(岩手日報 12月20日)
第三セクターIGRいわて銀河鉄道の
旅行事業部門・銀河鉄道観光(盛岡市)と県予防医学協会(同)は、
「医療」と「旅行」を組み合わせた県内初のギフト型旅行商品を
共同開発し、販売を始めた。
一日人間ドックを受診した後、盛岡市内の温泉旅館やホテルで
くつろぎながら1泊してもらう。
医療と観光を結び付けた「医療観光」の取り組みは、
国内外で広がっており、親など家族へのプレゼント需要を見込む。
来月4日から利用が始まる。
旅行商品名は、「贈る 人間ドック」。
ドックを受診する人と、付き添いをする夫か妻の夫婦2人を想定し、
盛岡市の四季亭、ホテルメトロポリタン盛岡ニューウイング、
ホテル紫苑の3施設から宿を選ぶことができる。
3コースとも、
▽盛岡市永井の同協会で一日人間ドック(1人分)
▽宿泊(1泊2食で2人分)
▽移動のタクシー
▽往復のIGR運賃(2人分)―が共通。
四季亭は、宿泊翌日に同ニューウイングでのランチが付いて
10万円(参考価格は通常約12万円)、
同ニューウイングはデラックスツイン利用で8万8千円(同約11万円)、
ホテル紫苑は宿泊翌日に同市内丸の桜山神社で厄払いの祈祷が
付いて8万8千円(同)。
IGRの沿線住民以外の人も利用できる。
タクシーは、岩手中央タクシーのみの利用となる。
利用期間は11年1月4日~3月25日。土、日、祝日は休み。
問い合わせは同観光(019・654・1489)へ。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101220_3
2011年1月1日土曜日
スーパー温室ガス監視へ 大船渡と小笠原諸島で
(岩手日報 12月20日)
少量だが、温室効果がCO2の約2万倍の六フッ化硫黄や、
約300倍の一酸化二窒素など地球温暖化の原因となる
“スーパー温室効果ガス”の監視体制強化を、
気象庁が大船渡市と小笠原諸島・南鳥島で計画。
いずれも京都議定書で排出削減の対象だが、
六フッ化硫黄はアジアで定点観測している地点がほとんどなく、
監視体制の整備が課題。
六フッ化硫黄は、電子機器の絶縁体などに使う化学物質。
大気中濃度の世界平均はCO2の約380ppm、
6~7ppt(1ppmは100万ppt)程度だが、
1990年代から約2倍に増え、ほぼ全量が人為的排出。
国立環境研究所が年4回、沖縄・波照間島で大気を採取し
分析してきたが、気象庁は大船渡市の大気環境観測所と
日本最東端の南鳥島気象観測所の2カ所で、
来年度から週1回観測する方針。
一酸化二窒素は、農業活動や化学工業から排出。
同庁が90年から大船渡市で観測してきたが、
南鳥島を観測点に追加する計画。
南鳥島は、東京から約1860kmと都市化の影響が少なく、
長期環境監視に適している。
採取した大気を容器に詰めて自衛隊機で運び、気象庁本庁で分析。
来年度予算で、温暖化監視強化費約3億3千万円を要求。
同庁の須田一人全球大気監視調整官は、
「有効な温暖化防止策には、少量でも温室効果が桁違いに高い
ガスの監視は重要」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101220_7
少量だが、温室効果がCO2の約2万倍の六フッ化硫黄や、
約300倍の一酸化二窒素など地球温暖化の原因となる
“スーパー温室効果ガス”の監視体制強化を、
気象庁が大船渡市と小笠原諸島・南鳥島で計画。
いずれも京都議定書で排出削減の対象だが、
六フッ化硫黄はアジアで定点観測している地点がほとんどなく、
監視体制の整備が課題。
六フッ化硫黄は、電子機器の絶縁体などに使う化学物質。
大気中濃度の世界平均はCO2の約380ppm、
6~7ppt(1ppmは100万ppt)程度だが、
1990年代から約2倍に増え、ほぼ全量が人為的排出。
国立環境研究所が年4回、沖縄・波照間島で大気を採取し
分析してきたが、気象庁は大船渡市の大気環境観測所と
日本最東端の南鳥島気象観測所の2カ所で、
来年度から週1回観測する方針。
一酸化二窒素は、農業活動や化学工業から排出。
同庁が90年から大船渡市で観測してきたが、
南鳥島を観測点に追加する計画。
南鳥島は、東京から約1860kmと都市化の影響が少なく、
長期環境監視に適している。
採取した大気を容器に詰めて自衛隊機で運び、気象庁本庁で分析。
来年度予算で、温暖化監視強化費約3億3千万円を要求。
同庁の須田一人全球大気監視調整官は、
「有効な温暖化防止策には、少量でも温室効果が桁違いに高い
ガスの監視は重要」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101220_7
2010年12月31日金曜日
「減クルマ」でCO2削減40トン 盛岡市など3市
(岩手日報 12月19日)
県公共交通利用推進協議会(会長・達増知事)は、
公共交通の利用推進とCO2排出抑制の取り組み
「減クルマチャレンジウイーク」(10月4~11日)の結果をまとめた。
盛岡、一関、釜石の3市で、1万4592人が参加、
約40トンのCO2を削減。
県は、全域に運動を拡大する方針。
チャレンジウイークは、今年で3年目。
3市で269事業所が参加し、通勤を自家用車から公共交通に切り替えたり、
私生活でのエコ運転や車利用を控えるなどに取り組んだ。
取り組み結果は、車の利用距離で、地球約4・2周分に当たる
16万7124kmを抑制。
1日当たりのCO2削減量は5トン。
参加者は、1年目の5381人から1万4592人まで拡大。
参加者からは、「マイカー生活を見直すことができた」、
「健康にも良く続けたい」などの声があり、意識の高まりを感じさせた。
公共交通が充実していない地域では、運動をどう浸透させるかが課題。
今回、エコ通勤の手段で鉄道・バスを選択した人は、
盛岡が38%だったが一関11%、釜石19%と低かった。
一関市協働推進課の佐藤武生課長補佐は、
「通勤で、公共交通を使うことが難しい地域もある」と現状を語る。
CO2削減の取り組みとともに、公共交通を守る意識の浸透も
求められそうだ。
県地域振興室の野中広治交通課長は、
「チャレンジ参加をきっかけに、公共交通への理解が深まっている。
地道に運動を広めたい」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101219_13
県公共交通利用推進協議会(会長・達増知事)は、
公共交通の利用推進とCO2排出抑制の取り組み
「減クルマチャレンジウイーク」(10月4~11日)の結果をまとめた。
盛岡、一関、釜石の3市で、1万4592人が参加、
約40トンのCO2を削減。
県は、全域に運動を拡大する方針。
チャレンジウイークは、今年で3年目。
3市で269事業所が参加し、通勤を自家用車から公共交通に切り替えたり、
私生活でのエコ運転や車利用を控えるなどに取り組んだ。
取り組み結果は、車の利用距離で、地球約4・2周分に当たる
16万7124kmを抑制。
1日当たりのCO2削減量は5トン。
参加者は、1年目の5381人から1万4592人まで拡大。
参加者からは、「マイカー生活を見直すことができた」、
「健康にも良く続けたい」などの声があり、意識の高まりを感じさせた。
公共交通が充実していない地域では、運動をどう浸透させるかが課題。
今回、エコ通勤の手段で鉄道・バスを選択した人は、
盛岡が38%だったが一関11%、釜石19%と低かった。
一関市協働推進課の佐藤武生課長補佐は、
「通勤で、公共交通を使うことが難しい地域もある」と現状を語る。
CO2削減の取り組みとともに、公共交通を守る意識の浸透も
求められそうだ。
県地域振興室の野中広治交通課長は、
「チャレンジ参加をきっかけに、公共交通への理解が深まっている。
地道に運動を広めたい」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101219_13
小学校受験(7)都市と地方に温度差
(読売 12月25日)
「さあ1分で解くんだよ。スピードを大事に、集中して」。
講師の合図で、子どもたちが一斉に国立の福岡教育大学付属の
入試の模擬試験に取りかかった。
「学習受験社ガゼット」本社のある中央教室(福岡市)の年長コース。
試験を受ける12人の表情は、真剣そのもの。
福岡市と久留米市に3教室を展開する「学習受験社」は、
県内で幼児教室と中学受験塾を開校して約40年。
小学校受験では、県内の国立、私立への合格実績でトップを誇る。
子ども4人に講師1人のきめ細かな指導が特徴で、
講師手作りのプリント教材は年間約3000枚に上る。
県内の小学校受験事情について、同社の上迫純一社長(61)は、
「志望校は、福岡教育大付属の3小学校が人気の上位。
いずれも中学までで、付属中を経て、トップクラスの県立高校、
九州大学へと進学するのが『エリートコース』とされている」
受験準備は、かつて家庭でする場合が多かったが、
「10年余り前から付属小のペーパー試験が難しくなり、
教室通いが目立つようになった。
近年、抽選よりも、先に行われる試験で落とす割合が高くなったことも
拍車をかけている」と、上迫社長。
「付属小」、「私立」、「併願」で1年と2年のコースがあり、
最も多いのは「付属小」の1年コース(週1日2時間~2時間半で、
月額約2万3000~2万6000円)。
県内ではこの数年、私立の西南学院小学校や東明館小学校などが開校、
併願が増えているが、あくまでも第1志望は付属小。
首都圏と関西、北九州以外ではどうか?
全国の小学校受験情報をネットで提供する
「小学校受験総合研究所」の高橋秀幸代表(38)によると、
愛知県や広島県など受験熱が高まってきている地域もあるが、
首都圏のような盛り上がりは見られない。
「地方は私立小が少なく、国公立志向が強いため、
小学校受験の中心は国立。
複雑な問題は出されず、倍率も低いため、友だちと外で遊び、
自分で服をたためて、お母さんのお手伝いができれば、
対応できる学校が多い」、高橋代表は解説。
幼児教室で季節感や生活習慣を学び、私立小を目指す。
お受験熱は、都市部特有の現象かもしれない。
◆メモ
学習受験社によると、福岡教育大学付属の3小学校の
2010年度入学の受験倍率は、福岡小(福岡市)が
男子4・7倍、女子4・2倍、小倉小(北九州市)が男子2・8倍、女子1・8倍、
久留米小(久留米市)が男子2・0倍、女子2・2倍。
出願倍率が約9~80倍にもなる都内の国立大付属小と比べ、
大きな開きがある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101225-OYT8T00173.htm
「さあ1分で解くんだよ。スピードを大事に、集中して」。
講師の合図で、子どもたちが一斉に国立の福岡教育大学付属の
入試の模擬試験に取りかかった。
「学習受験社ガゼット」本社のある中央教室(福岡市)の年長コース。
試験を受ける12人の表情は、真剣そのもの。
福岡市と久留米市に3教室を展開する「学習受験社」は、
県内で幼児教室と中学受験塾を開校して約40年。
小学校受験では、県内の国立、私立への合格実績でトップを誇る。
子ども4人に講師1人のきめ細かな指導が特徴で、
講師手作りのプリント教材は年間約3000枚に上る。
県内の小学校受験事情について、同社の上迫純一社長(61)は、
「志望校は、福岡教育大付属の3小学校が人気の上位。
いずれも中学までで、付属中を経て、トップクラスの県立高校、
九州大学へと進学するのが『エリートコース』とされている」
受験準備は、かつて家庭でする場合が多かったが、
「10年余り前から付属小のペーパー試験が難しくなり、
教室通いが目立つようになった。
近年、抽選よりも、先に行われる試験で落とす割合が高くなったことも
拍車をかけている」と、上迫社長。
「付属小」、「私立」、「併願」で1年と2年のコースがあり、
最も多いのは「付属小」の1年コース(週1日2時間~2時間半で、
月額約2万3000~2万6000円)。
県内ではこの数年、私立の西南学院小学校や東明館小学校などが開校、
併願が増えているが、あくまでも第1志望は付属小。
首都圏と関西、北九州以外ではどうか?
全国の小学校受験情報をネットで提供する
「小学校受験総合研究所」の高橋秀幸代表(38)によると、
愛知県や広島県など受験熱が高まってきている地域もあるが、
首都圏のような盛り上がりは見られない。
「地方は私立小が少なく、国公立志向が強いため、
小学校受験の中心は国立。
複雑な問題は出されず、倍率も低いため、友だちと外で遊び、
自分で服をたためて、お母さんのお手伝いができれば、
対応できる学校が多い」、高橋代表は解説。
幼児教室で季節感や生活習慣を学び、私立小を目指す。
お受験熱は、都市部特有の現象かもしれない。
◆メモ
学習受験社によると、福岡教育大学付属の3小学校の
2010年度入学の受験倍率は、福岡小(福岡市)が
男子4・7倍、女子4・2倍、小倉小(北九州市)が男子2・8倍、女子1・8倍、
久留米小(久留米市)が男子2・0倍、女子2・2倍。
出願倍率が約9~80倍にもなる都内の国立大付属小と比べ、
大きな開きがある。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101225-OYT8T00173.htm
2010年12月30日木曜日
小学校受験(6)幼児教室 関西も熱く
(読売 12月24日)
「お箸を使って、赤いおはじきを自分のお皿に入れてください」。
講師の指示に従い、子どもたちが、
「生活習慣」の課題に取り組んでいた。
おはじきを上手につまめなかったり、途中で落としてしまったりしながらも、
時間内にひとつ残らず移し終えた。
幼児教室「伸芽会」の四条河原町教室(京都市)で、
行われた4、5歳児の授業。
3年保育の「年中」だが、来年の私立小学校受験まであと1年となり、
教室では「新年長」として授業がスタートしたばかり。
「これから1年で、様々な実践形式の授業を体験し、
大きく力を伸ばしていく」、教務企画局長の飯田道郎さん(50)。
小学校・幼稚園受験で知られる伸芽会は、1956年設立。
本部は東京都豊島区、首都圏1都3県に26教室、
関西2府1県に3教室、計29教室を運営。
教育理念は、その名の通り幼児の興味の芽を伸ばすこと。
例えば、図形や数量の問題では、折り紙やおはじきで関心を引き、
遊びながら学べるよう工夫する。
年長児コースでは、週2日、「総合」、「志望校別」の2コマ、
計4時間が平均的で、費用は月10万円程度。
そんな東京の幼児教室の老舗が、四条河原町教室の開校で
関西進出を果たしたのは2008年。
今年、大阪市と兵庫県西宮市にも教室を設けた。
以前も大阪市内の教室と業務提携し、指導方法を提供していた
時期があったが、今回は本格的な展開。
背景には、ここ数年、名門私立大の関関同立
(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)の付属小学校が
相次いで開校し、小学受験熱に一気に火が付いたことがある。
中学受験の「浜学園」(本部・西宮市)は05年、未就学児童向けの
「はまキッズ」を開設。
中学・高校・大学受験の「京進」(本部・京都市)も06年、
「京進ぷれわん」を開校し、小学受験指導を始めた。
08年、「教室通いへのニーズが高まり、ノウハウを十分に生かせる」
(飯田さん)と判断した伸芽会が進出。
「関関同立」付属小の開校以前も、一定の小学受験層は存在。
首都圏に比べ、私立小の数が少なく、私立の中高一貫校人気や
公立高校への信頼が高いことなどから、
お受験熱はそれほど高くはなかった。
相次ぐ私立小の開校が、幼児教育への特需をもたらしている。
◆メモ
関西では、2006年の同志社小学校(京都市)と立命館小学校を
手始めに、08年に関西学院初等部(宝塚市)、
今年、関西大学初等部(高槻市)と、名門大学の付属小学校の開校が続いた。
来春、同志社国際学院初等部(木津川市)が開校予定。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101224-OYT8T00221.htm
「お箸を使って、赤いおはじきを自分のお皿に入れてください」。
講師の指示に従い、子どもたちが、
「生活習慣」の課題に取り組んでいた。
おはじきを上手につまめなかったり、途中で落としてしまったりしながらも、
時間内にひとつ残らず移し終えた。
幼児教室「伸芽会」の四条河原町教室(京都市)で、
行われた4、5歳児の授業。
3年保育の「年中」だが、来年の私立小学校受験まであと1年となり、
教室では「新年長」として授業がスタートしたばかり。
「これから1年で、様々な実践形式の授業を体験し、
大きく力を伸ばしていく」、教務企画局長の飯田道郎さん(50)。
小学校・幼稚園受験で知られる伸芽会は、1956年設立。
本部は東京都豊島区、首都圏1都3県に26教室、
関西2府1県に3教室、計29教室を運営。
教育理念は、その名の通り幼児の興味の芽を伸ばすこと。
例えば、図形や数量の問題では、折り紙やおはじきで関心を引き、
遊びながら学べるよう工夫する。
年長児コースでは、週2日、「総合」、「志望校別」の2コマ、
計4時間が平均的で、費用は月10万円程度。
そんな東京の幼児教室の老舗が、四条河原町教室の開校で
関西進出を果たしたのは2008年。
今年、大阪市と兵庫県西宮市にも教室を設けた。
以前も大阪市内の教室と業務提携し、指導方法を提供していた
時期があったが、今回は本格的な展開。
背景には、ここ数年、名門私立大の関関同立
(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)の付属小学校が
相次いで開校し、小学受験熱に一気に火が付いたことがある。
中学受験の「浜学園」(本部・西宮市)は05年、未就学児童向けの
「はまキッズ」を開設。
中学・高校・大学受験の「京進」(本部・京都市)も06年、
「京進ぷれわん」を開校し、小学受験指導を始めた。
08年、「教室通いへのニーズが高まり、ノウハウを十分に生かせる」
(飯田さん)と判断した伸芽会が進出。
「関関同立」付属小の開校以前も、一定の小学受験層は存在。
首都圏に比べ、私立小の数が少なく、私立の中高一貫校人気や
公立高校への信頼が高いことなどから、
お受験熱はそれほど高くはなかった。
相次ぐ私立小の開校が、幼児教育への特需をもたらしている。
◆メモ
関西では、2006年の同志社小学校(京都市)と立命館小学校を
手始めに、08年に関西学院初等部(宝塚市)、
今年、関西大学初等部(高槻市)と、名門大学の付属小学校の開校が続いた。
来春、同志社国際学院初等部(木津川市)が開校予定。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101224-OYT8T00221.htm
三重大など日本人研究、遺伝子2種発見
(2010年12月22日 読売新聞)
三重大は21日、日本人の心筋梗塞発症に関連する
2種類の遺伝子を発見したと発表。
発症の危険性を予測し、個人の遺伝情報に基づいた
個別化予防が期待。
遺伝子を発見したのは、同大生命科学研究支援センターの
山田芳司教授(54)と、理化学研究所などの研究チーム。
日本、韓国両国の計1万7447人分のヒトゲノムの一部を解析し、
「BTN2A1」と「ILF3」の2遺伝子が、日本人の心筋梗塞と
強い関連があることを突き止めた。
心筋梗塞を発症させる遺伝子は人種によって異なり、
20~30の遺伝子が関係。
今回の研究では、韓国人の発症と両遺伝子の関連は見られなかった。
欧米では白人での研究が進み、日本人に関連するとみられる
遺伝子は3種類見つかっている。
山田教授らは、新たに2種類の遺伝子を確認。
山田教授は、「日本人での研究をさらに進め、
治療薬の開発につなげたい」
研究成果は今後、欧州動脈硬化学会誌「アテロスクレローシス」に掲載。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/22/130212/
三重大は21日、日本人の心筋梗塞発症に関連する
2種類の遺伝子を発見したと発表。
発症の危険性を予測し、個人の遺伝情報に基づいた
個別化予防が期待。
遺伝子を発見したのは、同大生命科学研究支援センターの
山田芳司教授(54)と、理化学研究所などの研究チーム。
日本、韓国両国の計1万7447人分のヒトゲノムの一部を解析し、
「BTN2A1」と「ILF3」の2遺伝子が、日本人の心筋梗塞と
強い関連があることを突き止めた。
心筋梗塞を発症させる遺伝子は人種によって異なり、
20~30の遺伝子が関係。
今回の研究では、韓国人の発症と両遺伝子の関連は見られなかった。
欧米では白人での研究が進み、日本人に関連するとみられる
遺伝子は3種類見つかっている。
山田教授らは、新たに2種類の遺伝子を確認。
山田教授は、「日本人での研究をさらに進め、
治療薬の開発につなげたい」
研究成果は今後、欧州動脈硬化学会誌「アテロスクレローシス」に掲載。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/22/130212/
2010年12月29日水曜日
小学校受験(5)工作 自由にさせ、ほめる
(読売 12月23日)
JR国立駅近くにある「チャイルド右脳教育研究会」(国立市)の
教室をのぞくと、子どもたちの元気な声が聞こえてきた。
「あっ、崩れちゃうよ」、「きれいに飾ろうね」――。
年長クラス最後の工作の授業で、テーマは「お城」作り。
色画用紙を切ったり、牛乳パックをセロハンテープで
張り付けたりして仕上げていく。
ある男子(6)は、「高い高いの作ったよ。
『よくできました』って、先生やママに言われた」とうれしそう。
チャイルドは、1991年の設立。
地元国立市を中心に、年中と年長を合わせて約60人と小規模ながら、
桐朋学園小学校(国立市)や国立学園小学校(同)など、
多摩地区の有名小学校への合格実績で知られる。
授業は工作のほか、運動や行動観察、ペーパー対策の指導を
週に1回(2時間)行っている。
費用は月額約3万円。
指導の特徴は、工作に最も多くの時間を割いていること。
しかも、入試に必要な知識やテクニックを教え込むことはせず、
自由にやらせている。
なぜなのか?
「数や言葉などをイメージでとらえる力、つまり右脳を鍛えることが、
受験に必要な創造力や思考力、観察力を育むことにつながる。
その手法として、最も重要なのが工作なのです」、
かつて中学・高校受験塾で数学を教えていた山本寿春代表(62)。
山本代表によると、自発性を尊重して自由にやらせ、
良い点を見つけてほめるのだ。
幼児期に自発的に身につけた力は、小学生になってから
読解力やひらめきといった基礎能力になる。
立川市に住む桐朋学園小2年の女子は、年少の冬から
約1年半通ったお受験教室が合わず、年長の春からチャイルドに移った。
母親(34)は、「前の教室は、成績を上げるために厳しく指導され、
娘を追い込んでしまった。
チャイルドでは、良い点をほめてもらい、
自分で考えて楽しく取り組めるようになった」
白梅学園大学の汐見稔幸学長(63)(育児学、教育人間学)は、
「幼児期に押しつけられて勉強させられると、後に問題を発見、解決する
姿勢が失われるばかりか、自尊感情が損なわれる可能性がある」
詰め込みが過ぎると、学ぶ意欲が低下し、燃え尽きることもある。
受験が過熱するなか、長所をじっくり伸ばす指導が支持を集めている。
◆メモ
首都圏の幼児教室情報をネットで提供する「幼児教育情報センター」
によると、東京など1都3県の小学校受験向けの幼児教室数は、
現在400程度で、大半は中小や個人経営。
1980年代後半から増え始め、90年代半ば以降横ばい。
お受験教室を2、3校かけ持ちするケースが、
数年前から目立ち始めた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101223-OYT8T00185.htm
JR国立駅近くにある「チャイルド右脳教育研究会」(国立市)の
教室をのぞくと、子どもたちの元気な声が聞こえてきた。
「あっ、崩れちゃうよ」、「きれいに飾ろうね」――。
年長クラス最後の工作の授業で、テーマは「お城」作り。
色画用紙を切ったり、牛乳パックをセロハンテープで
張り付けたりして仕上げていく。
ある男子(6)は、「高い高いの作ったよ。
『よくできました』って、先生やママに言われた」とうれしそう。
チャイルドは、1991年の設立。
地元国立市を中心に、年中と年長を合わせて約60人と小規模ながら、
桐朋学園小学校(国立市)や国立学園小学校(同)など、
多摩地区の有名小学校への合格実績で知られる。
授業は工作のほか、運動や行動観察、ペーパー対策の指導を
週に1回(2時間)行っている。
費用は月額約3万円。
指導の特徴は、工作に最も多くの時間を割いていること。
しかも、入試に必要な知識やテクニックを教え込むことはせず、
自由にやらせている。
なぜなのか?
「数や言葉などをイメージでとらえる力、つまり右脳を鍛えることが、
受験に必要な創造力や思考力、観察力を育むことにつながる。
その手法として、最も重要なのが工作なのです」、
かつて中学・高校受験塾で数学を教えていた山本寿春代表(62)。
山本代表によると、自発性を尊重して自由にやらせ、
良い点を見つけてほめるのだ。
幼児期に自発的に身につけた力は、小学生になってから
読解力やひらめきといった基礎能力になる。
立川市に住む桐朋学園小2年の女子は、年少の冬から
約1年半通ったお受験教室が合わず、年長の春からチャイルドに移った。
母親(34)は、「前の教室は、成績を上げるために厳しく指導され、
娘を追い込んでしまった。
チャイルドでは、良い点をほめてもらい、
自分で考えて楽しく取り組めるようになった」
白梅学園大学の汐見稔幸学長(63)(育児学、教育人間学)は、
「幼児期に押しつけられて勉強させられると、後に問題を発見、解決する
姿勢が失われるばかりか、自尊感情が損なわれる可能性がある」
詰め込みが過ぎると、学ぶ意欲が低下し、燃え尽きることもある。
受験が過熱するなか、長所をじっくり伸ばす指導が支持を集めている。
◆メモ
首都圏の幼児教室情報をネットで提供する「幼児教育情報センター」
によると、東京など1都3県の小学校受験向けの幼児教室数は、
現在400程度で、大半は中小や個人経営。
1980年代後半から増え始め、90年代半ば以降横ばい。
お受験教室を2、3校かけ持ちするケースが、
数年前から目立ち始めた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101223-OYT8T00185.htm
赤ワイン、認知力向上 マウスの脳神経細胞倍増 名古屋市大
(2010年12月19日 毎日新聞社)
赤ワインが、記憶に関わる脳の神経細胞の数を倍増させ、
認知能力を高めることが、岡嶋研二・名古屋市立大大学院教授
(展開医科学)のチームの動物実験で分かった。
白ワインでは効果がなかった。
近く米国の栄養生化学雑誌に発表。
これまで、赤ワインを1日400ml(グラス3杯程度)を飲む人は、
飲まない人に比べ、認知症の症状が表れにくいことが、
フランス・ボルドー大などの疫学調査で分かっていた。
チームは、赤ワインに含まれ、心疾患減少に効果のある
「レスベラトロール」という成分に注目。
マウスに、レスベラトロール含有量の多い赤ワイン0・2mlを毎日、
3週間にわたり飲ませた。
その結果、脳の中で記憶をつかさどる「海馬」と呼ばれる部分の
神経細胞が、飲まないマウスに比べ2倍に増えていた。
迷路でゴールにたどりつく時間も、訓練開始から5日目に、
飲まないマウスに比べ、ほぼ半分になった。
白ワインを飲んだマウスは、飲まないマウスと同じ結果。
効果がどこまで継続するかはこれからの課題だが、
持続して摂取する必要がある。
レスベラトロール濃度が高いのは、
フルボディーや色の濃いタイプの赤ワイン。
岡嶋教授は、「赤ワインの健康効果は、欧州の人々の間で言われてきたが、
やはり科学的な裏付けがあった。
アルコールの過剰な摂取は、肝臓への悪影響もあり、
飲み過ぎないでほしい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/20/130034/
赤ワインが、記憶に関わる脳の神経細胞の数を倍増させ、
認知能力を高めることが、岡嶋研二・名古屋市立大大学院教授
(展開医科学)のチームの動物実験で分かった。
白ワインでは効果がなかった。
近く米国の栄養生化学雑誌に発表。
これまで、赤ワインを1日400ml(グラス3杯程度)を飲む人は、
飲まない人に比べ、認知症の症状が表れにくいことが、
フランス・ボルドー大などの疫学調査で分かっていた。
チームは、赤ワインに含まれ、心疾患減少に効果のある
「レスベラトロール」という成分に注目。
マウスに、レスベラトロール含有量の多い赤ワイン0・2mlを毎日、
3週間にわたり飲ませた。
その結果、脳の中で記憶をつかさどる「海馬」と呼ばれる部分の
神経細胞が、飲まないマウスに比べ2倍に増えていた。
迷路でゴールにたどりつく時間も、訓練開始から5日目に、
飲まないマウスに比べ、ほぼ半分になった。
白ワインを飲んだマウスは、飲まないマウスと同じ結果。
効果がどこまで継続するかはこれからの課題だが、
持続して摂取する必要がある。
レスベラトロール濃度が高いのは、
フルボディーや色の濃いタイプの赤ワイン。
岡嶋教授は、「赤ワインの健康効果は、欧州の人々の間で言われてきたが、
やはり科学的な裏付けがあった。
アルコールの過剰な摂取は、肝臓への悪影響もあり、
飲み過ぎないでほしい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/20/130034/
2010年12月28日火曜日
小学校受験(4)国立付属「タフさ」必要
(読売 12月22日)
年長クラスの子どもたちが、テープレコーダーから流れる
「動物村の運動会」の話を2分程度聞いた後、
「お話の記憶」の問題に取り組んでいた。
「動物村の村長さんに○をつけましょう」、
「運動会で一番目に行った競技に○をつけましょう」。
試験官役の講師が質問すると、子どもたちがすばやく答えを書いていく。
「にっけん(日本教育研究所)」(本部・国立市)の仙川教室で、
「国立大付属小学校合格判定テスト」が実施。
ペーパー試験、行動観察、運動、面接など、
計1時間の国立大付属小の入試を想定したテスト。
1972年に設立された「にっけん」は、都内と神奈川県に計7教室を運営、
国立大学付属小の受験対策で定評がある。
ペーパーから絵画・工作や行動観察、運動まで、
バランスよい指導を重視。
年長クラスは週2日、計3時間(2コマ)の授業と月1回のテストを
受けるのが一般的で、費用は月9万円。
国立大付属小は全国に74あるが、多様な子どもを集めることなどから、
多くが入試に抽選を含めている。
このため、都内の東京学芸大付属の4小学校、お茶の水女子大付属小、
筑波大付属小は、軒並み高倍率となっている。
私立小の多い首都圏では、国立が第1志望でも、
私立と併願するケースが多い。
「国立は、大勢を落とさなければならない分、
私立に比べて試験時間が短く、問題が複雑な傾向に。
積極的にきびきびと、自ら考えて行動する力をアピールできるように
指導している」、にっけんの福田菊子・副理事長(67)。
付属小から大半が付属中学校に進むが、
付属高校があっても進学できないことも多く、
大学への優先入学制度もない場合がほとんど。
系列校進学など、進路がある程度決まっている私立と違い、
国立は、各段階で進路選択や受験に向き合わなくてはならない。
抽選に外れて受験すらできなかったり、試験に合格したものの
抽選で外れたり。
親子で落ち込む国立ならではのケースが少なくないため、
にっけんでは親向け相談も充実。
福田副理事長は、「不合格でも、お受験準備は必ず小学校での学びに
生かせると、前向きに考えるようアドバイスしている」
「親子ともにタフさが求められる」(福田副理事長)という国立受験。
それでも、教育の質を求め、挑戦者は後を絶たない。
◆メモ
東京都内の国立大学付属小学校は、抽選を試験の前後2回行う場合と、
試験後1回の場合がある。
にっけんの調べでは、2011年度入学の出願倍率は、
東京学芸大付属竹早小が男子76.4倍、女子66.5倍、
お茶の水女子大付属小が男子46.5倍、女子72.0倍、
筑波大付属小が男子30.0倍、女子24.6倍など、かなりの高倍率。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101222-OYT8T00158.htm
年長クラスの子どもたちが、テープレコーダーから流れる
「動物村の運動会」の話を2分程度聞いた後、
「お話の記憶」の問題に取り組んでいた。
「動物村の村長さんに○をつけましょう」、
「運動会で一番目に行った競技に○をつけましょう」。
試験官役の講師が質問すると、子どもたちがすばやく答えを書いていく。
「にっけん(日本教育研究所)」(本部・国立市)の仙川教室で、
「国立大付属小学校合格判定テスト」が実施。
ペーパー試験、行動観察、運動、面接など、
計1時間の国立大付属小の入試を想定したテスト。
1972年に設立された「にっけん」は、都内と神奈川県に計7教室を運営、
国立大学付属小の受験対策で定評がある。
ペーパーから絵画・工作や行動観察、運動まで、
バランスよい指導を重視。
年長クラスは週2日、計3時間(2コマ)の授業と月1回のテストを
受けるのが一般的で、費用は月9万円。
国立大付属小は全国に74あるが、多様な子どもを集めることなどから、
多くが入試に抽選を含めている。
このため、都内の東京学芸大付属の4小学校、お茶の水女子大付属小、
筑波大付属小は、軒並み高倍率となっている。
私立小の多い首都圏では、国立が第1志望でも、
私立と併願するケースが多い。
「国立は、大勢を落とさなければならない分、
私立に比べて試験時間が短く、問題が複雑な傾向に。
積極的にきびきびと、自ら考えて行動する力をアピールできるように
指導している」、にっけんの福田菊子・副理事長(67)。
付属小から大半が付属中学校に進むが、
付属高校があっても進学できないことも多く、
大学への優先入学制度もない場合がほとんど。
系列校進学など、進路がある程度決まっている私立と違い、
国立は、各段階で進路選択や受験に向き合わなくてはならない。
抽選に外れて受験すらできなかったり、試験に合格したものの
抽選で外れたり。
親子で落ち込む国立ならではのケースが少なくないため、
にっけんでは親向け相談も充実。
福田副理事長は、「不合格でも、お受験準備は必ず小学校での学びに
生かせると、前向きに考えるようアドバイスしている」
「親子ともにタフさが求められる」(福田副理事長)という国立受験。
それでも、教育の質を求め、挑戦者は後を絶たない。
◆メモ
東京都内の国立大学付属小学校は、抽選を試験の前後2回行う場合と、
試験後1回の場合がある。
にっけんの調べでは、2011年度入学の出願倍率は、
東京学芸大付属竹早小が男子76.4倍、女子66.5倍、
お茶の水女子大付属小が男子46.5倍、女子72.0倍、
筑波大付属小が男子30.0倍、女子24.6倍など、かなりの高倍率。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101222-OYT8T00158.htm
高強度運動、BMI・胴囲・体重の増加抑制、20年調査
(2010年12月17日 JAMA)
文献:Hankinson AL et al. Maintaining a High Physical Activity Level Over 20 Years and Weight Gain. JAMA. 2010;304(23):2603-2610
18~30歳の男女3554人を対象に、
運動強度とBMI・胴囲・体重の変化の関係を、
20年にわたる前向き縦断的研究で調査。
高強度運動群は、低強度運動群に比べ、
BMI・胴囲・体重とも増加量が少なく、
1年あたりの増加量の群間差は、男性で体重2.6kg、胴囲3.1cm、
女性で体重6.1kg、胴囲3.8cmと、女性で顕著な抑制が見られた。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/17/10938/
文献:Hankinson AL et al. Maintaining a High Physical Activity Level Over 20 Years and Weight Gain. JAMA. 2010;304(23):2603-2610
18~30歳の男女3554人を対象に、
運動強度とBMI・胴囲・体重の変化の関係を、
20年にわたる前向き縦断的研究で調査。
高強度運動群は、低強度運動群に比べ、
BMI・胴囲・体重とも増加量が少なく、
1年あたりの増加量の群間差は、男性で体重2.6kg、胴囲3.1cm、
女性で体重6.1kg、胴囲3.8cmと、女性で顕著な抑制が見られた。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/17/10938/
2010年12月27日月曜日
iPS利用、豚で人の膵臓 東大と明治大が計画
(2010年12月20日 共同通信社)
豚の胎児に、人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を移植し、
この胎児に人間の膵臓を作らせる計画を、
東京大医科学研究所の中内啓光教授と明治大の長嶋比呂志教授らが、
文部科学省の専門委員会で明らかに。
iPS細胞は、さまざまな細胞になる能力があり、
再生医療への応用が期待。
中内教授は、「慎重に研究を進め、将来は人間に移植可能な臓器を作りたい」
計画では、遺伝子操作で生まれつき膵臓ができない豚を利用。
この豚が、母豚の子宮内にいる胎児の段階で、
人間のiPS細胞かiPS細胞から分化させた膵臓の前駆細胞を移植。
もともとは豚の膵臓ができる場所に、人間のiPS細胞由来の膵臓が
できる可能性がある。
細胞は、受精の約40日後に相当する妊娠初期の段階で移植。
この段階は、膵臓ができ始める時期。
中内教授は、膵臓ができないマウスの実験で、
受精卵が分割を繰り返し、胚盤胞という状態になった段階で、
異種の動物であるラットのiPS細胞を注入、
生まれたマウスの体内にラットの膵臓を作ることに成功。
現在の国の指針では、人間の細胞を含む胚を動物の胎内に
移植することは禁止され、人間のiPS細胞を胚盤胞に移植する方法で
膵臓を作ることはできない。
動物の胎児への移植は、指針上は可能。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/20/130069/
豚の胎児に、人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を移植し、
この胎児に人間の膵臓を作らせる計画を、
東京大医科学研究所の中内啓光教授と明治大の長嶋比呂志教授らが、
文部科学省の専門委員会で明らかに。
iPS細胞は、さまざまな細胞になる能力があり、
再生医療への応用が期待。
中内教授は、「慎重に研究を進め、将来は人間に移植可能な臓器を作りたい」
計画では、遺伝子操作で生まれつき膵臓ができない豚を利用。
この豚が、母豚の子宮内にいる胎児の段階で、
人間のiPS細胞かiPS細胞から分化させた膵臓の前駆細胞を移植。
もともとは豚の膵臓ができる場所に、人間のiPS細胞由来の膵臓が
できる可能性がある。
細胞は、受精の約40日後に相当する妊娠初期の段階で移植。
この段階は、膵臓ができ始める時期。
中内教授は、膵臓ができないマウスの実験で、
受精卵が分割を繰り返し、胚盤胞という状態になった段階で、
異種の動物であるラットのiPS細胞を注入、
生まれたマウスの体内にラットの膵臓を作ることに成功。
現在の国の指針では、人間の細胞を含む胚を動物の胎内に
移植することは禁止され、人間のiPS細胞を胚盤胞に移植する方法で
膵臓を作ることはできない。
動物の胎児への移植は、指針上は可能。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/20/130069/
睡眠不足、健康でも見た目の印象悪い
(2010年12月17日 BMJ)
文献:Axelsson J et al. Beauty sleep: experimental study on the perceived health and attractiveness of sleep deprived people. BMJ. 2010; 341:c6614
18~31歳の健康成人23人の写真を、
一般人65人がVAS(100mm)で評価し、
睡眠不足が見た目の印象に及ぼす影響を調査。
睡眠不足の写真は、十分な睡眠後の写真に比べ、
健康、魅力に関するVASが低く(平均63mm対68mm、同38mm対40mm)、
疲労に関するVASが高い(同53mm対44mm)と評価。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/17/10933/
文献:Axelsson J et al. Beauty sleep: experimental study on the perceived health and attractiveness of sleep deprived people. BMJ. 2010; 341:c6614
18~31歳の健康成人23人の写真を、
一般人65人がVAS(100mm)で評価し、
睡眠不足が見た目の印象に及ぼす影響を調査。
睡眠不足の写真は、十分な睡眠後の写真に比べ、
健康、魅力に関するVASが低く(平均63mm対68mm、同38mm対40mm)、
疲労に関するVASが高い(同53mm対44mm)と評価。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/17/10933/
2010年12月26日日曜日
睡眠不足、ダイエット効果を阻害
(2010年12月15日 Ann Intern Med)
文献:Nedeltcheva AV et al. Insufficient Sleep Undermines Dietary Efforts to Reduce Adiposity. Ann Intern Med. 2010;153(7):435-441
喫煙習慣のない肥満成人10人(平均年齢41歳)を対象に、
低カロリーダイエットの効果に対する睡眠不足の影響を、
無作為化クロスオーバー試験で検討。
睡眠不足により、脂肪体重の減少が55%低下し、
除脂肪体重の減少が60%上昇。
ダイエットの効果が損なわれる可能性を指摘。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/15/10923/
文献:Nedeltcheva AV et al. Insufficient Sleep Undermines Dietary Efforts to Reduce Adiposity. Ann Intern Med. 2010;153(7):435-441
喫煙習慣のない肥満成人10人(平均年齢41歳)を対象に、
低カロリーダイエットの効果に対する睡眠不足の影響を、
無作為化クロスオーバー試験で検討。
睡眠不足により、脂肪体重の減少が55%低下し、
除脂肪体重の減少が60%上昇。
ダイエットの効果が損なわれる可能性を指摘。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/12/15/10923/
男女の治療、一律にせず コレステロールを考える/下
(2010年12月17日 毎日新聞社)
佐賀県武雄市の「ニコークリニック」を受診した女性(60)は、
悪玉のLDLコレステロールが212mg/dlと高かった。
日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLが140以上の人は
「脂質代謝異常」とされ、医療現場でもコレステロールを下げる薬が
処方される例が少なくない。
同クリニックの田中裕幸院長は、
「閉経後の女性は、一般にLDL値が上がる。
140を超えたからといって、すぐに薬を出すことはしない」。
この女性は他に異常はなく、魚をよく食べ、運動もしていたため、
特に治療はしなかった。
田中院長は、薬を処方しない理由として、
「一般的に女性はLDLが200程度まで上がっても、
心筋梗塞の発症率が増えないという臨床研究報告が多い」
同学会がまとめた、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」(07年)、
「女性における冠動脈疾患の発生率は低く、
女性の高LDLコレステロール血症は、男性以上に他の危険因子の
存在を考慮して管理することが必要」
「他の危険因子」とは、高血圧や糖尿病、喫煙などで、
併せ持つ人ほどリスクは高まる。
田中院長は、コレステロール降下薬を処方するかを判断する際、
頸動脈の「肥厚」(IMT=内膜中膜複合体厚)を調べる。
肥厚は、超音波エコー検査で確認できる。
頸動脈は、動脈硬化を検査しやすい血管で、
体全体の状況も反映する。
厚みが大きく、血管が狭くなっていれば、動脈硬化が進行している表れ。
田中院長は今年4月までに、患者の男女114人(45~69歳)を対象、
LDLの数値と頸動脈の肥厚を調べた。
男性では、LDLが高いと肥厚も厚かったが、
女性では相関が見られなかった。
肥厚と関係していたのは、脂肪酸の一種のアラキドン酸。
「性差を考慮した治療が重要」と、田中院長。
個々の数値ではなく、LDLとHDLの比率が重要だとする見方も。
三井記念病院総合健診センター(千代田区)の山門實所長は、
内外の人間ドック健診データの分析に基づき、
「HDLに対するLDLの割合(LH比)が2・5倍以上だと、
頸動脈の肥厚が厚くなる傾向がある」
悪玉のLDLが正常値でも、善玉のHDLが極端に低ければ、
動脈硬化症のリスクが高まることになる。
「血清コレステロールの管理基準を巡って」と題された公開討論会が、
東京大で開かれた。
日本脂質栄養学会が、「コレステロールが高い方が長生きする」とする
独自のガイドラインを発表したのを受け、
NPO法人「臨床研究適正評価教育機構」が主催。
医療関係者3人が講演した後に討議、会場から意見も募ったが、
脂質栄養学会のガイドラインへの批判の声が多かった。
北野病院(大阪市)の越山裕行・糖尿病内分泌センター長は、
「コレステロールを下げることは有害、という考えは明らかに間違い」
などと語気を強めた。
同NPOの桑島巌理事長(東京都健康長寿医療センター副院長)は、
「高コレステロール血症が、動脈硬化を促す危険因子なのは
多くの疫学調査で明らかで、コレステロールの高い方が長生きと
結論づけるのは危険」としながら、
「脂質代謝異常の基準を、男女一律にLDL140以上とすると、
不要な治療を促す要因になりかねない。
女性の更年期以前と以降の基準値も示す必要」
日本脂質栄養学会は近く、反論の声明を出した日本動脈硬化学会に、
質問書を出す予定。
批判が多い今回のガイドラインだが、コレステロール論議に
一石を投じたのも事実。
生活習慣病の治療・予防にかかわり、多くの人が関心を寄せる
コレステロールだけに、今後も徹底した前向きな論議が期待。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/17/129956/?portalId=mailmag&mm=MD101217_XXX
佐賀県武雄市の「ニコークリニック」を受診した女性(60)は、
悪玉のLDLコレステロールが212mg/dlと高かった。
日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLが140以上の人は
「脂質代謝異常」とされ、医療現場でもコレステロールを下げる薬が
処方される例が少なくない。
同クリニックの田中裕幸院長は、
「閉経後の女性は、一般にLDL値が上がる。
140を超えたからといって、すぐに薬を出すことはしない」。
この女性は他に異常はなく、魚をよく食べ、運動もしていたため、
特に治療はしなかった。
田中院長は、薬を処方しない理由として、
「一般的に女性はLDLが200程度まで上がっても、
心筋梗塞の発症率が増えないという臨床研究報告が多い」
同学会がまとめた、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」(07年)、
「女性における冠動脈疾患の発生率は低く、
女性の高LDLコレステロール血症は、男性以上に他の危険因子の
存在を考慮して管理することが必要」
「他の危険因子」とは、高血圧や糖尿病、喫煙などで、
併せ持つ人ほどリスクは高まる。
田中院長は、コレステロール降下薬を処方するかを判断する際、
頸動脈の「肥厚」(IMT=内膜中膜複合体厚)を調べる。
肥厚は、超音波エコー検査で確認できる。
頸動脈は、動脈硬化を検査しやすい血管で、
体全体の状況も反映する。
厚みが大きく、血管が狭くなっていれば、動脈硬化が進行している表れ。
田中院長は今年4月までに、患者の男女114人(45~69歳)を対象、
LDLの数値と頸動脈の肥厚を調べた。
男性では、LDLが高いと肥厚も厚かったが、
女性では相関が見られなかった。
肥厚と関係していたのは、脂肪酸の一種のアラキドン酸。
「性差を考慮した治療が重要」と、田中院長。
個々の数値ではなく、LDLとHDLの比率が重要だとする見方も。
三井記念病院総合健診センター(千代田区)の山門實所長は、
内外の人間ドック健診データの分析に基づき、
「HDLに対するLDLの割合(LH比)が2・5倍以上だと、
頸動脈の肥厚が厚くなる傾向がある」
悪玉のLDLが正常値でも、善玉のHDLが極端に低ければ、
動脈硬化症のリスクが高まることになる。
「血清コレステロールの管理基準を巡って」と題された公開討論会が、
東京大で開かれた。
日本脂質栄養学会が、「コレステロールが高い方が長生きする」とする
独自のガイドラインを発表したのを受け、
NPO法人「臨床研究適正評価教育機構」が主催。
医療関係者3人が講演した後に討議、会場から意見も募ったが、
脂質栄養学会のガイドラインへの批判の声が多かった。
北野病院(大阪市)の越山裕行・糖尿病内分泌センター長は、
「コレステロールを下げることは有害、という考えは明らかに間違い」
などと語気を強めた。
同NPOの桑島巌理事長(東京都健康長寿医療センター副院長)は、
「高コレステロール血症が、動脈硬化を促す危険因子なのは
多くの疫学調査で明らかで、コレステロールの高い方が長生きと
結論づけるのは危険」としながら、
「脂質代謝異常の基準を、男女一律にLDL140以上とすると、
不要な治療を促す要因になりかねない。
女性の更年期以前と以降の基準値も示す必要」
日本脂質栄養学会は近く、反論の声明を出した日本動脈硬化学会に、
質問書を出す予定。
批判が多い今回のガイドラインだが、コレステロール論議に
一石を投じたのも事実。
生活習慣病の治療・予防にかかわり、多くの人が関心を寄せる
コレステロールだけに、今後も徹底した前向きな論議が期待。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/17/129956/?portalId=mailmag&mm=MD101217_XXX
2010年12月25日土曜日
強い蚊と苦闘、急成長 インドネシアでフマキラー 「アジアビジネス」
(2010年12月17日 共同通信社)
デング熱やマラリアを媒介する蚊が生息する熱帯の国インドネシアに、
日本の殺虫剤メーカーのフマキラー(東京)が進出して20年。
日本に比べ、殺虫薬への抵抗力が非常に強い蚊に悪戦苦闘しつつも、
地道な営業努力などで主力商品である蚊取り線香の売り上げを伸ばし、
経常利益を5年間で18倍に増やした、という急成長ぶり。
「この国の蚊は、日本より5~10倍も薬への抵抗力があり、
日本向けの蚊取り線香はほとんど効かないことが、
2004年に分かった」とフマキラー・インドネシアの山下修作社長。
05年から、薬剤成分の濃度をコスト的に限界となる他社製品の
2倍まで上げた。
「蚊が強すぎて、消費者が実際に蚊取り線香を使う際、
効力の違いをそれほど体感できない」(山下さん)という壁に。
実際、殺虫効果は高いことを知ってもらうため08年から、
同国で最大の人口を抱えるジャワ島内の田舎の露店を
1軒ずつ地道に回るキャラバンセールを開始。
車両約50台を投入し、住民への試供品などきめ細かい営業を
展開し、コスト削減にも力を入れた。
その結果、同国全体の売上高は急増。
15年、売上高をさらに5倍に増やす野心的計画も立てる。
山下さんは、日本の衛生用品大手メーカーで、
インドネシアなどでの事業を立ち上げた経歴を買われ、
同社退職後の03年にフマキラーに部長職で入社。
インドネシアでの成功を高く評価、09年から同社ナンバー3の
東京本社の専務も兼任する。
人口約2億3千万人のインドネシアでは、
内需主導の経済成長が順調。
平均気温が高く、一年中蚊取り線香の需要もある。
山下さんは、「今後、蚊取り線香すら買えなかった貧困層が
買えるようになる。
今、蚊取り線香を買っている人は、電気蚊取りやスプレーを
買えるようになる。
伸び悩む日本市場に比べ、非常に有望だ」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/17/129970/
デング熱やマラリアを媒介する蚊が生息する熱帯の国インドネシアに、
日本の殺虫剤メーカーのフマキラー(東京)が進出して20年。
日本に比べ、殺虫薬への抵抗力が非常に強い蚊に悪戦苦闘しつつも、
地道な営業努力などで主力商品である蚊取り線香の売り上げを伸ばし、
経常利益を5年間で18倍に増やした、という急成長ぶり。
「この国の蚊は、日本より5~10倍も薬への抵抗力があり、
日本向けの蚊取り線香はほとんど効かないことが、
2004年に分かった」とフマキラー・インドネシアの山下修作社長。
05年から、薬剤成分の濃度をコスト的に限界となる他社製品の
2倍まで上げた。
「蚊が強すぎて、消費者が実際に蚊取り線香を使う際、
効力の違いをそれほど体感できない」(山下さん)という壁に。
実際、殺虫効果は高いことを知ってもらうため08年から、
同国で最大の人口を抱えるジャワ島内の田舎の露店を
1軒ずつ地道に回るキャラバンセールを開始。
車両約50台を投入し、住民への試供品などきめ細かい営業を
展開し、コスト削減にも力を入れた。
その結果、同国全体の売上高は急増。
15年、売上高をさらに5倍に増やす野心的計画も立てる。
山下さんは、日本の衛生用品大手メーカーで、
インドネシアなどでの事業を立ち上げた経歴を買われ、
同社退職後の03年にフマキラーに部長職で入社。
インドネシアでの成功を高く評価、09年から同社ナンバー3の
東京本社の専務も兼任する。
人口約2億3千万人のインドネシアでは、
内需主導の経済成長が順調。
平均気温が高く、一年中蚊取り線香の需要もある。
山下さんは、「今後、蚊取り線香すら買えなかった貧困層が
買えるようになる。
今、蚊取り線香を買っている人は、電気蚊取りやスプレーを
買えるようになる。
伸び悩む日本市場に比べ、非常に有望だ」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/17/129970/
「高いと長生き」巡り論争 コレステロールを考える/上
(2010年12月16日 毎日新聞社)
日本脂質栄養学会が、「コレステロールは、高い方が長生きする」
とする見解をまとめ、波紋が広がっている。
高コレステロールは、心疾患などにリスクがある、
という従来の医学の常識を覆すもので、反論も相次いでいる。
コレステロールをどう考えるべきか?
◇脂質学会、常識覆す見解/動脈硬化学会は批判
現在の診断基準は、日本動脈硬化学会(北徹理事長)が
07年に定め、悪玉のLDLコレステロールが140mg/dl以上を
脂質代謝異常(高脂血症)とする。
多くの医療現場でこの基準に沿い、
治療や生活改善の指導が行われている。
日本脂質栄養学会は9月、
「長寿のためのコレステロールガイドライン」をまとめた。
学会理事長の浜崎智仁・富山大和漢医薬学総合研究所教授ら
15人で策定委員会を構成。
「総コレステロール値あるいはLDLコレステロール値が高いと、
日本では総死亡率が低い」とした。
全体は14章から成り、高コレステロールの方が
脳卒中を発症しにくいことなども記した。
特徴は、「総死亡率」との関連を重視した点で、
ガイドラインの名称にも、「長寿のための」と冠した。
浜崎教授は、「95年以降に公表された日本の五つの大規模な
臨床試験報告を見ると、40~50歳以上の集団では、
コレステロールが高くても、がんや脳卒中、心臓疾患など
総死亡率は増えていない」
大櫛陽一・東海大医学部教授らが解析した、伊勢原市の
「老人基本健診」受診者約2万2000人の追跡調査(95~06年)。
男性は、LDL140~159の群で総死亡率が最も低く、
女性では180以上で最も低かった。
大櫛教授は、「コレステロールが高めの方が、
肺炎やがんの死亡率が低い傾向にある」
浜崎教授は、「LDL140以上でも、たいていは薬を飲む必要はない」、
現在の診断基準が、「コレステロール降下薬の使い過ぎを促している」
と警告。
日本動脈硬化学会は、反論の声明をホームページに載せた。
日本脂質栄養学会が引用する論文を、
「ほとんどが査読(複数の研究者による検証)を受けた論文ではない」、
コレステロール値と動脈硬化性疾患の発症との関係は、
「多くの科学的検証を経た疫学的論文の一致するところ」と記した。
総死亡率との関連づけも、
「年齢や喫煙、高血圧などの要因を考慮して分析する必要がある」
動脈硬化性疾患の疫学を専門とする三浦克之・滋賀医科大教授は、
「肝臓疾患などでコレステロール値が下がることがあり、
コレステロールと総死亡に因果関係があるとするのは無理」と批判。
日本医師会も異議を唱え、
「高いリスクをもつ家族性高コレステロール血症の患者に、
服薬を中止している例があると聞く」などと憂慮を示した。
論争は、疫学データの選択や統計処理の問題も絡み、複雑化。
厚生労働省生活習慣病対策室も、
「学会同士の学問的な論争。国が何かを言う立場ではない」
日本脂質栄養学会のガイドラインを問題視しながらも、
コレステロールについて、さらなる議論を求める意見も。
日本疫学会のウェブ版で、自治医科大の調査データの解析結果が報告。
92年から男女1万2334人(平均年齢55歳)を対象、
約12年間追跡。
最初の5年間の死亡を除いても、総コレステロール値が
160(LDLだと約80)以下で脳出血、心不全、がんが多かった。
同データを解析した名郷直樹・東京北社会保険病院臨床研修センター長は、
脂質栄養学会のガイドラインを、「大きな問題がある」としながら、
「低コレステロールと死亡には関連がうかがわれる。
コレステロール降下薬の使い方を含め、もっと議論すべき」
………………………………………………………………………………
◇コレステロール
細胞膜やホルモンなどに欠かせない脂質。
肝臓で作られ、食事からも吸収される。
結合するたんぱく質の違いによって、善玉のHDLコレステロールと
悪玉のLDLコレステロールに区別、HDLはLDLを減らす働き。
日本動脈硬化学会は、「LDLが140以上」のほか、
HDLが40未満、中性脂肪が150以上も脂質代謝異常としている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/16/129892/?portalId=mailmag&mm=MD101216_XXX
日本脂質栄養学会が、「コレステロールは、高い方が長生きする」
とする見解をまとめ、波紋が広がっている。
高コレステロールは、心疾患などにリスクがある、
という従来の医学の常識を覆すもので、反論も相次いでいる。
コレステロールをどう考えるべきか?
◇脂質学会、常識覆す見解/動脈硬化学会は批判
現在の診断基準は、日本動脈硬化学会(北徹理事長)が
07年に定め、悪玉のLDLコレステロールが140mg/dl以上を
脂質代謝異常(高脂血症)とする。
多くの医療現場でこの基準に沿い、
治療や生活改善の指導が行われている。
日本脂質栄養学会は9月、
「長寿のためのコレステロールガイドライン」をまとめた。
学会理事長の浜崎智仁・富山大和漢医薬学総合研究所教授ら
15人で策定委員会を構成。
「総コレステロール値あるいはLDLコレステロール値が高いと、
日本では総死亡率が低い」とした。
全体は14章から成り、高コレステロールの方が
脳卒中を発症しにくいことなども記した。
特徴は、「総死亡率」との関連を重視した点で、
ガイドラインの名称にも、「長寿のための」と冠した。
浜崎教授は、「95年以降に公表された日本の五つの大規模な
臨床試験報告を見ると、40~50歳以上の集団では、
コレステロールが高くても、がんや脳卒中、心臓疾患など
総死亡率は増えていない」
大櫛陽一・東海大医学部教授らが解析した、伊勢原市の
「老人基本健診」受診者約2万2000人の追跡調査(95~06年)。
男性は、LDL140~159の群で総死亡率が最も低く、
女性では180以上で最も低かった。
大櫛教授は、「コレステロールが高めの方が、
肺炎やがんの死亡率が低い傾向にある」
浜崎教授は、「LDL140以上でも、たいていは薬を飲む必要はない」、
現在の診断基準が、「コレステロール降下薬の使い過ぎを促している」
と警告。
日本動脈硬化学会は、反論の声明をホームページに載せた。
日本脂質栄養学会が引用する論文を、
「ほとんどが査読(複数の研究者による検証)を受けた論文ではない」、
コレステロール値と動脈硬化性疾患の発症との関係は、
「多くの科学的検証を経た疫学的論文の一致するところ」と記した。
総死亡率との関連づけも、
「年齢や喫煙、高血圧などの要因を考慮して分析する必要がある」
動脈硬化性疾患の疫学を専門とする三浦克之・滋賀医科大教授は、
「肝臓疾患などでコレステロール値が下がることがあり、
コレステロールと総死亡に因果関係があるとするのは無理」と批判。
日本医師会も異議を唱え、
「高いリスクをもつ家族性高コレステロール血症の患者に、
服薬を中止している例があると聞く」などと憂慮を示した。
論争は、疫学データの選択や統計処理の問題も絡み、複雑化。
厚生労働省生活習慣病対策室も、
「学会同士の学問的な論争。国が何かを言う立場ではない」
日本脂質栄養学会のガイドラインを問題視しながらも、
コレステロールについて、さらなる議論を求める意見も。
日本疫学会のウェブ版で、自治医科大の調査データの解析結果が報告。
92年から男女1万2334人(平均年齢55歳)を対象、
約12年間追跡。
最初の5年間の死亡を除いても、総コレステロール値が
160(LDLだと約80)以下で脳出血、心不全、がんが多かった。
同データを解析した名郷直樹・東京北社会保険病院臨床研修センター長は、
脂質栄養学会のガイドラインを、「大きな問題がある」としながら、
「低コレステロールと死亡には関連がうかがわれる。
コレステロール降下薬の使い方を含め、もっと議論すべき」
………………………………………………………………………………
◇コレステロール
細胞膜やホルモンなどに欠かせない脂質。
肝臓で作られ、食事からも吸収される。
結合するたんぱく質の違いによって、善玉のHDLコレステロールと
悪玉のLDLコレステロールに区別、HDLはLDLを減らす働き。
日本動脈硬化学会は、「LDLが140以上」のほか、
HDLが40未満、中性脂肪が150以上も脂質代謝異常としている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/16/129892/?portalId=mailmag&mm=MD101216_XXX
2010年12月24日金曜日
小学校受験(3)女子校「理念」で選ぶ
(読売 12月18日)
教室に2列に並べられた机に、母親と女の子が向き合い、
色とりどりの薄紙や割り箸を使って、花束を作っていた。
「次はどの色を使おうか?」と母親、
「このピンクがいいなあ」と娘。
一緒に手を動かしながら目と目を合わせ、にこやかに会話をしていた。
「幼児教育実践研究所・こぐま会」本部のある恵比寿本校での
行動観察の授業。
東京女学館小学校(同)を志望する年長クラスで、
入試で行われる「母子活動」に対応したもの。
年長は週2回、「基本」と「志望校別」の授業を1コマ(90分)ずつ、
計2コマ受けるのが平均的。
費用は、月額8万~10万円。
女学館小のクラスは、「志望校別」の3分の1を母子活動にあてている。
講師の桜井紀子さん(57)は、「女子校は、行動観察や面接で
母子関係の良好さを見る傾向が強い。
その意味で、親子一緒に工作や踊りなどを行う母子活動は
象徴的な試験。
出来不出来でなく、話し合い、協力して取り組めるかが問われる」
こぐま会では、1983年の設立以来、小学校での学習にスムーズに
進むための教育に重点を置く。
独自に開発した指導方法で、物に触れたり体を動かしたりしながら、
前後、左右といった位置関係を認識・言語化するなど、
体験を通した学びを行っている。
「発達段階に応じた教育が基本。
小学校受験は、その成果を試すきっかけに過ぎない」と、久野泰可代表(62)。
都内に展開する3校に通う約8割が女子だが、
「会の教育方針に基づいて指導してきた結果、
女子校受験で実績を上げ、女子が多数を占めるようになった」
進路指導担当の広瀬亜利子・第1教務部長(52)は、
「女子校は、求める家庭環境が明確で、
特に母親の教育参加を重視する学校が多い。
本人の性格や親の考え方が合わないと、学び続けることが困難に。
校風や教育理念を理解して、志望校を選ぶよう指導している」
長女が女学館小1年の母親(40)(品川区)は、
「一人っ子で大人しく、男の子と一緒に学ぶのは向いていない」と考え、
女子校受験を決めた。
年中の春からこぐま会に通い、10校ほどの説明会に足を運んだ。
女学館にしたのは、「国際理解や伝統文化教育に共感したし、
何よりも学校の雰囲気が娘に合っていると感じたから」
学校選びの原点が、女子校受験で問われている。
◆メモ
こぐま会によると、雙葉小(千代田区)、聖心女子学院初等科(同港区)
などの名門女子校入試では、ペーパー試験や行動観察などのほか、
両親の面接が実施される。
学校の教育方針、校風理解のほか、しつけや家庭教育、
わが子の性格、成長の把握など、母子関係や母親の役割を聞く
ケースが多い。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101218-OYT8T00172.htm
教室に2列に並べられた机に、母親と女の子が向き合い、
色とりどりの薄紙や割り箸を使って、花束を作っていた。
「次はどの色を使おうか?」と母親、
「このピンクがいいなあ」と娘。
一緒に手を動かしながら目と目を合わせ、にこやかに会話をしていた。
「幼児教育実践研究所・こぐま会」本部のある恵比寿本校での
行動観察の授業。
東京女学館小学校(同)を志望する年長クラスで、
入試で行われる「母子活動」に対応したもの。
年長は週2回、「基本」と「志望校別」の授業を1コマ(90分)ずつ、
計2コマ受けるのが平均的。
費用は、月額8万~10万円。
女学館小のクラスは、「志望校別」の3分の1を母子活動にあてている。
講師の桜井紀子さん(57)は、「女子校は、行動観察や面接で
母子関係の良好さを見る傾向が強い。
その意味で、親子一緒に工作や踊りなどを行う母子活動は
象徴的な試験。
出来不出来でなく、話し合い、協力して取り組めるかが問われる」
こぐま会では、1983年の設立以来、小学校での学習にスムーズに
進むための教育に重点を置く。
独自に開発した指導方法で、物に触れたり体を動かしたりしながら、
前後、左右といった位置関係を認識・言語化するなど、
体験を通した学びを行っている。
「発達段階に応じた教育が基本。
小学校受験は、その成果を試すきっかけに過ぎない」と、久野泰可代表(62)。
都内に展開する3校に通う約8割が女子だが、
「会の教育方針に基づいて指導してきた結果、
女子校受験で実績を上げ、女子が多数を占めるようになった」
進路指導担当の広瀬亜利子・第1教務部長(52)は、
「女子校は、求める家庭環境が明確で、
特に母親の教育参加を重視する学校が多い。
本人の性格や親の考え方が合わないと、学び続けることが困難に。
校風や教育理念を理解して、志望校を選ぶよう指導している」
長女が女学館小1年の母親(40)(品川区)は、
「一人っ子で大人しく、男の子と一緒に学ぶのは向いていない」と考え、
女子校受験を決めた。
年中の春からこぐま会に通い、10校ほどの説明会に足を運んだ。
女学館にしたのは、「国際理解や伝統文化教育に共感したし、
何よりも学校の雰囲気が娘に合っていると感じたから」
学校選びの原点が、女子校受験で問われている。
◆メモ
こぐま会によると、雙葉小(千代田区)、聖心女子学院初等科(同港区)
などの名門女子校入試では、ペーパー試験や行動観察などのほか、
両親の面接が実施される。
学校の教育方針、校風理解のほか、しつけや家庭教育、
わが子の性格、成長の把握など、母子関係や母親の役割を聞く
ケースが多い。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101218-OYT8T00172.htm
100歳食 長生きのコツ、五色の食材 食文化史研究家・永山久夫さん、紹介
(2010年12月14日 毎日新聞社)
長生きのコツは、五色の食材。
古くからの郷土の食事を見直し、大いに笑いながら暮らそう--。
食文化史研究家で、西武文理大客員教授の永山久夫さん(78)が、
健康に生きるための食事の重要性を強調し、
自ら考案した「100歳食」を紹介。
永山さんは、同市内の高齢者ら約150人を前に、
健康維持のためにどんな食事が必要かを説明。
「100歳食」を、参加者全員で試食。
五色は、白=エネルギー源になる米、小麦粉、ソバ粉、雑穀、
黄=たんぱく質の大豆、卵黄、乳製品など、
緑=ビタミンCなどで、ホウレンソウ、ニラ、わかめなど、
赤=動物性たんぱく質など、牛、豚肉、ニンジン、
黒=若さを保って体を浄化する黒ゴマ、ナス、こんにゃくなど。
永山さんは、「人口の半分以上を65歳以上が占める限界集落が、
20年後には国中に広がり、日本全体が『限界国家』になる」
日本人の平均寿命が男79歳、女86歳に対し、
自立して生活できるとされる「健康寿命」は男72歳、女78歳。
その差の男性7年間、女性8年間に発生する医療費が、
日本の財政を悪化させていると説明、
高齢者の健康が単に個人の問題ではないことを指摘。
誰の世話にもならず健康に暮らしたい、
と願う高齢者の切実さを反映し、聴衆は熱心にメモを取った。
「ストレスが免疫力の大敵」と言う永山さんは、
くよくよと悩んだり生真面目であるよりも、
細かいことにとらわれずよく笑い、
積極的に地域と交わる生き方を推奨。
健康で新たなことに挑戦する“大老人”たれ、と参加者を激励した。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/14/129796/
長生きのコツは、五色の食材。
古くからの郷土の食事を見直し、大いに笑いながら暮らそう--。
食文化史研究家で、西武文理大客員教授の永山久夫さん(78)が、
健康に生きるための食事の重要性を強調し、
自ら考案した「100歳食」を紹介。
永山さんは、同市内の高齢者ら約150人を前に、
健康維持のためにどんな食事が必要かを説明。
「100歳食」を、参加者全員で試食。
五色は、白=エネルギー源になる米、小麦粉、ソバ粉、雑穀、
黄=たんぱく質の大豆、卵黄、乳製品など、
緑=ビタミンCなどで、ホウレンソウ、ニラ、わかめなど、
赤=動物性たんぱく質など、牛、豚肉、ニンジン、
黒=若さを保って体を浄化する黒ゴマ、ナス、こんにゃくなど。
永山さんは、「人口の半分以上を65歳以上が占める限界集落が、
20年後には国中に広がり、日本全体が『限界国家』になる」
日本人の平均寿命が男79歳、女86歳に対し、
自立して生活できるとされる「健康寿命」は男72歳、女78歳。
その差の男性7年間、女性8年間に発生する医療費が、
日本の財政を悪化させていると説明、
高齢者の健康が単に個人の問題ではないことを指摘。
誰の世話にもならず健康に暮らしたい、
と願う高齢者の切実さを反映し、聴衆は熱心にメモを取った。
「ストレスが免疫力の大敵」と言う永山さんは、
くよくよと悩んだり生真面目であるよりも、
細かいことにとらわれずよく笑い、
積極的に地域と交わる生き方を推奨。
健康で新たなことに挑戦する“大老人”たれ、と参加者を激励した。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/14/129796/
2010年12月23日木曜日
小学校受験(2)働く母のため週末授業
(読売 12月17日)
「今日は、忍者の動きをしましょう。先生をよく見てくださいね」
忍者のお面をかぶった講師が、ゴムひもを跳び、
マットの上で転がってみせる。
その後、4、5歳児が1人ずつ、手本を懸命にまねしてゴールを目指す。
「アンテナ・プレスクール」原宿本校の年中クラスでは、
「指示行動」のグループレッスンが行われていた。
2002年開校、渋谷区内に2校を展開。
首都圏私立小で最難関とされる慶応義塾幼稚舎(同)や
早稲田実業学校初等部の合格実績で、知名度を上げてきた。
両校の11年度入学の出願倍率は10倍を超え、
中でも慶応幼稚舎の女子は20倍に近い。
「アンテナ」の石井至校長(45)は、
「過去問(過去に出された問題)を徹底的に分析し、
短時間で効率的に楽しく受験準備ができるよう工夫している」
「指示行動」や「行動観察」は、5~8人程度のグループで、
絵画・工作は原則、講師と一対一の個人レッスンで行う。
絵画・工作では、慶応幼稚舎や早実初等部対策として、
美術大学出身者が講師を務める。
3年保育の年少の秋から通い、年長は週1回、グループ、
個人レッスンを、各1コマ(50分)の計2コマ受講が多く、
費用は月額10万円程度。
ここの特徴は、働く母親のため、週末の授業を開講していること。
同校に通う子どもの母親の約4割が、フルタイムで働く。
「母親が仕事を持つと、お受験に不利と言われたのは過去のこと。
働く母親の方が時間を合理的に使い、集中できる面もある」と石井校長。
「家でお母さんが、何時間も勉強を見なくてもすむよう、
教室で力がつくようにしている」
大手企業に勤める東京都内の母親(41)は、
現在、早実初等部3年の長男を1年弱、同校に通わせた。
「最初は不安だったが、教室からアドバイスをもらい、
親子で頑張って、志望校に合格することができた。
母親としての自信にもつながった」と振り返る。
子育てや家庭教育に詳しい川島隆太・東北大学教授(51)(脳科学)は、
「今のお母さんは、忙しく、ストレスをためている場合が多いため、
子どもとのかかわりが表面的になっている」
「子どもと過ごす時間の長さよりも、中身が重要。
遊びや料理などの共同作業で感動を共有したり、
勉強を見てあげてほめたり、ということを続けていくことが重要」
◆メモ
小学校の入試は、数量・図形や言語などから出題される「ペーパー試験」、
集団行動や遊びから仲間とのコミュニケーションができるかなどを
評価する「行動観察」、洋服をたたむなど身の回りのことができるかを見る
「生活習慣」、絵画・工作、「指示行動」などの運動、面接など。
どれを実施、重視するかなどは、学校によって異なる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101217-OYT8T00178.htm
「今日は、忍者の動きをしましょう。先生をよく見てくださいね」
忍者のお面をかぶった講師が、ゴムひもを跳び、
マットの上で転がってみせる。
その後、4、5歳児が1人ずつ、手本を懸命にまねしてゴールを目指す。
「アンテナ・プレスクール」原宿本校の年中クラスでは、
「指示行動」のグループレッスンが行われていた。
2002年開校、渋谷区内に2校を展開。
首都圏私立小で最難関とされる慶応義塾幼稚舎(同)や
早稲田実業学校初等部の合格実績で、知名度を上げてきた。
両校の11年度入学の出願倍率は10倍を超え、
中でも慶応幼稚舎の女子は20倍に近い。
「アンテナ」の石井至校長(45)は、
「過去問(過去に出された問題)を徹底的に分析し、
短時間で効率的に楽しく受験準備ができるよう工夫している」
「指示行動」や「行動観察」は、5~8人程度のグループで、
絵画・工作は原則、講師と一対一の個人レッスンで行う。
絵画・工作では、慶応幼稚舎や早実初等部対策として、
美術大学出身者が講師を務める。
3年保育の年少の秋から通い、年長は週1回、グループ、
個人レッスンを、各1コマ(50分)の計2コマ受講が多く、
費用は月額10万円程度。
ここの特徴は、働く母親のため、週末の授業を開講していること。
同校に通う子どもの母親の約4割が、フルタイムで働く。
「母親が仕事を持つと、お受験に不利と言われたのは過去のこと。
働く母親の方が時間を合理的に使い、集中できる面もある」と石井校長。
「家でお母さんが、何時間も勉強を見なくてもすむよう、
教室で力がつくようにしている」
大手企業に勤める東京都内の母親(41)は、
現在、早実初等部3年の長男を1年弱、同校に通わせた。
「最初は不安だったが、教室からアドバイスをもらい、
親子で頑張って、志望校に合格することができた。
母親としての自信にもつながった」と振り返る。
子育てや家庭教育に詳しい川島隆太・東北大学教授(51)(脳科学)は、
「今のお母さんは、忙しく、ストレスをためている場合が多いため、
子どもとのかかわりが表面的になっている」
「子どもと過ごす時間の長さよりも、中身が重要。
遊びや料理などの共同作業で感動を共有したり、
勉強を見てあげてほめたり、ということを続けていくことが重要」
◆メモ
小学校の入試は、数量・図形や言語などから出題される「ペーパー試験」、
集団行動や遊びから仲間とのコミュニケーションができるかなどを
評価する「行動観察」、洋服をたたむなど身の回りのことができるかを見る
「生活習慣」、絵画・工作、「指示行動」などの運動、面接など。
どれを実施、重視するかなどは、学校によって異なる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101217-OYT8T00178.htm
ノーベル賞:化学賞・根岸さんインタビュー 受賞確率1000万分の1、努力で高まる
(毎日 11月28日)
効率よく有機化合物を製造する手法を開発した業績で、
今年のノーベル化学賞に選ばれた
根岸英一・米パデュー大特別教授(75)。
現在、妻すみれさん(73)と帰国。
受賞確率は、「1000万分の1」と分析、
「努力で高められるので、宝くじと違う」と主張。
「人工的な光合成を実現したい」と意欲を示した。
「50年の夢がかなった」。
受賞発表直後、喜びをこう表現した。
渡米した60年秋、日本人受賞者は故湯川秀樹氏のみで、
ノーベル賞は「雲の上の存在」。
後に恩師となった米パデュー大のハーバート・ブラウン博士の
講演を聴き、「この人はノーベル賞をとる」と確信、門戸入り。
予想は、79年に現実となった。
授賞式に同行し、「ノーベル賞が目標として近くなった」と感じた。
20世紀に生きて死んだ人の数と過去の受賞者数から、
ノーベル賞に選ばれる確率は、「1000万分の1」に。
「低過ぎて宝くじに当たるような確率に思えるが、
1000万は10を7回かけ合わせた数。
10人中1位になる経験を、7回繰り返すと考えればいい」と
努力を継続する大切さを強調。
今後の研究テーマとして、「人工的な光合成の実現」を挙げた。
「食料やエネルギー問題の解決になり、地球温暖化対策で
炭酸ガスの排出をなくそうとするのもナンセンスになる。
論理的には可能なはずで、今世紀中にできなかったらおかしい」
ブラウン博士とは、たびたび意見が対立し、
「お前みたいに、自分に反論する日本人は初めて」と言われた。
他の著名研究者の論文の誤りを何度か指摘し、
その正しさが証明されるにつれ、次第に信頼を寄せられるようになった。
若手研究者には、「人のまねから本質的に抜け出すよう、
心がけてほしい」と助言。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/11/28/20101128ddm041040055000c.html
効率よく有機化合物を製造する手法を開発した業績で、
今年のノーベル化学賞に選ばれた
根岸英一・米パデュー大特別教授(75)。
現在、妻すみれさん(73)と帰国。
受賞確率は、「1000万分の1」と分析、
「努力で高められるので、宝くじと違う」と主張。
「人工的な光合成を実現したい」と意欲を示した。
「50年の夢がかなった」。
受賞発表直後、喜びをこう表現した。
渡米した60年秋、日本人受賞者は故湯川秀樹氏のみで、
ノーベル賞は「雲の上の存在」。
後に恩師となった米パデュー大のハーバート・ブラウン博士の
講演を聴き、「この人はノーベル賞をとる」と確信、門戸入り。
予想は、79年に現実となった。
授賞式に同行し、「ノーベル賞が目標として近くなった」と感じた。
20世紀に生きて死んだ人の数と過去の受賞者数から、
ノーベル賞に選ばれる確率は、「1000万分の1」に。
「低過ぎて宝くじに当たるような確率に思えるが、
1000万は10を7回かけ合わせた数。
10人中1位になる経験を、7回繰り返すと考えればいい」と
努力を継続する大切さを強調。
今後の研究テーマとして、「人工的な光合成の実現」を挙げた。
「食料やエネルギー問題の解決になり、地球温暖化対策で
炭酸ガスの排出をなくそうとするのもナンセンスになる。
論理的には可能なはずで、今世紀中にできなかったらおかしい」
ブラウン博士とは、たびたび意見が対立し、
「お前みたいに、自分に反論する日本人は初めて」と言われた。
他の著名研究者の論文の誤りを何度か指摘し、
その正しさが証明されるにつれ、次第に信頼を寄せられるようになった。
若手研究者には、「人のまねから本質的に抜け出すよう、
心がけてほしい」と助言。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/11/28/20101128ddm041040055000c.html
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