い止めようと、村は今年9月、県内で初めて中学生までの医療費を
無料化し、従来の小学生から対象を拡大したばかり。
同村の会社員、中村幸男さん(57)の長男夫婦と孫3人は今春、
小学校の統廃合もあって滝沢村に引っ越した。
中村さんはつぶやいた。
「子供を育てるには心配なのだろう。
この村は、暮らすのがどんどん大変になっていく」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=84339
県立沼宮内病院など、6県立病院・地域診療センターで
入院ベッドがなくなる無床診療所化を柱にした
県医療局の新経営計画案が、地元自治体や住民の反発を招いている。
県は、全体で病床396床を削減する計画だが、
医療サービスの低下を懸念する声は強い。
一方、慢性的な医師不足や病院間の業務量の偏在、
約138億円の累積赤字(07年度末現在)を生み出すコスト高……と、
地域医療を取り巻く環境は厳しい。
一元的なサービスカットしか、道は残されていないのだろうか。
「県下にあまねく医療を」、と掲げる県立病院の理念と経営のはざまで
揺れる住民や現場の医師らの声を伝える。
◇がん対策20年「水の泡」 検診で医療費抑制--沼宮内病院
岩手町は、町民を対象に大腸がんや胃がんの無料検診を実施、
早期発見や医療費削減で成果を収める。
その中核を担うのが、県立沼宮内病院。
今回の突然の無床化案に、厚生労働省がん対策推進協議会委員でもある
町健康福祉課の仁昌寺幸子課長は、
「長年の取り組みが水の泡になる。国や県のがん対策にも反している」
同病院は05年度68・2%、06年度55・9%、07年度48・3%と、
3年連続で病床利用率が70%を下回り、
総務省の「公立病院改革ガイドライン」の基準に達しなかった。
そのため、計画案では現在60床ある病床が10年に無床化。
85年の町の循環器系がん検診受診率は、県平均50・5%に対して28・1%。
町はてこ入れしようと87年4月、沼宮内病院と町内の開業医で構成する
検診推進委員会を設置、89年には、がん検診の無料化を始めた。
90年、全国に先駆けて大腸がんの集団検診を開始。
06年度の受診率は県平均25・0%に対し、町は70・7%と大幅に上回った。
高い1次検診受診率を生かすため、町は病院と連携。町の保健師らが、
2次検査が必要な町民に精密検診を受けるよう個別に促す。
05年度には対象者のうち、精密検査を受けた割合が胃がんで90・3%と
県平均83・5%を超えた。
この結果、最多の03年度は31人、07年度も11人の早期がん患者を発見。
こうした取り組みは、医療費削減にもつながった。
町の03年度調査によると、患者1人あたりの年間医療費は
ポリープ段階だと32万円にとどまるが、早期がんで127万円、
進行がんだと278万円にも膨らむ。
早期発見によって、00年5月は2137万円だった町のがん関連医療費は、
07年5月には1300万円まで減少。
県医療局は、「がん検診は日帰りでも可能だ」と説明するが、
仁昌寺課長は「早期のポリープこそ、腸壁や胃壁を取って検査するため、
数日の入院が必要だ」と反論。
「病床稼働率70%以下という基準だけでなく、果たしている役割を見てほしい」
◇九戸は夜間・休日「無医村」
開業医が不在の九戸村。
現在19床ある九戸地域診療センターは、
計画案が実施されると来年度には無床化。
それに伴って夜間医師が不在になると、
「『午後5時』以降は無医村になる」(岩部茂村長)と危機感を示す。
過疎化を食い止めようと、村は今年9月、県内で初めて中学生までの医療費を
無料化し、従来の小学生から対象を拡大したばかり。
同村の会社員、中村幸男さん(57)の長男夫婦と孫3人は今春、
小学校の統廃合もあって滝沢村に引っ越した。
中村さんはつぶやいた。
「子供を育てるには心配なのだろう。
この村は、暮らすのがどんどん大変になっていく」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=84339
地域が支える学校(6)校長補佐役 市が派遣
(読売 12月9日)
校長を補佐する職員の配置を始める自治体が出てきた。
教師たちが翌日の授業準備やテストの採点を続ける
島根県出雲市立第一中学校の放課後の職員室で、
スーツ姿の男性が来客と話し込んでいた。
赤木亮一さん(48)。
名刺には、市教委学校教育課課長補佐と
「スクールマネジャー」の二つの肩書。
「昨年より多くの生徒が参加しました。
小学生を助けて積極的に活動してくれました」
「来年度の活動の参考にするため、校長にも伝えます」
赤木さんの話し相手は、地元のコミュニティセンター長の鐘推晴夫さん(64)。
学校と地域が連携して行った清掃活動の報告に来た。
赤木さんの元には、たびたび来客がある。
外部との電話のやりとりも多い。
校長や教頭に代わって、地域との連絡役や交渉役を担う。
各校に1人、事務職員が配置されているが、
マネジャーは事務面での校長の右腕という位置付け。
法的な申請など、重要度の高い事務も請け負う。
普段は教員らと机を並べ、給食も一緒に食べる。
修学旅行にも一緒に出かける。
出雲市が、学校現場の支援を目的にスクールマネジャーの配置を
始めたのは昨年度からだ。
現在、市内の拠点校5校に5人の課長補佐を派遣。
手厚い支援には事情がある。
市は、出雲中央教育審議会の答申を受けて2006年度、
市立の全小中学校49校を、地域住民らが学校運営に参画する
コミュニティスクールに指定。
校長らから異論が出た。
学校運営に口出しされることへの抵抗感や事務的な負担増への懸念から。
地域や学校現場の主導ではないだけに、
指定後の取り組みで、学校間の温度差も招きやすい。
そんな課題を克服しようとしたのが、マネジャー配置という大胆な施策。
旧文部省出身の西尾理弘市長(67)の判断。
第一中の高瀬正博校長(60)は、「最初はスパイかと思ったよ」と言って
笑わせた後、真顔で続けた。「今ではなくてはならない存在だ」
学校と、運営方針を決める理事会(学校運営協議会)の理事との
連絡調整も、スクールマネジャーの業務。
赤木さんの存在で、同中では理事会の月1回開催が可能に。
職員としての経験を生かすことで、コピー用紙代節約など、
コスト削減という二次的効果も出ている。
この仕組みをどこまで広げるか、いつまで続けるのかについて、
市は方針を示していない。
スクールマネジャーが駐在していない大社小学校の松本俊憲校長(60)は、
「正直に言うと、常駐の学校がうらやましい。
ただ、一度慣れてしまうと、いなくなった時の反動も大きい。
市は、持続可能な仕組み作りに取り組んでほしい」と訴える。
学校を支援する自治体の本気度が問われている。
◆出雲中央教育審議会
2005年3月、近隣5市町と合併した新出雲市の誕生を機に、
同年7月、市長の諮問機関として設置。
同12月、第1次答申として全市立小中学校をコミュニティスクールとするよう提言。
07年6月、出雲市教育政策審議会も常設され、
学校運営の在り方や人材育成の議論を続けている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081209-OYT8T00224.htm
校長を補佐する職員の配置を始める自治体が出てきた。
教師たちが翌日の授業準備やテストの採点を続ける
島根県出雲市立第一中学校の放課後の職員室で、
スーツ姿の男性が来客と話し込んでいた。
赤木亮一さん(48)。
名刺には、市教委学校教育課課長補佐と
「スクールマネジャー」の二つの肩書。
「昨年より多くの生徒が参加しました。
小学生を助けて積極的に活動してくれました」
「来年度の活動の参考にするため、校長にも伝えます」
赤木さんの話し相手は、地元のコミュニティセンター長の鐘推晴夫さん(64)。
学校と地域が連携して行った清掃活動の報告に来た。
赤木さんの元には、たびたび来客がある。
外部との電話のやりとりも多い。
校長や教頭に代わって、地域との連絡役や交渉役を担う。
各校に1人、事務職員が配置されているが、
マネジャーは事務面での校長の右腕という位置付け。
法的な申請など、重要度の高い事務も請け負う。
普段は教員らと机を並べ、給食も一緒に食べる。
修学旅行にも一緒に出かける。
出雲市が、学校現場の支援を目的にスクールマネジャーの配置を
始めたのは昨年度からだ。
現在、市内の拠点校5校に5人の課長補佐を派遣。
手厚い支援には事情がある。
市は、出雲中央教育審議会の答申を受けて2006年度、
市立の全小中学校49校を、地域住民らが学校運営に参画する
コミュニティスクールに指定。
校長らから異論が出た。
学校運営に口出しされることへの抵抗感や事務的な負担増への懸念から。
地域や学校現場の主導ではないだけに、
指定後の取り組みで、学校間の温度差も招きやすい。
そんな課題を克服しようとしたのが、マネジャー配置という大胆な施策。
旧文部省出身の西尾理弘市長(67)の判断。
第一中の高瀬正博校長(60)は、「最初はスパイかと思ったよ」と言って
笑わせた後、真顔で続けた。「今ではなくてはならない存在だ」
学校と、運営方針を決める理事会(学校運営協議会)の理事との
連絡調整も、スクールマネジャーの業務。
赤木さんの存在で、同中では理事会の月1回開催が可能に。
職員としての経験を生かすことで、コピー用紙代節約など、
コスト削減という二次的効果も出ている。
この仕組みをどこまで広げるか、いつまで続けるのかについて、
市は方針を示していない。
スクールマネジャーが駐在していない大社小学校の松本俊憲校長(60)は、
「正直に言うと、常駐の学校がうらやましい。
ただ、一度慣れてしまうと、いなくなった時の反動も大きい。
市は、持続可能な仕組み作りに取り組んでほしい」と訴える。
学校を支援する自治体の本気度が問われている。
◆出雲中央教育審議会
2005年3月、近隣5市町と合併した新出雲市の誕生を機に、
同年7月、市長の諮問機関として設置。
同12月、第1次答申として全市立小中学校をコミュニティスクールとするよう提言。
07年6月、出雲市教育政策審議会も常設され、
学校運営の在り方や人材育成の議論を続けている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081209-OYT8T00224.htm
入浴:全身浴10分、肩こり解消 同時にストレッチで予防効果も
(毎日 12月5日)
寒く、慌ただしい時期を迎えた。
1年の疲れを、心身に感じている人も多いだろう。
だからこそ、ゆったりとお風呂につかりたくなる。
こりや痛みを解消する効果的な入浴法を紹介。
「大学時代は、今以上に頑固な肩こりに悩まされた」と、
自由形やバタフライを専門としていた元鹿屋体育大水泳部主将の
須藤明治・国士舘大准教授(運動処方学)。
激しい運動で、筋肉に過度の疲労が蓄積したのが原因。
逆に、運動不足でも血行不良となって肩こりになる。
最近はパソコンを使う時間が増え、長時間同じ姿勢を強いられる。
その結果、肩の筋肉が緊張して硬くなり血行不良に。
東京ガス都市生活研究所が、インターネットを使って首都圏に暮らす
20~60代の750人に聞いたところ、
女性では20~40代で8割、男性では20~50代の過半数が肩こり。
須藤准教授が、自分の肩こりを緩和したいと考え、
注目したのがお風呂やプール。
水中では、浮力によって体にかかる負荷が3分の1程度に。
筋肉は弛緩し、血管が広がり血行が促進。
静脈は、水圧を受けて心臓に戻る血流量が増え、心臓の負担も軽くなる。
須藤准教授が胸下まで15分間、35度前後のお湯につかった約10人で測定し、
血圧が10~30ミリHg下がった。
肩周辺の血流量が、10~20%増えることも確認。
東京ガスは11人を対象に、入浴の仕方(全身浴か半身浴)、湯温(38~40度)、
入浴時間(10~15分)を変えて、肩の張りを「筋硬度」という指標で測定。
肩こり解消の効果が最も高かった組み合わせは40度、10分間の全身浴で、
風呂を出てから少なくとも30分間、肩の筋肉が柔らかくなっていた。
入浴が難しければ、ひじから指先までを42度の湯に20分間つけても、
筋硬度は6%程度下がった。
須藤准教授は、入浴のついでにストレッチを勧める。
入浴中の筋活動は、リラックスしているため、
少ない負担で関節を動かすことができ、
筋肉や関節の痛みをほとんど感じることがない。
関節の周りを取り巻くように付いている体の内側の筋肉を使うことで、
関節の可動範囲が広がり、腰痛や肩こりの予防になる。
==============
◇入浴効果を高めるコツ
<1>脱衣場と風呂場の気温差をなくす
脱衣場で服を脱いだとき、冷たい空気にさらされると血管が収縮し、
そのまま入浴すると体に負担がかかる。
脱衣場と風呂場の間のドアを開けておく。
<2>入浴前にコップ1杯の水を飲む
入浴中は、200~300ミリリットルの汗をかく。
水分が失われると、血液が濃縮して流れが悪くなり、血栓ができる恐れ。
<3>湯温に注意
42度以上の熱い風呂では血圧が上がるので、
40度以下のややぬるめが好ましい。
ストレッチをするときには、入浴時間がやや延びるので35度前後に。
http://mainichi.jp/life/health/news/20081205ddm013100144000c.html
寒く、慌ただしい時期を迎えた。
1年の疲れを、心身に感じている人も多いだろう。
だからこそ、ゆったりとお風呂につかりたくなる。
こりや痛みを解消する効果的な入浴法を紹介。
「大学時代は、今以上に頑固な肩こりに悩まされた」と、
自由形やバタフライを専門としていた元鹿屋体育大水泳部主将の
須藤明治・国士舘大准教授(運動処方学)。
激しい運動で、筋肉に過度の疲労が蓄積したのが原因。
逆に、運動不足でも血行不良となって肩こりになる。
最近はパソコンを使う時間が増え、長時間同じ姿勢を強いられる。
その結果、肩の筋肉が緊張して硬くなり血行不良に。
東京ガス都市生活研究所が、インターネットを使って首都圏に暮らす
20~60代の750人に聞いたところ、
女性では20~40代で8割、男性では20~50代の過半数が肩こり。
須藤准教授が、自分の肩こりを緩和したいと考え、
注目したのがお風呂やプール。
水中では、浮力によって体にかかる負荷が3分の1程度に。
筋肉は弛緩し、血管が広がり血行が促進。
静脈は、水圧を受けて心臓に戻る血流量が増え、心臓の負担も軽くなる。
須藤准教授が胸下まで15分間、35度前後のお湯につかった約10人で測定し、
血圧が10~30ミリHg下がった。
肩周辺の血流量が、10~20%増えることも確認。
東京ガスは11人を対象に、入浴の仕方(全身浴か半身浴)、湯温(38~40度)、
入浴時間(10~15分)を変えて、肩の張りを「筋硬度」という指標で測定。
肩こり解消の効果が最も高かった組み合わせは40度、10分間の全身浴で、
風呂を出てから少なくとも30分間、肩の筋肉が柔らかくなっていた。
入浴が難しければ、ひじから指先までを42度の湯に20分間つけても、
筋硬度は6%程度下がった。
須藤准教授は、入浴のついでにストレッチを勧める。
入浴中の筋活動は、リラックスしているため、
少ない負担で関節を動かすことができ、
筋肉や関節の痛みをほとんど感じることがない。
関節の周りを取り巻くように付いている体の内側の筋肉を使うことで、
関節の可動範囲が広がり、腰痛や肩こりの予防になる。
==============
◇入浴効果を高めるコツ
<1>脱衣場と風呂場の気温差をなくす
脱衣場で服を脱いだとき、冷たい空気にさらされると血管が収縮し、
そのまま入浴すると体に負担がかかる。
脱衣場と風呂場の間のドアを開けておく。
<2>入浴前にコップ1杯の水を飲む
入浴中は、200~300ミリリットルの汗をかく。
水分が失われると、血液が濃縮して流れが悪くなり、血栓ができる恐れ。
<3>湯温に注意
42度以上の熱い風呂では血圧が上がるので、
40度以下のややぬるめが好ましい。
ストレッチをするときには、入浴時間がやや延びるので35度前後に。
http://mainichi.jp/life/health/news/20081205ddm013100144000c.html
最も健康な州、2年連続でバーモント 最下位はルイジアナ
(CNN 12月4日)
米国で最も健康な州はバーモント州だったことが、
2008年版の全米健康ランキングで明らかに。
バーモント州のトップは2年連続。最下位は、ルイジアナ州。
全米健康ランキングは19年前から、
ユナイテッド・ヘルス・ファンデーションと米公衆衛生協会(APHA)などが調査。
調査項目は喫煙率や肥満率、保険加入率など。
2008年度版のランキングによると、バーモント州は喫煙率が17.6%まで
低下したほか、肥満率の増加が全米平均を下回り、保険未加入率が低い。
バーモント州のランキングは調査開始時は16位、
過去8年間で順調に順位を上げた。
医療を受けられない貧しい子供たちが少なく、喫煙率は1990年から43%低下し、
新生児の死亡率は37%下がった。
ハワイ州が、前年の3位から2位に上昇。
3位ニューハンプシャー、4位ミネソタ、5位ユタ、6位マサチューセッツ。
ユタ州の喫煙率は全米で最も低く、
マサチューセッツ州は保険未加入率が全米で最低。
最下位はルイジアナ州で、肥満率が高く、保険未加入率が高かった。
昨年の最下位だったミシシッピは、49位にランクをひとつ上げ、
48位サウスカロライナ、47位テネシー、46位テキサス。
全米50州のうち、調査項目が昨年から向上したのは36州で、14州が悪化。
向上率が大きかった州は、アーカンソーやニューメキシコ、ケンタッキーなど。
逆に、昨年からほとんど改善が見られなかったのはテキサスやモンタナ。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200812040027.html
米国で最も健康な州はバーモント州だったことが、
2008年版の全米健康ランキングで明らかに。
バーモント州のトップは2年連続。最下位は、ルイジアナ州。
全米健康ランキングは19年前から、
ユナイテッド・ヘルス・ファンデーションと米公衆衛生協会(APHA)などが調査。
調査項目は喫煙率や肥満率、保険加入率など。
2008年度版のランキングによると、バーモント州は喫煙率が17.6%まで
低下したほか、肥満率の増加が全米平均を下回り、保険未加入率が低い。
バーモント州のランキングは調査開始時は16位、
過去8年間で順調に順位を上げた。
医療を受けられない貧しい子供たちが少なく、喫煙率は1990年から43%低下し、
新生児の死亡率は37%下がった。
ハワイ州が、前年の3位から2位に上昇。
3位ニューハンプシャー、4位ミネソタ、5位ユタ、6位マサチューセッツ。
ユタ州の喫煙率は全米で最も低く、
マサチューセッツ州は保険未加入率が全米で最低。
最下位はルイジアナ州で、肥満率が高く、保険未加入率が高かった。
昨年の最下位だったミシシッピは、49位にランクをひとつ上げ、
48位サウスカロライナ、47位テネシー、46位テキサス。
全米50州のうち、調査項目が昨年から向上したのは36州で、14州が悪化。
向上率が大きかった州は、アーカンソーやニューメキシコ、ケンタッキーなど。
逆に、昨年からほとんど改善が見られなかったのはテキサスやモンタナ。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200812040027.html
2008年12月11日木曜日
地域が支える学校(5)交流施設が「接着剤」に
(読売 12月6日)
学校作りと地域作りが、新しい学校で同時に進む。
創立4年目の横浜市立東山田中学校で、
250人近い3年生への模擬面接が行われた。
面接官役は、会社役員、元高校教師、ボランティア活動家、
町内会長など、地域住民25人。
生徒たちは教室で個別に、志望理由などの質問を受け、
マナーについて意見を聞き、3段階で評価も受けた。
高校の推薦入試を受ける生徒にとって、面接はまもなく経験する試練。
これまでは、担任や校長らの指導を受けるだけだったが、
本番に近い形での練習の場となった。
「生徒に、いい意味の緊張が見られた。面接官役の皆さんも、
『こういう形で中学生とかかわったのは初めて。
普段とは違う一生懸命な姿を見ることができてよかった』」と斎藤悦子校長(56)。
「地域の人に満足してもらえて、私たちもうれしい」と、
地域住民の交流施設コミュニティハウスの竹原和泉館長(58)。
初めての試みは大成功。
横浜ニュータウンにある東山田中は、開校と同時に、
地域住民が学校運営に参画するコミュニティスクールの指定を受けた。
初代校長は、インターネット商取引大手「楽天」の元副社長、本城慎之介さん。
32歳の校長として当時、注目を集めた本城さんを2年間、
副校長として支えたのが斎藤さん。
地域活動の経験が豊富な竹原館長は現在、コミュニティスクールの
協議機関である学校運営協議会の副会長。
2人の女性が、コミュニティスクールを引っ張っている。
運営協議会では当初から、子供たちに将来を考えさせるキャリア教育を、
学校支援プロジェクトの柱に据えてきた。
子供たちの将来は、地域の将来とも密接な関係がある。
支援してくれる地元の事業所向けに、「10年後の社会人
中学生のために地域の大人ができること」と題したハンドブックも作った。
1年生は自分を見つめ、職業や社会について知る。
2年生で職業体験をさせる。
3年生は自分の進路を決めるために高校や事業所を見学する。
昨年の職業体験後の反省会の場で、
教員が「来年、地域の方に面接をやってもらえればありがたい」と
提案したのが、今回の催しにつながった。
竹原館長らが、ハウスに集う人たちを中心に声をかけた。
学校支援プロジェクトのもう一つの柱が、仲間意識を育むシンボルマークの制作。
公募作品の審査には、イラストレーターの日比野克彦さんも加わり、
地元の名所の山田富士と東山田の「ひ」の字を組み合わせた、
ユーモラスなマークが選ばれ、「やまたろう」と名前もついた。
すでに、マーク入りのバンダナやあめができている。
ハウスには、地域住民だけでなく、保護者や中学生自身も姿を見せる。
習字教室の先生が中学校の卒業証書の文字を書くといったことが、
ごく自然にできる。
ハウスが、学校と地域のつなぎ役になっている。
◆コミュニティハウス
地域住民が、生涯学習的な活動をするための横浜市独自の施設。
中学校区単位で約20年前から整備が始まり、現在108か所ある。
空き教室などを使った学校併設型85か所では、
地域と学校の交流・連携を深めることも目的にし、
以前はコミュニティスクールと呼ばれていた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081206-OYT8T00185.htm
学校作りと地域作りが、新しい学校で同時に進む。
創立4年目の横浜市立東山田中学校で、
250人近い3年生への模擬面接が行われた。
面接官役は、会社役員、元高校教師、ボランティア活動家、
町内会長など、地域住民25人。
生徒たちは教室で個別に、志望理由などの質問を受け、
マナーについて意見を聞き、3段階で評価も受けた。
高校の推薦入試を受ける生徒にとって、面接はまもなく経験する試練。
これまでは、担任や校長らの指導を受けるだけだったが、
本番に近い形での練習の場となった。
「生徒に、いい意味の緊張が見られた。面接官役の皆さんも、
『こういう形で中学生とかかわったのは初めて。
普段とは違う一生懸命な姿を見ることができてよかった』」と斎藤悦子校長(56)。
「地域の人に満足してもらえて、私たちもうれしい」と、
地域住民の交流施設コミュニティハウスの竹原和泉館長(58)。
初めての試みは大成功。
横浜ニュータウンにある東山田中は、開校と同時に、
地域住民が学校運営に参画するコミュニティスクールの指定を受けた。
初代校長は、インターネット商取引大手「楽天」の元副社長、本城慎之介さん。
32歳の校長として当時、注目を集めた本城さんを2年間、
副校長として支えたのが斎藤さん。
地域活動の経験が豊富な竹原館長は現在、コミュニティスクールの
協議機関である学校運営協議会の副会長。
2人の女性が、コミュニティスクールを引っ張っている。
運営協議会では当初から、子供たちに将来を考えさせるキャリア教育を、
学校支援プロジェクトの柱に据えてきた。
子供たちの将来は、地域の将来とも密接な関係がある。
支援してくれる地元の事業所向けに、「10年後の社会人
中学生のために地域の大人ができること」と題したハンドブックも作った。
1年生は自分を見つめ、職業や社会について知る。
2年生で職業体験をさせる。
3年生は自分の進路を決めるために高校や事業所を見学する。
昨年の職業体験後の反省会の場で、
教員が「来年、地域の方に面接をやってもらえればありがたい」と
提案したのが、今回の催しにつながった。
竹原館長らが、ハウスに集う人たちを中心に声をかけた。
学校支援プロジェクトのもう一つの柱が、仲間意識を育むシンボルマークの制作。
公募作品の審査には、イラストレーターの日比野克彦さんも加わり、
地元の名所の山田富士と東山田の「ひ」の字を組み合わせた、
ユーモラスなマークが選ばれ、「やまたろう」と名前もついた。
すでに、マーク入りのバンダナやあめができている。
ハウスには、地域住民だけでなく、保護者や中学生自身も姿を見せる。
習字教室の先生が中学校の卒業証書の文字を書くといったことが、
ごく自然にできる。
ハウスが、学校と地域のつなぎ役になっている。
◆コミュニティハウス
地域住民が、生涯学習的な活動をするための横浜市独自の施設。
中学校区単位で約20年前から整備が始まり、現在108か所ある。
空き教室などを使った学校併設型85か所では、
地域と学校の交流・連携を深めることも目的にし、
以前はコミュニティスクールと呼ばれていた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081206-OYT8T00185.htm
ひどい上司を持つと心臓に悪い
(WebMD 11月24日)
自分の上司は不公平だ、気まぐれだ、思いやりがない、
全体的に管理能力に欠けると考えている人は、
心臓発作などの心臓病になるリスクが高いことを、
スウェーデンの新たな研究が明らかにした。
ひどい管理者のせいで、一般社員がストレスを感じている場合、
心臓病の長期リスクがさらに上昇する。
『Occupational and Environmental Medicine』に報告。
1992~1995年、男性一般社員3000人以上の心臓の健康状態を追跡。
2003年までに虚血性心疾患により入院、死亡した患者に関する
全国患者登録データと、この職業的健康記録を照らし合わせてみた。
10年間にわたる調査期間で、心臓発作、不安定狭心症、心停止などの
致死的および非致死的心臓疾患イベントが74例認められた。
部下が管理者を有能と評価すればするほど、重篤な心臓病のリスクは低い。
管理者のリーダーシップに対する認識と部下の重篤な心臓病リスクの関連性は、
部下の勤続年数が長いほど高かった。
ひどい上司によるストレスは、時間とともに増大することが示された。
社員の重篤な心臓病を予防するため、
会社は部下の評価に基づいて、管理者の不足能力を改善する手だてをとるべき。
カロリンスカ研究所、ストックホルム大学ストレス研究所のAnna Nyberg氏は、
「存在感があり意欲的な管理者とは、体制をつくり、情報を提供し、
社員を支えてくれる管理者で、部署が悪い方向にいかないよう対策を講じる。
ストレスによる部下の生理的変化を悪化させるのではなく、
その再生を促すのではないか」
参加者らは、ある評価体系を使って、コミュニケーションやフィードバック能力の高さ、
変化対応時の成果、目標設定能力、部下に任せた仕事の量などに関し、
上級管理者を評価。
その結果、リーダーシップスコアが高ければ高いほど、心臓病のリスクが低下。
この関連性のロバスト性は、「教育、社会的階級、収入、監督的立場、
仕事時に感じる身体的負荷、喫煙、運動、[BMI]、脂質、フィブリノゲン、
糖尿病を補正の上で」確認。
ひどい上司は、その下で働く人の健康や寿命にまでも悪影響を及ぼす可能性が。
別の研究で、身体的・精神的に有害だと思う職場環境にさらされている
社員の心血管疾患リスクは50%も高かった。
「特に職場の心理社会的ストレッサーは比較的多いので、
臨床的意味は大きい」
管理者の行動の質に対する認識が部下の健康に影響するとの
エビデンスは増えている。
部下が意識的にみている点は、上司の「思いやりある行動」、
どれだけ上手く部下に知的刺激を与えられるか、
部下とのコミュニケーション能力であった。
上司の評価に使われた質問には、「私が何か失敗すると、
上司にかなりきついことを言われる」といったものや、
管理者がいかに上手く期待していることを伝えられるかについて聞くものも。
情報伝達に難がある(単に否定的意味でなく)と思われている上司の部下は、
心臓病を発症するリスクが高い。
手始めに、管理者の仕事能力を高める訓練をしてみてはどうか。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=84203
自分の上司は不公平だ、気まぐれだ、思いやりがない、
全体的に管理能力に欠けると考えている人は、
心臓発作などの心臓病になるリスクが高いことを、
スウェーデンの新たな研究が明らかにした。
ひどい管理者のせいで、一般社員がストレスを感じている場合、
心臓病の長期リスクがさらに上昇する。
『Occupational and Environmental Medicine』に報告。
1992~1995年、男性一般社員3000人以上の心臓の健康状態を追跡。
2003年までに虚血性心疾患により入院、死亡した患者に関する
全国患者登録データと、この職業的健康記録を照らし合わせてみた。
10年間にわたる調査期間で、心臓発作、不安定狭心症、心停止などの
致死的および非致死的心臓疾患イベントが74例認められた。
部下が管理者を有能と評価すればするほど、重篤な心臓病のリスクは低い。
管理者のリーダーシップに対する認識と部下の重篤な心臓病リスクの関連性は、
部下の勤続年数が長いほど高かった。
ひどい上司によるストレスは、時間とともに増大することが示された。
社員の重篤な心臓病を予防するため、
会社は部下の評価に基づいて、管理者の不足能力を改善する手だてをとるべき。
カロリンスカ研究所、ストックホルム大学ストレス研究所のAnna Nyberg氏は、
「存在感があり意欲的な管理者とは、体制をつくり、情報を提供し、
社員を支えてくれる管理者で、部署が悪い方向にいかないよう対策を講じる。
ストレスによる部下の生理的変化を悪化させるのではなく、
その再生を促すのではないか」
参加者らは、ある評価体系を使って、コミュニケーションやフィードバック能力の高さ、
変化対応時の成果、目標設定能力、部下に任せた仕事の量などに関し、
上級管理者を評価。
その結果、リーダーシップスコアが高ければ高いほど、心臓病のリスクが低下。
この関連性のロバスト性は、「教育、社会的階級、収入、監督的立場、
仕事時に感じる身体的負荷、喫煙、運動、[BMI]、脂質、フィブリノゲン、
糖尿病を補正の上で」確認。
ひどい上司は、その下で働く人の健康や寿命にまでも悪影響を及ぼす可能性が。
別の研究で、身体的・精神的に有害だと思う職場環境にさらされている
社員の心血管疾患リスクは50%も高かった。
「特に職場の心理社会的ストレッサーは比較的多いので、
臨床的意味は大きい」
管理者の行動の質に対する認識が部下の健康に影響するとの
エビデンスは増えている。
部下が意識的にみている点は、上司の「思いやりある行動」、
どれだけ上手く部下に知的刺激を与えられるか、
部下とのコミュニケーション能力であった。
上司の評価に使われた質問には、「私が何か失敗すると、
上司にかなりきついことを言われる」といったものや、
管理者がいかに上手く期待していることを伝えられるかについて聞くものも。
情報伝達に難がある(単に否定的意味でなく)と思われている上司の部下は、
心臓病を発症するリスクが高い。
手始めに、管理者の仕事能力を高める訓練をしてみてはどうか。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=84203
筋繊維鞘に局在する nNOSは軽度の運動後の活動性維持に必要である
nature 2008年11月27日号Vol.456 No7221 / P.511-515
筋繊維鞘に局在する nNOSは軽度の運動後の活動性維持に必要
多くの神経筋疾患は、運動誘発性疲労応答の増大が特徴であり、
これは活動強度とは比例しない。
この疲労は、患者の中枢性あるいは末梢性のより強い疲労と
必ずしも相関することはなく、
明らかな身体疾患なしに重度の疲労を起こす患者もいる。
特定の代謝障害により起こる筋疾患を除いて、
この種の疲労の原因となる機構はまだ不明である。
有効な治療方法が存在しないため、この型の不活動性は
身体障害の主要な原因となる。
今回我々はマウスモデルを用いて、この激化した疲労応答が
筋肉に特有の力発生の消失とは異なること、
骨格筋での神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)による、
筋繊維鞘局在性のシグナル伝達が軽度の運動後の活動性の維持に
必要であることを示す。
nNOSヌルマウスでは、筋肉の病態はみられず、
筋肉特有の力が消失することもないが、
軽度の運動に対する疲労応答が増大する。
nNOSが筋繊維鞘に局在しないマウスモデルでみられる
長期にわたる不活動性は、cGMPシグナル伝達を薬理学的に
増強することによってのみ軽減できた。
cGMPシグナル伝達は、軽度の運動に反応して起こる
一酸化窒素シグナル伝達中に、筋肉のnNOSが活性化された結果として生じる。
我々の結果は、軽度の運動後の疲労激化の原因となる機構は、
筋繊維鞘に局在するnNOSからの収縮惹起性シグナル伝達の欠損であり、
この欠損は軽度の運動後に活動した筋肉に栄養を補給する
血管のcGMP介在性血管調節の低下をもたらすことを示唆。
さまざまな筋疾患の患者多数からの生検標本で、
筋繊維鞘のnNOS染色が減弱しており、
これは疲労が共通の機構によって起こることを示唆。
我々の結果は、軽度の運動に対して激しい疲労応答を示す患者は、
運動誘発性シグナル伝達を改善する治療戦略に応答して
臨床症状が改善される可能性を示している。
[原文]Sarcolemma-localized nNOS is required to maintain activity after mild exercise
Yvonne M. Kobayashi1,2,3,4, Erik P. Rader1,2,3,4, Robert W. Crawford1,2,3,4, Nikhil K. Iyengar4, Daniel R. Thedens5, John A. Faulkner7, Swapnesh V. Parikh4, Robert M. Weiss4, Jeffrey S. Chamberlain8, Steven A. Moore6 & Kevin P. Campbell1,2,3,41.Howard Hughes Medical Institute,2.Department of Molecular Physiology and Biophysics,3.Department of Neurology,4.Department of Internal Medicine,5.Department of Radiology,6.Department of Pathology, University of Iowa, Roy J. and Lucille A. Carver College of Medicine, 4283 Carver Biomedical Research Building, 285 Newton Road, Iowa City, Iowa 52242-1101, USA 7.Department of Molecular and Integrative Physiology, University of Michigan, 2031 Biomedical Sciences Research Building, Ann Arbor, Michigan 48109-2200, USA 8.Department of Neurology, University of Washington School of Medicine, HSB, Room K243b, Seattle, Washington 98195-7720, USA
Many neuromuscular conditions are characterized by an exaggerated exercise-induced fatigue response that is disproportionate to activity level. This fatigue is not necessarily correlated with greater central or peripheral fatigue in patients1, and some patients experience severe fatigue without any demonstrable somatic disease2. Except in myopathies that are due to specific metabolic defects, the mechanism underlying this type of fatigue remains unknown2. With no treatment available, this form of inactivity is a major determinant of disability3. Here we show, using mouse models, that this exaggerated fatigue response is distinct from a loss in specific force production by muscle, and that sarcolemma-localized signalling by neuronal nitric oxide synthase (nNOS) in skeletal muscle is required to maintain activity after mild exercise. We show that nNOS-null mice do not have muscle pathology and have no loss of muscle-specific force after exercise but do display this exaggerated fatigue response to mild exercise. In mouse models of nNOS mislocalization from the sarcolemma, prolonged inactivity was only relieved by pharmacologically enhancing the cGMP signal that results from muscle nNOS activation during the nitric oxide signalling response to mild exercise. Our findings suggest that the mechanism underlying the exaggerated fatigue response to mild exercise is a lack of contraction-induced signalling from sarcolemma-localized nNOS, which decreases cGMP-mediated vasomodulation in the vessels that supply active muscle after mild exercise. Sarcolemmal nNOS staining was decreased in patient biopsies from a large number of distinct myopathies, suggesting a common mechanism of fatigue. Our results suggest that patients with an exaggerated fatigue response to mild exercise would show clinical improvement in response to treatment strategies aimed at improving exercise-induced signalling.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200811/nature/7221/01.html?Mg=3b7443f9dd2f0a39369f8b184d2478b8&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag
筋繊維鞘に局在する nNOSは軽度の運動後の活動性維持に必要
多くの神経筋疾患は、運動誘発性疲労応答の増大が特徴であり、
これは活動強度とは比例しない。
この疲労は、患者の中枢性あるいは末梢性のより強い疲労と
必ずしも相関することはなく、
明らかな身体疾患なしに重度の疲労を起こす患者もいる。
特定の代謝障害により起こる筋疾患を除いて、
この種の疲労の原因となる機構はまだ不明である。
有効な治療方法が存在しないため、この型の不活動性は
身体障害の主要な原因となる。
今回我々はマウスモデルを用いて、この激化した疲労応答が
筋肉に特有の力発生の消失とは異なること、
骨格筋での神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)による、
筋繊維鞘局在性のシグナル伝達が軽度の運動後の活動性の維持に
必要であることを示す。
nNOSヌルマウスでは、筋肉の病態はみられず、
筋肉特有の力が消失することもないが、
軽度の運動に対する疲労応答が増大する。
nNOSが筋繊維鞘に局在しないマウスモデルでみられる
長期にわたる不活動性は、cGMPシグナル伝達を薬理学的に
増強することによってのみ軽減できた。
cGMPシグナル伝達は、軽度の運動に反応して起こる
一酸化窒素シグナル伝達中に、筋肉のnNOSが活性化された結果として生じる。
我々の結果は、軽度の運動後の疲労激化の原因となる機構は、
筋繊維鞘に局在するnNOSからの収縮惹起性シグナル伝達の欠損であり、
この欠損は軽度の運動後に活動した筋肉に栄養を補給する
血管のcGMP介在性血管調節の低下をもたらすことを示唆。
さまざまな筋疾患の患者多数からの生検標本で、
筋繊維鞘のnNOS染色が減弱しており、
これは疲労が共通の機構によって起こることを示唆。
我々の結果は、軽度の運動に対して激しい疲労応答を示す患者は、
運動誘発性シグナル伝達を改善する治療戦略に応答して
臨床症状が改善される可能性を示している。
[原文]Sarcolemma-localized nNOS is required to maintain activity after mild exercise
Yvonne M. Kobayashi1,2,3,4, Erik P. Rader1,2,3,4, Robert W. Crawford1,2,3,4, Nikhil K. Iyengar4, Daniel R. Thedens5, John A. Faulkner7, Swapnesh V. Parikh4, Robert M. Weiss4, Jeffrey S. Chamberlain8, Steven A. Moore6 & Kevin P. Campbell1,2,3,41.Howard Hughes Medical Institute,2.Department of Molecular Physiology and Biophysics,3.Department of Neurology,4.Department of Internal Medicine,5.Department of Radiology,6.Department of Pathology, University of Iowa, Roy J. and Lucille A. Carver College of Medicine, 4283 Carver Biomedical Research Building, 285 Newton Road, Iowa City, Iowa 52242-1101, USA 7.Department of Molecular and Integrative Physiology, University of Michigan, 2031 Biomedical Sciences Research Building, Ann Arbor, Michigan 48109-2200, USA 8.Department of Neurology, University of Washington School of Medicine, HSB, Room K243b, Seattle, Washington 98195-7720, USA
Many neuromuscular conditions are characterized by an exaggerated exercise-induced fatigue response that is disproportionate to activity level. This fatigue is not necessarily correlated with greater central or peripheral fatigue in patients1, and some patients experience severe fatigue without any demonstrable somatic disease2. Except in myopathies that are due to specific metabolic defects, the mechanism underlying this type of fatigue remains unknown2. With no treatment available, this form of inactivity is a major determinant of disability3. Here we show, using mouse models, that this exaggerated fatigue response is distinct from a loss in specific force production by muscle, and that sarcolemma-localized signalling by neuronal nitric oxide synthase (nNOS) in skeletal muscle is required to maintain activity after mild exercise. We show that nNOS-null mice do not have muscle pathology and have no loss of muscle-specific force after exercise but do display this exaggerated fatigue response to mild exercise. In mouse models of nNOS mislocalization from the sarcolemma, prolonged inactivity was only relieved by pharmacologically enhancing the cGMP signal that results from muscle nNOS activation during the nitric oxide signalling response to mild exercise. Our findings suggest that the mechanism underlying the exaggerated fatigue response to mild exercise is a lack of contraction-induced signalling from sarcolemma-localized nNOS, which decreases cGMP-mediated vasomodulation in the vessels that supply active muscle after mild exercise. Sarcolemmal nNOS staining was decreased in patient biopsies from a large number of distinct myopathies, suggesting a common mechanism of fatigue. Our results suggest that patients with an exaggerated fatigue response to mild exercise would show clinical improvement in response to treatment strategies aimed at improving exercise-induced signalling.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200811/nature/7221/01.html?Mg=3b7443f9dd2f0a39369f8b184d2478b8&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag
「家で勉強しない」中学2、3年で9% 県教委調査
(岩手日報 12月8日)
県教委が児童生徒を対象に実施したアンケートで、
「学校の授業以外の勉強時間」を調べたところ、
中学2年、3年で「ほとんどしない」と答えた生徒が9%いた。
学年が進むにつれて、学習内容が理解できなくなり、
意欲が低下する生徒が増えることなどが要因。
県教委は、県PTA連合会に、家庭学習の環境づくりに協力するよう
初めて要請するなど、学校、家庭が一体となった取り組みを進めている。
アンケートは、10月1日に行われた学習定着度状況調査に参加した
市町村立の小中学校の小3から中3までの全児童生徒約8万7000人が対象。
「授業以外で1日どのくらい勉強しますか」という質問に、
1時間以上と答えたのは小3、小4は34%、小5は46%、小6は52%。
中1は60%、中2は47%、中3は最も多く61%。
一方で、「ほとんどしない」と答える児童生徒の割合は、
中2、中3で最も多く9%。
小3、小4は5%、小5は4%、小6、中1は最も少なく3%。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081208_1
県教委が児童生徒を対象に実施したアンケートで、
「学校の授業以外の勉強時間」を調べたところ、
中学2年、3年で「ほとんどしない」と答えた生徒が9%いた。
学年が進むにつれて、学習内容が理解できなくなり、
意欲が低下する生徒が増えることなどが要因。
県教委は、県PTA連合会に、家庭学習の環境づくりに協力するよう
初めて要請するなど、学校、家庭が一体となった取り組みを進めている。
アンケートは、10月1日に行われた学習定着度状況調査に参加した
市町村立の小中学校の小3から中3までの全児童生徒約8万7000人が対象。
「授業以外で1日どのくらい勉強しますか」という質問に、
1時間以上と答えたのは小3、小4は34%、小5は46%、小6は52%。
中1は60%、中2は47%、中3は最も多く61%。
一方で、「ほとんどしない」と答える児童生徒の割合は、
中2、中3で最も多く9%。
小3、小4は5%、小5は4%、小6、中1は最も少なく3%。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081208_1
ロンドン五輪の建設コスト、1カ月135億円と
(CNN 12月4日)
世界的に景気が後退する中、2012年のロンドン五輪に向けた
建設コストが、1カ月あたり1億4700万ドル(約135億円)に達していると、
テッサ・ジョウェル五輪担当相が明らかに。
五輪の総予算は、138億ドル(約1兆2696億円)、
このうち64%は政府が負担、11%が納税者の負担。
ジョウェル五輪担当相は、これ以上の公的資金を投入することはないと強調。
建設計画面でも予算面でも、順調に進んでいる。
世界的な景気後退の中で、莫大な資金をかけて開催する五輪は、
ロンドンにとってプラスになると指摘。
「五輪開催は、経済的な金メダル。投資のためのカンフル剤だ」
http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200812040012.html
世界的に景気が後退する中、2012年のロンドン五輪に向けた
建設コストが、1カ月あたり1億4700万ドル(約135億円)に達していると、
テッサ・ジョウェル五輪担当相が明らかに。
五輪の総予算は、138億ドル(約1兆2696億円)、
このうち64%は政府が負担、11%が納税者の負担。
ジョウェル五輪担当相は、これ以上の公的資金を投入することはないと強調。
建設計画面でも予算面でも、順調に進んでいる。
世界的な景気後退の中で、莫大な資金をかけて開催する五輪は、
ロンドンにとってプラスになると指摘。
「五輪開催は、経済的な金メダル。投資のためのカンフル剤だ」
http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200812040012.html
2008年12月10日水曜日
地域が支える学校(4)郷土を愛する心育む
(読売 12月5日)
徹底した郷土学習が、地域住民と子供たちの心をつなぐ。
広島県尾道市立土堂小学校は、瀬戸内海を見下ろす高台にある。
5年生の郷土学習は、卒業生でもある作家、林芙美子の生涯を
調べるために、50人が4班に分かれて街に出た。
ある班は、芙美子の育った家を訪れた。
講師役は小森マリ子さん(59)。
隣接する喫茶店「芙美子」を夫婦で経営し、家屋も管理する。
「この家から、皆さんと同じように学校前の70段の階段を上って通ったんですよ」、
「幼い頃は貧しかった。でも、努力は夢をかなえてくれることを忘れないで」。
メモをとる子供たちの表情が引き締まる。
家は1階が土間で、2階に5畳ほどの和室がある。
「狭い中、親子3人で暮らしていたんだ」と子供たちは驚いた様子。
「子供の姿が地域にあるだけで、住民には大きなエネルギーになります」。
説明の後、小森さんは強調した。
土堂小は県内唯一、地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクール。
3年前に指定され、学校運営の柱となるミッションステートメントに
郷土学習を盛り込んだ。
郷土学習は、全学年で行われている。
低学年は学校周辺の探索から始め、高学年は、映画や文学など、
テーマごとに尾道の歴史を調べる。
学んだ内容で児童が俳句を作り、商店街の空き店舗に展示するなど、
地域住民に見える形で成果も披露。
祭りや敬老会など、毎月、地域住民とかかわる機会もある。
「尾道には小道が多い。すれ違えば、子供も大人も自然とあいさつを交わす。
地域と触れ合う文化を授業の中でも大切にしたい」と松原隆二校長(57)。
コミュニティスクールの協議機関である学校運営協議会が昨年、行った
アンケートでは、「子供が尾道に愛着を持つようになった」
と感じる保護者が96%もいた。
郷土学習担当の藤井浩治教諭(47)は、
「知識を増やすだけでなく、住民から生き方も学んでほしい」と期待。
確かな基礎学力を身に着けることも、協議会が掲げる同小の大きな目標。
2003年度から3年間、校長を務めたのは、
「百ます計算」で知られた陰山英男・立命館大教授。
「読み・書き・計算」の徹底した反復学習の指導は、その後も受け継がれている。
陰山さんが校長になった初年度、同小は特例的に全市から通えるようになり、
翌04年度からは全市で学校選択制を導入。
11月に行われた新入生の保護者向け公開授業。
学区外に住む男性会社員(33)は、
「元気のある子が多く、郷土学習にも好感を持っている。娘をぜひ入学させたい」
同小には、選択制の導入以降、学区外から通える子供の定員を
常に上回る40~50人の入学希望者がある。
その数字は、かつては、廃校のうわさが出た学校の運営方針が
支持されていることの証しと言える。
◆ミッションステートメント
「行動指針」のような意味で使われる。
土堂小では、学校運営協議会が理想の学校像を明文化した。
〈1〉基礎・基本を大切にし、確かな学力を育む学校
〈2〉尾道の魅力を追求する学校
〈3〉コミュニケーション能力を育てる学校
〈4〉学ぶ力と遊ぶ力と生きる力を育む学校
〈5〉児童・保護者・地域がともに学び運営する学校――を掲げている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081205-OYT8T00182.htm
徹底した郷土学習が、地域住民と子供たちの心をつなぐ。
広島県尾道市立土堂小学校は、瀬戸内海を見下ろす高台にある。
5年生の郷土学習は、卒業生でもある作家、林芙美子の生涯を
調べるために、50人が4班に分かれて街に出た。
ある班は、芙美子の育った家を訪れた。
講師役は小森マリ子さん(59)。
隣接する喫茶店「芙美子」を夫婦で経営し、家屋も管理する。
「この家から、皆さんと同じように学校前の70段の階段を上って通ったんですよ」、
「幼い頃は貧しかった。でも、努力は夢をかなえてくれることを忘れないで」。
メモをとる子供たちの表情が引き締まる。
家は1階が土間で、2階に5畳ほどの和室がある。
「狭い中、親子3人で暮らしていたんだ」と子供たちは驚いた様子。
「子供の姿が地域にあるだけで、住民には大きなエネルギーになります」。
説明の後、小森さんは強調した。
土堂小は県内唯一、地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクール。
3年前に指定され、学校運営の柱となるミッションステートメントに
郷土学習を盛り込んだ。
郷土学習は、全学年で行われている。
低学年は学校周辺の探索から始め、高学年は、映画や文学など、
テーマごとに尾道の歴史を調べる。
学んだ内容で児童が俳句を作り、商店街の空き店舗に展示するなど、
地域住民に見える形で成果も披露。
祭りや敬老会など、毎月、地域住民とかかわる機会もある。
「尾道には小道が多い。すれ違えば、子供も大人も自然とあいさつを交わす。
地域と触れ合う文化を授業の中でも大切にしたい」と松原隆二校長(57)。
コミュニティスクールの協議機関である学校運営協議会が昨年、行った
アンケートでは、「子供が尾道に愛着を持つようになった」
と感じる保護者が96%もいた。
郷土学習担当の藤井浩治教諭(47)は、
「知識を増やすだけでなく、住民から生き方も学んでほしい」と期待。
確かな基礎学力を身に着けることも、協議会が掲げる同小の大きな目標。
2003年度から3年間、校長を務めたのは、
「百ます計算」で知られた陰山英男・立命館大教授。
「読み・書き・計算」の徹底した反復学習の指導は、その後も受け継がれている。
陰山さんが校長になった初年度、同小は特例的に全市から通えるようになり、
翌04年度からは全市で学校選択制を導入。
11月に行われた新入生の保護者向け公開授業。
学区外に住む男性会社員(33)は、
「元気のある子が多く、郷土学習にも好感を持っている。娘をぜひ入学させたい」
同小には、選択制の導入以降、学区外から通える子供の定員を
常に上回る40~50人の入学希望者がある。
その数字は、かつては、廃校のうわさが出た学校の運営方針が
支持されていることの証しと言える。
◆ミッションステートメント
「行動指針」のような意味で使われる。
土堂小では、学校運営協議会が理想の学校像を明文化した。
〈1〉基礎・基本を大切にし、確かな学力を育む学校
〈2〉尾道の魅力を追求する学校
〈3〉コミュニケーション能力を育てる学校
〈4〉学ぶ力と遊ぶ力と生きる力を育む学校
〈5〉児童・保護者・地域がともに学び運営する学校――を掲げている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081205-OYT8T00182.htm
五輪東京招致、北島ら選手主導で支援団体設立へ
(読売 12月6日)
2016年夏季五輪の東京招致で、
選手主導の活動支援団体が設立される見通し。
北京五輪競泳金メダリストの北島康介(日本コカ・コーラ)ら
五輪、パラリンピックの選手らが中心となり、
競技団体を横断する形で呼びかけている。
12日に国立代々木第1体育館で計画されている招致イベント
「東京招致サポーター代々木集会」で旗揚げされることに。
開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会を、
来年10月に控える招致レースは、
東京が今夏の候補都市絞り込みで最高の評価を得た。
一方で、東京は国内世論の盛り上がりが欠けるといわれてきた。
この団体は、世論を盛り上げるため、選手たちが
「選手自身の言葉で、東京招致の意味を直接呼びかけよう」と発案。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20081205-OYT1T00698.htm
2016年夏季五輪の東京招致で、
選手主導の活動支援団体が設立される見通し。
北京五輪競泳金メダリストの北島康介(日本コカ・コーラ)ら
五輪、パラリンピックの選手らが中心となり、
競技団体を横断する形で呼びかけている。
12日に国立代々木第1体育館で計画されている招致イベント
「東京招致サポーター代々木集会」で旗揚げされることに。
開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会を、
来年10月に控える招致レースは、
東京が今夏の候補都市絞り込みで最高の評価を得た。
一方で、東京は国内世論の盛り上がりが欠けるといわれてきた。
この団体は、世論を盛り上げるため、選手たちが
「選手自身の言葉で、東京招致の意味を直接呼びかけよう」と発案。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20081205-OYT1T00698.htm
飲み込むだけで患部発見 カプセル内視鏡を開発 「経済ウイークリー」〈この人・この仕事〉オリンパスメディカルシステムズの笹川克義さん
(共同通信社 2008年12月3日)
入社以来、内視鏡の開発を担当してきた。
当初は、「カメラ開発を希望していたこともあって、何の知識も持ってなかった」
2005年、国内メーカーで初めてカプセル型の内視鏡
「エンドカプセル(小腸用)」を海外で発売。
日本では今年10月に発売にこぎ着けた。
内視鏡の形や機能は、日進月歩で開発が進んでいる。
先端にレンズの付いた管をより細くして、
患者の負担が減るよう研究開発が続いてきた。
究極は、飲み込むだけのカプセル型内視鏡だ。
その案自体は、20数年前からあった。当時は実現できる技術がなかった。
開発したカプセル内視鏡は外径11ミリ、長さ26ミリ。
それ自体は動かない。
小腸はぜん動運動があり、小腸の直径がカプセルよりも少し大きいため、
腸壁の隅々まで撮影できると考えた。
リアルタイムで映像が見えて、1秒間に2枚、計約6万枚を撮影して
無線で受信装置に送信する。
「自分の仕事が人の命を救うことに役立っている。やりがいを感じます」
今は、病気になる数や患者数が多い胃や大腸に使えるカプセル内視鏡や、
病変を識別できる特殊な光線を研究。
「苦痛なく検査できる機器が増えている。
早期発見、早期治療のためにも、
内視鏡検査がもっと身近なものになってほしい」
49歳。新潟市出身。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84232
入社以来、内視鏡の開発を担当してきた。
当初は、「カメラ開発を希望していたこともあって、何の知識も持ってなかった」
2005年、国内メーカーで初めてカプセル型の内視鏡
「エンドカプセル(小腸用)」を海外で発売。
日本では今年10月に発売にこぎ着けた。
内視鏡の形や機能は、日進月歩で開発が進んでいる。
先端にレンズの付いた管をより細くして、
患者の負担が減るよう研究開発が続いてきた。
究極は、飲み込むだけのカプセル型内視鏡だ。
その案自体は、20数年前からあった。当時は実現できる技術がなかった。
開発したカプセル内視鏡は外径11ミリ、長さ26ミリ。
それ自体は動かない。
小腸はぜん動運動があり、小腸の直径がカプセルよりも少し大きいため、
腸壁の隅々まで撮影できると考えた。
リアルタイムで映像が見えて、1秒間に2枚、計約6万枚を撮影して
無線で受信装置に送信する。
「自分の仕事が人の命を救うことに役立っている。やりがいを感じます」
今は、病気になる数や患者数が多い胃や大腸に使えるカプセル内視鏡や、
病変を識別できる特殊な光線を研究。
「苦痛なく検査できる機器が増えている。
早期発見、早期治療のためにも、
内視鏡検査がもっと身近なものになってほしい」
49歳。新潟市出身。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84232
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