(読売 12月2日)
「ほいっと、ほいっと」のかけ声とともに、
浴衣や法被姿の中学生たちが歩く。
観光名所で知られる京都・嵐山のふもとにある中ノ島公園。
京都市立嵯峨中学校の生徒約250人が、恒例のパレードを行った。
約2・5kmを3時間近くかけて歩き、太鼓の演奏やダンスを披露したり、
10年前の第1回から引き継がれる手作りのみこしを担ぎ出したり。
5月に行われる伝統の「嵯峨祭」に似ているが、
こちらは生徒たちがメッセージを掲げている。
実はこのパレード、同中の総合学習の発表の場の一つ。
総合学習では、3年の時、「嵯峨嵐山に人を呼ぼう」をテーマに、
観光振興や環境保全に1年間かけて取り組んでいる。
パレードで、生徒が手にするのぼりに書かれた
「古都の風 京の誇り 今 返り咲く」、
「京の都 我らが誇る 嵯峨の町」などの標語は、各組ごとに考えたもの。
沿道の人に再生紙で作ったはがきを配ったり、沿道のゴミを拾ったりと、
様々な方法で、「観光」と「環境」を訴えた。
多くの観光客がカメラを向けるパレードでは、生徒一人ひとりが主役。
「校外でのPRは、生徒の自信につながる」と宮崎幹也校長(58)。
3年の仲北大朗君(15)は、
「僕たちの活動が、観光の一端になったらうれしい」
パレード以外の校外活動も好評。
環境保全では、大堰川にかかる渡月橋の近くで、
外来種の水草オオカナダモの除去やゴミ拾いを行う。
観光振興では、地元の商店街と協力し、毎年数量限定で
土産物の新商品を企画。
昨年度は、舞妓さんの顔を絵柄にしたポーチ「舞ポーチ」(1000円)
300個を完売、生徒たちは確かな手応えを感じた。
約10年前の同中は、校内暴力などで荒れていたが、
地域と連携した総合学習で改善した。
みこしを指導してくれる嵯峨祭奉賛会のメンバーなどとの交流が、
地域への誇りを高めるなど、生徒の意識変化をもたらした。
「人のためになっている」という「自己有用感」は、
学習面でも効果をもたらし、全国学力テストでは平均点を上回る。
今では、家庭で学校の出来事について話す生徒も多く、
アンケートでは全国平均57・8%に対し、63・1%、
特にパレード後の11月は65・1%に上る。
観光地を盛り上げる取り組みが、確かな学びにつながっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101202-OYT8T00167.htm
2010年12月9日木曜日
水沢鋳物組合が台湾出展へ 今月の国際博覧会
(岩手日報 12月2日)
水沢鋳物工業協同組合(及川敬理事長)は、
台湾・台北市で開かれる台湾国際茶葉博覧会に、
南部鉄瓶を出展する。
企業単位で海外の商談会に参加する例はあるが、
組合として国際博覧会に出展するのは初めて。
同博覧会は、茶や茶具などを展示販売、商談を行う事実上の見本市。
茶湯に適した南部鉄瓶は台湾や香港、中国で人気が出ており、
アジア戦略を加速させる。
同組合が出展するのは、南部鉄瓶80点、急須30点の計110点。
展示販売のほか、現地の茶業者との商談をメーンに、
茶湯に適した製品の魅力を現地のバイヤーなどに売り込む。
同組合によると、南部鉄器は台湾の出版社が同組合などを
取材して発刊した冊子のPR効果で、知名度を上げている。
6月、東京都内で開かれた見本市でも、鉄瓶は例年以上に
台湾人のニーズが高かったため、今回の出展に踏み切った。
今年の上海万博では、県と中国上海市の上海大可堂茶業有限公司、
雲南省プーアル市の3者の共同ブースで、プーアル茶に適した
南部鉄瓶を世界に発信。
アジアで、人気は高まりつつある。
「南部鉄器は、本県の海外展開の重要品目」
(福沢淳一県産業経済交流課総括課長)だけに、
組合として海外に打って出る試みが注目。
博覧会は24日から3日間、台北市内の展示ホールで行われ、
数万人の来場が見込まれる。
同組合は、及川理事長ら6人がセールス展開する計画。
同組合の後藤安彦事務局長は、
「この機会に台湾、中国、香港で人気が高まっている南部鉄瓶を
大いにPRし、販路拡大したい」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101202_5
水沢鋳物工業協同組合(及川敬理事長)は、
台湾・台北市で開かれる台湾国際茶葉博覧会に、
南部鉄瓶を出展する。
企業単位で海外の商談会に参加する例はあるが、
組合として国際博覧会に出展するのは初めて。
同博覧会は、茶や茶具などを展示販売、商談を行う事実上の見本市。
茶湯に適した南部鉄瓶は台湾や香港、中国で人気が出ており、
アジア戦略を加速させる。
同組合が出展するのは、南部鉄瓶80点、急須30点の計110点。
展示販売のほか、現地の茶業者との商談をメーンに、
茶湯に適した製品の魅力を現地のバイヤーなどに売り込む。
同組合によると、南部鉄器は台湾の出版社が同組合などを
取材して発刊した冊子のPR効果で、知名度を上げている。
6月、東京都内で開かれた見本市でも、鉄瓶は例年以上に
台湾人のニーズが高かったため、今回の出展に踏み切った。
今年の上海万博では、県と中国上海市の上海大可堂茶業有限公司、
雲南省プーアル市の3者の共同ブースで、プーアル茶に適した
南部鉄瓶を世界に発信。
アジアで、人気は高まりつつある。
「南部鉄器は、本県の海外展開の重要品目」
(福沢淳一県産業経済交流課総括課長)だけに、
組合として海外に打って出る試みが注目。
博覧会は24日から3日間、台北市内の展示ホールで行われ、
数万人の来場が見込まれる。
同組合は、及川理事長ら6人がセールス展開する計画。
同組合の後藤安彦事務局長は、
「この機会に台湾、中国、香港で人気が高まっている南部鉄瓶を
大いにPRし、販路拡大したい」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101202_5
2010年12月8日水曜日
糖尿病の「元」、突き止めた…京大チーム
(2010年12月6日 読売新聞)
血糖値を下げるインスリンの分泌や働きを妨げ、
糖尿病発症の原因になる体内物質を、
京都大ウイルス研究所の増谷弘准教授、吉原栄治研究員らが突き止め、
科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表。
この物質を減らす薬を開発すれば、新薬として期待できる。
この体内物質は、細胞の核にあるTBP2というたんぱく質。
吉原研究員らは、遺伝子を操作してTBP2を持たないマウスを誕生。
マウスは、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの量が
約1・5倍に増加。
いくら食べて太っても、血糖値が正常に保たれ、糖尿病にならなくなった。
普通のマウスは、3日間絶食させても平気だったが、
TBP2を持たないマウスは9割が死んだ。
TBP2は、食べるものがなくても血糖値が下がりすぎないようにし、
生命を維持するために働いているらしい。
増谷准教授は、「かつては生存に欠かせない物質だったが、
飽食の時代を迎え、病気の原因になってしまったのだろう」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129367/
血糖値を下げるインスリンの分泌や働きを妨げ、
糖尿病発症の原因になる体内物質を、
京都大ウイルス研究所の増谷弘准教授、吉原栄治研究員らが突き止め、
科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表。
この物質を減らす薬を開発すれば、新薬として期待できる。
この体内物質は、細胞の核にあるTBP2というたんぱく質。
吉原研究員らは、遺伝子を操作してTBP2を持たないマウスを誕生。
マウスは、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの量が
約1・5倍に増加。
いくら食べて太っても、血糖値が正常に保たれ、糖尿病にならなくなった。
普通のマウスは、3日間絶食させても平気だったが、
TBP2を持たないマウスは9割が死んだ。
TBP2は、食べるものがなくても血糖値が下がりすぎないようにし、
生命を維持するために働いているらしい。
増谷准教授は、「かつては生存に欠かせない物質だったが、
飽食の時代を迎え、病気の原因になってしまったのだろう」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129367/
いのちの灯文化賞 旧沢内村の高齢者医療費無料化半世紀を記念 NPOが創設
(2010年12月4日 毎日新聞社)
故深沢晟雄村長の下、旧沢内村(現西和賀町)が、
高齢者の医療費無料化を実施、今年で50年を迎えたことを受け、
同町の2NPO法人が、生命を尊重する活動をしている
個人や団体に贈る「いのちの灯文化賞」を創設。
第1回の受賞者には、一関市在住の作家で、
伝記「村長ありき」等の著作を通じ、深沢氏の理念を全国に伝えた、
及川和男さん(77)が選ばれた。
賞を創設したのは、輝け「いのち」ネットワークと、深沢晟雄の会。
1961年、60歳以上と1歳未満の乳児の医療費を無料化し、
翌年には全国の自治体で初めて乳児死亡率0を達成するなどした
事績の伝承などをしている両団体が、今年1月ごろから検討を始めた。
いのちネットの高橋典成理事は、児童虐待死や自殺の増加などの
問題から、「自分の力だけで生きていけない人たちに、
手を差しのべられない社会になってきている」
表彰を、命を大切にする社会をつくるきっかけにしようと考えた。
初回の受賞者には、著作で深沢氏の実績を広めたことを評価し、
及川さんを選んだ。
及川さんは、県内で銀行員をしながら同人誌などに寄稿していた
60年代初め、旧沢内村の業績を知った。
自身も、県北の無医村で幼少期を過ごしたことから感動。
「いつか深沢村長について本を書きたい」と思うようになった。
銀行を退職後、82年から約2年をかけて取材を重ね、
「村長ありき」を書き上げた。
出版社を変えながら3度出版、多くの読者を獲得し、
深沢村長の奮闘を描く映画「いのちの山河」(09年)の原作に。
授賞を受けて、及川さんは、「人間の生命が軽く扱われるようになった
現代社会では、生命尊重はより重要度を増している。
今後も沢内の理念を広げたい」
授賞式は4日午後1時から、西和賀町沢内の「深沢晟雄資料館」で。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129314/
故深沢晟雄村長の下、旧沢内村(現西和賀町)が、
高齢者の医療費無料化を実施、今年で50年を迎えたことを受け、
同町の2NPO法人が、生命を尊重する活動をしている
個人や団体に贈る「いのちの灯文化賞」を創設。
第1回の受賞者には、一関市在住の作家で、
伝記「村長ありき」等の著作を通じ、深沢氏の理念を全国に伝えた、
及川和男さん(77)が選ばれた。
賞を創設したのは、輝け「いのち」ネットワークと、深沢晟雄の会。
1961年、60歳以上と1歳未満の乳児の医療費を無料化し、
翌年には全国の自治体で初めて乳児死亡率0を達成するなどした
事績の伝承などをしている両団体が、今年1月ごろから検討を始めた。
いのちネットの高橋典成理事は、児童虐待死や自殺の増加などの
問題から、「自分の力だけで生きていけない人たちに、
手を差しのべられない社会になってきている」
表彰を、命を大切にする社会をつくるきっかけにしようと考えた。
初回の受賞者には、著作で深沢氏の実績を広めたことを評価し、
及川さんを選んだ。
及川さんは、県内で銀行員をしながら同人誌などに寄稿していた
60年代初め、旧沢内村の業績を知った。
自身も、県北の無医村で幼少期を過ごしたことから感動。
「いつか深沢村長について本を書きたい」と思うようになった。
銀行を退職後、82年から約2年をかけて取材を重ね、
「村長ありき」を書き上げた。
出版社を変えながら3度出版、多くの読者を獲得し、
深沢村長の奮闘を描く映画「いのちの山河」(09年)の原作に。
授賞を受けて、及川さんは、「人間の生命が軽く扱われるようになった
現代社会では、生命尊重はより重要度を増している。
今後も沢内の理念を広げたい」
授賞式は4日午後1時から、西和賀町沢内の「深沢晟雄資料館」で。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129314/
総合学習を生かす(7)地域ボランティアが講師
(読売 12月1日)
伊達政宗の正室・愛姫、自由民権運動で知られる
元衆議院議長の河野広中……。
郷土の偉人ゆかりの史跡の写真が、スクリーンに映し出される。
福島県三春町立三春小学校6年生の総合学習の時間で、
「三春の歴史を学ぼう」と題した授業。
講師を務めたのは、平安時代の将軍、坂上田村麻呂伝説を生かし、
地元の田村郡で観光振興に取り組む田村歴史観光協議会副会長の
影山勝夫さん(66)。
戦国時代から現代に至るまでの歴史を、1時間以上も熱っぽく語り、
「54年前、自分も地元の人から城下町・三春町のことを習った。
みなさんも、三春町を誇りにしてください」と訴えた。
同小が掲げる総合学習のテーマは、「三春大好き」で、
学年別に郷土・福祉(3年)、国際理解(4年)、自然・環境(5年)と
切り口が違う。
6年生は、歴史・文化という視点の
「これまでの三春町を見つめて未来を考える」
総合学習を支えているのは、地域ボランティア。
昨年度は100人以上の校外講師が、戦争体験を語ったり
伝統の太鼓を指導したりした。
講師の話は教科書より説得力があり、児童だけでなく
教師も勉強になると好評。
高橋正美校長(58)は、「講師は総合学習に欠かせない存在。
街の色々な人と児童がかかわりを持てる」
100人を超える地域ボランティアの人選を行うのは、
「三春小学校学習支援ボランティアコーディネーター会」(通称サンボラ)。
「学校で教えたい」と思っていた地域のボランティアが、
2003年の総合学習開始に合わせて作った組織。
サンボラは、PTAや地域の学識経験者で作る学校運営協議会とは
別組織で、現在のメンバー10人は元PTAや町のボランティア関係者。
教師と一緒に、年度初めに年間計画を立てた後、
奇数月の第3火曜日に会合を開き、総合学習の授業内容を練り、
校外から招く講師の人選を行う。
設立当初からサンボラという降矢由美子さん(60)は、
「児童から手紙をもらったり、町であいさつされたりする。
参加するのは楽しい」
総合学習の講師は人気で、お呼びがかからないと、
「何で声がかからないのか」とボランティアから電話がかかることも。
地域のボランティアの積極参加が、総合学習を実りの多いものにしている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101201-OYT8T00263.htm
伊達政宗の正室・愛姫、自由民権運動で知られる
元衆議院議長の河野広中……。
郷土の偉人ゆかりの史跡の写真が、スクリーンに映し出される。
福島県三春町立三春小学校6年生の総合学習の時間で、
「三春の歴史を学ぼう」と題した授業。
講師を務めたのは、平安時代の将軍、坂上田村麻呂伝説を生かし、
地元の田村郡で観光振興に取り組む田村歴史観光協議会副会長の
影山勝夫さん(66)。
戦国時代から現代に至るまでの歴史を、1時間以上も熱っぽく語り、
「54年前、自分も地元の人から城下町・三春町のことを習った。
みなさんも、三春町を誇りにしてください」と訴えた。
同小が掲げる総合学習のテーマは、「三春大好き」で、
学年別に郷土・福祉(3年)、国際理解(4年)、自然・環境(5年)と
切り口が違う。
6年生は、歴史・文化という視点の
「これまでの三春町を見つめて未来を考える」
総合学習を支えているのは、地域ボランティア。
昨年度は100人以上の校外講師が、戦争体験を語ったり
伝統の太鼓を指導したりした。
講師の話は教科書より説得力があり、児童だけでなく
教師も勉強になると好評。
高橋正美校長(58)は、「講師は総合学習に欠かせない存在。
街の色々な人と児童がかかわりを持てる」
100人を超える地域ボランティアの人選を行うのは、
「三春小学校学習支援ボランティアコーディネーター会」(通称サンボラ)。
「学校で教えたい」と思っていた地域のボランティアが、
2003年の総合学習開始に合わせて作った組織。
サンボラは、PTAや地域の学識経験者で作る学校運営協議会とは
別組織で、現在のメンバー10人は元PTAや町のボランティア関係者。
教師と一緒に、年度初めに年間計画を立てた後、
奇数月の第3火曜日に会合を開き、総合学習の授業内容を練り、
校外から招く講師の人選を行う。
設立当初からサンボラという降矢由美子さん(60)は、
「児童から手紙をもらったり、町であいさつされたりする。
参加するのは楽しい」
総合学習の講師は人気で、お呼びがかからないと、
「何で声がかからないのか」とボランティアから電話がかかることも。
地域のボランティアの積極参加が、総合学習を実りの多いものにしている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101201-OYT8T00263.htm
コンビ、乳酸菌EC-12にインフルエンザに対する有効性を確認
(日経ヘルス 11月5日)
ベビー用品などの開発・販売を行うコンビは、
同社開発の滅菌乳酸菌EC-12に、インフルエンザウイルス感染後の
治癒促進効果を確認。
富山大学大学院医学薬学研究部生薬学研究室の林利光教授との
共同研究で、食品開発展2010で発表。
EC-12は、乳酸菌の一種、フェーカリス菌を殺菌処理したもの。
これまでにヒトを対象とした試験で、整腸作用、免疫賦活による
アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎などの改善作用が確認、
動物試験でリステリア菌や薬剤耐性菌などに対する有効性も報告、
この乳酸菌を配合した食品は、
ロート製薬や久光製薬など数社から販売。
今回の研究は、インフルエンザウイルスに対する有効性を
確認するためのもの。
EC-12を投与したマウスをA型インフルエンザウイルス(H1N1型亜型)に
感染させ、その後の体重の変化、肺や気道のウイルス量、
抗体の産生量などを測定。
マウスは、感染7日前から感染後7日目まで「EC-12を1mg投与した群」、
「EC-12を5mg投与した群」のほか、「何も投与しなかった群」、
「感染後に抗インフルエンザ薬オセルタミビルを投与した群」も観察、
マウスは各10匹ずつ。
その結果、オセルタミビル以外の3群では、感染3日目から
体重減少が見られ、EC-12を投与した2群は非投与群に比べ、
体重減少が少なかった。
非投与群では、その後も体重減少が続いたのに比べ、
EC-12群では4日目から体重回復の傾向。
感染3日後、気道を洗浄してウイルス量を比較、
EC-12投与群では非投与群に比べ、有意にウイルス量が少なかった。
これらの結果から、「EC-12がウイルスの増殖を抑制したと考えられる」と
同社ファンクショナルフーズ事業部営業管理グループ技術担当の
伊地知哲生主任。
感染から14日後、気道中のウイルス中和抗体価を調べたところ、
EC-12を5mg投与群の抗体価は、非投与群やオセルタミビル投与群に比べ、
有意に高い。
「EC-12が、ウイルスに対する抗体産生を高めた可能性がある。
ウイルスが体内である程度増殖すると、それに対抗するため、
体内で抗体が作られる。
抗インフルエンザ薬は、感染直後にウイルス増殖を強力に抑制、
抗体価はさほど上がらなかった。
さまざまな感染症を予防するという視点では、
EC-12のような免疫を賦活する食品成分の利用が有効なのでは」
(伊地知主任)と、今後の需要拡大が期待。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101105/109129/
ベビー用品などの開発・販売を行うコンビは、
同社開発の滅菌乳酸菌EC-12に、インフルエンザウイルス感染後の
治癒促進効果を確認。
富山大学大学院医学薬学研究部生薬学研究室の林利光教授との
共同研究で、食品開発展2010で発表。
EC-12は、乳酸菌の一種、フェーカリス菌を殺菌処理したもの。
これまでにヒトを対象とした試験で、整腸作用、免疫賦活による
アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎などの改善作用が確認、
動物試験でリステリア菌や薬剤耐性菌などに対する有効性も報告、
この乳酸菌を配合した食品は、
ロート製薬や久光製薬など数社から販売。
今回の研究は、インフルエンザウイルスに対する有効性を
確認するためのもの。
EC-12を投与したマウスをA型インフルエンザウイルス(H1N1型亜型)に
感染させ、その後の体重の変化、肺や気道のウイルス量、
抗体の産生量などを測定。
マウスは、感染7日前から感染後7日目まで「EC-12を1mg投与した群」、
「EC-12を5mg投与した群」のほか、「何も投与しなかった群」、
「感染後に抗インフルエンザ薬オセルタミビルを投与した群」も観察、
マウスは各10匹ずつ。
その結果、オセルタミビル以外の3群では、感染3日目から
体重減少が見られ、EC-12を投与した2群は非投与群に比べ、
体重減少が少なかった。
非投与群では、その後も体重減少が続いたのに比べ、
EC-12群では4日目から体重回復の傾向。
感染3日後、気道を洗浄してウイルス量を比較、
EC-12投与群では非投与群に比べ、有意にウイルス量が少なかった。
これらの結果から、「EC-12がウイルスの増殖を抑制したと考えられる」と
同社ファンクショナルフーズ事業部営業管理グループ技術担当の
伊地知哲生主任。
感染から14日後、気道中のウイルス中和抗体価を調べたところ、
EC-12を5mg投与群の抗体価は、非投与群やオセルタミビル投与群に比べ、
有意に高い。
「EC-12が、ウイルスに対する抗体産生を高めた可能性がある。
ウイルスが体内である程度増殖すると、それに対抗するため、
体内で抗体が作られる。
抗インフルエンザ薬は、感染直後にウイルス増殖を強力に抑制、
抗体価はさほど上がらなかった。
さまざまな感染症を予防するという視点では、
EC-12のような免疫を賦活する食品成分の利用が有効なのでは」
(伊地知主任)と、今後の需要拡大が期待。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101105/109129/
2010年12月7日火曜日
スポーツ政策を考える:高峰修・明治大准教授(スポーツ社会学)
(毎日 11月27日)
国家戦略として、スポーツの振興に取り組むのは世界的な流れで、
日本も対応せざるを得ない。
このままでは取り残されてしまう、という危機感が行政にあり、
経済に代わる成長のツールとして、スポーツが注目されている。
日本は、スポーツを欧米から文化として輸入。
ボールを投げたり、けったりという行動レベルではまねできても、
背景にある理念、哲学などが理解され、
国民の間に根付いているとは言い難い。
今までの文部科学省の政策やスポーツ立国戦略を見ると、
トップアスリートが世界的レベルの大会で活躍することに、
ポイントが置かれている。
それも哲学だろうが、倫理的な面に配慮せず、
競技力の向上ばかりを追い求めることに疑問を持っている。
日本スポーツとジェンダー学会のメンバーと、
「スポーツ指導者と競技者のセクシャル・ハラスメントに関する
認識と経験の現状と特徴」と題する合同調査を実施。
都道府県体協に登録している指導者と国体レベルの選手を対象に、
暴力を含む反倫理的行為とセクハラになりうる行為についての
意識や体験を尋ねたところ、実際に体罰や暴力は行われていて、
そうした行為を受けた選手のうち、2割以上が容認する一方で、
「足でける」などの行為を受けた選手の半数以上は
受け入れられないと答えていた。
スポーツ指導の現場では、暴力行為が許されるという認識が
指導者や選手だけでなく、保護者たちにも共有。
愛情が伴えば「愛のムチ」であり、国のトップレベルや国際レベルに
到達するためには必要である、というのが肯定側の主張。
全員ではないが、そこを通過した選手たちがオリンピックや
世界選手権に出場して活躍。
競技団体は問題解決に消極的で、触れようとしない。
そういった現状にメスを入れないままのスポーツ振興でいいのか?
日本の多くの競技団体は、人員的にも財政的にも余裕がなく、
いきなり倫理問題について考えて取り組むように、と要求するのは
現実的ではない。
豪州やカナダ、フランスなどのスポーツ政策と倫理や
人権に対する取り組みを調査したうえで、
競技団体がすぐに活用できるような形で情報を収集し、
まとめて提供したいと考えている。
すでに豪州は、スポーツ行政の中心的役割を担っている
スポーツ委員会(ASC)がホームページ上で、
規約文書のひな型などを公開。
倫理の問題や人権の問題への目配りを欠いたまま、
立国戦略が進んでいくことを危ぶんでいる。
それは一部の人たちの利益になるかもしれないが、
必ずしも国民全体の幸せにつながるとは思えない。
==============
◇たかみね・おさむ
1968年生まれ。中京大大学院修了。
編著に「スポーツ教養入門」(岩波書店)。
日本スポーツとジェンダー学会事務局長。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/27/20101127dde035070057000c.html
国家戦略として、スポーツの振興に取り組むのは世界的な流れで、
日本も対応せざるを得ない。
このままでは取り残されてしまう、という危機感が行政にあり、
経済に代わる成長のツールとして、スポーツが注目されている。
日本は、スポーツを欧米から文化として輸入。
ボールを投げたり、けったりという行動レベルではまねできても、
背景にある理念、哲学などが理解され、
国民の間に根付いているとは言い難い。
今までの文部科学省の政策やスポーツ立国戦略を見ると、
トップアスリートが世界的レベルの大会で活躍することに、
ポイントが置かれている。
それも哲学だろうが、倫理的な面に配慮せず、
競技力の向上ばかりを追い求めることに疑問を持っている。
日本スポーツとジェンダー学会のメンバーと、
「スポーツ指導者と競技者のセクシャル・ハラスメントに関する
認識と経験の現状と特徴」と題する合同調査を実施。
都道府県体協に登録している指導者と国体レベルの選手を対象に、
暴力を含む反倫理的行為とセクハラになりうる行為についての
意識や体験を尋ねたところ、実際に体罰や暴力は行われていて、
そうした行為を受けた選手のうち、2割以上が容認する一方で、
「足でける」などの行為を受けた選手の半数以上は
受け入れられないと答えていた。
スポーツ指導の現場では、暴力行為が許されるという認識が
指導者や選手だけでなく、保護者たちにも共有。
愛情が伴えば「愛のムチ」であり、国のトップレベルや国際レベルに
到達するためには必要である、というのが肯定側の主張。
全員ではないが、そこを通過した選手たちがオリンピックや
世界選手権に出場して活躍。
競技団体は問題解決に消極的で、触れようとしない。
そういった現状にメスを入れないままのスポーツ振興でいいのか?
日本の多くの競技団体は、人員的にも財政的にも余裕がなく、
いきなり倫理問題について考えて取り組むように、と要求するのは
現実的ではない。
豪州やカナダ、フランスなどのスポーツ政策と倫理や
人権に対する取り組みを調査したうえで、
競技団体がすぐに活用できるような形で情報を収集し、
まとめて提供したいと考えている。
すでに豪州は、スポーツ行政の中心的役割を担っている
スポーツ委員会(ASC)がホームページ上で、
規約文書のひな型などを公開。
倫理の問題や人権の問題への目配りを欠いたまま、
立国戦略が進んでいくことを危ぶんでいる。
それは一部の人たちの利益になるかもしれないが、
必ずしも国民全体の幸せにつながるとは思えない。
==============
◇たかみね・おさむ
1968年生まれ。中京大大学院修了。
編著に「スポーツ教養入門」(岩波書店)。
日本スポーツとジェンダー学会事務局長。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/27/20101127dde035070057000c.html
総合学習を生かす(6)論文議論で批判力養う
(読売 11月27日)
京都市立堀川高校の「探究科」では、総合学習の時間で、
2年生の秋までに、生徒一人一人が論文を書く。
カタバミ科の植物についてまとめた佐野みずほさん(17)は、
論文提出直前の9月中旬、保護者や教育関係者を招いて開かれた
研究発表会が忘れられない。
「カタバミが葉を閉じるのは、体温やエネルギー維持のためだと
考えられます」。
考えを尽くして導き出した仮説だったが、参加者から
思いもしなかった質問が飛んだ。
「食べられないように身を守る動きとは考えられませんか」
予想外の指摘に、「確かに……」と答えるのが精いっぱい。
その場では、賛同も反論もできなかった。
発表会後、考えた末に提出した論文には、指摘を反映させ、
「捕食者から身を守るため」と付け加えた。
「授業で先生や同級生から、研究方法などについても
何度も指摘を受けた。
『自分は何も知らないんだ』とわかり、もっと学びたいと思った」
同高は1999年、学校改革の目玉として「探究科」を新設。
総合学習を「探究基礎」と銘打ち、物事を多角的に考え、
意見やリポートを批判し合う指導を始めた。
1年生から国際文化や心理・教育、生物など10分野に分かれ、
データ収集や実験方法などをゼミ形式で学習。
2年生は、一人一人がテーマを設定して実験や研究をする。
生徒有志で、論文の冊子化などに取り組む「探究基礎委員会」の
委員長で2年の富森大地さん(16)は、
「この考えや情報は本当に正しいのかと、常に批判的に見るようになった。
自分で答えを探すのは、しんどいけれど楽しい。
一言で表すと、『たのしんどい』ですね」と笑う。
卒業生で、哲学を研究している京都大学文学部3年の
飯島弘一郎さん(21)は、「高校で、学びは尽きないということを学んだ。
型にはまった常識を疑うことや、問い続けることなど、
自分の可能性を広げてくれた」
「生徒たちが卒業後に進む社会でも、
答えがすぐに見つかることばかりではない」、荒瀬克己校長(57)。
「非難ではなく、批判的に見る力は、自分で考え、
課題に立ち向かうのに不可欠」
8年前、国公立大学への進学実績を急伸させ、「奇跡」とまで称された。
その土台には、主体的に考え学ぶ厳しさと楽しさを伝える教育が、
今もしっかりと息づいている。
◆【論文テーマの例】
▽「ライトノベルがなぜ人気なのか」
▽「イギリス料理が不味いと言われる理由」
▽「なぜ信号無視をするのか」
▽「乳児はなぜかわいいのか」
▽「クモの糸の強度」
▽「植物の葉からプラスチックはできるか」
▽「電磁波は聞こえるのか」
▽「使い捨ておむつの再利用は可能か」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101127-OYT8T00205.htm
京都市立堀川高校の「探究科」では、総合学習の時間で、
2年生の秋までに、生徒一人一人が論文を書く。
カタバミ科の植物についてまとめた佐野みずほさん(17)は、
論文提出直前の9月中旬、保護者や教育関係者を招いて開かれた
研究発表会が忘れられない。
「カタバミが葉を閉じるのは、体温やエネルギー維持のためだと
考えられます」。
考えを尽くして導き出した仮説だったが、参加者から
思いもしなかった質問が飛んだ。
「食べられないように身を守る動きとは考えられませんか」
予想外の指摘に、「確かに……」と答えるのが精いっぱい。
その場では、賛同も反論もできなかった。
発表会後、考えた末に提出した論文には、指摘を反映させ、
「捕食者から身を守るため」と付け加えた。
「授業で先生や同級生から、研究方法などについても
何度も指摘を受けた。
『自分は何も知らないんだ』とわかり、もっと学びたいと思った」
同高は1999年、学校改革の目玉として「探究科」を新設。
総合学習を「探究基礎」と銘打ち、物事を多角的に考え、
意見やリポートを批判し合う指導を始めた。
1年生から国際文化や心理・教育、生物など10分野に分かれ、
データ収集や実験方法などをゼミ形式で学習。
2年生は、一人一人がテーマを設定して実験や研究をする。
生徒有志で、論文の冊子化などに取り組む「探究基礎委員会」の
委員長で2年の富森大地さん(16)は、
「この考えや情報は本当に正しいのかと、常に批判的に見るようになった。
自分で答えを探すのは、しんどいけれど楽しい。
一言で表すと、『たのしんどい』ですね」と笑う。
卒業生で、哲学を研究している京都大学文学部3年の
飯島弘一郎さん(21)は、「高校で、学びは尽きないということを学んだ。
型にはまった常識を疑うことや、問い続けることなど、
自分の可能性を広げてくれた」
「生徒たちが卒業後に進む社会でも、
答えがすぐに見つかることばかりではない」、荒瀬克己校長(57)。
「非難ではなく、批判的に見る力は、自分で考え、
課題に立ち向かうのに不可欠」
8年前、国公立大学への進学実績を急伸させ、「奇跡」とまで称された。
その土台には、主体的に考え学ぶ厳しさと楽しさを伝える教育が、
今もしっかりと息づいている。
◆【論文テーマの例】
▽「ライトノベルがなぜ人気なのか」
▽「イギリス料理が不味いと言われる理由」
▽「なぜ信号無視をするのか」
▽「乳児はなぜかわいいのか」
▽「クモの糸の強度」
▽「植物の葉からプラスチックはできるか」
▽「電磁波は聞こえるのか」
▽「使い捨ておむつの再利用は可能か」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101127-OYT8T00205.htm
温泉健康効果を知る 効能以外に休養、運動効果 体に悪い場合も
(2010年12月3日 毎日新聞社)
世界有数の温泉数や湧出量を誇る温泉大国日本。
寒さが増すこれからの季節、癒やしを求めて温泉地を訪れる人も多い。
硫黄や硫酸など多様な泉質を持つ温泉は、
どれだけ健康に影響があるのだろうか?
温泉のもととなる地下水には、土や岩石からいろいろな物質が
溶け込んでいる。
温泉と呼ばれる条件は、温泉法で定められている。
・水温が25度以上
・硫黄やラドンなど19種類の物質のうちどれか一つを基準以上含む
のどちらかの条件を満たしているもの。
水温が低く、25度未満のものは「冷泉」。
国内の温泉地は約3000カ所、源泉数は約2万8000カ所(08年度)。
温かい湯につかるだけでも、新陳代謝が促され、
疲労回復が図れるほか、水圧の影響で心臓が圧迫され、血行もよくなる。
国の鉱泉分析法指針は、温泉の基準を満たし、
療養効果が期待される温泉を、「療養泉」として分類。
環境省の委託を受け、日本温泉気候物理医学会が06年に
温泉の効能についての報告書を作成。
同省は、「治療による医学的な効果は法律上、保証しておらず、
医師に任せている。
個人的な利用による健康への効果は、多くの実証例がある」
科学的に温泉の健康効果を検証している一般社団法人
「健康保養地医学研究機構」代表理事の阿岸祐幸・北海道大名誉教授
によると、温泉に含まれる成分が皮膚から吸収され、
皮膚や筋肉などの細胞、神経に作用する。
カルシウムやマグネシウムなどは、腫れや痛みを抑える働きがあり、
皮膚病や切り傷、やけどなどに効き目。
胃腸薬にも使われている重曹を含む温泉を飲むと、
薬と同様の効果も期待。
泉質だけでなく、温泉には休養や運動の効果も期待。
温泉は山の中など、豊かな自然に囲まれている場所に多くある。
日ごろ過ごしている場所と環境が変わることで、
気分転換になったり、ストレスを減らす効果。
熱い湯に入った後、皮膚の表面から汗や水蒸気が発散し、
蒸発によって気化熱が奪われる。
1g(1ml)の水が気化すると、約0・5kcalの熱が奪われる計算から、
高温の入浴で300mlの汗を流せば、150kcalの消費に達する。
これを脂肪(体重)に換算すると、約16g減少。
持病や体質によっては泉質の成分と合わず、体に悪い場合も。
温泉に入れば体力を消耗するため、体調が悪い人が入れば、
症状が悪化することも。
高齢者は、温度に対する皮膚の感受性が低くなり、
熱さを感じにくくなることもあり注意。
環境省も、「温泉地に書いてある成分や入ってはいけない禁忌症などの
説明に注意してほしい」
温泉の効能で最も議論があるのが、放射能泉。
全国に「人工ラドン温泉センター」などの施設もあり、
体の芯から温まると感じているファンも多いが、
放射線被ばくを心配する人も。
日本温泉気候物理医学会は、07年に環境省へ提出した報告書で、
ラドンの影響を調査するため、三朝温泉(鳥取県)のサウナと
実験用ラドンサウナ、ラドンを含まないサウナを比較し、
20~40歳の男性15人を対象にした実験結果を紹介。
ラドンの濃度に応じて5日目以降、血糖値を下げるインスリンなどの
血中物質が有意に増加。
「ラドンは高血圧、関節の痛み、糖尿病の改善に有用」と結論。
環境省も、「自然に含まれるラドンのレベルは極めて低く、
健康な人には有用と考えている」
放射線の被害防止を訴える市民団体「高木学校」の
崎山比早子医学博士は、「放射線による健康増進の科学的根拠は乏しい。
医療検査は別として、できるだけ浴びない方がいい」
阿岸名誉教授は、「温泉の効能について、これまで経験的なものが多く、
放射能泉を代表に議論も多い。
温泉大国として、予防医療への利用を進めるためにも、
積極的な研究で、科学的にしっかりした根拠を示す必要」
………………………………………………………………………………
《代表的な療養泉と効能》
<療養泉> <効果> <禁忌症>
・単純温泉 免疫調整、脱ストレス 不眠症
※歴史的な名湯が多い
・二酸化炭素泉 血流循環の改善、保温、抑うつ改善 (飲用)下痢の時
・塩化物泉 保温、抑うつ改善 (飲用)腎臓病、高血圧症
・硫黄泉 婦人心身症改善、関節炎、 皮膚、粘膜の過敏な人
皮膚疾患に適応
・放射能泉 免疫調整
・炭酸水素塩泉 循環促進、保温、冷え性
・硫酸塩泉 塩化物泉と同じ。脱ストレス (飲用)下痢の時
・酸性泉 かゆみ軽減、皮膚炎
(日本温泉気候物理医学会の06年度報告書などから作成)
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129254/
世界有数の温泉数や湧出量を誇る温泉大国日本。
寒さが増すこれからの季節、癒やしを求めて温泉地を訪れる人も多い。
硫黄や硫酸など多様な泉質を持つ温泉は、
どれだけ健康に影響があるのだろうか?
温泉のもととなる地下水には、土や岩石からいろいろな物質が
溶け込んでいる。
温泉と呼ばれる条件は、温泉法で定められている。
・水温が25度以上
・硫黄やラドンなど19種類の物質のうちどれか一つを基準以上含む
のどちらかの条件を満たしているもの。
水温が低く、25度未満のものは「冷泉」。
国内の温泉地は約3000カ所、源泉数は約2万8000カ所(08年度)。
温かい湯につかるだけでも、新陳代謝が促され、
疲労回復が図れるほか、水圧の影響で心臓が圧迫され、血行もよくなる。
国の鉱泉分析法指針は、温泉の基準を満たし、
療養効果が期待される温泉を、「療養泉」として分類。
環境省の委託を受け、日本温泉気候物理医学会が06年に
温泉の効能についての報告書を作成。
同省は、「治療による医学的な効果は法律上、保証しておらず、
医師に任せている。
個人的な利用による健康への効果は、多くの実証例がある」
科学的に温泉の健康効果を検証している一般社団法人
「健康保養地医学研究機構」代表理事の阿岸祐幸・北海道大名誉教授
によると、温泉に含まれる成分が皮膚から吸収され、
皮膚や筋肉などの細胞、神経に作用する。
カルシウムやマグネシウムなどは、腫れや痛みを抑える働きがあり、
皮膚病や切り傷、やけどなどに効き目。
胃腸薬にも使われている重曹を含む温泉を飲むと、
薬と同様の効果も期待。
泉質だけでなく、温泉には休養や運動の効果も期待。
温泉は山の中など、豊かな自然に囲まれている場所に多くある。
日ごろ過ごしている場所と環境が変わることで、
気分転換になったり、ストレスを減らす効果。
熱い湯に入った後、皮膚の表面から汗や水蒸気が発散し、
蒸発によって気化熱が奪われる。
1g(1ml)の水が気化すると、約0・5kcalの熱が奪われる計算から、
高温の入浴で300mlの汗を流せば、150kcalの消費に達する。
これを脂肪(体重)に換算すると、約16g減少。
持病や体質によっては泉質の成分と合わず、体に悪い場合も。
温泉に入れば体力を消耗するため、体調が悪い人が入れば、
症状が悪化することも。
高齢者は、温度に対する皮膚の感受性が低くなり、
熱さを感じにくくなることもあり注意。
環境省も、「温泉地に書いてある成分や入ってはいけない禁忌症などの
説明に注意してほしい」
温泉の効能で最も議論があるのが、放射能泉。
全国に「人工ラドン温泉センター」などの施設もあり、
体の芯から温まると感じているファンも多いが、
放射線被ばくを心配する人も。
日本温泉気候物理医学会は、07年に環境省へ提出した報告書で、
ラドンの影響を調査するため、三朝温泉(鳥取県)のサウナと
実験用ラドンサウナ、ラドンを含まないサウナを比較し、
20~40歳の男性15人を対象にした実験結果を紹介。
ラドンの濃度に応じて5日目以降、血糖値を下げるインスリンなどの
血中物質が有意に増加。
「ラドンは高血圧、関節の痛み、糖尿病の改善に有用」と結論。
環境省も、「自然に含まれるラドンのレベルは極めて低く、
健康な人には有用と考えている」
放射線の被害防止を訴える市民団体「高木学校」の
崎山比早子医学博士は、「放射線による健康増進の科学的根拠は乏しい。
医療検査は別として、できるだけ浴びない方がいい」
阿岸名誉教授は、「温泉の効能について、これまで経験的なものが多く、
放射能泉を代表に議論も多い。
温泉大国として、予防医療への利用を進めるためにも、
積極的な研究で、科学的にしっかりした根拠を示す必要」
………………………………………………………………………………
《代表的な療養泉と効能》
<療養泉> <効果> <禁忌症>
・単純温泉 免疫調整、脱ストレス 不眠症
※歴史的な名湯が多い
・二酸化炭素泉 血流循環の改善、保温、抑うつ改善 (飲用)下痢の時
・塩化物泉 保温、抑うつ改善 (飲用)腎臓病、高血圧症
・硫黄泉 婦人心身症改善、関節炎、 皮膚、粘膜の過敏な人
皮膚疾患に適応
・放射能泉 免疫調整
・炭酸水素塩泉 循環促進、保温、冷え性
・硫酸塩泉 塩化物泉と同じ。脱ストレス (飲用)下痢の時
・酸性泉 かゆみ軽減、皮膚炎
(日本温泉気候物理医学会の06年度報告書などから作成)
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129254/
ATP合成酵素 岩手医大、仕組み解明 秒単位で回転・停止
(2010年12月3日 毎日新聞社)
岩手医大薬学部と米バージニア大医学部の共同研究グループが、
生命活動のエネルギー源となる物質「ATP)」を生み出す酵素が、
自ら回転と停止を繰り返す仕組みを持つことを発見。
将来、がん細胞などの増殖を抑える医薬品の開発に役立つ
可能性がある。
ATPは、糖を分解してエネルギーに変える過程に作られる。
生物は筋肉などの部位で、ATPを分解することで
生命活動に必要なエネルギーを得ている。
ATPは、ミトコンドリアにある酵素の回転運動により合成。
継続的に回転していると思われたが、同グループは酵素を1分子ずつ
特殊な顕微鏡と高性能カメラを使って観察し、
酵素が秒単位で回転と停止を繰り返していることを発見。
停止には、酵素を構成する「イプシロンサブユニット」という部位が
働いていることも分かった。
回転を止めれば、ATPも合成できないため、
ATP合成酵素を持つがん細胞や病原菌の活動抑制に
応用できる可能性がある。
研究成果は今年10月、米国の医学生物学分野の学会誌
「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に発表。
岩手医大薬学部の関谷瑞樹助教は、
「酵素は、継続的に動いていると考えていたため、とても驚いた。
新薬開発の一つのきっかけになればいい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129253/
岩手医大薬学部と米バージニア大医学部の共同研究グループが、
生命活動のエネルギー源となる物質「ATP)」を生み出す酵素が、
自ら回転と停止を繰り返す仕組みを持つことを発見。
将来、がん細胞などの増殖を抑える医薬品の開発に役立つ
可能性がある。
ATPは、糖を分解してエネルギーに変える過程に作られる。
生物は筋肉などの部位で、ATPを分解することで
生命活動に必要なエネルギーを得ている。
ATPは、ミトコンドリアにある酵素の回転運動により合成。
継続的に回転していると思われたが、同グループは酵素を1分子ずつ
特殊な顕微鏡と高性能カメラを使って観察し、
酵素が秒単位で回転と停止を繰り返していることを発見。
停止には、酵素を構成する「イプシロンサブユニット」という部位が
働いていることも分かった。
回転を止めれば、ATPも合成できないため、
ATP合成酵素を持つがん細胞や病原菌の活動抑制に
応用できる可能性がある。
研究成果は今年10月、米国の医学生物学分野の学会誌
「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に発表。
岩手医大薬学部の関谷瑞樹助教は、
「酵素は、継続的に動いていると考えていたため、とても驚いた。
新薬開発の一つのきっかけになればいい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129253/
2010年12月6日月曜日
総合学習を生かす(5)自然探検 絵本で表現
(読売 11月26日)
前夜の激しい雨が、うそのような青空。
「ノブドウの実ってきれい」、「カマキリつかまえた!」、
「ここにも野ウサギのふんがあるよ」。
子どもたちの歓声が雑木林に響く。
池の周りや林に座り込み、スケッチをする子も。
栃木県那珂川町の自然の中にある「えほんの丘」で、
町立小川南小学校の総合学習の授業。
「不思議だったとか、食べたらまずかったとか、
体で感じたことをすぐ手帳に書き残そうね」とアドバイスするのは、
「14ひきのシリーズ」などで世界的に知られる
絵本作家のいわむらかずおさん。
「えほんの丘」とは、いわむらさんの美術館がある丘のこと。
リスや野ウサギなどの小動物が多く、数々の絵本の舞台にも。
同小の総合学習では2006年から、いわむらさんの協力で、
4年生以上全員が毎年一冊、自分の絵本を作っている。
自然豊かな地域に住んでいても、最近はスポーツや室内での
ゲーム遊びが多いことから、「総合学習を、自然に向き合い、
表現につなげる機会にしたい」と考えた。
季節を変えて年3回、「えほんの丘探検」を行い、
いろいろなものをスケッチして、イメージを膨らませる。
秋から制作に取りかかり、小さなサイズで試作品を作った段階で、
いわむらさんが学校を訪れて一人一人に助言。
「場面をもう少し絞ったらどうかな」、
「よく見て描くと、気づくことがあるよ」。
テーマが絞れず苦労する子もいるが、無理に教えず、
自分の表現に自信を持つように励ます。
「何度も改良したり、アイデアを加えたりする過程そのものが、
子どもたちの力になっていく」といわむらさん。
地味な虫をずっと追い続けた子、トンボの複眼の拡大図から
視点を広げる壮大な作品にする子。
テーマも大きさも、個性的な一冊一冊にいわむらさんが寄せる
温かいコメントは、子どもたちの宝物。
総合学習を担当する斎藤義雄教諭(52)は、
「自由な心を表現できるのが絵本の良さ。
絵が苦手な子でも、大胆な着想ではっとさせられることも多い。
毎年、一冊を仕上げる達成感は大きい」
「自分で作るのをずっと楽しみにしていた。だからうれしくて」、
目を輝かせるのは4年生たち。
世界に一冊だけの絵本は、後輩の創作意欲をかき立てている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101126-OYT8T00265.htm
前夜の激しい雨が、うそのような青空。
「ノブドウの実ってきれい」、「カマキリつかまえた!」、
「ここにも野ウサギのふんがあるよ」。
子どもたちの歓声が雑木林に響く。
池の周りや林に座り込み、スケッチをする子も。
栃木県那珂川町の自然の中にある「えほんの丘」で、
町立小川南小学校の総合学習の授業。
「不思議だったとか、食べたらまずかったとか、
体で感じたことをすぐ手帳に書き残そうね」とアドバイスするのは、
「14ひきのシリーズ」などで世界的に知られる
絵本作家のいわむらかずおさん。
「えほんの丘」とは、いわむらさんの美術館がある丘のこと。
リスや野ウサギなどの小動物が多く、数々の絵本の舞台にも。
同小の総合学習では2006年から、いわむらさんの協力で、
4年生以上全員が毎年一冊、自分の絵本を作っている。
自然豊かな地域に住んでいても、最近はスポーツや室内での
ゲーム遊びが多いことから、「総合学習を、自然に向き合い、
表現につなげる機会にしたい」と考えた。
季節を変えて年3回、「えほんの丘探検」を行い、
いろいろなものをスケッチして、イメージを膨らませる。
秋から制作に取りかかり、小さなサイズで試作品を作った段階で、
いわむらさんが学校を訪れて一人一人に助言。
「場面をもう少し絞ったらどうかな」、
「よく見て描くと、気づくことがあるよ」。
テーマが絞れず苦労する子もいるが、無理に教えず、
自分の表現に自信を持つように励ます。
「何度も改良したり、アイデアを加えたりする過程そのものが、
子どもたちの力になっていく」といわむらさん。
地味な虫をずっと追い続けた子、トンボの複眼の拡大図から
視点を広げる壮大な作品にする子。
テーマも大きさも、個性的な一冊一冊にいわむらさんが寄せる
温かいコメントは、子どもたちの宝物。
総合学習を担当する斎藤義雄教諭(52)は、
「自由な心を表現できるのが絵本の良さ。
絵が苦手な子でも、大胆な着想ではっとさせられることも多い。
毎年、一冊を仕上げる達成感は大きい」
「自分で作るのをずっと楽しみにしていた。だからうれしくて」、
目を輝かせるのは4年生たち。
世界に一冊だけの絵本は、後輩の創作意欲をかき立てている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101126-OYT8T00265.htm
「春を告げるホルモン」働き、マウスで解明 理研・近畿大
(2010年12月3日 毎日新聞社)
日が長くなることによる「春の到来」を知らせる動物体内の
ホルモンの働きを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと
近畿大が明らかにした。
日照時間の変化は、うつ病に似た症状の季節性情動障害や、
統合失調症などに関わるとされ、成果は病気の治療に
役立つ可能性がある。
米科学誌「カレントバイオロジー」(電子版)に3日、論文が掲載。
理研の上田泰己プロジェクトリーダーは08年、ウズラの下垂体の一部に
日が長くなると作られるホルモンがあり、
春に繁殖を活発にしていることを、名古屋大と共同で見つけた。
今回は、近大の升本宏平助教とともに、同じホルモンを持つマウスを、
1日の日照時間が8時間のグループと16時間のグループに分けて
2週間飼育。
その後、秋・冬に当たる8時間グループのマウスに対し、
夜になるはずの時間に光を当てて、ホルモンと関連した遺伝子の
有無や機能を調べた。
16時間グループでは、活発ではないある種の遺伝子が活性化されて
ホルモンを作る引き金になり、他の複数の遺伝子が
後押ししていることが分かった。
このホルモンは、ヒトにもあるとみられ、病気に関わっているらしい。
上田さんは、「日照時間を調節して遺伝子発現を抑えれば、
症状を緩和できるかもしれない」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129282/
日が長くなることによる「春の到来」を知らせる動物体内の
ホルモンの働きを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと
近畿大が明らかにした。
日照時間の変化は、うつ病に似た症状の季節性情動障害や、
統合失調症などに関わるとされ、成果は病気の治療に
役立つ可能性がある。
米科学誌「カレントバイオロジー」(電子版)に3日、論文が掲載。
理研の上田泰己プロジェクトリーダーは08年、ウズラの下垂体の一部に
日が長くなると作られるホルモンがあり、
春に繁殖を活発にしていることを、名古屋大と共同で見つけた。
今回は、近大の升本宏平助教とともに、同じホルモンを持つマウスを、
1日の日照時間が8時間のグループと16時間のグループに分けて
2週間飼育。
その後、秋・冬に当たる8時間グループのマウスに対し、
夜になるはずの時間に光を当てて、ホルモンと関連した遺伝子の
有無や機能を調べた。
16時間グループでは、活発ではないある種の遺伝子が活性化されて
ホルモンを作る引き金になり、他の複数の遺伝子が
後押ししていることが分かった。
このホルモンは、ヒトにもあるとみられ、病気に関わっているらしい。
上田さんは、「日照時間を調節して遺伝子発現を抑えれば、
症状を緩和できるかもしれない」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129282/
ヒ素で成長する細菌発見 異なる生命要素の可能性も
(2010年12月3日 共同通信社)
通常の生物にとっては有毒なヒ素を、生命活動の根幹となる
DNAに取り込んで成長できる細菌を発見したと、
NASAなどの研究グループが2日、米科学誌サイエンス(電子版)に発表。
地球上の生物は、主に炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄の
6元素でつくられ、これらは生命活動に不可欠。
この細菌は、リンをヒ素に換えても生きることができる。
現在知られているものとは異なる基本要素で、生命が存在する
可能性を示すもので、生命の誕生、進化の謎に迫る発見といえそう。
専門家らは、生命を構成するのが6元素であることを前提に、
地球外の生命探しを進めているが、研究グループは、
「どのような物質を追跡の対象にするか、
より真剣に考えなければならない」
米カリフォルニア州にあるヒ素濃度の高い塩水湖「モノ湖」に
生息する「GFAJ1」という細菌に着目。
ヒ素が多く、リンが少ない培養液で培養すると、
リンが多い培養液よりは成長は遅くなるものの、
細胞数が6日間で20倍以上に増え、
GFAJ1はヒ素を取り込んで成長することを確認。
細胞内の変化を詳しく調べると、DNAやタンパク質、脂質に
含まれていたリンが、培養によってヒ素に置き換わっていた。
リンとヒ素は、化学的性質が似ているため、
このような現象が起きたと考えられるが、どのように置き換わるか、
置き換わった分子が細胞の中でどのように働くかは分からない。
◆山岸明彦・東京薬科大教授(極限環境微生物学)の話
ヒ素は、生物にとって猛毒だが、リンと性質が似ているので、
ヒ素を使う生物がいてもおかしくはないと考えられていた。
今回、具体的に生命にとって、非常に重要なDNAにまで
ヒ素を使っている生物が確認され、生物の在り方を広げた。
これまでとは異なった形で生物が存在する可能性が広がり、
地球外の生物を探す際、地球と似た環境にこだわるのではなく、
範囲を広げる必要が出てくる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129238/
通常の生物にとっては有毒なヒ素を、生命活動の根幹となる
DNAに取り込んで成長できる細菌を発見したと、
NASAなどの研究グループが2日、米科学誌サイエンス(電子版)に発表。
地球上の生物は、主に炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄の
6元素でつくられ、これらは生命活動に不可欠。
この細菌は、リンをヒ素に換えても生きることができる。
現在知られているものとは異なる基本要素で、生命が存在する
可能性を示すもので、生命の誕生、進化の謎に迫る発見といえそう。
専門家らは、生命を構成するのが6元素であることを前提に、
地球外の生命探しを進めているが、研究グループは、
「どのような物質を追跡の対象にするか、
より真剣に考えなければならない」
米カリフォルニア州にあるヒ素濃度の高い塩水湖「モノ湖」に
生息する「GFAJ1」という細菌に着目。
ヒ素が多く、リンが少ない培養液で培養すると、
リンが多い培養液よりは成長は遅くなるものの、
細胞数が6日間で20倍以上に増え、
GFAJ1はヒ素を取り込んで成長することを確認。
細胞内の変化を詳しく調べると、DNAやタンパク質、脂質に
含まれていたリンが、培養によってヒ素に置き換わっていた。
リンとヒ素は、化学的性質が似ているため、
このような現象が起きたと考えられるが、どのように置き換わるか、
置き換わった分子が細胞の中でどのように働くかは分からない。
◆山岸明彦・東京薬科大教授(極限環境微生物学)の話
ヒ素は、生物にとって猛毒だが、リンと性質が似ているので、
ヒ素を使う生物がいてもおかしくはないと考えられていた。
今回、具体的に生命にとって、非常に重要なDNAにまで
ヒ素を使っている生物が確認され、生物の在り方を広げた。
これまでとは異なった形で生物が存在する可能性が広がり、
地球外の生物を探す際、地球と似た環境にこだわるのではなく、
範囲を広げる必要が出てくる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129238/
2010年12月5日日曜日
細菌増殖抑える分子解明 効果高い薬開発に期待
(2010年12月2日 共同通信社)
細菌が増殖する際などに働く酵素「RNAポリメラーゼ」の働きを
抑える分子の詳しい形状を、横山茂之東京大教授(構造生物学)らが
明らかにし、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表。
横山教授は、「効果が高く、耐性のできにくい抗菌剤の開発が期待」
RNAポリメラーゼは、カニのはさみのような形をし、
DNAの鎖を挟みつつ、そこにRNAの"部品"を取り込み、
DNAの遺伝情報を基にRNAを組み立てる。
細菌の体をつくるタンパク質は、できたRNAを基に合成。
横山教授らが調べた分子は、RNAポリメラーゼにくっつき、
RNAの合成を中断したり、終了させたりする時に働く。
くっついた状態を、大型放射光施設「スプリング8」などで調べた結果、
分子はくさびのような形で、RNAの部品の取り込み口を
しっかりとふさいだ上、組み立てを行う部位に突き刺さっていた。
従来の抗菌剤は、組み立て部位の周りに小さな分子がくっつき、
"邪魔"をする程度であるため、細菌が突然変異などで
少し形を変えても、効き目は弱まる。
今回の分子は、「かなり念入りに、がっちりとガードしている」(横山教授)、
似たような分子を人工的につくれば、
強力な抗菌剤ができる可能性もある。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/2/129158/
細菌が増殖する際などに働く酵素「RNAポリメラーゼ」の働きを
抑える分子の詳しい形状を、横山茂之東京大教授(構造生物学)らが
明らかにし、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表。
横山教授は、「効果が高く、耐性のできにくい抗菌剤の開発が期待」
RNAポリメラーゼは、カニのはさみのような形をし、
DNAの鎖を挟みつつ、そこにRNAの"部品"を取り込み、
DNAの遺伝情報を基にRNAを組み立てる。
細菌の体をつくるタンパク質は、できたRNAを基に合成。
横山教授らが調べた分子は、RNAポリメラーゼにくっつき、
RNAの合成を中断したり、終了させたりする時に働く。
くっついた状態を、大型放射光施設「スプリング8」などで調べた結果、
分子はくさびのような形で、RNAの部品の取り込み口を
しっかりとふさいだ上、組み立てを行う部位に突き刺さっていた。
従来の抗菌剤は、組み立て部位の周りに小さな分子がくっつき、
"邪魔"をする程度であるため、細菌が突然変異などで
少し形を変えても、効き目は弱まる。
今回の分子は、「かなり念入りに、がっちりとガードしている」(横山教授)、
似たような分子を人工的につくれば、
強力な抗菌剤ができる可能性もある。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/2/129158/
総合学習を生かす(4)修学旅行 生きた教材に
(読売 11月25日)
横浜国立大学付属鎌倉中学校の総合学習の発表会。
3年の板倉亜遊さん(15)たち女子生徒5人は、
花かんざしを髪に挿して教壇に立った。
花かんざしは、修学旅行先の京都でインタビューした職人が作った
思い出の品。
「仕事は、お金を稼ぐためにあると思っていたが、
責任とこだわりを持って働く人になりたいと考えが変わった」、
「花かんざしには、職人の技術と気持ちが詰まっている。
思いを込めて取り組む大切さを学んだ」。
5人は、自分の将来と結びつけて、それぞれの発表を締めくくった。
同中の修学旅行は、物見遊山ではない。
生徒全員が、各自のテーマの基本的な知識や情報を事前に詳しく調べ、
新聞形式でまとめた上で、その道のプロにインタビュー。
一人一人が、寺社など「モノ」だけでなく、「人」から学び得ることを重視、
生き方や職業観を深く学ぶ機会。
今年は、生徒172人が40班に分かれ、
京野菜の店の店主や刃物職人、茶の研究員など約40人に取材。
板倉さんたち5人が訪れたのは、江戸末期から京都・祇園で、
唯一続く花かんざし専門店の「金竹堂」。
花かんざしについて事前学習で徹底的に調べ、現地では、
金竹堂五代目職人の定永光夫さん(54)に、
「流行に合わせた新しいかんざしは作らないのか」、
「なぜ職人になったのか」などと、本人にしか聞けない話をぶつけた。
「材料となる絹糸や染め屋の職人も減る中、江戸時代と同じものを
作る方が大変。
私は、舞妓や伝統を守る責任があるから、作り続けなければならない」
と答えた定永さん。
年数回、仕事の合間の約30分という約束で、
修学旅行生の取材を受けているが、
「受け身でやって来る学校が多く、基本的な話で終わってしまう中、
よく勉強して来てくれたので、伝えたいことを話せた」とうれしそう。
「しっかりした課題設定と徹底した事前学習で、
ありふれた京都への修学旅行もひと味違う学習に変わる。
自分の意思で進路選択する力も養える」、
総合学習の主任である岡正敏教諭(36)。
どの学校にもある修学旅行が、生きた教材となって、
生徒一人一人の心に響いている。
【横浜国立大付属鎌倉中の修学旅行の主な研究テーマ】
町屋を守る、寺社を守る、刃物職人、箸、京扇子、清水焼、西陣織、
京友禅、香道、舞妓の仕事、茶道の礼法、茶と地下水、京菓子、
京料理、八ツ橋、京都とくずきり、剣術と新撰組、陰陽道と陰陽師、
天皇と秀吉と人々
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101125-OYT8T00219.htm
横浜国立大学付属鎌倉中学校の総合学習の発表会。
3年の板倉亜遊さん(15)たち女子生徒5人は、
花かんざしを髪に挿して教壇に立った。
花かんざしは、修学旅行先の京都でインタビューした職人が作った
思い出の品。
「仕事は、お金を稼ぐためにあると思っていたが、
責任とこだわりを持って働く人になりたいと考えが変わった」、
「花かんざしには、職人の技術と気持ちが詰まっている。
思いを込めて取り組む大切さを学んだ」。
5人は、自分の将来と結びつけて、それぞれの発表を締めくくった。
同中の修学旅行は、物見遊山ではない。
生徒全員が、各自のテーマの基本的な知識や情報を事前に詳しく調べ、
新聞形式でまとめた上で、その道のプロにインタビュー。
一人一人が、寺社など「モノ」だけでなく、「人」から学び得ることを重視、
生き方や職業観を深く学ぶ機会。
今年は、生徒172人が40班に分かれ、
京野菜の店の店主や刃物職人、茶の研究員など約40人に取材。
板倉さんたち5人が訪れたのは、江戸末期から京都・祇園で、
唯一続く花かんざし専門店の「金竹堂」。
花かんざしについて事前学習で徹底的に調べ、現地では、
金竹堂五代目職人の定永光夫さん(54)に、
「流行に合わせた新しいかんざしは作らないのか」、
「なぜ職人になったのか」などと、本人にしか聞けない話をぶつけた。
「材料となる絹糸や染め屋の職人も減る中、江戸時代と同じものを
作る方が大変。
私は、舞妓や伝統を守る責任があるから、作り続けなければならない」
と答えた定永さん。
年数回、仕事の合間の約30分という約束で、
修学旅行生の取材を受けているが、
「受け身でやって来る学校が多く、基本的な話で終わってしまう中、
よく勉強して来てくれたので、伝えたいことを話せた」とうれしそう。
「しっかりした課題設定と徹底した事前学習で、
ありふれた京都への修学旅行もひと味違う学習に変わる。
自分の意思で進路選択する力も養える」、
総合学習の主任である岡正敏教諭(36)。
どの学校にもある修学旅行が、生きた教材となって、
生徒一人一人の心に響いている。
【横浜国立大付属鎌倉中の修学旅行の主な研究テーマ】
町屋を守る、寺社を守る、刃物職人、箸、京扇子、清水焼、西陣織、
京友禅、香道、舞妓の仕事、茶道の礼法、茶と地下水、京菓子、
京料理、八ツ橋、京都とくずきり、剣術と新撰組、陰陽道と陰陽師、
天皇と秀吉と人々
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101125-OYT8T00219.htm
嫌な臭いを線虫が学習 大阪大、新薬開発にも
(2010年12月1日 共同通信社)
体長約1mm、ごく小さな線虫が、1度嫌いな臭いを感知すると、
再びこの臭いにさらされた際、より遠くへ逃げるように学習することを、
大阪大や国立遺伝学研究所のチームが明らかに。
1日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載。
学習には、脳内で働く神経伝達物質「ドーパミン」が
重要な働きをしていた。
大阪大の木村幸太郎特任准教授は、
「神経細胞が302個しかなく、遺伝子の解析も容易な線虫を使えば、
学習などの複雑な神経機能を簡単に調べられ、
抗精神病薬の作用機構の解明や新薬開発に役立つ」
チームは、線虫が嫌がる臭いのする有機物質を使って実験。
低濃度の有機物質に、事前に1時間さらして学習させた線虫を、
再び高濃度の有機物質の近くに置くと、
学習していない線虫に比べ、約1・5倍遠くへ逃げた。
遺伝子の突然変異で、ドーパミンの機能が失われている線虫では、
臭いを学習しないことが判明。
正常な線虫でも、ドーパミンの働きを抑える薬を与えると
学習しないことが分かった。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129101/
体長約1mm、ごく小さな線虫が、1度嫌いな臭いを感知すると、
再びこの臭いにさらされた際、より遠くへ逃げるように学習することを、
大阪大や国立遺伝学研究所のチームが明らかに。
1日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載。
学習には、脳内で働く神経伝達物質「ドーパミン」が
重要な働きをしていた。
大阪大の木村幸太郎特任准教授は、
「神経細胞が302個しかなく、遺伝子の解析も容易な線虫を使えば、
学習などの複雑な神経機能を簡単に調べられ、
抗精神病薬の作用機構の解明や新薬開発に役立つ」
チームは、線虫が嫌がる臭いのする有機物質を使って実験。
低濃度の有機物質に、事前に1時間さらして学習させた線虫を、
再び高濃度の有機物質の近くに置くと、
学習していない線虫に比べ、約1・5倍遠くへ逃げた。
遺伝子の突然変異で、ドーパミンの機能が失われている線虫では、
臭いを学習しないことが判明。
正常な線虫でも、ドーパミンの働きを抑える薬を与えると
学習しないことが分かった。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129101/
2010年12月4日土曜日
総合学習を生かす(3)「聞き書き」で言語力養う
(読売 11月24日)
京都府の山間部にある南丹市美山町。
全国有数のかやぶき職人、中野誠さん(42)の自宅で、
同市立美山中学校3年の竹内愛さん(15)が質問。
「職人になるのを家族に反対されても、
なぜそこまで強い思いがあったんですか?」
「不安はあった。
だけど、生きてきた証しとして、人の役に立ちたいという思いはあった」。
かやぶき屋根の土間でたき火を囲み、会話がはずんだ。
美山中では7年前から、3年の秋に地域の人の生き方を取材する
「聞き書き」に取り組んでいる。
地域の魅力を見直す一方、過疎化や高齢化などの課題に接し、
自らの進路を考える機会にしようというもの。
今年は、生徒28人が林業家や町おこしの起業家、
看護師ら15人を取材。
「すごく面白かった」と、すがすがしい表情で学校に戻ってきた。
聞き書きは、2003年、同中が国の「国語教育推進校」となったのを
機に始まった。
「言語力の向上」を総合学習の柱に据え、3年間に習得した読解力や
表現力を活用する場として、聞き書きを位置づけた。
「体験で終わりがちだった総合学習に、しっかりした軸が生まれた」、
中村恵子・教務主任(60)。
事前に資料を調べ、質問項目を相手に手紙でわかりやすく
伝えるのも学習の一環。
取材後、メモをいったん文章化し、足りない点を電話や手紙などで再取材。
約1か月半かけて、「私」を主語に語る形の文章に仕上げる。
相手があるだけに、完成度が求められるが、
教諭らの丁寧な赤ペン指導が支える。
視点はズレていないか、文章は論理的か。
手間はかかるが、文章のくせや好みが偏らないよう、
一つの作品を複数の教員が目を通す。
「体験は、思考を経て文章にして初めて自分のものになる。
一人称で語ることで、取材相手の人生を追体験できる」、中村教諭。
全学年共通で年15時間、言語力の基礎を培う「輝きの時間」と題した
独自の時間を確保し、図解表現や要約、説明法まで、
実践的に学ぶ時間にあてている。
生徒会には「文集部」があり、生徒は行事のたびに文章執筆を求められる。
町内には塾もないが、京都府内でも学力はトップレベル。
弁論大会などの入賞者も多く輩出。
「総合」を戦略的に活用しつくすことで、学校の底力を育てている。
◆聞き書き
語り手と聞き手が対話を重ね、人生経験や思いを文章化する活動。
庶民の知恵や技術を歴史に残す意義とともに、
言葉の選び方や聞く姿勢を育てる教育効果が注目、
地域学習やキャリア教育に取り入れる学校も多い。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101124-OYT8T00203.htm
京都府の山間部にある南丹市美山町。
全国有数のかやぶき職人、中野誠さん(42)の自宅で、
同市立美山中学校3年の竹内愛さん(15)が質問。
「職人になるのを家族に反対されても、
なぜそこまで強い思いがあったんですか?」
「不安はあった。
だけど、生きてきた証しとして、人の役に立ちたいという思いはあった」。
かやぶき屋根の土間でたき火を囲み、会話がはずんだ。
美山中では7年前から、3年の秋に地域の人の生き方を取材する
「聞き書き」に取り組んでいる。
地域の魅力を見直す一方、過疎化や高齢化などの課題に接し、
自らの進路を考える機会にしようというもの。
今年は、生徒28人が林業家や町おこしの起業家、
看護師ら15人を取材。
「すごく面白かった」と、すがすがしい表情で学校に戻ってきた。
聞き書きは、2003年、同中が国の「国語教育推進校」となったのを
機に始まった。
「言語力の向上」を総合学習の柱に据え、3年間に習得した読解力や
表現力を活用する場として、聞き書きを位置づけた。
「体験で終わりがちだった総合学習に、しっかりした軸が生まれた」、
中村恵子・教務主任(60)。
事前に資料を調べ、質問項目を相手に手紙でわかりやすく
伝えるのも学習の一環。
取材後、メモをいったん文章化し、足りない点を電話や手紙などで再取材。
約1か月半かけて、「私」を主語に語る形の文章に仕上げる。
相手があるだけに、完成度が求められるが、
教諭らの丁寧な赤ペン指導が支える。
視点はズレていないか、文章は論理的か。
手間はかかるが、文章のくせや好みが偏らないよう、
一つの作品を複数の教員が目を通す。
「体験は、思考を経て文章にして初めて自分のものになる。
一人称で語ることで、取材相手の人生を追体験できる」、中村教諭。
全学年共通で年15時間、言語力の基礎を培う「輝きの時間」と題した
独自の時間を確保し、図解表現や要約、説明法まで、
実践的に学ぶ時間にあてている。
生徒会には「文集部」があり、生徒は行事のたびに文章執筆を求められる。
町内には塾もないが、京都府内でも学力はトップレベル。
弁論大会などの入賞者も多く輩出。
「総合」を戦略的に活用しつくすことで、学校の底力を育てている。
◆聞き書き
語り手と聞き手が対話を重ね、人生経験や思いを文章化する活動。
庶民の知恵や技術を歴史に残す意義とともに、
言葉の選び方や聞く姿勢を育てる教育効果が注目、
地域学習やキャリア教育に取り入れる学校も多い。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101124-OYT8T00203.htm
企業が社員の禁煙支援 くじけにくい工夫で 値上げも契機に
(2010年12月1日 共同通信社)
10月に大幅に値上げされたのを機に、
たばこをやめようと思っている人も多い。
禁煙補助の内服薬を使った医療機関による治療を受ける患者は急増、
医薬品メーカーの製造が間に合わない事態も。
企業が、社員の健康などに配慮し、
禁煙を支援する取り組みが広がっている。
「始めて2週間くらいは仕事中にいらいらすることが多くて
つらかったけれど、その後は楽になった」
東京海上日動火災保険の本店で営業を担当する岩瀬靖史さん(32)は、
10~12月、同社が実施する禁煙支援プログラムに参加。
1日10本程度吸っていたが、「10月以来1本も吸っていません」。
2007年から毎年実施、ことしは全社で過去最高の146人が参加。
1人ではくじけやすいのでは、と原則2人一組で禁煙に
チャレンジしてもらうのが特徴。
岩瀬さんは同じ課の後輩、竹内将史さん(24)を誘った。
「値上げがちょっと痛いな、と思っていたところに
先輩から声をかけられ、決心した」と竹内さん。
参加者には、ニコチンガムなどの禁煙補助剤を使ってもらい、
徐々にニコチン依存度を低下。
看護師が、生活で気をつける点や気分転換の方法などについて、
きめ細かくメールを送って応援。
昨年までの達成率は、参加者の30~40%台、
「今年は、ぜひ50%を超えてほしい」、
健康管理室でプログラムを担当する保健師の太田一果さん。
来年4月、グループ企業のほぼ全事業所で、
休憩時間以外の就業時間内の全面禁煙を決めたのがオリックス。
三十数社の社員約1万3千人が対象。
7月から、各事業所で喫煙室を1カ所に集約。
来年7月、すべての喫煙室を閉鎖する方針で、
事実上、職場ではたばこを吸えなくなる。
担当する人事部所属の産業カウンセラー藤田万寿美さんによると、
「医薬品や食品メーカーでは、全面禁煙を実施する企業も出てきているが、
まだ非常に珍しい措置」
もちろん締め付けるだけではなく、サポートも拡充。
病院の禁煙外来で治療を受け、完治したとの終了証明書をもらえば、
健康保険治療の自己負担分の約2万円のうち、
1万円を会社が補助する「卒煙キャンペーン」を10月から導入。
来年3月までの予定、その後は健康保険組合が主体となり、
継続することも検討中。
産業医によるセミナーや個別面談なども実施。
オリックスグループの喫煙率は男性43%、女性18%、
ここ数年低下傾向にある日本人の喫煙率に比べ高い。
「いつかはやめようと思っていたので、いい機会だ」、
喫煙派の反応は肯定的なものが多い。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129107/
10月に大幅に値上げされたのを機に、
たばこをやめようと思っている人も多い。
禁煙補助の内服薬を使った医療機関による治療を受ける患者は急増、
医薬品メーカーの製造が間に合わない事態も。
企業が、社員の健康などに配慮し、
禁煙を支援する取り組みが広がっている。
「始めて2週間くらいは仕事中にいらいらすることが多くて
つらかったけれど、その後は楽になった」
東京海上日動火災保険の本店で営業を担当する岩瀬靖史さん(32)は、
10~12月、同社が実施する禁煙支援プログラムに参加。
1日10本程度吸っていたが、「10月以来1本も吸っていません」。
2007年から毎年実施、ことしは全社で過去最高の146人が参加。
1人ではくじけやすいのでは、と原則2人一組で禁煙に
チャレンジしてもらうのが特徴。
岩瀬さんは同じ課の後輩、竹内将史さん(24)を誘った。
「値上げがちょっと痛いな、と思っていたところに
先輩から声をかけられ、決心した」と竹内さん。
参加者には、ニコチンガムなどの禁煙補助剤を使ってもらい、
徐々にニコチン依存度を低下。
看護師が、生活で気をつける点や気分転換の方法などについて、
きめ細かくメールを送って応援。
昨年までの達成率は、参加者の30~40%台、
「今年は、ぜひ50%を超えてほしい」、
健康管理室でプログラムを担当する保健師の太田一果さん。
来年4月、グループ企業のほぼ全事業所で、
休憩時間以外の就業時間内の全面禁煙を決めたのがオリックス。
三十数社の社員約1万3千人が対象。
7月から、各事業所で喫煙室を1カ所に集約。
来年7月、すべての喫煙室を閉鎖する方針で、
事実上、職場ではたばこを吸えなくなる。
担当する人事部所属の産業カウンセラー藤田万寿美さんによると、
「医薬品や食品メーカーでは、全面禁煙を実施する企業も出てきているが、
まだ非常に珍しい措置」
もちろん締め付けるだけではなく、サポートも拡充。
病院の禁煙外来で治療を受け、完治したとの終了証明書をもらえば、
健康保険治療の自己負担分の約2万円のうち、
1万円を会社が補助する「卒煙キャンペーン」を10月から導入。
来年3月までの予定、その後は健康保険組合が主体となり、
継続することも検討中。
産業医によるセミナーや個別面談なども実施。
オリックスグループの喫煙率は男性43%、女性18%、
ここ数年低下傾向にある日本人の喫煙率に比べ高い。
「いつかはやめようと思っていたので、いい機会だ」、
喫煙派の反応は肯定的なものが多い。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129107/
臓器模型 歯科技工生かし 大津の入れ歯メーカー、手術練習用に開発
(2010年11月30日 毎日新聞社)
義歯や入れ歯を作る歯科技工士(国家資格)の技術を生かし、
大津市内の企業が、臨床医向けの手術練習用臓器や
血管模型の開発に成功。
従来のシリコンなどの模型は、1個数十万円と高価だったが、
コンタクトレンズなどに使われる特殊樹脂で安価に実現。
国の「地域産業資源活用事業」にも認められ、
来年度の実用化を目指す。
同社は、龍谷大瀬田キャンパス内に本社を置く入れ歯メーカー
「聖和デンタル」。
歯科技工士は、金属加工や製陶などの各技術を駆使する専門職種、
労働時間の長さに対し、収入が限られ、
就職後5年以内の離職率は8割に達する。
同社では、技工士の待遇改善のため、
新分野の開拓に力を入れてきた。
目をつけたのが、コンタクトレンズや洗濯のりなどに使われる
ポリビニルアルコール(PVA)。
今までは強度が低く、細かい加工の難しい樹脂だったが、
10年前、マウスガードを作る過程で水分を調整して加工する機械を開発。
医師が実技練習に使う実験用ブタを、手術室で使える練習施設は
国内に3カ所しかなく、ゴムやスポンジの練習模型も小さなもので、
1個十数万円からと高価なため、頻繁に練習することは難しかった。
同社は、PVAを使ってメスで切ったり縫合した際の
人体の感触・強度の再現に成功。
外観の風合いや色なども、本物そっくりに仕上げた。
同社の岡野仁夫社長(46)は、
「今後は、内視鏡をのぞきながらの手術が中心になり、
医師の技術がより重要に。
なるべく安く量産し、医学生に使ってもらいたい。
医療ミスの減少につながれば」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/30/129060/
義歯や入れ歯を作る歯科技工士(国家資格)の技術を生かし、
大津市内の企業が、臨床医向けの手術練習用臓器や
血管模型の開発に成功。
従来のシリコンなどの模型は、1個数十万円と高価だったが、
コンタクトレンズなどに使われる特殊樹脂で安価に実現。
国の「地域産業資源活用事業」にも認められ、
来年度の実用化を目指す。
同社は、龍谷大瀬田キャンパス内に本社を置く入れ歯メーカー
「聖和デンタル」。
歯科技工士は、金属加工や製陶などの各技術を駆使する専門職種、
労働時間の長さに対し、収入が限られ、
就職後5年以内の離職率は8割に達する。
同社では、技工士の待遇改善のため、
新分野の開拓に力を入れてきた。
目をつけたのが、コンタクトレンズや洗濯のりなどに使われる
ポリビニルアルコール(PVA)。
今までは強度が低く、細かい加工の難しい樹脂だったが、
10年前、マウスガードを作る過程で水分を調整して加工する機械を開発。
医師が実技練習に使う実験用ブタを、手術室で使える練習施設は
国内に3カ所しかなく、ゴムやスポンジの練習模型も小さなもので、
1個十数万円からと高価なため、頻繁に練習することは難しかった。
同社は、PVAを使ってメスで切ったり縫合した際の
人体の感触・強度の再現に成功。
外観の風合いや色なども、本物そっくりに仕上げた。
同社の岡野仁夫社長(46)は、
「今後は、内視鏡をのぞきながらの手術が中心になり、
医師の技術がより重要に。
なるべく安く量産し、医学生に使ってもらいたい。
医療ミスの減少につながれば」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/30/129060/
2010年12月3日金曜日
受動喫煙で60万人が死亡 うち16万人が5歳未満 WHOが初の推計
(2010年11月29日 共同通信社)
他人のたばこの煙を、周囲の人が吸い込む受動喫煙による
死亡者数は、世界全体で毎年60万人に達するとの推計を、
世界保健機関(WHO)の研究チームが、
英医学誌ランセットに発表。
うち16万5千人を、5歳未満の子どもが占める。
受動喫煙による世界的な死亡者数の推計は初めて。
チームは、たばこ価格の引き上げや広告の禁止など、
国連のたばこ規制枠組み条約に基づく法規制の強化を訴えている。
チームは192カ国のデータを分析、15歳未満の子どもの40%、
非喫煙女性の35%、非喫煙男性の33%が、
受動喫煙にさらされていると想定。
これが心臓病やぜんそく、呼吸器感染症、肺がんなどを引き起こし、
全死亡の1%に当たる60万3千人が2004年に亡くなったと推計。
特にアフリカや南アジアなどの発展途上国で、
子どもの健康に及ぼす影響が大きかった。
WHOはこれまで、たばこが原因で死亡する喫煙者は
年間510万人と推計、受動喫煙を加えると570万人の
死亡原因になっている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/29/128938/
他人のたばこの煙を、周囲の人が吸い込む受動喫煙による
死亡者数は、世界全体で毎年60万人に達するとの推計を、
世界保健機関(WHO)の研究チームが、
英医学誌ランセットに発表。
うち16万5千人を、5歳未満の子どもが占める。
受動喫煙による世界的な死亡者数の推計は初めて。
チームは、たばこ価格の引き上げや広告の禁止など、
国連のたばこ規制枠組み条約に基づく法規制の強化を訴えている。
チームは192カ国のデータを分析、15歳未満の子どもの40%、
非喫煙女性の35%、非喫煙男性の33%が、
受動喫煙にさらされていると想定。
これが心臓病やぜんそく、呼吸器感染症、肺がんなどを引き起こし、
全死亡の1%に当たる60万3千人が2004年に亡くなったと推計。
特にアフリカや南アジアなどの発展途上国で、
子どもの健康に及ぼす影響が大きかった。
WHOはこれまで、たばこが原因で死亡する喫煙者は
年間510万人と推計、受動喫煙を加えると570万人の
死亡原因になっている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/29/128938/
登録:
投稿 (Atom)