(読売 1月7日)
書き上げたエッセーの原稿を手に、伝えたかったことを友だちに話す。
話を聞いた友だちは、気に入った表現などを付箋に書き、
原稿に張りつけていく。
横浜市立並木中央小学校で行われた6年生の国語の授業。
子どもたちは、岸田薫・主幹教諭(38)の指示で班に分かれ、
卒業文集に載せるエッセーを批評し合った。
「エッセーの内容や表現について、友だちと交流し、
自分に身についた力を確かめるのが目的」
6年間大切に使ったランドセルへの感謝の気持ちをつづった
宮崎霞さん(11)は、「文章を半分に縮めるのに苦労した。
一つも比喩を使っていないことに気がついたので、
今度は友だちのように使ってみたい」
横浜市初の再編統合校として、2006年に開校した同小は、
豊かなコミュニケーション力の育成を目標に掲げ、
第一歩として07年から、国語力を高める教科指導に力を入れる。
酒井宏校長(57)は、「自己を確立し、個性や感性を映し出す
基盤となるのは日本語の力。
コミュニケーション手段として英語は有効だが、まずは国語力を鍛え、
自分の考えをしっかり持つことを優先すべきだ」
身につけたい力、言語活動、教材を結びつけて単元づくりをするため、
「単元プラン凝縮シート」を独自に開発。
研究推進委員長の岸田主幹教諭は、
「児童の実態を把握し、まずは身につけたい力を明確にする。
その上で、教材と言語活動を設定して単元を作る。
同じ学年でも、クラスによって活動や教材が違うこともある」
6年間を見通した系統性も欠かせない。
高学年で「書評」を書く場合、その前に「推薦文」、さらに前には
「紹介文」を書いていなければならない。
岸田主幹教諭が、子どもたちの変化を意識したのは、11月中旬。
単元のまとめとして、クラス全体での交流を行った時。
教師の指名がなくても、子どもたちの発言は途切れず、
約20分間にわたって活発な意見が飛び交った。
「1学期には、付箋やノートに事前に意見をまとめ、
少人数の班の中でしか発表できない子が多かった。
児童が主体的に活動したいという思いが高まり、
学習の雰囲気も良くなった」
自ら考え、他人とかかわり、つながり合う力の基盤として、
確かな国語の力が育まれている。
◆並木中央小の単元プラン凝縮シートの項目
▽単元を通して児童に身につけたい力
▽重点化した領域と指導事項
▽設定した言語活動と選んだわけ、既習経験
▽選択した教材と選んだわけ
▽単元と部会テーマのかかわり
▽単元における「チャレンジ」の部分
▽授業の見どころ
▽指導でアイデアがほしいこと
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20110107-OYT8T00150.htm
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